JPH10147609A - プラスチックレンズの製造方法及びプラスチックレンズ - Google Patents

プラスチックレンズの製造方法及びプラスチックレンズ

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JPH10147609A
JPH10147609A JP25371097A JP25371097A JPH10147609A JP H10147609 A JPH10147609 A JP H10147609A JP 25371097 A JP25371097 A JP 25371097A JP 25371097 A JP25371097 A JP 25371097A JP H10147609 A JPH10147609 A JP H10147609A
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plastic lens
producing
meth
lens
compound
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Toru Saito
徹 斉藤
Hitoshi Mizuno
人志 水野
Satoshi Kubota
聡 久保田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】(メタ)アクリレート系モノマーを含む組成物
から、内部歪みがなく型の転写製に優れかつ成形後の強
度や弾性率が高く熱特性が良好なプラスチックレンズを
得る。 【解決手段】(メタ)アクリレート系モノマーを含む組
成物を有機過酸化物を使用してラジカル重合する重合工
程を有するプラスチックレンズの製造方法において、半
減期の異なる2種類以上の有機過酸化物を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、矯正用レンズ、サ
ングラスレンズ、ファッションレンズ、フォトクロミッ
クレンズ、カメラ用レンズ、光学装置用レンズ等に用い
られるプラスチックレンズの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来光学用途に用いられてきた無機ガラ
スレンズに代わるものとして種々のプラスチックレンズ
が研究され提案されている。一般的に眼鏡レンズ等に
は、ジエチレングリコールビスアリルカーボネイトが幅
広く用いられているが、レンズを薄型化、軽量化する上
で、低い屈折率が問題となっている。このため眼鏡レン
ズなどの光学用途に対して、高屈折率のレンズを作製す
るために、種々の(メタ)アクリレートモノマーが提案
されている。例えば、特開昭56−166214号公報
には、核ハロゲン置換芳香環を有するジメタクリレート
と芳香環を有する1官能性単量体との共重合体が提案さ
れている。また、特開平6−234830号公報には、
含硫黄メタクリレートを含む(メタ)アクリレート系の
共重合体が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、(メ
タ)アクリレート系のモノマーを単一の有機過酸化物を
用いてラジカル重合させて樹脂を製造した場合では以下
に示す様な問題点がある。一般に、成型後のプラスチッ
クレンズの強度を向上させるために重合開始剤の有機過
酸化物の添加量を増やすと、重合中に急激な内部発熱が
起こり、成型後のプラスチックレンズが内部歪を有した
り、型の転写性が悪くなる。その逆に、急激な内部発熱
を抑えるために有機過酸化物の添加量を減らすと、成型
後のプラスチックレンズの内部歪はなくなり、型の転写
性も良くなるが、重合反応が完全に終了しないため成形
後のレンズの強度や弾性率は一般に低くなり、レンズの
耐熱性も低下する。このように重合開始剤として単一の
有機過酸化物を用いる場合には、プラスチックレンズを
製造するための好ましい添加量を決定することは困難で
ある。
【0004】本発明は、重合開始剤として有機過酸化物
を用いて、(メタ)アクリレート系モノマーからプラス
チックレンズをラジカル重合して製造するに際し、内部
歪がなく、型の転写性に優れ、かつ成形後の強度や弾性
率が高いプラスチックレンズを造る製造方法と、当該製
造方法を用いて製造したプラスチックレンズを提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる問題
点を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を想到
するに至ったものである。
【0006】(1)請求項1のプラスチックレンズの製
造方法は、(メタ)アクリレート系モノマーを含む組成
物を有機過酸化物を使用してラジカル重合する重合工程
を有するプラスチックレンズの製造方法において、半減
期が異なる2種類以上の有機過酸化物を使用することを
特徴とする。
【0007】このため、半減期の比較的短い有機過酸化
物と半減期の比較的長い有機過酸化物の作用により、重
合時の急激な内部発熱を抑制しながらも重合反応を完全
に終了させることができる。その結果、内部歪みがな
く、型の転写性に優れ、成形後の強度や弾性率が高いプ
ラスチックレンズを製造することができるのである。
【0008】また、ここでいう(メタ)アクリレート系
モノマーとは、メタアクリレート系モノマー及びアクリ
レート系モノマーの両方のモノマーを含む。
【0009】(2)請求項2のプラスチックレンズの製
造方法は、請求項1に記載のプラスチックレンズの製造
方法において、前記2種類以上の有機過酸化物が、10
時間半減期温度が20度以上離れている2種類の有機過
酸化物を含むことを特徴とする。
【0010】このため、有機過酸化物として少なくと
も、10時間半減期温度が20度以上離れている2種類
の有機過酸化物を含むので、この2種類の有機過酸化物
の補完的作用により、重合時の急激な内部発熱を抑制し
ながらも重合反応を完全に終了させることができる、と
いう作用を効果的に果たすことが可能となる。2種類の
有機過酸化物の10時間半減期温度が20℃以上離れて
いる場合に限定したのは、この場合に十分に補完的作用
を果たすことが可能となるからである。
【0011】前記2種類以上の有機過酸化物としては、
10時間半減期温度が20度以上離れている2種類の有
機過酸化物に加えて、必要に応じて更に他の有機過酸化
物を加えることも可能である。そうすることによって、
重合時の急激な内部発熱を抑制しながらも重合反応を完
全に終了させることができる、という作用をさらに効果
的に果たすことが可能となる場合もある。
【0012】上記の10時間半減期温度が20℃以上離
れている有機過酸化物の組み合わせとしては、t−ヘキ
シルパーロイルネオデカネートとt−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシネオ
デカナートとt−ブチルパーオキシイソブチレート、t
−ブチルパーオキシネオデカネートとベンゾイルパーオ
キシド、ジ−イソプロピルパーオキシジ−カーボネート
とt−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサネートなど
が挙げられる。
【0013】(3)請求項3のプラスチックレンズの製
造方法は、請求項1又は2に記載のプラスチックレンズ
の製造方法において、ラジカル連鎖移動性の化合物及び
/又はラジカル補足性の化合物の存在下で重合工程を実
施することを特徴とする。
【0014】このため、重合時の内部発熱を更に抑え、
より内部歪みを減らすことが可能となるという効果があ
る。
【0015】また、ラジカル連鎖移動性の化合物及び/
又はラジカル補足性の化合物の存在下で、10時間半減
期温度が20度以上離れている2種類の有機過酸化物を
含む有機過酸化物を使用して重合工程を実施する(請求
項2及び請求項3の組合せ)ことによって、重合時の急
激な内部発熱を抑制しながらも重合反応を完全に終了さ
せることができる、という作用をより効果的に果たすこ
とが可能となる。
【0016】(4)請求項3に記載のプラスチックレン
ズの製造方法においては、ラジカル連鎖移動性の化合物
及び/又はラジカル補足性の化合物が、エチルメルカプ
タン、ヘキシルメルカプタン、メルカプトエタノール、
1,2−ベンゼンジチオール、ペンタエリスリトールテ
トラメルカプトプロピオネートなどのメルカプタン系化
合物、ジエチルジスルフィド、p,p’−ジトリルトリ
スルフィド、ジベンジルテトラスルフィドなどのスルフ
ィド系化合物、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−
ペンテン等の化合物を用いることができる。このうち、
2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンを用い
ることが特に好ましい。
【0017】(5)請求項1乃至4のいずれかに記載の
プラスチックレンズの製造方法は、前記(メタ)アクリ
レート系モノマーが、分子内に硫黄を含む(メタ)アク
リレート系モノマーである場合に特に有効である。
【0018】(6)請求項5に記載のプラスチックレン
ズの製造方法は、分子内に硫黄を含む(メタ)アクリレ
ート系モノマーが、一般式(1)
【0019】
【化2】
【0020】(式中R1はそれぞれ水素原子またはメチ
ル基を示し、R2およびR3はそれぞれ同一または異な
る炭素数1〜4の2価のアルキレン基を示し、Xはフッ
素以外のハロゲン原子を示し、Yは酸素原子または硫黄
原子を示し、mは0〜4の整数を示す。)で示されるジ
(メタ)アクリレート化合物である場合に特に有効であ
る。
【0021】(7)請求項7のプラスチックレンズは、
請求項1乃至6のいずれかに記載された方法により製造
されたことを特徴とする。
【0022】このため、このプラスチックレンズは、内
部歪みがなく、型の転写性に優れ、成形後の強度や弾性
率が高いプラスチックレンズである。
【0023】(8)また、本発明のプラスチックレンズ
の製造方法では、プラスチックレンズの製造時に必要に
応じてプラスチックレンズ原料モノマー中に紫外線安定
剤を混合して使用することにより、プラスチックレンズ
の耐候性を向上させることが可能である。紫外線安定剤
としては、ヒンダ−ドアミン系光安定剤、ヒンダ−ドフ
ェノ−ル系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チ
オエ−テル系酸化防止剤等を使用することができるが、
特に、ヒンダ−ドアミン系光安定剤は効果が大きく好ま
しい。具体例を挙げると、ビス(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)セバケ−ト、ビス(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバ
ケ−ト、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチ
ル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,
9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−ト
リアザスピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、
4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−4−メタ
クリロイルオキシ−ピペラジン、1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−メタクリロイルオキシ−ピペラジン
などである。これらの紫外線安定剤の混合割合は、プラ
スチックレンズ原料モノマー100重量部に対し、0.
001〜2重量部使用するのが好ましい。
【0024】また、鋳型にモノマーを注入して重合する
場合に、重合硬化時に樹脂と鋳型の密着性を高めるため
にプラスチックレンズ原料中に密着性付与剤を加えても
良い。この密着性付与剤の具体例を挙げると、グリシジ
ルメタクリレート、メタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、シランカップリング剤などが挙げられる。これらの
密着性付与剤の混合可能な割合は、プラスチックレンズ
原料モノマーに対し、0.001〜10重量部である。
【0025】本発明によるプラスチックレンズを、矯正
用レンズやファッションレンズ、サングラスとして用い
る場合には、光線透過率を高め、表面反射によるちらつ
きを防止するために、反射防止膜を施す事が好ましく、
さらに、レンズ基材と反射防止膜の密着性を高め、表面
の傷防止のためにハードコート層を設けることが特に好
ましい。
【0026】ハードコート層の好ましい例としては、下
記(イ)および(ロ)を主成分とするコーティング組成
物を塗布し硬化させた物が挙げられる。
【0027】(イ)少なくとも一種以上の反応基を有す
るシラン化合物の一種以上。
【0028】(ロ)酸化ケイ素、酸化アンチモン、酸化
ジルコニウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化タンタル、
酸化タングステン、酸化アルミニウム等の金属微粒子;
酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニア、酸化ケイ
素、酸化鉄のうちの2つ以上を用いた複合金属微粒子;
酸化スズと酸化タングステンの複合金属微粒子で酸化ス
ズ微粒子を被覆した複合金属微粒子から選ばれる1種以
上。
【0029】(ロ)の成分は、ハードコートの屈折率を
調整し、かつ、硬度を高めるのに有効な成分であり、単
独または混合して用いることができる。しかし、(ロ)
の成分だけでは成膜性が悪く、(イ)の成分を併用する
事によって透明で強靭な膜が得られる。(イ)の成分
は、そのまま使用することも可能であるが加水分解して
使用する方が膜の耐水性や硬度を向上させることができ
ることから好ましい。
【0030】ハードコート層の厚さは、通常0.2μm
〜10μm程度が好ましく、より好ましくは、1μm〜
3μm程度である。また、本発明では、レンズ生地とハ
ードコート層の間にプライマー層を設ける様なハードコ
ートも使用できる。このプライマー層は、レンズ生地と
ハードコート層の密着性をより向上させたり、ハードコ
ート処理後のレンズの耐衝撃性を向上させる効果があ
る。
【0031】ハードコート層ならびにプライマー層のコ
ーティングに際しては、好ましくは各層の原料成分をア
ルコール系または水系等の適当な溶媒系に希釈して、デ
ィッピング、スピン、スプレー等の一般的なコーティン
グ法を用いて塗布し、加熱硬化することで行うことがで
きる。硬化は、単に加熱するだけでも可能であるが、適
当な硬化触媒を添加する事でより短時間で硬い膜を形成
する事が可能になる。硬化触媒の例としては、過塩素酸
マグネシウムや過塩素酸アンモニウム等の過塩素酸塩
類、アルミニウムアセチルアセトネート等のキレート化
合物等が挙げられる。
【0032】ハードコート層として、上記(イ)および
(ロ)の成分は、両者のみでも十分な塗膜性能を得る事
はできるが、ハードコート層の外観や耐久性および他の
機能を付加させるために、他の成分を添加する事も可能
である。たとえば、ハードコート層の耐水性を向上さ
せ、あるいは、染色性を付与するためには、多価アルコ
ール、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、または
エポキシ化合物を添加すると効果的である。使用できる
多価アルコールとしては、たとえば、(ポリ)エチレン
グリコール、(ポリ)プロピレングリコール、ネオペン
チルグリコール、カテコール、レゾルシノール、アルカ
ンジオールなどの二官能性アルコール、または、グリセ
リン、トリメチロールプロパンなどの三官能性アルコー
ル、または、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
多価カルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、マレイン酸、o−フタル酸、テレ
フタル酸、フマル酸、イタコン酸、オキザロ酢酸などが
挙げられる。多価カルボン酸無水物としては、無水コハ
ク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、1,2−ジメ
チルマレイン酸無水物、無水フタル酸、ヘキサヒドロフ
タル酸無水物、無水ナフタル酸などが挙げられる。ま
た、エポキシ化合物としては、(ポリ)エチレングリコ
ール、(ポリ)プロピレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、カテコール、レゾルシノール、アルカンジオ
ールなどの二官能性アルコールのジグリシジルエーテ
ル、または、グリセリン、トリメチロールプロパンなど
の三官能性アルコールのジまたはトリグリシジルエーテ
ルなどが挙げられる。これらの添加物を加えた場合に
は、特に硬化触媒を添加した方が硬度の高い膜を得る事
ができる。
【0033】さらに、ハードコート層の紫外線による劣
化を防止するためには、紫外線吸収剤または酸化防止剤
・光安定剤等を使用することができる。紫外線吸収剤ま
たは酸化防止剤・光安定剤等としては、例えば、サリチ
ル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾー
ル系、シアノアクリレート系、ニッケル錯塩系、フェノ
ール系、およびヒンダードアミン系の化合物等が使用で
きる。
【0034】また、塗布時のユズ肌やハジキ等のコーテ
ィング不良を解消するためには、界面活性剤・フローコ
ントロール剤を使用する事ができる。中でも、シリコー
ン系あるいはフッ素系の界面活性剤が有効である。
【0035】矯正用レンズとしての使用では、前述のご
とくハードコート層表面に反射防止膜を施すことによっ
て、光学性能がさらにアップする。反射防止膜として
は、屈折率の異なる薄膜を積層して得られる多層膜であ
り、反射率の低減されるものであれば、無機物でも有機
物でも可能である。しかし、表面の硬度や干渉縞の防止
を重視するためには、無機物からなる単層または多層の
反射防止膜を設けることが最も好ましい。使用できる無
機物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジ
ルコニウム、酸化チタニウム、酸化セリウム、酸化ハフ
ニウム、フッ化マグネシウム等の酸化物あるいはフッ化
物が挙げられ、イオンプレーティング、真空蒸着、スパ
ッタリング等のいわゆるPVD法によって施す事ができ
る。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細について実施
例に基づき説明するが、これらに限定されるものではな
い。実施例および比較例で使用する重合性単量体の略称
は次の通りである。
【0037】 含硫黄(メタ)アクリレート 略称 :物質名 METX :p−ビス(2−メタクリロイルオキシエチルチオ)キシリレン MPTX :p−ビス(3−メタクリロイルオキシプロピルチオ)キシリレン その他の(メタ)アクリレート 略称 :物質名 BZMA :ベンジルメタクリレート PHMA :フェニルメタクリレート PHEMA:フェノキシエチルメタクリレート MMA :メタクリル酸メチル EMA :メタクリル酸エチル IBM :メタクリル酸イソボルニル DCPM :メタクリル酸ジシクロペンタニル 4EGM :テトラエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト 4PGM :テトラプロピレングリコ−ルジメタクリレ−ト 有機過酸化物(重合開始剤) 略称 : 物質名(10時間半減期温度) L−1 : t−ヘキシルパーロイルネオデカネート(44.5℃) L−2 : t−ブチルパーオキシネオデカナート(46.4℃) L−3 : イソブチリルパーオキサイド(32.7℃) L−4 : ジ−イソプロピルパーオキシジ−カーボネート(40.5℃) M−1 : 2,4−ジ−クロロベンゾイルパーオキサイド(52.8℃) M−2 : オクタノイルパーオキサイド(61.5℃) H−1 : t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート(72.1℃) H−2 : t−ブチルパーオキシイソブチレート(77.3℃) H−3 : ベンゾイルパーオキシド(73.6℃) H−4 : t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサネート(69.9℃) ラジカル連鎖移動性の化合物およびラジカル補足性の化合物から選ばれる化合物 略称 : 物質名 DMP : 2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン (実施例1)プラスチックレンズ原料モノマーとして表
1に示す割合で100g調合し、ヒンダ−ドアミン系光
安定剤(旭電化工業(株)製、商品名LA−63P)
0.2g(紫外線安定剤)、グリジルメタクリレート1
g(密着性付与剤)、重合開始剤を表2に示す割合で混
合し、室温でよく撹拌した後、50mmHgに減圧して
10分間脱気した。この組成物を、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体からなるガスケットを介した鏡面仕上げのガ
ラス板製鋳型中に注入し、35℃で10時間保持し、3
5℃から100℃まで7時間で徐々に昇温し、100℃
で2時間保持して成形した。型よりレンズを離型し、1
00℃で2時間加熱してアニ−ル処理した。
【0038】このようにして製造したレンズを下記の方
法で評価し、結果を表3に示す。 屈折率:アッベ屈折計により、589.3nmのD線に
て測定した。 耐熱性:TMA測定機により、荷重10gでのTgを測
定した。 曲げ試験:JIS K7203に従って弾性率を測定し
た。
【0039】レンズ形状:レンズ中心部の湾曲状態を肉
眼により観察し、下記ランクに分類した。この際に使用
したガラス型は屈折率が1.55の材料の場合、中心度
数が−8.00ディオプトリーの球面レンズになるもの
を用いた。 A 全く湾曲がない。(設計時の曲率と成形時の曲率の
差が0〜1%) B やや湾曲している。(差が1〜3%) C 若干湾曲している。 (差が3〜5%) D 湾曲している。 (差が5〜10%) E 著しく湾曲している。(差が10〜20%) F 使用できない。 (差が20%以上)
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】(実施例2〜7)プラスチックレンズ原料
モノマーとして表1に示す割合で100g調合し、重合
開始剤とラジカル連鎖移動性の化合物およびラジカル補
足性の化合物から選ばれる化合物を表2に示す割合で調
合し、紫外線安定剤、密着性付与剤については、実施例
1と全く同様として調合し、実施例1と同様の方法でレ
ンズ製造と品質評価を行なった。結果を表3に示す。
【0044】(比較例1〜6)プラスチックレンズ原料
モノマーとして表4に示す割合で100g調合し、重合
開始剤とラジカル連鎖移動性の化合物およびラジカル補
足性の化合物から選ばれる化合物を表5に示す割合で調
合し、紫外線安定剤、密着性付与剤については、実施例
1と全く同様として調合し、実施例1と同様の方法でレ
ンズ製造と品質評価を行った。結果を表6に示す。
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【発明の効果】本発明におけるプラスチックレンズの製
造方法に依れば、(メタ)アクリレート系モノマーを用
いて、レンズに内部歪みがなく、型の転写性に優れ、か
つ強度や弾性率、熱特性が良好な、プラスチックレンズ
を得ることができる。このプラスチックレンズは特に矯
正用レンズやサングラスなどの眼鏡レンズとして使用す
るのに好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 33:04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(メタ)アクリレート系モノマーを含む組
    成物を有機過酸化物を使用してラジカル重合する重合工
    程を有するプラスチックレンズの製造方法において、半
    減期が異なる2種類以上の有機過酸化物を使用すること
    を特徴とするプラスチックレンズの製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のプラスチックレンズの製
    造方法において、前記2種類以上の有機過酸化物が、1
    0時間半減期温度が20度以上離れている2種類の有機
    過酸化物を含むことを特徴とするプラスチックレンズの
    製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載のプラスチックレン
    ズの製造方法において、ラジカル連鎖移動性の化合物及
    び/又はラジカル補足性の化合物の存在下で重合工程を
    実施することを特徴とするプラスチックレンズ製造方
    法。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のプラスチックレンズの製
    造方法において、ラジカル連鎖移動性の化合物及び/又
    はラジカル補足性の化合物が、エチルメルカプタン、ヘ
    キシルメルカプタン、メルカプトエタノール、1,2−
    ベンゼンジチオール、ペンタエリスリトールテトラメル
    カプトプロピオネートなどのメルカプタン系化合物、ジ
    エチルジスルフィド、p,p’−ジトリルトリスルフィ
    ド、ジベンジルテトラスルフィドなどのスルフィド系化
    合物、及び/又は2,4−ジフェニル−4−メチル−1
    −ペンテンであることを特徴とするプラスチックレンズ
    の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかに記載のプラス
    チックレンズの製造方法において、前記(メタ)アクリ
    レート系モノマーが、分子内に硫黄を含む(メタ)アク
    リレート系モノマーであることをを特徴とするプラスチ
    ックレンズの製造方法。
  6. 【請求項6】請求項5に記載のプラスチックレンズの製
    造方法において、分子内に硫黄を含む(メタ)アクリレ
    ート系モノマーが、一般式(1) 【化1】 (式中R1はそれぞれ水素原子またはメチル基を示し、
    R2およびR3はそれぞれ同一または異なる炭素数1〜
    4の2価のアルキレン基を示し、Xはフッ素以外のハロ
    ゲン原子を示し、Yは酸素原子または硫黄原子を示し、
    mは0〜4の整数を示す。)で示されるジ(メタ)アク
    リレート化合物であることを特徴とするプラスチックレ
    ンズの製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6のいずれかに記載された方
    法により製造されたことを特徴とするプラスチックレン
    ズ。
JP25371097A 1996-09-19 1997-09-18 プラスチックレンズの製造方法及びプラスチックレンズ Withdrawn JPH10147609A (ja)

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