JPH10148571A - 分光測定方法及び分光測定装置 - Google Patents

分光測定方法及び分光測定装置

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JPH10148571A
JPH10148571A JP30833596A JP30833596A JPH10148571A JP H10148571 A JPH10148571 A JP H10148571A JP 30833596 A JP30833596 A JP 30833596A JP 30833596 A JP30833596 A JP 30833596A JP H10148571 A JPH10148571 A JP H10148571A
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英夫 田代
Tomoyuki Wada
智之 和田
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和幸 赤川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単色光源として新規な波長可変レーザを用い
て機能的な分光測定を行う。 【解決手段】 波長可変レーザとして、レーザ共振器内
に所定の波長領域でレーザ発振可能なレーザ媒質14と
複屈折性音響光学素子100とを配置し、RF電源20
に接続された圧電素子22により音響光学素子100中
に励起する音響波の周波数を選択することにより波長選
択を行う波長可変レーザを用いる。この波長可変レーザ
を、従来の分光光度計の分光光源とモノクロメータの代
わりとして用いることにより機能的な分光測定を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分光測定法及び分
光測定装置に関し、特に分光光源として波長可変レーザ
を用いる分光測定法及び分光測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高感度な試料分析法として、試料に赤外
領域、可視領域あるいは紫外領域の光を照射して試料に
よる光吸収、あるいは試料からの反射光、レーリー散乱
光、ラマン散乱光、蛍光等を測定する分光測定法が広く
用いられている。この分光測定法によると、試料の同
定、確認等の定性分析、試料中に含有されている特性成
分の濃度や混合物の成分比測定等の定量分析、分子の電
子状態や立体構造の解析を行うことができ、また試料に
よる吸収スペクトル等を時間分解して測定することによ
って反応過程や反応中間体の分子構造解析等を行うこと
ができる。
【0003】分光測定では、試料に特定の選択された波
長の単色光を照射すること、あるいは単色光の波長を連
続的に掃引しながら光照射することが必要とされ、通常
は白色光源とモノクロメータとを組み合わせて単色光を
取り出す分光光度計が用いられる。モノクロメータの出
口スリットから出射される単色光の波長掃引は、モノク
ロメータに組み込まれた波長分散素子、例えば回折格子
を回動することで行われる。
【0004】図14は、従来の分光測定装置の一例であ
るダブルビーム方式の分光光度計の略図である。この分
光光度計は試料の吸収スペクトルを測定するものであ
り、光源部200内に配置されたタングステンランプや
重水素ランプ等の光源からの光線はモノクロメータ21
0の入射スリットS1 を通り、ミラーM1 ,M2 を介し
て回折格子Gに入射する。回折格子Gで波長分散された
光線はミラーM3 ,M4を介して出射スリットS2 の位
置にスペクトル像を形成し、スリットS2 から単色光2
11が取り出される。モノクロメータ210から取り出
された単色光211は、回転している第1のセクターミ
ラー221に入射する。第1のセクターミラー221は
光透過部と光反射部を有し、光線を試料S側の光路と参
照試料R側の光路に交互に振り分ける。第1のセクター
ミラー221を透過した単色光211は試料Sに入射
し、試料透過光は反射ミラー223で反射された後、制
御部220によってセクターミラー221と同期して回
転している第2のセクターミラー224で反射されて検
出器230に入射する。また、第1のセクターミラー2
21で反射された単色光211は反射ミラー222で反
射されたのち参照試料Rを透過し、第2のセクターミラ
ー224を透過して検出器230で検出される。
【0005】また、一部の分光測定には光源として波長
可変レーザが使用されている。波長可変レーザとして
は、レーザ媒質としてTi:Al23(チタンサファイ
ア)などの結晶を用いる固体レーザと、レーザ媒質とし
て色素溶液などを用いる液体レーザが知られている。こ
うした波長可変レーザを所望の波長でレーザ発振させる
ための波長選択法としては、例えばレーザ媒質を収容し
たレーザ共振器内に回折格子や複屈折板などを配設し、
それを機械的に回転することにより特定の波長のみがレ
ーザ共振器内で共振できるようにして、所望の波長のレ
ーザ光を取り出す波長選択法が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】分光光度計を用いる分
光測定法はすでに確立された技術であり、高精度な測定
を行うことができるが、単色光照射のためのモノクロメ
ータが必要となり装置が大型化する。また、光源と検出
器を分離することができず、分光光度計に装填可能な試
料の大きさや試料の状態も限定されたものとなるため、
種々の試料状態あるいは条件下において分光測定を柔軟
に行うことができない。さらに、試料上の位置の関数と
して試料の吸収スペクトル、反射スペクトル等の分光ス
ペクトルを2次元的に測定するのが容易ではないという
問題がある。
【0007】一方、光源としてレーザを用いて分光測定
する場合、レーザからは単色光が得られるためモノクロ
メータを用いる必要がない。しかし、波長可変レーザと
して現在最も広く使用されている色素レーザは、一種類
の色素で得られる波長可変範囲が狭い、回折格子や複屈
折板などを機械的に回転させることによって波長の選択
を行っているため高速で波長可変することが困難であ
る、波長再現精度を上げるには一方向にしか波長を掃引
できない等の問題がある。このため、試料の吸収スペク
トル測定のような一般的な分光測定には適さない。
【0008】また、広範囲波長可変レーザとして、オプ
チカル・パラメトリック発振器(OPO:Optical Para
metric Oscillator)を利用した場合には、波長可変範
囲は広くとることができるが、波長掃引速度が遅い上、
波長の再現性に欠け、また出射ビームの位置や方向が波
長によりわずかに変わり、光軸が一定しない。
【0009】赤外線半導体レーザを用いた分光器は、一
個の半導体レーザの波長可変範囲が狭く、広い波長範囲
で測定するためには次々と半導体レーザを交換しなけれ
ばならない。
【0010】パルス色素レーザに対しては、レーザ媒質
である色素溶液中にCaMoO4 結晶を配置し、CaM
oO4 結晶に音響波を入力し、音響波と相互作用する光
線成分で共振器を構成してレーザの発振波長を可変制御
する発振波長の電気的掃引方法が提案されている(Appl
ied Physics Letters, vol.19, No.8, pp.269-271)。
しかし、この掃引方法は、可変できる波長範囲が狭い、
色素と結晶を一体化する複雑な構成が必要である、Ca
MoO4 結晶という特殊な結晶が必要である、相互作用
した光線成分と相互作用しない光線成分との差が偏光面
の回転であるため分離が容易ではない等の問題がある。
【0011】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、単色光源として新規な波長
可変レーザを用いた簡易な分光測定法及び分光測定装置
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明では、回転機構な
どの機械的可動部分を設けることなしに電気的にレーザ
発振波長を制御して高速な波長掃引を可能とした電子制
御型波長可変レーザ〔以下、ETT(Electronically Tu
ned Tunable)レーザという〕を新たに開発し、このET
Tレーザを分光光源として利用することで前記目的を達
成する。
【0013】本発明に用いられるETTレーザは、レー
ザ共振器内に所定の波長領域でレーザ発振可能なレーザ
媒質と複屈折性音響光学素子とを配置し、複屈折性音響
光学素子により所定の角度に回折された光線成分に対し
てのみレーザ共振器を構成し、複屈折性音響光学素子中
に励起する音響波の周波数を選択することにより波長選
択を行う波長可変レーザであり、例えばチタンサファイ
アをレーザ媒質とした場合、680nm〜1100nm
の波長範囲を1秒以内の時間で波長掃引可能である。ま
た、複屈折性音響光学素子を用いて電気的に波長選択を
行うため、波長切換を瞬時に行うことができ、例えば任
意の2波長の切換えを1ms以下の時間で安定に行うこ
とができる。
【0014】このような広い波長範囲を瞬時に、しかも
レーザの単色性を保ったまま波長掃引できるということ
は、図14の光源200と分光器210が一体化され、
単色のスペクトル強度が強く、かつ指向性を持つ光ビー
ムとして得られることを意味する。このETTレーザ
は、従来の吸収型分光器の光源として利用できるのはも
ちろんであり、またレーザビームであることから光ファ
イバーに導入しやすく、光ファイバーを利用した遠隔モ
ニター型分光を容易に実現することができる。
【0015】以下に、複屈折性音響光学素子を用いたE
TTレーザのレーザ発振波長選択の原理について説明す
る。複屈折性を示す音響光学結晶中に音響波を励起する
と、その結晶に入射された光の中で音響波の周波数に応
じた特定の波長の回折光は、音響波、入射光、回折光の
間の位相整合条件を満たす方向に強く回折される。図1
は、この回折の様子を示す概念図である。
【0016】いま、TeO2 結晶などの複屈折性を示す
音響光学結晶に圧電素子22を取り付けた複屈折性音響
光学素子100中に、角周波数ωiの入射光102を入
射するものとする。さらに、圧電素子22により複屈折
性音響光学素子100中に角周波数ωaの音響波104
を励起すると、入射光102と音響波104との相互作
用により、次の〔数1〕で表される角周波数ωoに周波
数シフトした回折光106が得られる。なお、入射光1
02は異常光線、回折光106は常光線であり、回折光
106の偏光面は入射光102の偏光面と直交してい
る。108は非回折光である。
【0017】
【数1】ωo=ωi+ωa
【0018】ただし、ωa≪ωi,ωoであり、ωi≒
ωoとみなして差し支えない。このとき入射光102の
波数ベクトルをki、音響波104の波数ベクトルをk
a、回折光106の波数ベクトルをkoとするとき、位
相整合条件より次の〔数2〕で表されるベクトル式が成
立する。
【0019】
【数2】ko=ki+ka
【0020】図2は、複屈折性音響光学素子100中を
伝播する常光線のkベクトルと、異常光線のkベクトル
の関係を表示したものである。常光線に対するkベクト
ルの大きさは進行方向によらず一定であり、kベクトル
の終点の軌跡は円になる。一方、異常光線に対するkベ
クトルの大きさは複屈折性音響光学素子100の結晶軸
に対する伝播角度によって変化し、kベクトルの終点の
軌跡は楕円形になる。このkベクトルの軌跡によって形
成される円又は楕円は、波長を変えるとほぼ相似的に拡
大又は縮小変化する。図2(a)は、波長λ1 において
〔数2〕の位相整合条件が成立している状態を示してい
る。図中、Vaは結晶中を伝わる音響波104の速度で
あり、音響波104の波数ベクトルka1 の大きさは|
ωa/Va|である。
【0021】ここで、複屈折性音響光学素子100中に
励起する音響波104の周波数ωa、従って波数ベクト
ルkaの大きさを変えると、波長λ1 では〔数2〕の位
相整合条件が成立しなくなる。このとき位相整合条件が
成立するのは、図2(b)に示すように、波長λ2 にな
る。このように、位相整合条件を満たす光の波長λと音
響波の角周波数ωaとは一対一で対応している。
【0022】前述のように、kベクトルの軌跡の終点を
結んだ円又は楕円の大きさは波長によって変化するが、
その形はほとんど変化しない。従って、波長がλ1 から
λ2に変化して、これにより入射光102と回折光10
6のベクトルki,koの大きさが変わっても相似形と
なるため、ベクトル(ko1−ki1)とベクトル(ko
2−ki2)の向きは平行となる。この結果、ka1=k
1−ki1,ka2=ko2−ki2のベクトルをもつ音
響波を音響周波数を変えるだけで入力できる。
【0023】複屈折性音響光学素子100から出射した
波数ベクトルkoの光を、反射ミラー110で反射させ
て、複屈折性音響光学素子100中に逆方向から入射さ
せると、図2(c)に示すように、戻ってきた光はまた
音響波により回折され、再び入射光kiと逆向きに進む
−kiとなって入射光の光路を逆に辿る。
【0024】従って、レーザ媒質14及び複屈折性音響
光学素子100を挟んで、例えば図3に示すように、全
反射ミラー110と所定の透過率を有する出射側ミラー
112を配置すると、全反射ミラー110と出射側ミラ
ー112により両者の間を特定の波長成分のみをもつ光
のみが往復するレーザ共振器が構成される。回折光10
6の波長λoは、複屈折性音響光学素子100中に発生
される音響波104の周波数ωaを変えるとkaが変わ
り、kiが選択される結果、波長λi=2π/|ki|
が決まる。従って、複屈折性音響光学素子100に取り
付けられた圧電素子22をRF電源20からの所定周波
数のRF信号で駆動することにより、レーザ発振波長λ
iの制御が可能となる。
【0025】また、回折光106の回折効率は複屈折性
音響光学素子100中に励起された音響波の強度によっ
て決定されるので、RF電源20から出力されるRF信
号の振幅を制御することにより回折光106の強度、従
ってレーザ出力を可変制御することができる。
【0026】上では、kベクトルの軌跡の終点を結んだ
円又は楕円の形は波長によってほとんど変化しないと述
べたが、実際には僅かに変化する。そのため、回折角も
波長によって僅かに変化して、全反射ミラー110と部
分透過ミラー112によって構成される共振器の条件が
変化し、出射レーザ光の方向が僅かに変化する。この回
折角の波長依存性は、複屈折性音響光学素子100と全
反射ミラー110の間にプリズム等の波長分散補正素子
を配置することで補償することができ、全ての波長で出
射レーザ光の方向を一定にすることができる。レーザ媒
質としては、Ti:Al23、LiSAF、LiCAF
等のレーザ結晶、色素溶液など既知のいずれの波長可変
レーザ媒質も用いることができる。
【0027】このETTレーザは、励起レーザ源として
連続発振レーザ(CWレーザ)を用いることにより連続
発振レーザとすることも、励起レーザ源としてパルスレ
ーザを用いることによりパルス発振レーザとすることも
できる。例えばレーザ媒質としてTi:Al23を用い
た場合には、Nd:YAGレーザ、Nd:YLFレー
ザ、Nd:YVO4レーザなどのNd固体レーザの第2
高調波及びアルゴンイオンレーザを用いることができ、
レーザ媒質としてLiSAFレーザ結晶、LiCAFレ
ーザ結晶などを用いた場合には半導体レーザやクリプト
ンイオンレーザを用いることができる。
【0028】レーザ媒質内の、励起レーザによる励起体
積とレーザ共振器内の光モード体積とを整合させるよう
にして効率を高め、励起入力を低くすることにより、出
力の高くとれない高繰り返しパルス励起レーザや連続発
振レーザも励起レーザに利用できる。例えば、レーザ共
振器をZホールド型のレーザ共振器やXホールド型のレ
ーザ共振器とし、レーザ共振器内の光路に沿って励起レ
ーザ光を導入することで、励起光を効率よく利用して低
エネルギーの励起光でレーザ発振を生じさせることがで
きる。
【0029】このETTレーザを分光測定の光源として
利用することにより、光源部、試料部、検出部を分離し
て配置することができ、離れた位置に配置された試料に
対する遠隔測定が可能となる。また、レーザ光は指向性
の良いビームとして出力されるため、効率よく光ファイ
バーに入射することができ、光ファイバーによって光源
部と試料部の間、試料部と検出部の間を結ぶことによ
り、遠隔測定を容易に達成することができる。
【0030】また、ETTレーザを波長掃引しながらレ
ーザビームで試料を2次元走査することにより試料の2
次元領域のスペクトル測定を容易に行うことができる。
また、レーザ光の集光性の良いことを利用すると、レン
ズ等で試料にレーザ光を絞り込み、空間的に限定された
場所での分光測定を行うことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。最初に、図3〜図9を用い
て、本発明で使用するETTレーザについて説明する。
なお、以下の各図において同一の構成部分あるいは相当
する構成部分には同一の符号を付してその詳細な説明を
省略する。
【0032】図3は、本発明で使用するETTレーザの
一例の概略構成を示す図である。図3において、図1に
示した構成部材と同一の構成部材には理解を容易にする
ため同一の符号を付して示した。
【0033】このETTレーザは、所定の透過率(例え
ば反射率98%、透過率2%)を有する出射側ミラー1
12と全反射ミラー110によりレーザ共振器が構成さ
れており、レーザ共振器内には波長可変レーザ媒質14
と、波長選択用の複屈折性音響光学素子100とが出射
側ミラー112と全反射ミラー110の間に、この順序
で配設されている。複屈折性音響光学素子110には、
音響波入力手段としてRF電源20により駆動される圧
電素子22が取り付けられている。RF電源20により
圧電素子22を駆動すると、音響波が複屈折性音響光学
素子100中を伝播する。全反射ミラー110は、複屈
折性音響光学素子100によって所定の方向に回折され
た回折光106のみを垂直反射するように構成されてい
る。
【0034】励起レーザ光24によってレーザ媒質14
を励起する。また、上述した原理に基づいて、レーザ発
振させたいレーザ光の周波数(波長)に応じてRF電源
の周波数を制御する。このようにすると、レーザ媒質1
4から出射され複屈折性音響光学素子100に入射され
た広範囲の波長帯域の出射光の中で、RF電源20の周
波数ωaに応じた次の周波数ωoの光が回折光106と
して複屈折性音響光学素子100から全反射ミラー11
0の方向に回折される。 ωo=ωi+ωa
【0035】こうして、周波数ωiの光のみがレーザ媒
質14内を往復することができ、レーザ媒質で増幅され
てレーザ発振を生じ、レーザ共振器からレーザ光として
出射する。
【0036】図4は、複屈折性音響光学素子の光損傷を
回避するためのビーム径拡大手段を付設し、さらに回折
角の周波数依存性を補償して広い波長範囲でレーザ発振
を行わせるために、複屈折性音響光学素子と全反射ミラ
ーの間に波長分散補正素子としてのプリズムを配置した
レーザの例を示す。
【0037】レーザ媒質14と複屈折性音響光学素子1
00の間にビーム径調節用のテレスコープ30が配置さ
れており、複屈折性音響光学素子100にはテレスコー
プ30によって径を拡大された平行光が通過する。この
配置によると、レーザ共振器を往復する光はレーザ媒質
14中を収束した光強度の高い光線として通過するた
め、レーザ効率を低下させることがない。一方、複屈折
性音響光学素子100の位置では単位面積当たりに照射
される光強度が低下するため、複屈折性音響光学素子1
00の光損傷を抑止することができる。
【0038】また、複屈折性音響光学素子100と全反
射ミラー110の間には、回折角の波長分散補正素子と
してプリズム28が配置されている。プリズム28は、
複屈折性音響光学素子100から出射した回折光106
を、回折光の波長に関わらず常に全反射ミラー110に
垂直入射させるように設計されている。この場合、複屈
折性音響光学素子100で回折されて回折光106とな
った光線は、いずれの波長においても全反射ミラー11
0で反射されて同一の光路を逆に辿ることができるよう
になり、レーザ媒質14で効率よく増幅されてレーザ発
振することが可能となる。回折光の回折角度に波長分散
があるとレーザ共振器内での光路が変わることになり、
波長可変域に制限を受けることになるが、分散補正用プ
リズム28を設けることにより、こうした問題点を解消
することができる。また、回折角の波長分散補正用プリ
ズム28を用いることにより、出射レーザ光の方向を一
定にすることができる。
【0039】図4の例では、レーザ共振器内にビーム径
調節用のテレスコープ30と回折角の波長分散補正素子
28を共に配置したが、複屈折性音響光学素子100の
光損傷を考慮する必要がない場合にはテレスコープ30
を省略することができ、また、複屈折性光音響素子10
0による回折角の波長依存性を考慮する必要がない場合
には波長分散補正素子28を省略することができる。
【0040】図5は、図4に示すようにレーザ共振器に
回折角の波長分散補正素子28を組み込んだETTレー
ザを用い、RF電源20の周波数を変化させたときに出
射したレーザ光の波長と出力の関係を示すものである。
レーザ発振条件は以下の通りである。レーザ媒質14に
はTi:Al23を用い、励起レーザ光24にはNd:
YAGレーザの第2高調波であるパルス幅8ns、波長
532nmのパルスレーザ光を用いた。励起レーザ光の
1パルス当たりのエネルギーは155mJであった。出
射側ミラー112の反射率は60%、全反射ミラー11
0の反射率は波長800nmにおいて99.9%であっ
た。RF電源は、周波数可変範囲が40MHz〜150
MHzであり、出力2Wで用いた。複屈折性音響光学素
子100の回折効率は98%である。図5から明らかな
ように、波長可変範囲約750〜850nmでレーザ発
振が可能であった。
【0041】図6は、RF電源の出力を変化させて音響
波入力パワーを変化させたときに出射したレーザ光の出
力変化を示すものである。図6から、複屈折性音響光学
素子に入力される音響波のパワーが0.5W〜2Wと変
化するとき出射するレーザ光の出力もそれに応じて変化
しており、複屈折性音響光学素子に入力される音響波の
パワーを変化させることにより出射レーザ光の出力を制
御することができることが分かる。
【0042】図7は、ETTレーザの他の例を示す概略
図である。この例では、レーザ共振器内を往復する光の
光路がアルファベットのZ字形状になる、いわゆるZホ
ールド型のレーザ共振器を用いている。Zホールド型の
レーザ共振器は所定の透過率を有する出射側ミラー11
2と全反射ミラー110を備える。さらに、励起レーザ
光Aを入射させるとともに出射側ミラー112と全反射
ミラー110との間を往復する光Bを反射する第1中間
ミラー37と、出射側ミラー112と全反射ミラー11
0との間を往復する光Bを反射する第2中間ミラー38
を備えており、レーザ共振器内を往復する光Bの光路は
アルファベットのZ字形状とされる。
【0043】レーザ共振器の光路上の第1中間ミラー3
7と第2中間ミラー38の間には、波長可変レーザ媒質
として入射光の入射端面がブルースターカットされたレ
ーザ媒質14が、その入射端面が入射光の反射がゼロと
なるブルースター角となるようにして配置されており、
励起レーザ光Aにより縦方向同軸励起によりレーザ発振
が生じるように構成されている。レーザ共振器の光路上
の第2中間ミラー38と全反射ミラー110の間には、
波長選択手段として複屈折性音響光学素子100が配置
されている。
【0044】複屈折性音響光学素子100には、音響波
入力手段として、パーソナル・コンピュータ26により
周波数を制御されたRF電源20で駆動される圧電素子
22が取り付けられている。従って、パーソナル・コン
ピュータ26の制御により任意の周波数に設定されたR
F電源20により圧電素子22を駆動してその周波数に
応じた音響波を複屈折性音響光学素子100に励起する
ことにより、複屈折性音響光学素子100は前記〔数
1〕で表される周波数ωoの光Dを回折する。圧電素子
22は、出射側ミラー112から出射させたい出射レー
ザ光Cの波長の光B(周波数ωi≒ωo)に対応する光
のみを、複屈折性音響光学素子100が所定の方向に回
折した回折光Dとして出射し、レーザ共振できるよう
に、パーソナル・コンピュータ26により複屈折性音響
光学素子100へ入力する音響波の周波数ωaを制御す
る。
【0045】複屈折性音響光学素子100と全反射ミラ
ー110の間には、回折光Dの分散を補正するための波
長分散補正素子としてのプリズム28が配設されてい
る。この回折角の波長分散補正用プリズム28を用いる
ことにより、出射レーザ光Cの方向を一定にすることが
できる。レーザ共振器内へ励起レーザ光Aを入射するた
めの励起レーザ32としては、パルスレーザ又は連続発
振レーザ(CWレーザ)を用いることができる。
【0046】励起レーザ32によって発生された励起レ
ーザ光Aは、全反射ミラー34により全反射集光ミラー
36に反射され、全反射集光ミラー36により集光され
て第1中間ミラー37を介してレーザ媒質14を縦方向
同軸励起するように入射される。
【0047】以上の構成において、出射レーザ光Cを得
るには、励起レーザ32により入射された励起レーザ光
Aを用いてレーザ媒質14を励起する。また、出射側ミ
ラー112から出射させたい出射レーザ光Cの波長(周
波数ωi)に応じて、RF電源20の周波数ωaをパー
ソナル・コンピュータ26により制御し、圧電素子22
を駆動する。このようにすると、レーザ媒質14から出
射して複屈折性音響光学素子100に入射された広範囲
の波長帯域の光の中で、RF電源20の周波数に応じた
波長の光は、複屈折性音響光学素子100で回折光D
(周波数ωo)として回折される。この回折光Dは、回
折角の波長分散補正用プリズム28を介して全反射ミラ
ー110に垂直入射し、全反射ミラー110で反射され
てZ字形状の光路を辿ってレーザ共振器内を往復する
(レーザ媒質14の位置では角周波数ωi)。従って、
RF電源20の周波数に応じた波長の光のみが増幅され
てレーザ発振し、レーザ共振器から当該波長の出射レー
ザ光C(周波数ωi)を出射させる。
【0048】このように、出射レーザ光Cの波長選択
は、パーソナル・コンピュータ26の制御によりRF電
源20の周波数ωaを選択することで実現できるので、
出射レーザ光C(周波数ωi)の高速かつランダムな波
長選択が可能であり、結果として出射レーザ光の波長可
変速度を高速化することができる。
【0049】図7に示したETTレーザは、レーザ共振
器の構造をZホールド型にして励起レーザ光Aを全反射
集光ミラー36により集光してレーザ媒質14へ入射す
るようにしたので、励起入力強度が低いパルス励起レー
ザあるいはパワーの低いCWレーザによる励起レーザ光
Aによっても十分にレーザ発振を生じさせることができ
る。
【0050】図8は、図7に示したETTレーザの入出
力特性についての実験結果を示すものである。ここで
は、レーザ媒質14としてTi:Al23結晶を用い、
励起レーザ32としてCW−QスイッチパルスNd:Y
LFレーザを用い、その第2高調波を励起レーザ光Aと
して用いた。励起レーザ光Aの波長は523nmであ
り、パルスの繰り返し周波数は1kHz、1パルス当た
りの最大出力は200μJである。また、全反射集光ミ
ラー36の直径は200mmとし、第1中間ミラー37
及び第2中間ミラー38の半径は100mmとし、出射
側ミラー112を反射率97%(透過率3%)とした。
レーザ媒質14で励起領域と共振器モード径は数十μm
まで絞られ、全反射集光ミラー36によりこの領域に励
起レーザ光Aを集光することによって、励起効率の向上
が図られる。図8は、出力レーザ光Cの波長を800n
mに固定した際における、励起レーザ光A(入力)のエ
ネルギーと出力レーザ光C(出力)のエネルギーとの入
出力特性を示したものである。図8から明らかなよう
に、励起レーザ光Aのエネルギーが1パルス当たり約4
0mJになったときにレーザ発振の閾値に達した。
【0051】図9は、励起レーザ光Aのエネルギーが1
00μJのときの波長可変特性を示すものである。図9
から明らかなように、波長可変域は約740nm〜約8
70nmである。回折角の波長分散補正用プリズム28
を設けたことにより、レーザの波長同調時に観測される
ビームの振れは、観測限界以下であった。
【0052】次に、前記したETTレーザを用いた本発
明の分光測定方法について説明する。図10は、本発明
による分光測定の一例を説明する概略図である。分光光
源としては前記したETTレーザ40を用いる。ETT
レーザ40は、前述のように、レーザ共振器内に所定の
波長領域でレーザ発振可能なレーザ媒質と複屈折性音響
光学素子とを配置し、複屈折性音響光学素子により回折
された光線成分に対してのみレーザ共振器を構成し、複
屈折性音響光学素子中に励起する音響波の周波数を選択
することにより波長選択を行う波長可変レーザであり、
例えばレーザ媒質としてチタンサファイアを選択するこ
とにより約680nm〜約1100nmの波長範囲で単
色光を取り出すことができる。ETTレーザ40は、パ
ルスレーザ光を発生するものとすることもできるし、連
続レーザ光を発生するものとすることもできる。
【0053】ETTレーザ40から取り出された波長λ
の単色レーザ光41は、ハーフミラー42により2分さ
れ、一方は試料Sに入射し、他方は参照試料Rに入射す
る。試料Sを透過した光線は光電子増倍管等の光検出器
43で検出され、参照試料Rを透過した光線は同様に光
検出器44で検出される。演算部45で2つの光検出器
43,44の出力の比をとり、対数演算することで波長
λにおける試料Sの吸光度が求められ、その結果はCR
T等の表示装置46に表示される。いま、ETTレーザ
40の発振波長をλ1〜λ2まで掃引すれば、波長λ1
λ2の範囲における試料Sの吸収スペクトルを得ること
ができる。ここでは試料Sの吸収スペクトル測定につい
て説明したが、光検出器43,44を試料S及び参照試
料Rからの反射光を測定する位置に配置すると、試料S
の反射スペクトルを測定することができる。
【0054】このように分光光源としてETTレーザ4
0を用い、試料入射光としてレーザ光を使用すると、試
料入射光の径を細く、かつ光強度を強くすることができ
るので試料の局所計測及び微量計測を容易に行うことが
できる。
【0055】図11は、分光光源としてのETTレーザ
50と試料S、及び試料Sと光検出器54,58の間を
光ファイバー52a,52b,52cで結ぶことにより
遠隔測定を可能にした分光測定例の説明図である。
【0056】ETTレーザ50からの出射光は光結合器
51aから送光用の光ファイバー52aに入射し、送光
用光ファイバー52a中を通って他端の照射用光結合器
51bから出射し、試料Sを照射する。試料Sを透過し
た光は受光用光結合器51cから受光用の光ファイバー
52bに入射し、受光用光ファイバー52bの他端に設
けられた光結合器51dから出射して光電子増倍管等の
光検出器54で検出される。光検出器54の検出出力は
信号処理装置55に入力される。
【0057】制御部57は、ETTレーザ50及び信号
処理装置55に制御信号を送り、ETTレーザ50の複
屈折性音響光学素子中に励起する音響波の周波数を制御
することによってETTレーザ50を所望の波長で発振
させる。信号処理装置55は、制御部57から送られる
制御信号によって試料照射波長を知り、その波長におけ
る試料Sの吸光度を演算する。ここで、ETTレーザ5
0の波長を掃引すると、試料Sの透過吸収スペクトルを
測定することができる。
【0058】受光用光ファイバー52cの受光用光結合
器51eを照射用光結合器51bの光軸に対して角度を
持たせて配置すると、試料Sからの散乱光又は発光を測
定することができる。受光用光結合器51eに入射した
光は受光用光ファイバー52cを通ってフィルター59
を備えた光検出器58で受光され、光検出器58の検出
出力は信号処理装置55に供給される。信号処理装置5
5の出力はCRT等の表示装置56に出力される。この
ときETTレーザ50の発振波長を掃引すると、発光励
起スペクトルを測定することができる。
【0059】このようにETTレーザ50と試料S、及
び試料Sと光検出器54,58の間を光ファイバー52
a,52b,52cで結ぶ方法は、試料Sと計測機器5
0,54,58,55,56を分離して設置しなければ
ならない場合に有効である。そのような測定が必要とさ
れる場合の例として、パイプライン中を流れる液体の濃
度や、ベルトコンベアで輸送される果物の糖度等を測定
室から集中管理する場合が挙げられる。この方法による
と、複数箇所に設定された測定位置での試料測定を測定
位置から数十メートルあるいは数百メートル離れた測定
室において集中的に行うことができる。また、病院等に
おいて手術室や病室にいる患者の血液分析等を、同様に
離れたモニター室で集中的に行うことができる。
【0060】図12は、本発明による試料中の特定成分
の2次元分布測定を説明する図である。試料Sは試料台
61に保持され、試料台61に組み込まれたモータ等の
駆動手段によってXY方向に移動可能になっている。E
TTレーザ60から出射された単色レーザ光68は、集
束レンズ62によって細く絞られて試料S上の微小領域
にスポット照射される。試料の微小領域を透過したレー
ザ光は集光レンズ63によって集光され、光検出器64
に入射して検出される。光検出器64の出力信号は信号
処理装置65で処理されたのち、CRT等のモニター6
7に供給される。試料S上での単色レーザ光68の照射
位置は制御部66により試料台61をXY方向に移動す
ることによって制御され、試料台61の制御情報は制御
部66から信号処理装置65にも供給される。
【0061】例えば、制御部66によって試料台61を
ステップ的あるいは連続的に移動させる。このとき、試
料S上の各位置でETTレーザ60から出射される単色
レーザ光68を測定波長λsと参照波長λrの2波長に
高速で切り替え、各波長λs,λrにおける試料透過光
強度を測定する。測定波長λsは試料中の目的成分によ
って強く吸収される波長であり、参照波長λrは目的成
分によって吸収を受けない波長である。2波長での試料
透過光強度を演算することで、試料Sの微小領域に含有
されている目的成分濃度を求めることができる。このよ
うに、試料S上でのレーザ光照射位置を2次元走査する
ことで、試料S上での目的成分の2次元分布をモニター
67上に表示することができる。
【0062】図13は、本発明による試料の2次元計測
の他の例を説明する図である。この例は、ETTレーザ
からの単色光を顕微鏡に導入し、細胞標本等の透過光あ
るいは発光の2次元分布を2次元検出器を用いて計測す
るものである。
【0063】ETTレーザ70からの単色レーザ光71
は、レンズ系72a,72bによってビーム径を拡大さ
れ、反射ミラー73で反射された後、ビームをX軸方向
に振るガルバノミラー74X、Y軸方向に振るガルバノ
ミラー74Yによってビーム軸を調整された後、反射ミ
ラー75で反射されて顕微鏡80に導入される。
【0064】顕微鏡80に導入された単色レーザ光はダ
イクロイックミラー81によって反射され、対物レンズ
82を通して試料Sに照射される。試料Sを透過したレ
ーザ光はコンデンサレンズ83によって収束され、反射
ミラー84で反射された後、結像レンズ85によって光
電子増倍管等の検出器86に導かれる。また、試料Sか
ら発生された発光、例えば蛍光は、ダイクロイックミラ
ー81及び励起光カットフィルター87を透過した後、
結像レンズ88によって光電子増倍管等の検出器89に
入射される。
【0065】検出器86又は89の出力信号は画像処理
装置91に入力され、ガルバノミラー74X,74Yの
走査による位置情報と検出器86又は89の出力情報と
あわせて2次元画像化される。画像処理装置91からの
画像信号は、VTR92に記憶され、また、モニター9
3に表示される。モニター93に表示された試料画像
は、プリンター94に出力することもできる。また、光
電子増倍管の代わりにレーザビームを高速に掃引してC
CDカメラのような2次元検出器を使用すると、直接2
次元画像として取り込むこともできる。
【0066】ETTレーザ70は所望の波長の単色レー
ザ光を得ることができ、波長の切替も高速で行うことが
できるので、微小な吸収、発光量の変化を測定する差分
や微分スペクトルの検出に効力を発揮する。
【0067】本発明のレーザ測定は、測定対象が限定さ
れることのない一般的な吸収、発光測定法である。本レ
ーザの発振波長に特有な測定対象の例としては血液中の
ヘモグロビンやシリコン等がある。前者では740nm
付近のスペクトル分析から酸素の結合量の解析が可能で
ある。後者では、700〜1100nmの吸収が大きく
変わることを利用して、シリコンウエハ中の欠陥の位置
と深さを測定することができる。
【0068】
【発明の効果】本発明によると、新たに開発されたET
Tレーザを用いることによって、分光光度計を用いるこ
となく試料の分光測定を行うことが可能となった。その
ため、試料の形状や試料の状態に制限されることなく分
光測定を行うことができ、分光測定の適用範囲を大幅に
拡充することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】複屈折性音響光学素子による波長選択作用を説
明する概念図。
【図2】複屈折性音響光学素子中を伝播する常光線のk
ベクトルと、異常光線のkベクトルを表示した図。
【図3】ETTレーザの一例の説明図。
【図4】ETTレーザの他の例の説明図。
【図5】ETTレーザの波長と出力の関係を示す図。
【図6】複屈折性音響光学素子に入力される音響波入力
パワーと出射レーザ光の出力の関係を示す図。
【図7】ETTレーザの他の例の説明図。
【図8】ETTレーザをパルスレーザで励起したとき
の、励起レーザ光のエネルギーと出射レーザ光のエネル
ギーの入出力特性を示す図。
【図9】図7に示したETTレーザの波長可変特性を示
す図。
【図10】本発明による分光測定の一例を説明する概略
図。
【図11】ETTレーザ、試料、光検出器間を光ファイ
バーで結ぶことにより遠隔測定を可能にした分光測定例
の説明図。
【図12】試料中の特定成分の2次元分布測定を説明す
る図。
【図13】試料の2次元計測の他の例を説明する図。
【図14】従来の分光光度計の略図。
【符号の説明】
14…レーザ媒質、20…RF電源、22…圧電素子、
24…励起レーザ光、26…パーソナル・コンピュー
タ、28…プリズム、30…テレスコープ、32…励起
レーザ、40…ETTレーザ、41…単色レーザ光、4
2…ハーフミラー、43,44…光検出器、45…演算
部、46…表示装置、50…ETTレーザ、51a〜5
1d…光結合器、52a〜52c…光ファイバー、54
…光検出器、55…信号処理装置、56…表示装置、5
7…制御部、58…光検出器、59…フィルター、60
…ETTレーザ、61…試料台、64…光検出器、65
…信号処理装置、66…制御部、67…モニター、68
…単色レーザ光、70…ETTレーザ、74X,74Y
…ガルバノミラー、80…顕微鏡、81…ダイクロイッ
クミラー、82…対物レンズ、83…コンデンサレン
ズ、86,89…2次元検出器、91…画像処理装置、
92…VTR、93…モニター、94…プリンター、1
00…複屈折性音響光学素子、102…入射光、104
…音響波、106…回折光、110…全反射ミラー、1
12…出射側ミラー、200…光源部、210…モノク
ロメータ、211…単色光、221,224…セクター
ミラー、222,223…反射ミラー、230…検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤川 和幸 宮城県仙台市青葉区長町字越路19−1399 理化学研究所 フォトダイナミクス研究セ ンター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長可変レーザからの単色レーザ光を試
    料に照射して試料の分光測定を行う分光測定方法におい
    て、 前記波長可変レーザとして、レーザ共振器内に所定の波
    長領域でレーザ発振可能なレーザ媒質と複屈折性音響光
    学素子とを配置し、前記複屈折性音響光学素子により回
    折される光線成分の所定の光軸上にレーザ共振器を構成
    し、前記複屈折性音響光学素子中に励起する音響波の周
    波数を選択することにより波長選択を行う波長可変レー
    ザを用いることを特徴とする分光測定方法。
  2. 【請求項2】 前記複屈折性音響光学素子による回折光
    の前記所定の光軸からの偏向を分散光学素子を用いて矯
    正することを特徴とする請求項1記載の分光測定方法。
  3. 【請求項3】 前記レーザ光を光ファイバーを介して試
    料に照射することを特徴とする請求項1又は2記載の分
    光測定方法。
  4. 【請求項4】 前記レーザ光を試料に対して走査し、試
    料の2次元領域における分光測定を行うことを特徴とす
    る請求項1、2又は3記載の分光測定方法。
  5. 【請求項5】 レーザ共振器内に所定の波長領域でレー
    ザ発振可能なレーザ媒質と複屈折性音響光学素子とを配
    置し、前記複屈折性音響光学素子により回折される光線
    成分の所定の光軸上にレーザ共振器を構成し、前記複屈
    折性音響光学素子中に励起する音響波の周波数を制御す
    ることにより波長選択を行う波長可変レーザと、前記波
    長可変レーザから出射される単色レーザ光を試料に照射
    する照射手段と、前記試料と相互作用した後の単色レー
    ザ光を検出する光検出器とを含むことを特徴とする分光
    測定装置。
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