JP2003147423A - 容器内溶湯の精錬方法および装置 - Google Patents

容器内溶湯の精錬方法および装置

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JP2003147423A
JP2003147423A JP2001349140A JP2001349140A JP2003147423A JP 2003147423 A JP2003147423 A JP 2003147423A JP 2001349140 A JP2001349140 A JP 2001349140A JP 2001349140 A JP2001349140 A JP 2001349140A JP 2003147423 A JP2003147423 A JP 2003147423A
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Kiyoshi Takahashi
清志 高橋
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 精錬剤原単位の低減、取鍋への付着物防止、
取鍋からの溶銑等のオーバフロー防止、集塵風量の削減
および発塵抑制を図る。 【解決手段】 取鍋1内の溶銑2中に下面が開放した円
筒形状中空体10を攪拌用インペラー6の回転中心と同心
に昇降自在に配置して浸漬させ、攪拌用インペラー6を
回転させて溶銑2を攪拌すると同時に円筒形状中空体10
内に精錬剤投入口14から精錬剤を添加し、溶銑2を精錬
する。円筒形状中空体10内で発生する粉塵を排気ダクト
20を介して排気ガスとともに集塵する。溶銑2の精錬を
密閉性のよい円筒形状中空体10内で行うので、精錬剤原
単位の低減、取鍋1への付着物防止、取鍋1からの溶銑
等のオーバフロー防止、集塵風量の削減および発塵抑制
が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転軸の先端部に
取り付けた攪拌用インペラーを容器内の溶湯に浸漬し回
転することにより溶湯と溶湯より低比重の精錬剤とを攪
拌する容器内溶湯の精錬方法および装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】例えば、高炉の出銑口から炉外に排出さ
れた溶銑中には、C、Si、P、Sなどの不純物が含まれ
ており、これら不純物のうち、Si、P、Sは主として溶
銑予備処理による精錬によって除去され、Cは転炉吹錬
によって除去される。溶銑予備処理では、高炉炉前に設
けた樋を流れる溶銑あるいは混銑車や取鍋などの容器内
に収容された溶銑中に添加物として脱珪剤、脱燐剤、脱
硫剤などの精錬剤を添加して溶銑を攪拌処理することが
行われている。
【0003】溶銑の攪拌手段としては、溶銑中に気体を
吹き込む手段あるいは溶銑を機械攪拌する手段などが周
知であり、容器内の溶銑に精錬剤を添加した後、気体を
吹き込んで攪拌したり、溶銑中に吹き込む気体に精錬剤
を随伴させて添加攪拌したり、あるいはインペラーなど
を用いて溶銑を機械攪拌し、精錬剤による反応効率を促
進させる。
【0004】攪拌用インペラーを用いて容器内の溶銑を
機械的に攪拌して精錬するものでは、図3および図4に
示すように、鍋積載台車9に載置された取鍋1内の溶銑
2に精錬剤7を添加するとともに、インペラー回転装置
3に設けた回転軸4の先端部に複数の攪拌翼5を取り付
けた攪拌用インペラー6を溶銑2中に浸漬し、この攪拌
用インペラー6を矢印で示す一定方向に回転させる手段
が知られている。攪拌用インペラー6が高温の溶銑2に
接触して溶損するのを防止するため、回転軸4および攪
拌翼5は耐火物で被覆されている。インペラー回転装置
3は、上方の昇降装置(図示省略)に連結されていて、
昇降自在になっており、その昇降操作で溶銑2中に浸漬
する攪拌用インペラー6の浸漬深さが調整される。
【0005】攪拌用インペラー6の回転に伴って取鍋1
中で溶銑2が攪拌され、溶銑2上に存在する比重の小さ
い精錬剤7との接触を促進して精錬反応効率を向上させ
る。精錬時に発生する粉塵は、取鍋1の上方を覆う集塵
フード8に接続した排気ダクト17より捕集される。この
種攪拌用インペラーによる精錬を改善するものとして、
例えば、特開2000-212621 号公報には、回転中心に垂直
な断面内でインペラー表面の最も回転軸中心に近い部位
の回転中心からの距離が、攪拌用インペラーの回転軸側
から先端側に向かって増大させ、これによって溶湯と低
比重の添加物との混合を促進するものが開示されてい
る。また、特公昭51-18881号公報には、攪拌翼を下端に
設けた回転かつ上下動可能な主軸の上端を回転継手を介
してワイヤーで吊持し、上記回転継手の下部に、高さ位
置の異なる位置決め部材を主軸に向かって前後進せしめ
る位置調節装置を設け、所定の位置決め部材に回転継手
を当接せしめることにより、攪拌翼の位置を決め精度を
向上するものが開示されている。
【0006】前記特開2000-212621 号公報または特公昭
51-18881号公報に開示された攪拌用インペラーは、その
実施の形態に詳述されているように、いずれも攪拌用イ
ンペラーの攪拌翼が回転軸の先端部周上に複数枚、例え
ば回転軸の先端部の対称位置に配設された2枚または4
枚の攪拌翼を配設することを基本とする容器内溶銑の攪
拌用インペラー装置である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の容器内溶銑
の攪拌用インペラー装置によれば、図3および図4に示
すように、取鍋1内の溶銑2に攪拌用インペラー6を所
定深さに浸漬して、攪拌翼5を回転攪拌すると溶銑2お
よび精錬剤7(溶融スラグとなる)により形成される静
止浴面Aは、中央部が窪み周辺部が盛り上がる曲面状の
浴面Bとなる。このとき鍋内静止浴面Bより上方に移動
した溶銑2および精錬剤7は、鍋上端部内壁に付着し易
く凝固スラグや地金等の付着物11となって残留する。こ
の付着物11は、取鍋1を転炉工場に移動した後、取鍋1
を傾動して次工程の容器に移す際の障害となり、取鍋1
内に溶銑2を残留させるという問題が発生する。この問
題を回避するためには、取鍋1の付着物11をたびたび除
去する作業が必要となり作業費が嵩む。また、取鍋1の
上端が上方に移動した浴面Bの盛り上がり量に対して不
足した場合には、溶融スラグや溶銑がオーバフローしト
ラブルになる。
【0008】取鍋1を鍋積載台車9等で攪拌用インペラ
ー装置の下方に移送させる場合、あるいは攪拌用インペ
ラー装置が自走して取鍋上方に移動させる場合のいずれ
の場合にも、図5および図6に示すように、攪拌用イン
ペラー6の中心C0 と取鍋1の中心C1 とが、うまく合
致するとは限らず、実作業では両者にずれXが生じ易
い。取鍋1の中心と攪拌用インペラー6の中心とが合致
する場合には、攪拌用インペラー6の先端に設けた4枚
の攪拌翼5の回転による偶力に4枚の攪拌翼5に溶銑反
力Pが均等に作用(図4参照)して溶銑2の安定した攪
拌が達成される。両者の中心がずれXが生じる場合に
は、攪拌用インペラー6の回転による偶力に取鍋1の中
心を渦心とした溶銑流れにより大小不均等な溶銑反力
P1、P2、P3、P4が作用(図6参照)する。このため、攪
拌翼5による溶銑2の攪拌が不安定となり、不均等な力
によって装置に振動を生じ、機械的な疲労破壊の原因と
なる。
【0009】また、取鍋1を鍋積載台車9等で攪拌用イ
ンペラー装置の下方に移送させる場合、あるいは攪拌用
インペラー装置が自走して取鍋上方に移動する場合に、
取鍋1とその直上に配置される集塵フード8との間に
は、両者の干渉を回避すため上下方向に隙間Yが設けて
ある(図3参照)。この隙間Yから外気を集塵フード8
内に吸引するため集塵のための必要風量が増加し、また
集塵風量が不足する場合には隙間Yからの粉塵ダストの
漏洩が著しくなる。攪拌用インペラー6の中心C 0 と取
鍋1の中心C1 とにずれXが生じる場合には、そのずれ
Xが大きくなるほど取鍋1とその直上に配置される集塵
フード8との隙間Yが大きくなり、必要風量の増加ある
いは粉塵12の漏洩が著しくなってくるばかりでなく、鍋
外への飛散溶銑13が多くなる(図5参照)。
【0010】本発明は、前記従来技術の問題点を解決
し、取鍋に対するスラグや地金の付着低減、取鍋からの
溶銑等のオーバフロー防止、攪拌用インペラー回転攪拌
時の振動抑制、集塵風量の削減や粉塵の漏洩抑制を達成
することができる容器内溶湯の精錬方法および装置を提
供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の請求項1記載の本発明は、昇降可能なインペラー回転
装置に支持された攪拌用インペラーを上方より容器内の
溶湯中に浸漬させ、該攪拌用インペラーの回転により溶
湯を攪拌するとともに精錬剤を添加する容器内溶湯の精
錬方法において、前記容器内の溶湯中に浸漬させた攪拌
用インペラーの回転中心と同心に下面が開放した中空体
を包囲させて昇降自在に浸漬させ、前記攪拌用インペラ
ーを回転させて中空体内の溶湯を攪拌するとともに該中
空体内の溶湯に精錬剤を添加して精錬し、前記中空体内
で発生する粉塵を排気ガスとともに集塵することを特徴
とする容器内溶湯の精錬方法である。
【0012】請求項2記載の本発明は、前記容器内の溶
湯中に前記中空体を前記攪拌用インペラーよりも深く浸
漬することを特徴とする請求項1記載の容器内溶湯の精
錬方法である。請求項3記載の本発明は、前記容器内の
溶湯中に浸漬した中空体を精錬中に昇降してその浸漬深
さを調整することを特徴とする請求項1または2記載の
容器内溶湯の精錬方法である。
【0013】請求項4記載の本発明は、昇降可能な攪拌
用インペラー回転装置に設けた攪拌用インペラーを上方
より容器内の溶湯中に浸漬させて精錬剤を添加する容器
内溶湯の精錬装置において、前記容器内の溶湯中に下面
が開放した中空体を前記攪拌用インペラーの回転中心と
同心に包囲して配置したことを特徴とする容器内溶湯の
精錬装置である。
【0014】請求項5記載の本発明は、前記中空体の上
部に精錬剤投入口を設けたことを特徴とする請求項4記
載の容器内溶湯の精錬装置でる。請求項6記載の本発明
は、前記中空体の上部に集塵ダクトを接続したことを特
徴とする請求項4または5記載の容器内溶湯の精錬装
置。請求項7記載の本発明は、前記中空体が溶湯に接触
する可能性がある領域を耐火物で被覆したことを特徴と
する4、5または6記載の容器内溶湯の精錬装置であ
る。
【0015】請求項8記載の本発明は、前記中空体の上
部に接続して中空体昇降装置を配設したことを特徴とす
る請求項4、5、6または7記載の容器内溶湯の精錬装
置である。請求項9記載の本発明は、前記中空体の水平
断面形状が円筒形状であることを特徴とする請求項4、
5、6、7または8記載の容器内溶湯の精錬装置であ
る。
【0016】請求項10記載の本発明は、10前記中空体の
水平断面形状が多角形状であることを特徴とする請求項
4、5、6、7または8記載の容器内溶湯の精錬装置で
ある。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本発明で使用する容器(ここでは
取鍋の場合を示す)内溶湯の精錬装置は、図1および図
2に示すように、回転軸4の先端部に攪拌翼5を配設し
た攪拌用インペラー6が、インペラー回転装置3の下に
連結されており、この攪拌用インペラー6を包囲すよう
にその回転中心と同心に下面が開放した円筒形状中空体
10が配置されている。円筒形状中空体10は、取鍋1の内
径よりも小さい外径を有し、高温の溶湯、例えば溶銑2
に接触した際に溶損するのを防ぐため、少なくとも溶銑
2に接触する可能性のある領域は、円筒状鉄心材の内外
面にアンカを介して不定形耐火物を被覆する耐火物被覆
構造とする。必要に応じて円筒状鉄心材を空洞構造にす
るか、冷却配管を配設した構造にして空洞や冷却配管に
空気や水等の冷却媒体を導き強制冷却することも可能で
ある。
【0018】円筒形状中空体10の上端には精錬剤投入口
14が設けてあり、側壁上部には排気ダクト20が接続され
ている。精錬剤投入口14の上部には図示省略の投入シュ
ートおよび精錬剤ホッパが、また排気ダクト20の下流側
に連通して集塵機が配置されている。インペラー回転装
置3は、上方の昇降装置(図示省略)に連結してあり、
昇降自在で、また、円筒形状中空体10は、昇降用ワイヤ
18および支持ローラ19を介してフード昇降装置15に連結
してあり、昇降自在である。攪拌用インペラー6と円筒
形状中空体10とは、それぞれ中心が合致するように配設
される。図面では、鍋積載台車9上に載置した取鍋1内
の溶銑2中に攪拌用インペラー6を浸漬した状態を示
す。
【0019】脱硫等の精錬を行う場合には、攪拌用イン
ペラー6および円筒形状中空体10をそれぞれ上昇させた
状態で、その下方に取鍋1を載置した鍋積載台車9が搬
入される。このとき、攪拌用インペラー6と円筒形状中
空体10とは予めそれぞれの中心を合致した状態にしてお
く。次に、攪拌用インペラー6および円筒形状中空体10
を下降させて、それぞれを取鍋1内の溶銑2中に所定の
深さになるように浸漬させる。この場合、円筒形状中空
体10の下端が攪拌用インペラー6の下端よりも下方に位
置するように浸漬するのが好ましい。そして、インペラ
ー回転装置3を回転駆動し、回転軸4を介して攪拌翼5
を高速回転することによって溶銑2を攪拌するととも
に、精錬剤投入口14から円筒形状中空体10内の溶銑2上
に所定量の精錬剤7が投入される。
【0020】精錬剤7(CaO を主成分とする脱硫剤等)
は溶銑2と比較して比重が小さいため溶銑2の表面に存
在し、攪拌用インペラー6の回転にともなって溶銑2は
円筒形状中空体10中で回転流を形成する。このため静止
浴面Aは、円筒形状中空体10内で中央部が窪み周辺部が
盛り上がる曲面状の浴面Bとなり、溶銑表面の中心部に
陥没部が生じる。円筒形状中空体10内の精錬剤7は、こ
の陥没部に集中して溶銑2中に巻き込まれ、溶銑2との
接触が増強されるので脱硫等の精錬反応が進行する。溶
銑2の精錬反応時に発生する粉塵は排気ガスとともに円
筒形状中空体10に設けた排気ダクト20を介して集塵装置
(図示せず)に導かれて回収される。円筒形状中空体10
の昇降を可能にするため排気ダクト20の途中に屈曲自在
な耐熱性のある可撓ホースを介在させておくのが好まし
い。
【0021】本発明によれば、取鍋1内の溶銑2を精錬
剤7により精錬する際に、攪拌用インペラー6による溶
銑2の攪拌は、円筒形状中空体10内で行われる。このた
め円筒形状中空体10と取鍋1との間の溶銑2は、溶銑予
備処理中にほぼ静止浴面Aのままで取鍋1の上端と溶銑
2の静止浴面Aの距離(見掛けのフリーボード)はほと
んど変化せず、フリーボードを、従来に比べて著しく小
さくすることができる。したがって、従来のようにフリ
ーボード量を大きくしなくてもインペラー6の高速回転
による溶銑2の攪拌精錬処理が可能になる。このため取
鍋1内の溶銑重量を従来よりも増加でき、ヒートサイズ
アップ効果によって精錬コストの低減を図ることができ
る。
【0022】また、攪拌用インペラー6の回転による浴
面Bの周辺部盛り上がりは円筒形状中空体10内で生じる
だけであり、取鍋1と円筒形状中空体10との間に存在す
る溶銑は、静止浴面Aのままであるので、従来のように
取鍋1の上端部に溶融ラグや溶銑が接触するのを防止で
きるため、鍋内壁面上端部へのスラグや地金等の付着物
11の生成が解消される(図3参照)。
【0023】取鍋1の内径よりも円筒形状中空体10の内
径の方が小さいため、従来と同じインペラー回転数でも
溶銑2の攪拌強度が増し、浴面上の精錬剤7を溶銑2中
に深く巻き込むことができ、溶銑精錬能力が向上する。
また、精錬処理中に中空体昇降装置15を用いて円筒形状
中空体10を昇降させることにより、取鍋1と円筒形状中
空体10との間に滞留する溶銑2をも混合できるようにな
り、未反応溶銑が残留することなく精錬することができ
る。
【0024】円筒形状中空体10内に精錬剤投入口7から
精錬剤7を添加するため、従来のように取鍋1の上端と
集塵フード8との間から発塵することもなく、密閉性の
よい円筒形状中空体10内で発生する粉塵を排気ダクト20
を介して効率よく吸引され、効果的な集塵を行うことが
できる。さらに、取鍋1の中心と攪拌用インペラー6の
回転中心との位置関係によらずに攪拌用インペラー6の
回転中心と円筒形状中空体10とは常に合致した状態とな
っている。このため攪拌用インペラー6への不均等な溶
銑反力が解消され、精錬装置の機械振動を抑制でき、装
置寿命の向上、メンテナンス費用の削減を図ることがで
きる。
【0025】
【実施例】溶銑を脱硫処理するため、内径が約4.5 mの
取鍋に収容した300 tの溶銑中に(処理前温度1350
℃)、回転軸に4枚の攪拌翼を配設して耐火物で被覆の
攪拌用インペラーの攪拌翼上端を溶銑浴面から 800mmの
深さに浸漬するとともに、外径約3.5 m、内径約3.0 m
の円筒形状中空体を攪拌用インペラーの下端より1000mm
深い位置になるように浸漬した。そして、円筒形状中空
体内に配置した攪拌用インペラーを高速回転して円筒形
状中空体内の溶銑を強制攪拌するとともに、円筒形状中
空体内に所定量の脱硫剤を添加した。攪拌用インペラー
の回転数110rpm、処理時間15min 、処理前溶銑温度1350
℃、処理前S濃度25×10-3%、処理後S濃度3×10-3
の条件で溶銑脱硫処理を行った。得られた本発明例の操
業結果を円筒形状中空体を使用しない従来例と比較して
表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1に示すように、本発明例では攪拌用イ
ンペラーによる溶銑の攪拌を円筒形状中空体内で行うの
で、取鍋からの溶湯のオーバーフロー並びに取鍋内壁上
端部への地金付着を皆無にすることができた。また、取
鍋よりも内径の小さい円筒形状中空体内での攪拌用イン
ペラーの強力な攪拌により溶銑と脱硫剤との接触反応が
促進され、従来例に比較して脱硫剤原単位が削減され
た。取鍋の移動に関係なく攪拌用インペラーと円筒形状
中空体の中心とを常に合致した状態に保持できるので攪
拌用インペラーによる溶銑の安定した回転が得られる。
これにより取鍋耐火物寿命が倍増され、装置異常振動発
生の頻度がゼロとなった。さらに、脱硫処理時に発生す
る発塵は密閉性のよい円筒形状中空体内で効率よく集塵
できるため発塵量が半減するという効果が得られた。
【0028】本発明では、精錬処理中に中空体昇降装置
15を用いて円筒形状中空体を上下させれば、取鍋1と円
筒形状中空体10との間に滞留する溶銑2をも混合できる
ようになり、未反応溶銑が残留することなく精錬するこ
とができる。上記本発明の実施態様では、円筒形状中空
体を用いる場合について説明したがこれに限定するもの
ではなく、必要に応じて四角形、五角形、六角形─等、
多角形状中空体を用いることも可能である。
【0029】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれば
下記の効果が得られる。 (1) 攪拌用インペラーの回転による浴面周辺部盛り上が
りは下面が開放した中空体内で生じるだけであり、容器
と中空体の間に存在する溶湯は、盛り上がることなく静
止浴面のままである。このため容器の上端部に溶融ラグ
や溶湯が直接接触することがないので、容器内壁面上端
部への付着物生成が解消できるとともに、容器上端から
のオーバフローや溶湯飛散を防止できる。
【0030】(2) 中空体と容器との間に存在する溶湯
は、精錬中にほぼ静止浴面のままでフリーボードを小さ
くすることができ、容器内に収容する溶湯重量を従来よ
りも増加でき、ヒートサイズアップ効果によって精錬コ
ストが低減できる。 (3) 容器の内径よりも中空体の内径の方が小さいため、
従来と同じインペラー回転数でも溶湯の攪拌強度が増
し、溶湯浴面下への精錬剤の巻き込みが強化され、精錬
剤による溶湯精錬能力が向上する。
【0031】(4) 精錬処理中に中空体昇降装置を用いて
中空体を上下させることにより、容器と円筒形状中空体
との間に滞留する溶銑をも混合できるようになり、未反
応溶銑が残留することなく精錬することができる。 (5) 円筒形状中空体内の溶湯に精錬剤投入口から精錬剤
を添加して精錬するため、密閉性のよい円筒形状中空体
内で発生する粉塵を排気ダクトを介して漏洩することな
く効率よく吸引するので効果的な集塵を行うことができ
る。
【0032】(6) 容器の中心と攪拌用インペラーの回転
中心との位置関係によらずに攪拌用インペラーの回転中
心と円筒形状中空体とが常に合致しているため、攪拌用
インペラーに作用する不均等な溶湯反力が解消され、精
錬装置の機械振動を抑制でき、装置寿命の向上、メンテ
ナンス費用の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容器内溶湯の精錬装置を示す縦断面図
である。
【図2】図1のA−A矢視方向を示す平面図である。
【図3】従来の容器と攪拌用インペラーとの中心が合致
した場合における容器内溶湯の精錬装置を示す縦断面図
である。
【図4】図3のA−A矢視方向を示す平面図である。
【図5】従来の容器と攪拌用インペラーとの中心にずれ
がある場合における容器内溶湯の精錬装置を示す縦断面
図である。
【図6】図5のA−A矢視方向を示す平面図である。
【符号の説明】
1 取鍋 2 溶銑 3 インペラー回転装置 4 回転軸 5 攪拌翼 6 攪拌用インペラー 7 精錬剤 8 集塵フード 9 鍋積載台車 10 円筒形状中空体 11 付着物 12 粉塵 13 飛散溶銑 14 精錬剤投入口 15 中空体昇降装置 17、20 排気ダクト 18 昇降用ワイヤ 19 支持ローラ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 昇降可能なインペラー回転装置に支持さ
    れた攪拌用インペラーを上方より容器内の溶湯中に浸漬
    させ、該攪拌用インペラーの回転により溶湯を攪拌する
    とともに精錬剤を添加する容器内溶湯の精錬方法におい
    て、前記容器内の溶湯中に浸漬させた攪拌用インペラー
    の回転中心と同心に下面が開放した中空体を包囲させて
    昇降自在に浸漬させ、前記攪拌用インペラーを回転させ
    て中空体内の溶湯を攪拌するとともに該中空体内の溶湯
    に精錬剤を添加して精錬し、前記中空体内で発生する粉
    塵を排気ガスとともに集塵することを特徴とする容器内
    溶湯の精錬方法。
  2. 【請求項2】 前記容器内の溶湯中に前記中空体を前記
    攪拌用インペラーよりも深く浸漬することを特徴とする
    請求項1記載の容器内溶湯の精錬方法。
  3. 【請求項3】 前記容器内の溶湯中に浸漬した中空体を
    精錬中に昇降してその浸漬深さを調整することを特徴と
    する請求項1または2記載の容器内溶湯の精錬方法。
  4. 【請求項4】 昇降可能な攪拌用インペラー回転装置に
    設けた攪拌用インペラーを上方より容器内の溶湯中に浸
    漬させて精錬剤を添加する容器内溶湯の精錬装置におい
    て、前記容器内の溶湯中に下面が開放した中空体を前記
    攪拌用インペラーの回転中心と同心に包囲して配置した
    ことを特徴とする容器内溶湯の精錬装置。
  5. 【請求項5】 前記中空体の上部に精錬剤投入口を設け
    たことを特徴とする請求項4記載の容器内溶湯の精錬装
    置。
  6. 【請求項6】 前記中空体の上部に集塵ダクトを接続し
    たことを特徴とする請求項4または5記載の容器内溶湯
    の精錬装置。
  7. 【請求項7】 前記中空体が溶湯に接触する可能性があ
    る領域を耐火物で被覆したことを特徴とする4、5また
    は6記載の容器内溶湯の精錬装置。
  8. 【請求項8】 前記中空体の上部に接続して中空体昇降
    装置を配設したことを特徴とする請求項4、5、6また
    は7記載の容器内溶湯の精錬装置。
  9. 【請求項9】 前記中空体の水平断面形状が円筒形状で
    あることを特徴とする請求項4、5、6、7または8記
    載の容器内溶湯の精錬装置。
  10. 【請求項10】 前記中空体の水平断面形状が多角形状で
    あることを特徴とする請求項4、5、6、7または8記
    載の容器内溶湯の精錬装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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