JPH10148221A - 摩擦係合装置および摩擦係合装置のピストンの係合方法 - Google Patents

摩擦係合装置および摩擦係合装置のピストンの係合方法

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JPH10148221A
JPH10148221A JP8306014A JP30601496A JPH10148221A JP H10148221 A JPH10148221 A JP H10148221A JP 8306014 A JP8306014 A JP 8306014A JP 30601496 A JP30601496 A JP 30601496A JP H10148221 A JPH10148221 A JP H10148221A
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piston
transmission
engagement
engagement element
sliding
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JP8306014A
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English (en)
Inventor
Kiyohito Murata
清仁 村田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D25/00Fluid-actuated clutches
    • F16D25/06Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch
    • F16D25/062Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch the clutch having friction surfaces
    • F16D25/063Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch the clutch having friction surfaces with clutch members exclusively moving axially
    • F16D25/0635Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch the clutch having friction surfaces with clutch members exclusively moving axially with flat friction surfaces, e.g. discs
    • F16D25/0638Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch the clutch having friction surfaces with clutch members exclusively moving axially with flat friction surfaces, e.g. discs with more than two discs, e.g. multiple lamellae

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 摩擦係合装置において、ピストンから滑動係
合子への伝動の応答時間を短縮する技術を提供すること
である。 【構成】 原動体(例えば原動駆動軸10)に連動するピス
トン(40)と、そのピストン(40)と摩擦係合して連動する
ことによって従動体((例えば従動駆動軸20)へ伝動する
滑動係合子(30)とを備えて形成される摩擦係合装置にお
けるピストン(40)の構造である。そのピストン(40)は、
係合命令信号を受けたら滑動係合子(30)に対して最も早
く伝動を行う第一ピストン(41)と、その第一ピストン(4
1)の伝動のための動きに続いて滑動係合子(30)に対する
伝動を行う第二ピストン(45)とを備えて形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、摩擦係合装置に
関するものである。更に詳しくは、摩擦係合装置全般に
用いられるピストンの構造に関するものであり、例えば
自動車のクラッチ、ブレーキなどを構成する摩擦係合装
置に用いられる技術である。
【0002】
【先行技術】従来の摩擦係合装置の代表例として、自動
車のクラッチを、図9を参照させながら説明する。図9
に示すクラッチは、エンジンの回転によって回転する原
動駆動軸10と、その原動駆動軸10の回転を伝えられ
るべき従動駆動軸20との間に配置され、原動駆動軸1
0の回転を断続的に伝動するための装置であり、従動駆
動軸20に摩擦係合して連動可能な滑動係合子30と、
その滑動係合子30に対して摩擦係合力を与えるための
ピストン40と、それら滑動係合子30およびピストン
40をカバーするケーシング15とを備えて形成され、
ケーシング15と従動駆動軸20との間にはベアリング
19を介在させている。
【0003】従動駆動軸20の原動駆動軸10側にはフ
ランジ部20Aを設け、そのフランジ部20Aには、ド
ーナツ板状の3枚の伝動ディスク21を、軸方向へ移動
可能、回転方向には移動不能であるように保持してい
る。そして、それぞれの伝動ディスク21の両面には、
摩擦材22を貼り付けている。滑動係合子30は、ケー
シング15に固定されたセパレートプレート32とその
セパレートプレート32との間に、伝動ディスク21の
摩擦材22を挟むように位置させてピストン40からの
係合力を伝えるための当接板31とを備えて形成されて
いる。
【0004】ピストン40は、原動駆動軸10の原動軸
が中心となる略円盤状に形成されており、外周部分に滑
動係合子30方向へ突出させた縁部を設けている。その
縁部の当接板31側を衝突面41Aとする。ケーシング
15の内部には、潤滑油室18が形成され、滑動係合子
30およびピストン40は、潤滑油に浸かっている。そ
の潤滑油室18はピストン40、最外オイルシール42
および内オイルシール43によって分割されており、ピ
ストン40に対して滑動係合子30とは反対側には油圧
室12が形成されている。この油圧室12は、油路形成
部材70の中心に設けられたオイル流路11と連通して
おり、オイル流路11および油圧室12には、クラッチ
をつなぐ旨の係合命令信号を受けた場合に圧を上昇させ
る作動油を充填させている。
【0005】原動駆動軸10の回転の従動駆動軸20へ
の伝動を断続させるために必要な掛け外し機構60は、
原動駆動軸10の従動駆動軸20側において放射状に設
けたスプリング受け62と、そのスプリング受け62と
ピストン40との間に位置させたリターンスプリング6
1とを備えて形成している。このように形成されたクラ
ッチは、以下のように作動する。
【0006】クラッチをつなぐ旨の係合命令信号を受け
てオイル流路11および油圧室12の圧が上昇すると、
リターンスプリング61の弾発力に抗してピストン40
が滑動係合子30へ向かって移動し、衝突面41Aと当
接板31とが接触する。そして、ピストン40によって
押圧された当接板31およびセパレートプレート32に
挟まれた摩擦材22との間に摩擦力が生じる。そしてそ
の摩擦力が、摩擦材22を介して伝動ディスク21に伝
えられ、原動駆動軸10の回転力を従動駆動軸20へ伝
動する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、油圧が上昇
しても、ピストン40がリターンスプリング61の弾発
力に抗して移動して当接板31に達するまでの時間は伝
動が行われないので、エンジンが吹き上がるなどの不具
合が発生するおそれがある。すなわち、ピストン40か
ら滑動係合子30への伝動の応答時間の短縮化を図りた
いという課題が存在している。
【0008】本発明が解決すべき課題は、ピストンから
滑動係合子への伝動の応答時間を短縮する技術を提供す
ることにある。ここで、請求項1記載の発明の目的は、
摩擦係合装置において、伝動が滑らかに、且つ初期伝動
が行われるまでの時間を短くすることができるピストン
の構造を提供することである。
【0009】また、請求項2記載の発明の目的は、更
に、同じ質量のピストンと比べて、原動体から伝動する
慣性力を大きくとれるピストンの構造を提供することで
ある。また、請求項3記載の発明の目的は、更に、摩擦
係合装置内の部材の配置を合理的に行えるピストンの構
造を提供することである。また、請求項4および請求項
5記載の発明の目的は、伝動が更に円滑に行えるピスト
ンの構造を提供することである。
【0010】また、請求項6および請求項7記載の発明
の目的は、更に、油圧によって伝動の制御が行えるピス
トンの構造を提供することである。請求項8記載の発明
の目的は、摩擦係合装置において、伝動が滑らかに、且
つ初期伝動が行われるまでの時間を短くすることができ
る係合方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するためのものである。 (請求項1)請求項1に記載した発明は、原動体(例え
ば原動駆動軸10)と、その原動体(10)に連動する従動体
(例えば従動駆動軸20)との間において、その従動体(20)
に摩擦係合して連動可能な滑動係合子(30)と、その滑動
係合子(30)に対して摩擦係合力を与えるためのピストン
(40)とを備えて形成される摩擦係合装置であって、その
ピストン(40)は、係合命令信号を受けたら滑動係合子(3
0)に対して最も早く摩擦係合力を与える第一ピストン(4
1)と、その第一ピストン(41)の摩擦係合力付与のための
動きに続いて滑動係合子(30)に対する摩擦係合力を与え
る第二ピストン(45)とを備えて形成したことを特徴とす
る。
【0012】ここで、「摩擦係合装置」とは、ピストン
および滑動係合子を介して原動体から従動体へ断続的に
伝動する摩擦係合装置すべてを含む。また、「原動体」
とは、運動しているものの他、静止しているものも含
む。したがって、ここにいう摩擦係合装置には、例え
ば、原動体が運動しているクラッチ、原動体が静止して
いるブレーキが含まれる。「原動体」が静止しているも
のの場合には、「連動するピストン(40)」は静止してお
り、「伝動」する対象は静止状態となる。
【0013】摩擦係合装置が自動車のクラッチの場合、
オートマチックトランスミッションにもマニュアルトラ
ンスミッションにも用いることができる。マニュアルト
ランスミッションに用いる場合には、例えば発進クラッ
チとして用いる。また、「係合命令信号」とは、後記す
る発明の実施の形態にて説明するような油圧を用いた機
構などの機械的な信号の他、電気的信号、光学的信号、
化学的信号でもよい。
【0014】また、「第二ピストン(45)」は、それ自身
が更に複数に分割されているものも含む。すなわち、ピ
ストン(40)が三つ以上に分割されたピストンによって伝
動を行うものであっても、本発明に含むことを意図して
いる。「第二ピストン(45)」における「第一ピストン(4
1)の摩擦係合力付与のための動きに続いて滑動係合子(3
0)に対する摩擦係合力を与える」ための構造としては、
後記する発明の実施の形態にて説明するような、第一ピ
ストン(41)と第二ピストン(45)とを油圧によって係合さ
せるようなものの他、電気的な制御によって第一ピスト
ン(41)よりも一定時間遅らせて第二ピストン(45)に滑動
係合子(30)に対する伝動を行わせるようなものも含む。
【0015】次に、請求項1記載の発明の作用を説明す
る。係合命令信号が出たら、それを受けた第一ピストン
(41)が滑動係合子(30)に対して、従動体(20)に摩擦係合
するための摩擦係合力を与える。続いて、第二ピストン
(45)が滑動係合子(30)に対する摩擦係合力を与える。与
えられる摩擦係合力は、ピストンが単一である従来技術
の場合と異なり段階的になるので、従動体(20)への係合
の開始が滑らかになる。また、初期伝動が行われるまで
の時間が短くなる。 (請求項2)請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明を技術的に限定したものであり、ピストン(40)の全体
形状を原動体(10)の原動軸が中心となる円盤状とし、そ
の円盤の外周部分には、円盤の厚さ方向へ突出させた縁
部(40A)を設け、その縁部(40A)を、円盤の外側部分と内
側部分とに分割し、分割した外側部分を第一ピストン(4
1)とし、内側部分を第二ピストン(45)としたことを特徴
とする。
【0016】請求項2記載の発明の作用を説明する。す
なわち、摩擦係合するために必要な力を得るために必要
なピストン(40)の質量を小さくすることができるので、
結果的にピストン(40)および摩擦係合装置全体の軽量化
を達成できる。また、第一ピストン(41)および第二ピス
トン(45)それぞれから見ても、質量効率の良い構成にて
第一ピストン(41)および第二ピストン(45)を提供してい
る。 (請求項3)請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明を技術的に限定したものであり、ピストン(40)の縁部
(40A)の内側部分における第二ピストン(45)には、原動
体(10)からの伝動を停止する旨の伝動停止信号を受けて
第二ピストン(45)の滑動係合子(30)への伝動を中止させ
るためのリターンスプリング(61)を固定するためのスプ
リング受け(48)を設けたことを特徴とする。
【0017】請求項3記載の発明の作用を説明する。請
求項3記載の発明によれば、第二ピストン(45)に縁部(4
0A)を設けているので、スプリング受け(48)を縁部(40A)
の内側部分の空間に設けることによって、摩擦係合装置
内の部材の配置を合理的に行えるようになる。第一ピス
トン(41)はリターンスプリング(61)の抗力を受けないの
で伝動が早く行われる。 (請求項4)請求項4記載の発明は、請求項1、請求項
2または請求項3記載の発明を技術的に限定したもので
あり、第一ピストン(41)および第二ピストン(45)は、第
二ピストン(45)から摩擦係合力を与える際に係合するよ
うに形成し、滑動係合子(30)に対して原動体(10)からの
伝動を行う伝動面(例えば衝突面41A)は、ピストン(40)
における第一ピストン(41)のみに設けたことを特徴とす
る。
【0018】第一ピストン(41)と第二ピストン(45)との
係合は、後記する発明の実施の形態では摩擦係合のもの
を紹介しているが、摩擦係合装置の種類によっては噛み
合い係合であってもよい。摩擦係合のものとすると、第
二ピストン(45)からの摩擦係合力の伝動が滑らかに開始
される。噛み合い係合のものとした場合には第二ピスト
ン(45)から伝動される係合力にロスが少ない。
【0019】請求項4記載の発明の作用を説明する。す
なわち、滑動係合子(30)に対しての係合力の伝動は、第
一ピストン(41)の伝動面(41A)のみから行われるように
形成しており、第二ピストン(45)からの伝動は、第一ピ
ストン(41)との係合部を介して伝動面(41A)から行われ
る。滑動係合子(30)に対する原動体(10)からの伝動が伝
動面(41A)のみから行われるので、例えば第一ピストン
(41)および第二ピストン(45)に伝動面が存在する場合に
比べて伝動のしくみが単純であり、円滑な伝動となる。 (請求項5)請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明を技術的に限定したものであり、第一ピストン(41)と
第二ピストン(45)との間には、無負荷状態での両者の距
離を一定に保ち、且つ第二ピストン(45)からの滑動係合
子(30)への伝動の際に第一ピストン(41)および第二ピス
トン(45)を係合させるためのピストンスプリング(50)を
備えたことを特徴とする。
【0020】請求項5記載の発明によれば、第二ピスト
ン(45)からの滑動係合子(30)への伝動は、ピストンスプ
リング(50)の弾発力に打ちかった第二ピストン(45)が、
第一ピストン(41)への係合を徐々に行うことによって行
われる。したがって、第二ピストン(45)からの伝動は滑
らかに開始される。 (請求項6)請求項6記載の発明は、請求項2、請求項
3、請求項4または請求項5記載の発明を技術的に限定
したものであり、第一ピストン(41)の質量は、第二ピス
トン(45)の質量よりも小さいものとし、ピストン(40)に
おける滑動係合子(30)と反対側には、ピストン(40)に伝
動を行わせるための油圧経路(例えば油圧室12)を形成す
るように第二ピストン(45)を形成したことを特徴とす
る。
【0021】請求項6記載の発明によれば、係合命令信
号が出されると油圧経路(12)の油圧が上昇し、油圧が第
二ピストン(45)を滑動係合子(30)へ向かって動かす。し
かし、第一ピストン(41)の質量が第二ピストン(45)の質
量よりも小さいので、第二ピストン(45)よりも速く第一
ピストン(41)が滑動係合子(30)へ向かって動いて滑動係
合子(30)へ伝動を開始する。そして、それに続いて第二
ピストン(45)が滑動係合子(30)への伝動を開始する。 (請求項7)請求項7記載の発明は、請求項6記載の発
明を技術的に限定したものであり、ピストン(40)は、油
圧経路(例えば油圧室12)と第一ピストン(41)とを連通さ
せるためのオイル流路(49)を設けたことを特徴とする。
【0022】請求項7記載の発明によれば、オイル流路
(49)が存在するので、第一ピストン(41)の滑動係合子(3
0)への伝動は、油圧上昇によって、第二ピストン(45)を
介することなく開始させることができる。 (請求項8)請求項8に記載した発明は、原動体(10)に
連動する従動体(例えば従動駆動軸20)との間において、
その従動体(20)に摩擦係合して連動可能な滑動係合子(3
0)と、その滑動係合子(30)に対して摩擦係合力を与える
ためのピストン(40)とを備えて形成され摩擦係合装置の
ピストンの係合方法であって、係合命令信号を受けた
ら、ピストンの慣性力の一部を滑動係合子(30)に対して
伝動する第一伝動過程と、ピストンの残りの慣性力を伝
動する第二伝動過程とを備えたことを特徴とする。
【0023】第二伝動過程は、更に複数の伝動過程に分
けられていてもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態及び図
面に基づいて、更に詳しく説明する。ここで使用する図
面は、図1乃至図8である。図1乃至図3は、本発明の
第一の実施の形態を示すための断面図であり、図1、図
2、図3によって主要部の動きを順に示している。図4
は、本発明の第一の実施の形態を示すための正面図およ
び要部断面図である。図5は、本発明の第一の実施の形
態および従来技術の性能の差を示すためのグラフであ
る。図6は、本発明の第一の実施の形態のバリエーショ
ンを示すための要部断面図である。図7は、本発明の第
二の実施の形態を示すための断面図である。図8は、本
発明の第一の実施の形態、第二の実施の形態および従来
技術の性能の差を示すためのグラフである。なお、図9
を用いて説明した先行技術で示した摩擦係合装置と同一
の部位、部材については、同一の番号を付すことによ
り、適宜説明を省略する。 (第一の実施の形態)まず、図1乃至図4に基づいて、
第一の実施の形態について説明する。
【0025】第一の実施の形態はクラッチであり、図9
に示した先行技術との違いは、ピストン40の構造であ
る。そのピストン40は、係合命令信号を受けたら最も
早く滑動係合子30に対して摩擦係合力を与える第一ピ
ストン41と、その第一ピストン41の摩擦係合力付与
のための動きに続いて滑動係合子30に対する摩擦係合
力付与を行う第二ピストン45とを備えて形成してい
る。
【0026】ピストン40は、その全体形状を原動駆動
軸10の原動軸が中心となる円盤状とし、その円盤の外
周部分には、滑動係合子30側へ突出させた縁部40A
を設け、その縁部40Aを、円盤の外側部分と内側部分
とに分割し、分割した外側部分を第一ピストン41と
し、内側部分を第二ピストン45としている。ピストン
40の縁部40Aの内側部分における第二ピストン45
には、原動駆動軸10からの伝動を停止する旨の伝動停
止信号を受けて第二ピストン45の滑動係合子30への
伝動を中止させるためのリターンスプリング61を固定
するためのスプリング受け48を設けている。
【0027】第一ピストン41および第二ピストン45
は、第二ピストン45からの伝動の際に係合するように
形成し、滑動係合子30に対して原動駆動軸10からの
伝動を行う衝突面41Aは、ピストン40における第一
ピストン41のみに設ける形状をなしている。具体的に
は、例えば、図1に示すような形状の他、例えば後記す
る図6に示すような形状がある。
【0028】図1のピストン40は図4に示すように、
第一ピストン41をL字形として衝突面41Aとその裏
側の受け面41Bとそれに連続する摺動面41Cとを備
え、第二ピストン45を受け面41Bに重なる当接面4
5Aと摺動面41Cと摺り合わされる摺動面45Bとを
備えたT字形としている。図6に示すピストン40は、
縁部40Aを斜めにカットした形状をなしており、第一
ピストン41と第二ピストン45との間にはフレキシブ
ルなオイルパッキン44を設けてオイルの流出を常時防
いでいる。
【0029】図1に示したものも図6に示したものも、
第一ピストン41の質量は、第二ピストン45の質量よ
りも小さいものとしている。ただしそれは一例であり、
少なくとも先行技術に示したような従来例よりも小さけ
ればよい。また、小さくなくても、少ない油量で動くも
のであればよい。ピストン40における滑動係合子30
と反対側には、図9に示した先行技術と同じように、ピ
ストン40に伝動を行わせるための油圧室12を形成す
るように、第二ピストン45を形成している。そして、
作動油が潤滑油室18へ漏れないように、第一ピストン
41にはその外側に最外オイルシール42を、第二ピス
トン45の第一ピストン41側には外オイルシール46
を、原動駆動軸10側には内オイルシール47をそれぞ
れ設けている。
【0030】図4に示すように、第二ピストン45に
は、油圧室12と第一ピストン41とを連通させるため
のオイル流路49を設けている。上記のように形成され
た第一の実施の形態の作用について説明する。クラッチ
をつなぐ旨の係合命令信号を受けてオイル流路11およ
び油圧室12の圧が上昇すると、図2に示すように、オ
イル流路49から作動油が流れ込む第一ピストン41が
滑動係合子30へ向かって移動する。そして、衝突面4
1Aが当接板31Aに衝突し、滑動係合子30への伝動
が開始される。オイル流路49の存在により、滑動係合
子30への伝動は、油圧上昇によって第二ピストン45
を介することなく開始させることができる。
【0031】同じく作動油からの油圧を受けている第二
ピストン45は、リターンスプリング61にも拘束され
ており、しかも第一ピストン41よりも質量が大きいの
で、リターンスプリング61の弾発力に抗して第一ピス
トン41より遅れて滑動係合子30へ向かって移動を始
める。そして図3に示すように、衝突面45Aが受け面
41Bへ接触し、第二ピストン45が伝動する原動駆動
軸10の回転力は第一ピストン41を介して滑動係合子
30へ伝動される。
【0032】上記してきたクラッチを、例えば、オート
マチック車に用いた場合、リターンスプリング61に個
体差が存在しても、リターンスプリング61の影響を受
けずに伝動を開始する第一ピストン41が存在するの
で、クリープ量の制御を容易化することができる。な
お、上記してきた実施の形態では油路49を設けたもの
として説明してきたが、油路49を設けなくても第一ピ
ストン41は第二ピストン45に先んじて伝動を開始す
る。油圧が上昇することによって第二ピストン45のみ
が油圧を受けるが、第二ピストン45が動けば第一ピス
トン41も追従して動き出す。しかし、第二ピストン4
5はリターンスプリング61にも拘束されているので、
第一ピストン41が第二ピストン45よりも先に伝動を
開始するのである。 (第二の実施の形態)続いて、第二の実施の形態につい
て、図7を参照させながら第一の実施の形態との相違点
について説明する。
【0033】第一ピストン41と第二ピストン45との
間には、両者に負荷がかかっていない場合に両者の距離
を一定に保ち、且つ第二ピストン45からの滑動係合子
30への伝動の際に第一ピストン41および第二ピスト
ン45を係合させるためのピストンスプリング50を備
えている。第二の実施の形態によれば、第二ピストン4
5からの滑動係合子30への伝動は、ピストンスプリン
グ50の弾発力に打ちかった第二ピストン45が、第一
ピストン41への係合を徐々に行うことによって行われ
る。したがって、第二ピストン45からの伝動は滑らか
に開始される。
【0034】次に、図5および図8に基づいて、第一及
び第二の実施の形態についての効果について、バリエー
ションを含めながら説明する。図5は、油圧とクラッチ
係合力との関係を示すグラフであり、先行技術にて示し
たクラッチが破線で、第一の実施の形態で示したクラッ
チが実線で示してある。このグラフからは以下のような
ことが判る。
【0035】先行技術にて示したクラッチでは、油圧が
一定以上になると突然クラッチ係合力が急激に上昇して
ゆく。一方、第一の実施の形態で示したクラッチでは、
油圧が上昇し始めるとすぐに緩やかにクラッチ係合力が
上昇してゆき、一定以上になると急激に上昇してゆく。
急激に上昇し始める瞬間に第二ピストン45による伝動
が開始されるのである。
【0036】図8は、クラッチ係合時間とクラッチ係合
力との関係を示したグラフであり、第二の実施の形態に
おけるバリエーションを(A)、(B)、(C)にて示
している。ここで(A)は、ピストンスプリング50が
第一ピストン41または第二ピストン45のいずれか一
方に固定されている場合である。(B)は、ピストンス
プリング50が第一ピストン41および第二ピストン4
5の両方に固定されている場合である。(C)は、ピス
トンスプリング50が第一ピストン41および第二ピス
トン45の両方を引き合う状態で固定されている場合で
ある。
【0037】先行技術にて示したクラッチは(D)にて
示す破線である。(A)、(B)、(C)と比べると、
係合が開始されるまでの時間が長く、係合されてからは
係合力が急激に上昇している。一方、(A)、(B)、
(C)は、立ち上がりまでの時間が短く、第一ピストン
41が係合してから第二ピストン45が係合するまでの
時間は係合力の上昇が緩やかであるという特徴がある。
【0038】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、摩擦係合
装置において、伝動が滑らかに、且つ初期伝動が行われ
るまでの時間を短くすることができるピストンの構造を
提供することができた。また、請求項2記載の発明によ
れば、更に、同じ質量のピストンと比べて、原動体から
伝動する慣性力を大きくとれるピストンの構造を提供す
ることができた。
【0039】また、請求項3記載の発明によれば、更
に、摩擦係合装置内の部材の配置を合理的に行えるピス
トンの構造を提供することができた。また、請求項4お
よび請求項5記載の発明によれば、更に、伝動が円滑に
行えるピストンの構造を提供することができた。また、
請求項6および請求項7記載の発明によれば、更に、油
圧によって伝動の制御が行えるピストンの構造を提供す
ることができた。
【0040】請求項8記載の発明によれば、摩擦係合装
置において、伝動が滑らかに、且つ初期伝動が行われる
までの時間を短くすることができる係合方法を提供する
ことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態を示すための断面図
である。
【図2】本発明の第一の実施の形態を示すための断面図
である。
【図3】本発明の第一の実施の形態を示すための断面図
である。
【図4】本発明の第一の実施の形態を示すための正面図
および要部断面図である。
【図5】本発明の第一の実施の形態および従来技術の性
能の差を示すためのグラフである。
【図6】本発明の第一の実施の形態のバリエーションを
示すための要部断面図である。
【図7】本発明の第二の実施の形態を示すための断面図
である。
【図8】本発明の第一の実施の形態、第二の実施の形態
および従来技術の性能の差を示すためのグラフである。
【図9】従来技術を示すための断面図である。
【符号の説明】
10 原動駆動軸 11 オイル
流路 12 油圧室 15 ケーシ
ング 18 潤滑油室 19 ベアリ
ング 20 従動駆動軸 20A フラン
ジ部 21 伝動ディスク 22 摩擦材 30 滑動係合子 31 当接板 31A 当接面 32 セパレートプレート 33 摩擦板 40 ピストン 40A 縁部 41 第一ピストン 41A 衝突面 41B 受け面 41C 摺動面 42 最外オイルシール 43 内オイ
ルシール 44 オイルパッキン 45 第二ピストン 45A 当接面 45B 摺動面 46 外オイルシール 47 内オイ
ルシール 48 スプリング受け 49 オイル
流路 50 ピストンスプリング 60 掛け外し機構 61 リター
ンスプリング 62 スプリング受け 70 油路形成部材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原動体と、その原動体に連動する従動体と
    の間において、その従動体に摩擦係合して連動可能な滑
    動係合子と、その滑動係合子に対して摩擦係合力を与え
    るためのピストンとを備えて形成される摩擦係合装置で
    あって、 そのピストンは、係合命令信号を受けたら滑動係合子に
    対して最も早く摩擦係合力を与える第一ピストンと、そ
    の第一ピストンの摩擦係合力付与のための動きに続いて
    滑動係合子に対する摩擦係合力を与える第二ピストンと
    を備えて形成したことを特徴とする摩擦係合装置。
  2. 【請求項2】ピストンの全体形状を原動体の原動軸が中
    心となる円盤状とし、その円盤の外周部分には、円盤の
    厚さ方向へ突出させた縁部を設け、その縁部を、円盤の
    外側部分と内側部分とに分割し、分割した外側部分を第
    一ピストンとし、内側部分を第二ピストンとしたことを
    特徴とする請求項1記載の摩擦係合装置。
  3. 【請求項3】ピストンの縁部の内側部分における第二ピ
    ストンには、原動体からの伝動を停止する旨の伝動停止
    信号を受けて第二ピストンの滑動係合子への伝動を中止
    させるためのリターンスプリングを固定するためのスプ
    リング受けを設けたことを特徴とする請求項2記載の摩
    擦係合装置。
  4. 【請求項4】第一ピストンおよび第二ピストンは、第二
    ピストンから摩擦係合力を与える際に係合するように形
    成し、滑動係合子に対して原動体からの伝動を行う伝動
    面は、ピストンにおける第一ピストンのみに設けたこと
    を特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の
    摩擦係合装置。
  5. 【請求項5】第一ピストンと第二ピストンとの間には、
    無負荷の両者の距離を一定に保ち、且つ第二ピストンか
    らの滑動係合子への伝動の際に第一ピストンおよび第二
    ピストンを係合させるためのピストンスプリングを備え
    たことを特徴とする請求項4記載の摩擦係合装置。
  6. 【請求項6】第一ピストンの質量は、第二ピストンの質
    量よりも小さいものとし、ピストンにおける滑動係合子
    と反対側には、ピストンに伝動を行わせるための油圧経
    路を形成するように第二ピストンを形成したことを特徴
    とする請求項2、請求項3、請求項4または請求項5記
    載の摩擦係合装置。
  7. 【請求項7】ピストンは、油圧経路と第一ピストンとを
    連通させるためのオイル流路を設けたことを特徴とする
    請求項6記載の摩擦係合装置。
  8. 【請求項8】原動体に連動する従動体との間において、
    その従動体に摩擦係合して連動可能な滑動係合子と、そ
    の滑動係合子に対して摩擦係合力を与えるためのピスト
    ンとを備えて形成され摩擦係合装置のピストンの係合方
    法であって、 係合命令信号を受けたら、ピストンの慣性力の一部を滑
    動係合子に対して伝動する第一伝動過程と、ピストンの
    残りの慣性力を伝動する第二伝動過程とを備えたことを
    特徴とする摩擦係合装置のピストンの係合方法。
JP8306014A 1996-11-18 1996-11-18 摩擦係合装置および摩擦係合装置のピストンの係合方法 Withdrawn JPH10148221A (ja)

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