JP2013517490A5 - - Google Patents

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すべての化学結合は、それらに固有の振動数を有する。光と物質の相互作用を使用することによって、これらの分子振動に関する情報の取得を目指す方法は、振動感受性の光学技術と呼ばれる。これらの技術のうち最もよく知られているのは、赤外(IR)分光法である。赤外分光法は、サンプル中に存在する化学結合に特異的な吸収線を観察する。1928年に発見されたラマン散乱(この効果を発見した物理学者であるチャンドラシェーカル・ヴェンカタ・ラーマンの名前に由来する)は、使用される可視光線を、光線と相互作用する分子の振動スペクトルに接近させることを可能にする。ラマン散乱では、分子に入射する角振動数ωのポンプ波が、ストークス波と呼ばれる角振動数ωの波(図1(A))およびアンチストークス波と呼ばれる角振動数ωASの波(図1(B))の中へと非弾性的に散乱される。生成された波とポンプ波との間の振動数の差は、ω−ω=ωas−ω=Ωとなるように(角振動数Ωの)分子ラマン遷移に依存する。この過程を光子的に見ると、ストークス波およびアンチストークス波は、それぞれ基底振動準位および励起振動準位からの吸収に相当する。励起振動準位(B)からアンチストークス波を生成する過程は、ストークス波を生成する過程よりもずっと起こりにくい。ストークス波を生成する過程は、自発的ラマン分光法において実際に観察される唯一の過程である。ストークス波のスペクトル分布の詳細な研究によって、サンプル中に存在する化学結合の密度に関する情報が生み出される。この非弾性散乱の自発的過程は、蛍光発光に比べて非常に非効率である(10−16cm/分子に達するフルオロフォア1光子の吸収断面積に対して、ラマン断面積は10−30cm/分子のオーダーである)。
CARS(コヒーレントアンチストークスラマン散乱)ラマン分光法は、4つの波を混合する過程であって、サンプル中に存在する振動性結合を検出することができる。この過程は、たとえばR.W.Boydの非線形光学(Academic Press、ボストン、1992年)に記載されている。本方法は、角振動数ωおよびω(または振動数νおよびν)の2つのレーザパルスを送出することを含む。この方法の角振動数差は、解析中の振動準位における角振動数Ωに等しい。ω−ω=Ωというこの共鳴の形態において、角振動数Ωの振動準位は活性化された状態で存在しており、角振動数ωのビームを角振動数ωas=2ω−ωのビームへと非弾性的に散乱させることが可能であろう(図2(A))。この新たな放射ωasが存在することは、サンプル中に角振動数Ωにて振動する結合が存在する痕跡(signature)である。CARSの第1の実装は、スペクトル的にピコ秒という狭さの2つのパルスをサンプルに向けることを含む。これらのパルスの角振動数差によって、たった1つの特異的な振動性結合を検出することができるだけである。同定を最適にするためには、サンプル中に存在するすべての振動性結合がテストされる。これは「多重CARS」(たとえばM.MullerおよびJ.Schinsの「多重CARS分光法を用いた脂質膜の熱力学的状態の画像化」(Physical Chemistry B106巻、3715〜3723頁(2002年)を参照)と呼ばれるモードの操作により行われる。ここではスペクトル的に狭いパルスωとスペクトル的に広いパルスωとがサンプルに向けられる(図2(B))。したがって、サンプル中に存在するすべての振動準位Ωを検出することができ、生じた信号ωasのスペクトルを得ることができる。技術的な観点から、狭スペクトルはたとえばピコ秒のレーザから生じ、広域スペクトルはたとえばフェムト秒のレーザ、または超連続体(SC)を生み出すフォトニック結晶ファイバーから生じる。
D.Gachetらによる「ノイズのないコヒーレントアンチストークスラマン分光法に対する焦点場(Focused field)の対称性」(Physical Review A77巻(2008年))という論文には、原法が示されている。この方法は、非共鳴寄与を除去することを可能にする。図4〜6は本方法を説明する。本方法の特徴は、共鳴媒質(medium)(図4(A)(B)の参照数字41)と非共鳴媒質(図4(A)(B)の参照数字42)との間の横断界面43に関して、物体とその鏡像との間の差動的な(differential)CARS画像を生成することにある。三次非線形感受率は、共鳴媒質41において共鳴項χ(3) 1Rおよび非共鳴項χ(3) 1NRによって規定される。非共鳴媒質42では、三次非線形感受率は非共鳴項χ(3) 2NRによって規定される。図4(A)(B)は、共鳴媒質と非共鳴媒質との横断界面43に位置する能動(active)CARS体(volume)45(それぞれ振動数ωとωのポンプビームとストークスビームの焦点)を示す。2つの状況が想定される。つまり、ポンプビームとストークスビームが非共鳴媒質側にて入射するケースαと、ポンプビームとストークスビームが共鳴媒質側にて入射するケースβである。この論文で実証されているのは、ケースαとケースβで得られたCARS信号間の差が共鳴媒質の共鳴寄与のみを含むということである。図5は、図4(A)(B)に示すように横断界面に焦点が合わせられたポンプビームとストークスビームのベクトル特性を考慮に入れた数値計算の結果を示す。この解析の特徴は、問題α(Iα(Fwd))およびβ(Iβ(Fwd))にて放射されたCARS信号の差ΔIFwdを、標準化ラマン偏移ζ=(ω−ω−Ω)/Γ(式中、Γは研究された振動線の分光幅である)の関数として研究する点にある。差ΔIFwdはχ(3) 1Rの虚数部に厳密に従うことが実証されている。χ(3) 1Rは中央値1のラマンスペクトルであることが知られている。本方法の実験実装が図6(B)に示されている。実験結果が図6(A)に示されている。図6(B)は、2つのスライドガラス62,63の間におけるDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)の層61から構成されたサンプルを表す。ケースαは、ポンプビームとストークスビームとがガラス−DMF界面(62と61の間の界面)に焦点を合わせられた場合に相当する。一方、ケースβは、励起ビームがDMF−ガラス界面(61と63の間の界面)で焦点を合わせられた場合に相当する。図6(A)では、それぞれラマン偏移の関数として、曲線C1は(励起ビームが共鳴媒質中に焦点を合わせられた場合に)DMF単独のCAR強度を示す。曲線C2は強度Iα(Fwd)を示す。曲線C3は強度Iβ(Fwd)を示す。曲線C4は差(differential)ΔIFwdを示す。曲線C5はラマンスペクトルを示す。理論的に実証されるように、本方法は曲線C1で表されるCARS散乱信号のノイズとなる非共鳴成分を除去することを可能にするようである。
第1の態様によると、本願発明は、界面を形成する共鳴媒質および非共鳴媒質を含むタイプのサンプル中に誘導された、共鳴非線形光信号を検出するための装置に関する。本装置は、所定タイプのサンプルの共鳴媒質を励起するための第1の所定の角振動数ωpにおけるポンプビームと呼ばれる少なくとも1つの第1の励起光ビームの放射源と、前記入射ポンプビームとサンプルの共鳴媒質−非共鳴媒質間の軸方向界面との相互作用から生じた非線形光信号を検出するための第1の光モジュールと、前記入射ポンプビームと実質的に同じ位置にて、前記反射ポンプビームが前記横断界面を横断するように配置された前記ポンプビームの反射手段と、前記反射ポンプビームとサンプルとの相互作用から生じた非線形光信号を検出するための第2の光モジュールと、共鳴媒質の振動共鳴もしくは電子共鳴の指標である検出信号の差の計算を含む、前記第1および第2の検出モジュールによって検出された光信号処理モジュールと、を含む。
別の変形態様によると、本願発明の装置は、入射励起ビームの焦点を共通の焦点体(focal volume)中に合せることにより、共鳴媒質と非共鳴媒質との間の前記界面を横断することを可能にするための焦点レンズと、入射ビームに焦点を合せる焦点レンズと同一のレンズであって、入射励起ビームとサンプルとの相互作用から生じた非線形信号を集めるための集光レンズと、を含む。前記集光レンズは、反射励起ビームの焦点を合せるためのレンズを形成する。入射ビームの焦点を合わせるための焦点レンズは、反射励起ビームとサンプルとの相互作用から生じた非線形信号を集めるためのレンズを形成する。
第2の態様によると、本願発明は、サンプル中に誘導された共鳴非線形光信号を検出するための方法に関する。サンプルは、界面を形成する共鳴媒質と非共鳴媒質とを含む。本方法は、ポンプビームと呼ばれる共鳴媒質を励起させるための少なくとも1つの第1の光線を、第1の所定の角振動数ωpにて放射するステップと、1つ以上の前記ビームとサンプルとの相互作用から生じた第1の非線形光信号を検出するステップと、1つ以上の前記励起ビームを反射することにより、反射した1つ以上の前記励起ビームが1つ以上の入射励起ビームと実質的に同じ位置にて前記横断界面を横断するステップと、1つ以上の前記反射励起ビームとサンプルとの相互作用から生じた第2の非線形光信号を検出するステップと、共鳴媒質の振動共鳴または電子共鳴の指標である検出信号間の差を計算することを含む、検出された第1の光信号および第2の光信号を処理するステップと、を含む。前記ポンプビームは、光軸に沿ってサンプルへ入射されることにより、共鳴媒質と非共鳴媒質との間の横断界面の所定位置にてサンプルを横断する。
別の態様によると、1以上の励起ビームが、角度スキャンを受けることにより、共鳴媒質と非共鳴媒質との間の界面の様々な位置にてサンプルを横断する。
(説明済)図1(A)と図1(B)は、ラマン散乱過程におけるストークス放射およびアンチストークス放射の原理を示す。 (説明済)図2(A)と図2(B)は、2つの異なるモードにおけるCARS放射の原理を示す。 (説明済)図3(A)と図3(B)は、共鳴および非共鳴CARS過程の図である。 (説明済)図4(A)と図4(B)は、従来技術に従った方法を実装するためのケースαおよびβの図である。 (説明済)従来技術に従った方法によって得られた数値シミュレーションの結果である。 (説明済)図6(A)と図6(B)は、従来技術に従った方法によって対称なサンプルを用いて得られた実験結果である。 図7(A)と図7(B)は、本願発明に従った方法を実装するためのケースαおよびβの図である。 図8(A)と図8(B)は、本願発明に従った方法を実装するための実験設定の例である。 図8(B)に示すタイプのサンプルを用いて得られた実験結果である。 図10(A)〜図10(D)は、本願発明に従った方法によって、屈折率n=1.33の水溶液中に浸された直径3μmのポリスチレンビーズを用いた数値シミュレーションによって得られた画像である。 本願発明のある変形態様に従った方法を実装するための実験設定の例である。 図12(A)と図12(B)は、図11の例における方法を実装するためのケースαおよびケースβの図である。 共鳴媒質と非共鳴媒質との間の軸方向界面において、CARS散乱を実装するための幾何学的条件を示す略図である。 図14(A)〜図14(E)は、励起ビームの焦点の相対位置の関数として、共鳴媒質と非共鳴媒質との間の軸方向界面とともにCARS散乱信号のずれを示す図である。 図15(A)〜図15(C)は、数値シミュレーションにより得られた曲線である。図15(A)は、パラメータζ=(ω−ω−Ω)/Γ(標準化ラマン偏移)の関数としてCARS散乱信号における偏移を説明する。図15(B)は、パラメータζの関数として、空間(k>0)および空間(k<0)にてそれぞれ計算された光強度および光強度差を表す。図15(C)は、軸方向界面に対する励起ビームの焦点のX座標上の位置の関数として、空間(k>0)および空間(k<0)にてそれぞれ計算された光強度および光強度差を表す。 本願発明に従ったCARS検出を実装するための3つの可能なモダリティを説明する図である。
(詳細な説明)
図7(A)および図7(B)は、2つの図を用いてCARS散乱のケースにおける本願発明に従った検出方法の原理を説明する。本方法によると、同一直線上(collinear)にある角振動数ωpのポンプビームおよび角振動数ωsのストークビームが横断界面70、つまり、入射ビームの軸(光軸)と垂直な平面に沿って非ゼロ成分を有する非共鳴媒質と共鳴媒質との間の界面を横断する。一般に、これら2つのビームの焦点が合わせられる。71は、横断界面70を横断する共通の焦点体を示す。本願発明によると、励起ビームが第1の方向に界面を横断し(ケースαと呼ぶ)、次に、同じ界面を実質的に同じ位置ではあるが反対方向に横断するように、サンプルに向かって反射する(ケースβ)。図7に示す例では、励起ビームが最初に非共鳴媒質/共鳴媒質の方向(図7(A):ケースα)、次に共鳴媒質/非共鳴媒質の方向(図7(B):ケースβ)へと界面を横切る。αおよびβの2つのケースでは、CARS散乱信号強度Iα(Fwd)およびIβ(Fwd)がそれぞれ測定され、これらの差ΔIFwdが計算される。校正後、信号が得られる。出願人が実証した信号は、共鳴媒質の三次非線形感受率の虚数部Im[χ(3)1R]に比例する。本願発明によると、ケースαとβでサンプルを励起するためにポンプビームとストークスビームの単一パルスが使用される。これにより、図4〜6に示した従来技術の方法と比較して、SN比を増大させることが可能となる。
レーザシステム801は、たとえばいわゆる2色用途において、2つのスペクトル的に狭く調節可能なレーザ光源808を含む。レーザ光源808は、たとえば690〜1000nmの波長にて放射され、ポンプレーザ809によって送出されるチタン:サファイア型、または532nmにて放射されるネオジム:YVO4型である。調節可能なレーザは、たとえば通常3ピコ秒のオーダーのピコ秒のパルスを放射することにより、角振動数ω(通常は波長730nm)のポンプ励起ビームおよび角振動数ωのストークス励起ビームを形成する。パルスピッカー(picker)810が使用されることにより、ピークパルス力を減らすことなく、ポンプ励起レーザおよびプローブ励起レーザのパルス反復振動数を減少させてもよい。調節可能なストークスビームまたはポンプビームを用いることにより、特にアンチストークス放射スペクトルを、共鳴媒質のラマンスペクトルを決定することを目的とした分光法における用途に対して、スキャンすることができる。たとえば光学パラメータ式発振器(OPO)、光学的パラメトリック増幅器(OPA)、ピコ秒ネオジム:ガラス発振器、イッテルビウムまたはエルビウム添加光ファイバーなどの他の調整可能なレーザ光源が使用されてもよい。また光源は、観察されるラマン線の分光幅に応じて、ナノ秒またはフェムト秒のレーザ光源であってもよい。しかし、ナノ秒パルスはスペクトル的には非常に良いが、ピコ秒パルスよりも低い最大出力しか有さない。さらに、ナノ秒パルスに関連した熱的効果は、生物学的サンプルによりダメージを与えうる。未加工のフェムト秒パルスは一般に、スペクトルが広すぎる。凝縮相(固体または液体)では線幅が約10〜20cm−1である。これはピコ秒パルスの使用に対応する。
図8(B)に見られるように、本願発明による装置は、同じポンプパルスおよびストロークパルスが、それぞれおケースαおよびβの場合に横断界面の同じ位置にてサンプルを横断することを可能にする。本方法はしたがって、単に対称または可逆的なサンプルではなく、共鳴媒質と非共鳴媒質との間に界面を呈する任意のタイプのサンプルに対して使用することができる。
ある例によると、装置800はまた、サンプルのXY平面中に励起ビームスキャン装置を含む(図示せず)。このスキャン装置は、サンプルを形成する共鳴媒質および非共鳴媒質の横断界面に対して励起ビームの焦点を調節するために、分光法用途において、つまり画像化用途においても有用であってもよい。このスキャン装置は、サンプルの置換を可能とする装置、または好ましくは励起ビームスキャン装置として機能してもよい。励起ビームを逆平行方向に反射できるように、球状励起ビーム−反射鏡813を使用できることが有利である。これにより、反射励起ビーム(ケースβ)が入射ビーム(ケースα)と同じ位置にてサンプルを横断することができる。
図13は、たとえば解析される媒質を含む媒質、つまり生物学的に興味のある媒質である共鳴媒質131、および通常は溶媒を含む媒質である非共鳴媒質132を含むサンプルを示す。三次非線形感受率は、共鳴媒質131では共鳴項χ(3)1Rおよび非共鳴項χ(3)1NRによって定義される。非共鳴媒質132では、三次非線形感受率は非共鳴項χ(3)2NRによって定義される。本願発明による方法のこの態様によると、同一直線上にある角振動数ωpのポンプ励起ビームと角振動数ωsのプローブ励起ビームは、焦点体135にてサンプルに入射し、サンプルの軸方向界面133を横断する。本方法のこの態様によると、以下において詳細に説明するように、波動ベクトルkの空間、つまりCARSプロセスにより放射された信号の放射方向の空間における、界面の両側に対する非線型光ビームの光強度が解析される。この強度は、それぞれ界面の両側にて、IFwd(ベクトルk)およびIFwd(ベクトルk´)として図13に示されている。「Fwd」との省略形は、後ろ方向に散乱された「Epi」と呼ばれる信号の対語として、前方CARS散乱信号を表す。

Claims (16)

  1. 界面を形成する共鳴媒質(61)および非共鳴媒質(62および/または63)を含むタイプのサンプル(805)中に誘導された共鳴非線形光信号を検出するための装置であって、
    第1の所定の角振動数ωにて所定タイプのサンプルの共鳴媒質を励起するための、ポンプビームと呼ばれる少なくとも1つの第1の励起ビームの放射源(801)と、
    前記ポンプビームが光軸に沿ってサンプルに入射することによって、共鳴媒質と、光軸に垂直な平面に沿って非ゼロ成分を有するサンプルの非共鳴媒質とのに形成された界面である横断界面の所定位置にてサンプルを横断した場合に、前記ポンプビームとサンプルとの相互作用から生じた非線形光信号を検出するための第1の光検出モジュール(803)と、
    したポンプビームと実質的に同じ位置にて、反したポンプビームが前記横断界面を横断するように配置された、反射したポンプビームを形成するための前記ポンプビームの反射手段(813)と、
    前記反射したポンプビームとサンプルとの相互作用から生じた非線形光信号を検出するための第2の光検出モジュール(806)と、
    共鳴媒質の振動共鳴もしくは電子共鳴の指標である検出された非線形光信号の差の計算を含み、前記第1および第2の光検出モジュールによって検出された非線形光信号を処理するための処理モジュール(830)と、を含む装置。
  2. 放射源(801)は、第1の角振動数ωとは異なる少なくとも第2の角振動数ω にて、共鳴媒質を励起するための少なくとも1つの第2の励起ビームの放射を可能とし、
    励起ビームのすべては、同一線上にあって、共通の焦点体中の前記位置にて前記横断界面を横断するように配置されており、
    反射手段は、前記横断界面上の同じ位置にてすべての励起ビームを前記横断界面に反射するように配置され、
    第1および第2の光検出モジュールによって検出された非線形光信号の差は、第1および第2の角振動数の線形結合に等しい角振動数における共鳴媒質の振動共鳴または電子共鳴の指標である請求項1に記載の装置。
  3. 放射源(801)は、角振動数ωのポンプビームおよび角振動数ω のストークスビームの放射を可能とし、
    前記ポンプビームとストークスビームとの相互作用から生じた非線形光信号は、角振動数ωas=2ω−ωのCARS散乱信号と呼ばれる信号であって、
    第1および第2の光検出モジュールにより検出された非線形光信号の差は、共鳴媒質のラマン共鳴の指標である請求項2に記載の装置。
  4. 反射手段は、1以上の励起ビームを反射でき、前記非線形光信号を透過可能な反射鏡(813)により形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 反射鏡(813)が球状である請求項4に記載の装置。
  6. 1以上の入射した前記励起ビームの焦点を共通の焦点体(71)中にて合せることにより、共鳴媒質と非共鳴媒質との間の前記界面を横断することを可能にするための焦点レンズ(807)と、
    した励起ビームとサンプルとの相互作用から生じた非線形信号を集めるための集光レンズ(811)と、をさらに含み、
    前記集光レンズ(811)は、反射した励起ビームの焦点を合せるための焦点レンズを形成し、
    入射した前記励起ビームの焦点を合せるための前記焦点レンズ(807)は、反射した励起ビームとサンプルとの相互作用から生じた非線形信号を集めるための集光レンズを形成する請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
  7. 放射源(801)により放射された1以上の励起ビームをサンプルに向けることを可能とし、1以上の反射した励起ビームとサンプルとの相互作用から生じた非線形光信号を通過させることを可能とする2色性ビームスプリッタ(804)をさらに含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
  8. 前記第1および第2の光検出モジュールのそれぞれは、画像記録装置を含み、
    非線形光信号は、光軸に対してそれぞれ対称な方向にて光検出モジュールのそれぞれに集められ、検出された少なくとも1組の非線形光信号のペアに対して差がもたらされる請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
  9. 1以上の励起ビームの角度スキャンをもたらす装置をさらに含むことによって、共鳴媒質と非共鳴媒質との間の界面の異なる位置にて、1以上の励起ビームがサンプルを横断することを可能とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
  10. 放射源が少なくとも1つの可変波長励起ビームを放射することにより、共鳴媒質の振動共鳴または電子共鳴のスペクトルを得ることを可能とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
  11. サンプル(805)中に誘導された共鳴非線形光信号を検出するための方法であって、
    サンプル(805)は、界面を形成する共鳴媒質(61)と非共鳴媒質(62および/または63)とを含み、
    本方法は、
    ポンプビームと呼ばれる共鳴媒質の少なくとも1つの第1の励起ビームを、第1の所定の角振動数ωにて放射するステップと、
    1つ以上の前記第1の励起ビームとサンプルとの相互作用から生じた第1の非線形光信号を検出するステップと、
    1つ以上の前記励起ビームを反射することにより、反射した1つ以上の前記励起ビームが1つ以上の入射した励起ビームと実質的に同じ位置にて共鳴媒質と、光軸に垂直な平面に沿って非ゼロ成分を有するサンプルの非共鳴媒質とのに形成された界面である横断界面を横断するステップと、
    1つ以上の反射した前記励起ビームとサンプルとの相互作用から生じた第2の非線形光信号を検出するステップと、
    共鳴媒質の振動共鳴または電子共鳴の指標である検出された非線型光信号間の差を計算することを含む、検出された第1の非線形光信号および第2の非線形光信号を処理するステップと、を含み、
    前記ポンプビームは、光軸に沿ってサンプルへ入射することによって、前記横断界面の所定位置にてサンプルを横断する方法。
  12. 第1の角振動数ωとは異なる少なくとも第2の角振動数ω にて共鳴媒質を励起するための少なくとも1つの第2の励起ビームを放射するステップを含み、
    検出された第1の非線形光信号と第2の非線形光信号との差は、第1の振動数および第2の振動数の線形結合に等しい角振動数における共鳴媒質の振動共鳴または電子共鳴の指標であって、
    励起ビームはすべて同一線上にあって、共通の焦点体中の前記位置にて前記横断界面を横断する請求項11に記載の方法。
  13. 角振動数ω のポンプビームおよび角振動数ω のストークスビームを放射するステップを含み、
    前記ポンプビームとストークスビームとの相互作用から生じた非線形光信号は角振動数ωas=2ω−ωのCARS散乱信号と呼ばれる信号であって、
    検出された第1の非線形光信号と第2の非線形光信号との差は、共鳴媒質のラマン共鳴の指標である請求項12に記載の方法。
  14. 前記第1および第2の非線形光信号は、入射した励起ビームの光軸に関して対称な方向にそれぞれ検出され、検出された少なくとも1組の非線形光信号のペアに対して差がもたらされる請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 1以上の励起ビームが、角度スキャンを受けることにより、共鳴媒質と非共鳴媒質との間の界面の複数の位置にてサンプルを横断する請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 少なくとも1つの励起ビームが可変の放射波長を有することにより、共鳴媒質の振動共鳴または電子共鳴のスペクトルを得ることが可能となる請求項11〜15のいずれか1項に記載の方法。
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