JPH10147810A - 溶湯攪拌装置 - Google Patents
溶湯攪拌装置Info
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- JPH10147810A JPH10147810A JP30827596A JP30827596A JPH10147810A JP H10147810 A JPH10147810 A JP H10147810A JP 30827596 A JP30827596 A JP 30827596A JP 30827596 A JP30827596 A JP 30827596A JP H10147810 A JPH10147810 A JP H10147810A
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- Japan
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- molten metal
- stirring blade
- desulfurizing agent
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 鋳鉄溶湯の脱硫処理等を行う際、溶湯の中央
で攪拌翼を回転させて渦流を形成し、これに脱硫剤を巻
き込ませる方法では、液面に浮かぶ脱硫剤が、溶湯の回
転流れに乗って回転しながら遠心力で外側に押しやられ
てしまうため、溶湯との接触面積が小さくなり、十分な
脱硫効率が得られない。 【解決手段】 取鍋6の中央で回転する攪拌翼2を設け
ると共に、取鍋6の壁面側に、溶湯7上に浮遊する脱硫
剤9を壁面側から中央側へと案内する掻き寄せ治具5を
設ける。これによって、脱硫剤9は溶湯7の回転流れに
乗った周方向の移動と共に、中央側と周壁側との間を交
互に移動し、この結果、脱硫剤9と溶湯7との接触面積
が液面7a全体にわたってより広い状態を維持して処理
を継続することができるので、脱硫効率が向上する。
で攪拌翼を回転させて渦流を形成し、これに脱硫剤を巻
き込ませる方法では、液面に浮かぶ脱硫剤が、溶湯の回
転流れに乗って回転しながら遠心力で外側に押しやられ
てしまうため、溶湯との接触面積が小さくなり、十分な
脱硫効率が得られない。 【解決手段】 取鍋6の中央で回転する攪拌翼2を設け
ると共に、取鍋6の壁面側に、溶湯7上に浮遊する脱硫
剤9を壁面側から中央側へと案内する掻き寄せ治具5を
設ける。これによって、脱硫剤9は溶湯7の回転流れに
乗った周方向の移動と共に、中央側と周壁側との間を交
互に移動し、この結果、脱硫剤9と溶湯7との接触面積
が液面7a全体にわたってより広い状態を維持して処理
を継続することができるので、脱硫効率が向上する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば溶融した鉄
類または鉄合金の脱硫や加炭などの処理を行うに際して
用いられる溶湯攪拌装置に関するものである。
類または鉄合金の脱硫や加炭などの処理を行うに際して
用いられる溶湯攪拌装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製銑・製鋼などに際し、例えば脱硫や加
炭処理に、インペラーによる攪拌法が従来より採用され
ている。このような処理を行うための装置の一例が特公
昭42-12343号公報に記載されており、その装置では、図
3に示すように、回転用モータ31によって駆動される回
転軸32の下端部に攪拌翼(インペラー)33が設けられ、
これらは昇降用モータ34によって上下動されるように構
成されている。
炭処理に、インペラーによる攪拌法が従来より採用され
ている。このような処理を行うための装置の一例が特公
昭42-12343号公報に記載されており、その装置では、図
3に示すように、回転用モータ31によって駆動される回
転軸32の下端部に攪拌翼(インペラー)33が設けられ、
これらは昇降用モータ34によって上下動されるように構
成されている。
【0003】この装置で、取鍋35中の例えば鋳鉄溶湯36
の脱硫を行う場合、溶湯36に石灰やソーダ灰等の脱硫剤
37を添加し、溶湯36の中央に攪拌翼33を浸漬させてこれ
を回転する操作が行われる。このとき、上記のような脱
硫剤37は比重が2〜3と軽いために溶湯36の液面に浮い
た状態となる。そこで、上記装置では、攪拌翼33を150
〜300r.p.mで高速回転させることで、溶湯36の中央部に
液面がくぼんだ渦流を形成し、この渦流への脱硫剤37の
巻き込みを生じさせることによって、脱硫剤37と溶湯36
との接触面積を大きくして脱硫効率を向上するようにな
っている。
の脱硫を行う場合、溶湯36に石灰やソーダ灰等の脱硫剤
37を添加し、溶湯36の中央に攪拌翼33を浸漬させてこれ
を回転する操作が行われる。このとき、上記のような脱
硫剤37は比重が2〜3と軽いために溶湯36の液面に浮い
た状態となる。そこで、上記装置では、攪拌翼33を150
〜300r.p.mで高速回転させることで、溶湯36の中央部に
液面がくぼんだ渦流を形成し、この渦流への脱硫剤37の
巻き込みを生じさせることによって、脱硫剤37と溶湯36
との接触面積を大きくして脱硫効率を向上するようにな
っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶湯36
の液面に浮遊する脱硫剤37は、渦流が形成された中央部
よりも外側の領域では、溶湯36の回転流れに乗って液面
上を回転する際に、この回転動作に伴う遠心力によって
次第に外側へと押しやられ、外周側に押しつけられて偏
在した状態となってしまう。
の液面に浮遊する脱硫剤37は、渦流が形成された中央部
よりも外側の領域では、溶湯36の回転流れに乗って液面
上を回転する際に、この回転動作に伴う遠心力によって
次第に外側へと押しやられ、外周側に押しつけられて偏
在した状態となってしまう。
【0005】さらに、攪拌翼33の回転開始時に液面の中
央部側に浮遊していた脱硫剤37についても、攪拌翼33の
回転速度が所定の高速回転に達して前記の渦流が形成さ
れるまでの間に、大半は上記同様に外側に押しやられ、
このため、渦流が形成された後にこれに巻き込まれる脱
硫剤37の量は、比重が小さいこともあり、充分には確保
され難い。この結果、脱硫剤37と溶湯36との接触が、外
周側に押しつけられた脱硫剤37の領域のみとなった処理
が継続されることになって、充分な脱硫効率が得られな
いという問題を生じている。
央部側に浮遊していた脱硫剤37についても、攪拌翼33の
回転速度が所定の高速回転に達して前記の渦流が形成さ
れるまでの間に、大半は上記同様に外側に押しやられ、
このため、渦流が形成された後にこれに巻き込まれる脱
硫剤37の量は、比重が小さいこともあり、充分には確保
され難い。この結果、脱硫剤37と溶湯36との接触が、外
周側に押しつけられた脱硫剤37の領域のみとなった処理
が継続されることになって、充分な脱硫効率が得られな
いという問題を生じている。
【0006】本発明は、上記した問題点に鑑みなされた
ものであって、その目的は、金属溶湯の液面に浮遊する
脱硫剤などの反応剤と溶湯との接触面積を増大させて反
応処理効率を向上し得る溶湯攪拌装置を提供することに
ある。
ものであって、その目的は、金属溶湯の液面に浮遊する
脱硫剤などの反応剤と溶湯との接触面積を増大させて反
応処理効率を向上し得る溶湯攪拌装置を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の溶湯攪拌装置は、金属溶湯が収容される
溶湯鍋の壁面と、溶湯を回転攪拌するために溶湯鍋のほ
ぼ中央で回転駆動される攪拌翼との間に、溶湯液面への
添加浮遊物を溶湯鍋の壁面側から中央側へと案内すべく
溶湯の回転流れに対して斜めに傾斜した案内面を溶湯の
液面上に備える掻き寄せ手段が設けられていることを特
徴としている(請求項1)。
めに、本発明の溶湯攪拌装置は、金属溶湯が収容される
溶湯鍋の壁面と、溶湯を回転攪拌するために溶湯鍋のほ
ぼ中央で回転駆動される攪拌翼との間に、溶湯液面への
添加浮遊物を溶湯鍋の壁面側から中央側へと案内すべく
溶湯の回転流れに対して斜めに傾斜した案内面を溶湯の
液面上に備える掻き寄せ手段が設けられていることを特
徴としている(請求項1)。
【0008】このような構成によれば、例えば鋳鉄溶湯
の脱硫処理を行う場合、溶湯液面に浮遊する添加浮遊物
としての脱硫剤は、攪拌翼によって付与される溶湯の回
転流れに乗って周方向に回転する際に、溶湯鍋の壁面
(以下、周壁という)に向かって外側に移動する。そし
て、このように周壁側へ移動した脱硫剤は、掻き寄せ手
段の案内面に衝突したときに、この案内面に沿って、周
壁側から中央側へ案内され、この案内面の内側端を外れ
ると、液面上での広がりを生じながら、再度、溶湯の回
転流れに乗った周方向の移動と、遠心力の作用による周
壁側への移動とを生じる。
の脱硫処理を行う場合、溶湯液面に浮遊する添加浮遊物
としての脱硫剤は、攪拌翼によって付与される溶湯の回
転流れに乗って周方向に回転する際に、溶湯鍋の壁面
(以下、周壁という)に向かって外側に移動する。そし
て、このように周壁側へ移動した脱硫剤は、掻き寄せ手
段の案内面に衝突したときに、この案内面に沿って、周
壁側から中央側へ案内され、この案内面の内側端を外れ
ると、液面上での広がりを生じながら、再度、溶湯の回
転流れに乗った周方向の移動と、遠心力の作用による周
壁側への移動とを生じる。
【0009】すなわち、脱流剤は、溶湯の回転流れに乗
った周方向の移動に伴って、中央側と周壁側との間を交
互に移動する。これによって、脱硫剤が溶湯の液面全体
にわたってより広く分布した状態、すなわち、脱硫剤と
溶湯との接触面積がより広い状態を維持して脱硫処理が
継続されるので、反応処理効率が向上する。なお、上記
の掻き寄せ手段を、攪拌翼が下端に設けられた回転軸と
一体的に回転するようにこの回転軸に連結した構成(請
求項2)とした場合には、この掻き寄せ手段は攪拌翼と
同一の回転速度で周壁側を回転する。このとき、攪拌翼
によって付与される溶湯の回転流れは周壁側では低速で
あることから、この流れに乗って周壁側を移動する脱硫
剤は、掻き寄せ手段に後追いされて案内面に衝突し、案
内面に沿って中央側へ案内される。
った周方向の移動に伴って、中央側と周壁側との間を交
互に移動する。これによって、脱硫剤が溶湯の液面全体
にわたってより広く分布した状態、すなわち、脱硫剤と
溶湯との接触面積がより広い状態を維持して脱硫処理が
継続されるので、反応処理効率が向上する。なお、上記
の掻き寄せ手段を、攪拌翼が下端に設けられた回転軸と
一体的に回転するようにこの回転軸に連結した構成(請
求項2)とした場合には、この掻き寄せ手段は攪拌翼と
同一の回転速度で周壁側を回転する。このとき、攪拌翼
によって付与される溶湯の回転流れは周壁側では低速で
あることから、この流れに乗って周壁側を移動する脱硫
剤は、掻き寄せ手段に後追いされて案内面に衝突し、案
内面に沿って中央側へ案内される。
【0010】そして、案内面の内側端を外れた位置で液
面上への広がりを生じることになるが、この案内面の内
側端、すなわち、周壁側で掻き寄せた脱硫剤の中央部へ
の供給位置が、掻き寄せ手段の回転に伴って周方向に逐
次変化するので、このような供給位置が一定で保持され
るような構成に比べ、脱硫剤の液面上での全体的な広が
りがより大きくなり、これによって、さらに良好な処理
効率を得ることができる。
面上への広がりを生じることになるが、この案内面の内
側端、すなわち、周壁側で掻き寄せた脱硫剤の中央部へ
の供給位置が、掻き寄せ手段の回転に伴って周方向に逐
次変化するので、このような供給位置が一定で保持され
るような構成に比べ、脱硫剤の液面上での全体的な広が
りがより大きくなり、これによって、さらに良好な処理
効率を得ることができる。
【0011】一方、掻き寄せ手段を攪拌翼の回転速度と
は異なる速度で溶湯の液面に沿って回転させる回転駆動
機構を設けて構成してもよい(請求項3)。この場合、
例えば攪拌翼を高速回転させて、溶湯の中央部に前述し
た従来装置と同様に渦流を形成し、これへの脱硫剤の巻
き込みを生じさせることで、脱硫効率をさらに向上させ
ることができる。そして、この場合に、周壁側での掻き
寄せ手段の回転を低速とすることで、例えば溶湯の液面
高さが変動して掻き寄せ手段の下端が液面中にわずかに
沈んだ状態が生じても、溶湯の飛散を生じさせることな
く処理を継続することができ、また、溶湯との接触によ
る掻き寄せ手段の損耗度合いも低減されて寿命が向上す
る。ひいては、溶湯の液面高さに応じた掻き寄せ手段の
高さ位置調整をそれほど厳密に行う必要がないので、作
業性が向上する。
は異なる速度で溶湯の液面に沿って回転させる回転駆動
機構を設けて構成してもよい(請求項3)。この場合、
例えば攪拌翼を高速回転させて、溶湯の中央部に前述し
た従来装置と同様に渦流を形成し、これへの脱硫剤の巻
き込みを生じさせることで、脱硫効率をさらに向上させ
ることができる。そして、この場合に、周壁側での掻き
寄せ手段の回転を低速とすることで、例えば溶湯の液面
高さが変動して掻き寄せ手段の下端が液面中にわずかに
沈んだ状態が生じても、溶湯の飛散を生じさせることな
く処理を継続することができ、また、溶湯との接触によ
る掻き寄せ手段の損耗度合いも低減されて寿命が向上す
る。ひいては、溶湯の液面高さに応じた掻き寄せ手段の
高さ位置調整をそれほど厳密に行う必要がないので、作
業性が向上する。
【0012】さらに、掻き寄せ手段を溶湯の液面上に静
止させた状態で保持する静止保持手段を設けて構成する
こと(請求項4)も可能であり、この場合には、上記し
た周壁側での溶湯の飛散のおそれがさらに低減され、し
かも、全体の構成が簡単になる。
止させた状態で保持する静止保持手段を設けて構成する
こと(請求項4)も可能であり、この場合には、上記し
た周壁側での溶湯の飛散のおそれがさらに低減され、し
かも、全体の構成が簡単になる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態につい
て、図1を参照して説明する。本実施形態における溶湯
攪拌装置は、同図(a) に示すように、上方から垂下する
回転軸1と、この回転軸1の下端に固定された攪拌翼2
とを備えている。回転軸1には、攪拌翼2よりも上方の
位置で、水平方向に延びる棒状のアーム3がさらに固定
され、このアーム3における先端側(図において左端
側)に、下方に垂下する棒状の支軸4が連結されてい
る。この支軸4の下端に、平板状の掻き寄せ治具(掻き
寄せ手段)5が設けられている。
て、図1を参照して説明する。本実施形態における溶湯
攪拌装置は、同図(a) に示すように、上方から垂下する
回転軸1と、この回転軸1の下端に固定された攪拌翼2
とを備えている。回転軸1には、攪拌翼2よりも上方の
位置で、水平方向に延びる棒状のアーム3がさらに固定
され、このアーム3における先端側(図において左端
側)に、下方に垂下する棒状の支軸4が連結されてい
る。この支軸4の下端に、平板状の掻き寄せ治具(掻き
寄せ手段)5が設けられている。
【0014】回転軸1の上方には、図示してはいない
が、これを回転駆動する回転駆動機構と、上下に昇降さ
せる昇降機構とが設けられており、取鍋(溶湯鍋)6に
所定量収容された鋳鉄溶湯7の例えば脱硫処理を行う場
合、回転軸1の下方に移動されてきた取鍋6内へと回転
軸1が下降され、これによって、同図に示すように、攪
拌翼2が取鍋6内の溶湯7の液面7a中央に、所定の浸漬
深さで挿入される。このとき、前記掻き寄せ治具5は、
その下端面が溶湯7の液面7aに近接して位置するよう
に、高さ調整されて回転軸1に連結されている。
が、これを回転駆動する回転駆動機構と、上下に昇降さ
せる昇降機構とが設けられており、取鍋(溶湯鍋)6に
所定量収容された鋳鉄溶湯7の例えば脱硫処理を行う場
合、回転軸1の下方に移動されてきた取鍋6内へと回転
軸1が下降され、これによって、同図に示すように、攪
拌翼2が取鍋6内の溶湯7の液面7a中央に、所定の浸漬
深さで挿入される。このとき、前記掻き寄せ治具5は、
その下端面が溶湯7の液面7aに近接して位置するよう
に、高さ調整されて回転軸1に連結されている。
【0015】攪拌翼2は、その幅寸法を、取鍋6におけ
るテーパ状内壁面の平均内径(例えば800 mm)の1/3 以
下に設定して形成されている。一方、掻き寄せ治具5
は、その幅方向の寸法が上記した取鍋6の平均内径の約
1/3 であり、また、高さ方向の寸法は50〜200mm であ
る。これは、鋼材を芯金としてAl2O3 系耐火物などによ
り厚さ50mm以上として形成されている。
るテーパ状内壁面の平均内径(例えば800 mm)の1/3 以
下に設定して形成されている。一方、掻き寄せ治具5
は、その幅方向の寸法が上記した取鍋6の平均内径の約
1/3 であり、また、高さ方向の寸法は50〜200mm であ
る。これは、鋼材を芯金としてAl2O3 系耐火物などによ
り厚さ50mm以上として形成されている。
【0016】攪拌翼2と取鍋6の壁面との間に位置する
この掻き寄せ治具5は、さらに、その外方端5aが取鍋6
の内面に極力近接して位置するように、径方向の位置が
定められている。なお、掻き寄せ治具5のこのような径
方向の位置調整、および前記高さ調整を行うために、ア
ーム3と支軸4との連結箇所には、各々の軸方向に沿っ
て複数の貫通穴3a…・4a…がそれぞれ形成され、これら
を適当に選択して締結ボルト8を挿通し固定することに
よって、上記のような径方向の位置および高さ調整が行
われる。
この掻き寄せ治具5は、さらに、その外方端5aが取鍋6
の内面に極力近接して位置するように、径方向の位置が
定められている。なお、掻き寄せ治具5のこのような径
方向の位置調整、および前記高さ調整を行うために、ア
ーム3と支軸4との連結箇所には、各々の軸方向に沿っ
て複数の貫通穴3a…・4a…がそれぞれ形成され、これら
を適当に選択して締結ボルト8を挿通し固定することに
よって、上記のような径方向の位置および高さ調整が行
われる。
【0017】さらに、上記の掻き寄せ治具5は、同図
(b) に示すように、その内方端5bにおける厚さ方向の中
心位置と、回転軸1の軸芯とを通る中心線LC に対し、
例えば5〜60度の範囲で設定された角度αで傾斜するよ
うに、アーム3における先端側の折曲部に平行に連結さ
れている。その傾斜方向は、図中矢印Yで示す攪拌翼2
の回転方向と同方向である。すなわち、攪拌翼2が矢印
Y方向に回転することによって生じる溶湯7の同方向の
回転流れに対し、外方端5aが内方端5bよりも回転方向前
方に位置するように傾斜させて取付けられている。
(b) に示すように、その内方端5bにおける厚さ方向の中
心位置と、回転軸1の軸芯とを通る中心線LC に対し、
例えば5〜60度の範囲で設定された角度αで傾斜するよ
うに、アーム3における先端側の折曲部に平行に連結さ
れている。その傾斜方向は、図中矢印Yで示す攪拌翼2
の回転方向と同方向である。すなわち、攪拌翼2が矢印
Y方向に回転することによって生じる溶湯7の同方向の
回転流れに対し、外方端5aが内方端5bよりも回転方向前
方に位置するように傾斜させて取付けられている。
【0018】上記構成の溶湯攪拌装置を用いて鋳鉄溶湯
7の脱硫処理を行う場合、取鍋6内に例えばソーダ灰や
CaC2、CaOなどの脱硫剤を所定量添加し、その後、回転
軸1を下降させて、攪拌翼2と掻き寄せ治具5とを同図
(a) に示すように位置させ、次いで、回転軸1を所定の
回転速度で5〜10分間回転させる操作が行われる。この
操作により、まず攪拌翼2によって、溶湯7の全体に、
中央部ほど高速の回転流れが生じる。このとき、溶湯7
の液面7a上に浮遊する添加浮遊物としての脱硫剤も、溶
湯7の回転流れに乗って周方向に移動するが、この周方
向の移動に伴う遠心力の作用により、同図(a) 中に示す
ように、脱硫剤9は中央から外側に向かう方向に次第に
押しやられることになる。
7の脱硫処理を行う場合、取鍋6内に例えばソーダ灰や
CaC2、CaOなどの脱硫剤を所定量添加し、その後、回転
軸1を下降させて、攪拌翼2と掻き寄せ治具5とを同図
(a) に示すように位置させ、次いで、回転軸1を所定の
回転速度で5〜10分間回転させる操作が行われる。この
操作により、まず攪拌翼2によって、溶湯7の全体に、
中央部ほど高速の回転流れが生じる。このとき、溶湯7
の液面7a上に浮遊する添加浮遊物としての脱硫剤も、溶
湯7の回転流れに乗って周方向に移動するが、この周方
向の移動に伴う遠心力の作用により、同図(a) 中に示す
ように、脱硫剤9は中央から外側に向かう方向に次第に
押しやられることになる。
【0019】一方、取鍋6の周壁側では、前記掻き寄せ
治具5が、その下端面を溶湯7の液面7aに近接させて攪
拌翼2と同一の回転速度で回転している。このため、上
記のように外側に押しやられて浮遊する脱硫剤9は、こ
れが溶湯7の回転流れに乗って掻き寄せ治具5と同方向
に移動しているとしても、その移動速度は周壁側に向か
う程遅く、したがって、相対速度差によって、同図(b)
に示すように、掻き寄せ治具5における回転方向前面
(以下、案内面という)5cの外方端5a側に衝突する。
治具5が、その下端面を溶湯7の液面7aに近接させて攪
拌翼2と同一の回転速度で回転している。このため、上
記のように外側に押しやられて浮遊する脱硫剤9は、こ
れが溶湯7の回転流れに乗って掻き寄せ治具5と同方向
に移動しているとしても、その移動速度は周壁側に向か
う程遅く、したがって、相対速度差によって、同図(b)
に示すように、掻き寄せ治具5における回転方向前面
(以下、案内面という)5cの外方端5a側に衝突する。
【0020】このように案内面5cに衝突した脱硫剤9
は、この案内面5cが溶湯7の回転流れに対して前記のよ
うに傾斜していることから、図中破線矢印で示すよう
に、この案内面5cに沿って内方端5b側、すなわち、取鍋
6の中央に向かって移動する。そして、内方端5bよりも
内側まで移動して案内面5cから外れた脱硫剤9は、中央
部領域での溶湯7の回転流れに乗った浮遊状態となり、
この状態では、再度、遠心力による外方への移動動作も
生じる結果、溶湯7の液面に広く分散しながら全体とし
ては外方へと次第に押しやられることになる。
は、この案内面5cが溶湯7の回転流れに対して前記のよ
うに傾斜していることから、図中破線矢印で示すよう
に、この案内面5cに沿って内方端5b側、すなわち、取鍋
6の中央に向かって移動する。そして、内方端5bよりも
内側まで移動して案内面5cから外れた脱硫剤9は、中央
部領域での溶湯7の回転流れに乗った浮遊状態となり、
この状態では、再度、遠心力による外方への移動動作も
生じる結果、溶湯7の液面に広く分散しながら全体とし
ては外方へと次第に押しやられることになる。
【0021】したがって、攪拌翼2の回転を継続してい
る間、溶湯7の液面7aに浮遊する脱硫剤9は、溶湯7の
回転流れに乗った周方向の移動と共に、外側への移動と
内側への移動とが交互に生じる。すなわち、脱硫剤9
は、取鍋6の周壁側に偏在したままの状態になることは
なく、溶湯7の液面7aが脱硫剤9でより広く覆われた状
態が、この脱硫処理期間を通じて維持される。
る間、溶湯7の液面7aに浮遊する脱硫剤9は、溶湯7の
回転流れに乗った周方向の移動と共に、外側への移動と
内側への移動とが交互に生じる。すなわち、脱硫剤9
は、取鍋6の周壁側に偏在したままの状態になることは
なく、溶湯7の液面7aが脱硫剤9でより広く覆われた状
態が、この脱硫処理期間を通じて維持される。
【0022】この結果、溶湯7と脱硫剤9とのより広い
面積にわたる接触状態が、この処理期間を通じて溶湯7
の液面7aに確保されるので、溶湯7と脱硫剤9との反応
が速やかに進行し、これによって、より短時間で効率的
な脱硫処理が行われる。特に本実施形態では、掻き寄せ
治具5は回転軸1と一体的に周方向に回転するので、案
内面5cの内側端、すなわち、周壁側で掻き寄せた脱硫剤
9の中央部への供給位置が周方向に逐次変化し、これに
よって、例えば供給位置が一定となるような構成に比
べ、脱硫剤9の液面7a上での全体的な広がりがより大き
くなり、これによって、さらに脱硫効率が向上したもの
となる。
面積にわたる接触状態が、この処理期間を通じて溶湯7
の液面7aに確保されるので、溶湯7と脱硫剤9との反応
が速やかに進行し、これによって、より短時間で効率的
な脱硫処理が行われる。特に本実施形態では、掻き寄せ
治具5は回転軸1と一体的に周方向に回転するので、案
内面5cの内側端、すなわち、周壁側で掻き寄せた脱硫剤
9の中央部への供給位置が周方向に逐次変化し、これに
よって、例えば供給位置が一定となるような構成に比
べ、脱硫剤9の液面7a上での全体的な広がりがより大き
くなり、これによって、さらに脱硫効率が向上したもの
となる。
【0023】なお、前述した従来装置においては、液面
中央部がくぼんだ渦流を形成するために、攪拌翼を高速
で回転することが必要であったが、本実施形態の装置で
は、溶湯7の液面7aで接触面積の広い状態を維持して脱
硫処理が進行する結果、上記のような渦流を中央部に形
成しなくとも、攪拌翼2の回転速度を比較的遅くした操
作で良好な脱硫効率を得ることができる。
中央部がくぼんだ渦流を形成するために、攪拌翼を高速
で回転することが必要であったが、本実施形態の装置で
は、溶湯7の液面7aで接触面積の広い状態を維持して脱
硫処理が進行する結果、上記のような渦流を中央部に形
成しなくとも、攪拌翼2の回転速度を比較的遅くした操
作で良好な脱硫効率を得ることができる。
【0024】これによって、攪拌翼2の高速回転に伴う
溶湯7の飛散が抑えられ、また、攪拌翼2の溶湯7中で
の回転に伴う損耗量も低減し、寿命が向上する。また、
取鍋6の内壁面に接している部分の溶湯7の流動速度も
遅くなる結果、この壁面の損耗量も低減し、この取鍋6
の寿命も向上する。もっとも、攪拌翼2については、高
速回転に伴う溶湯7の飛散が生じないように幅方向の寸
法をより小さくしたうえで、液面7aの中央部に渦流を形
成するように攪拌翼2を高速回転させる操作を行えば、
渦流部分での脱硫剤9と溶湯7との混合攪拌が加わるこ
とによって、脱硫効率はさらに向上する。
溶湯7の飛散が抑えられ、また、攪拌翼2の溶湯7中で
の回転に伴う損耗量も低減し、寿命が向上する。また、
取鍋6の内壁面に接している部分の溶湯7の流動速度も
遅くなる結果、この壁面の損耗量も低減し、この取鍋6
の寿命も向上する。もっとも、攪拌翼2については、高
速回転に伴う溶湯7の飛散が生じないように幅方向の寸
法をより小さくしたうえで、液面7aの中央部に渦流を形
成するように攪拌翼2を高速回転させる操作を行えば、
渦流部分での脱硫剤9と溶湯7との混合攪拌が加わるこ
とによって、脱硫効率はさらに向上する。
【0025】この場合に、掻き寄せ治具5の回転速度は
攪拌翼2とは独立に低速で回転駆動し得るように構成す
ることが望ましい。すなわち、掻き寄せ治具5は、その
下端面が溶湯7の液面7aにできるだけ近接した高さ位
置、好ましくは液面7aに接する高さ位置に位置調整され
るが、この場合に、取鍋6への溶湯7の注湯量が変動
し、これによって、掻き寄せ治具5の下端が溶湯7の液
面7a中にわずかでも沈んだ状態になると、この掻き寄せ
治具5の高速回転に伴ってこの部分で溶湯の飛散を生じ
ることになる。
攪拌翼2とは独立に低速で回転駆動し得るように構成す
ることが望ましい。すなわち、掻き寄せ治具5は、その
下端面が溶湯7の液面7aにできるだけ近接した高さ位
置、好ましくは液面7aに接する高さ位置に位置調整され
るが、この場合に、取鍋6への溶湯7の注湯量が変動
し、これによって、掻き寄せ治具5の下端が溶湯7の液
面7a中にわずかでも沈んだ状態になると、この掻き寄せ
治具5の高速回転に伴ってこの部分で溶湯の飛散を生じ
ることになる。
【0026】したがって、掻き寄せ治具5を、攪拌翼2
とは独立に低速で回転駆動することが望ましく、これ
は、例えば、前記回転軸1が内部を貫通する外筒を上方
からの垂下状に設け、この外筒の下端部にアーム3を固
定すると共に、外筒に、これを回転軸1とは独立に低速
で回転駆動する回転駆動機構を接続して構成することが
できる。
とは独立に低速で回転駆動することが望ましく、これ
は、例えば、前記回転軸1が内部を貫通する外筒を上方
からの垂下状に設け、この外筒の下端部にアーム3を固
定すると共に、外筒に、これを回転軸1とは独立に低速
で回転駆動する回転駆動機構を接続して構成することが
できる。
【0027】このような構成の装置で脱硫処理を行え
ば、より良好な脱硫効率を得ることができると共に、掻
き寄せ治具5を攪拌翼2とは独立に低速回転すること
で、この掻き寄せ治具5の回転に伴う溶湯7の飛散が防
止され、また、この掻き寄せ治具5の溶湯7との接触に
よる損耗度合いも低減されて寿命が向上する。さらに、
溶湯7の液面高さに応じた掻き寄せ治具5の高さ位置調
整をそれほど厳密に行う必要がないので、作業性が向上
する。
ば、より良好な脱硫効率を得ることができると共に、掻
き寄せ治具5を攪拌翼2とは独立に低速回転すること
で、この掻き寄せ治具5の回転に伴う溶湯7の飛散が防
止され、また、この掻き寄せ治具5の溶湯7との接触に
よる損耗度合いも低減されて寿命が向上する。さらに、
溶湯7の液面高さに応じた掻き寄せ治具5の高さ位置調
整をそれほど厳密に行う必要がないので、作業性が向上
する。
【0028】図2(a)(b)には、本発明のさらに他の実施
形態における溶湯攪拌装置を示している。この実施形態
では、取鍋6の上端面にアーム3の一端が固定され、こ
の固定端から内側に延びるアーム3の先端部分に、掻き
寄せ治具5の支軸4の上端側が、締結ボルト8によって
固定されている。したがって、掻き寄せ治具5は、この
実施形態において静止保持手段を構成するアーム3およ
び支軸4によって、溶湯7の液面7a上に静止状態で保持
されるようになっている。なお、その他の構成は、図1
を参照して説明した前記実施形態の装置と同様であるの
で、同一番号を付して説明を省略する。
形態における溶湯攪拌装置を示している。この実施形態
では、取鍋6の上端面にアーム3の一端が固定され、こ
の固定端から内側に延びるアーム3の先端部分に、掻き
寄せ治具5の支軸4の上端側が、締結ボルト8によって
固定されている。したがって、掻き寄せ治具5は、この
実施形態において静止保持手段を構成するアーム3およ
び支軸4によって、溶湯7の液面7a上に静止状態で保持
されるようになっている。なお、その他の構成は、図1
を参照して説明した前記実施形態の装置と同様であるの
で、同一番号を付して説明を省略する。
【0029】なお、本実施形態における掻き寄せ治具5
の形状や材質も前記実施形態とほぼ同様で、具体的な形
状寸法を例示すれば、取鍋6の平均内径を800 mmとし
て、掻き寄せ治具5の幅寸法は上記平均内径のほぼ1/3
、高さ寸法は50〜200mm で、厚さは50mm以上である。
この掻き寄せ治具5も、図2(b) に示すように、外方端
5aを取鍋6の内壁に所定の距離まで近接させ、内方端5b
が外方端5aよりも内側に位置するように傾斜して配設さ
れている。その傾斜方向は、外方端5aよりも内方端5bの
方が、攪拌翼2の回転方向Yに沿って前方に位置するよ
うに、前記実施形態とは逆向きに傾斜させて取付けられ
ている。この傾斜角(外方端5aにおける厚さ方向の中心
と、回転軸1の軸芯とを結ぶ中心線LC からの角度)α
は、本実施形態では20〜70度の範囲とされている。な
お、この傾斜角αは、例えば溶湯7の温度等に応じて設
定される。すなわち、掻き寄せ治具5の案内面5aに沿う
浮遊脱硫剤9の移動し易さに、温度によって変化する溶
湯7の粘度が大きく影響することから、この移動が極力
スムーズに生じるような角度を予め求めて設定される。
の形状や材質も前記実施形態とほぼ同様で、具体的な形
状寸法を例示すれば、取鍋6の平均内径を800 mmとし
て、掻き寄せ治具5の幅寸法は上記平均内径のほぼ1/3
、高さ寸法は50〜200mm で、厚さは50mm以上である。
この掻き寄せ治具5も、図2(b) に示すように、外方端
5aを取鍋6の内壁に所定の距離まで近接させ、内方端5b
が外方端5aよりも内側に位置するように傾斜して配設さ
れている。その傾斜方向は、外方端5aよりも内方端5bの
方が、攪拌翼2の回転方向Yに沿って前方に位置するよ
うに、前記実施形態とは逆向きに傾斜させて取付けられ
ている。この傾斜角(外方端5aにおける厚さ方向の中心
と、回転軸1の軸芯とを結ぶ中心線LC からの角度)α
は、本実施形態では20〜70度の範囲とされている。な
お、この傾斜角αは、例えば溶湯7の温度等に応じて設
定される。すなわち、掻き寄せ治具5の案内面5aに沿う
浮遊脱硫剤9の移動し易さに、温度によって変化する溶
湯7の粘度が大きく影響することから、この移動が極力
スムーズに生じるような角度を予め求めて設定される。
【0030】本実施形態においては、攪拌翼2の回転に
伴って溶湯7全体に前記同様に回転流れが生じ、そし
て、この流れに乗って浮遊する脱硫剤9のうち、次第に
外側へと押しやられて取鍋6の周壁面に沿って周方向に
移動する脱硫剤9は、その周方向の移動の途中で掻き寄
せ治具5の外方端5a側に衝突する。そして、溶湯7の回
転流れに乗り、かつ、傾斜した案内面5cで案内されて、
この案内面5cの内方端5a側へ移動する。
伴って溶湯7全体に前記同様に回転流れが生じ、そし
て、この流れに乗って浮遊する脱硫剤9のうち、次第に
外側へと押しやられて取鍋6の周壁面に沿って周方向に
移動する脱硫剤9は、その周方向の移動の途中で掻き寄
せ治具5の外方端5a側に衝突する。そして、溶湯7の回
転流れに乗り、かつ、傾斜した案内面5cで案内されて、
この案内面5cの内方端5a側へ移動する。
【0031】これにより、前記実施形態と同様に、一旦
外側へと押しやられた脱硫剤9も中央領域へと再度戻さ
れ、このような内外方向の移動が周方向の移動と共に繰
返される結果、溶湯7の液面7aの全体にわたって、脱硫
剤9との接触面積がより広い状態が維持される。これに
よって脱硫効率が向上し、処理時間をより短時間とする
ことができる。
外側へと押しやられた脱硫剤9も中央領域へと再度戻さ
れ、このような内外方向の移動が周方向の移動と共に繰
返される結果、溶湯7の液面7aの全体にわたって、脱硫
剤9との接触面積がより広い状態が維持される。これに
よって脱硫効率が向上し、処理時間をより短時間とする
ことができる。
【0032】このように、掻き寄せ治具5を静止状態で
設けた構成でも、攪拌翼2によって付与される溶湯7の
回転流れに乗って周方向に移動する脱硫剤9には、その
周方向の移動力が、案内面5cに沿って外側から内側へと
移動させるように作用する。この場合には、掻き寄せ治
具5による溶湯7の飛散はさらに低減され、また、この
掻き寄せ治具5を回転する構成とする必要がないので、
全体の構成が簡単になる。
設けた構成でも、攪拌翼2によって付与される溶湯7の
回転流れに乗って周方向に移動する脱硫剤9には、その
周方向の移動力が、案内面5cに沿って外側から内側へと
移動させるように作用する。この場合には、掻き寄せ治
具5による溶湯7の飛散はさらに低減され、また、この
掻き寄せ治具5を回転する構成とする必要がないので、
全体の構成が簡単になる。
【0033】なお、上記各実施形態は本発明を限定する
ものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能であ
る。例えば上記各実施形態では、それぞれ、一枚の掻き
寄せ治具5を設けて構成した例を挙げたが、例えば最大
4枚程度まで、それぞれ周方向に複数の掻き寄せ治具を
設けて構成することが可能である。特に、掻き寄せ治具
5を静止状態で保持した第2実施形態の構成では、掻き
寄せ治具5における案内面5cの裏側の領域(図2(b)中、
Dで示す領域)に、脱硫剤9が存在しない、いわゆる陰
の領域が形成されたままになる。したがって、この場合
には、幅寸法を短くした掻き寄せ治具5を周方向に複数
設け、また、各掻き寄せ治具の径方向の位置を相互に異
ならせるような取付け等とすることで、陰の領域を極力
少なくして脱硫剤9の分布パターンがより広がるように
構成することができ、これによって、脱硫効率をより向
上することができる。
ものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能であ
る。例えば上記各実施形態では、それぞれ、一枚の掻き
寄せ治具5を設けて構成した例を挙げたが、例えば最大
4枚程度まで、それぞれ周方向に複数の掻き寄せ治具を
設けて構成することが可能である。特に、掻き寄せ治具
5を静止状態で保持した第2実施形態の構成では、掻き
寄せ治具5における案内面5cの裏側の領域(図2(b)中、
Dで示す領域)に、脱硫剤9が存在しない、いわゆる陰
の領域が形成されたままになる。したがって、この場合
には、幅寸法を短くした掻き寄せ治具5を周方向に複数
設け、また、各掻き寄せ治具の径方向の位置を相互に異
ならせるような取付け等とすることで、陰の領域を極力
少なくして脱硫剤9の分布パターンがより広がるように
構成することができ、これによって、脱硫効率をより向
上することができる。
【0034】さらに、上記第2実施形態では、掻き寄せ
治具5を取鍋6の上端面に固定した構成を挙げて説明し
たが、攪拌翼2の回転軸1の側方を、この軸1に平行に
上方から垂下する支持軸を設け、これの下端に掻き寄せ
治具を設けるなどのその他の構成とすることが可能であ
る。また、上記各実施形態では、鋳鉄溶湯の脱硫処理を
例に挙げて説明したが、例えば加炭処理や、さらには、
鉄系金属以外の金属溶湯に比重の軽い反応剤を添加して
行うその他の精錬処理などに本発明の溶湯攪拌装置を使
用することができる。
治具5を取鍋6の上端面に固定した構成を挙げて説明し
たが、攪拌翼2の回転軸1の側方を、この軸1に平行に
上方から垂下する支持軸を設け、これの下端に掻き寄せ
治具を設けるなどのその他の構成とすることが可能であ
る。また、上記各実施形態では、鋳鉄溶湯の脱硫処理を
例に挙げて説明したが、例えば加炭処理や、さらには、
鉄系金属以外の金属溶湯に比重の軽い反応剤を添加して
行うその他の精錬処理などに本発明の溶湯攪拌装置を使
用することができる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明の溶湯攪拌装置に
おいては、金属溶湯のほぼ中央で回転駆動される攪拌翼
と共に、溶湯の液面上の浮遊物を溶湯鍋の壁面側から中
央側へと案内する掻き寄せ手段が設けられているので、
例えば鋳鉄溶湯の脱硫処理を行う場合の脱硫剤などの反
応浮遊物は、溶湯の回転流れに乗った周方向の移動と共
に、中央側と周壁側との間を交互に移動することにな
る。これによって、反応物と溶湯との接触面積を溶湯の
液面全体にわたってより広い状態を維持して処理を継続
することができるので、反応処理効率が向上する(請求
項1)。
おいては、金属溶湯のほぼ中央で回転駆動される攪拌翼
と共に、溶湯の液面上の浮遊物を溶湯鍋の壁面側から中
央側へと案内する掻き寄せ手段が設けられているので、
例えば鋳鉄溶湯の脱硫処理を行う場合の脱硫剤などの反
応浮遊物は、溶湯の回転流れに乗った周方向の移動と共
に、中央側と周壁側との間を交互に移動することにな
る。これによって、反応物と溶湯との接触面積を溶湯の
液面全体にわたってより広い状態を維持して処理を継続
することができるので、反応処理効率が向上する(請求
項1)。
【0036】また、上記の掻き寄せ手段が攪拌翼の回転
軸に連結されて攪拌翼と一体的に回転する構成であれ
ば、周壁側から中央へと案内されて液面上に広がり始め
る位置がさらに周方向に逐次変化するので、液面上での
反応剤の分散領域がより広くなり、これによって、さら
に良好な処理効率を得ることができる(請求項2)。一
方、掻き寄せ手段専用の回転駆動機構を設け、例えば攪
拌翼を高速回転させて溶湯の中央部に渦流を形成すると
共に、掻き寄せ手段を低速で回転させることで、渦流へ
の反応剤の巻き込みでさらに処理効率を向上することが
でき、しかも、周壁側での掻き寄せ手段の回転に伴う溶
湯の飛散を防止でき、また、溶湯との接触による損耗度
合いも低減されて、寿命を向上することができる。ひい
ては、溶湯の液面高さに応じた掻き寄せ手段の高さ位置
調整をそれほど厳密に行う必要がないので、作業性が向
上する(請求項3)。
軸に連結されて攪拌翼と一体的に回転する構成であれ
ば、周壁側から中央へと案内されて液面上に広がり始め
る位置がさらに周方向に逐次変化するので、液面上での
反応剤の分散領域がより広くなり、これによって、さら
に良好な処理効率を得ることができる(請求項2)。一
方、掻き寄せ手段専用の回転駆動機構を設け、例えば攪
拌翼を高速回転させて溶湯の中央部に渦流を形成すると
共に、掻き寄せ手段を低速で回転させることで、渦流へ
の反応剤の巻き込みでさらに処理効率を向上することが
でき、しかも、周壁側での掻き寄せ手段の回転に伴う溶
湯の飛散を防止でき、また、溶湯との接触による損耗度
合いも低減されて、寿命を向上することができる。ひい
ては、溶湯の液面高さに応じた掻き寄せ手段の高さ位置
調整をそれほど厳密に行う必要がないので、作業性が向
上する(請求項3)。
【0037】また、掻き寄せ手段を溶湯の液面上に静止
させた状態で保持する構成でも、攪拌翼による溶湯の回
転流れに乗った反応浮遊物の周方向の移動力を利用し
て、これを周壁側から中央へと移動させることが可能で
あり、この場合には、上記した周壁側での溶湯の飛散の
おそれがさらに低減され、しかも、全体の構成をより簡
素なものとすることができる(請求項4)。
させた状態で保持する構成でも、攪拌翼による溶湯の回
転流れに乗った反応浮遊物の周方向の移動力を利用し
て、これを周壁側から中央へと移動させることが可能で
あり、この場合には、上記した周壁側での溶湯の飛散の
おそれがさらに低減され、しかも、全体の構成をより簡
素なものとすることができる(請求項4)。
【図1】本発明の一実施形態における溶湯攪拌装置を示
すもので、同図(a) は要部縦断面図、同図(b) は要部平
面図である。
すもので、同図(a) は要部縦断面図、同図(b) は要部平
面図である。
【図2】本発明の他の実施形態における溶湯攪拌装置を
示すもので、同図(a) は要部縦断面図、同図(b) は要部
平面図である。
示すもので、同図(a) は要部縦断面図、同図(b) は要部
平面図である。
【図3】従来の溶湯攪拌装置の全体構成を示す概略図で
ある。
ある。
1 回転軸 2 攪拌翼 3 アーム 4 支軸 5 掻き寄せ治具(掻き寄せ手段) 5c 案内面 6 取鍋(溶湯鍋) 7 溶湯 9 脱硫剤又は加炭剤(添加浮遊物)
Claims (4)
- 【請求項1】 金属溶湯が収容される溶湯鍋の壁面と、
溶湯を回転攪拌するために溶湯鍋のほぼ中央で回転駆動
される攪拌翼との間に、溶湯液面への添加浮遊物を溶湯
鍋の壁面側から中央側へと案内すべく溶湯の回転流れに
対して斜めに傾斜した案内面を溶湯の液面上に備える掻
き寄せ手段が設けられていることを特徴とする溶湯攪拌
装置。 - 【請求項2】 上記掻き寄せ手段は、攪拌翼が下端に設
けられた回転軸と一体的に回転するようにこの回転軸に
連結されていることを特徴とする請求項1記載の溶湯攪
拌装置。 - 【請求項3】 上記掻き寄せ手段を攪拌翼の回転速度と
は異なる速度で溶湯の液面に沿って回転させる回転駆動
機構が設けられていることを特徴とする請求項1記載の
溶湯攪拌装置。 - 【請求項4】 上記掻き寄せ手段を溶湯の液面上に静止
させた状態で保持する静止保持手段が設けられているこ
とを特徴とする請求項1記載の溶湯攪拌装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30827596A JPH10147810A (ja) | 1996-11-19 | 1996-11-19 | 溶湯攪拌装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30827596A JPH10147810A (ja) | 1996-11-19 | 1996-11-19 | 溶湯攪拌装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10147810A true JPH10147810A (ja) | 1998-06-02 |
Family
ID=17979073
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30827596A Pending JPH10147810A (ja) | 1996-11-19 | 1996-11-19 | 溶湯攪拌装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10147810A (ja) |
-
1996
- 1996-11-19 JP JP30827596A patent/JPH10147810A/ja active Pending
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