JP2006097078A - スラグの除去方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 溶融金属を収容した精錬炉或いは保持容器から溶融金属の上に浮遊するスラグを迅速に且つ確実に除去することのできるスラグの除去方法を提供する。
【解決手段】 精錬炉1または保持容器に収容された溶融金属4の浴面上に存在するスラグ5を除去するに際し、溶融金属の表面に水平方向の旋回流と鉛直方向の下降流との合成した流れを発生させながらスラグを除去する。この場合、スラグを旋回流の中心部に集めて旋回流の中心部において除去すること、旋回流の中心部にスラグを収容するための容器11を配置してスラグを当該容器内に流入させること、プロペラ10によって流れを形成すること、或いは、旋回流の中心部にスラグを流出するための排出口を配置することが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、精錬炉及び保持容器などに収容された溶融金属の浴面上に存在するスラグを除去する方法に関するものである。
溶銑、溶鋼などの溶融金属の精錬においては、溶融金属中に存在する不純物を除去する手段として精錬剤を使用し、添加した精錬剤と不純物とを反応させて除去する方法が広く用いられている。この場合、精錬剤は一般に溶融状態或いは半溶融状態のスラグになって溶融金属の浴面上に浮遊し、不純物はスラグに移行する。また、溶銑の脱珪処理のように、不純物である珪素が精錬剤によって酸化され、不純物自体が溶融スラグになることもある。
スラグ中の不純物は、雰囲気条件が変化すると溶融金属に戻ることもあるため、不純物を効率的に除去するためには、不純物を含有したスラグを溶融金属の浴面上から除去する必要がある。不純物を含有するスラグを除去しないままで次工程の精錬をした場合には、例えば前工程の精錬が還元反応であり、後工程の精錬が酸化反応である場合のように、前工程の精錬で除去した不純物が後工程の精錬によって溶融金属に戻ってしまい、前工程の精錬を実施する意味がなくなってしまうことも発生する。また、酸化度の高いスラグが溶融金属上に存在する場合には、溶融金属中の酸素との親和力の強い元素とスラグとが反応し、溶融金属の成分が変化してしまったり、溶融金属中に酸化物が生成して清浄性が劣化したりすることが発生する。
従って、迅速に且つ効率良くスラグを除去するための多数の方法が提案されており、それらを分類すると、(1)機械式掻き出し法、(2)吸引法、(3)ガス吹き込み法、(4)電磁力利用法などに分類されるが、それぞれ課題を抱えている。
機械式掻き出し法は、溶融金属を収容する精錬炉或いは保持容器を傾斜させておき、水平方向に進退可能な掻き板によって浴面上に浮遊するスラグを掻き出す方法(例えば、特許文献1参照)である。しかし、掻き板の両側をスラグがくぐり抜けてしまうので掻き出し効率が悪いという問題点がある。また、溶融金属を収容する精錬炉或いは保持容器では、これらを傾斜させていることから排出位置が狭くて内部が広くなっているので、効率良く掻き出すためには掻き板を3次元的に動作させる必要があり、機構が複雑で、操作も熟練を要するなどの問題点もある。
吸引法は、ポンプなどを利用して溶融スラグを吸引して除去する方法(例えば、特許文献2参照)であるが、高温のスラグを吸引するためのポンプ及び付帯設備が特殊仕様であるために設備費が高価であり、また、吸引設備の洗浄が必要である上に磨耗損傷が激しく、ランニングコストが嵩むといった問題点がある。
ガス吹き込み法は、溶融金属を収容する精錬炉或いは保持容器を傾斜させておき、溶融金属中にガスを供給し、ガス気泡による溶湯の盛り上がり部を形成させ、この盛り上がり部にはスラグが存在し得ないことを利用し、例えば盛り上がり部を排出口側に移動させることによってスラグを流出させる方法(例えば、特許文献3参照)である。しかし、傾斜させた精錬炉或いは保持容器からスラグを流出するには溶融金属が流れ出る寸前まで傾斜させる必要があり、その状態でスラグをガス気泡の盛り上がりによって流出しようとすると、溶融金属の方がスラグよりも粘度が低いために溶融金属が流出してしまい、溶融金属の歩留まりを悪化させるという問題点がある。また、浴面における気泡の生成は均一ではなく、盛り上がり部の不足する場所ではスラグを流出できないという問題点もある。
電磁力利用法は、電磁力を重力とは反対側の方向に作用させて溶融金属の流出を防止し、電磁力の作用しないスラグのみを重力によって流出させる方法(例えば、特許文献4参照)である。しかし、高温環境下で磁界を発生させるための磁界発生装置が必要であり、しかも、実操業においては規模が大きいことから強力な磁界発生装置が必要であり、実現性は低いといわざるを得ない。
特開平6−94376号公報 特開昭61−191878号公報 特開平6−194066号公報 特開平5−247514号公報
精錬炉或いは保持容器からスラグを迅速に且つ確実に除去する方法が切望されているにも拘わらず、従来の方法は前述したように満足できるものではなかった。また、近年、鉄鋼業においては転炉を用いて溶銑の脱燐処理を行ない、引き続き同一転炉内で溶銑の脱炭精錬を行なうといった精錬方法も行なわれるようになり、スラグを迅速に且つ確実に除去する方法が従来に増して切望されていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、溶銑、溶鋼などの溶融金属を収容した精錬炉或いは保持容器から溶融金属の上に浮遊するスラグを除去するに当たり、溶融金属の流出を極力抑えながらスラグを迅速に且つ確実に除去することのできるスラグの除去方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係るスラグの除去方法は、精錬炉または保持容器に収容された溶融金属の浴面上に存在するスラグを除去するに際し、溶融金属の表面に水平方向の旋回流と鉛直方向の下降流との合成した流れを発生させながらスラグを除去することを特徴とするものである。
第2の発明に係るスラグの除去方法は、第1の発明において、前記旋回流によってスラグを旋回流の中心部に集め、集めたスラグを旋回流の中心部において除去することを特徴とするものである。
第3の発明に係るスラグの除去方法は、第1または第2の発明において、前記旋回流の中心部にスラグを収容するための容器を配置し、前記下降流によってスラグを当該容器内に流入させることを特徴とするものである。
第4の発明に係るスラグの除去方法は、第1または第2の発明において、前記旋回流の中心部にスラグを流出するための排出口を配置し、前記下降流によってスラグを当該排出口内に流入させることを特徴とするものである。
第5の発明に係るスラグの除去方法は、第1ないし第4の発明の何れかにおいて、不活性ガスの吹き込みによる攪拌力、攪拌用治具による攪拌力、精錬炉または保持容器の回転による攪拌力のうちの何れか1種以上の機械的攪拌力により、溶融金属に水平方向の旋回流と鉛直方向の下降流との合成した流れを発生させることを特徴とするものである。
第6の発明に係るスラグの除去方法は、第1ないし第5の発明の何れかにおいて、溶融金属を収容する精錬炉または保持容器を、傾転させずにスラグを除去することを特徴とするものである。
本発明によれば、溶融金属の表面に水平方向の旋回流と鉛直方向の下降流との合成した流れを発生させるので、溶融金属の浴面上に存在するスラグは、溶融金属よりも比重が小さいことから前記旋回流によって作用する遠心力により、自然に旋回流の中心位置に集まる。また中心部では、前記下降流によって鉛直下方に潜り込もうとする力がスラグにはたらくため、スラグは旋回流の中心部に配置した容器或いは排出口に容易に流入し、スラグを溶融金属の浴面上から迅速且つ確実に排除することができる。本発明を精錬炉内のスラグ或いは取鍋内のスラグに適用することで、不純物の少ない高品質の溶融金属を得ることが可能となり、工業上有益な効果がもたらされる。
以下、本発明を具体的に説明する。本発明では、転炉、電気炉などの精錬炉または取鍋、溶銑鍋、装入鍋、トーピードカーなどの溶融金属保持容器に収容された溶融金属の表面に水平方向の旋回する流れと鉛直方向の下降流とが合成された流れを起こす。溶融金属の浴面に浮遊するスラグは旋回する溶融金属と共に旋回運動を開始する。溶融金属は旋回運動による遠心力により旋回中心位置が低くなった凹状の形状になり、一方、スラグは溶融金属よりも比重が小さいので、遠心力によって旋回の中心部に集まってくる。この集まってきたスラグを旋回流の中心部において除去することで、容易に且つ迅速にスラグを溶融金属浴面から排除することができる。
スラグを溶融金属の浴面から除去する方法としては、以下のような方法を用いることができる。即ち、一つの方法は、スラグを収容可能な容器状治具を用い、集まったスラグを容器状治具ですくい上げて回収する方法である。他の一つの方法は、スラグが集まってくる旋回中心部にスラグを収容・回収するための容器を沈め、この容器内にスラグを流入させて回収する方法である。更に他の一つの方法は、精錬炉または保持容器のスラグが集まってくる旋回中心部に、予めスラグを流出するためのスラグ排出孔を設けておき、このスラグ排出孔を介してスラグを排出する方法である。但し、このスラグ排出孔は、その上端位置が溶融金属を旋回させたときに溶融金属の浴面よりも鉛直方向の高い位置となるように設置する必要がある。また更に、集まったスラグを除去することができるならば、これらの方法以外の方法であっても構わない。これらの方法を用いてスラグを除去することで、精錬炉または保持容器を傾転させなくても、直立したままでスラグを除去することも可能となる。
溶融金属の表面に水平方向の旋回する流れと鉛直方向の下降流とが合成された流れを起こす方法としては、以下のような方法を用いることができる。即ち、一つの方法は、例えば精錬炉または保持容器の側壁から、精錬炉または保持容器の中心に対して傾斜した方向で且つ水平から斜め下方を向いた方向に不活性ガスを吹き込み、不活性ガスの噴出流によって溶融金属を旋回すると共に鉛直方向の下降流を形成させる方法である。溶融金属の浴面上から不活性ガスを噴出させても同様な旋回流を形成させることはできるが、不活性ガスを溶融金属中に直接吹き込む場合に比べて効率は良くない。他の一つの方法は、攪拌用プロペラ、攪拌用板などの攪拌用治具を溶融金属中に浸漬させ、この攪拌用治具を電動機などによって回転させ、溶融金属に流れを形成する方法である。攪拌治具の浸漬位置は旋回中心部にする必要はないが、溶融金属を効率良く旋回させるには、攪拌治具を旋回中心部に設置することが好ましい。更に他の一つの方法は、精錬炉または保持容器を回転させ、この回転によってその中に収容した溶融金属を旋回させるという方法である。また、精錬炉または保持容器の外壁に電磁誘導コイルを設置し、電磁誘導コイルによる電磁力によって溶融金属に流れを形成させることもできる。また更に、溶融金属に対して水平方向の旋回する流れと鉛直方向の下降流とが合成された流れを起こすことができるならば、これらの方法以外の方法であっても構わない。
本発明では、このようにして溶融金属の浴面に浮遊するスラグを除去するので、迅速且つ確実にスラグを溶融金属の浴面上から排除することができる。
以下、転炉における溶銑の脱燐精錬の終了後に炉内のスラグを排出する際に実施した本発明の具体的な実施例を図面に基づき説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態例を示す図であり、図1において、1は転炉、2は底吹羽口、3は出鋼口、4は溶銑、5はスラグ、6はフック、7はスラグ排出装置、8は電動機、9は旋回軸、10はプロペラ、11はスラグ収容容器である。
図1において、転炉1の内部に存在するスラグ5を排出するためのスラグ排出装置7は、電動機8と、電動機8と連結する旋回軸9と、旋回軸9の下端部に固定される複数個のプロペラ10と、プロペラ10の直上にあって旋回軸9に固定されるスラグ収容容器11とで構成されており、電動機8を駆動させることによって旋回軸9が回転し、旋回軸9に固定したプロペラ10及びスラグ収容容器11が回転するようになっている。
転炉1における溶銑4の脱燐精錬の終了後、炉内のスラグ5を排出するに当たり、先ず、スラグ排出装置7をフック6を介してクレーン(図示せず)で吊り上げ、転炉1の炉口上方の所定位置に配置した。次いで、クレーンによってスラグ排出装置7を徐々に下降させ、図1に示すように、プロペラ10を溶銑4に浸漬させた。この場合、プロペラ10を回転させながら溶銑4に浸漬させても、また、浸漬させた後に回転させてもどちらでも構わない。本実施例では回転させずに浸漬させた。スラグ収容容器11の側壁部が少なくともスラグ5に浸漬するまでスラグ排出装置7を下降させ、その状態でプロペラ10の回転を開始した。
プロペラ10の回転によって溶銑4の表面には、水平方向の旋回流と鉛直方向の下降流との合成した流れが形成され、旋回流の遠心力によって溶銑4は旋回流の中心部が低く、転炉炉壁と接触する旋回流の外側が高くなった。一方、溶銑4よりも比重の小さいスラグ5は遠心力によって逆に旋回流の中心部に集積した。
スラグ5の大部分が旋回流の中心部に集積したならば、スラグ収容容器11の上端部がスラグ5に埋没するようにクレーンによってスラグ排出装置7を下降させ、集積したスラグ5をスラグ収容容器11の内部に流入させた。旋回する溶銑流には鉛直方向の下降流も存在するため、集積したスラグ5はこの下降流によって容易にスラグ収容容器11の内部に流入した。スラグ収容容器11にスラグ5が流入したならばクレーンによってスラグ排出装置7を上昇させ、更にスラグ排出装置7を転炉炉口上方位置から転炉1の周辺に配置したスラグ搬送容器(図示せず)の位置まで搬送し、スラグ5をスラグ収容容器11からスラグ搬送容器に排出した。
この一連の作業を複数回繰り返して実施し、転炉内のスラグ5をほぼ全量排出した。その後、この転炉1の内部に酸素を供給して溶銑4の脱炭精錬を実施した。
このように、実施例1ではスラグ5の排出に当たり転炉1を傾転させる必要がなく、このため、転炉1の傾転のための時間を必要としないので、転炉1の生産性を上げることができた。また、スラグ5をスラグ収容容器11に流入させる際に、スラグ5にはスラグ収容容器11から遠ざかろうとする力が全く作用しないので、スラグ5を取り逃がすことがなく、高い比率で且つ迅速にスラグ5を排出することができた。また、スラグ収容容器11に流入する溶銑4は少なく、溶銑4の歩留まりの低下は極めて少なかった。
尚、図1に示すスラグ排出装置7にはプロペラ10が設置されているが、プロペラ10を設置しなくても、スラグ収容容器11を溶鋼4に浸漬させて回転することで、スラグ収容容器11と溶鋼4との摩擦によって上記と同様の旋回流が形成されるので、プロペラ10は必ずしも必要としない。また、底吹羽口2からArガスなどの攪拌用ガスを吹き込みながらスラグ5を除去する場合、攪拌用ガスによってスラグ5の集積が妨げられるようなときにはプロペラ10或いはスラグ収容容器11の下方に攪拌用ガスの上昇を妨げるための邪魔板を配置することで、攪拌用ガスは炉壁部の方に押しやられ、攪拌用ガスの影響を受けることなく、スラグ5を除去することができる。
図2は、転炉における溶銑の脱燐精錬の終了後に炉内のスラグを排出する際に実施した本発明の第2の実施の形態例を示す図であり、図2において、1は転炉、2は底吹羽口、3は出鋼口、4は溶銑、5はスラグ、6はフック、12は溶銑攪拌装置、13は電動機、14は旋回軸、15は攪拌具、16はスラグ排出孔、17は開口装置、18はマッド材である。
図2において、転炉1に収容された溶銑4に旋回流を形成させるための溶銑攪拌装置12は、電動機13と、電動機13と連結する旋回軸14と、旋回軸14の下端に固定される複数個の攪拌具15とで構成されており、電動機13を駆動させることにより、旋回軸14が回転し、旋回軸14に固定した攪拌具15が回転するようになっている。また、転炉1の底部には、スラグ5を排出するためのスラグ排出孔16が設置され、このスラグ排出孔16には耐火物、炭素質、水分などからなるマッド材18が充填されている。このマッド材18によって炉内の溶銑4及びスラグ5の流出が妨げられている。スラグ排出孔16の下方には、スラグ排出孔16の内部に昇降可能な開口装置17が配置されており、マッド材18は開口装置17によって除去され、スラグ排出孔16が開口するようになっている。
転炉1における溶銑4の脱燐精錬の終了後、炉内のスラグ5を排出するに当たり、先ず、溶銑攪拌装置12をフック6を介してクレーン(図示せず)で吊り上げ、転炉1の炉口上方の所定位置に配置した。次いで、クレーンによって溶銑攪拌装置12を徐々に下降させ、図2に示すように、攪拌具15の先端部を溶銑4に浸漬させた。この場合、攪拌具15を回転させながら溶銑4に浸漬させても、また、浸漬させた後に回転させてもどちらでも構わない。本実施例では回転させずに浸漬させた。そして、その状態で攪拌具15の回転を開始した。
攪拌具15の回転によって溶銑4の表面には、水平方向の旋回流と鉛直方向の下降流との合成した流れが形成され、旋回流の遠心力によって溶銑4は旋回流の中心部が低く、転炉炉壁と接触する旋回流の外側が高くなった。一方、溶銑4よりも比重の小さいスラグ5は遠心力によって逆に旋回流の中心部に集積した。
溶銑4が旋回することによって溶銑4の表面よりもスラグ排出孔16の上端部の方が鉛直方向上方位置になったなら、開口装置17をスラグ排出孔16に挿入してマッド材18をスラグ排出孔16から除去し、集積したスラグ5をスラグ排出孔16を介して転炉1から転炉1の下方に配置したスラグ搬送容器(図示せず)へ流出させた。旋回する溶銑流には鉛直方向の下降流も存在するため、集積したスラグ5はこの下降流によって容易にスラグ排出孔16を介して流出した。転炉内のスラグ5がほぼ全量流出したならば、攪拌具15を回転させたままスラグ排出孔16の内部に新たなマッド材18を充填し、その後、攪拌具15の回転を停止させて溶銑攪拌装置12を転炉1から抜き出し、転炉1の内部に酸素を供給して溶銑4の脱炭精錬を実施した。
このように、実施例2ではスラグ5の排出に当たり転炉1を傾転させる必要がなく、このため、転炉1の傾転のための時間を必要としないので、転炉1の生産性を上げることができた。また、スラグ5をスラグ排出孔16から流出させる際に、スラグ5にはスラグ排出孔16から遠ざかろうとする力が全く作用しないので、高い比率で且つ迅速にスラグ5を流出させることができた。また、スラグ排出孔16から流出する溶銑4は少なく、溶銑4の歩留まりの低下は極めて少なかった。
図3は、転炉における溶銑の脱燐精錬の終了後に炉内のスラグを排出する際に実施した本発明の第3の実施の形態例を示す図であり、図3において、1は転炉、2は底吹羽口、3は出鋼口、4は溶銑、5はスラグ、19はスラグ排出装置、20は支持架台、21は電動機、22は旋回軸、23はプロペラ、24はチェーン、25はスラグ収容容器、26収容容器作動装置である。
図3において、転炉1の作業床には、転炉1の内部に存在するスラグ5を排出するためのスラグ排出装置19が基礎架台(図示せず)に設置されている。スラグ排出装置19は、基礎架台に設置された支持架台20と、支持架台20に設置された電動機21と、支持架台20の電動機21の位置とは反対側の位置に設置された旋回軸22と、旋回軸22の先端部に設置された複数個のプロペラ23と、電動機21と旋回軸22とを連結する駆動用のチェーン24と、スラグ5を汲み上げるためのスラグ収容容器25と、支持架台20に設置された、スラグ収容容器25を駆動するための収容容器作動装置26とから構成されている。
このスラグ排出装置19は、転炉1を傾転させた状態で、転炉1の炉口から転炉1の内部に水平方向に挿入される構造になっており、且つ、支持架台20が鉛直方向に昇降し、プロペラ23が溶銑4に浸漬できる構造になっている。スラグ収容容器25は収容容器作動装置26によって昇降し且つ転炉1の外部に移動できるようになっている。電動機21を駆動させることにより、チェーン24が作動して旋回軸22が回転し、旋回軸22に固定したプロペラ23が回転するようになっている。
転炉1における溶銑4の脱燐精錬の終了後、炉内のスラグ5を排出するに当たり、先ず、転炉1をスラグ5が流出しない程度まで水平側に傾転し、傾転した転炉1の内部にスラグ排出装置19を挿入した。次いで、支持架台20を徐々に下降させ、図3に示すように、プロペラ23を溶銑4に浸漬させた。この場合、プロペラ23を回転させながら溶銑4に浸漬させても、また、浸漬させた後に回転させてもどちらでも構わない。本実施例では回転させずに浸漬させた。そして、その状態でプロペラ23の回転を開始した。プロペラ23の回転によって溶銑4の表面には、水平方向の旋回流と鉛直方向の下降流との合成した流れが形成され、旋回流の遠心力によって溶銑4は旋回流の中心部が低く、旋回流の外側が高くなった。一方、溶銑4よりも比重の小さいスラグ5は遠心力によって逆に旋回流の中心部に集積した。
スラグ5の大部分が旋回流の中心部に集積したならば、収容容器作動装置26によってスラグ収容容器25をスラグ5に埋没させ、集積したスラグ5をスラグ収容容器25の内部に流入させた。旋回する溶銑流には鉛直方向の下降流も存在するため、集積したスラグ5はこの下降流によって容易にスラグ収容容器25の内部に流入した。スラグ収容容器25にスラグ5が流入したならば収容容器作動装置26によってスラグ収容容器25を上昇させ、更にスラグ収容容器25を転炉1の外部に移動し、スラグ5をスラグ収容容器25から別途配置したスラグ搬送容器(図示せず)に排出した。
この一連の作業を複数回繰り返して実施し、転炉内のスラグ5をほぼ全量排出した。その後、スラグ排出装置19を転炉1から抜き出し、次いで、転炉1を鉛直方向に傾転し、転炉1の内部に酸素を供給して溶銑4の脱炭精錬を実施した。
このように本発明に係るスラグ排出方法では、スラグ5をスラグ収容容器25に流入させる際に、スラグ5にはスラグ収容容器25から遠ざかろうとする力が全く作用しないので、スラグ5を取り逃がすことがなく、高い比率で且つ迅速にスラグ5を排出することができた。また、スラグ収容容器25に流入する溶銑4は少なく、溶銑4の歩留まりの低下は極めて少なかった。
図4は、転炉における溶銑の脱燐精錬の終了後に炉内のスラグを排出する際に実施した本発明の第4の実施の形態例を示す図であり、図4において、1は転炉、2は底吹羽口、3は出鋼口、4は溶銑、5はスラグ、27はスラグ排出装置、28は支持架台、29は電動機、30は旋回軸、31はプロペラ、32はチェーン、33はスラグ収容容器である。
図4において、転炉1の作業床には、転炉1の内部に存在するスラグ5を排出するためのスラグ排出装置27が基礎架台(図示せず)に設置されている。スラグ排出装置27は、基礎架台に設置された支持架台28と、支持架台28に設置された電動機29と、支持架台28の電動機29の位置とは反対側の位置に設置された旋回軸30と、旋回軸30の先端部に固定されたスラグ収容容器33と、スラグ収容容器33の外壁面に固定された複数個のプロペラ31と、電動機29と旋回軸30とを連結する駆動用のチェーン32とから構成されている。
このスラグ排出装置27は、転炉1を傾転させた状態で、転炉1の炉口から転炉1の内部に水平方向に挿入される構造になっており、且つ、支持架台28が鉛直方向に昇降し、プロペラ31が溶銑4に浸漬できる構造になっている。当然ながら支持架台28の昇降によってスラグ収容容器33も溶銑4及びスラグ5に浸漬できる構造になっている。電動機29を駆動させることにより、チェーン32が作動して旋回軸30が回転し、旋回軸30に固定したスラグ収容容器33及びプロペラ31が回転するようになっている。
転炉1における溶銑4の脱燐精錬の終了後、炉内のスラグ5を排出するに当たり、先ず、転炉1をスラグ5が流出しない程度まで水平側に傾転し、傾転した転炉1の内部にスラグ排出装置27を挿入した。次いで、支持架台28を徐々に下降させ、図4に示すように、プロペラ31を溶銑4に浸漬させた。この場合、プロペラ31を回転させながら溶銑4に浸漬させても、また、浸漬させた後に回転させてもどちらでも構わない。本実施例では回転させずに浸漬させた。そして、その状態でプロペラ31の回転を開始した。プロペラ31の回転によって溶銑4の表面には、水平方向の旋回流と鉛直方向の下降流との合成した流れが形成され、旋回流の遠心力によって溶銑4は旋回流の中心部が低く、旋回流の外側が高くなった。一方、溶銑4よりも比重の小さいスラグ5は遠心力によって逆に旋回流の中心部に集積した。
スラグ5の大部分が旋回流の中心部に集積したならば、支持架台28を下降してスラグ収容容器33をスラグ5に埋没させ、集積したスラグ5をスラグ収容容器33の内部に流入させた。旋回する溶銑流には鉛直方向の下降流も存在するため、集積したスラグ5はこの下降流によって容易にスラグ収容容器33の内部に流入した。スラグ収容容器33にスラグ5が流入したならば支持架台28を上昇させてスラグ収容容器33をスラグ5から引き上げ、更にスラグ排出装置27を転炉1から抜き出し、スラグ5をスラグ収容容器33から別途配置したスラグ搬送容器(図示せず)に排出した。
この一連の作業を複数回繰り返して実施し、転炉内のスラグ5をほぼ全量排出した。その後、転炉1を鉛直方向に傾転し、転炉1の内部に酸素を供給して溶銑4の脱炭精錬を実施した。
このように本発明に係るスラグ排出方法では、スラグ5をスラグ収容容器33に流入させる際に、スラグ5にはスラグ収容容器33から遠ざかろうとする力が全く作用しないので、スラグ5を取り逃がすことがなく、高い比率で且つ迅速にスラグ5を排出することができた。また、スラグ収容容器33に流入する溶銑4は少なく、溶銑4の歩留まりの低下は極めて少なかった。
尚、図4に示すスラグ排出装置27にはプロペラ31が設置されているが、プロペラ31を設置しなくても、スラグ収容容器33を溶鋼4に浸漬させて回転することで、スラグ収容容器33と溶鋼4との摩擦によって上記と同様の旋回流が形成されるので、プロペラ31は必ずしも必要としない。
本発明の第1の実施の形態例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態例を示す図である。 本発明の第4の実施の形態例を示す図である。
符号の説明
1 転炉
2 底吹羽口
3 出鋼口
4 溶銑
5 スラグ
6 フック
7 スラグ排出装置
8 電動機
9 旋回軸
10 プロペラ
11 スラグ収容容器
12 溶銑攪拌装置
13 電動機
14 旋回軸
15 攪拌具
16 スラグ排出孔
17 開口装置
18 マッド材
19 スラグ排出装置
20 支持架台
21 電動機
22 旋回軸
23 プロペラ
24 チェーン
25 スラグ収容容器
26 収容容器作動装置
27 スラグ排出装置
28 支持架台
29 電動機
30 旋回軸
31 プロペラ
32 チェーン
33 スラグ収容容器

Claims (6)

  1. 精錬炉または保持容器に収容された溶融金属の浴面上に存在するスラグを除去するに際し、溶融金属の表面に水平方向の旋回流と鉛直方向の下降流との合成した流れを発生させながらスラグを除去することを特徴とする、スラグの除去方法。
  2. 前記旋回流によってスラグを旋回流の中心部に集め、集めたスラグを旋回流の中心部において除去することを特徴とする、請求項1に記載のスラグの除去方法。
  3. 前記旋回流の中心部にスラグを収容するための容器を配置し、前記下降流によってスラグを当該容器内に流入させることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のスラグの除去方法。
  4. 前記旋回流の中心部にスラグを流出するための排出口を配置し、前記下降流によってスラグを当該排出口内に流入させることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のスラグの除去方法。
  5. 不活性ガスの吹き込みによる攪拌力、攪拌用治具による攪拌力、精錬炉または保持容器の回転による攪拌力のうちの何れか1種以上の機械的攪拌力により、溶融金属に水平方向の旋回流と鉛直方向の下降流との合成した流れを発生させることを特徴とする、請求項1ないし請求項4の何れか1つに記載のスラグの除去方法。
  6. 溶融金属を収容する精錬炉または保持容器を、傾転させずにスラグを除去することを特徴とする、請求項1ないし請求項5の何れか1つに記載のスラグの除去方法。
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