JPH0899795A - 建築用クレーン装置および建築方法 - Google Patents

建築用クレーン装置および建築方法

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JPH0899795A
JPH0899795A JP19868695A JP19868695A JPH0899795A JP H0899795 A JPH0899795 A JP H0899795A JP 19868695 A JP19868695 A JP 19868695A JP 19868695 A JP19868695 A JP 19868695A JP H0899795 A JPH0899795 A JP H0899795A
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core
building
main body
crane
body shaft
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Akira Tanaka
昭 田中
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  • Conveying And Assembling Of Building Elements In Situ (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クレーン車が入ることのできない場所でも使
用でき、簡易な構成で建築資材を吊り上げて、建築物を
容易に建てることのできる建築用クレーン装置と、建築
方法を提供する。 【構成】 建築物の略中央部に構築されて該建築物に作
用する水平力を支持できるよう補強されたラーメン構造
から成るコア10と、コア10の周囲に立設された柱6
4と、柱64とコア10との間及び柱64間を結合する
梁68とから成る骨組を有する建築物を建てる際に利用
される建築用クレーン装置であって、コア10に着脱自
在に支持されて軸線を中心に回動可能に起立され、コア
10の上方へ延びる本体軸12と、本体軸12に設けら
れたクレーン機構とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築用クレーン装置
と、その建築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】日本の伝統的な木造建築としては、木造
軸組構法(以下、在来工法という)がある。この工法に
よれば、日本伝来の工法を受け継ぎ、柱、梁、筋違の軸
で建物を支える。建物に作用する外力は多数の柱で分散
して受ける。また、高度な木組の技術と複雑な工程を経
て構築される。このため、工事期間が長期にわたり、建
築コストが嵩む。
【0003】また、部材の多くを工場で生産し、施工現
場で組み立てるプレハブ工法、または、規格材で組んだ
枠に構造用合板を釘打ちし、壁、床、屋根パネルをつく
り、それを組み立て上げる2×4工法がある。これらの
工法でも、各建築資材で建物に作用する外力を分散して
受ける点では、在来工法と同じであるが、既に工場内で
規格化生産された建築資材を搬送して組み立てるため、
施工効率が向上し、建設コストを低減できるという利点
がある。
【0004】さらに、施工効率および断熱性能を向上さ
せる工法として、本願出願人は新な建築方法(特開平5
−302355号公報)を開示している。この工法によ
れば、先ず、建築物の略中央部に、建築物に作用する全
ての水平力を支持できるよう補強されたラーメン構造か
ら成るコアを構築する。次にそのコアの周囲に立設され
た柱と、その柱と前記コアとの間及びその柱間を結合す
る梁とから成る骨組を構築する。そして、外壁の断熱パ
ネルを張設し、さらに屋根を形成する。この建築工法に
よれば、コアで水平力を支持できるため、柱の数を減ら
すことが可能である。例えば、強度のすぐれた集成材を
柱および梁として使用すれば、柱の数を在来工法のほぼ
10分の1程度で済ますことができる。このため、材料
費および施工費用を低減でき、建設コストを低減でき
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
プレハブ工法、或いは上記の新建築方法においても、従
来はクレーン車で建築資材を吊り上げて建築物を構築す
るが、クレーン車が自由に入れない場所では、建築資材
の組立て作業をすることが難しい場合がある。例えば、
敷地の一方の位置のみにしかクレーン車が駐車できない
場合には、反対側の外壁等の組立てのためにスパンの長
いアームが必要となる。すなわち、大型のクレーン車を
必要とし、建設コストが嵩むとう課題がある。また、建
築場所によっては、全くクレーン車が進入できない敷地
もある。このような建築現場では、工場で規格生産され
た大型の断熱壁パネルを張設するような作業は、かえっ
て人力がかかり難しい場合があった。さらに、建築資材
の置場とクレーン車を駐車させる場所とを共用する場合
は、クレーン車の動きに合わせて建築資材を再三に渡っ
て移動させる必要があるなど不便であった。
【0006】そこで、本発明の目的は、クレーン車が入
ることのできない場所でも使用でき、簡易な構成で建築
資材を吊り上げて、建築物を容易に建てることのできる
建築用クレーン装置と、建築方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は次の構成を備える。すなわち、本発明の建
築用クレーン装置は、建築物の略中央部に構築されて該
建築物に作用する水平力を支持できるよう補強されたラ
ーメン構造から成るコアと、該コアの周囲に立設された
柱と、該柱と前記コアとの間及び該柱間を結合する梁と
から成る骨組を有する建築物を建てる際に利用される建
築用クレーン装置であって、前記コアに着脱自在に支持
されて軸線を中心回動可能に起立され、前記コアの上方
へ延びる本体軸と、該本体軸に設けられたクレーン機構
とを具備することを特徴とする。
【0008】また、前記コアのラーメン構造を構成する
一の支柱の上端に前記本体軸およびクレーン機構を設け
たことで、建築用クレーン装置の構成を簡単できる。
【0009】また、前記コアが鉄骨ラーメン構造であ
り、前記本体軸が、前記コア内に起立され、前記コアと
の間に配された保持部材によって保持されていることに
よって、強度のある建築用クレーン装置を建築物の略中
央部に容易に配設できる。
【0010】また、前記本体軸は、中途部が前記コアに
保持された円筒部材に嵌入されて保持され、下端に装着
された転がり機構を介して基礎面上に受けられることで
回動可能に設けられていることで、簡便な構成で自在の
回動するクレーンを容易に形成することができる。
【0011】また、上記クレーン機構が、本体軸に上下
方向に回動可能に軸着されたブームと、該ブームをワイ
ヤを介して上下方向に回動させる回動駆動装置と、前記
ブームの先端部でワイヤを介して重量物を吊り上げる吊
り上げ装置とから構成されていることで、簡便な構成で
重量物を吊り上げることのできるクレーン機構を容易に
形成することができる。
【0012】さらに、本発明は、建築物の略中央部に構
築されて該建築物に作用する水平力を支持できるよう補
強されたラーメン構造から成るコアを形成する工程と、
前記コアの上方へ延びる本体軸をコアに支持させて回動
可能に起立させ、該本体軸にクレーン機構を装着する工
程と、前記本体軸に装着されたクレーン機構を利用して
基礎部材、柱、梁、および外装材等の建築資材を吊り上
げ建築物を組立てる工程と、コアを残し、前記本体軸と
クレーン機構とを取り外す工程とを具備することを特徴
とする建築方法にもある。
【0013】
【作用】本発明の建築用クレーン装置によれば、建築物
の略中央部に構築されたラーメン構造から成るコアに本
体軸を軸線を中心に回動可能に起立させ、その本体軸に
アーム等を備えるクレーン機構が設けられている。コア
は、水平力を支持できるように構造的に強度があるた
め、このコアによって本体軸とブームを有するクレーン
機構とが好適に支持される。すなわち、コアと本体軸お
よびクレーン機構とが一体となって建築用クレーン装置
が構成される。このように、クレーン装置を適切に建築
物の略中央に位置させることができるため、クレーン車
が入ることのできない場所でも、建築資材を吊り上げ
て、建築物を容易に組み立てることができる。また、ス
パンの短いブームでも建設物の床面全範囲をカバーする
ことができるから、クレーン機構を小型化することがで
きる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基
づいて詳細に説明する。図1は本発明にかかる建築用ク
レーン装置の一実施例を示す説明図である。図2は図1
の実施例の建築用クレーン装置が建築現場で利用される
状態を示す平面図である。10はコアであり、建築物の
略中央部に重量鉄骨によってラーメン構造に構築されて
いる。このコア10は、建築物に作用する水平力を支持
できるように設計されている。ところで、コアとして
は、重量鉄骨に限らず、水平力を支持できれば、他の構
造、例えば鉄筋コンクリートでもよい。なお、建築物
は、コア10の周囲に立設される柱と、その柱とコア1
0との間及びその柱間を結合する梁とから成る骨組を構
築する工程を経て建設される。
【0015】12は本体軸であり、コア10内に支持さ
れて回動可能に起立され、コア10の上方へ延びてい
る。14は円筒部材であり、一階の上部となる高さから
二階の天井裏となる高さ位置まで延びている。この円筒
部材14に本体軸12が挿通している。16は補強材で
あり、円筒部材14に固着されている。18はターンバ
ックルであり、一端が補強材16を介して円筒部材14
に固着され、他端がコア10に固着されている。このタ
ーンバックル18は、図2に示すように、本体軸12を
中心に、コア10の対角線上に配設されており、本体軸
12をコア10内に確実に固定している。このように、
本体軸12をコア内に起立させるように本体軸12とコ
ア10との間に配された保持部材として、上記の円筒部
材14、補強材16およびターンバックル18が作用し
ている。
【0016】また、本体軸12に下部には、シャフト状
の下端に円板20が固設されており、その円板20の下
面に転がり機構の一例として複数のキャスター22が装
着されている。キャスター22の車輪は基礎面24上に
接触している。従って、本体軸12は、その一部を構成
するキャスター22を介して基礎面24上に受けられて
いる。なお、基礎面24とは、コンクリート基礎表面に
限らず、一定の平滑面を構成する面であればよい。ま
た、本実施例では、二階建ての家屋を想定しているた
め、一階の基礎上に本体軸12が受けられた状態を示し
ているが、例えば三階立ての家屋では、二階の床面に図
1の実施例の本体軸12に装着されたクレーン機構を載
置して利用することも可能である。従って、基礎面24
とは、複数のキャスター22が当接できる土台となる平
滑面ということができる。
【0017】26はハンドルであり、本体軸12に水平
方向に突設されている。作業者は、このハンドル26を
持って人力で本体軸12を回動できる。通常の住宅の建
築では、吊り上げる重量物は大きくないため、人力によ
っても十分に操作可能であるが、動力によって本体軸1
2を回動してもよい。例えば、パワーショベルに利用さ
れている回動機構(円周状のラックにピニオンを歯合さ
せ、ピニオンを電動モータによって回転させる機構)を
利用できる。
【0018】28はブームであり、本体軸12の突起部
12aの回動軸30に軸着されている。このブーム28
は、ワイヤ32によって回動軸30を中心に先端が上下
方向に回動できる。34はワイヤの巻き取り装置であ
り、電動モータ(図示せず)によって駆動する。ワイヤ
32は、図1に明らかなように、一端が本体軸12の水
平突起部12bの先端部に固定されて、本体軸12の上
方延設部12cに設けられたプーリー36、ブーム28
の中途部に設けられたプーリー38、および本体軸12
の水平突起部12bの中途部に設けられたプーリー40
に巻き回されており、他端が巻き取り装置34のドラム
に巻き取られている。従って、ワイヤ32を巻き取り装
置34によって巻き取ることで、ブーム28の先端を上
方へ回転することができ、ワイヤ32を繰り出すことに
よってブーム28の先端を下方へ回転できる。なお、本
実施例によれば、ワイヤ32の一端が水平突起部12b
の先端部に固定されているため、ブーム28を直接的に
引き上げる際の力の半分で回動させることができる。ま
た、ブーム28は、本図に限らず、トラス構造のように
補強するなど、その形状を好適に設定できるのは勿論で
ある。このようにして、クレーン機構が建築物の略中央
に位置されるため、スパンの短いブーム28でも建設物
の床面全範囲をカバーすることができるから、クレーン
機構を小型化することができる。
【0019】42はフックであり、建築資材を引き上げ
る吊り上げ装置の重量物との係合部を構成している。こ
のフック42はプーリー46に回動自在に軸着され、垂
下されており。このフック42は、ワイヤ48によって
昇降動できる。50はワイヤの巻き取り装置であり、電
動モータ(図示せず)によって駆動する。ワイヤ48
は、図1に明らかなように、ブーム28の先端部に固定
されて、ブーム28の中途部に設けられたプーリー5
2、および本体軸12の水平突起部12bの中途部に設
けられたプーリー54に巻き回されており、他端が巻き
取り装置50のドラムに巻き取られている。従って、ワ
イヤ48を巻き取り装置50によって巻き取ることで、
フック40を上昇することができ、ワイヤ48を繰り出
すことによってフック40を下降できる。なお、本実施
例によれば、ワイヤ48の一端がブーム28の先端部に
固定されているため、フック42を直接的に引き上げる
力の半分の力でフックを吊り上げることができる。
【0020】次に、上記の構成からなる建築用クレーン
装置を用いた建築方法を、図3および図4に基づいて説
明する。本発明による建築方法は、先ず、建築物の中央
部付近に、建築物に作用する水平力を支持できるように
補強されたラーメン構造からなるコア10を形成する。
このコア10は、図3に示すように4本の重量鉄骨から
なる4本の支柱60を基礎の上に立設し、その4本の支
柱60を重量鉄骨からなる梁鋼材62によって相互に連
結して構築する。基礎は、一の支柱60を一の基礎(独
立基礎)が対応するように設けられている。なお、図3
では、その独立基礎が上部に打設されたコンクリートに
よって埋設された状態を示している。独立基礎に支柱6
0を固着するには、独立基礎に植設したアンカーボルト
を利用して行う。梁鋼材62は各階の床(或いは天井)
を形成する高さに設けられており、一階分の梁(所謂地
中梁配筋)は後で打設されたコンクリートによって埋設
されている。このようにして鉄骨ラーメン構造を有する
直方形状のコア10が形成される。なお、鉄骨のコア1
0の組み立てはユニック車(トラックの後ろにクレーン
が搭載されたもの)程度の荷揚げ機で行うことができ
る。
【0021】次に、コア10の上方へ延びる本体軸12
をコア10に支持させて回動可能に起立させ、本体軸1
2の上部にブーム28を回動可能に軸着してクレーン機
構を設ける。具体的には、円筒部材14に本体軸12を
挿入した状態で、本体軸をコア10の略中央部に起立さ
せ、ターンバックル18を締めつけることで、本体軸1
2を軸線を中心に回動可能に配置する。そして、ブーム
28を回動軸30に軸着し、さらに、ワイヤ32および
ワイヤ48を巻き回してクレーン機構を完成する。な
お、本体軸とクレーン機構とは、図1または図3に示す
に形状に限らず、組立および解体を容易に行うことがで
きるように細分割可能な形態としてもよい。例えば、本
体軸12の起立棒状部とその上部(突起部12a、水平
突起部12bおよび上方延設部12c)とを分割できる
ようにしてもよい。また、ワイヤの巻き回し方法も実施
例の限らず種々の方法がある。例えば、一つのプーリー
でブーム28等を直接引き上げる方法でもよい。さらに
は、ブーム28の駆動装置としては油圧装置を使用する
こともできるし、フック42を昇降動させる装置として
はチェーンブロック等の手動装置とすることも可能であ
る。
【0022】次に、上記の本体軸12に装着されたクレ
ーン機構を利用して基礎部材、柱、梁、および外装材等
の建築資材を吊り上げ、建築物を組立てる。具体的に
は、先ず独立基礎66の間に工場で成形されたプレキャ
ストコンクリート製基礎(以下PC基礎67という、図
2参照)を、クレーン機構で吊り上げ、本体軸12をハ
ンドル26を作業者が押すことによって回動させ、所定
の位置に配設する。このPC基礎67は、独立基礎66
と、その独立基礎66の外側面から一体に延設された排
水溝と、複数のブロック体を相互に排水溝の伸長方向に
連結するための連結部を備えている。このため、基礎の
敷設現場に適宜な厚さに捨てコンクリートを打ち、その
上に薄い未硬化のモルタル層を介してPC基礎67を並
べ、連結部をボルト等によって連結すれば、基礎の形成
と同時に、排水溝が構築できるとう利点を有する。
【0023】そして、クレーン装置を利用し、図4に示
すように、集成材から成る柱64用の基礎66に、柱6
4を立設し、これらの柱64間や、コア10と柱64と
の間を、集成材から成る梁68で連結する。コア10
と、梁68との連結は、支柱60或いは梁鋼材62の梁
68との連結位置に、連結板を予め溶接によって突設し
ておき、これに、梁68の木口に設けた割り溝を嵌合し
てボルトにより固定する。梁68と柱64との結合は、
両者の交差接合部をボルトによって縫い通してナットを
締めする方法等で行う。このようにして、建物の骨格が
形成されたら、ターンバックル付きの筋交い棒で、骨組
を固定する。但し、床を剛性のある断熱パネルによって
構成する場合には、そのパネルによって、剛性が確保さ
れるので、必ずしも必要ない。
【0024】次に、クレーン装置を利用し、床、壁、屋
根を、断熱パネルによって構築する。断熱パネルとして
は、例えば、表裏の木質板の間に、自己消化性若しくは
難燃性を備えた硬質ポリウレタン発砲体の板状成型物を
サンドイッチ状に挟んで、一体化して成る断熱パネル7
0を用いる。木質板は、木材を繊維方向に薄くそいだフ
ィルム状のものを、繊維方向を揃えて接着材によって板
状に圧着成形したもので、均質で強度に優れ、且つ、製
作上、大きさに制限を受けないので、例えば、縦×横
が、約7.2m×1.2mといった長尺のものも、自由
に製作でき、一階から二階までの壁面の長さに等しいも
のを使って、柱64間を、梁68にラグスクリューボル
ト等の止め具により固着することによって壁面を形成す
る。そして、充填材(伸縮材からなるパッキングやシリ
コン樹脂などから成る充填剤)を必要に応じて用い、柱
と断熱パネルとの気密をする
【0025】床は、適宜に根太を設けて、その上に、断
熱パネルを張ることによって形成される。また、屋根下
地は、コア10上に立設した、つか72によって構成さ
れた小屋組みに、同様に、断熱パネルを張ることによっ
て、簡単に形成される。この際、垂木74等の取り付け
には、接合金具を使用すれば、容易かつ確実にできる。
さらに、このようにして形成された壁面、床面には、必
要に応じて、適当な化粧工事が施され、また、屋根下地
面には、防水性屋根材が取り付けられ、その他、必要な
内装工事が施される。
【0026】上記本実施例の建築物は、コア10によっ
て建築物に作用する水平力を支持しているため、間柱を
配設する必要性がなく、使用する柱の数を大幅に減らす
ことができる。また、天井の構造も、コア10によって
支持できるため、つか72等の構造材を簡略化できる。
そして、本建築方法によって通常の住宅を建築する場
合、鉄骨、柱、梁、高断熱パネルの建て込みで約4日程
度で済み、工期を大幅に短縮できる。このようにして、
建設資材費を低減できると共に、施工能率を大幅に低減
できるため、建築コストを大幅に低減できる。また、間
柱がないため、木造建築では不可能とされてきた広いオ
ープンスペースの確保ができる。従って、パーティショ
ンを変えることで間取りの変更が容易にでき、生活スタ
イルの変化に対応できる。さらに、柱の数が少ないため
建築物全体を軽量化できるので、耐震性も高い。また、
本実施例のように梁、柱に集成材等の木材を使用し、外
装材に高断熱パネルを使用することで、熱伝導性の高い
鉄骨で構成されたコアを内包できるため、断熱性を極め
て向上できる。また、高断熱パネルを使用することで、
結露の発生を防止でき、カビやダニが発生することを防
止でき、遮音性、気密性にも優れている。このように、
本実施例によれば、鉄骨、柱、梁、高断熱パネルの合理
的な組合せで、居住性、耐久性、施工性、経済性、省資
源性等のすべての面で有利な効果を有する。なお、この
建築方法は、一般住宅はもちろん集合住宅、事務所、店
舗など、五階程度までの低層建築に幅広く適用できる。
【0027】上記実施例では、屋根下地、壁、床、間仕
切り等を、すべて、長尺断熱パネルによって、形成した
ものを、例示したが、これは、適宜、他の素材で置換で
きることは、言うまでもない。また、高気密性や高断熱
性を長期間維持できる構造として、梁、柱等は、すべ
て、長期間維持できる構造として、梁、柱等は、長期に
わたって狂いのでない、集成木材を使用したが、これ
も、天然木材で行うことを妨げるものではない。また、
コアの形状は、直方形に限らず、建物の外形に応じて、
例えば、平面形状として、多角形を採用しても、何ら不
都合はない。
【0028】以上の実施例では、クレーン機構をコア1
0の略中央付近に起立させた本体軸12の上部に設けた
クレーン装置について説明してきたが、本発明はこれに
限られることない。すなわち、本体軸12がコア10に
支持され、コア10と一体となって建築用クレーン装置
が形成されるという技術思想によれば、例えば、一の支
柱60の上端に短い本体軸(クレーン機構を支持できる
回動可能な軸)を介してクレーン機構を載置してクレー
ン装置としてもよい。このコア10のラーメン構造を構
成する一の支柱60の上端に本体軸12およびクレーン
機構を設けた具体的な実施例を、図5に基づいて説明す
る。60aはフランジ部であり、支柱60の上端に設け
られている。76はアダプタであり、フランジ部60a
に固定され、このアダプタ76に旋回輪軸受78が装着
される。この旋回輪軸受78は固定部(円周状のラック
78a)に対して回転部が回転自在にベアリングを介し
て装着されている。そして、旋回輪軸受78上で、旋回
輪軸受78の回転部と本体軸12の下端に設けられたフ
ランジ部13とが固定されることで、本体軸12が軸線
を中心に回転可能に支柱60に支持される。82は先端
アームであり、本体軸12から水平方向に延設するよう
に、本体軸12に固定されている。この先端アーム82
は長さ方向に適宜分割可能に設けてもよく、図示したよ
うなアーム継ぎ合わせ部82bによって延長すればよ
い。83は先端アームの吊りワイヤであり、先端アーム
82の中途部と本体軸12の上端部との間に張設され、
先端アーム82を支持する。この先端アーム82はH型
の鋼材で形成されており、クレーン機構のアームとして
作用すると共にレールとしても作用する。84はバラン
スアームであり、本体軸12から先端アーム82の反対
側に延設するように本体軸12に固定されている。この
バランスアーム84も先端アーム82と同様にその長手
方向に分割可能に設けてもよい。85はバランスアーム
の吊りワイヤであり、バランスアーム84の端部と本体
軸12の上端部との間に張設され、バランスアーム84
を支持する。86はウェイトであり、バランスアーム8
4の端部に装着される。このウェイト86は先端アーム
82にかかる荷重量によって適宜に調整可能に装着され
ている。88はフックであり、昇降動装置90によって
昇降動可能に設けられていると共に、先端アーム82の
長手方向にスライド装置91によってスライド可能に設
けられている。スライド装置91が先端アーム82の端
から脱落しないように、先端アーム82の端部にはスト
ッパ82aが設けられている。92はスイッチであり、
フック88の昇降動およびスライドを制御するために用
いられる。94はモータ装置であり、モータ取付台95
を介して本体軸12に固定されている。このモータ94
装置の回転軸に固定されたピニオンギア94aが、旋回
輪軸受78の支柱60側に固定された円周状のラック7
8aに歯合している。従って、ピニオンギア94aを回
転させると、本体軸12がその軸線を中心に回転でき
る。96は受信器であり、配線97によって、昇降動装
置90およびスライド装置91の制御部に接続されてい
る。この受信器96によってフック88の動作をリモー
トコントロールして、荷揚げ作業を遠隔操作できる。以
上のように支柱60を利用するので、本体軸12を設置
するための特別な支持部を要せず、建築用クレーン装置
の構成を簡単できる。
【0029】以上一本の支柱60の上方にクレーン機構
を配設した場合について説明したが、本発明はこれに限
らず、二本以上の支柱60を利用してその上方にクレー
ン機構を配設することもできるのは勿論である。以上、
本発明の好適な実施例について種々述べてきたが、本発
明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神
を逸脱しない範囲内でさらに多くの改変を施し得るのは
勿論のことである。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、建築物の略中央部に構
築されたラーメン構造から成るコアに本体軸を回動可能
に起立させ、その本体軸にアーム等を備えるクレーン機
構が設けられている。コアは、水平力を支持できるよう
に構造的に強度があるため、このコアによって本体軸と
クレーン機構とが好適に支持される。すなわち、コアと
クレーン機構とが一体となって建築用クレーン装置が構
成される。このように、クレーン機構を適切に建築物の
略中央に位置させることができるため、クレーン車が入
ることのできない場所でも、建築資材を吊り上げて、建
築物を容易に組み立てることができる。また、スパンの
短いアームでも建設物の床面全範囲をカバーすることが
できるから、クレーン機構を小型化することができる。
このため、本発明によれば、クレーン車の入ることので
きないような条件の悪い建築現場でも利用でき、簡易な
構成で建築資材を吊り上げて、建築物を容易に構築する
ことができるという有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる建築用クレーン装置の一実施例
を示す説明図。
【図2】図1の実施例の建築用クレーン装置を建築敷地
内に配設した状態を示す平面図。
【図3】図1の実施例の建築用クレーン装置を使用した
建築方法を説明する斜視図。
【図4】図3の状態から建築を進めた後の建築物を説明
する斜視図。
【図5】本発明にかかる建築用クレーン装置の他の実施
例を示す説明図。
【符号の説明】
10 コア 12 本体軸 14 円筒部材 16 補強材 18 ターンバックル 20 円板 22 キャスター 28 ブーム 32 ワイヤ 42 フック 48 ワイヤ 60 支柱 64 柱 68 梁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B66C 23/32 E

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物の略中央部に構築されて該建築物
    に作用する水平力を支持できるよう補強されたラーメン
    構造から成るコアと、該コアの周囲に立設された柱と、
    該柱と前記コアとの間及び該柱間を結合する梁とから成
    る骨組を有する建築物を建てる際に利用される建築用ク
    レーン装置であって、 前記コアに着脱自在に支持されて軸線を中心に回動可能
    に起立され、前記コアの上方へ延びる本体軸と、 該本体軸に設けられたクレーン機構とを具備することを
    特徴とする建築用クレーン装置。
  2. 【請求項2】 前記コアのラーメン構造を構成する一の
    支柱の上端に前記本体軸およびクレーン機構を設けたこ
    とを特徴とする請求項1記載の建築用クレーン装置。
  3. 【請求項3】 前記コアが鉄骨ラーメン構造であり、 前記本体軸が、前記コア内に起立され、前記コアとの間
    に配された保持部材によって保持されていること特徴と
    する請求項1記載の建築用クレーン装置。
  4. 【請求項4】 前記本体軸は、中途部が前記コアに保持
    された円筒部材に嵌入されて保持され、下端に装着され
    た転がり機構を介して基礎面上に受けられることで回動
    可能に設けられていることを特徴とする請求項3記載の
    建築用クレーン装置。
  5. 【請求項5】 上記クレーン機構が、 本体軸に上下方向に回動可能に軸着されたブームと、 該ブームをワイヤを介して上下方向に回動させる回動駆
    動装置と、 前記ブームの先端部でワイヤを介して重量物を吊り上げ
    る吊り上げ装置とから構成されていることを特徴とする
    請求項1、2、3または4記載の建築用クレーン装置。
  6. 【請求項6】 建築物の略中央部に構築されて該建築物
    に作用する水平力を支持できるよう補強されたラーメン
    構造から成るコアを形成する工程と、 前記コアの上方へ延びる本体軸をコアに支持させて回動
    可能に起立させ、該本体軸にクレーン機構を装着する工
    程と、 前記本体軸に装着されたクレーン機構を利用して基礎部
    材、柱、梁、および外装材等の建築資材を吊り上げて建
    築物を組立てる工程と、 コアを残し、前記本体軸とクレーン機構とを取り外す工
    程とを備えることを特徴とする建築方法。
JP19868695A 1994-08-05 1995-08-03 建築用クレーン装置および建築方法 Pending JPH0899795A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105019666A (zh) * 2015-07-25 2015-11-04 北京首钢建设集团有限公司 一种与高炉连接的最后一节通廊的安装方法
JP2017040070A (ja) * 2015-08-19 2017-02-23 株式会社益田建設 屋根下地の施工方法、および屋根下地構造
CN115434355A (zh) * 2022-07-08 2022-12-06 中国十七冶集团有限公司 一种沿海滩涂软地基自升塔吊基础及塔吊安装方法

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