JPH10149507A - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JPH10149507A
JPH10149507A JP30958496A JP30958496A JPH10149507A JP H10149507 A JPH10149507 A JP H10149507A JP 30958496 A JP30958496 A JP 30958496A JP 30958496 A JP30958496 A JP 30958496A JP H10149507 A JPH10149507 A JP H10149507A
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JP
Japan
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film
magnetic head
magnetic
head
tape
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JP30958496A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Hirafune
保宏 平船
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ヘッドのテープ摺動面が磨耗し易く、記
録再生特性が低下していた。 【解決手段】 磁気記録再生を行う磁気ヘッド1のテー
プ摺動面6に、耐磨耗性に優れた硬化膜1を形成し、こ
の硬化膜1にイオンを注入している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオテープレコ
ーダ(VTR)やテープレコーダ等の磁気記録再生装置
に用いられる高密度磁気記録再生用の磁気ヘッドに係
り、特にMIGヘッドや積層ヘッド等のメタルヘッドに
おいて、テープ摺動面の耐磨耗性を改善した磁気ヘッド
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、VTRやテープレコーダ等の
磁気記録再生装置では、記録再生用磁気ヘッドとしてフ
ェライトヘッドが採用されていた。ところが、高画質化
や高音質化の要請に伴い、磁気テープの高性能化(高抗
磁力化)が進んだため、磁気ヘッドも高性能化(高飽和
磁束密度化)が要求されるようになった。このような理
由から、近年、MIGヘッドや積層ヘッド等のメタルヘ
ッドが主流になりつつある。
【0003】図7は、従来のMIGヘッドを示したもの
であり、(A)はその平面図、(B)はその正面図であ
る。32、33はフェライト磁性材料等の磁気コア半体
であり、一方の磁気コア半体33には巻線溝37が形成
されている。
【0004】また、磁気コア半体32,33の突き合わ
せ面側には、センダスト磁性薄膜35,36等の高飽和
磁束密度の磁性薄膜が被着されており、これらは非磁性
材からなるギャップ材を挟んで突き合わされ、テープ摺
動面39上に磁気ギャップ40が形成されている。
【0005】さらに、41はトラック幅規制溝であり、
テープ摺動面39上の磁気ギャップ40の両端部から巻
線溝37にかけてトラック幅を規制するために、V形状
の溝に形成されている。そして、34は摂氏500度の
軟化点を持つ低融点ガラスであり、トラック幅規制溝4
1と巻線溝37の一部に溶融充填されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】最近のデジタル記録
は、従来のアナログ記録に比べて、記録容量を大きくす
る必要があるため、磁気テープと磁気ヘッドのトラック
幅が狭く、相対速度が速くなっている。さらに、記録再
生の効率を上げるため、磁気ヘッドのデプス(ギャップ
部の深さ)を小さく設定している。例えば、VHS方式
では40マイクロメートル程度の深さに設定されている
が、DVC6mm方式ではその半分程度に小さく設定さ
れている。
【0007】したがって、従来の磁気ヘッド31が繰り
返し使用された場合、磁気テープとの接触により摩擦熱
を生じ、磁気ヘッドのテープ摺動面39の磨耗が著しく
促進されることになる。
【0008】これに加え、例えばMIGヘッドの場合
は、磁気コア半体がフェライトとセンダストにより形成
されており、また積層ヘッドの場合は、セラミック等の
非常に硬い材料からなる非磁性ガード材と磁性コア材に
より形成されているので、構成材料同士の硬さの相違か
ら偏磨耗を生じ易く、これによりスペーシング損失が発
生して、急激に記録再生特性が低下するという問題があ
った。
【0009】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、テープ摺動面の耐磨耗性を改善して、
記録再生特性の低下を防止することができる磁気ヘッド
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
れば、磁気記録再生を行う磁気ヘッドのテープ摺動面
に、耐磨耗性に優れた硬化膜を形成し、この硬化膜にイ
オンを注入した磁気ヘッドにより、達成される。
【0011】磁気記録再生に使用される磁気ヘッドのテ
ープ摺動面に対して、耐磨耗性の良好な硬化膜を成膜し
た後、この硬化膜に窒素イオン等をイオン注入して、こ
の硬化膜の密着性を改善することにより、テープ摺動面
の磨耗を極めて小さくすることができ、これにより、記
録再生特性の低下を防止することができるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施形態は、本発明の好適な例であるから、技術的
に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲
は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載
がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0013】本発明は、VTRやテープレコーダ等にお
いて、高密度記録再生を行う磁気ヘッド(メタルヘッ
ド)の改良に関するものであり、図1はMIG(Met
alIn Gap)ヘッドを示す斜視図であり、図2は
積層ヘッドを示す斜視図である。
【0014】MIGヘッド1は、図1に示すように、そ
の両側にフェライト磁性材料等によって形成された磁気
コア半体2,2を有しており、これら磁気コア半体2,
2の突き合わせ面側には、センダスト磁性薄膜4等の高
飽和磁束密度の磁性薄膜が被着されており、非磁性材か
らなるギャップ材を挟んで突き合わされ、そのテープ摺
動面6に磁気ギャップ4が形成されている。5は、トラ
ック幅規制溝であり、テープ摺動面6上の磁気ギャップ
4の両端部から巻線溝8に掛けてトラック幅を規制する
ため、V形状の溝に形成されている。3は、摂氏500
度の軟化点を持つ低融点ガラスであり、トラック幅規制
溝5と巻線溝8の一部に掛けて溶融充填されている。
【0015】また、積層ヘッド11は、図2に示すよう
に、その両側に非磁性ガード材13,13を有してお
り、これら非磁性ガード材13,13の内には磁性コア
12が積層されている。非磁性ガード材13,13は突
き合わされ、そのテープ摺動面16に磁気ギャップ15
が形成されている。14は補強ガラスであり、巻線溝1
7に充填されている。
【0016】図3は、本発明に係る磁気ヘッドの一実施
形態を示しており、(A)はその平面図であり、(B)
はその正面図である。図示するように、本実施形態の磁
気ヘッドは、MIGヘッド1のテープ摺動面6上に超硬
化膜7を成膜したものであり、この超硬化膜7は非磁性
のダイヤモンドライクカーボン(以下、「DLC」とい
う。)の薄膜として形成されている。
【0017】前述したように、デジタル記録では記録容
量を大きくする必要があるため、磁気テープと磁気ヘッ
ドのトラック幅が狭くなり、相対速度も速くなってい
る。さらに、記録再生の効率を上げるため、磁気ヘッド
のデプス(ギャップ部の深さ)を小さく設定されてい
る。したがって、磁気ヘッドが繰り返し使用される場
合、テープとの接触により摩擦熱が生じ、テープ摺動面
6の磨耗が著しく促進される。これに加え、磁気ヘッド
の構成材料の硬さの相違から偏磨耗が生じ易く、これに
よりスペーシング損失が発生して、急激に記録再生特性
の低下が生じることになる。
【0018】上記スペーシング損失は、例えば、LS=
54.6×d/λ (dB)により表される。なお、こ
の式において、dはテープとヘッドの隙間であり、λは
記録波長である。図6は、このスペーシング損失の計算
例を図示したものであり、スペーシングの増加に伴い、
損失も増加している。
【0019】このスペーシング損失を解消するために
は、磁気ヘッドのテープ摺動面に超硬薄膜を成膜する対
策や、磁気ヘッドのテープ摺動面の幅を拡げる対策が考
えられる。しかし、前者の場合は、真空処理(蒸着、ス
パッタ、イオンプレーティング)により、SiC(炭化
珪素)、Si2 4 (窒化珪素)、TiC(炭化チタ
ン)、TiN(窒化チタン)あるいはDLC(ダイヤモ
ンドライクカーボン)膜などの超硬化膜をテープ摺動面
に10〜20nm程度付着させ、VTRに取り付けて繰
り返し走行させたところ、1〜10時間程で超硬化膜が
磨耗してしまった。また後者の場合は、テープ摺動面の
面積が広がるため面圧が下がり磨耗が小さくなるもの
の、テープとの当たり方が不安定になり、記録再生特性
が劣化する。
【0020】そこで、本実施形態の磁気ヘッドでは、図
4に示すようなイオンビームスパッタ装置等の物理的な
蒸着装置を用いて、磁気ヘッドのテープ摺動面6にDL
C膜を摂氏50度以下の条件で、厚さ20nmの薄膜1
に成膜している。この薄膜1の材質は、DLCに限るも
のではなく、その他に表1に示すSiC(炭化珪素)、
Si2 4 (窒化珪素)、アルミナ(Al2 3 )等を
採用してもよい。表1に示すように、これらの薄膜物質
は、硬度が1800Hv以上の超硬化膜であり、良好な
耐磨耗性、耐腐食性および耐焼付性を有している。
【0021】
【表1】
【0022】そして、DLC膜の成膜後、成膜の密着性
を上げるため、アシストイオンガンを用いて、窒素
(N)イオンを注入した。そのときの条件は、イオン電
流を20mAに設定し、加速電圧を3KeV、5Ke
V、10KeV、20KeVと変化させ、いずれも注入
時間を10分間に設定した。なお、本実施形態では、D
LC膜に窒素イオンを注入したが、これに限るものでは
なく、例えばアルゴン(Ar)イオンを注入してもよ
い。
【0023】図5は、このようにして作製した磁気ヘッ
ドをVTRに取り付けて、繰り返し走行させたときのテ
ープ摺動面の磨耗特性を示すものである。図5中、
(a)は通常の未処理ヘッドの磨耗特性である。(b)
は加速電圧を3KeVで製作した場合の磨耗特性、
(c)は加速電圧を5KeVで製作した場合の磨耗特
性、(d)は加速電圧を10KeVで製作した場合の磨
耗特性、(e)は加速電圧を20KeVで製作した場合
の磨耗特性を示している。
【0024】図示するように、磁気ヘッドのテープ摺動
面に成膜されたDLC膜の密着性は、加速電圧を上げて
いくと成膜の密着性が増すため磨耗が抑えられるもの
の、加速電圧が10KeVを超えると効果が小さくなる
傾向が見られた。
【0025】かくして本実施形態によれば、磁気記録再
生の高性能化に伴う磁気ヘッドのデプス部の減少および
偏磨耗に対し、テープ摺動面6に物理的蒸着法(PVD
法)によりDLC膜等の超硬化膜1を50nm以下の薄
膜に成膜し、窒素イオン等をイオン注入することにより
テープ摺動面6の磨耗を極めて小さく抑制することがで
きるものである。
【0026】なお、本実施形態においては、MIGヘッ
ドを例に採って説明したが、これに限るものではなく、
その他、例えば積層ヘッドなどのメタルヘッドに適用す
る場合にも、処理条件の最適化を図ることにより同様の
効果を得ることができる。
【0027】以上述べたように、本発明の実施の形態に
よれば、高密度磁気記録再生用のメタルヘッド(MIG
ヘッド1、積層ヘッド11)において、そのテープ摺動
面6,16に耐磨耗性に優れた非磁性の超硬化膜7を形
成し、この超硬化膜7にイオン注入を施すことにより、
成膜の密着性を改善し、、テープ摺動面6,16の磨耗
を極めて小さく抑制することができ、特にVTR等の短
波長記録再生に適した磁気ヘッド1,11を提供するこ
とができる。
【0028】
【発明の効果】かくして、本発明によれば、テープ摺動
面の耐磨耗性を改善して、記録再生特性の低下を防止す
ることができる磁気ヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】MIGヘッドを示す斜視図である。
【図2】積層ヘッドを示す斜視図である。
【図3】本発明の磁気ヘッドの一実施形態を示してお
り、(A)はその平面図、(B)はその正面図である。
【図4】本実施形態において、イオンビームスパッタ装
置を示す概略図である。
【図5】本実施形態において、テープ走行時間とテープ
摺動面の磨耗量との関係を示す説明図である。
【図6】本実施形態において、スペーシング損失の計算
例を示す説明図である。
【図7】従来のMIGヘッドを示す図である。
【符号の説明】
1,11・・・磁気ヘッド、6・・・テープ摺動面、7
・・・薄膜(超硬化膜)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録再生を行う磁気ヘッドのテープ
    摺動面に、耐磨耗性に優れた硬化膜を形成し、この硬化
    膜にイオンを注入したことを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記硬化膜が、非磁性の超硬化膜であっ
    て、且つ、この超硬化膜が、物理的蒸着法により成膜さ
    れたダイヤモンド状膜(DLC)、アルミナ(Al2
    3 )、窒化チタン(TiN)あるいは窒化珪素(Si3
    4 )であることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘ
    ッド。
  3. 【請求項3】 前記硬化膜が、厚さ50nm以下の薄膜
    として成膜されることを特徴とする請求項1に記載の磁
    気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記超硬化膜が、厚さ50nm以下の薄
    膜として成膜されることを特徴とする請求項2に記載の
    磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記硬化膜へのイオン注入に、窒素イオ
    ンが採用されることを特徴とする請求項1に記載の磁気
    ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記超硬化膜へのイオン注入に、窒素イ
    オンが採用されることを特徴とする請求項2に記載の磁
    気ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記硬化膜へのイオン注入に、窒素イオ
    ンが採用されることを特徴とする請求項3に記載の磁気
    ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記超硬化膜へのイオン注入に、窒素イ
    オンが採用されることを特徴とする請求項4に記載の磁
    気ヘッド。
JP30958496A 1996-11-20 1996-11-20 磁気ヘッド Pending JPH10149507A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007033291A (ja) * 2005-07-28 2007-02-08 Mitsutoyo Corp 粗さ標準片及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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