JP2011042815A - 溶銑の脱硫方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インペラーを偏心させることにより、溶銑の回転流に強制的な乱れを発生させながら溶銑を脱硫処理する際に、回転流に十分な強制的乱れを確保しつつ偏心に起因する電動機トルクの負荷を最小限に抑制するべく、インペラー偏心量を最適化すると同時に、溶銑回転流の乱れに応じて脱硫剤の添加位置を最適化し、かくして、添加した脱硫剤を溶銑中に効率良く分散させる。
【解決手段】 精錬容器2に収容された溶銑3にインペラー4を浸漬させ、インペラーの回転軸4aをほぼ鉛直として溶銑中で回転させ、溶銑上の脱硫剤7と溶銑とを攪拌して溶銑を脱硫する際に、前記回転軸を、精錬容器の内径をDとしたとき精錬容器の中心に対して半径方向にD/20未満の範囲で偏心させるとともに、粉状の脱硫剤を、インペラーの偏心方向とは反対側のインペラー羽根外周部を中心とし、半径をD/4とする円形の範囲内に、上置き添加または搬送用ガスとともに上吹き添加する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インペラーを備えた機械攪拌式脱硫装置を用い、インペラーによって攪拌されている溶銑浴面に脱硫剤を添加して溶銑を脱硫する方法に関するものである。
近年の低硫鋼生産量の増加に伴い、溶銑段階での効率的な脱硫処理が必須となっている。溶銑の脱硫処理は、従来から、石灰(CaO)などの固体の石灰系脱硫剤を用いる方法が一般的であり、トピードカーや溶銑鍋などの溶銑搬送容器に収容された溶銑にインジェクションランスを用いて石灰系脱硫剤を吹き込み添加するインジェクション脱硫方法や、溶銑搬送容器内の溶銑にインペラー(「攪拌羽根」または「回転翼」などとも呼ぶ)を浸漬させ、回転するインペラーにより溶銑を攪拌しながら石灰系脱硫剤を上置き添加する機械攪拌式脱硫方法が行われてきた。
ところで、石灰系脱硫剤の主要な構成物である石灰は溶銑に比べて比重が小さく且つ溶銑との濡れ性が悪いため、脱硫剤である石灰が溶銑中に侵入・分散しにくく、反応効率が低いという課題がある。溶銑上で浮遊する石灰は、ほとんど脱硫反応には寄与しない。そこで、インペラーを備えた機械攪拌式脱硫装置で溶銑を脱硫処理するにあたり、溶銑中への石灰の分散を促進させ、脱硫反応効率を向上させる技術が幾つか提案されている。
例えば、特許文献1には、精錬容器内径(d)の1/10〜1/2に相当する幅のインペラー羽根を有するインペラーを溶銑に浸漬させて回転し、溶銑を撹拌する溶銑の脱硫方法において、攪拌強度を高めるべく、インペラーの回転軸を、精錬容器の中心からの距離(L)がd/20以上で、且つ精錬容器内壁にインペラー羽根が接触しない位置までの領域内で偏心させる脱硫方法が開示されている。特許文献1によれば、溶銑の攪拌が乱れて乱流となり、脱硫効率が向上するとしている。
特許文献2には、機械攪拌式脱硫装置を用いた溶銑の脱硫方法において、インペラーによって攪拌されている溶銑の浴面上に、脱硫剤を、上吹きランスを介して搬送用ガスとともに上吹き添加して脱硫処理を行うことが開示されている。特許文献2によれば、反応性に優れる細粒の脱硫剤を搬送用ガスとともに上吹き添加するので、添加時の飛散が少なくなり、脱硫剤の添加歩留まりが向上し、そして、細粒の脱硫剤は、反応界面積が大きく、そのため、脱硫反応が促進され、脱硫率を著しく向上させることができるとしている。
また、特許文献3には、インペラーによる回転攪拌中の溶銑へ成分調整剤を添加するにあたり、溶銑を機械的に攪拌して溶銑の流れを形成するとともに、この流れの中に障害物を設け、該障害物の後方に惹起される乱流中へ成分調整剤を添加する方法が提案されている。特許文献3によれば、障害物の後方には乱流が形成され、この部分に投入された合金類或いは処理剤は溶銑と直ちに混合するとしている。
特開2001−262212号公報 特開2005−179690号公報 特開昭61−223115号公報
しかしながら、上記従来技術には以下の問題点がある。
特許文献1や特許文献3に開示されるように、インペラーを用いた攪拌では、精錬容器内に発生する回転定常流を乱すことによって攪拌が向上するが、インペラーの回転軸を容器径の1/20以上偏心させる特許文献1においては、電動機トルクの負荷の問題や設備の振動といった制約があり、現実的な条件とはいいがたい。また、インペラーを偏心させた場合は回転流が乱れ、この回転流の乱れに応じて脱硫剤の最適添加位置が定まると考えられるが、特許文献1は脱硫剤の最適添加位置を提示していない。また、特許文献3では、旋回する溶銑の多大な力が障害物に負荷され、障害物の寿命は極めて短く、場合によっては数回の脱硫処理で障害物そのものが消失してしまうという問題がある。つまり、障害物に関わるコストが嵩み、却って脱硫処理コストを増大させる恐れがある。
特許文献2では、搬送用ガスとともに脱硫剤を上吹き添加しているが、溶銑の攪拌状況と脱硫剤添加位置との関係が明確でなく、インペラーを偏心させて強制的に回転流に乱れを生じさせた場合の最適添加位置は、特許文献2からは類推できない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、インペラーを備えた機械攪拌式脱硫装置を用い、インペラーを精錬容器の中心に対して偏心させ、溶銑の回転流に強制的な乱れを発生させながら溶銑を脱硫処理するにあたり、溶銑の回転流に十分な強制的乱れを確保しつつ、偏心に起因する電動機トルクの負荷を最小限に抑制するべくインペラーの偏心量を最適化すると同時に、溶銑回転流の乱れに応じて脱硫剤の添加位置を最適化し、かくして、添加した脱硫剤を溶銑中に効率良く分散させ、従来に比べて高い脱硫率で脱硫処理することのできる、溶銑の脱硫方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明に係る溶銑の脱硫方法は、ほぼ円形平断面の鍋型精錬容器に収容された溶銑にインペラーを浸漬させ、該インペラーの回転軸をほぼ鉛直として溶銑中で回転させ、溶銑に添加された脱硫剤と溶銑とを攪拌して溶銑を脱硫する、溶銑の脱硫方法において、前記回転軸を、前記精錬容器の内径をDとしたとき精錬容器の中心に対して半径方向にD/20未満の範囲で偏心させるとともに、粉状の脱硫剤を、インペラーの偏心方向とは反対側のインペラー羽根外周部を中心とし、半径をD/4とする円形の範囲内に、上置き添加または搬送用ガスとともに上吹き添加することを特徴とするものである。
本発明によれば、インペラーの偏心量を精錬容器の内径の1/20未満とするので、電動機トルクの負荷を大幅に増加させることなく、溶銑の回転流に強制的な乱れを生じさせることが可能となり、また、この強制的な乱れに応じた最適な位置で粉状の脱硫剤を添加するので、溶銑回転流の強制的な乱れと最適添加位置との相乗効果により、添加した脱硫剤を溶銑中に効率良く分散させることが達成され、従来に比べて高い脱硫率で脱硫処理することが実現される。その結果、脱硫剤原単位の削減、これに伴う発生スラグ量の削減などが実現され、工業上有益な効果がもたらされる。
本発明で使用した機械攪拌式脱硫装置の概略図である。 回転数とトルクとの関係を、偏心量がゼロ及び0.045×精錬容器内径の2水準で比較して示す図である。 トルクと脱硫率との関係を、偏心量がゼロ及び0.045×精錬容器内径の2水準で比較して示す図である。 脱硫挙動を調査するための脱硫試験における6箇所の脱硫剤の添加位置を示す溶銑鍋の概略平面図である。 脱硫剤の添加位置別の脱硫率を比較して示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、インペラーを有する実機の機械攪拌式脱硫装置を用い、現実的なインペラーの偏心条件を明確化するために、溶銑の脱硫処理時、インペラーの偏心量を変更して脱硫試験を実施した。図1に、脱硫試験で使用した機械攪拌式脱硫装置の概略図を示す。
図1において、高炉から出銑された溶銑3を収容する、平断面をほぼ円形とする鍋型精錬容器としての溶銑鍋2が、台車1に搭載されて機械攪拌式脱硫装置に搬入されている。機械攪拌式脱硫装置は、溶銑鍋2に収容された溶銑3に浸漬・埋没し、旋回して溶銑3を攪拌するための耐火物製のインペラー4を備えており、このインペラー4は、昇降装置(図示せず)によってほぼ鉛直方向に昇降し、且つ、電動機を駆動源とする回転装置(図示せず)によって軸4aを回転軸として旋回するようになっている。尚、インペラー4としては、インペラー羽根を2枚以上有していればよく、インペラー4の外径d、つまりインペラー羽根の幅dは、溶銑鍋2の内径をDとすると、D/5〜D/2であればよい。
また、機械攪拌式脱硫装置には、石灰系脱硫剤7を溶銑鍋2に収容された溶銑3に向けて上吹きして添加するための上吹きランス5が設置されている。上吹きランス5は、粉体状の石灰系脱硫剤7を収容するディスペンサー8とディスペンサー8から定量切り出すための切り出し装置9とからなる供給装置と接続しており、上吹きランス5から、粉体状の石灰系脱硫剤7を搬送用ガスとともに任意のタイミングで供給できる構造になっている。搬送用ガスとしては、還元性のガス、不活性ガスまたは非酸化性のガスを使用する。尚、この機械攪拌式脱硫装置では、石灰系脱硫剤7を上吹きランス5から上吹き添加しているが、本発明は、上吹きランス5からの上吹き添加に限るものではなく、石灰系脱硫剤7を投入シュートから溶銑3に上置き添加して行う場合にも、適用することができる。
溶銑鍋2の上方には、溶銑鍋2を覆う集塵フード6が備えられ、集塵フード6に取り付けられた排気ダクト(図示せず)を介して脱硫処理中の排ガスやダストが集塵機(図示せず)に吸引されるようになっている。この場合、インペラー4の軸4a及び上吹きランス5は、集塵フード6を貫通し且つ上下移動が可能なように構成されている。
このように構成される機械攪拌式脱硫装置における溶銑3の脱硫処理は、次のようにして行われる。即ち、インペラー4の浸漬位置が溶銑鍋2の所定位置になるように、溶銑鍋2を搭載した台車1の位置を調整し、インペラー4を下降させて溶銑3に浸漬させる。インペラー4が溶銑3に浸漬したならば、電動機を駆動させてインペラー4の旋回を開始し、所定の回転数まで昇速する。インペラー4の回転数が所定の回転数に達したならば、切り出し装置9を起動させて、ディスペンサー8に収容された石灰系脱硫剤7を、上吹きランス5を介して溶銑3の浴面に向けて搬送用ガスとともに吹き付けて添加し、脱硫処理する。所定量の石灰系脱硫剤7を添加完了し、そして、所定時間の攪拌が行われたなら、インペラー4の回転を停止させ、インペラー4を上昇させて脱硫処理を終了する。
脱硫試験では、溶銑鍋2の内径Dに対し、インペラー4の軸4aの溶銑鍋2の中心に対する半径方向の偏心量ΔRを0.01×D〜0.20×Dの範囲内で変化させて攪拌し、そのときの前記電動機のトルク及び溶銑3の脱硫挙動などを調査した。石灰系脱硫剤7としては、平均粒径が100μmのCaO−20質量%Al23を使用した。表1に、脱硫処理条件を示す。
Figure 2011042815
インペラー4の偏心量ΔRが0.03×D以上の条件では、インペラー4を溶銑鍋2のほぼ中心位置に配置した従来の場合(「中心位置攪拌」と記す)に比較して、同一回転数におけるトルクが上昇しており、溶銑3の回転流に乱れが発生することが確認できた。
しかしながら、偏心量ΔRが0.05×D以上の範囲では、設備の安全性を保つ基準であるトルク値よりも更に25%以上高くなること、つまり、基準条件である中心位置攪拌の120rpm時のトルクを基準値(=1.0)としたとき、それよりも1.25倍以上のトルクとなることが分かった。また、偏心量ΔRを0.05×D以上とした状態で、インペラー4の回転数を、トルクが中心位置攪拌と同等になるように低下させた場合でも、数チャージに1回の割合で設備の振動が激しくなり、やむなく攪拌を停止する状態であった。観察の結果、これは、偏心によって発生する溶銑3の回転流が楕円形になり、流れのむらが設備と共振することに起因すると考えられた。
これらの結果から、長期的な操業を考えた場合、偏心量ΔRが0.05×D以上では安定的な操業が困難であることが判明し、偏心量ΔRは0.05×D未満とする必要があることが分かった。そこで、偏心量ΔRを0.045×Dの条件として、トルクと回転数、トルクと脱硫挙動との関係を詳細に調査した。
図2に、偏心量ΔRをゼロ(中心位置攪拌)及び0.045×Dとした条件下での、回転数とトルクとの関係を示す。図2に示すように、偏心攪拌では中心位置攪拌に比較して同一回転数でのトルクが高く、回転数依存性も異なる。また、図3に、偏心量ΔRをゼロ(中心位置攪拌)及び0.045×Dとした条件下での、トルクと脱硫率との関係を示す。ここで脱硫率とは、処理前溶銑中硫黄濃度と処理後溶銑中硫黄濃度との差の処理前溶銑中硫黄濃度に対する百分率である。図3に示すように、偏心攪拌では中心位置攪拌に比較して同一トルクでの脱硫率が高いことが分かった。
即ち、偏心攪拌では、インペラー4による溶銑3の定常回転流が乱されることから、石灰系脱硫剤7の溶銑中への巻き込みが促進され、脱硫反応に有利であることが分かった。
但し、偏心攪拌では回転する渦が溶銑鍋2の中央に存在しないことから、石灰系脱硫剤7の添加位置の最適化が必要である。そこで、偏心量ΔRを0.045×Dとした条件下で、上吹きランス5の設置位置を図4に示す6箇所の位置に変更し、脱硫剤の添加位置を変更したときの脱硫挙動を調査した。この場合、上吹きランス5を使用せずに、図4に示す6箇所の位置に投入シュートを配置し、投入シュートから石灰系脱硫剤7を上置き添加する脱硫試験も実施した。石灰系脱硫剤7の原単位は全ての試験で8kg/tとした。
図4に示す1aの位置は、インペラー4を偏心させた側のインペラー羽根外周部と溶銑鍋内壁との中間位置、1bの位置は、インペラー4を偏心させた側のインペラー羽根外周部の位置、2aの位置は、インペラー4を偏心させた側とは反対側の溶銑鍋2の中心位置と溶銑鍋内壁との中間位置、2bの位置は、インペラー4を偏心させた側とは反対側のインペラー羽根外周部の位置、3aの位置は、インペラー4を偏心させた方向と直交する側の溶銑鍋中央と溶銑鍋内壁との中間位置、3bの位置は、インペラー4を偏心させた方向と直交する側のインペラー羽根外周部の位置である。
各試験における脱硫率を図5に示す。図5からも明らかなように上置き添加に比較して上吹き添加の方が脱硫率は高くなるが、添加位置によっても脱硫率が変わることが分かった。また、脱硫率からみた脱硫剤の最適添加位置は、高い脱硫率が得られることから、インペラー4の偏心方向とは反対側のインペラー羽根外周部付近であることが分かった。但し、使用中のインペラー4の溶損などによる形状変化も発生することから、或る程度の範囲を考慮する必要があり、更に詳細に検討した結果、インペラー4の偏心方向とは反対側のインペラー羽根外周部を中心とし、半径をD/4とする円形の範囲内に添加すれば、高い脱硫率が得られることを確認した。
本発明は上記試験結果に基づきなされたもので、ほぼ円形平断面の鍋型精錬容器に収容された溶銑にインペラーを浸漬させ、該インペラーの回転軸をほぼ鉛直として溶銑中で回転させ、溶銑に添加された脱硫剤と溶銑とを攪拌して溶銑を脱硫する、溶銑の脱硫方法において、前記回転軸を、前記精錬容器の内径をDとしたとき精錬容器の中心に対して半径方向にD/20未満の範囲で偏心させるとともに、粉状の脱硫剤を、インペラーの偏心方向とは反対側のインペラー羽根外周部を中心とし、半径をD/4とする円形の範囲内に、上置き添加または搬送用ガスとともに上吹き添加することを特徴とする。
上吹きランス5から石灰系脱硫剤7を吹き込む際の搬送用ガスとしては、還元性のガス、不活性ガスまたは非酸化性のガスを使用する。還元性のガスとしては炭化水素ガスなどが挙げられ、不活性ガスとしてはアルゴンガスなどが挙げられ、また、非酸化性ガスとしては窒素ガスなどが挙げられる。
石灰系脱硫剤7としては、石灰(CaO)を主成分とするもの、換言すれば、CaOを50質量%以上含有するものであればどのような物質であっても使用可能であり、具体的には、生石灰や石灰石などを単独で使用しても、これらにAl23やCaF2などを滓化促進剤として混合したもの、更には、ドロマイト(CaO−MgO)なども石灰系脱硫剤7として使用可能である。
以上説明したように、本発明によれば、インペラー4の偏心量ΔRを溶銑鍋2などの鍋型精錬容器の内径(D)の1/20未満とするので、電動機トルクの負荷を大幅に増加させることなく、溶銑3の回転流に強制的な乱れを生じさせることが可能となり、また、この強制的な乱れに応じた最適な位置で粉状の石灰系脱硫剤7を添加するので、溶銑回転流の強制的な乱れと最適添加位置との相乗効果により、添加した石灰系脱硫剤7を溶銑中に効率良く分散させることが達成され、従来に比べて高い脱硫率で脱硫処理することが実現される。
図1に示す機械攪拌式脱硫装置を用い、石灰系脱硫剤として、平均粒径が100μmのCaO−20質量%Al23を使用し、水準1〜4の各水準別に長期間にわたって脱硫処理(30チャージ)する試験操業を行った。各水準の操業条件を表2に示す。
Figure 2011042815
水準1は、インペラーを溶銑鍋のほぼ中心位置に配置し、溶銑鍋の中心と溶銑鍋側壁との中間位置に、投入シュートを介して石灰系脱硫剤を上置き添加した操業方法であり、本発明と比較するための従来例である。
水準2は、インペラーを偏心量ΔR=0.045×Dとして偏心させ、インペラーの偏心側とは反対側の溶銑鍋の中心位置と溶銑鍋内壁との中間位置に、投入シュートを介して石灰系脱硫剤を上置き添加した操業方法であり、本発明例である。水準3は、インペラーを偏心量ΔR=0.045×Dとして偏心させ、インペラーの偏心側とは反対側のインペラー羽根外周部の位置に、投入シュートを介して石灰系脱硫剤を上置き添加した操業方法であり、本発明例である。
また、水準4は、インペラーを偏心量ΔR=0.045×Dとして偏心させ、インペラーの偏心側とは反対側のインペラー羽根外周部の位置に、上吹きランスを介して石灰系脱硫剤を窒素ガスとともに上吹き添加した操業方法であり、本発明例である。各水準における脱硫処理前後の溶銑中硫黄濃度の平均値及び脱硫剤原単位を表3に示す。
Figure 2011042815
水準2では、水準1に比較して、脱硫剤の原単位が同一であるにもかかわらず、処理後の溶銑中硫黄濃度は大幅に低下した。また、脱硫剤添加位置を最も好ましい位置とした水準3では、少ない脱硫剤原単位で水準2と同等の低硫化が達成された。また更に、水準4では、上吹きランスを用いて脱硫剤を上吹き添加したことにより、水準3よりも更に少ない脱硫剤原単位での低硫化が実現された。
1 台車
2 溶銑鍋
3 溶銑
4 インペラー
5 上吹きランス
6 集塵フード
7 石灰系脱硫剤
8 ディスペンサー
9 切り出し装置

Claims (1)

  1. ほぼ円形平断面の鍋型精錬容器に収容された溶銑にインペラーを浸漬させ、該インペラーの回転軸をほぼ鉛直として溶銑中で回転させ、溶銑に添加された脱硫剤と溶銑とを攪拌して溶銑を脱硫する、溶銑の脱硫方法において、前記回転軸を、前記精錬容器の内径をDとしたとき精錬容器の中心に対して半径方向にD/20未満の範囲で偏心させるとともに、粉状の脱硫剤を、インペラーの偏心方向とは反対側のインペラー羽根外周部を中心とし、半径をD/4とする円形の範囲内に、上置き添加または搬送用ガスとともに上吹き添加することを特徴とする、溶銑の脱硫方法。
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