JPH10152418A - 水系美爪料 - Google Patents

水系美爪料

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Publication number
JPH10152418A
JPH10152418A JP31222996A JP31222996A JPH10152418A JP H10152418 A JPH10152418 A JP H10152418A JP 31222996 A JP31222996 A JP 31222996A JP 31222996 A JP31222996 A JP 31222996A JP H10152418 A JPH10152418 A JP H10152418A
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JP
Japan
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acrylate
allyl
acid
meth
water
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Application number
JP31222996A
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English (en)
Inventor
Yasumi Shimizu
保美 清水
Takayuki Otsuka
高幸 大塚
Seiji Nakamura
誠司 中村
Koji Aoki
宏二 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Soda Co Ltd
Original Assignee
Daiso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 美爪料として従来相反する性質、造膜性と硬
度、耐摩耗性にバランスのとれた水系美爪料を得る。 【解決手段】 (a)炭素数8〜12の2価以上の芳香
族カルボン酸の(メタ)アリルエステルモノマー、
(b)親水性官能基を有する炭素数3〜15のビニルモ
ノマー及び(c)炭素数4〜15のアクリル酸エステル
モノマーを、(a)モノマーの重合率が85%以上まで
乳化重合して得られた平均粒子径0.02〜0.2μm
のアリル系架橋共重合体微粒子含有水系エマルションを
固形分換算で5〜60重量%含む水系美爪料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アリル系架橋共重
合体微粒子含有水系エマルションを含む水系美爪料に関
する。本発明における美爪料とはネイルエナメル、ネイ
ルエナメルベースコート、ネイルエナメルオーバーコー
ト等を含むものである。
【0002】
【従来の技術】従来美爪料はニトロセルロース、アリー
ルスルホンアミドホルムアルデヒド樹脂、アルキッド樹
脂等をベース樹脂とし、これに助剤を添加して有機溶剤
に溶解させた、いわゆる溶剤系のものが主として用いら
れてきた。しかし、これら溶剤系のものは使用時に溶剤
臭による不快感を伴うのみならず、人体への吸入による
健康上の問題や爪や皮膚への生理的悪影響の問題があ
り、有機溶剤を使用しない美爪料の開発が望まれてい
た。
【0003】特開昭54−28836号公報には、アク
リル酸エステル又はメタクリル酸エステルとスチレン誘
導体から選ばれたビニルモノマーとの水性乳化共重合体
を含む美爪塗膜形成剤が開示されているが、その主旨は
非架橋系のものであり、架橋剤を含む場合もその濃度は
10重量%を超えない範囲に限定されており、使用時に
塗り難いという欠点がある。
【0004】特開昭54−52736号公報には、ポリ
マーエマルション、特に粒子径が0.1μm以下のマイ
クロエマルションの配合が開示されており、それらの中
にはアクリル系のエマルション群が挙げられている。そ
れらの適用エマルション例として各種市販品例が列挙さ
れているが、通常それらは非架橋系又は極く低架橋度の
ものを指しており、またマイクロエマルションのモノマ
ー例としても複数のビニル基を有する架橋性アクリレー
ト又はビニルベンゼン類は挙げられておらず、高度な架
橋共重合体エマルションとは異なるものである。また使
用時に塗り難いという欠点もある。
【0005】特開昭56−131513号公報及び特開
昭57−56410号公報には、上記アクリル系マイク
ロエマルションと酢酸ビニル系を主体とするポリマーエ
マルションの混合エマルションを用いる剥離型もしくは
通常の美爪料が開示されているが、いずれも機械的な摩
擦に対する耐性において大きな欠点を有する。
【0006】特開昭62−63507号公報には、天然
ゴムラテックスの弾性とアクリル系エマルションの硬さ
を兼備させることを目的として両者の混合系が開示され
ている。特徴はリムーバーを必要とせずに膜を剥離除去
できる点にあるが、反面、使用中に直ぐに剥がれるとい
う欠点を有する。また使用されるアクリル系エマルショ
ンに関する詳細な記載はない。
【0007】特開平3−112917号公報には、ポリ
ウレタン系水性分散液及び/又はビニル系化合物水分散
液からなるマニキュア液が開示されているが、用いられ
るビニルポリマーの具体的な記載はなく、また架橋性ビ
ニルポリマーの有用性に関しては全く記載されていな
い。
【0008】特開平3−133916号公報には、多層
構造のポリマー微粒子からなるエマルションを用いた美
爪料が開示されている。しかしこれら各層はいずれも架
橋性ポリマーは含まれていない。
【0009】特開平4−297408号公報には、上記
同様に多層構造のポリマー微粒子からなるエマルション
を用いた美爪料が開示されており、該微粒子は膜硬度の
向上を意図して内層部に架橋重合体が形成されている。
しかし実施例では微粒子中に占める架橋性モノマーの割
合は最高で23%であり、実際上、通常の芳香族系硬質
ビニル系架橋モノマーの割合をそれより十分に多い量で
用いることは重合反応性の観点から極めて困難であるこ
とが知られている。また用いることのできる架橋性モノ
マーについては限定されない旨記載はあるものの、例と
してはジビニルベンゼン系と複数のアクリレート基又は
メタクリレート基を有するモノマー群のみであって複数
のアリル基を有する架橋性モノマーについては全く記載
がない。またエマルションを製造するに際しても、多層
構造を構築するために予め有機溶剤系で外層のポリマー
を合成しておき、これを後乳化させ、最後に溶剤を留出
して水性ビニル樹脂を合成し、該樹脂存在下で内層の架
橋共重合体を水系で重合するという極めて多工程からな
る製造法である。このような製法は製造プロセスの点で
大きな欠点といえる。
【0010】特開平5−163118号公報には、密着
性や耐水性を向上させるために反応性乳化剤を用いたア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル又はスチレン
系のエマルションからなる美爪料が開示されている。し
かし、これにも架橋ポリマーに関する特別な記載はな
く、非架橋性のポリマーを対象としたものである。使用
可能なモノマーの中には複数のビニル基を有するものも
例示されているが、すべてビニル基がアクリレートに関
するものであってアリル系の架橋性モノマーの記載はな
い。
【0011】特開平7−173034号公報には、分散
状態で存在する被膜形成性重合体に水溶性ペルフルオロ
アルキル化合物を共存させることで延展性を改善した美
爪剤が開示されている。しかし該重合体に関して具体的
に詳述した記載はなく、実施例においてはすべてウレタ
ン分散物が用いられており、この発明は特定の重合体と
特定のフッ素化合物の組合せに限定されるべきものであ
る。
【0012】特開平8−40832号公報及び特開平4
−103516号公報には、特定の水性顔料分散液を、
特開平8−40834号公報には、特定の安定剤を、ま
た特開平8−92038号公報には、コロイダルシリカ
をそれぞれ水性エマルションに配合したマニキュア剤が
開示されているが、具体的に対象とされる水性エマルシ
ョンは上記開示の範囲をこえるものではない。
【0013】上記従来技術ではいずれも水性のポリマー
を美爪料の主剤として用いるものであるが、構成成分で
あるポリマーは殆どが非架橋性のものであり、特開平4
−297408号公報に記載のように架橋性のポリマー
を使用する場合には複層構造を施すなど造膜性を与える
ために煩雑な製造工程がとられている。また、使用可能
な架橋性モノマーとしてはジビニルベンゼン系又は複数
のアクリル基もしくはメタクリル基を含むモノマー群し
か例示されておらず、複数のアリル基を架橋性モノマー
成分として含む架橋共重合体エマルションからなる美爪
料は記載されていない。
【0014】一般に美爪料に要求される性質としては、
筆捌き性、速乾性、低臭気性、光沢性、適度な密着性と
透湿性、耐水性、耐洗剤性、耐米磨ぎ性などの耐機械的
摩擦性、硬度、顔料や助剤等の分散安定性、使用後の除
去の容易性などが挙げられ、必要に応じてそれぞれの特
長が強調される。特に耐摩擦性や硬度はエマルションの
造膜性と通常相反する性質のため十分に達成されている
とは言い難い。また一般的に水系では光沢が不足するこ
と及び乾燥に長時間を要することも欠点として挙げられ
ている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、臭気
による不快感の少ない水系の美爪料を得ることであり、
造膜性との背反性の故に比較的難点であった硬度、機械
的摩擦性、光沢性、速乾性に優れた水系美爪料を提供す
ることであり、また美爪料を構成するエマルションの製
造が簡潔な工程からなることを特徴とする美爪料を提供
することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究の結果、架橋剤として特定のアリ
ル系化合物、これに親水性官能基を有するビニルモノマ
ーとアクリル酸エステルを必須成分として得られた架橋
共重合体微粒子の水系分散体を美爪料に含有させること
により、硬度、機械的摩擦性、耐水性、光沢性、速乾性
が改善された水系美爪料が得られることを見出し、本発
明に達したものである。上記知見は、架橋構造に伴う硬
度もしくは耐摩擦性の向上に反して造膜性が低下すると
いう背反する従来の性質を、それぞれの性質を強調させ
ながら両立させたものであり、容易に予測しえないこと
であった。この理由は明確ではないが、本発明において
は架橋性モノマーとして、従来のビニル芳香族系または
(メタ)アクリレート系とは異なり、芳香族カルボン酸
の(メタ)アリルエステル系を用いている点が好結果を
与えている原因の一つと考えられる。
【0017】本発明は、(a)分子内に2個以上のカル
ボキシル基を有する炭素数が8〜12の芳香族カルボン
酸のアリルエステルもしくはメタアリルエステルから選
ばれた1種又は2種以上のモノマー10〜80重量%、
(b)親水性官能基を有する炭素数が3〜15個のビニ
ルモノマーから選ばれた1種又は2種以上のモノマー
0.1〜15重量%及び残部が(c)炭素数4〜15の
アクリル酸エステルの1種又は2種以上のモノマーを、
(a)のモノマーの重合率が85%以上まで乳化共重合
して得られた平均粒子径が0.02〜0.2μmのアリ
ル系架橋共重合体微粒子含有水系エマルションを固形分
換算で5〜60重量%含有することを特徴とする水系美
爪料である
【0018】
【発明の実施の形態】本発明において、アリル系架橋共
重合体微粒子含有エマルションは、上記(a),(b)
及び(c)からなる成分モノマーを乳化剤の存在下水を
反応媒体として撹拌下で重合開始剤を用いて乳化共重合
させることによって得られる。また本発明においては、
該エマルションの製法は上記方法に限定されず、例えば
予め適切な有機溶剤を反応媒体として、上記(a),
(b)及び(c)からなる成分モノマーを不均一系で重
合反応させて得られた架橋共重合体微粒子を水系分散体
に転換させる方法によっても得ることができる。
【0019】本発明において用いられる(a)分子内に
2個以上のカルボキシル基を有する炭素数が8〜12の
芳香族カルボン酸のアリルエステルもしくはメタアリル
エステルを構成する芳香族カルボン酸としては、オルソ
フタル酸、メタフタル酸、テレフタル酸などのフタル酸
類、トリメリット酸、ピロメリット酸などのベンゼン−
トリ又はテトラカルボン酸類、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸などのナフ
タレンジカルボン酸類、テトラヒドロナフタレンジカル
ボン酸などの部分水素化されたナフタレンジカルボン酸
類などが挙げられる。これらのうち、オルソ、イソ、テ
レ−フタル酸類、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好
ましく、特にフタル酸類が好ましく用いられる。上記
(a)成分モノマーの使用量は、(a),(b)及び
(c)の全モノマー中10〜80重量%、好ましくは1
5〜75重量%、更に好ましくは20〜75重量%であ
る。
【0020】本発明において用いられる(b)親水性官
能基を有する炭素数が3〜15個のビニルモノマーとし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸などの不飽和カルボン酸又はこれらの無水物もしく
は塩、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸などの不飽和スルホン酸又は
これらの塩、ビニルホスホン酸、アシッドホスホキシル
エチル(メタ)アクリレートなどの不飽和リン酸などに
代表される、カルボキシル基、スルホン酸基又はリン酸
基を親水性官能基とするビニルモノマー類、アクリル酸
2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル
酸2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール、メタア
リルアルコール、乳酸アリル、グリセリンのアクリル酸
もしくはメタクル酸モノエステル、ペンタエリスリトー
ルのアクリル酸もしくはメタクリル酸モノエステルなど
の水酸基を親水性官能基とするビニルモノマー類、アリ
ルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテ
ル、2−メチルグリシジルアリルエーテル、2−メチル
グリシジルメタアリルエーテル、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、2−メチルグリシジル
アクリレート、2−メチルグリシジルメタクリレートな
どの如く水中での重合反応中又は反応後の公知の後処理
によって水との反応で水酸基を生成することのあるビニ
ルモノマー類、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミ
ド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,
N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジ
エチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルア
ミノメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル
アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタク
リレート、N−メチロールアクリル酸アミド、ジアセト
ンアクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミドなどの
酸アミド基を親水性基とするビニルモノマー類、アミノ
エチルアクリル酸、アミノエチルメタクリル酸、アリル
アミン、メタアリルアミンなどのアミノ基を親水基とす
るビニルモノマー類を挙げることができる。本発明にお
いては、(b)のビニルモノマーの親水性官能基として
はカルボキシル基、水酸基又は酸アミド基が特に好まし
い。これらの特に好ましいビニルモノマーの例としては
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、N,N−
ジエチルアクリル酸アミド、N,N−ジエチルメタクリ
ル酸アミド、ジアセトンアクリルアミドを挙げることが
できる。上記(b)成分モノマーの使用量は、(a),
(b)及び(c)の全モノマー中0.1〜15重量%、
好ましくは0.5〜10重量%、更に好ましくは1〜1
0重量%である。
【0021】本発明において用いられる(c)炭素数4
〜15のアクリル酸エステルは、炭素数1〜12のアル
コールのアクリル酸エステルであり、特に炭素数1〜8
のアルコールのアクリル酸エステルが好ましい。好まし
いアクリル酸エステルの例としては、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アク
リル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸iso−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリ
ル酸ペンチル、アクリル酸シクロペンチル、アクリル酸
ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ヘプ
チル、アクリル酸メチルシクロヘキシル、アクリル酸オ
クリル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどが挙げられ
る。これらのうち、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロ
ピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチ
ル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシルが特に好ましい。
【0022】上記(c)アクリル酸エステルの一部を造
膜性を損なわない範囲で他のビニル化合物に換えること
ができる。このようなビニル化合物の例としては、メタ
クリル酸エステル、マレイン酸エステル、フマル酸エス
テル、イタコン酸エステル、アセトアセトキシエチルメ
タクリレートなどのα,β−不飽和カルボン酸のエステ
ル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの
α,β−不飽和ニトリル類、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、長鎖カルボン酸ビニル(シェルジャパン社商品
名ベオバ10、ベオバ9)などのビニルエステル類、ア
クロレイン、メタアクロレイン、クロトンアルデヒドな
どのα,β−不飽和アルデヒド類、メチルビニルケトン
などのα,β−不飽和ケトン類、ビニルトリメトキシシ
ラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなど
のアルコキシシリル基含有ビニル化合物類、メチルビニ
ルエーテル、エチルビニルエーテル、2−クロロエチル
ビニルエーテルなどのビニルエーテル類、トリフルオロ
エチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレー
ト、パーフルオロアルキルアクリレート、パーフルオロ
アルキルメタクリレート、1−位のみが水素置換された
パーフルオロアルコールのアクリレートもしくはメタク
リレートなどのフッ素化されたアルコール成分からなる
アクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル類、
メチル(メタ)アリルエーテル、エチル(メタ)アリル
エーテル、プロピル(メタ)アリルエーテル、ブチル
(メタ)アリルエーテル、ヘキシル(メタ)アリルエー
テル、シクロヘキシル(メタ)アリルエーテル、2−エ
チルヘキシル(メタ)アリルエーテル、フェニル(メ
タ)アリルエーテル、クレジル(メタ)アルリエーテル
などのアリルエーテルもしくはメタアリルエーテル類、
酢酸(メタ)アリル、プロピオン酸(メタ)アリル、酪
酸(メタ)アリル、安息香酸(メタ)アリル、乳酸(メ
タ)アリルなどのアリルエステル又はメタアリルエステ
ル類、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ
(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリア
ジントリアクリレート、ホスファゼントリ(メタ)アク
リレートなど分子内に複数のアクリル基もしくはメタア
クリル基を有する架橋性モノマー類、エチレンジアミン
ジ(メタ)アクリルアミド、ヘキサンジアミンジ(メ
タ)アクリルアミド、フェニレンジアミンジ(メタ)ア
クリルアミドなど分子内に複数のアクリルアミド基もし
くはメタアクリルアミド基を有するモノマー類、ジビニ
ルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジイソプロペニルベ
ンゼンなど分子内に複数の芳香族共役性ビニル基を有す
る架橋性モノマー類、ブタジエン、イソプレン、1,5
−ヘキサジエン、ビニルシクロヘキセンなど複数の不飽
和結合を有する架橋性不飽和脂肪族もしくは不飽和脂環
族類、エチレングリコールジ(メタ)アリルエーテル、
プロピレングリコールジ(メタ)アリルエーテル、ヘキ
サンジオールジ(メタ)アリルエーテル、トリメチロー
ルプロパンジ(メタ)アリルエーテル、ペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アリルエーテル、ジメチロールシク
ロヘキサンジ(メタ)アリルエーテル、トリ(メタ)ア
リルイソシアヌレートなど分子内に複数のアリルエーテ
ル基もしくはメタアリルエーテル基を有する架橋性モノ
マー類、ジ(メタ)アリルカーボネート、シュウ酸ジ
(メタ)アリル、コハク酸ジ(メタ)アリル、フマル酸
ジ(メタ)アリル、マレイン酸ジ(メタ)アリル、アジ
ピン酸ジ(メタ)アリル、シクロヘキサンジカルボン酸
ジ(メタ)アリルなど分子内に複数のアリルエステル基
又はメタアリルエステル基を有する架橋性モノマー類、
ジ(メタ)アリルアミン、トリ(メタ)アリルアミン、
メチルジ(メタ)アリルアミン、ジメチルジ(メタ)ア
リルアンモニウムクロライドなど分子内に複数のアリル
基もしくはメタアリル基を有するアミノ化合物類、(メ
タ)アリルビニルエーテル、(メタ)アリル(メタ)ア
クリレートなど分子内に異種の重合性基を有するモノマ
ー類を挙げることができる。これらビニル化合物の使用
量は(c)アクリル酸エステル中40重量%以下、好ま
しくは30重量%以下、特に好ましくは25重量%以下
である。
【0023】上記(c)成分モノマーの使用量は、
(a),(b)及び(c)の全モノマーを100重量%
としたとき、(a)成分モノマー10〜80重量%及び
(b)成分モノマー0.1〜15重量%の残部である。
上記(a),(b)及び(c)のモノマー組成におい
て、(a)成分モノマーが10重量%未満であると塗膜
にタック性を生じ、さらに美爪料として要求される硬
度、耐摩耗性が十分に得られない。(a)成分モノマー
が80重量%を超えると、即ち、(c)成分モノマーの
量が減少すると造膜性が乏しくなり良好な塗膜が得られ
ない。また(b)成分モノマーが0.1重量%未満であ
ると造膜性及び爪に対する密着性が不足し、15重量%
を超えるとエマルションの安定性や塗膜の耐水性が悪化
する。
【0024】本発明のアリル系架橋共重合体微粒子含有
水系エマルションは、通常水もしくは少量の有機媒体を
含む水を反応媒体とする乳化重合によって製造するのが
好ましい。しかし別の方法、例えばアルコールなどの本
発明の微粒子に対する貧溶媒を主体とする反応媒体中で
懸濁重合、分散重合、沈澱重合等の方法によって得られ
る架橋共重合体微粒子を該反応媒体より分離し、得られ
る粉体を適切な方法で水に分散させた架橋共重合体微粒
子含有水系エマルションを用いてもよい。また上記各種
の方法で得られたエマルションから微粒子を分離した粉
体の形で通常の水性マニキュア液に加えることもでき
る。この際、ホモミキサー、三本ロール、サンドミル、
ビーズミル、超音波照射等の方法で粉体にシエア(剪断
力)を与えて混和するのが好ましい。
【0025】本発明において、アリル系架橋共重合体微
粒子含有水系エマルションを製造する方法としては、
(a),(b)及び(c)のモノマーを水中5〜60重
量%の濃度において乳化剤及び重合開始剤を加えて重合
温度40〜100℃、好ましくは50〜90℃で(a)
成分モノマーをその仕込み総量に基づいて重合率85%
以上、好ましくは90%以上に乳化重合させて得る方法
が採用される。反応に際してモノマーは反応当初に一括
して加えてもよく、反応経過に従って逐次添加してもよ
い。添加に際してモノマーはこれを乳化剤によってエマ
ルションとしたものを用いてもよい。反応は通常撹拌下
で行なわれるが撹拌手段としては通常の攪拌機の他にデ
ィスパー、ホモミキサー等を用いることもできる。また
超音波照射の条件下、撹拌もしくは非撹拌で行なうこと
もできる。
【0026】本発明のアリル系架橋共重合体微粒子の平
均粒子径は0.02〜0.2μm、好ましくは0.03
〜0.18μm、特に好ましくは0.03〜0.16μ
mの範囲が好ましい。平均粒子径が0.02μm未満の
ものは、重合反応時、モノマー濃度を極端に下げたり、
乳化剤の量を極端に増加したりしなければならず、エマ
ルション製造上不経済であり、また美爪料としての耐水
性を低下させるなど物性面においても好ましくない。ま
た平均粒子径が0.2μmを超えると造膜性や塗膜の光
沢性に問題を生ずる。
【0027】平均粒子径0.2μm以下の微粒子のエマ
ルションを得るには、乳化剤を全モノマーに対して0.
1〜10重量%、好ましくは0.5〜7重量%、特に好
ましくは0.5〜5重量%使用して乳化重合を行うこと
によって達せられる。乳化剤の使用量が0.1重量%よ
り少ないと重合の途中で凝集物が生じ易くなる。また1
0重量%をこえてもそれによる反応安定性の向上は認め
られず、返って樹脂の耐水性を低下させることとなる。
【0028】本発明に用いられる乳化剤はカチオン系、
アニオン系、ノニオン系、両性系、アニオン−ノニオン
混合系もしくは複合系の界面活性剤が用いられるが、通
常アニオン系、アニオン−ノニオン混合系もしくは複合
系の界面活性剤が好ましい結果を与える。カチオン系と
しては第1級アミン塩酸塩、第2級アミン塩酸塩、第3
級アミン塩酸塩、第4級アンモニウム塩が挙げられる。
アニオン系としては脂肪酸塩、高級アルコールの硫酸エ
ステル塩、脂肪酸の硫酸エステル、脂肪族アミン及び脂
肪族アマイドの硫酸塩、脂肪族アルコールのリン酸エス
テル、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪族
アミドのスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸
塩、ホルマリン縮合ナフタリンスルホン酸塩等が挙げら
れる。ノニオン系としてはポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテ
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアリール
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテ
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル
アリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステ
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル
エステル、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエ
チレンソルビタンアルキルエステル等が挙げられる。
【0029】両性界面活性剤としてはアミノ酸型、ベタ
イン型、硫酸エステル塩型、スルホン酸塩型、リン酸エ
ステル塩型が挙げられる。アニオン−ノニオン混合系と
しては、上記のアニオン系及びノニオン系の界面活性剤
を適宣選択混合して使用することができる。またアニオ
ン−ノニオン複合系としてはポリオキシエチレンアルキ
ルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンア
ルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアリールエーテ
ル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアリー
ルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンアルキルアリールエーテル類等のノニオン系界面活性
剤の硫酸エステルもしくはリン酸エステルのアンモニウ
ム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。また
乳化剤として1分子中に重合性二重結合を有する反応性
乳化剤を使用することも本発明を妨げるものではない。
具体例として三洋化成工業(株)の商品名エレミノール
JS−2,RS−30、第一工業製薬(株)の商品名ア
クアロンRN−20,RN−30,RN−50,HS−
10,HS−20,HS−1025、ニューフロンティ
ア類、日本乳化剤(株)の商品名Antox MS−6
0,RMA−1120,RMA−500シリーズ等が挙
げられる。反応性乳化剤の使用形態としては単独、2種
以上の異種反応性乳化剤の併用、又は反応性乳化剤以外
の乳化剤との併用等が挙げられる。
【0030】本発明に用いられる重合開始剤は水可溶型
のラジカル発生剤がよく、例えば過硫酸アンモニウム、
過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、水溶
性アゾ系又はレドックス系等が挙げられる。水溶性アゾ
系重合開始剤としては2,2−アゾビス(2−メチル−
N−フェニルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライ
ド、2,2−アゾビス(N−(4−クロロフェニル)−
2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライ
ド、2,2−アゾビス(2−メチル−N−(フェニルメ
チル)プロピオンアミジン)ジハイドロクロライド、
2,2−アゾビス(2−メチル−N−(2−プロペニ
ル)プロピオンアミジン)ジハイドロクロライド等のア
ミノ基とイミノ基を含むアゾ化合物の塩酸塩類、2,2
−アゾビス(2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2
−イル)プロパン)ジハイドロクロライド、2,2−ア
ゾビス(2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン)ジハイドロクロライド、2,2−アゾビス(2−
(4,5,6,7−テトラハイドロ−1H−1,3−ジ
アゼピン−2−イル)プロパン)ジハイドロクロライ
ド、2,2−アゾビス(2−(5−ヒドロキシ−3,
4,5,6−テトラハイドロピリミジン−2−イル)プ
ロパン)ジハイドロクロライド等の環状アミノ基、イミ
ノ基を含むアゾ化合物の塩酸塩類が挙げられる。
【0031】レドックス系重合開始剤としては例えば過
硫酸カリウムまたは過硫酸アンモニウムと亜硫酸水素ナ
トリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、酸性亜硫酸ナトリ
ウムまたはロンガリット(ナトリウムホルムアルデヒド
スルホキシレート2水和物)との組み合わせ、t−ブチ
ルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサ
イドなどの有機過酸化物と酸性亜硫酸ナトリウムまたは
ロンガリット等との組み合わせが挙げられる。また必要
に応じ過酸化ベンゾイル、タ−シャリ−ブチルヒドロパ
−オキサイドなどの親油性過酸化物,2,2’−アゾビ
スイソブチロニトリル,1,1’−アゾビス(シクロヘ
キサン−1−カルボニトリル)などの親油性アゾ化合物
も開始剤として用いることが出来る。重合開始剤の使用
量は通常モノマーに対して0.05〜5重量%で一括添
加でも逐次添加でもよい。
【0032】本発明のエマルションの製造に際し、共重
合によって得られた共重合体微粒子中にカルボキシル
基、スルホン酸基又はリン酸基が生成する場合には、そ
のカルボキシル基、スルホン酸基又はリン酸基及び重合
開始剤の分解によって副生する酸基の一部または全部を
中和剤によって中和又はアルカリ化することが好まし
い。中和剤としては、例えば水酸化カリウム、水酸化ナ
トリウム等の無機アルカリ、アンモニア、モノメチルア
ミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、モノエチル
アミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−n
プロピルアミン、ジメチル−n−プロピルアミン、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−アミノエ
チルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミ
ン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノール
アミン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ジメチ
ルプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパ
ノール等のアミン類等が挙げられ、これらから選ばれる
ところの1種または2種以上を使用することができる。
【0033】本発明に用いられるアリル系架橋共重合体
微粒子含有水系エマルションは、良好な造膜性を有する
と同時に高架橋微粒子に由来する高度な硬度、耐摩耗性
及び速乾性能を有する。
【0034】本発明の水系美爪料には、上記アリル系架
橋共重合体微粒子含有水系エマルションが固形分換算で
5〜60重量%含有される。含有量が5重量%より少な
いと乾燥性に問題を生じ、実用上必要な塗膜を得るのに
数回の重ね塗りを要する。また含有量が60重量%をこ
える場合、このような固形分の水系エマルションの製造
は困難であると共に美爪料としての粘度が高くなりすぎ
筆捌き性が低下する。
【0035】本発明の水系美爪料には、上記アリル系架
橋共重合体微粒子含有水系エマルションの一部を、本発
明によって得られる効果を損なわない範囲で公知の重合
体水系エマルション、水溶性重合体に換えることができ
る。上記重合体水系エマルションとしては、例えばアク
リル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン
系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、合成ゴム系、塩素
化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリエ
チレン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、エポキシ系樹脂、飽和もしくは不飽和ポリエステル
系樹脂、オレフィン系樹脂、アルキッド系樹脂、フッ素
系樹脂等の各水系エマルションが挙げられる。上記水溶
性重合体としては、例えばポリ(メタ)アクリル酸類、
ポリビニルアルコール系樹脂、カルボキシメチルセルロ
ース類、ポリビニルピロリドン類を挙げることができ
る。また前記特開平3−133916号公報や特開平4
−297408号公報に開示されているようなコアーシ
ェル微粒子を含むエマルション類を挙げることができ
る。上記公知の重合体水系エマルション又は水溶性重合
体の配合量は、本発明のアリル系架橋共重合体微粒子含
有水系エマルションの固形分換算100重量部に対して
固形分で40重量部以下、好ましくは30重量部以下、
特に好ましくは20重量部以下の範囲である。
【0036】本発明の水系美爪料には、当該技術分野で
通常使用される添加剤、例えば顔料、無機分散体、造膜
助剤、可塑剤、その他の添加剤が配合される。配合量
は、各種添加剤とも通常美爪料として使用される量でよ
く、これら添加剤の総量は美爪料中0〜15重量%の範
囲である。
【0037】顔料としては、例えば赤色201号、赤色
202号、赤色204号、赤色205号、赤色220
号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色
203号、橙色204号、黄色205号、黄色401
号、青色404号等の有機顔料、赤色3号、赤色104
号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色
401号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色2
02号、黄色203号、緑色3号、青色1号等のジルコ
ニウム、バリウム、またはアルミニウムレーキ等のレー
キ顔料、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、チタン酸鉄、
γ−酸化鉄、黄酸化鉄、黄土、黒酸化鉄、カーボンブラ
ック、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット、酸
化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト、群青、紺
青等の無機顔料を用いることができる。これらの顔料は
通常の撹拌法でそのまま添加するか又はホモミキサーも
しくは3本ロール等でシエアをかけた撹拌法で添加する
ことも出来る。又、顔料を予め上記方法で水系分散体に
分散させたものを添加することも出来る。
【0038】無機分散体としては、例えば粒子径が約
0.001〜0.1μmの負に帯電した無定形シリカ粒
子を水中に分散させてコロイド状としたもの等を用いる
ことが出来る。この様なコロイダルシリカは酸性側及び
塩基性側のいずれのものであっても使用することが出
来、塩基性側のものとしては、例えばスノーテックスX
S、同上XL、同上−20、同上−30、同上−40、
同上−50、同上−C、同上−N、同上−S、同上20
L(いずれも商品名、日産化学工業社製)等のコロイダ
ルシリカを、又酸性側のものとしては、例えばスノーテ
ックス−O、同上−OL(いずれも商品名、日産化学工
業社製)等のコロイダルシリカを挙げることができる。
又相当のコロイダルシリカは触媒化成工業社製、デュポ
ン社製、ナルコケミカル社製等からも供給されている。
【0039】造膜助剤としては、セロソルブ、メチルセ
ロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、2
−エチルヘキシルセロソルブなどのセロソルブ類、カル
ビトール、メチルカルビトール、プロピルカルビトー
ル、ブチルカルビトールなどのカルビトール類及びそれ
らセロソルブ類又はカルビトール類のモノアセテート化
合物、プロピレンングリコールメチルエーテル、プロピ
レングリコールエチルエーテル、プロピレングリコール
プロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテ
ルなどのプロピレングリコールのアルキルエーテル類及
びそれらのモノアセテート化合物、ジ又はトリプロピレ
ングリコールメチルエーテル、ジ又はトリプロピレング
リコールエチルエーテル、ジ又はトリプロピレングリコ
ールプロピルエーテル、ジ又はトリプロピレングリコー
ルブチルエーテルなどのプロピレングリコールオリゴマ
ーのアルキルエーテル類、メトキシブタノール、ヘキシ
レングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペ
ンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリ
メチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレートな
どの炭素数4〜8のグリコール類又はそれらのアルキル
エーテル類などが挙げられる。
【0040】可塑剤としてはジメチルフタレート、ジエ
チルフタレート、ジブチルフタレート、ジ(2−エチル
ヘキシル)フタレート、ジアリルフタレートなどのフタ
ル酸エステル類、トリメリット酸トリブチル、トリメリ
ット酸トリ(2−エチルヘキシル)などのトリメリット
酸エステル類、アジピン酸(2−エチルヘキシル)、セ
バシン酸(2−エチルヘキシル)などの脂肪族二塩基酸
エステル類、塩素化パラフィン類、オレイン酸ブチル、
ステアリン酸ブチルなどの脂肪酸エステル類、グリセリ
ントリプロピオネートなどのグリセリンエステル類、プ
ロピレングリコールとアジピン酸又はセバシン酸の共重
合体などのポリエステル類、アセチルクエン酸トリブチ
ルなどのクエン酸エステル類、綿実油、大豆油、ひまし
油、パインオイル、パインタール、ロジンエステルガ
ム、ロジン誘導体などの植物系油脂類などが挙げられ
る。
【0041】本発明の水系美爪料には、その他の添加剤
として上記添加剤の他に必要に応じて、更にベントナイ
ト、モンモリロナイトなどの分散助剤(沈降防止剤)、
ビタミンEなどの薬剤、紫外線吸収剤、退色防止剤、殺
菌剤、抗菌剤、防腐剤、香料、レベリング剤、増粘剤な
どの添加物を含有させてもよい。上記添加剤は、アリル
系架橋共重合体微粒子含有水系エマルションを製造する
際に予め加えておくこともでき、また該エマルション製
造後に加えてもよい。
【0042】
【実施例】以下実施例によって本発明を説明する。例中
%は重量基準である。
【0043】アリル系架橋共重合体微粒子含有水系エマ
ルションの合成例 合成例1 攪拌機、温度計、コンデンサー、ガス導入口及びサンプ
リング口を備えた1Lセパラブルフラスコ中へ次に示す
材料を加え、乳化剤水溶液を調製した。 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 2.2g 水 250g 別に次の組成の乳化モノマーを用意した。 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 5.0g 水 180g (a)DAP(オルソフタル酸ジアリル) 90g(25%) (b)AA(アクリル酸) 9g(2.5%) (c)EA(アクリル酸エチル) 261g(72.5%) セパラブルフラスコの内温を70℃に加熱し、半月型攪
拌翼で300rpmの撹拌下、窒素置換を十分に行なっ
た後、用意した乳化モノマーの10%を仕込み、過硫酸
アンモニウム1.26gを水10gに溶かした溶液を加
え1時間反応を行い、続いて残りの乳化モノマーを4時
間30分で逐次添加した。触媒添加後9時間70℃での
重合を行なった。冷却後アンモニア水で中和した。得ら
れたエマルションは固形分濃度45%、重合率 DAP
94%、平均粒径0.112μm、ゲル分率97%であ
った。
【0044】合成例2−22 使用モノマー(a)、(b)、(c)の種類と量、乳化
剤水溶液中及び乳化モノマー中の乳化剤(ドデシルベン
ゼンスルホン酸ソーダ)の量及び過硫酸アンモニウムの
量を表1に示した通りに使用した以外は合成例1と同様
にして各種エマルションを得た。なお、モノマー(b)
がAA(アクリル酸)以外の場合には以下の添加法をと
った。(b)を除く乳化モノマーを合成例1と同様に調
製し、その乳化液の50%量に(b)のモノマーの20
%量を加えた乳化液を添加し、続いて残りの乳化液(5
0%量)に(b)の残部(80%量)を加えた乳化液を
添加した。結果を合成例1とともに表1に示した。表1
の合成例1〜18には本発明で用いられるエマルション
例を、合成例19〜22には比較エマルション例を示し
た。
【0045】重合率、平均粒子径、ゲル分率は以下の方
法で測定した。重合率は、合成例1〜10及び12〜2
2については、ガスクロマトグラフィーにて残存(a)
モノマーを測定し以下の計算で求めた。 重合率(%)=(仕込みモノマー重量−未反応モノマー
重量)×100/仕込みモノマー重量 また合成例11については、ゲル分率の測定の際に得ら
れる抽出液を液体クロマトグラフィーによってモノマー
濃度を測定し、上記計算式により算出した。平均粒子径
はレーザー粒径解析システムPHOTON CORRE
LATORLPA−3000(大塚電子(株)製)を用
いて測定した。ゲル分率の測定は以下のようにして行な
った。エマルションを80℃オーブンで乾燥させたブロ
ック状固形物約5gをサンプルとし、これをアセトンを
溶媒として18時間ソックスレー抽出を行い、得られた
ろ過残渣と、抽出液を超遠心分離基にかけて得られた少
量の沈澱物を加えたものをゲル分として下記式により計
算した。 ゲル分率(%)=ゲル分重量×100/(乾燥サンプル
重量×補正値) 上記式において補正値は(1−未反応DAP重量割合)
であり、未反応DAP重量はガスクロマトグラフィー分
析により求めた。
【0046】
【表1】
【0047】なお、表1に用いた略号は以下のとおりで
ある。 DAP オルソフタル酸ジアリル DAT テレフタル酸ジアリル DAN 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジアリ
ルエステル AA アクリル酸 DAAM ジアセトンアクリルアミド HEA アクリル酸2−ヒドロキシエチル HEMA メタクリル酸2−ヒドロキシエチル AEMA アセトアセトキシエチルメタクリレート MA メタクリル酸 EA アクリル酸エチル BA アクリル酸ブチル 2−EHA アクリル酸2−エチルヘキシル ベオバ−9 シェルジャパン社商品名 DVB ジビニルベンゼン DBS ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ APS 過硫酸アンモニウム
【0048】実施例1〜18 比較例1〜6 合成例1〜18(実施例)と合成例19〜22及び市販
品A及びB(比較例)の各エマルションを用いて以下の
方法によって水系美爪料を得た。イオン交換水0〜40
重量部に造膜助剤と可塑剤を加え、これに顔料(赤色顔
料R−226)3重量部を分散させた後、各エマルショ
ン100重量部を加え、これに増粘剤、防腐剤及び消泡
剤を適量加えて均一に撹拌混合を行い、最後に脱気し
た。イオン交換水、造膜助剤及び可塑剤の使用量は、水
性ネイルエナメルの造膜温度がほぼ一定になるように添
加調製した。なお、使用したエマルションの固形分濃度
が30%のものは、減圧下50℃で水を留去し約40%
まで濃縮して使用した。。
【0049】得られた水系美爪料について、造膜性、乾
燥性、光沢性、硬度、耐摩耗性、耐水性について各性能
評価を行い、その結果を表2に示した。なお、上記各性
能評価の方法は以下のとおりである。
【0050】造膜性 温度25℃、相対湿度60%の条件下で爪にネイルエナ
メル筆で試料を塗布し、30分後の表面状態を目視で判
定した。 ○ クラックが認められず、表面が平滑で均一 × 微細なクラックの発生 ×× 不均一な塗膜表面
【0051】乾燥性 造膜性試験と同様にして試料を爪に塗布し、指触乾燥時
間を測定した。 ○ 3分以内 △ 3〜6分 × 6分以上
【0052】光沢性 造膜性試験と同様にして試料を爪に塗布し、30分後の
光沢を肉眼で判定した。 ○ 良好 △ 普通 × 不良
【0053】硬度 造膜性試験と同様にして試料を爪に塗布し、30分後塗
膜表面をHB硬度の鉛筆で一定荷重をかけて引き掻き、
傷の有無を観察した。 ◎ 極めて良好 ○ 良好 △ 普通 × 不良
【0054】耐摩耗性 造膜性試験と同様にして試料を爪に塗布し、30分後塗
膜表面を木綿布で50回摩擦した後表面の状態を観察し
た。 ◎ 極めて良好 ○ 良好 △ 普通 × 不良
【0055】耐水性 温度25℃、相対湿度60%の条件下でナイロン製板に
試料をネイルエナメル筆で塗布し、60分後35℃の水
に1時間浸漬した後塗膜の変化(白化、柔軟化等)を観
察した。 ○ 変化なし △ 微細な変化 × 顕著な劣化
【0056】
【表2】
【0057】表2において、比較例5及び6の市販品A
及びBは、それぞれロームアンドハース社製のアクリル
系エマルションで商品名「プライマルB−924」(固
形分40%)及びスチレン−アクリル系エマルションで
商品名「プライマルB−832」(固形分40%)を用
いた。
【0058】表2から明らかなように、本発明の美爪料
は通常相反する造膜性と硬度、耐摩耗性にバランスのと
れた性質を有し、さらに美爪料として要求される乾燥
性、光沢性、耐水性にも優れるという特性を有してい
る。
【0059】
【発明の効果】本発明の美爪料は水系のため有機溶媒特
有の臭気がなく、特定成分モノマーからなると共に2価
以上の芳香族カルボン酸の(メタ)アリルエステルの重
合率を85%以上としたアリル系架橋共重合体微粒子含
有水系エマルションを用いるため、造膜性に優れると共
に硬度、機械的摩擦性にも優れ、その他美爪料として要
求される諸性質にも優れた性質を有している。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)分子内に2個以上のカルボキシル
    基を有する炭素数が8〜12の芳香族カルボン酸のアリ
    ルエステルもしくはメタアリルエステルから選ばれた1
    種又は2種以上のモノマー10〜80重量%、(b)親
    水性官能基を有する炭素数が3〜15個のビニルモノマ
    ーから選ばれた1種又は2種以上のモノマー0.1〜1
    5重量%及び残部が(c)炭素数4〜15のアクリル酸
    エステルの1種又は2種以上のモノマーを、(a)のモ
    ノマーの重合率が85%以上まで乳化共重合して得られ
    た平均粒子径が0.02〜0.2μmのアリル系架橋共
    重合体微粒子含有水系エマルションを固形分換算で5〜
    60重量%含有することを特徴とする水系美爪料。
  2. 【請求項2】 (a)のモノマーがオルソジアリルフタ
    レート、メタジアリルフタレート、テレジアリルフタレ
    ート又は2,6−ナフタレンジカルボン酸ジアリルエス
    テルである請求項1記載の水系美爪料。
  3. 【請求項3】 (b)のビニルモノマーの親水性官能基
    がカルボキシル基、水酸基又は酸アミド基である請求項
    1又は2に記載の水系美爪料。
  4. 【請求項4】 カルボキシル基、水酸基又は酸アミド基
    を有するビニルモノマーがアクリル酸、メタクリル酸、
    アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒ
    ドロキシエチル、N,N−ジエチルアクリル酸アミド、
    N,N−ジエチルメタクリル酸アミド又はジアセトンア
    クリルアミドである請求項3記載の水系美爪料。
  5. 【請求項5】 (c)アクリル酸エステルの炭素数が4
    〜11である請求項1〜4のいずれかに記載の水系美爪
    料。
  6. 【請求項6】 (c)炭素数4〜11のアクリル酸エス
    テルがアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
    酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリ
    ル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル
    酸tert−ブチル又はアクリル酸2−エチルヘキシル
    である請求項5記載の水系美爪料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011071029A1 (ja) * 2009-12-08 2011-06-16 株式会社スリーボンド 爪又は人工爪被覆用硬化性樹脂組成物
EP3781622B1 (de) * 2018-04-20 2022-10-12 Basf Se Haftklebstoffzusammensetzung mit auf vernetzung über keto- oder aldehydgruppen beruhendem gelgehalt

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