JP2002131702A - 硬化膜付きプラスチックレンズ - Google Patents

硬化膜付きプラスチックレンズ

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JP2002131702A
JP2002131702A JP2000319544A JP2000319544A JP2002131702A JP 2002131702 A JP2002131702 A JP 2002131702A JP 2000319544 A JP2000319544 A JP 2000319544A JP 2000319544 A JP2000319544 A JP 2000319544A JP 2002131702 A JP2002131702 A JP 2002131702A
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acrylate
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Takeaki Iryo
毅明 井領
Atsushi Kinoshita
淳 木下
Hitoshi Mizuno
人志 水野
Toshihito Kanai
利仁 金井
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックレンズ基材を短時間で成形する
ことができ、かつ染色性が良好で、耐衝撃性、耐擦傷
性、膜密着性、耐候性、耐熱性等の各種耐久性に優れた
硬化膜付きプラスチックレンズを提供する。 【解決手段】 (A)、(B)、および(C)成分を主
成分として含有するプラスチックレンズ用組成物を活性
エネルギー線により重合硬化して得られるプラスチック
レンズ基材表面に、染色可能なプライマー層を設け、さ
らにその表面に染色可能なシリコン系ハードコート層を
設けた硬化膜付きプラスチックレンズ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、短時間で重合成形
が可能な高屈折率プラスチックレンズ基材に、プライマ
ー層とハードコート層を設けた硬化膜付きプラスチック
レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック製眼鏡レンズ、特にジエチ
レングリコールビス(アリルカーボネート)樹脂レンズ
は、ガラスレンズに比較し、安全性、易加工性、ファッ
ション性などにおいて優れており、さらに近年、反射防
止技術、ハードコート技術、ハードコート+反射防止技
術の開発により、急速に普及してきた。しかし、ジエチ
レングリコールビス(アリルカーボネート)樹脂の屈折
率は1.50とガラスレンズに比べ低いために、近視用
レンズでは外周部がガラスレンズに比べ厚くなるという
欠点を有している。このためプラスチックレンズの分野
では、高屈折率樹脂材料によって薄型化を図る技術開発
が積極的に行われている。そのための技術提案として、
特開昭59−133211号公報、特開昭63−462
13号公報、特開平2−270859号公報、特開平7
−252207号公報などでは1.60さらにはそれ以
上の屈折率を有する高屈折率樹脂材料が提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これら材料の多くは、
熱硬化型の高屈折率プラスチックレンズである。熱重合
方法では、重合時間が長くかかり、高価な成形型を多く
用意しなければならないため、製造コストが高いという
問題がある。また、重合時間が長いため、納品までの日
数が必要となり、クイックデリバリができないという問
題もある。このため、活性エネルギー線により重合硬化
する高屈折率プラスチックレンズ材料について技術提案
が数多くされており、この中でも特開平11−1582
29号公報では屈折率1.60を有する活性エネルギー
線での硬化性に優れた高屈折率プラスチックレンズ材料
が開示されている。
【0004】しかしながら、特開平11−158229
号公報の含硫黄ウレタン−ビニル化合物と含硫黄ジ(メ
タ)アクリレート化合物を主成分とするプラスチックレ
ンズ用組成物を活性エネルギー線により重合硬化して得
られる高屈折率プラスチックレンズ材料は、重合成形時
間は短いものの、レンズ基材の染色ムラが悪く、染色レ
ンズの製造が困難であった。ここで、染色ムラとは、染
色後のレンズの染まり具合いが不均一で、部分的に濃淡
がある現象をいい、染色性を評価する上での重欠点であ
る。
【0005】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、上記含硫黄ウレタン−ビニル化合物と含硫黄ジ
(メタ)アクリレート化合物を主成分とするプラスチッ
クレンズ用組成物を活性エネルギー線により製造するに
あたって、硬化後のプラスチックレンズの染色性(染色
ムラ)を改善し、さらに耐衝撃性、耐擦傷性、膜密着
性、耐候性、耐熱性等の各種耐久性に優れた硬化膜付き
プラスチックレンズの提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため、鋭意検討を重ねた結果、下記(A)、
(B)、および(C)成分、(A)下記一般式(I)
【0007】
【化3】 (式中、R1は炭素数1〜4の炭化水素基を表す。)で
示されるヒドロキシ基と硫黄原子を含有する芳香族ビニ
ル化合物(A−1)と、イソシアネート化合物(A−
2)を反応させて得られる含硫黄ウレタン−ビニル化合
物 10〜70重量部、(B)下記一般式(II)
【0008】
【化4】 (式中、R2は各々独立して水素原子またはメチル基を
表し、R3、R4は同一又は異種の炭素数1〜4の炭化水
素基を表し、XはCl、BrまたはIを表し、mおよび
nは5〜16の整数を表し、pは0〜4の整数を表
す。)で示される含硫黄ジ(メタ)アクリレート化合物
10〜60重量部、(C)分子内に一つ以上の重合性
二重結合を有する化合物 1〜60重量部(ただし、
(A)〜(C)成分の合計を100重量部とする)、を
主成分として含有するプラスチックレンズ用組成物を活
性エネルギー線により重合硬化して得られるプラスチッ
クレンズ基材表面に、染色可能なプライマー層を設け、
さらに染色可能なシリコン系ハードコート層を設けるこ
とで、プラスチックレンズ基材の染色性(染色ムラ)を
改善できることを見い出し、本発明をなすに至った。
【0009】本発明のプラスチックレンズ基材を分散染
料等で染色すると、染色後のレンズに染色ムラが発生す
る。また、本発明のプラスチックレンズ基材上に染色可
能なシリコン系ハードコート層を単層で設けた硬化膜付
きプラスチックレンズを同様に染色した場合も染色後の
レンズに染色ムラが発生する。しかし、本発明のプラス
チックレンズ基材と染色可能なシリコン系ハードコート
層の間に染色可能なプライマー層を設けた硬化膜付きプ
ラスチックレンズの構成にすることによって、染色後の
レンズに染色ムラが発生せず、基材レンズの有する染色
ムラの欠点を改善することができる。染色ムラを解決で
きる原因としては、該プライマー層の染色性が良好であ
り、染色剤が基材レンズまで達していないため染色ムラ
が発生しないものと考えられる。さらに、本発明で得ら
れる硬化膜付きプラスチックレンズは、耐衝撃性、耐擦
傷性、膜密着性、耐候性、耐熱性等の各種耐久性を同時
に満足するものである。
【0010】また、染色可能なプライマー層および染色
可能なシリコン系ハードコート層を形成するための塗布
液として、特定の組成物が好適であることを見い出し
た。また、本発明の硬化膜付きプラスチックレンズに無
機物からなる反射防止膜を設けることでプラスチックレ
ンズとしての光学性能を向上させることができる。
【0011】従って、請求項1記載の発明は、上記
(A)、(B)、および(C)成分を主成分として含有
するプラスチックレンズ用組成物を活性エネルギー線に
より重合硬化して得られるプラスチックレンズ基材表面
に、染色可能なプライマー層を設け、さらに染色可能な
シリコン系ハードコート層を設けたことを特徴とする硬
化膜付きプラスチックレンズを提供する。
【0012】また、請求項2記載の発明は、染色可能な
プライマー層が、ブロック型ポリイソシアネートとポリ
オールを主成分とするプライマー用組成物を該プラスチ
ックレンズ基材に塗布硬化することによって形成される
熱硬化性ポリウレタンであることを特徴とする硬化膜付
きプラスチックレンズを提供する。
【0013】また、請求項3記載の発明は、染色可能な
シリコン系ハードコート層が、下記(D)および(E)
成分、(D)Si、Al、Sn、Sb、Ta、Ce、L
a、Fe、Zn、W、Zr及びInからなる群より選ば
れる元素の酸化物から構成される微粒子のコロイド状分
散体及び/又はSi、Al、Sn、Sb、Ta、Ce、
La、Fe、Zn、W、Zr、In及びTiからなる群
より選ばれる2種以上の元素の複合酸化物から構成され
る微粒子のコロイド状分散体。
【0014】(E)一般式(III) R56 aSi(OR73-a (III) (式中、R5は、(ア)炭素数1から6の炭化水素基、
(イ)ビニル基又は(ウ)メタクリロキシ基、メルカプ
ト基、アミノ基若しくはエポキシ基を有する有機基を表
し、R6は、炭素数1から4の炭化水素基を表し、R
7は、炭素数1から8の炭化水素基、アルコキシアルキ
ル基又はアシル基を表し、aは0又は1を表す。)で示
される有機ケイ素化合物の加水分解物及び/又は部分縮
合物。を主成分として含有するコーティング組成物を該
プライマー層上に塗布硬化することによって形成される
ことを特徴とする硬化膜付きプラスチックレンズを提供
する。
【0015】さらに、請求項4記載の発明は、上記硬化
膜付きプラスチックレンズ上に、無機物質からなる反射
防止膜を積層したことを特徴とする硬化膜付きプラスチ
ックレンズを提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の硬化膜付きプラス
チックレンズの実施の形態について説明するが、本発明
は、下記の実施の形態に限定されるものではない。
【0017】本発明のプラスチックレンズ基材は、上述
したように、前記(A)、(B)、および(C)を主成
分として含有するプラスチックレンズ用組成物を活性エ
ネルギー線により重合硬化して得られるものである。
尚、本発明記載の活性エネルギー線とは、紫外線および
可視光線等を意味する。
【0018】本発明で用いる(A)成分は、前記一般式
(I)で示されるヒドロキシ基と硫黄原子を含有する芳
香族ビニル化合物(A−1)と、イソシアネート化合物
(A−2)を反応させて得られる含硫黄ウレタン−ビニ
ル化合物であり、硬化して得られるレンズに、高屈折
率、耐衝撃性、耐熱性、表面硬度、耐薬品性を付与する
成分である。(A−1)成分と(A−2)成分を予め反
応させて得られる含硫黄ウレタン−ビニル化合物(A)
を用いることによって、活性エネルギー線による硬化の
場合でも、良好な所望物性を有し、かつ生産性よくプラ
スチックレンズが得られるものである。
【0019】一般式(I)で示される(A−1)成分の
具体例としては、例えば、2−(4−ビニルベンジルチ
オ)エタノール、2−(4−ビニルベンジルチオ)イソ
プロパノール、2−(4−ビニルベンジルチオ)ブタノ
ール、またはこれら化合物のメタ異性体等が挙げられ、
これらを1種または2種以上を混合して用いることがで
きる。特に、高い屈折率の眼鏡レンズを得るためには、
2−(4−ビニルベンジルチオ)エタノール、2−(3
−ビニルベンジルチオ)エタノールあるいはこれらの混
合体が好ましい。
【0020】本発明において、(A)成分を得るために
用いられるイソシアネート化合物(A−2)としては、
分子内にイソシアネート基を1つ以上有する化合物が挙
げられるが、特に分子内に2個以上のイソシアネート基
を有するポリイソシアネート化合物が好ましい。これら
は、1種または2種以上を混合して用いることができ
る。
【0021】ポリイソシアネート化合物の具体例として
は、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トリス(イソシアナトヘキシル)イソシアヌレー
ト、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,
2,4,−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、ビス(4,4’−イソシアナトシクロヘ
キシル)メタン、ビス(4,4’−イソシアナトシクロ
ヘキシル)プロパン、1,3−ビス(イソシアナトメチ
ル)シクロヘキサン、m−キシリレンジイソシアネー
ト、p−キシリレンジイソシアネート、m−トリメチル
キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリ
レンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネ
ート、2,6−トリレンジイソシアネート、ビス(4,
4’−イソシアナトフェニル)メタン、ナフタレンジイ
ソシアネート等が挙げられる。
【0022】本発明の(A)成分を得るための方法とし
て、(A−1)成分と(A−2)成分を、例えば、ジラ
ウリン酸ジn−ブチル錫等の錫系触媒の存在下、(A−
1)成分のヒドロキシル基と(A−2)成分のイソシア
ネート基とがほぼ等モル量となるような配合割合で、4
0〜100℃の範囲、好ましくは60〜80℃の範囲で
数時間加熱すればよい。この方法で得られる反応生成物
は、粘度が高くなる傾向にあり、反応中または反応終了
後に、低粘度の(メタ)アクリレート化合物で適宜希釈
することが好ましい。
【0023】本発明の(B)成分である、一般式(II)
で示される含硫黄ジ(メタ)アクリレート化合物は、得
られるプラスチックレンズに、高屈折率、耐熱性、表面
硬度、耐薬品性を付与する成分であるとともに、高粘性
である(A)成分の粘度を低下させ、注入作業性を向上
させる目的で用いられる。
【0024】本発明で使用される(B)成分の具体例と
しては、例えば、p−ビス(β−(メタ)アクリロイル
オキシエチルチオ)キシリレン、m−ビス(β−(メ
タ)アクリロイルオキシエチルチオ)キシリレン、p−
ビス(β−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピルチ
オ)キシリレン、m−ビス(β−(メタ)アクリロイル
オキシイソプロピルチオ)キシリレン、p−ビス(β−
(メタ)アクリロイルオキシブチルチオ)キシリレン、
m−ビス(β−(メタ)アクリロイルオキシブチルチ
オ)キシリレン、α,α’−ビス(β−(メタ)アクリ
ロイルオキシエチルチオ)−2,3,5,6−テトラク
ロロ−p−キシリレン等が挙げられ、これらは1種また
は2種以上を混合して用いることができる。このうち、
特に低粘度の組成物が得られ、かつより高屈折率の眼鏡
レンズが得られるという観点から、p−ビス(β−(メ
タ)アクリロイルオキシエチルチオ)キシリレン、m−
ビス(β−(メタ)アクリロイルオキシエチルチオ)キ
シリレンがより好ましい。
【0025】本発明で用いる(C)成分は、分子内に一
つ以上の重合性二重結合を有する化合物であり、硬化し
て得られるレンズに耐熱性、表面硬度等の諸物性を付与
したり、あるいは組成物の粘度を低下させて作業性を向
上させる成分である。この化合物(C)の具体例として
は、以下の単官能および多官能モノマーがあげられる。
これらは、単独あるいは2種類以上を混合して用いるこ
とができる。 (C−1):フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリ
レート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、3−
フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、2,4,6−トリブロモフェニル(メタ)アクリレ
ート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)
アクリレート、2,4,6−トリブロモフェニル−ジ(オ
キシエチル)−(メタ)アクリレートおよび2,4,6−
トリブロモベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、
(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t
−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アク
リル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘ
キシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリ
ル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、
(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸メタリ
ル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル
酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸
N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2
−シアノエチル、(メタ)アクリル酸ジブロモプロピ
ル、(メタ)アクリル酸N−ビニル−2−ピロリドン、
(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノアルキ
ルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコ
ールモノアルキルエーテル、(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプ
ロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、
(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)ア
クリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸
フォスフォエチル等のモノ(メタ)アクリレート。 (C−2):イソホロンジイソシアネートと2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレートを反応させて得られたウレ
タンジメタクリレート、メチレンビス(4−シクロヘキ
シルイソシアネート)と2−ヒドロキシエチルメタクリ
レートを反応させて得られたウレタンジメタクリレー
ト、キシリレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレートを反応させて得られたウレタンジメタ
クリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートと
m−キシリレンジイソシアネートとを反応させて得られ
たウレタンジメタクリレートに代表される分子内に(メ
タ)アクリロイルオキシ基を2個以上有するウレタンポ
リ(メタ)アクリレート。 (C−3):トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシア
ヌル酸のトリ(メタ)アクリル酸エステル、トリス(2
−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アク
リル酸エステル等のイソシアヌル酸の(メタ)アクリレ
ート化合物。 (C−4):エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリ(または
モノ)エチレングリコールのジ(メタ)アクリレート;
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリ(または
モノ)プロピレングリコールのジ(メタ)アクリレー
ト;1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、1,14−テトラデカメチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリ
ン酸ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物の
ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジ
ペートジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ
(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)
アクリレート、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチ
ルエチル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,
3−ジオキサンジ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロー
ルプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−
(メタ)アクリロイルオキシフェニル]−プロパン、
2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキ
シフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)
アクリロイルオキシジエトキシフェニル]−プロパン、
2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタ
エトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−
(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジブロ
モフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)
アクリロイルオキシジエトキシ−3,5−ジブロモフェ
ニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリ
ロイルオキシペンタエトキシ−3,5−ジブロモフェニ
ル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロ
イルオキシエトキシ−3, 5−ジメチルフェニル]−プ
ロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキ
シエトキシ−3−フェニルフェニル]−プロパン、ビス
[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]−スルフ
ォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ
フェニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロ
イルオキシジエトキシフェニル]−スルフォン、ビス
[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェ
ニル]−スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイル
オキシエトキシ−3−フェニルフェニル]−スルフォ
ン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−
3,5−ジメチルフェニル]−スルフォン、ビス[4−
(メタ)アクリロイルオキシフェニル]−スルフィド、
ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニ
ル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオ
キシペンタエトキシフェニル]−スルフィド、ビス[4
−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニル
フェニル]−スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロ
イルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル]−ス
ルフィド、ジ[(メタ)アクリロイルオキシエトキシ]
フォスフェート、トリ[(メタ)アクリロイルオキシエ
トキシ]フォスフェート、エポキシポリ(メタ)アクリ
レート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト等の多官能(メタ)アクリレート化合物。 (C−5):スチレン、ビニルトルエン、クロルスチレ
ン、ブロモスチレン、ジビニルベンゼン、1−ビニルナ
フタレン、2−ビニルナフタレン、N−ビニルピロリド
ン等のビニル化合物。
【0026】本発明のプラスチックレンズ用組成物にお
ける(A)〜(C)成分の配合割合は、(A)〜(C)
成分の合計量を100重量部としたとき、(A)成分1
0〜70重量部、(B)成分10〜60重量部、(C)
成分1〜60重量部である。
【0027】(A)成分が10重量部未満ではレンズに
十分な高屈折率、耐衝撃性、表面硬度、耐熱性および耐
薬品性を付与することができず、70重量部を超えると
組成物の粘度が高くなり注型重合の作業性が低下する。
また、活性エネルギー線による硬化性も低下する。
(A)成分の好ましい配合量は20〜60重量部であ
る。
【0028】また、(B)成分が10重量部未満では組
成物の粘度を低くすることができず、注入作業性が低下
する。さらに活性エネルギー線照射時の硬化性が不十分
であり、十分な高屈折率、表面硬度、耐熱性、および耐
薬品性を付与することができない。一方、60重量部を
超えると得られるレンズの耐衝撃性の低下を招く。
(B)成分の好ましい配合量は20〜50重量部であ
る。
【0029】また、(C)成分は目的とする効果により
適宜選択し使用する。使用する化合物により使用量は異
なるが、1重量部未満では、目的とする液性状およびレ
ンズとしての特性を付与することができず、60重量部
を超えると液性状および各種レンズ性能の低下を招く。
(C)成分の好ましい配合量は1〜40重量部である。
【0030】本発明のプラスチックレンズ用組成物は、
活性エネルギー線、あるいは活性エネルギー線と熱の併
用により、硬化、成形して眼鏡レンズとすることができ
る。この際、本発明のプラスチックレンズ用組成物に
は、硬化性、および眼鏡レンズに要求される諸性能を付
与するために、ラジカル重合開始剤が用いられる。ラジ
カル重合開始剤としては、活性エネルギー線感応性ラジ
カル重合開始剤、熱感応性ラジカル重合開始剤が挙げら
れ、これらは単独あるいは併用して用いることができ
る。特に、本発明の眼鏡レンズ用組成物は、眼鏡レンズ
の生産性等の点から、活性エネルギー線感応性ラジカル
重合開始剤および熱感応性ラジカル重合開始剤を併用し
て用いることが好ましい。
【0031】本発明に用いられる活性エネルギー線感応
性ラジカル重合開始剤としては、主として波長200〜
400nmの範囲の紫外線に感応してラジカル種を発生
するものが好ましい。具体例としては、例えば、ベンゾ
イン、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メ
トキシベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール、
2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシ
クロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキ
シレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
等のカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスル
フィド、テトラメチルチウラムジスルフィドなどの硫黄
化合物、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル
フォスフィンオキサイド(TPO)、ビス(2,6−ジ
メトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペン
チルフォスフィンオキサイド(BAPO1)、ビス
(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォ
スフィンオキサイド(BAPO2)などのアシルフォス
フィンオキサイドおよびビスアシルフォスフィンオキサ
イドを挙げることができる。これらは、1種または2種
以上の混合系で用いることができ、添加量は、(A)、
(B)、および(C)成分の合計量100重量部に対し
て、0.005〜5重量部の範囲であることが好まし
く、特に0.02〜2重量部の範囲が好ましい。
【0032】本発明に用いられる熱感応性ラジカル重合
開始剤としては、有機過酸化物、またはアゾ系化合物が
使用可能である。具体例としては、例えば、過酸化ベン
ゾイル、オクタノイルパーオキサイド、ジイソプロピル
パーオキシパーカーボネート、ビス(4−t−ブチルシ
クロヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチル
パーオキシイソブチレ−ト、t−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリ
ル)等のアゾ系化合物が挙げられる。これらの添加量
は、(A)、(B)、および(C)成分の合計量100
重量部に対して、5重量部以下であることが好ましく、
特に0.02〜2重量部の範囲が好ましい。
【0033】本発明のプラスチックレンズ用組成物に
は、上述した成分以外に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
顔料、帯電防止剤、内部離型剤、ブルーイング剤等を配
合することができる。
【0034】本発明のプラスチックレンズ用組成物を用
いてプラスチックレンズを得るには、プラスチックレン
ズの形状のキャビティを有する成形型にプラスチックレ
ンズ用組成物を注入して重合する注型法が一般的であ
る。成形型は、予め内面を鏡面研磨したガラス製または
プラスチック製の型2枚の側面にポリエステル粘着テー
プを巻回して2枚の型を固定すると共に、キャビティを
形成して組立て、そのキャビティにプラスチックレンズ
用組成物を注入する。あるいは、ガスケットを用いて2
枚の成形型を組み立てても良い。その後、活性エネルギ
ー線の照射を行うことによって、3次元構造の架橋重合
硬化を行い、該型から硬化物を取り出す。
【0035】この際の硬化方法、硬化時間等は、その選
択する樹脂組成により適宜選択する。本発明のプラスチ
ックレンズ用組成物の硬化方法として、本発明のプラス
チックレンズ用組成物を前記成形型に注入し、その片側
もしくは両側から、高圧水銀ランプ、メタルハライドラ
ンプ、またはハロゲンランプ等を用いて、波長100〜
600nmの活性エネルギー線を1〜100J/cm2
の範囲で照射して、本発明のプラスチックレンズ用組成
物を重合し硬化させればよい。この際の活性エネルギー
線を照射する雰囲気は、空気中でもよいし、窒素、アル
ゴン等の不活性ガス中でもよい。さらに、60〜150
℃の加熱された雰囲気下で行っても良い。
【0036】また、活性エネルギー線の照射量を0.5
〜10J/cm2 として、注入した本発明のプラスチッ
クレンズ用組成物をゲル化させて不流動化させた後、8
0〜150℃の熱風炉中、または70〜100℃の熱水
中に1〜5時間放置し、重合を完結させるという活性エ
ネルギー線と熱による2段階工程による硬化方法でプラ
スチックレンズを得ることもできる。
【0037】次に、本発明で用いる染色可能なプライマ
ー層について説明する。プライマー層を形成するための
樹脂材料としては、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ
ビニルアセタール等を用いることができる。この中で
も、ブロック型ポリイソシアネートとポリオールを主成
分とするプライマー用組成物を該プラスチックレンズ基
材に塗布硬化することによって形成され熱硬化性ポリウ
レタンが特に好ましい。ポリイソシアネートには、ブロ
ック型と非ブロック型があるが、本発明ではブロック型
を用いる。ブロック型ポリイソシアネートとは、イソシ
アネート基がブロッキング剤と呼ばれるもので保護され
たもので、このブロック型を用いる理由は、非ブロック
型を用いるとポリオールの活性水素とイソシアネート基
の反応が常温で進むためにプライマー用組成物のポット
ライフが非常に短くなってしまうためである。これに対
しブロック型は、加熱してブロッキング剤が遊離するこ
とで初めて活性水素と反応し得るため、常温でのポット
ライフは非常に長い。
【0038】ブロック型ポリイソシアネートの例として
は、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、の各
々の数分子を種々の方法で結合させた付加物、イソシア
ヌレート、アロファネート、ビゥレット、カルボジイミ
ドをアセト酢酸、マロン酸、メチルエチルケトオキシム
等でブロックしたものが挙げられる。
【0039】また、ポリオールの例としては、水酸基を
一分子中に複数個有するポリエステル、ポリエーテル、
ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、ポリアクリレ
ートが挙げられる。ブロック型ポリイソシアネートとポ
リオールの比率は、イソシアネート基と水酸基のモル比
で0.8〜1.25であり、特に0.85〜1.2が好
ましい。0.8未満または1.25より大きいと硬化膜
の架橋密度が小さく本発明の目的とする効果が得られな
い。
【0040】また、これらのブロック型ポリイソシアネ
ートとポリオールを反応させる際には硬化触媒が必要で
ある。硬化触媒としては、第三級アミン化合物、有機錫
化合物、有機亜鉛化合物が好ましい。これら硬化触媒の
例として、第三級アミン化合物としては、トリエチルア
ミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジ
アミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチ
レンジアミン等を挙げることができ、有機錫化合物とし
ては、オクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチ
ル錫ジラウレート等を挙げることができ、有機亜鉛化合
物としては、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛等を挙げ
ることができる。硬化触媒の添加量は、樹脂成分に対し
て0.1〜5重量%であり、好ましくは0.5〜2重量
%である。
【0041】本発明のプライマー用組成物は溶媒により
希釈し使用する。希釈溶媒としては、アルコール類、ケ
トン類、エステル類、エーテル類が挙げられ、その他の
公知の溶媒も使用可能である。特に好ましくは、ジアセ
トンアルコール、酢酸エチル、メチルエチルケトンであ
るが、これらは単独で用いても良いし、2種以上の混合
溶媒としても良い。また、プライマー用組成物の中に
は、塗布性を改善するためのレベリング剤や耐候性向上
のための紫外線吸収剤や酸化防止剤を添加することも可
能である。
【0042】また、プライマー層の高屈折率化等を目的
に前記(D)成分のSi、Al、Sn、Sb、Ta、C
e、La、Fe、Zn、W、Zr及びInからなる群よ
り選ばれる元素の酸化物から構成される微粒子のコロイ
ド状分散体及び/又はSi、Al、Sn、Sb、Ta、
Ce、La、Fe、Zn、W、Zr、In及びTiから
なる群より選ばれる2種以上の元素の複合酸化物から構
成される微粒子のコロイド状分散体をプライマー用組成
物に添加することができる。
【0043】プライマー用組成物の塗布方法は、スピン
コート法、ディッピング法等公知の方法を用いることが
できる。また、前記プラスチックレンズ基材を必要に応
じてアルカリ処理、プラズマ処理、紫外線処理、無機微
粒子による表面研磨処理等の前処理を行っておくことも
できる。
【0044】プライマー層を形成するには、プライマー
用組成物をレンズに塗布した後、70℃〜180℃、好
ましくは100℃〜130℃で加熱することが必要であ
る。70℃より低い温度では、ブロック型ポリイソシア
ネートのブロッキング剤が遊離しないため硬化反応が進
行しない。また、180℃より高い温度ではレンズが変
形する。硬化に必要な時間は、加熱する温度によって異
なるが、15〜90分である。
【0045】プライマー層としての必要な膜厚は、0.
05〜5μmである。0.05μmより薄いとプラスチ
ックレンズ基材の染色ムラの改善効果が不十分であり、
5μmよりも厚いと面精度が低下する。
【0046】本発明では、前記染色可能なプライマー層
上に染色可能なシリコン系ハードコート層を設けるが、
以下、この染色可能なシリコン系ハードコート層形成用
のコーティング組成物について説明する。
【0047】本発明のコーティング組成物で用いられる
(D)成分は、Si、Al、Sn、Sb、Ta、Ce、
La、Fe、Zn、W、Zr及びInからなる群より選
ばれる元素の酸化物から構成される微粒子のコロイド状
分散体及び/又はSi、Al、Sn、Sb、Ta、C
e、La、Fe、Zn、W、Zr、In及びTiからな
る群より選ばれる2種以上の元素の複合酸化物で構成さ
れる微粒子のコロイド状分散体であり、得られるハード
コート層の硬度、屈折率、密着性、染色性、耐熱性等を
付与する為に用いられる。これらは具体的には、SiO
2、Al23、SnO2、Sb25、Ta25、Ce
2、La2O3、Fe2O3、ZnO、WO3、ZrO2、I
2O3等の無機酸化物微粒子が水又は有機溶媒にコロイ
ド状に分散したものである。または、これら無機酸化物
の2種以上によって構成される複合微粒子が水又は有機
溶媒にコロイド状に分散したものである。これらの複合
酸化物の例としては、チタン、ジルコニウム及びケイ素
の複合酸化物、チタン、セリウム及びケイ素の複合酸化
物、チタン、鉄及びケイ素の複合酸化物、錫とタングス
テンの複合酸化物、錫と亜鉛の複合酸化物、錫、チタン
及びジルコニウムの複合酸化物等が挙げられる。
【0048】いずれも粒子径は約1〜300nmが好適
である。これは、300nmを超えると得られるハード
コート層が白濁して不透明になり、逆に1nm未満の場
合は、得られるのハードコート層の硬度が不十分で耐擦
傷性及び耐磨耗性が劣るためである。分散媒の具体例と
しては、水、炭化水素類、エステル類、ケトン類、アル
コール類、セロソルブ類、アミン類、有機カルボン酸類
などを使用することができる。また、これらの分散媒は
2種以上の混合物として用いることも可能である。
【0049】さらにコーティング組成物中での分散安定
性を高めるために、微粒子表面を有機ケイ素化合物又は
アミン類で処理するのが好ましい。微粒子の表面を有機
ケイ素化合物又はアミン類で処理して改質すると、この
微粒子と(E)成分等のマトリックスとを含むコーティ
ング組成物中で微粒子の分散状態が長期間にわたって安
定するようになる。また、有機ケイ素化合物又はアミン
類で表面が処理された微粒子は(E)成分等のマトリッ
クスとの反応性や親和性などが向上し、この結果、これ
らで表面処理された微粒子を含むコーティング組成物か
ら得られるハードコート層は、処理されていない微粒子
を含むコーティング組成物から得られるハードコート層
よりも硬度が高く、透明性、耐擦傷性などにも優れてい
る。さらに、微粒子が表面処理されていない場合に比較
してコーティング組成物中の微粒子と溶媒との親和性が
より一層向上する。
【0050】微粒子表面を処理するのに用いられる有機
ケイ素化合物としては、式:R3SiX(Rはアルキル
基、フェニル基、ビニル基、メタクリロキシ基、メルカ
プト基、アミノ基、エポキシ基を有する有機基を表し、
Xは加水分解性基を表す。)で表される単官能性シラ
ン、例えばトリメチルシラン、ジメチルフェニルシラ
ン、ジメチルビニルシラン等があげられる。あるいはR
2SiX2で表される二官能性シラン、例えばジメチルシ
ラン、ジフェニルシラン等、RSiX3で表される三官
能性シラン、例えばメチルシラン、フェニルシラン等、
さらにはSiX4で表される四官能性シラン、例えばテ
トラエトキシシランなどのテトラアルコキシシラン等が
ある。処理に際しては加水分解性基を未処理で行っても
あるいは加水分解して行ってもよい。また処理後は、加
水分解性基が微粒子の−OH基と反応した状態が好まし
いが、一部残存した状態でも安定性には何ら問題がな
い。
【0051】またアミン系化合物としてはアンモニウム
又はエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルア
ミン、n−プロピルアミン等のアルキルアミン、ベンジ
ルアミン等のアラルキルアミン、ピペリジン等の脂環式
アミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン
等のアルカノールアミンがある。
【0052】微粒子の表面を有機ケイ素化合物又はアミ
ン系化合物で改質するには、例えばこれら化合物のアル
コール溶液中に微粒子を混合し、所定量の水及び必要に
応じて触媒を加えた後、所定時間常温で放置するか、あ
るいは加熱処理を行うとよい。また、これら化合物の加
水分解物と微粒子とを水とアルコールの混合液に加えて
加熱処理することによっても微粒子の表面をこれら化合
物で改質することができる。
【0053】この際に用いられる有機ケイ素化合物又は
アミン系化合物の量は、複合酸化物微粒子の表面に存在
する水酸基の量などに応じて適宜設定される。
【0054】尚、ハードコート層中に占める(D)成分
の微粒子の割合は、10重量%から90重量%が適当で
ありこの範囲内に納まるようコーティング組成物を調整
する必要がある。これは、10重量%以下では得られる
硬化被膜の硬さが不充分であり、90重量%以上では基
材とハードコート層の密着性が低下し、さらに硬化後の
ハードコート層にクラックが発生するため上記範囲内で
の使用が好ましい。
【0055】本発明のコーティング組成物で用いられる
(E)成分は、下記一般式(III)、 R56 aSi(OR73-a (III) で示される有機ケイ素化合物であり、具体的には、メチ
ルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−
(3.4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン等があげられる。これらは単独で用いても、
2種以上を混合して用いてもよい。また、これらは無溶
媒下又はアルコール等の有機溶剤中で、酸の存在下で加
水分解して使用する方が好ましい。さらに加水分解後に
前記微粒子のコロイド状分散体と混合しても、あるいは
前記微粒子のコロイド状分散体と混合後に加水分解をし
てもいずれでも良い。尚、ハードコート層中に占める上
記(E)成分の有機ケイ素化合物の加水分解物から誘導
される成分の割合は、10重量%から90重量%が適当
である。これは10重量%以下では、基材と被膜の密着
力が低下するため好ましくなく、また、90重量%以上
では、無機物質から構成される反射防止膜の密着性が低
下するためこの範囲内でのコーティング組成物の調製が
好ましい。
【0056】請求項3記載のコーティング組成物は、上
記(D)成分と(E)成分を主成分とするが、さらにコ
ーティング組成物の性能向上及び硬化後のハードコート
層への機能性付与を目的として、以下の(F)成分から
(J)成分の中から選ばれる1つ以上の成分を加えるこ
とができる。
【0057】(F)成分としては、下記一般式(IV) Si(OR84 (IV) (式中、R8は炭素数1から8の炭化水素基、アルコキ
シアルキル基又はアシル基を表す。)で表される有機ケ
イ素化合物を挙げることができる。この(F)成分は、
形成されるハードコート層の屈折率をハードコート層の
透明性を維持したまま容易に調整し、さらにコーティン
グ組成物塗布後のハードコート層の硬化スピードを早め
ることを目的に用いられる。
【0058】この四官能シラン化合物としては、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポ
キシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブト
キシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラアセトキ
シシラン、テトラアリロキシシラン、テトラキス(2−
メトキシエトキシ)シラン、テトラキス(2−エチルブ
トキシ)シラン、テトラキス(2−エチルヘキシロキ
シ)シラン等があげられる。これらは単独で用いても、
2種以上を混合して用いてもよい。また、これらは無溶
媒下又はアルコール等の有機溶剤中で、酸の存在下で加
水分解して使用する方が好ましい。尚、ハードコート層
中に占める上記(F)成分の四官能有機ケイ素化合物の
加水分解物から誘導される成分の割合は、0重量%から
50重量%が適当である。これは50重量%以上になる
と硬化後のハードコート層にクラックが入り易いためで
ある。
【0059】(G)成分としては、多官能性エポキシ化
合物、多価アルコール、多価カルボン酸及び多価カルボ
ン酸無水物を挙げることができる。この(G)成分は、
形成されるハードコート層の染色性の向上、あるいは各
種耐久性の改良を目的に用いられる。多官能性エポキシ
化合物としては、(ポリ)エチレングリコール、(ポ
リ)プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、
カテコール、レゾルシノール、アルキレングリコールな
どの二官能性アルコールのジグリシジルエーテル、又は
グリセリン、トリメチロールプロパンなどの三官能性ア
ルコールのジ又はトリグリシジルエーテルなどが挙げら
れる。多価アルコールとしては、(ポリ)エチレングリ
コール、(ポリ)プロピレングリコール、ネオペンチル
グリコール、カテコール、レゾルシノール、アルキレン
グリコールなどの二官能性アルコール、又はグリセリ
ン、トリメチロールプロパンなどの三官能性アルコー
ル、又はポリビニルアルコールなどが挙げられる。多価
カルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、アジピン
酸、アゼライン酸、マレイン酸、オルソフタル酸、テレ
フタル酸、フマル酸、イタコン酸、オキザロ酢酸などが
挙げられる。多価カルボン酸無水物としては、無水コハ
ク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、1.2−ジメ
チルマレイン酸無水物、無水フタル酸、ヘキサヒドロフ
タル酸無水物、無水ナフタル酸などが挙げられる。尚、
ハードコート層中に占める上記(G)成分から誘導され
る成分の割合は、0重量%から40重量%が適当であ
る。これは40重量%以上になると硬化後のハードコー
ト層とその上に設けられる無機物から成る反射防止膜の
密着性が低下するためである。
【0060】(H)成分としては、ヒンダードアミン系
化合物を挙げることができる。この(H)成分は、形成
されるハードコート層の染色性向上を目的に用いられ
る。例えば、ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−
4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,
6,−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1
−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6,−テト
ラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9,
−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8,−トリア
ザスピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−
ベンゾイルオキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピ
ペリジン、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,
9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.
5]デカン−2,4−ジオン、コハク酸ジメチル・1−
(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[〔6
−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−
1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕
ヘキサメチレン〔(2,2,6,6,−テトラメチル−
4−ピペリジル)イミノ〕]、N,N’−ビス(3−ア
ミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス[N−
ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリ
アジン縮合物、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)などが挙げられる。使用量の上限としては、コーテ
ィング組成物の固形分に対し3重量%以下で用いるのが
望ましく、これ以上ではハードコート層の硬度、耐温水
性等が低下し望ましくない。
【0061】(I)成分としては、アミン類、アミノ酸
類、金属アセチルアセトネート、有機酸金属塩、過塩素
酸類若しくはその塩、酸類及び金属塩化物から選ばれる
硬化触媒を挙げることができる。この(I)成分は、シ
ラノールあるいはエポキシ基の硬化を促進するために用
いられる。これらの硬化触媒を用いることでハードコー
ト層の形成反応を早めることが可能となる。これらの具
体例としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、
グアニジン、ビグアニドなどのアミン類、グリシンなど
のアミノ酸類、アルミニウムアセチルアセトネート、ク
ロムアセチルアセトネート、チタニルアセチルアセトネ
ート、コバルトアセチルアセトネートなどの金属アセチ
ルアセトネート、酢酸ナトリウム、ナフテン酸亜鉛、ナ
フテン酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸スズな
どの有機酸金属塩、過塩素酸、過塩素酸アンモニウム、
過塩素酸マグネシウムなどの過塩素酸類あるいはその
塩、塩酸、リン酸、硝酸、パラトルエンスルホン酸など
の酸、又はSnCl2、AlCl3、FeCl3、TiC
4、ZnCl2、SbCl3などのルイス酸である金属
塩化物などが使用できる。これら(I)成分の硬化触媒
は、コーティング組成物の組成等により種類・使用量を
調整し用いることができる。使用量の上限としては、コ
ーティング組成物の固形分に対し5重量%以下で用いる
のが望ましく、これ以上ではハードコート層の硬度、耐
温水性等が低下し望ましくない。
【0062】(J)成分としては、下記一般式(V)
【0063】
【化5】 (式中、R9及びR10は炭素数1から6の炭化水素基を
表し、R11及びR12は1から8の炭化水素基又はアルコ
キシアルキル基を表し、Aはカーボネート基又はエポキ
シ基を有する有機基を表し、b及びcは0又は1を表
す。)で表される有機ケイ素化合物を挙げることができ
る。この(J)成分を用いることによりハードコート層
のぶつやピンホールを低減又は改善できる。尚、(J)
成分使用時は無溶媒下又はアルコール等の有機溶剤中
で、酸の存在下で加水分解して使用する方が好ましい。
尚、ハードコート層中に占める上記(J)成分の有機ケ
イ素化合物の加水分解物から誘導される成分の割合は、
3重量%から50重量%が適当である。これは3重量%
以下では、歩留り改善効果が不十分のため好ましくな
く、また、50重量%以上では、耐擦傷性が低下するた
めこの範囲内でのコーティング組成物の調製が好まし
い。
【0064】本発明で使用するコーティング組成物は、
固形分濃度の調整及び表面張力・粘度・蒸発スピード等
の液特性を調整するために、一般的な有機溶媒を用いる
ことができる。具体的にはアルコール類、ケトン類、セ
ロソルブ類、カルボン酸類などの溶媒を単独又は混合し
て用いる。
【0065】尚、本発明のコーティング組成物は上記成
分の他に必要に応じて、少量の界面活性剤、帯電防止
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散染料・油溶染料・
蛍光染料・顔料、フォトクロミック化合物等を添加しコ
ーティング液の塗布性及び硬化後の被膜性能を改良する
こともできる。
【0066】さらに、本発明のコーティング組成物は、
前記染色可能なプライマー層を設けたプラスチックレン
ズに、塗布・硬化し染色可能なシリコン系ハードコート
層を形成する。
【0067】塗布・硬化方法としては、ディッピング
法、スピンコート法等公知の方法を用いることができ
る。コーティング組成物を塗布した後、70℃〜180
℃の温度で数時間加熱乾燥することにより、ハードコー
ト層を形成することができる。ハードコート層の膜厚は
0.5〜30μmが好適であり、0.5μm未満の場合
は得られた被膜の耐擦傷性が充分でなく、30μmを越
える場合は、被膜にクラックを生じ易い。
【0068】以上説明したように、(A)、(B)、お
よび(C)成分を主成分として含有するプラスチックレ
ンズ用組成物を活性エネルギー線により重合硬化して得
られるプラスチックレンズ基材表面に、染色可能なプラ
イマー層を設け、さらにその表面に染色可能なシリコン
系ハードコート層を設けたことで、プラスチックレンズ
基材を染色したときに発生する染色ムラを改善すること
ができる。同時に、耐衝撃性、耐擦傷性、膜密着性、耐
候性、耐熱性等の各種耐久性に優れた硬化膜付きプラス
チックレンズを得ることができる。
【0069】さらに上記硬化被膜付きプラスチックレン
ズ上に、無機物からなる単層・多層の反射防止膜を設け
ることにより、反射の低減、透過率の向上を図ることが
でき、プラスチックレンズとしての機能をより向上させ
ることができる。無機物質としては、SiO、Si
2、Si34、TiO2、ZrO2、Al23、Mg
2、Ta25等を用い、真空蒸着法等の薄膜形成法に
より反射防止膜を形成することができる。
【0070】
【実施例】<実施例1> (1)プラスチックレンズ基材の作製 <ウレタン−ビニル化合物の合成>攪拌機と冷却管付き
の1リットル4つ口丸底フラスコに、2−(4−ビニル
ベンジルチオ)エタノールおよび2−(3−ビニルベン
ジルチオ)エタノールの混合体398g(2.05モ
ル)、ジラウリン酸ジ−n−ブチル錫0.30g、およ
びハイドロキノンモノメチルエーテル0.06gを入
れ、内温を60℃に保ちながら、m−キシリレンジイソ
シアネート(武田薬品工業(株)製、商品名:タケネー
ト500)188g(1モル)を3時間かけて滴下し
た。その後、内温を80℃に昇温し、80℃で5時間反
応して含硫黄ウレタン−ビニル化合物(以下、UV1と
示す)を合成した。得られたUV1は、無色透明の粘稠
な液体であった。
【0071】<プラスチックレンズ用組成物の調整とプ
ラスチックレンズ基材の作製>UV1を40g、p−ビ
ス(β−メタクリロイルオキシエチルチオ)キシリレン
を35g、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジ
エトキシフェニル)プロパンを15g、ベンジルメタク
リレートを10g、紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノンを0.03g、酸化防止
剤としてトリエチルホスファイトを0.5g、活性エネ
ルギー線感応性ラジカル重合開始剤として2,4,6−
トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイ
ドを0.05g、熱感応性ラジカル重合開始剤としてt
−ブチルパ−オキシイソブチレートを0.1g添加して
混合し、室温でよく攪拌した後、50mmHgに減圧し
て10分間脱気した。この組成物をプラスチックレンズ
成形型(径80mmのレンズ成型用ガラス製モールド2
枚を片面に粘着層を有するポリエステルテープで囲んだ
中心内厚1.5mm、度数−3.0Dとしたもの)に該
組成物を注入した。次いで、母型の両面から2kwの高
圧水銀灯により30J/cm2 の紫外線を照射し、該組
成物の硬化を完了した。その後、この硬化物を脱型し、
130℃で1時間加熱してプラスチックレンズ基材を得
た。尚、得られたプラスチックレンズの屈折率は1.5
98であった。 (2)プライマー用組成物の調整および塗布硬化 市販のポリエステルタイプのポリオール「デスモフェン
670」(住友バイエルウレタン(株)製)5.86
g、市販のブロック型ポリイソシアネート「BL−31
75」(住友バイエルウレタン(株)製)5.51g、
硬化触媒としてジブチル錫ジラウレート0.10g、レ
ベリング剤として市販のフッ素系レベリング剤「フロラ
ードFC−430」(住友スリーエム(株)製)0.1
0g、溶媒としてジアセトンアルコール88.43gか
らなる混合物を均一な状態になるまで十分に撹拌し、プ
ライマー用組成物を調整した。
【0072】このプライマー用組成物を、前処理として
アルカリ処理を行った前記(1)で作製したプラスチッ
クレンズ基材に引き上げ速度20cm/分の条件でディ
ッピング法により塗布を行った。塗布後、室温にて15
分間乾燥させた後、120℃で30分間加熱処理して硬
化を行い、レンズ上に0.5μmのプライマー層を形成
させた。 (3)シリコン系ハードコート層形成用のコーティング
組成物の調整および塗布硬化 撹拌装置を備えたフラスコ中で、コロイド状シリカの水
性ゾル1470gと酢酸44gを混合した。その後、メ
チルトリメトキシシラン405gとγ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン305gの混合物を1時間か
けて添加した。得られた混合物を約25℃で1時間撹拌
し、その後フラスコ中の材料が1600gになる迄メタ
ノールと水を除去した。この混合物をブタノールと2−
エトキシエタノールが50重量%入った混合液で250
0gに希釈した。この混合物の全固形分は40%であっ
た。
【0073】上記混合液617.6gを別の撹拌装置を
備えたフラスコ中に移し、これにイタコン酸17.6g
と全固形分に対して1.5重量%のアルミニウムアセチ
ルアセトネートを加えて、混合物を20時間撹拌した。
それから上記ブタノールと2−エトキシエタノールの混
合液45.6gを更に添加し十分混合し、シリコン系ハ
ードコート層形成用のコーティング組成物を得た。
【0074】このコーティング組成物を、前記(2)で
得られたプライマー層付きのプラスチックレンズに引き
上げ速度15cm/分の条件でディッピング法により塗
布を行った。塗布後、120℃で4時間加熱処理して硬
化を行い、プライマー層上に3.2μmのシリコン系ハ
ードコート層を形成させた。 (4)染色性の評価 上記(3)で得られた硬化膜付プラスチックレンズを市
販のプラスチックレンズ用染色剤(セイコープラックス
用アンバーD)を用いて90℃の染色浴で3分間染色を
行ったところ、全光線透過率が53%で、染色ムラもな
く、良好な染色性であった。 (5)反射防止膜の形成 上記(3)、(4)で得られた硬化膜付きプラスチック
レンズを真空中200Wの出力のアルゴンガスプラズマ
中に30秒間暴露させた後、真空蒸着法により、レンズ
側から大気側へ向かってSiO2、ZrO2、SiO2
ZrO2、SiO 2の5層の薄膜を形成した。形成された
反射防止膜の光学的膜厚は、順にSiO2が約λ/4、
次のZrO2とSiO2の合計膜厚が約λ/4、次のZr
2が約λ/4、そして最上層のSiO2が約λ/4であ
る(設計波長λは510nm)。
【0075】以上により得られた反射防止膜を有する硬
化膜付きプラスチックレンズについて次の性能評価試験
を行い、結果を表1に示した。 1)耐衝撃性:127cmの高さから44gの鋼球をレ
ンズ中心部に向かって自然落下させ、レンズが割れない
場合を○、割れまたはヒビが発生した場合を×とした。 2)耐擦傷性:#0000スチールウールにより荷重1
kg/cm2で10往復させた後の被膜の状態をみた。 A:ほとんど傷がつかない B:少し傷がつく C:多く傷がつく 3)密着性:70℃の温水中に2時間浸漬した後、レン
ズ表面にナイフで縦横にそれぞれ1mm間隔で11本の
平行線状の傷を付け100個のマス目を作りセロファン
テープを接着・剥離後に被膜が剥がれずに残ったマス目
の数をみた。 4)耐候性:キセノンロングライフフェードメーター
(スガ試験機(株)製)を用い、150時間暴露した
後、3)と同様のクロスカット・テープ試験を暴露面に
ついて行った。 5)耐熱性:メタルフレームに枠入れしたレンズを80
℃の恒温槽に30分入れ、室温迄冷却した後の膜クラッ
クの発生の程度をみた。 A:ほとんど膜クラックがない B:少し膜クラックがある C:多く膜クラックがある
【0076】<実施例2> (1)プラスチックレンズ基材の作製 <プラスチックレンズ用組成物の調整とプラスチックレ
ンズ基材の作製>実施例1の紫外線吸収剤2−ヒドロキ
シ−4−メトキシベンゾフェノン0.03gを2−
(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェ
ニル)−2H−ベンゾトリアゾール0.5gに、活性エ
ネルギー線感応性ラジカル重合開始剤2,4,6−トリ
メチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド
0.05gをBAPO1と2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニル−プロパン−1−オンとの1:3の混合
物(チバスペシャルティケミカルズ社製、商品名イルガ
キュア1700)0.3gに変更する以外は実施例1と
同様にプラスチックレンズ用組成物を調整した。
【0077】この組成物を実施例1と同様のプラスチッ
クレンズ成形型に注入した。次いで、成形型の両面から
3kwのメタルハライドランプにより30J/cm2の
紫外線を照射し、該組成物の硬化を完了した。その後、
この硬化物を脱型し、130℃で1時間加熱してプラス
チックレンズ基材を得た。尚、得られたプラスチックレ
ンズの屈折率は1.598であった。 (2)プライマー用組成物の調整および塗布硬化 市販のポリエステルタイプのポリオール「デスモフェン
670」4.27g、市販のブロック型ポリイソシアネ
ート「バーノックD−500」(大日本インキ化学工業
(株)製)6.28g、硬化触媒としてジブチル錫ジラ
ウレート0.10g、レベリング剤として市販のフッ素
系レベリング剤「フロラードFC−430」0.10
g、溶媒として酢酸エチル89.25gからなる混合物
を均一な状態になるまで十分に撹拌し、プライマー用組
成物を調整した。
【0078】このプライマー用組成物を、前処理として
アルカリ処理を行った前記(1)で作製したプラスチッ
クレンズ基材に実施例1と同様の塗布硬化方法を行い、
レンズ上に0.7μmのプライマー層を形成させた。
【0079】(3)シリコン系ハードコート層形成用の
コーティング組成物の調整および塗布硬化 攪拌装置を備えたフラスコ中に、メチルセロソルブ6
8.18g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン13.12g、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
エトキシシラン27.58g、テトラメトキシシラン1
6.91gを攪拌しつつ順に加え、その後0.05規定
塩酸水18.02gを加え30分間撹拌した。続いて、
メタノール分散二酸化チタン−二酸化ジルコニウム−二
酸化ケイ素複合微粒子ゾル(TiO2/ZrO2/SiO
2=64/16/20(重量比)、固形分濃度30重量
%、TiO2とSiO2の固溶体を核としてその表面がZ
rO 2とSiO2の固溶体で被覆された微粒子構造をもつ
複合微粒子で表面がジメトキシジフェニルシランで処理
されている)75.05g及びグリセリンジグリシジル
エーテル(長瀬産業(株)製、商品名“デナコールEX
−313”)5.67g、シリコン系界面活性剤(日本
ユニカー(株)製、商品名“L−7001”)を0.0
4g、硬化触媒として過塩素酸マグネシウム0.471
3gをこの順に添加し充分撹拌した後、0℃で24時間
放置し熟成を行いコーティング組成物を得た。
【0080】このコーティング組成物を、前記(2)で
得られたプライマー層付きのプラスチックレンズに引き
上げ速度15cm/分の条件でディッピング法により塗
布を行った。塗布後、130℃で4時間加熱処理して硬
化を行い、プライマー層上に2.8μmのシリコン系ハ
ードコート層を形成させた。 (4)染色性の評価 上記(3)で得られた硬化膜付プラスチックレンズを実
施例1と同様の方法で染色を行ったところ、全光線透過
率が57%で、染色ムラもなく、良好な染色性であっ
た。 (5)反射防止膜の形成 上記(3)、(4)で得られた硬化膜付きプラスチック
レンズに実施例1と同様の方法で反射防止膜を設けた。
【0081】以上により得られた反射防止膜を有する硬
化膜付きプラスチックレンズについて実施例1と同様の
性能評価試験を行い、結果を表1に示した。
【0082】<実施例3> (1)プラスチックレンズ基材の作製 <プラスチックレンズ用組成物の調整とプラスチックレ
ンズ基材の作製>実施例1で合成したUV1を30g、
p−ビス(β−メタクリロイルオキシエチルチオ)キシ
リレンを30g、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト2.05モルとm−キシリレンジイソシアネート1モ
ルとを反応させて得られたウレタンジメタクリレート3
0g、紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノンを0.03g、酸化防止剤としてトリ
ドデシルフォスフェートを0.5g、活性エネルギー線
感応性ラジカル重合開始剤として2,4,6−トリメチ
ルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドを0.
05g、熱感応性ラジカル重合開始剤としてt−ブチル
パ−オキシイソブチレートを0.1g添加して混合し、
室温でよく攪拌した後、50mmHgに減圧して10分
間脱気した。
【0083】この組成物を実施例1と同様の方法で硬化
してプラスチックレンズ基材を得た。尚、得られたプラ
スチックレンズの屈折率は1.592であった。 (2)プライマー用組成物の調整および塗布硬化 実施例2で得られたプライマー用組成物に、メタノール
分散二酸化チタン−二酸化ジルコニウム−二酸化ケイ素
複合微粒子ゾル(TiO2/ZrO2/SiO2=68/
17/15(重量比)、固形分濃度20.5重量%、T
iO2とSiO2の固溶体を核とし、その核をZrO2
SiO2の固溶体で被覆し、更にSiO2で被覆した3層
構造の複合酸化物微粒子)10.3gを添加撹拌して、
プライマー用組成物を調整した。
【0084】このプライマー用組成物を、前処理として
アルカリ処理を行った前記(1)で作製したプラスチッ
クレンズ基材に実施例1と同様の塗布硬化方法を行い、
レンズ上に0.6μmのプライマー層を形成させた。 (3)シリコン系ハードコート層の塗布硬化 前記実施例2で調整したシリコン系ハードコート層形成
用コーティング組成物を用い、前記(2)で得られたプ
ライマー層付きのプラスチックレンズに引き上げ速度1
5cm/分の条件でディッピング法により塗布を行っ
た。塗布後、130℃で4時間加熱処理して硬化を行
い、プライマー層上に2.6μmのシリコン系ハードコ
ート層を形成させた。 (4)染色性の評価 上記(3)で得られた硬化膜付プラスチックレンズを実
施例1と同様の方法で染色を行ったところ、全光線透過
率が58%で、染色ムラもなく、良好な染色性であった (5)反射防止膜の形成 上記(3)、(4)で得られた硬化膜付きプラスチック
レンズに実施例1と同様の方法で反射防止膜を設けた。
【0085】以上により得られた反射防止膜を有する硬
化膜付きプラスチックレンズについて実施例1と同様の
性能評価試験を行い、結果を表1に示した。 <比較例1>前記実施例1で得られたプラスチックレン
ズ基材を実施例1と同様の方法で染色した。染色後のレ
ンズ中心部の全光線透過率は75%であった。また、レ
ンズ中心部の染色濃度が薄く、外側が濃く染まってお
り、染色ムラが見られた。 <比較例2>前記実施例1で得られたプラスチックレン
ズ基材をアルカリ処理した後、実施例1で用いたシリコ
ン系ハードコート層形成用コーティング組成物を同様の
方法で塗布硬化し、2.8μmのシリコン系ハードコー
ト層を形成させた。
【0086】このレンズを実施例1と同様の方法で染色
した。染色後のレンズ中心部の全光線透過率は65%で
あった。また、比較例1と同様な染色ムラが見られた。
【0087】尚、このハードコート層を設けたプラスチ
ックレンズに実施例1と同様の方法で反射防止膜を設け
た。得られたレンズについて実施例1と同様の性能評価
試験を行い、結果を表1に示した。
【0088】
【表1】
【発明の効果】本発明の硬化膜付きプラスチックレンズ
は、プラスチックレンズ基材を活性エネルギー線を用い
て短時間で生産性良く成形することができる。また、こ
のプラスチックレンズ基材表面に、染色可能なプライマ
ー層を設け、さらにその表面に染色可能なシリコン系ハ
ードコート層を設けたことで、染色性が良好で、さらに
耐衝撃性、耐擦傷性、膜密着性、耐候性、耐熱性等の各
種耐久性に優れた硬化膜付きプラスチックレンズを得る
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 1/04 G02B 1/04 1/10 B05D 7/00 K 1/11 7/02 // B05D 7/00 C08L 25:08 7/02 G02B 1/10 Z C08L 25:08 A (72)発明者 水野 人志 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 金井 利仁 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2K009 AA02 AA15 BB25 CC03 CC09 CC12 CC24 CC35 CC42 CC47 DD02 DD03 4D075 AE15 BB26Y BB26Z CA02 CA04 CA13 CA18 CA32 CB06 DA11 DB43 DB50 DC24 EA07 EA12 EA41 EB19 EB20 EB33 EB35 EB37 EB38 EB43 EB47 EC02 4F006 AA15 AA22 AB37 BA01 DA04 EA05 4J038 DL051 DL081 DL091 DL111 GA01 GA02 GA07 GA09 GA13 HA166 HA446 KA20 NA01 NA11 PA14 PB08 PC08 4J100 AB07P AB07R AB16R AE75R AG70R AL04Q AL04R AL08Q AL08R AL09R AL62Q AL66Q BA02Q BA03P BA03R BA08Q BA51P BA51Q BB01Q BB01R BB03Q BB03R BB05Q BB05R BC04Q BC04R BC43Q CA04 CA05 FA03 JA33

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)、(B)、および(C)成分
    を主成分として含有するプラスチックレンズ用組成物を
    活性エネルギー線により重合硬化して得られるプラスチ
    ックレンズ基材表面に、染色可能なプライマー層を設
    け、さらにその表面に染色可能なシリコン系ハードコー
    ト層を設けたことを特徴とする硬化膜付きプラスチック
    レンズ。 (A)下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜4の炭化水素基を表す。)で
    示されるヒドロキシ基と硫黄原子を含有する芳香族ビニ
    ル化合物(A−1)と、イソシアネート化合物(A−
    2)を反応させて得られる含硫黄ウレタン−ビニル化合
    物 10〜70重量部、(B)下記一般式(II) 【化2】 (式中、R2は各々独立して水素原子またはメチル基を
    表し、R3、R4は同一又は異種の炭素数1〜4の炭化水
    素基を表し、XはCl、BrまたはIを表し、mおよび
    nは5〜16の整数を表し、pは0〜4の整数を表
    す。)で示される含硫黄ジ(メタ)アクリレート化合物
    10〜60重量部、(C)分子内に一つ以上の重合性
    二重結合を有する化合物 1〜60重量部(ただし、
    (A)〜(C)成分の合計を100重量部とする)、
  2. 【請求項2】 請求項1記載の硬化膜付きプラスチック
    レンズにおいて、染色可能なプライマー層が、ブロック
    型ポリイソシアネートとポリオールを主成分とするプラ
    イマー用組成物を該プラスチックレンズ基材に塗布硬化
    することによって形成される熱硬化性ポリウレタンであ
    ることを特徴とする硬化膜付きプラスチックレンズ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の硬化膜付きプラス
    チックレンズにおいて、染色可能なシリコン系ハードコ
    ート層が、下記(D)および(E)成分を主成分として
    含有するコーティング組成物を該プライマー層上に塗布
    硬化することによって形成されることを特徴とする硬化
    膜付きプラスチックレンズ。 (D)Si、Al、Sn、Sb、Ta、Ce、La、F
    e、Zn、W、Zr及びInからなる群より選ばれる元
    素の酸化物から構成される微粒子のコロイド状分散体及
    び/又はSi、Al、Sn、Sb、Ta、Ce、La、
    Fe、Zn、W、Zr、In及びTiからなる群より選
    ばれる2種以上の元素の複合酸化物から構成される微粒
    子のコロイド状分散体。 (E)一般式(III) R56 aSi(OR73-a (III) (式中、R5は、(ア)炭素数1から6の炭化水素基、
    (イ)ビニル基又は(ウ)メタクリロキシ基、メルカプ
    ト基、アミノ基若しくはエポキシ基を有する有機基を表
    し、R6は、炭素数1から4の炭化水素基を表し、R
    7は、炭素数1から8の炭化水素基、アルコキシアルキ
    ル基又はアシル基を表し、aは0又は1を表す。)で示
    される有機ケイ素化合物の加水分解物及び/又は部分縮
    合物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれかに記載の硬化膜付
    きプラスチックレンズ上に、無機物質からなる反射防止
    膜を積層したことを特徴とする硬化膜付きプラスチック
    レンズ。
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