JPH10148025A - 視覚障害者誘導用床材の製造方法 - Google Patents

視覚障害者誘導用床材の製造方法

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JPH10148025A
JPH10148025A JP30798296A JP30798296A JPH10148025A JP H10148025 A JPH10148025 A JP H10148025A JP 30798296 A JP30798296 A JP 30798296A JP 30798296 A JP30798296 A JP 30798296A JP H10148025 A JPH10148025 A JP H10148025A
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JP
Japan
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cavity
floor material
gate
flooring
ridge
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Application number
JP30798296A
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English (en)
Inventor
Tetsuomi Yagi
哲臣 八木
Masahiko Miyahara
雅彦 宮原
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Suminoe Textile Co Ltd
Original Assignee
Suminoe Textile Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 畝状の突起部を形成する場合に、突起部のそ
りやひけがなく、従って床材のそりがなく、かつ突起部
と床材基板との接着性にも優れた視覚障害者誘導用床材
の製造方法を提供する。 【解決手段】 キャビティー5の長さ方向の一端部位置
に小孔状ゲート6が設けられた射出成形用金型4aを、
床材基板2に当接状態に配置した後、溶融した合成樹脂
をゲート6からキャビティー5内へ射出し、成形する。
あるいは上記においてゲート形状をスリット状とし、か
つキャビティーの長さ方向に沿ってキャビティー上面に
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、視覚障害者を誘
導するための床材の製造方法に関し、更に詳しくは、床
材基板上に、合成樹脂からなる畝状突起部が形成された
視覚障害者誘導用床材の製造方法に関する。
【0002】なお、この明細書において、畝状突起部の
「畝状」の語は、その長さが幅の2倍以上である突起部
を全て包含する意味で用いる。
【0003】
【従来の技術】従来、視覚障害者誘導用の床材としては
コンクリートや塩化ビニル樹脂等の合成樹脂やゴムで、
平板に突起部を設けたものが使用されているが、病院、
ホテル、公会堂、図書館、その他公共施設などで床材と
してカーペットを敷き込むことが多くなってきているこ
とから、カーペット上に突起部を設けたものが提案され
ている。
【0004】例えば、カーペットの上から床下地に穴を
開け、上から突起物をねじ込み固定する方法、あるいは
接着剤で突起物をカーペットに接着固定する方法が知ら
れているが、前者の方法では施工が繁雑となり、施工作
業に時間を要する上に、ねじ式であり緩みが生じて突起
物の固定が不安定になりやすく安全上好ましくないし、
床下地に穴が開いてしまう可能性がある等種々の問題点
を有するものであった。また、後者の方法では、たとえ
強力な接着剤を使用してもカーペットのパイルと突起物
の間に隙間が生じ、固定が不安定になりやすく安全上問
題があった。
【0005】そこで、特開平6−90976号公報に
は、射出成形機の成形金型をカーペットに押し付けなが
ら溶融樹脂を射出して、カーペット上に突起部を圧着形
成する方法が記載されている。この方法により突起物を
形成すれば、突起物の固定が安定になると共に、施工も
容易となるというものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先
行技術による場合、次のような問題があった。即ち、突
起部の形状が畝状に形成されている場合には、突起部の
そりが大きく、これに伴いカーペットにそりが発生し、
施工性が低下する。特に細長い畝状に形成されている場
合には、カーペットのそりは顕著であり、施工性が著し
く低下する。
【0007】このようなカーペットのそり発生を抑制す
るために、畝状突起部のそりを軽減すべく、突起部を分
割構成とするものもあるが、分割された突起部間の隙間
に歩行者の靴の裏についたゴミなどが溜まってしまい、
美観を著しく損なうこととなる。また、金型にゲートを
2か所以上設ける方法もあるが、これでは各ゲートから
流れ込む樹脂が合流する部分にウェルドライン(筋)が
発生し、美観上好ましくない。
【0008】更に、上記先行技術を硬質塩化ビニル板等
の合成樹脂板や木質板に適用しても、畝状突起部のそり
が大きく、畝状突起部の長さ方向の端部が、合成樹脂板
あるいは木質板から剥離して隙間を生じてしまうため、
上記先行技術をこれら床材へ適用することは不可能であ
った。
【0009】この発明は、かかる技術的背景に鑑みてな
されたものであって、畝状の突起部を形成する場合に、
突起部の、そり、ひけがなく、従って床材のそりがな
く、かつ突起部と床材基板との接着性にも優れた、視覚
障害者誘導用床材の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、図6に示
すように、小孔状ゲート(16)がキャビティー(15)上
面(15a )中央部に設けられている場合には、該ゲート
(16)から流れ出た樹脂は次第に金型(14)内に拡がっ
ていくものの、キャビティーの側面(15b )に衝突した
樹脂はその反動で中央部に向かって流れ、ゲート(16)
から周辺部に流れて行こうとする樹脂とぶつかり、激し
い対流が発生して、これにより内部応力が残存し、そ
り、ひけを引き起こすと考え、ゲート位置およびゲート
形状を鋭意検討した結果、射出成形用金型における小孔
状ゲートの位置を、キャビティーの長さ方向の一端部位
置に設定することにより、そりやひけを防止できるこ
と、あるいは射出成形用金型におけるゲート形状を、ス
リット状とすることにより、そりやひけを防止できうる
ことを見出した。
【0011】即ち、請求項1の発明にかかる視覚障害者
誘導用床材の製造方法は、可撓性を有する床材基板の上
に、合成樹脂からなる畝状の突起部が形成された視覚障
害者誘導用床材の製造方法において、前記畝状の突起部
の形状に対応する形状のキャビティーを有すると共に、
該キャビティーを形成する面の内、キャビティー上面中
心点から該上面長さの4分の1以上離れた位置に小孔状
ゲートが設けられた射出成形用金型を、床材基板に当接
状態に配置した後、溶融した合成樹脂を前記ゲートから
前記キャビティー内へ射出して、床材基板表面に畝状の
突起部を形成させることを特徴とするものである。
【0012】小孔状ゲートがキャビティーの長さ方向の
一端部位置に設けられているから、ゲートから押し出さ
れた樹脂は、激しい対流を起こすことなく金型内に充填
されて、成形時に残存する内部応力は小さくなり、突起
部のそりやひけを防止することができ、ひいては床材の
そりを防止することができる。
【0013】請求項2の発明は、上記請求項1の視覚障
害者誘導用床材の製造方法において、小孔状ゲートがキ
ャビティー上面に設けられた構成を採用したものであ
る。
【0014】小孔状ゲートから床材基板までの距離を大
きく取ることができるから、ゲートから押し出された樹
脂の対流を一層抑制することができ、従って残存内部応
力は小さくなり、突起部のそりやひけをより確実に防止
することができる。
【0015】請求項3の発明にかかる視覚障害者誘導用
床材の製造方法は、可撓性を有する床材基板の上に、合
成樹脂からなる畝状の突起部が形成された視覚障害者誘
導用床材の製造方法において、前記畝状の突起部の形状
に対応する形状のキャビティーを有すると共に、水平断
面がスリット状のゲートが、キャビティーの長さ方向に
沿ってキャビティー上面に設けられた射出成形用金型
を、床材基板に当接状態に配置した後、溶融した合成樹
脂を前記ゲートから前記キャビティー内へ射出して、床
材基板表面に畝状の突起部を形成させることを特徴とす
るものである。
【0016】ゲート形状がスリット状で、かつキャビテ
ィーの長さ方向に沿ってキャビティー上面に設けられて
いるから、ゲートから押し出された樹脂は、激しい対流
を起こすことなく金型内に充填されるうえに、ゲートか
ら金型内の最遠部までの距離が非常に短くなるため金型
内における樹脂圧はどの位置でもほぼ同一となるから、
成形時に残存する内部応力は小さくなり、突起部のそり
やひけを防止することができ、ひいては床材のそりを防
止することができる。
【0017】請求項4の発明は、上記請求項1〜3のい
ずれかの視覚障害者誘導用床材の製造方法において、射
出成形後、突起部が軟化状態にある床材を、該床材の突
起部側を上にして、上面が凸状の湾曲面である盤の上に
載置して、冷却する構成を採用したものである。
【0018】射出成形後、突起部を形成する樹脂が冷却
される際、突起部の表面側と裏面(床材との接着面)側
では放熱速度が異なるため、これに起因して応力差が発
生し、そりを生じさせるのであるが、この冷却過程にお
いて、床材をその突起部側を若干凸にする態様で冷却す
るものであるから、前記応力差に起因する収縮力を相殺
することができ、従ってそりの発生をより確実に防止す
ることができる。
【0019】請求項5の発明は、上記請求項1〜4のい
ずれかの視覚障害者誘導用床材の製造方法において、可
撓性を有する床材基板がカーペットである構成を採用し
たものである。
【0020】床材基板としてカーペットを用いるもので
あるから、保温性、吸音性が高く、しかも歩き心地の良
い視覚障害者誘導用床材を提供することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図5にこの発明の製造方法により
製造される視覚障害者誘導用床材(1)の一実施形態に
かかる斜視図を示す。(2)は可撓性を有する床材基
板、(3)…は畝状突起部であり、該突起部(3)…は
合成樹脂よりなる。この誘導用床材(1)は、一般に誘
導型と呼ばれるもので、畝状突起部(3)…が平行に配
置されて、該畝状突起部(3)…の長さ方向で誘導方向
を示すものである。
【0022】先ず、請求項1の発明にかかる視覚障害者
誘導用床材の製造方法について述べる。
【0023】この方法は、合成樹脂を床材基板(2)上
に射出し、射出成形すると同時に床材基板(2)上に接
着する方法において、射出成形用金型(4a)の小孔状ゲ
ート(6)をキャビティー(5)の長さ方向の一端部位
置に設けたことに特徴を有するものである。
【0024】図1にこの製造方法において用いられる射
出成形用金型(4a)の断面図を示す。金型(4a)は前記
畝状の突起部の形状に対応する形状のキャビティー
(5)を有し、該キャビティー上面(5a)の長さ方向の
一端部位置に小孔状ゲート(6)が設けられ、該小孔状
ゲート(6)は、一端を金型(4a)上面に開口するスプ
ル(7a)の他端と連通されている。そして、図示しない
ノズルよりスプル(7a)内に導入された溶融合成樹脂が
小孔状ゲート(6)よりキャビティー(5)内に射出さ
れて、このキャビティー(5)内で溶融合成樹脂が成形
されるものとなされている。
【0025】上記一端部位置とは、キャビティー上面
(5a)中心点から該上面(5a)長さの4分の1以上離れ
た位置を指す。上面(5a)中心点からの距離がキャビテ
ィー上面(5a)長さの4分の1未満では、突起部(3)
のそり、ひけ発生を抑制する効果が十分に得られない。
【0026】以下、上記射出成形用金型(4a)を用いた
製造方法について説明するが、この発明の製造方法にお
いて使用する射出成形用金型は上記形態に何ら限定され
るものではない。例えば、小孔状ゲート(6)は、キャ
ビティー上面(5a)中心点から該上面(5a)長さの4分
の1以上離れた位置にあるという条件を満足する限り、
キャビティー(5)の側面に形成することもできる。
【0027】誘導用床材(1)を製造するにあたって
は、図2に示すように、前記金型(4a)をそのキャビテ
ィー(5)側を床材基板(2)の上面に当接状態に配置
した後、溶融した合成樹脂をノズルからスプル(7a)内
に導入し、更に小孔状ゲート(6)よりキャビティー
(5)内に射出させ、床材基板(2)表面に畝状突起部
(3)を形成させる。
【0028】溶融樹脂を床材基板(2)表面上にて射出
成形するものであるから、成形と同時に床材基板(2)
との接着を行うことができ、生産性に優れる。また、小
孔状ゲート(6)がキャビティー(5)の長さ方向の一
端部位置に設けられているから、ゲート(6)から押し
出された樹脂は、激しい対流を起こすことなく金型(4
a)内に充填されて、成形時に残存する内部応力は小さ
くなり、従って、成形された突起部(3)のそりやひけ
を防止することができる。また、残留内部応力が小さい
ので、床材基板(2)との接着力にも優れたものとなす
ことができる。
【0029】射出成形後、突起部(3)が軟化状態にあ
る床材(1)を冷却するに際しては、上面が平面の平盤
上に載置するものとしても良いが、床材の突起部(3)
側を上にして、上面が凸状の湾曲面である盤の上に載置
するのがより好ましい。射出成形後、突起部(3)を形
成する樹脂が冷却される際には、突起部(3)の表面側
と裏面(床材基板(2)との接着面)側では放熱速度が
異なるため、これに起因して応力差が発生して、そりを
生じさせるが、この冷却過程において、床材(1)をそ
の突起部(3)側を若干凸に反らせた態様で冷却するも
のであるから、前記応力差に起因する収縮力を相殺する
ことができ、従って突起部(3)のそりやひけの発生を
より確実に防止することができ、ひいては、床材(1)
のそりをより確実に防止することができる。
【0030】次に、請求項3の発明にかかる製造方法に
ついて述べる。
【0031】この製造方法は、合成樹脂を床材基板
(2)上に射出し、射出成形と同時に床材基板(2)上
に接着する方法において、射出成形金型のゲート形状を
スリット状とし、かつキャビティー(5)の長さ方向に
沿ってキャビティー上面(5a)に設けることに特徴を有
するものである。
【0032】この製造方法において用いられる射出成形
用金型(4b)を示す図3において、金型(4b)は前記畝
状突起部(3)の形状に対応する形状のキャビティー
(5)を有し、該キャビティー上面(5a)には、水平断
面がスリット状のゲート(8)が、キャビティー(5)
の長さ方向に沿って設けられ、該スリット状ゲート
(8)は、一端を金型(4b)上面に開口するスプル(7
b)の他端と連通されている。そして、図示しないノズ
ルよりスプル(7b)内に導入された溶融合成樹脂がスリ
ット状ゲート(8)よりキャビティー(5)内に射出さ
れて、このキャビティー(5)内で合成樹脂が成形され
るものとなされている。
【0033】スリット状ゲート(8)のスリット幅は、
1〜5mmであることが好ましい。また、スリット長さ
は、キャビティー上面(5a)の長さの50〜100%で
あることが好ましい。50%未満では、突起部(3)の
そり、ひけ発生を抑制する効果が低下する。中でも90
〜100%であることがより好ましい。
【0034】以下、上記射出成形用金型(4b)を用いた
製造方法について説明するが、この製造方法において使
用する射出成形用金型は上記形態に何ら限定されるもの
ではない。例えば、スリット状ゲート(8)のスリット
形状としては、上記長矩形状以外に、図4(イ)に示す
ような長楕円形状あるいは同図(ロ)に示すような略瓢
箪形状を採用することもできる。
【0035】誘導用床材(1)を製造するにあたって
は、前記同様、金型(4b)をそのキャビティー(5)側
を床材基板(2)の上面に当接状態に配置した後、溶融
した合成樹脂をノズルからスプル(7b)内に導入し、更
に小孔状ゲート(6)よりキャビティー(5)内に射出
して、床材基板(2)表面に畝状突起部(3)を形成さ
せる。
【0036】溶融樹脂を床材基板(2)表面上にて射出
成形するものであるから、成形と同時に床材基板(2)
との接着を行うことができ、生産性に優れる。また、ゲ
ート(8)形状がスリット状で、かつ、キャビティー
(5)の長さ方向に沿ってキャビティー上面(5a)に設
けられているから、ゲート(8)から押し出された樹脂
は、激しい対流を起こすことなく金型(4b)内に充填さ
れるうえに、ゲート(8)から金型(4b)内の最遠部ま
での距離が非常に短くなるため金型(4b)内における樹
脂圧はどの位置でもほぼ同一となるから、成形時に残存
する内部応力は小さくなり、そりやひけを防止すること
ができる。また、残留内部応力が小さいので、床材基板
(2)との接着性にも優れたものとなすことができる。
【0037】射出成形後、突起部(3)が軟化状態にあ
る床材(1)を冷却するに際しては、前記同様に、上面
が平面の平盤上に載置するものとしても良いが、床材の
突起部(3)側を上にして、上面が凸状の湾曲面である
盤の上に載置するのがより好ましい。冷却過程におい
て、床材(1)をその突起部(3)側を若干凸に反らせ
た態様で冷却するものであるから、突起部(3)の表面
側と裏面側の放熱速度の相違により生ずる応力差に起因
する収縮力を相殺することができ、従って、突起部
(3)のそりやひけの発生をより確実に防止することが
でき、ひいては床材(1)のそりをより確実に防止する
ことができる。
【0038】この発明において用いられる床材基板
(2)としては、可撓性を有するものであれば良く、特
に限定されるものではないが、カーペット、硬質塩化ビ
ニル板等の合成樹脂板、木質板などが挙げられる。中で
もカーペットを用いることが好ましく、これにより、保
温性、吸音性が高く、しかも歩き心地が良いものとなす
ことができる。
【0039】また、畝状の突起部(3)を形成する合成
樹脂としては、射出成形可能なものであれば良く、特に
限定されるものではないが、ポリ塩化ビニル樹脂、EV
A(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、オレフィン系樹
脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエステル樹
脂などが挙げられる。
【0040】なお、前記合成樹脂には、諸性質の向上を
目的として、安定剤、可塑剤、充填剤、着色剤、帯電防
止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤を適宜
配合しうる。
【0041】また、前記凸状湾曲面の形状は、球面であ
ることが好ましい。また、その球面曲率半径は、160
mm〜1000mmであることが好ましく、中でも20
0mm〜500mmであることがより好ましい。
【0042】
【実施例】次に、この発明の具体的実施例について説明
する。
【0043】<実施例1>図1に示すような畝状形状を
有するキャビティーの上面(長さ240mm×幅35m
m)の長さ方向の一端部から20mm中心方向に入った
位置に1mm径の円形ゲートが設けられた射出成形用金
型を、ループパイル型タイルカーペット(住江織物株式
会社製、LP−2000、500mm角、パイル部;ナ
イロン製)の上に当接させて配置し、この状態で円形ゲ
ートより160℃の溶融したポリ塩化ビニル樹脂(近藤
化学株式会社製、SO−1)をカーペット上に射出成形
した。60秒間成形した後、成形金型をはずし、得られ
た突起部を有するカーペットを、該突起部側を上にし
て、上面が平面の平盤上に載置して冷却した。
【0044】<実施例2>成形用樹脂として、ポリ塩化
ビニル樹脂に代えて、EVA(エチレン−酢酸ビニル共
重合体、三井ケミカル株式会社製)を使用した以外は、
実施例1と同様にして行った。
【0045】<実施例3>図3に示すような、畝状形状
を有するキャビティー上面(長さ240mm×幅35m
m)中央部に、長さ230mm、幅1mmのスリット状
のゲートが、キャビティーの長さ方向に沿って設けられ
た射出成形用金型を、ループパイル型タイルカーペット
(住江織物株式会社製、LP−2000、500mm
角)の上に当接させて配置し、この状態でスリット状ゲ
ートより160℃の溶融したポリ塩化ビニル樹脂(近藤
化学株式会社製、SO−1)をカーペット上に射出成形
した。60秒間成形した後、成形金型をはずし、得られ
た突起部を有するカーペットを、該突起部側を上にし
て、上面が平面の平盤上に載置して冷却した。
【0046】<実施例4>成形用樹脂として、ポリ塩化
ビニル樹脂に代えて、EVA(エチレン−酢酸ビニル共
重合体、三井ケミカル株式会社製)を使用した以外は、
実施例3と同様にして行った。
【0047】<実施例5>射出成形後、上面が500R
(球面曲率半径が500mm)の凸状湾曲面である盤の
上に載置して冷却した以外は、実施例1と同様にして行
った。
【0048】<実施例6>射出成形後、上面が500R
(球面曲率半径が500mm)の凸状湾曲面である盤の
上に載置して冷却した以外は、実施例3と同様にして行
った。
【0049】<比較例1>射出成形用金型として、図6
に示すような、畝状形状を有するキャビティー上面中心
部に、1mm径の円形ゲートが設けられた金型を用いた
以外は、実施例1と同様にして行った。
【0050】<比較例2>成形用樹脂として、ポリ塩化
ビニル樹脂に代えて、EVA(エチレン−酢酸ビニル共
重合体、三井ケミカル株式会社製)を使用した以外は、
比較例1と同様にして行った。
【0051】<実施例7>床材基板として、タイルカー
ペットに代えて、硬質塩化ビニル板(住江織物株式会社
製;スミテック)を使用した以外は、実施例1と同様に
して行った。
【0052】<実施例8>床材基板として、タイルカー
ペットに代えて、上記硬質塩化ビニル板を使用した以外
は、実施例3と同様にして行った。
【0053】<実施例9>床材基板として、タイルカー
ペットに代えて、上記硬質塩化ビニル板を使用した以外
は、実施例5と同様にして行った。
【0054】<実施例10>床材基板として、タイルカ
ーペットに代えて、上記硬質塩化ビニル板を使用した以
外は、実施例6と同様にして行った。
【0055】<比較例3>床材基板として、タイルカー
ペットに代えて、上記硬質塩化ビニル板を使用した以外
は、比較例1と同様にして行った。
【0056】<実施例11>床材基板として、タイルカ
ーペットに代えて、木質板(住江織物株式会社製;SY
−N1000、厚み14.5mm)を使用した以外は、
実施例1と同様にして行った。
【0057】<実施例12>床材基板として、タイルカ
ーペットに代えて、上記木質板を使用した以外は、実施
例3と同様にして行った。
【0058】<比較例4>床材基板として、タイルカー
ペットに代えて、上記木質板を使用した以外は、比較例
1と同様にして行った。
【0059】<試験方法および評価方法>上記のように
作製された各床材に対し、下記A、Bに示す試験法に従
い、評価を行った。その結果を表1〜3に示す。
【0060】A.そり量試験法 冷却工程を経た後の床材を、反っている側を上にして平
面盤上に載せ、この時、床材の周縁と平面盤との間に生
じる隙間の最大値をそり量とする。突起部側に反ってい
る場合には、そり量を「+」で表示し、床材の裏面側に
反っている場合には、そり量を「−」で表示した。
【0061】B.接着強度試験法 幅40mmの短冊型試験片を作製し、オートグラフを用
いて引張速度100mm/分の条件で180度剥離試験
を行い、突起部と床材基板の剥離強度(接着強度)を測
定した。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】表1〜3から明らかなように、この発明に
かかる製造方法で製作された実施例1〜12の視覚障害
者誘導用床材は、そりやひけがなく、かつ突起部と床材
基板との接着性にも優れるものである。
【0066】これに対し、この発明の範囲を逸脱する製
造方法で製作された比較例1、2の床材は、そりが大き
く、また突起部と床材基板との接着性にも劣るものであ
った。また、比較例3、4の床材は、接着性に劣り、し
かも突起部の大きなそりに床材基板が追随できず、突起
部の周縁部が床材基板から剥離する現象が生じ、安全上
大きな問題があるため、実際上使用に耐えないものであ
った。
【0067】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、小孔状ゲート
がキャビティーの長さ方向の一端部位置に設けられてい
るから、ゲートから押し出された樹脂は、激しい対流を
起こすことなく金型内に充填されて、成形時に残存する
内部応力は小さくなり、畝状突起部のそりやひけを防止
することができる。従って、床材のそりが防止され、施
工性に優れたものとなすことができる。また、残存内部
応力が小さいので、突起部と床材基板の接着性にも優
れ、突起部が床材基板から剥離することが回避されるか
ら安全性にも優れる。更に、畝状突起部のそりが小さい
ことから、可撓性の大きいカーペットのみならず、硬質
塩化ビニル板等の合成樹脂板、木質板などの可撓性の小
さい床材基板にも支障なく適用することができる。
【0068】請求項2の発明によれば、上記において小
孔状ゲートがキャビティー上面に設けられているから、
小孔状ゲートから床材基板までの距離を大きく取ること
ができ、ゲートから押し出された樹脂の対流を一層抑制
することができる。従って残存内部応力は小さくなり、
突起部のそりやひけをより確実に防止することができ
る。
【0069】請求項3の発明によれば、ゲート形状がス
リット状で、かつキャビティーの長さ方向に沿ってキャ
ビティー上面に設けられているから、ゲートから押し出
された樹脂は、激しい対流を起こすことなく金型内に充
填されるうえに、ゲートから金型内の最遠部までの距離
が非常に短くなるため金型内における樹脂圧はどの位置
でもほぼ同一となるため、成形時に残存する内部応力は
小さくなり、突起部のそりやひけを防止することができ
る。従って、床材のそりが防止され、施工性に優れたも
のとなすことができる。また、残存内部応力が小さいの
で、突起部と床材基板の接着性にも優れ、突起部が床材
基板から剥離することが回避されるから安全性にも優れ
る。更に、畝状突起部のそりが小さいことから、可撓性
の大きいカーペットのみならず、硬質塩化ビニル板等の
合成樹脂板、木質板などの可撓性の小さい床材基板にも
支障なく適用することができる。
【0070】請求項4の発明によれば、上記射出成形後
の、突起部が軟化状態にある床材を、該床材の突起部側
を上にして、上面が凸状の湾曲面である盤の上に載置し
て、冷却するものであるから、即ち、冷却過程におい
て、床材をその突起部側を僅かに凸に反らせた態様で冷
却するものであるから、突起部の表面側と裏面側の放熱
速度の相違により生ずる応力差に起因する収縮力を相殺
することができ、従って突起部のそりやひけの発生をよ
り確実に防止することができる。従って、床材のそりを
より確実に防止することができる。
【0071】請求項5の発明によれば、上記において、
可撓性を有する床材基板がカーペットである構成を採用
したものであるから、保温性、吸音性が高く、しかも歩
き心地の良い視覚障害者誘導用床材を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】小孔状ゲートを有する金型を示す図であって、
同図(イ)は側断面図、同図(ロ)は上面図である。
【図2】金型を床材基板に当接状態に配置した状態を示
す断面図である。
【図3】スリット状ゲートを有する金型を示す図であっ
て、同図(イ)は側断面図、同図(ロ)は上面図であ
る。
【図4】スリット状ゲートの断面形状の変形例を示す図
である。
【図5】この発明にかかる製造方法により製造される床
材の一形態を示す斜視図である。
【図6】従来の金型を示す側断面図である。
【符号の説明】
1…誘導用床材 2…床材基板 3…畝状突起部 4a、4b…金型 5…キャビティー 5a…キャビティー上面 6…小孔状ゲート 8…スリット状ゲート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性を有する床材基板の上に、合成樹
    脂からなる畝状の突起部が形成された視覚障害者誘導用
    床材の製造方法において、 前記畝状の突起部の形状に対応する形状のキャビティー
    を有すると共に、該キャビティーを形成する面の内、キ
    ャビティー上面中心点から該上面長さの4分の1以上離
    れた位置に小孔状ゲートが設けられた射出成形用金型
    を、床材基板に当接状態に配置した後、溶融した合成樹
    脂を前記ゲートから前記キャビティー内へ射出して、床
    材基板表面に畝状の突起部を形成させることを特徴とす
    る視覚障害者誘導用床材の製造方法。
  2. 【請求項2】 小孔状ゲートがキャビティー上面に設け
    られた請求項1に記載の視覚障害者誘導用床材の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 可撓性を有する床材基板の上に、合成樹
    脂からなる畝状の突起部が形成された視覚障害者誘導用
    床材の製造方法において、 前記畝状の突起部の形状に対応する形状のキャビティー
    を有すると共に、水平断面がスリット状のゲートが、キ
    ャビティーの長さ方向に沿ってキャビティー上面に設け
    られた射出成形用金型を、床材基板に当接状態に配置し
    た後、溶融した合成樹脂を前記ゲートから前記キャビテ
    ィー内へ射出して、床材基板表面に畝状の突起部を形成
    させることを特徴とする視覚障害者誘導用床材の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 射出成形後、突起部が軟化状態にある床
    材を、該床材の突起部側を上にして、上面が凸状の湾曲
    面である盤の上に載置して、冷却する請求項1〜3のい
    ずれか1に記載の視覚障害者誘導用床材の製造方法。
  5. 【請求項5】 可撓性を有する床材基板が、カーペット
    である請求項1〜4のいずれか1に記載の視覚障害者誘
    導用床材の製造方法。
JP30798296A 1996-11-19 1996-11-19 視覚障害者誘導用床材の製造方法 Pending JPH10148025A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019532227A (ja) * 2016-08-18 2019-11-07 ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハーJulius Blum GmbH 少なくとも1つの転動体を備えたキャリッジ

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JP2019532227A (ja) * 2016-08-18 2019-11-07 ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハーJulius Blum GmbH 少なくとも1つの転動体を備えたキャリッジ

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