JPH10150389A - エコーキャンセラ - Google Patents

エコーキャンセラ

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JPH10150389A
JPH10150389A JP30929096A JP30929096A JPH10150389A JP H10150389 A JPH10150389 A JP H10150389A JP 30929096 A JP30929096 A JP 30929096A JP 30929096 A JP30929096 A JP 30929096A JP H10150389 A JPH10150389 A JP H10150389A
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JP
Japan
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echo
initial value
internal state
convergence
unit
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Application number
JP30929096A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Ariyama
義博 有山
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エコー除去動作を迅速に収束させ、その後の
動作を安定させる。 【解決手段】 通信中のエコーを除去するエコーキャン
セラである。エコー除去処理の初期値の候補を複数格納
する初期値データ格納部108と、初期値候補のうち良
好な残差信号になる初期値を特定する初期値判定部10
9と、特定初期値で内部状態量を更新する内部状態更新
部110と、更新した内部状態量でフィルタ係数を更新
しエコーレプリカを作成する適応フィルタ部102とを
備えた。残差信号の状態により初期値を特定してエコー
除去処理を開始するので、エコー除去動作を迅速に収束
させることができる。また、未収束状態のとき高速な収
束特性を持つアルゴリズムに、収束状態のとき安定なア
ルゴリズムに、従って更新する内部状態更新部210を
備えた。迅速に収束した後、安定させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ハイブリッド回
路の回線エコー等を消去するエコーキャンセラに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、国際回線のハイブリッド回路等
において生じる回線エコーを消去するために、エコーキ
ャンセラが設けられている。このエコーキャンセラにお
いては、エコーパスの変動や雑音混入等に対して柔軟に
対応するために、適応アルゴリズムが設けられている。
【0003】ところで、昨今のFAX やモデム等の使用増
大に伴って、既存の学習同定法よりもさらに高速の追従
性、収束特性が求められている。これを解決するものと
して、高速の収束特性を持つ適応アルゴリズムであるRL
S アルゴリズム(参考文献:「最近の適応アルゴリズム
の動向 −RLS 法を中心として−」日本音響学会誌48
巻7号 1992年 p.493〜500 )を用いたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この適応ア
ルゴリズムは、回線に突発的かつ瞬間的な変動が現れる
等の現象によって一時的に特性が変化した場合、高速の
収束特性ゆえにその変動にも追従動作を示してしまう。
即ち、回線変動の影響を長く引きずってしまうことがあ
り、結果的に低速な収束特性のアルゴリズムよりもエコ
ー消去特性が悪化する場合がある。
【0005】この現象に対しては、一般的に忘却係数を
用いて適応フィルタの内部状態の継続性を制限すること
で、変動要素の影響を長時間引きずらないようにする対
策が行われている。
【0006】しかしながらこの場合、係数の更新に用い
る内部状態の情報が制限されるため、収束特性が悪化し
てしまうことがある。
【0007】また、忘却係数を用いた場合でも、変動要
素の混入に対する瞬間的なエコー消去特性の劣化による
動作の不安定さが生じてしまうことがある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に第1の発明に係るエコーキャンセラは、通信中に生じ
るエコーを除去するエコーキャンセラにおいて、エコー
除去処理の初期値として用いる初期値候補を複数格納し
ておく初期値データ格納部と、この初期値データ格納部
に格納された初期値候補の中から、それぞれを適用した
場合の残差信号を得て最適な初期値を特定する初期値判
定部と、この初期値判定部で特定された初期値を初期値
として、内部状態量を更新する内部状態更新部と、この
内部状態更新部で更新された内部状態量によって、フィ
ルタ係数を更新してエコーレプリカを作成する適応フィ
ルタ部とを有することを特徴とする。
【0009】前記構成により、入力信号がなくなって出
力信号だけになったとき等のように、通信状態が変化し
たときに、初期値判定部で、初期値候補の中から、それ
ぞれを適用した場合の残差信号を得て最適な初期値を特
定する。この初期値を用いてエコー除去処理を開始す
る。これにより、収束速度を大幅に向上させることがで
き、迅速にエコーを除去することができる。
【0010】第2の発明に係るエコーキャンセラは、通
信中に生じるエコーを除去するエコーキャンセラにおい
て、与えられた内部状態量を用いてエコーレプリカを作
成する適応フィルタ部と、この適応フィルタ部で作成さ
れたエコーレプリカを用いてエコー消去した後の残差信
号の状態からエコー除去動作が収束したかを判定する収
束判定部と、この収束判定部で未収束状態と判定したと
きに、高速な収束特性を持つアルゴリズムに従って内部
状態量を更新し、収束状態と判定したときに安定なアル
ゴリズムに従って内部状態量を更新する内部状態更新部
とを有することを特徴とする。
【0011】前記構成により、未収束状態のときに、高
速な収束特性を持つアルゴリズムに従って内部状態量を
更新することで、エコー除去動作を迅速に収束状態にす
る。一旦収束状態になった後(収束状態と判定した後)
は、安定なアルゴリズムに従って内部状態量を更新す
る。これにより、迅速にエコー除去動作を収束させるこ
とができると共に、収束した後は安定した動作を維持で
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態を添付図面
に基づいて説明する。
【0013】[第1の実施形態]本実施形態に係るエコ
ーキャンセラは、RLS アルゴリズムの収束動作における
内部の状態遷移行列の初期値に着目し、状況に応じて予
め設定された複数の初期値の中から最適な初期値を選択
して用いることで、収束動作を促進するものである。即
ち、RLS アルゴリズムの性質を利用し、初期値の最適な
選択操作によって、より高速な収束特性を実現するもの
である。
【0014】図1に本実施形態に係るエコーキャンセラ
の構成を示す。図中の102は適応フィルタ部である。
この適応フィルタ部102では、内部状態更新部110
からのゲインベクトルk(t)によってフィルタ係数h′
(t) を更新すると共に、エコーレプリカERを作成す
る。この更新は、後述の式(6)による。108は初期
値データ格納部である。この初期値データ格納部108
には、各種の条件に応じて、複数段階に設定した複数の
初期値が格納されている。109は初期値判定部であ
る。この初期値判定部109では、後述する式(3)に
より最適の初期値を選択する。内部状態更新部110
は、初期値判定部109で選択された初期値でベクトル
ゲインk(t)及び内部状態変数P(t)を更新する。
【0015】[動作]次に、前記構成のエコーキャンセ
ラの動作を、図2のフローチャートに基づいて説明す
る。
【0016】遠端入力端子101からサンプル単位で入
力された遠端入力信号Rinは、近端出力端子103か
ら出力されると共に、近端のエコーパス104でエコー
信号ETを生じる。近端入力端子105からの入力信号S
inには、エコー信号ETが106で加算され、信号Si
n′となる。この信号Sin′は、エコーパス104で
の遅延時間をdとすると、時刻t+dにおける近端入力
信号となる。
【0017】また、遠端入力端子101からの遠端入力
信号Rinは、適応フィルタ部102、初期値判定部1
09及び内部状態更新部110にも入力し、各部で以下
の処理が行われる。
【0018】まず、適応フィルタ部102で適用する初
期値を選択する(ステップ1)。この初期値は、初期値
データ格納部108に格納された初期値の中から予め任
意に選択しておき、この初期値で動作させ、以下の各ス
テップで適正値に補正していく。
【0019】次に、初期値判定部109で、時刻tにお
ける遠端入力信号Rinと近端入力信号Sinとを受
け、一定の基準に基づいて系の初期化を行うか否かを判
定する(ステップ2)。一定の基準としては、通信状態
が大きく変動する場合が用いられる。例えば、入力信号
及び出力信号が両方ともにない状態から一方の信号だけ
が入出力された場合や、入出力信号が両方ともにある状
態から一方の信号だけがなくなった場合等、近端入力信
号Sinのパワーと遠端入力信号Rinのパワーが一定
のしきい値を境に、一方が越え、他方が下回る場合であ
る。このような場合に、系の初期化を開始する。以上の
状態になっていないときには、系の初期化をせずに次の
処理に進む。
【0020】ステップ2において初期化を開始すると判
定したときには、初期値判定部109で、以下の式に基
づいた評価方法によって、最適な初期値を選択する(ス
テップ3)。
【0021】まず、ゲインベクトルk(t)を次の式で求め
る。
【0022】 k(t)={PO(i) x(t) }/{λ+xT (t)PO(i)x(t) } ……(1 ) k(t) :n次元のゲインベクトル x(t) :時刻tから過去n個までの遠端入力Rin ヘ゛クトル λ :忘却係数(0<λ≦1) PO(i) :n×n次元の初期値係数行列(初期値データ格
納部108に格納された複数の初期値) タップ長nのフィルタ係数(タップ係数)h′(t) は、
式(1)のゲインベクトルk(t)を用いて次の式のように
なる。
【0023】 h′(t) =h′(t-1) +k(t)(y(t) −h′T (t-1) x(t) ) …… (2) h′(t) :タップ長nのフィルタ係数 y(t) :時刻tにおける近端入力信号Sin′の値 このタップ長nのフィルタ係数h′(t) を用いて評価値
EOを求めると、次の式のようになる。
【0024】 EO=y(t) −h′T (t) x(t) ……(3) EO :評価値 この(3)式において、初期値データ格納部108に格
納された初期値係数行列PO(i) を順次読み出して評価値
EOを計算し、この評価値EOが最少となるときの初期値係
数行列PO(i) を初期値として選択する。
【0025】次いで、内部状態更新処理を行う(ステッ
プ4)。具体的には、内部状態更新部110で、前述の
ようにして初期値判定部109で選択された初期値PO
(i) を用いて、次式のように、内部状態変数P(t-1)を初
期化する。
【0026】P(t-1)=PO(i) ……(4) この初期化されたP(t-1)を用いて、遠端入力信号Rin
から、ゲインベクトルk(t)と内部状態変数P(t)とを更新
する。それぞれの更新は以下の式に基づいて行われる。
【0027】 k(t)={P(t-1)x(t) }/{λ+xT (t)P(t-1) x(t) } ……(5) k(t):n次元のゲインベクトル x(t) :時刻tから過去n個までの遠端入力Rin ヘ゛クトル λ :忘却係数(0<λ≦1) P(t-1):n×n次元の内部状態変数行列 内部状態変数P(t)は、式(5)のゲインベクトルk(t)を
用いて、次式のようになる。
【0028】 P(t)={1/λ}×{P(t-1)−k(t)xT (t)P(t-1) } ……(6) P(t):n×n次元の内部状態変数行列 次いで、フィルタ係数の更新処理を行う(ステップ
5)。具体的には、適応フィルタ部102で、近端入力
信号Sin′とゲインベクトルk(t)によってフィルタ係
数h′(t) を更新する。更新は以下の式に基づいて行わ
れる。
【0029】 h′(t) =h′(t-1) +k(t){y(t) −xT (t) h′(t-1) }……(7 ) y(t) :時刻tにおける近端入力信号Sin′の値 次いで、エコーレプリカの作成、減算処理を行う(ステ
ップ6)。具体的には、適応フィルタ部102で、前記
(7)式で更新した時刻tにおけるインパルス応答のフ
ィルタ係数h′(t) と遠端入力信号Rinとからエコー
レプリカERを作成する。この作成は以下の式の基づい
て行われる。
【0030】 ER=h′T (t) x(t) ……(8) x(t) :時刻tから過去n個までの遠端入力信号Rin ヘ゛
クトル この式(8)によって作成されたエコーレプリカERが
適応フィルタ部102から加算器107に出力される。
加算器107では、近端入力信号Sin′からERが減
算されて、時刻tにおける残差信号ZSが計算される。
この残差信号ZSは、遠端出力端子111から遠端出力
信号Soutとして出力される。
【0031】次いで、ステップ2に戻り、再び前記処理
動作を繰り返す。ステップ2において、通信状態の変動
がなければ、初期化はされず、tを1すすめて{P(t-1)
←P(t),h(t-1) ←h(t) }の処理がされる。通信状態
が変動したときには、変動した通信状態に近い初期値で
初期化されてからその後の処理がなされる。
【0032】なお、前記処理以外は、RLS アルゴリズム
に基づいて動作する。
【0033】[効果]以上のように、初期値データ格納
部108に複数の初期値が格納され、その中から最適な
初期値を選択して用いることで、エコーパスに対する収
束速度を大幅に向上させることができ、迅速なエコーの
除去が可能になる。
【0034】[第2の実施形態]本実施形態のエコーキ
ャンセラは、RLSアルゴリズムの高速な収束特性をそ
のままに、一旦収束した後、高速故に収束動作が不安定
になるのを解消するために、安定なアルゴリズムに切り
替えるようにしたものである。具体的には、RLSアル
ゴリズムの性質を利用して、一旦収束した後、比較的安
定な特性を有するLMSアルゴリズムと同様の性質を持
つ動作へ移行するようにした。
【0035】図3に本実施形態に係るエコーキャンセラ
の構成を示す。図中の202は適応フィルタ部である。
この適応フィルタ部202では、時刻tにおける近端入
力信号Sin′の値y(t)とゲインベクトルk(t)によっ
て、インパルス応答の推定値であるタップ長nのフィル
タ係数h′(t) を更新すると共に、エコーレプリカER
を作成する。
【0036】209は収束判定部である。この収束判定
部209では、エコー除去動作の収束状態を判定し、そ
れに応じた制御信号CCを出力する。このエコー除去動
作の収束の判定は、例えば、時刻t-1 の残差信号ZSの
パワーを監視する等の手法で行う。
【0037】210は内部状態更新部である。この内部
状態更新部210では、収束判定部209からの制御信
号CCを受けて、時刻(t-1) での内部状態変数行列P(t-
1)と、時刻tにおける過去n個までの遠端入力信号Ri
nによるベクトルx(t)とによって、ゲインベクトルk(t)
及び内部状態変数行列P(t)を更新する。
【0038】[動作]次に、前記構成のエコーキャンセ
ラの動作を、図4のフローチャートに基づいて説明す
る。
【0039】前記第1の実施形態の場合と同様に、近端
のエコーパス204でエコー信号ETを生じ、入力信号S
inにエコー信号ETが加算され、近端入力信号Sin′
となる。
【0040】また、遠端入力端子201からの遠端入力
信号Rinは、適応フィルタ部202、収束判定部20
9及び内部状態更新部210にも入力し、各部で以下の
処理が行われる。
【0041】まず、適応フィルタ部202で適用される
内部状態の初期化が行われる(ステップ11)。具体的
には、次式(9)(10)に基づいて動作が開始され
る。
【0042】 k(t)={μx(t) }/{λ+μxT (t) x(t) } ……(9) k(t):n次元のゲインベクトル μ :ステップゲイン x(t) :時刻tから過去n個までの遠端入力Rin ヘ゛クトル λ :忘却係数(0<λ≦1) P(t)=αμI ……(10) P(t):n×n次元の内部状態変数行列 α :任意の係数 μ :ステップゲイン I :単位行列 次に、収束判定部209で、エコー除去動作の収束状態
を判定し、それに応じた制御信号CCを出力する(ステ
ップ12)。
【0043】収束判定部209で、未収束と判定した場
合には、内部状態更新部210で次式(11)に基づい
て内部状態を更新し、次式(12)に基づいて未収束時
の処理が動作する(ステップ13)。
【0044】 k(t)={P(t-1)x(t) }/{λ+xT (t)P(t-1) x(t) } ……(11 ) k(t):n次元のゲインベクトル x(t) :時刻tから過去n個までの遠端入力Rin ヘ゛クトル λ :忘却係数(0<λ≦1) P(t-1) :n×n次元の内部状態変数行列 P(t)={1/λ}×{P(t-1)−k(t)xT (t)P(t-1) } ……(12) 次いで、適応フィルタ部202で、タップ長nのフィル
タ係数h′(t) を更新する(ステップ14)。具体的に
は、次式(13)による。
【0045】 h′(t) =h′(t-1) +k(t){y(t) −xT (t) h′(t-1) }……(1 3) y(t) :時刻tにおける近端入力Sin′の値 次いで、エコーレプリカの作成、減算処理を行う(ステ
ップ15)。具体的には、適応フィルタ部202で、前
記(13)式で更新したフィルタ係数h′(t)と、時刻
tから過去n個までの遠端入力Rin ヘ゛クトル x(t) とから
エコーレプリカERを作成する。具体的には、次式(1
4)による。
【0046】 ER=h′T (t) x(t) ……(14) この後、ステップ12に戻り、収束判定部209でエコ
ー除去動作の収束状態を判定する。この判定により、依
然として未収束状態と判定した場合には、ステップ13
からステップ15までを繰り返す。収束状態と判定した
い場合には、収束時の処理を行う。
【0047】この収束状態との判定を受けて、内部状態
更新部210で前述の式(11)に基づいて内部状態が
更新され、次式(15)に基づいて収束時の処理が動作
する(ステップ16)。なお、次式(15)は、内部状
態変数P(t)をμIで近似させたものである。
【0048】 P(t)=μI ……(15) 次いで、適応フィルタ部202で、フィルタ係数h′
(t) を、前述した式(13)に基づいて更新する(ステ
ップ17)。さらに、前述した式(14)に基づいて、
エコーレプリカERの作成、減算処理を行う(ステップ
18)。
【0049】次いで、前記ステップ12での処理と同様
にして収束状態を判定する(ステップ19)。これによ
り、収束状態が維持されていれば、前記ステップ16か
らステップ18までを繰り返す。
【0050】一方、ステップ19での判定で、収束状態
から未収束状態に移行した場合には、内部状態を一定状
態で初期化して、未収束状態の動作に戻る。具体的に
は、次式(16)(17)による。
【0051】 k(t)={μx(t) }/{λ+μxT (t) x(t) } ……(16) k(t):n次元のゲインベクトル μ :ステップゲイン x(t) :時刻tから過去n個までの遠端入力Rin ヘ゛クトル λ :忘却係数(0<λ≦1) P(t)=αμI ……(17) P(t):n×n次元の内部状態変数行列 α :任意の係数 μ :ステップゲイン I :単位行列 前記初期化をした後に、前記ステップ13に戻って、未
収束時の処理を行う。
【0052】[効果]以上のように、未収束状態のとき
に、高速な収束特性を持つアルゴリズムに従って内部状
態量を更新することで、エコー除去動作を迅速に収束状
態にすることができる。さらに、一旦収束状態になった
後は、安定なアルゴリズムに従って内部状態量を更新す
ることで、迅速に収束した後のエコー除去動作を安定さ
せることができる。これにより、エコー除去動作を迅速
に収束させることができると共に、その後の動作を安定
させることができる。
【0053】[変形例]前記各実施形態では、エコーキ
ャンセラに用いる適応アルゴリズムとしてRLSアルゴ
リズムを用いた場合を例に説明したが、同様の特性を示
すカルマンフィルタや、一般的なマイクとスピーカで生
じるエコー等に対しても、本発明のエコーキャンセラを
適用することで、前記各実施形態同様の効果を奏するこ
とができる。
【0054】また、前記各実施形態の機能を合わせてエ
コーキャンセラを構成してもよい。これにより、エコー
除去動作をさらに迅速に収束させることができると共
に、その後の動作を安定させることができるようにな
る。
【0055】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明のエコー
キャンセラによれば、次のような効果を奏する。
【0056】(1) 初期値データ格納部に複数の初期
値候補が格納され、その中から最適な初期値を選択して
用いることで、エコーパスに対する収束速度を大幅に向
上させることができ、迅速なエコーの除去が可能にな
る。
【0057】(2) 未収束状態のときに、高速な収束
特性を持つアルゴリズムに従って内部状態量を更新する
ことで、エコー除去動作を迅速に収束状態にすることが
できるようになる。さらに、一旦収束状態になった後
は、安定なアルゴリズムに従って内部状態量を更新させ
ることで、迅速に収束した後のエコー除去動作を安定さ
せることができる。この結果、エコー除去動作を迅速に
収束させることができると共に、その後の動作を安定さ
せることができ、エコーキャンセラに対する信頼性が大
幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るエコーキャンセ
ラを示す構成図である。
【図2】第1の実施形態に係るエコーキャンセラの処理
機能を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るエコーキャンセ
ラを示す構成図である。
【図4】第2の実施形態に係るエコーキャンセラの処理
機能を示すフローチャートである。
【符号の説明】
102, 202:適応フィルタ部、108:初期値デー
タ格納部、109:初期値判定部、110, 210:内
部状態更新部、209:収束判定部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通信中に生じるエコーを除去するエコー
    キャンセラにおいて、 エコー除去処理の初期値として用いる初期値候補を複数
    格納しておく初期値データ格納部と、 この初期値データ格納部に格納された初期値候補の中か
    ら、それぞれを適用した場合の残差信号を得て最適な初
    期値を特定する初期値判定部と、 この初期値判定部で特定された初期値を初期値として、
    内部状態量を更新する内部状態更新部と、 この内部状態更新部で更新された内部状態量によって、
    フィルタ係数を更新してエコーレプリカを作成する適応
    フィルタ部とを有することを特徴とするエコーキャンセ
    ラ。
  2. 【請求項2】 通信中に生じるエコーを除去するエコー
    キャンセラにおいて、 与えられた内部状態量を用いてエコーレプリカを作成す
    る適応フィルタ部と、 この適応フィルタ部で作成されたエコーレプリカを用い
    てエコー消去した後の残差信号の状態からエコー除去動
    作が収束したかを判定する収束判定部と、 この収束判定部で未収束状態と判定したときに、高速な
    収束特性を持つアルゴリズムに従って内部状態量を更新
    し、収束状態と判定したときに安定なアルゴリズムに従
    って内部状態量を更新する内部状態更新部とを有するこ
    とを特徴とするエコーキャンセラ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007135002A (ja) * 2005-11-10 2007-05-31 Mitsubishi Electric Corp 受信機

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007135002A (ja) * 2005-11-10 2007-05-31 Mitsubishi Electric Corp 受信機

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