JPH08169918A - 光学用樹脂組成物、および光学用樹脂 - Google Patents

光学用樹脂組成物、および光学用樹脂

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JPH08169918A
JPH08169918A JP25662095A JP25662095A JPH08169918A JP H08169918 A JPH08169918 A JP H08169918A JP 25662095 A JP25662095 A JP 25662095A JP 25662095 A JP25662095 A JP 25662095A JP H08169918 A JPH08169918 A JP H08169918A
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meth
optical resin
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resin composition
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JP25662095A
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English (en)
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Hitoshi Mizuno
人志 水野
Satoshi Kubota
聡 久保田
Toru Saito
徹 斉藤
Toshiyuki Miyabayashi
利行 宮林
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Seiko Epson Corp
Tokuyama Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Tokuyama Corp
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高屈折率であり、耐熱性、機械的強度、ハード
コート付着性、成形性等に優れる、光学用樹脂組成物お
よびそれからなる光学用樹脂を提供する。 【解決手段】(a)一般式(1) 【化1】 (式中R1 はそれぞれ水素原子またはメチル基を示し、
2 およびR3 はそれぞれ同一または異なる炭素数1〜
4の2価のアルキレン基であり、Xはフッ素以外のハロ
ゲン原子を示し、Yは酸素原子または硫黄原子を示し、
mは0〜4の整数を示す。)で示されるジ(メタ)アク
リレ−ト化合物20〜70重量部と、(b)ラジカル重
合可能な重合性単量体30〜80重量部を主成分とする
ことを特徴とする光学用樹脂組成物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学用樹脂組成物、
それを用いて得られた光学用樹脂、また、その光学用樹
脂からなる、プラスチックレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズは従来の無機ガラス
レンズに比べて軽量で割れにくく、染色も容易なため、
近年眼鏡レンズ等の光学用途に使用されている。しか
し、一般的に使用されている、ジエチレングリコールビ
スアリルカーボネイトは、レンズを薄型化、軽量化する
上で、低い屈折率が問題となっている。この問題を解決
するために、近年レンズの厚さを薄くできる屈折率の高
いプラスチックレンズ材料が開発されている。
【0003】高屈折率を与えるプラスチックレンズ材料
として、特開昭62-276501 号公報に、ナフタレン環を導
入することによって、1.63以上の屈折率を示す材料
が開示されている。また、特開昭64-26622号公報にs−
カルバメート結合を導入することにより、1.58以上
の屈折率を示す材料が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記特開昭62
-276501 号公報記載のプラスチックレンズ材料は、強度
面で脆く、耐衝撃性が劣るため、眼鏡レンズとして十分
な強度を持つためには、レンズの厚さを薄くできない欠
点がある。
【0005】また、前記特開昭64-26622号公報記載のプ
ラスチックレンズ材料は、耐熱性が悪く、この素材に反
射防止防止用のハードコート層を施すと、熱によりハー
ドコート層にクラックが入りやすいという欠点がある。
【0006】さらに、高屈折率の樹脂を得るために、単
量体中に芳香環を導入することは通常良く行なわれる
が、屈折率を上げるために芳香環等を含む樹脂を単純に
使用すると、ハードコートの密着性が低下しやすく、苛
酷条件で使用される(例えば)眼鏡レンズなどでは実使
用時にコート膜の剥離が起こる。一方、屈折率の高いウ
レタンやチオウレタン樹脂を用いた場合、コート膜の密
着性は十分であるが、眼鏡レンズの枠入れのための玉摺
り時に悪臭がひどいため問題となっている。
【0007】したがって、本発明の目的は上記従来技術
のプラスチックレンズ及び、材料となる樹脂の欠点を解
消した光学用樹脂、およびそれを用いた光学物品を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のジ(メ
タ)アクリレ−ト化合物と、その他のラジカル重合可能
な単量体とをある比率で混合した樹脂組成物を用いるこ
とによって、上記の課題が解決できることを見いだし、
本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、(a)
一般式(1)
【0009】
【化4】
【0010】(式中R1はそれぞれ水素原子またはメチ
ル基を示し、R2およびR3はそれぞれ同一または異なる
炭素数1〜4の2価のアルキレン基であり、Xはフッ素
以外のハロゲン原子を示し、Yは酸素原子または硫黄原
子を示し、mは0〜4の整数を示す。)で示されるジ
(メタ)アクリレ−ト化合物20〜70重量部と、
(b)ラジカル重合可能な重合性単量体30〜80重量
部とを含んでなる光学用樹脂組成物である。また、本発
明はこの組成物をラジカル重合してなる光学用樹脂と、
この樹脂からなるプラスチックレンズも提供する。
【0011】本発明において使用する上記一般式(1)
で示されるような重合性単量体は、アクリル酸あるいは
メタクリル酸をチオエ−テル鎖で連結した構造を有し、
且つそのチオエ−テル鎖中に核ハロゲン置換または無置
換のフェニレン基を有するジ(メタ)アクリレ−ト化合
物である。この一般式(1)で表される、化合物は公知
であり、特開昭62-195357 公報に記載されている。
【0012】前述のごとく、光学用樹脂において、屈折
率を上げるために芳香環等を含む樹脂を単純に使用する
と、ハードコートの密着性が低下しやすく、苛酷条件で
使用される(例えば)眼鏡レンズなどでは実使用時にコ
ート膜の剥離が起こることがある。また、コート膜の密
着性の良いウレタンやチオウレタン樹脂を用いた場合、
玉摺り時の悪臭が問題となっている。
【0013】これに対し、上記ジ(メタ)アクリレ−ト
化合物と、他のラジカル重合可能な重合性単量体との混
合物を重合して得られる、光学用樹脂は、高屈折率素材
でありながらコート膜の密着性に優れ、かつ、玉摺り時
の悪臭もない。このとき、一般式(1)で示される化合
物が20重量部未満の場合は、この化合物による高屈折
率化の効果が少なく、重合後の樹脂の屈折率が低いもの
となる。また、一般式(1)で示される化合物が70重
量部を越える場合は、重合後の光学用樹脂が脆い物とな
り、プラスチックレンズ等の光学用樹脂としての十分な
強度を示さない。従って、本発明では、重合性単量体と
して、このジ(メタ)アクリレ−ト化合物を20〜70
重量部使用し、他のラジカル重合可能な重合性単量体を
30〜80重量部使用することにより、高屈折率であ
り、玉摺り時の悪臭がなく、耐熱性、機械的強度、耐衝
撃性、低吸水性、ハ−ドコ−ト付着性、成形性等に優
れ、軽量化、薄型化が可能な樹脂に重合可能な光学用樹
脂組成物が得られる。なお、本発明において、ジ(メ
タ)アクリレ−ト化合物とは、ジアクリレ−ト化合物と
ジメタクリレ−ト化合物を総称し、モノ(メタ)アクリ
レート化合物とは、モノアクリレート化合物と、モノメ
タクリレート化合物を総称する。
【0014】上記一般式(1)で示されるジ(メタ)ア
クリレ−ト化合物において、フェニレン基へのチオエ−
テル鎖の結合位置は、o位、m位、p位のいずれでもよ
いが、通常、m位およびp位が代表的である。また、R
2およびR3は炭素数1〜4のアルキレン基であるが、特
に炭素数1〜3のアルキレン基である場合が好ましい。
さらに、Xとしては、塩素、臭素、ヨウ素の各原子が採
用される。本発明において、好適に使用される上記一般
式(1)で示されるジ(メタ)アクリレ−ト化合物を具
体的に例示すると、例えばp−ビス(2−メタクリロイ
ルオキシエチルチオ)キシリレン、p−ビス(3−メタ
クリロイルオキシプロピルチオ)キシリレン、p−ビス
(2−メタクリロイルオキシエチルチオエチル)フェニ
レン、p−ビス(3−メタクリロイルオキシプロピルチ
オエチル)フェニレン等が挙げられる。本発明におい
て、このジ(メタ)アクリレ−ト化合物は、一種を単独
であるいは二種以上を混合して用いても良い。
【0015】本発明で使用されるラジカル重合可能な重
合性単量体は、スチレン、ビニルトルエン、クロロスチ
レン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、ビニル
ナフタレン等のビニル化合物、メチル(メタ)アクリレ
ート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、等の(メタ)アクリル化合物、ジエ
チレングリコールビスアリルカーボネート、ジアリルフ
タレート、ジアリルジメチルシラン等のアリル化合物な
ど公知のラジカル重合性モノマーが用いられる。
【0016】このとき、より好適には重合後の光学用樹
脂の強度と熱特性を十分なものとするために、ラジカル
重合性官能基を1つ有する単量体の1種以上と、ラジカ
ル重合性官能基を2つ以上有する単量体の1種以上を混
合して用いることが好ましい。このとき、ラジカル重合
性官能基を1つ有する単量体の割合が、20重量部未満
では重合後の光学用樹脂の架橋反応が進みすぎ、強度面
でやや脆くなり、十分な強度を得られない。また80重
量部を越えると、架橋反応が不十分なために光学用樹脂
の熱特性に悪影響を及ぼす。
【0017】このとき、重合速度の違いなどによる、重
合時の内部歪みの発生を押さえるために、上記のラジカ
ル重合性官能基を1つ有する単量体は、モノ(メタ)ア
クリレート化合物であり、ラジカル重合性官能基を2つ
以上有する単量体は、ジ(メタ)アクリレート化合物で
あることが、より好ましい。
【0018】また、樹脂の高屈折率化をさらに向上させ
るために、ホモポリマーの屈折率が1.55以上であ
る、ラジカル重合性単量体も樹脂組成物中に混合するこ
とが好ましい。このような、屈折率が1.55以上であ
るホモポリマーを与えるラジカル重合性単量体として
は、下記一般式(2)で表される、モノ(メタ)アクリ
レート化合物および、下記一般式(3)で表される、ジ
(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
【0019】
【化5】
【0020】(上記式(2)中R1 は式(1)で定義さ
れたものと同じ意味を表し、またR30はフェニル基、ベ
ンジル基、もしくは2−フェノキシエチル基、またはそ
れらの置換基中の水素原子の一部が、フッ素を除くハロ
ゲン原子で置換された、基を表す。
【0021】また、上記式(3)中、R1 は式(1)で
定義されたものと同じ意味を表し、2つのR30は、独立
して、それぞれ水素原子またはメチル基を表し、R5
6、R7 、およびR8 、は独立してそれぞれ水素原
子、またはフッ素を除くハロゲン原子を表し、そしてm
およびnは、m+n=0〜10の整数を表す。) ここで、上記一般式(2)で表されるモノ(メタ)アク
リレート化合物の使用は、樹脂の高屈折率化、および機
械的強度の向上が図れる点で好ましい。このモノ(メ
タ)アクリレート化合物の好ましいものの具体例として
は、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)
アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレ
ート、1,3,5−トリブロモフェニル(メタ)アクリ
レート、および2−(1’,3’,5’−トリブロモフ
ェニル)オキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。
【0022】ここで、上記一般式(3)で表されるジ
(メタ)アクリレート化合物の使用は、樹脂の高屈折率
化、並びに耐熱性、および機械的強度の向上が図れる点
で好ましい。このジ(メタ)アクリレート化合物の好ま
しい具体例としては、2,2’−ビス [4−(メタクリ
ロイルオキシエトキシ)フェニル] プロパン、または
2,2’−ビス [(3,5−ジブロモ−4−メタクリロ
イルオキシエトキシ)フェニル ]プロパン等が挙げられ
る。
【0023】本発明による光学用樹脂組成物では、樹脂
の機械的強度や、耐熱性の向上を更に図るために、屈折
率が1.55未満であるホモポリマーを与える重合性単
量体を混合した方がより好ましい。このような、屈折率
が1.55未満であるホモポリマーを与える重合性単量
体としては、下記一般式(4)または一般式(5)のモ
ノ(メタ)アクリレート化合物、または一般式(6)の
ジ(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
【0024】
【化6】
【0025】(式(4)中、R1 は式(1)で定義され
たものと同じ意味を表し、R9 は炭素数1〜4のアルキ
ル基を表す。また、式(5)中、R1 は式(1)で定義
されたものと同じ意味を表し、R10は、炭素数5〜16
の脂環式炭化水素基を表す。また、式(6)中、R1
式(1)で定義されたものと同じ意味を表し、R30は上
記式(3)中で定義されたものと同じ意味を表し、nは
1〜10の整数を表す。) 上記一般式(4)で示されるモノ(メタ)アクリレート
化合物の使用は、光学用樹脂の機械的強度の向上の点か
ら好ましい。一般式(4)の化合物の好ましい例として
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート等が挙げられる。
【0026】また、一般式(5)で示されるモノ(メ
タ)アクリレート化合物の使用は、樹脂の成形性、低吸
水性、耐熱性の向上が図れる点で好ましい。一般式
(5)において、R10が表す炭素数5〜16の脂環式炭
化水素基は、好ましくは5〜8のシクロ単環、さらには
炭素数6〜12の橋かけ環(例えば、ノルボルニル基、
アダマンチル基、イソボルニル基等)を表す。これらの
脂環式炭化水素基の一またはそれ以上の水素原子は、置
換されていてもよく、その置換基としては、ヒドロキシ
基;メチルアミノ基等の置換アミノ基;メトキシ基、エ
トキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜4のア
ルコキシ基;ベンジルオキシ基等の炭素数7〜15のア
ラルコキシ基;フェノキシ基等の炭素数6〜16のアリ
ールオキシ基;メチル基、エチル基等の炭素数1〜4の
低級アルキル基;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原
子;シアノ基;カルボキシル基;エトキシカルボニル基
等の炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基炭素数1
〜2のハロゲン置換アルキル基;ニトロ基;フェニル
基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエ
チル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基等が挙げ
られる。また、これらの置換基は1置換体として含まれ
るもののみならず、2置換体以上の複数個の置換基を有
する多置換体として含まれていてもよく、さらには多置
換体における置換基は同種であっても、異種であっても
何ら支障はない。一般式(5)の化合物の好ましい例と
しては、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル
(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレ
ート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチ
ル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)
アクリレート等が挙げられる。
【0027】さらに、一般式(6)で示される、ジ(メ
タ)アクリレート化合物は架橋性を有する化合物であ
り、樹脂組成物中への混合使用は、樹脂の機械的強度や
耐衝撃性の向上に効果がある点で好ましい。構造式中に
含まれる、エチレングリコール鎖またはプロピレングリ
コール鎖のnは1〜10であるが、樹脂の耐熱性、脆
さ、吸水性等の観点から3〜5が特に好ましい。
【0028】また、本発明の光学用樹脂組成物は、必要
に応じて紫外線安定剤を混合して使用することにより、
樹脂の耐候性を向上させることが可能である。紫外線安
定剤としては、ヒンダ−ドアミン系光安定剤、ヒンダ−
ドフェノ−ル系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止
剤、チオエ−テル系酸化防止剤等を使用することができ
るが、特に、ヒンダ−ドアミン系光安定剤は効果が大き
く好ましい。具体例を挙げると、ヒンダ−ドアミン系光
安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)セバケ−ト、ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケ−ト、
1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テ
トラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピ
ロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾ
イルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、2,2,6,6−テトラメチル−4−メタクリロイ
ルオキシ−ピペラジン、1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−メタクリロイルオキシ−ピペラジン、一般式
(7)
【0029】
【化7】
【0030】において、R24,R25,R26,R27のすべ
てが2,2,6,6−テトラメチル−4−メタクリロイ
ルオキシ−ピペリジル基であるヒンダ−ドアミン系光安
定剤、一般式(7)において、R24,R25,R26,R27
のすべてが1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−メ
タクリロイルオキシ−ピペリジル基であるヒンダ−ドア
ミン系光安定剤、一般式(7)において、R24,R25
26,R27の少なくとも一つが、2,2,6,6−テト
ラメチル−4−メタクリロイルオキシ−ピペリジル基で
あり、他はトリデシル基であるヒンダ−ドアミン系光安
定剤、一般式(7)において、R24,R25,R26,R27
の少なくとも一つが、1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−メタクリロイルオキシ−ピペリジル基であり、
他はトリデシル基であるヒンダ−ドアミン系光安定剤、
一般式(8)で表されるヒンダ−ドアミン系光安定剤等
が挙げられる。
【0031】
【化8】
【0032】(一般式(8)で表される高分子鎖におい
て、nは1〜5の整数であり、Wは一般式(9)で表さ
れる4価の基を示す。R28の置換基はそれぞれ同一また
は異なる2,2,6,6−テトラメチル−4−メタクリロ
イルオキシ−ピペリジル基または1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−メタクリロイルオキシ−ピペリジル基
である。) これらの紫外線安定剤の混合割合は、光学用樹脂組成物
100重量部に対し、0.001〜2重量部使用するの
が好ましい。
【0033】本発明の光学用樹脂組成物の硬化に際して
使用される重合開始剤としては、種々のラジカル重合開
始剤が好ましく用いられ、例えばベンゾイルパ−オキサ
イド、t−ブチルパ−オキシ−2−エチルヘキサノエ−
ト、t−ブチルパ−オキシピバレ−ト、t−ブチルパ−
オキシイソブチレ−ト、t−ブチルパ−オキシネオデカ
ノエ−ト、t−ブチルパ−オキシイソプロピルカ−ボネ
−ト、ラウロイルパ−オキサイド、アゾビスイソブチロ
ニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)等が例として挙げられる。これらは一種または二種
以上の混合系で使用できる。また、さらに樹脂組成物の
成形性を高めるために、重合開始剤の他に重合度調整剤
を加えてもよい。この重合度調整剤の具体例を挙げる
と、ノルマルドデシルメルカプタン、ノルマルオクチル
メルカプタン、チオグリセロ−ル、α−メチルスチレン
ダイマ−などが挙げられる。これらの重合開始剤および
重合度調整剤の混合使用可能な割合は、共に、各レンズ
主成分モノマ−とフォトクロミッツク化合物の合計10
0重量部に対し、0.001〜5重量部である。また、
鋳型にモノマーを注入して重合する場合に重合硬化時に
樹脂と鋳型の密着性を高めるために密着性付与剤を加え
ても良い。この密着性付与剤の具体例を挙げると、グリ
シジルメタクリレート、メタクリル酸2−ヒドロキシエ
チルなどが挙げられる。これらの密着性付与剤の混合可
能な割合は、各レンズ主成分モノマーに対し、0.00
1〜10重量部である。
【0034】重合硬化方法は特に限定されず、光学用樹
脂組成物の用途に合わせて成形方法を決定できる。例え
ばレンズ用に整形する場合には、鏡面研磨した二枚のガ
ラス製鋳型中に、エチレン−酢酸ビニル共重合体等から
なるガスケットを介して、紫外線安定剤、重合開始剤、
重合度調整剤、密着性付与剤などを含む本発明の組成物
を注入し、加熱重合で整形でき、必要に応じて研磨によ
ってレンズ形状に整形できる。また、硬化は前記重合開
始剤の他に、光硬化タイプの重合開始剤を併用して、光
と熱を組み合わせて硬化する事も可能である。この場
合、光の照射時間が長すぎると樹脂の色調が黄色になっ
たり、樹脂の機械的強度の低下が起こり易いため、光照
射は樹脂のゲル化までとし、完全硬化は熱を利用するの
が好ましい。ここで、鋳型としては、ガラスのみでな
く、ガラスとプラスチック板、ガラスと金属板、あるい
はこれらの組合せが可能である。また、ガスケットとし
ては、上記のような熱可塑性樹脂の他、ポリエステル製
の粘着テ−プを用いてもよい。その他の用途に使用する
場合もほぼ同様に行なう事ができる。
【0035】本発明による光学用樹脂組成物は光学特性
・薄型化・軽量化に優れるため、特にプラスチック眼鏡
レンズ用途に適している。眼鏡レンズ用途では光線透過
率を高め、表面反射によるちらつきを防止するために、
反射防止膜を施す事が好ましく、さらに、レンズ基材と
反射防止膜の密着性を高め、表面の傷防止のためにハー
ドコート層を設けることが特に好ましい。本発明による
光学用樹脂は、上記したように、芳香環を有した構造を
しているにも関わらず、ハードコート層との密着性が極
めて良いとの利点を有する。
【0036】ハードコート層の好ましい例としては、下
記(イ)および(ロ)を主成分とするコーティング組成
物を塗布し硬化させた物が挙げられる。
【0037】(イ)少なくとも一種以上の反応基を有す
るシラン化合物の一種以上。
【0038】(ロ)酸化ケイ素、酸化アンチモン、酸化
ジルコニウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化タンタル、
酸化タングステン、酸化アルミニウム等の金属微粒子;
酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニア、酸化ケイ
素、酸化鉄のうちの2つ以上を用いた複合金属微粒子;
酸化スズと酸化タングステンの複合金属微粒子で酸化ス
ズ微粒子を被覆した複合金属微粒子から選ばれる1種以
上。
【0039】(ロ)の成分は、ハードコートの屈折率を
調整し、かつ、硬度を高めるのに有効な成分であり、単
独または混合して用いることができる。しかし、(ロ)
の成分だけでは成膜性が悪く、(イ)の成分を併用する
事によって透明で強靱な膜が得られる。(イ)の成分
は、そのまま使用することも可能であるが加水分解して
使用する方が膜の耐水性や硬度を向上させることができ
ることから好ましい。
【0040】ハードコート層の厚さは、通常0.2μm
〜10μm程度が好ましく、より好ましくは、1μm〜
3μm程度である。また、本発明では、レンズ生地とハ
ードコート層の間にプライマー層を設ける様なハードコ
ートも使用できる。このプライマー層は、レンズ生地と
ハードコート層の密着性をより向上させたり、ハードコ
ート処理後のレンズの耐衝撃性を向上させる事に効果が
ある。
【0041】ハードコート層ならびにプライマー層のコ
ーティングに際しては、好ましくは層原料成分をアルコ
ール系または水系等の適当な溶媒系に希釈して、ディッ
ピング、スピン、スプレー等の一般的なコーティング法
を用いて塗布し、加熱硬化することで行うことができ
る。硬化は、単に加熱するだけでも可能であるが、適当
な硬化触媒を添加する事でより短時間で硬い膜を形成す
る事が可能になる。硬化触媒の例としては、過塩素酸マ
グネシウムや過塩素酸アンモニウム等の過塩素酸塩類、
アルミニウムアセチルアセトネート等のキレート化合物
等が挙げられる。
【0042】ハードコート層として、上記(イ)および
(ロ)の成分は、両者のみでも十分な塗膜性能を得る事
はできるが、ハードコート層の外観や耐久性および他の
機能を付加させるために、他の成分を添加する事も可能
である。たとえば、ハードコート層の耐水性を向上さ
せ、あるいは、染色性を付与するためには、多価アルコ
ール、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、または
エポキシ化合物を添加すると効果的である。使用できる
多価アルコールとしては、たとえば、(ポリ)エチレン
グリコール、(ポリ)プロピレングリコール、ネオペン
チルグリコール、カテコール、レゾルシノール、アルカ
ンジオールなどの二官能性アルコール、または、グリセ
リン、トリメチロールプロパンなどの三官能性アルコー
ル、または、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
多価カルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、マレイン酸、o−フタル酸、テレ
フタル酸、フマル酸、イタコン酸、オキザロ酢酸などが
挙げられる。多価カルボン酸無水物としては、無水コハ
ク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、1,2−ジメ
チルマレイン酸無水物、無水フタル酸、ヘキサヒドロフ
タル酸無水物、無水ナフタル酸などが挙げられる。ま
た、エポキシ化合物としては、(ポリ)エチレングリコ
ール、(ポリ)プロピレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、カテコール、レゾルシノール、アルカンジオ
ールなどの二官能性アルコールのジグリシジルエーテ
ル、または、グリセリン、トリメチロールプロパンなど
の三官能性アルコールのジまたはトリグリシジルエーテ
ルなどが挙げられる。これらの添加物を加えた場合に
は、特に硬化触媒を添加した方が硬度の高い膜を得る事
ができる。
【0043】さらに、ハードコート層の紫外線による劣
化を防止するためには、紫外線吸収剤または酸化防止剤
・光安定剤等を使用することができる。紫外線吸収剤ま
たは酸化防止剤・光安定剤等としては、例えば、サリチ
ル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾー
ル系、シアノアクリレート系、ニッケル錯塩系、フェノ
ール系、およびヒンダードアミン系の化合物等が使用で
きる。
【0044】また、塗布時のユズ肌やハジキ等のコーテ
ィング不良を解消するためには、界面活性剤・フローコ
ントロール剤を使用する事ができる。中でも、シリコー
ン系あるいはフッ素系の界面活性剤が有効である。
【0045】眼鏡レンズとしての使用では、前述のごと
くハードコート層表面に反射防止膜を施すことによっ
て、光学性能がさらにアップする。反射防止膜として
は、屈折率の異なる薄膜を積層して得られる多層膜であ
り、反射率の低減されるものであれば、無機物でも有機
物でも可能である。しかし、表面の硬度や干渉縞の防止
を重視するためには、無機物からなる単層または多層の
反射防止膜を設けることが最も好ましい。使用できる無
機物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジ
ルコニウム、酸化チタニウム、酸化セリウム、酸化ハフ
ニウム、フッ化マグネシウム等の酸化物あるいはフッ化
物が挙げられ、イオンプレーティング、真空蒸着、スパ
ッタリング等のいわゆるPVD法によって施す事ができ
る。
【0046】
【発明の実施の形態】以下本発明の詳細について実施例
に基づき説明するが、これらに限定されるものではな
い。
【0047】実施例および比較例で使用する重合性単量
体の略号は次の通りである。
【0048】・一般式(1)で示されるジ(メタ)アク
リレート化合物 METX:p−ビス(2−メタクリロイルオキシエチル
チオ)キシリレン MPTX:p−ビス(3−メタクリロイルオキシプロピ
ルチオ)キシリレン ・その他の重合性単量体 BZMA:ベンジルメタクリレート PHMA:フェニルメタクリレート PHEMA:フェノキシエチルメタクリレート BPE:2,2’−ビス[4−(メタクリロイルオキシ
エトキシ)フェニル]プロパン BBPE:2,2’−ビス[(3,5−ジブロモ−4−
メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]プロパン MMA:メタクリル酸メチル EMA:メタクリル酸エチル IBM:メタクリル酸イソボルニル DCPM:メタクリル酸ジシクロペンタニル 4EGM:テトラエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト 4PGM:テトラプロピレングリコ−ルジメタクリレ−
ト また、実施例および比較例において、レンズのハードコ
ートに使用したコーティング組成物およびプライマー組
成物は、以下の方法により調製したものである。
【0049】・コーティング組成物a. γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 23
g、メタノール分散コロイダルシリカ(触媒化学(株)
製、商品名OSCAL−1132) 45gおよびメチ
ルセロソルブ 32gをよく攪拌し、0.05規定の塩
酸2gを添加して30分間攪拌した。さらに、シリコー
ン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品名L−7
604)0.03gを添加し攪拌して、コーティング組
成物を作成した。
【0050】・コーティング組成物b,cおよびd. 表5に示す組成により、コーティング組成物aと同様に
作成した。
【0051】・プライマー組成物a. アクリル−スチレン共重合体のエマルジョン(ダイセル
化学製、商品名セビアンA4710) 20g、水 1
7g、エチルセルソルブ 70g、N,Nジメチルホル
ムアミド 15gを調合し30分間攪拌した。さらに、
シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー(株)製、商品
名L−7604)0.03gを添加し攪拌して、プライ
マー組成物を作成した。
【0052】・プライマー組成物b. プライマー組成物(日本エーアールシー(株)製、商品
名クリスタルコートCP−607)を使用した。
【0053】(実施例1)METX45g、PHEMA
25g、MMA12g、IBM12g、4EGM6g、
ヒンダ−ドアミン系光安定剤(旭電化工業(株)製、商
品名LA−63)0.2g、αーメチルスチレンダイマ
ー1g、グリシジルメタクリレート1g、t−ブチルパ
−オキシネオデカノエ−ト1.0gを混合し、室温でよ
く攪拌した後、50mmHgに減圧して10分間脱気し
た。この組成物を、エチレン−酢酸ビニル共重合体から
なるガスケットを介した鏡面仕上げのガラス板製鋳型中
に注入し、35℃で10時間保持し、35℃から100
℃まで7時間で徐々に昇温し、100℃で2時間保持し
て成形した。型よりレンズを離型し、100℃で2時間
加熱してアニ−ル処理した。
【0054】このようにして製造したレンズを下記の方
法で評価し、結果を表3に示す。
【0055】屈折率:アッベ屈折計により、589.3
nmのD線にて測定した。
【0056】飽和吸水率:厚さ5mmの円盤状平板を用
いて、70℃で100%の飽和水蒸気中に3日間放置し
て増加重量を測定した。
【0057】耐熱性:TMA測定機により、荷重10g
でのTgを測定した。
【0058】落球試験:中心厚1.5mmのレンズ5枚
の中心に127cmの高さから鋼球を落下させた際に、
レンズが破壊またはヒビが入った鋼球の重量の平均値を
計算した。
【0059】曲げ試験:JIS K7203に従って弾
性率を測定した。
【0060】レンズ形状:レンズ中心部の湾曲状態を肉
眼により観察し、下記ランクに分類した。
【0061】A 全く湾曲がない。(設計時の曲率と成
形時の曲率の差が0〜1%) B やや湾曲している。(差が1〜3%) C 若干湾曲している。 (差が3〜5%) D 湾曲している。 (差が5〜10%) E 著しく湾曲している。(差が10〜20%) F 使用できない。 (差が20%以上) (実施例2〜7)レンズ組成モノマ−は表1に示す割合
として100g、紫外線安定剤、重合開始剤、重合度調
整剤、密着性付与剤については、実施例1と全く同様と
して調合し、実施例1と同様の方法でレンズ製造と品質
評価を行なった。結果を表3に示す。
【0062】(比較例1)CR39(ジエチレングリコ
−ルビスアリルカ−ボネ−ト)100g、ジイソプロピ
ルパ−オキシジカ−ボネ−ト3gを混合しよく攪拌した
後、実施例1で用いたのと同じ鋳型中に注入し、45℃
で10時間、60℃で3時間、80℃で3時間、95℃
で6時間保持して成形した。型よりレンズを脱型し、1
20℃で1時間加熱してアニ−ル処理した。このように
して製造したレンズについて実施例1と同様に評価し、
その結果を表3に示した。
【0063】(比較例2〜7)各レンズ組成モノマ−は
表2に示す割合として100g、紫外線安定剤、重合開
始剤、重合度調整剤については、実施例1と全く同様と
して調合し、実施例1と同様の方法でレンズ製造と品質
評価を行った。結果を表3に示す。
【0064】(実施例8)実施例1のレンズをコーティ
ング組成物aに浸漬し、毎分20cmの速さで引き上げ
て塗布し、130℃で1.5時間加熱してコート層を乾
燥させ、ハードコート層を施した。
【0065】さらにハードコート層の表面に、真空蒸着
法により反射防止膜(イ)を形成した。ここで反射防止
膜(イ)とは、光学用樹脂からなるレンズ基材側より順
に、ZrO2 0.13λ/SiO2 0.06λ/ZrO
2 0.25λ/SiO2 0.25λ(ただし、設計波長
λ=520nm)からなる反射防止膜である。
【0066】このようにして得られたレンズにつき下記
の評価試験を行い、その結果を表4に示す。
【0067】ハ−ドコ−ト付着性:JIS K5400
に従って、碁盤目テ−プ法によって試験を行ない、膜の
残存率を評価点で表した。(例:91〜100%=10
点) (実施例9〜14、比較例8〜14)実施例2〜7およ
び比較例1〜7で得られたレンズ表面に、実施例8と同
様のハードコート層あるいは、表5に示すハードコート
層を施し、さらに実施例8と同様な反射防止膜(イ)ま
たは真空蒸着法により反射防止膜(ロ)を施して、それ
ぞれ実施例9〜14および比較例8〜14とした。ここ
で反射防止膜(ロ)とは、光学用樹脂組成物からなるレ
ンズ基材側より順に、SiO2 0.06λ/ZrO
2 0.13λ/SiO2 0.06λ/ZrO2 0.25
λ/SiO2 0.25λ(ただし、λ=520nm)か
らなる反射防止膜である。このようにして得られたレン
ズにつき、実施例8と同様の評価試験を行い、その結果
を表4に示す。
【0068】(実施例15)実施例1で得られたレンズ
を、プライマー組成物aに浸漬し、毎分10cmの速さ
で引き上げて塗布し、60℃で0.5時間加熱してプラ
イマー層を施した。その後、表5に示すハードコート層
を施し、さらに実施例8と同様な反射防止膜を施して実
施例15とした。このようにして得られたレンズにつ
き、実施例8と同様の評価試験を行い、その結果を表4
に示す。
【0069】(実施例16)実施例1で得られたレンズ
を、プライマー組成物bに浸漬し、毎分15cmの速さ
で引き上げて塗布し、90℃で0.5時間加熱してプラ
イマー層を施した。その後、表5に示すハードコート層
を施し、さらに実施例8と同様な反射防止膜を施して実
施例16とした。このようにして得られたレンズにつ
き、実施例8と同様の評価試験を行い、その結果を表4
に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】
【表5】
【0075】
【発明の効果】本発明の光学用樹脂組成物によれば、高
屈折率であり、耐熱性、機械的強度、耐衝撃性、低吸水
性、成形性等に優れ、玉摺り時の悪臭もなく、さらにハ
ードコートの付着性に優れる光学用樹脂が得られる。こ
の光学用樹脂はプラスチックレンズや光学用プリズムと
して使用可能である。特に眼鏡用レンズとして使用した
場合、高屈折率のため薄型化軽量化が可能であり、ハー
ドコート層を施せば、過酷な使用条件下でも傷が付きに
くく、ハードコート付着性に優れたプラスチック製眼鏡
レンズとして好適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 徹 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 宮林 利行 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)一般式(1) 【化1】 (式中R1 はそれぞれ水素原子またはメチル基を示し、
    2 およびR3 はそれぞれ同一または異なる炭素数1〜
    4の2価のアルキレン基であり、Xはフッ素以外のハロ
    ゲン原子を示し、Yは酸素原子または硫黄原子を示し、
    mは0〜4の整数を示す。)で示されるジ(メタ)アク
    リレ−ト化合物20〜70重量部と、(b)ラジカル重
    合可能な重合性単量体30〜80重量部を主成分とする
    ことを特徴とする光学用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】一般式(1)で示されるジ(メタ)アクリ
    レート化合物が、p−ビス(2−メタクロイルオキシエ
    チルチオ)キシリレン、p−ビス(3−メタクロイルオ
    キシプロピルチオ)キシリレン、p−ビス(2−メタク
    ロイルオキシエチルチオエチル)フェニレン、およびp
    −ビス(3−メタクロイルオキシプロピルチオエチル)
    フェニレンからなる群から選択される少なくとも一種の
    化合物であることを特徴とする請求項1に記載の光学用
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】上記(b)のラジカル重合可能な重合性単
    量体が、(b)全体を100重量部としたとき(c)ラ
    ジカル重合性官能基を1つ有する単量体20〜80重量
    部と(d)ラジカル重合性官能基を2つ以上有する単量
    体20〜80重量部からなる事を特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の光学用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】上記(c)のラジカル重合性官能基を1つ
    有する単量体が、モノ(メタ)アクリレート化合物の1
    種以上からなる事を特徴とする請求項3に記載の光学用
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】上記(d)のラジカル重合性官能基を2つ
    以上有する単量体が、ジ(メタ)アクリレート化合物の
    1種以上からなることを特徴とする、請求項3または4
    に記載の光学用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】屈折率が1.55以上であるホモポリマー
    を与える、重合性単量体をさらに含んでなることを特徴
    とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の光学用
    樹脂組成物。
  7. 【請求項7】屈折率が1.55以上であるホモポリマー
    を与える重合性単量体が、下記の一般式(2)で表され
    る、モノ(メタ)アクリレート化合物、または下記の一
    般式(3)で表される、ジ(メタ)アクリレート化合物
    であることを特徴とする、請求項6に記載の光学用樹脂
    組成物。 【化2】 (式(2)中、R1 は式(1)で定義されたものと同じ
    意味を表し、また、R4はフェニル基、ベンジル基、2
    −フェノキシエチル基またはそれらの置換基中の水素原
    子の一部がフッ素を除くハロゲン原子で置換された基を
    示す。また、式(3)中R1 は式(1)で定義されたも
    のと同じ意味を表し、R30はそれぞれ同一または異なる
    水素原子またはメチル基を示す。 R5、R6、R7、R8
    れぞれ同一または異なる水素原子またはフッ素を除くハ
    ロゲン原子を示す。mおよびnは、m+n=0〜10の
    整数を示す。)
  8. 【請求項8】一般式(2)で表されるモノ(メタ)アク
    リレート化合物が、フェニル(メタ)アクリレート、ベ
    ンジル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル
    (メタ)アクリレート、1,3,5−トリブロモフェニ
    ル(メタ)アクリレート、および2−(1’,3’,
    5’−トリブロモフェニル)オキシエチル(メタ)アク
    リレートからなる群から選択されることを特徴とする、
    請求項7記載の光学用樹脂組成物。
  9. 【請求項9】一般式(3)で表されるジ(メタ)アクリ
    レート化合物が、2,2’−ビス [4−(メタクリロイ
    ルオキシエトキシ)フェニル] プロパン、または2,
    2’−ビス [(3,5−ジブロモ−4−メタクリロイル
    オキシエトキシ)フェニル ]プロパンであることを特徴
    とする、請求項7記載の光学用樹脂組成物。
  10. 【請求項10】屈折率が1.55未満であるホモポリマ
    ーを与える重合性単量体をさらに含んでなることを特徴
    とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学用樹
    脂組成物。
  11. 【請求項11】屈折率が1.55未満であるホモポリマ
    ーを与える重合性単量体が、下記の一般式(4)もしく
    は一般式(5)のモノ(メタ)アクリレート化合物、ま
    たは一般式(6)のジ(メタ)アクリレート化合物であ
    る、請求項10記載の光学用樹脂組成物。 【化3】 (式(4)中、R1 は式(1)で定義されたものと同じ
    意味を表し、R9 は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    また、式(5)中、R1 は式(1)で定義されたものと
    同じ意味を表し、R10は、炭素数5〜16の脂環式炭化
    水素基を表す。また、式(6)中、R1 は式(1)で定
    義されたものと同じ意味を表し、R30は上記式(3)中
    で定義されたものと同じ意味を表し、nは1〜10の整
    数を表す。)
  12. 【請求項12】請求項1〜11のいずれか一項に記載の
    光学用樹脂組成物をラジカル重合してなる光学用樹脂。
  13. 【請求項13】請求項12に記載の光学用樹脂からな
    る、プラスチックレンズ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002097223A (ja) * 2000-09-22 2002-04-02 Mitsui Chemicals Inc 含硫(メタ)アクリル酸チオエステル化合物およびその用途

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