JPH10152179A - 包装体 - Google Patents

包装体

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JPH10152179A
JPH10152179A JP8312291A JP31229196A JPH10152179A JP H10152179 A JPH10152179 A JP H10152179A JP 8312291 A JP8312291 A JP 8312291A JP 31229196 A JP31229196 A JP 31229196A JP H10152179 A JPH10152179 A JP H10152179A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟質の包装体の変形を抑制する。 【解決手段】 ガセット折り構造を有する袋状の包装部
材２の上面に開口部７を設け、この開口部７を開閉する
着脱可能なシール部材８を取り付ける一方、包装部材２
の内側に、紙を合成樹脂で被覆して包装部材よりも高い
剛性を有する補強部材９を、配設する。補強部材９は、
包装部材２内側の上面３と側面５、６とに当接して、包
装部材２の形状を保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は物品を包装する包装
体に関し、特に、表面の変形を抑制した軟質の包装体に
関する。
【０００２】
【従来の技術】従来より、物品を包装する包装体の材料
として、フィルム状に成形された軟質の合成樹脂材料ま
たはこれを多層に形成したもの、さらに金属蒸着層を加
えたもの（以下、これらをまとめて単に合成樹脂フィル
ムという）等が広く用いられている。この合成樹脂フィ
ルムは屈曲性に富み加工が容易であることから、包装す
る物品の性質や形状に合わせて気密性、防水性、遮光性
などの機能を持たせた包装体が各種工夫されている。例
えば、合成樹脂フィルムで角筒状の筒体を形成し、その
両側面を内側に折り込んだ状態で筒体の両端部をそれぞ
れ接合したガセット折り構造の包装体は、食品やティッ
シュペーパー等の様々な物品の包装に使用されている。
【０００３】ところで、ウエットティッシュのように殺
菌用液剤等の蒸発する液体を含み、少量ずつ取出しなが
ら継続して使用するものを内容物とする場合には、内容
物を取出すための開口部とこれを開放または閉塞できる
着脱可能な蓋とを包装体に設け、内容物の一部を取出す
毎に蓋で開口部を密閉して液体の蒸発を防止するように
している。また、このような包装体を前述した合成樹脂
フィルムで形成する場合、蓋としては、コストおよび使
用後の廃棄処理の点から、接着と剥離とを繰り返すこと
ができる粘着材を合成樹脂フィルムの一方の面に塗布し
たシール部材が好ましく用いられている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の包装体は剛性に乏しく、包装される物品と包
装体との間に空間があると、包装体の表面が自由に変形
してその外観を損ねるといった問題点があった。特に、
前述したウエットティッシュのようなものが内容物であ
る場合、使用により内容物が減少すると、包装体と内容
物との間に空間を生じて包装体の表面が自由に変形する
ようになるため、包装体と蓋であるシール部材とを密着
させて接着することができず、開口部を密閉することが
困難になるといった問題点があった。
【０００５】本発明はこのような従来の問題点に鑑み、
表面の変形を抑制した、軟質の材料からなる包装体を提
供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】このため、請求項１に係
る発明では、袋状の包装部材の内側に、紙を合成樹脂で
被覆してなり前記包装部材よりも高い剛性を有する補強
部材を、前記包装部材内面に接するように配設する。こ
のような構成の包装体では、包装部材の形状が補強部材
により内側から保持される。また、紙を合成樹脂で被覆
した補強部材は製造コストが安価で耐久性に優れる。
【０００７】内容物を少しずつ取出しながら継続して使
用する場合には、請求項２に係る発明のように、袋状の
包装部材の上面に開口部を設け、該開口部を開閉する着
脱可能なシール部材を取り付ける一方、前記包装部材の
内側に、紙を合成樹脂で被覆してなり前記包装部材より
も高い剛性を有する補強部材を、少なくとも前記包装部
材内側上面に接するように配設し、前記補強部材に前記
包装部材の開口部に対応する孔を設けた構成とする。
【０００８】これにより、内容物が減少した後も包装部
材上面の形状を保持し、シール部材の着脱を円滑にす
る。そして、請求項３に係る発明では、前記補強部材
を、少なくとも前記包装部材内面の一部に固着させて、
補強部材と包装部材との位置関係が常に一定であるよう
にする。
【０００９】また、請求項４に係る発明では、前記袋状
の包装部材を、上面および下面と互いに内側に折り込ま
れた両側面とからなる筒体において、該筒体の両端部を
それぞれ接合したガセット折り構造として、内容物の増
減に合わせて包装部材を上下方向に拡縮させる。請求項
５に係る発明では、前記補強部材を、前記ガセット折り
構造を有する包装部材の上面に接する上面板と、側面に
接する側面板とを含んで構成して、包装部材の側面の形
状も保持する。
【００１０】さらに、請求項６に係る発明では、前記側
面板に、前記ガセット構造を有する包装部材の側面の折
り込みに略平行な折り罫線を設け、該折り罫線に沿って
復元性をもった屈曲を可能にする。これにより、内容物
の減少に従い、残りの内容物を取出す際には包装部材と
補強部材とを下方向へ容易に縮小させ、取出した後は補
強部材の復元により包装部材の形状を保持する。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１は本発明の包装体の一例を示
す斜視図である。包装体１において、内容物を包装する
包装部材２は、図２に示す１枚のシートを点線に沿って
折り、辺ＡとＢとを接合して、上面３および下面４と互
いに内側に折り込まれた側面５、６とからなる筒体を形
成し、この筒体の一端部と他端部とを形成する辺Ｃおよ
び辺Ｄをそれぞれ接合して閉塞したガセット折り構造を
成している。このガセット折り構造の内面は、内容物を
保持し易い略直方体に形成されている。
【００１２】包装部材２の材質は特に限定されないが、
内容物に蒸発する物質を含む場合や、外部からの空気の
進入を遮断して内容物を保護する必要がある場合などに
は、ＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）、ＣＰＰ
（無延伸ポリプロピレン）、ＯＮＹ（延伸ナイロン）、
ＬＬＤＰＥ（リニヤー低密度ポリエチレン）やＡｌ薄膜
等を材料に用いて多層に構成した合成樹脂フィルムが好
ましく用いられる。このような合成樹脂フィルムの具体
例としては、例えば、外側から順にＰＥＴ：12μm ／Ａ
ｌ薄膜：７μm ／ＣＰＰ：30μm といった層構成を有す
るものや、ＯＮＹ：12μm ／Ａｌ薄膜：７μm ／ＬＬＤ
ＰＥ：40μm といった層構成を有するものがあげられ
る。
【００１３】包装部材２の上面３には内容物を取出すた
めの、楕円または長円状の開口部７が設けてあり、さら
にこの開口部７を閉塞するシール部材（タックラベル）
８が取り付けてある。このシール部材８には、包装部材
２と相対する面に粘着剤が塗布してある。これにより開
口部７を開放して内容物の一部を取り出した後、残りを
保存するために開口部７を再び閉塞することができる。
シール部材８の材質としては、製造コストや廃棄処理の
点から包装部材２と同様の材料を用いたものが好まし
い。尚、シール部材の端部には、引き剥がしを容易にす
るために粘着剤を塗布しない部位（ピールタブ）を設け
ておくとよい。
【００１４】また、包装部材２の内側には補強部材９が
配設してある。補強部材９は、図３（ａ）に示すような
１枚の板材を折り罫線10に沿って略直角に折り曲げ、さ
らに折り罫線11に沿って内側に緩く折り曲げることによ
り、図３（ｂ）に示すような、上面板12および側面板1
3、14からなる構成としている。上面板12には、包装部
材２の開口部７に対応した孔15が設けてあり、これを介
して内容物を取り出すことができる。また、図４に示す
ように、上面板12、側面板13、14に加え、底面板16を設
けた構成としてもよい。上面板12と側面13、14とは、包
装部材２の上面３と側面５、６とにそれぞれ当接して、
包装部材２の形状を保持する。また、側面板13、14には
包装部材２側面５、６の内側への折り込みに略平行な折
り罫線11が設けてあるので、これに沿って屈曲可能であ
る。
【００１５】この補強部材９は、紙を合成樹脂で被覆
（ラミネート）したものからなり、具体的には、ＰＶＣ
（ポリ塩化ビニル）、ＰＰ( ポリプロピレン）、ＰＥ
（ポリエチレン）等を材料とした熱によって収縮するシ
ュリンクフィルムで厚手の紙（カード紙等）の全体（端
面を含む）を収縮包装したものである。このように、紙
の端面を含む全体が完全に合成樹脂で被覆された補強部
材９は、包装体の内容物に水分や油分が含まれる場合で
あっても、これらが紙に浸透することはないので、所定
の強度を安定して保持することができる。上述した折り
罫線10および11はいずれも、収縮包装する前に紙に機械
プレスで形成しておく。
【００１６】側面板13、14を被覆する合成樹脂は弾性を
有するので、側面板13、14は、図１にＸ矢印で示す下方
向の荷重によって折り罫線11に沿って屈曲し、荷重から
解放されると略元の状態に復元される。このため、ウエ
ットティッシュ等の内容物が減少しても、包装部材２の
底部にある内容物を側面板13、14を屈曲させることによ
り、開口部７から容易に取り出すことができる。また、
内容物を取り出した後は、補強部材９が略元の状態に復
元するので、包装部材２の上面３には常に上面板12が当
接して、その変形が抑制される。これにより、シール部
材８で包装部材２の開口部７を閉塞する際に、両者を容
易に密着させて内部を密閉することができると共に、包
装体１の外観を常に美しく保つことができる。
【００１７】補強部材９として、硬質の合成樹脂等を用
いることも考えられるが、弾性が強すぎると、減少した
内容物の取り出しが困難になったり、伸縮の繰り返しに
よる疲労で破損することも考えられる。また、コストや
廃棄処理の点からも、紙を合成樹脂で被覆したものが優
れている。補強部材９は包装部材２と分離した構成とし
てもよいが、一体に形成してもよい。両者が分離した構
成では、補強部材９に内容物を乗せて搬送し、これを包
装部材２で包装することにより、効率的かつ容易に包装
作業を行うことができる。
【００１８】一方、両者を一体に形成すれば、相互の位
置関係が安定し、より確実に包装部材２の形状を保持す
ることができる。補強部材９と包装部材２とを一体に形
成する場合には、両者の一部を接着剤により接合しても
よいが、補強部材９を被覆するシュリンクフィルムの材
質と、相対する包装部材２表面の材質とが同一であれ
ば、両者を加熱融着して取り付けることも可能である。
例えば、上述したＣＰＰ層を内面に有する包装部材には
ＰＰ系のシュリンクフィルムで紙を被覆した補強部材
を、ＬＬＤＰＥ層を内面に有する包装部材にはＰＥ系の
シュリンクフィルムで紙を被覆した補強部材を容易に加
熱融着することができる。
【００１９】または、包装部材２の表面と、これと同じ
材質のシート片とを、両者の間に厚手の紙を挟持させて
加熱融着することにより補強部材９を形成してもよい。
このようにして、包装部材２と補強部材９とを一体に形
成する場合、図５に示すように、補強部材９を上面板12
だけの構成としても、常に包装部材２の上面に張力を付
与することができるので、開口部７を閉塞する際にシー
ル部材を密着させて接着することができる。
【００２０】尚、上述の例ではいずれも、包装部材２に
内容物を取出すための開口部７を設けた構成としたが、
本発明の包装体はこのような開口部を設けない包装部材
を用いた場合でもよく、その形状を保持し、美しい外観
を保つ点で有効である。
【００２１】
【発明の効果】以上説明したように、請求項１に係る発
明によれば、包装部材に内側から張力を与えることによ
り、包装体の外観を美しく保持することができるという
効果がある。また、請求項２に係る発明によれば、内容
物が減少した後も包装部材の上面に張力を保持すること
ができるので、シール部材を包装部材の開口部に密着さ
せて、確実に取り付けることができる。これにより、蒸
発するような物質が内容物に含まれている場合でも、必
要な量を取り出した後は包装体の内部を密閉することが
でき、長期間の保存が可能になるという効果がある。
【００２２】また、請求項３に係る発明によれば、補強
部材と包装部材との位置関係が常に一定になるので、よ
り安定して包装部材に張力を付与することができるとい
う効果がある。また、請求項４に係る発明によれば、内
容物の増減に合わせて包装部材を上下方向に拡縮できる
ので、内容物が減少した場合でも、包装部材の外観を崩
さずに残った内容物を取り出すことができるという効果
がある。
【００２３】また、請求項５に係る発明によれば、包装
部材の上下方向にも張力を与えて、包装部材の外観をよ
り堅固に保持することができるという効果がある。ま
た、請求項６に係る発明によれば、包装部材の上下方向
への張力を調節し、内容物が減少しても、包装部材の外
観を保持しながら、残った内容物を容易に取り出すこと
ができる。また、内容物を取り出した後は、側面板が略
元の状態に復元するので、包装部材上面へ張力を付与し
続けられるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の包装体の一例を示す斜視図
【図２】 包装部材の一例を示す展開図
【図３】 補強部材の一例を示す図
【図４】 補強部材の他の例を示す図
【図５】 上面板のみで補強部材を構成した例を示す図
【符号の説明】
１ 包装体 ２ 包装部材 ３ 上面 ４ 底面 ５、６ 側面 ７ 開口部 ８ シール部材 ９ 補強部材 10、11 折り罫線 12 上面板 13、14 側面板 15 孔 16 底面板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】袋状の包装部材の内側に、紙を合成樹脂で
    被覆してなり前記包装部材よりも高い剛性を有する補強
    部材を、前記包装部材内面に接するように配設したこと
    を特徴とする包装体。
  2. 【請求項２】袋状の包装部材の上面に開口部を設け、該
    開口部を開閉する着脱可能なシール部材を取り付ける一
    方、前記包装部材の内側に、紙を合成樹脂で被覆してな
    り前記包装部材よりも高い剛性を有する補強部材を、少
    なくとも前記包装部材内側上面に接するように配設し、
    前記補強部材に前記包装部材の開口部に対応する孔を設
    けたことを特徴とする包装体。
  3. 【請求項３】前記補強部材は、少なくとも前記包装部材
    内面の一部に固着したことを特徴とする請求項１または
    請求項２に記載の包装体。
  4. 【請求項４】前記袋状の包装部材は、上面および下面と
    互いに内側に折り込まれた両側面とからなる筒体におい
    て、該筒体の両端部をそれぞれ接合したガセット折り構
    造を有することを特徴とする請求項１〜請求項３のいず
    れか１つに記載の包装体。
  5. 【請求項５】前記補強部材は、前記ガセット折り構造を
    有する包装部材の上面に接する上面板と、側面に接する
    側面板とを含んで構成されることを特徴とする請求項４
    に記載の包装体。
  6. 【請求項６】前記側面板は、前記ガセット構造を有する
    包装部材の側面の折り込みに略平行な折り罫線を有し、
    該折り罫線に沿って復元性をもった屈曲が可能であるこ
    とを特徴とする請求項５に記載の包装体。
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