JPH10147546A - エタノ−ルの精製法 - Google Patents

エタノ−ルの精製法

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JPH10147546A
JPH10147546A JP8321176A JP32117696A JPH10147546A JP H10147546 A JPH10147546 A JP H10147546A JP 8321176 A JP8321176 A JP 8321176A JP 32117696 A JP32117696 A JP 32117696A JP H10147546 A JPH10147546 A JP H10147546A
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distillation
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C29/00Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring
    • C07C29/74Separation; Purification; Use of additives, e.g. for stabilisation
    • C07C29/76Separation; Purification; Use of additives, e.g. for stabilisation by physical treatment

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Abstract

(57)【要約】 【課題】操作が簡単で運転費用が安価で、しかも良好な
カメレオン価の高品質エタノ−ルが得られる粗エタノ−
ル水溶液の精製法を提供する。 【解決手段】粗エタノ−ル水溶液を精製する際に、エタ
ノ−ル濃度を2〜50重量%として、水の接触角が90
゜以上を有する疎水性高分子膜を用いて浸透気化膜分離
法により、エタノ−ルと不純物を分離させるだけでな
く、従来分離の難しかったアルデヒドを効果的に分離さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、疎水性高分子膜を
用いる粗エタノ−ル水溶液の精製法に係り、更に詳記す
れば、発酵法或は合成法により製造される粗エタノ−ル
水溶液及び各種工業における使用済み回収エタノ−ル水
溶液中に含まれるクロトンアルデヒド等の有機不純物
を、エタノ−ルと分離させるエタノ−ルの精製法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エタノ−ルは、糖蜜等の糖類を発酵させ
ることにより、またはエチレンの水和反応により製造さ
れている。これら発酵工程や水和工程から得られるエタ
ノ−ルは、多種類の不純物が混入した粗エタノ−ル水溶
液である。
【0003】発酵工程から得られる粗エタノ−ル水溶液
中に含まれる主な不純物は、アセトアルデヒド、クロト
ンアルデヒド、メタノ−ル、n−プロパノ−ル、イソブ
タノ−ル、3−メチル−1−ブタノ−ル、アセトン、酢
酸エチル等であり、その不純物の種類は多い。一方、エ
チレンの水和工程から得られる粗エタノ−ル水溶液中に
含まれる主な不純物は、アセトアルデヒド、クロトンア
ルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルエ
−テル、ジエチルアセタ−ル、n−プロパノ−ル、is
o−プロパノ−ル、n−ブタノ−ル、第2級ブタノ−
ル、第3級ブタノ−ル等であり、同様にその不純物の種
類は多い。
【0004】また、各種工業における使用済回収エタノ
−ル水溶液は、使用による種々の物質による汚染の他、
使用や回収工程の繰り返しによって、エタノ−ルが一部
酸化されて生成するアセトアルデヒドやこのアセトアル
デヒドが縮合してできるクロトンアルデヒド等が不純物
として蓄積してくる。
【0005】このように、粗エタノ−ル水溶液中に含ま
れる不純物は多種類にわたり、しかも微量であることか
ら、その除去は非常に困難である。前記の如き多種の不
純物を含む粗エタノ−ル水溶液を精製する方法として
は、従来一般に、蒸留処理方法が用いられている。この
蒸留処理方法においては、濃縮塔、抽出蒸留塔、精密蒸
留塔、減圧塔等の多くの蒸留塔を組み合わせて用いるこ
とで、不純物を除去している。
【0006】蒸留においては、気液平衡関係で分離性能
が決まるので、一般的にエタノ−ルと不純物(i成分)
との分離のし易さの目安として、比揮発度(分離係数
(αi EtOH))が用いられている。比揮発度は、次式
(1)で定義される。 αi EtOH=(Yi/YEtOH)/(Xi/XEtOH) (1) 式(1)中、Xi及びYiは、それぞれ液相及び気相中の
不純物(i成分)濃度を表し、XEtOH及びYEtOHは、そ
れぞれ液相及び気相中のエタノ−ル濃度を表す。
【0007】上記定義から明らかなように、比揮発度が
1の場合は、全く分離されない。また、比揮発度が約
0.3〜3の範囲にある場合は、分離は困難であり、良
好に分離するには蒸留塔段数をそれだけ多く必要とする
ことは周知である。前記微量不純物の比揮発度は、エタ
ノ−ル濃度や操作圧力の変化により変化することが知ら
れている。前記の濃縮塔、抽出蒸留塔、精密蒸留塔、減
圧塔等の多くの蒸留塔を組み合わせた不純物除去は、こ
のような性質を利用したものである。
【0008】即ち、濃縮塔ではエタノ−ルを濃縮すると
共に一部の高沸点不純物例えば、3−メチル−1−ブタ
ノ−ルなどの炭素数5以上の高級アルコ−ル類及び/又
は高沸点の有機物や夾雑物を分離する。抽出蒸留塔で
は、低沸点不純物例えば、ジエチルエ−テルなどのエ−
テル類、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類、アセト
ン,メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸エチルな
どのエステル類及び/又は水と共沸するエタノ−ルと沸
点が同じ程度かやや高い中沸点不純物や高沸点不純物例
えば、ジエチルアセタ−ルなどのエ−テル類、n−プロ
パノ−ル,iso−プロパノ−ル,n−ブタノ−ル,イ
ソブタノ−ル,第3級ブタノ−ル,3−メチル−1−ブ
タノ−ルなどのアルコ−ル類などの大部分を分離する。
【0009】精密蒸留塔では、濃縮塔や抽出蒸留塔では
分離しきれなかった高沸点,中沸点及び低沸点不純物を
分離する。更に、精密蒸留塔を2段に組み合わせること
で、これら不純物のほかメタノ−ルなどを効果的に分離
する方法も公知である。減圧塔では、上記蒸留塔では分
離しにくいn−プロパノ−ルを主に分離する。しかしな
がら、iso−プロパノ−ルやクロトンアルデヒドは、
これらの蒸留塔を組み合わせて蒸留条件を種々変化させ
ても、比揮発度は約1〜3の間にあり、分離は極めて困
難であるため、製品エタノ−ル中に微量混入する場合が
生じる。特に、クロトンアルデヒドは、専売アルコ−ル
規格の有機不純物試験及び日本工業規格(JIS−K−
8101)の過マンガン酸還元性物質試験に鋭敏に反応
し、極めて微量の存在で前記試験に不合格となることが
知られている。
【0010】前記専売アルコ−ル規格の有機不純物試験
及び日本工業規格の過マンガン酸還元性物質試験は、い
ずれも過マンガン酸イオンが還元性物質を酸化すること
で、紫色から標準色(淡褐色)までに褪色する時間を試
験するもので、カメレオンテストとも言われている。ま
た、この時の褪色時間は、カメレオン価とも言われてい
る。カメレオンテストは、還元性物質特に有機不飽和化
合物に対して鋭敏に反応するので、種々の不飽和の有機
不純物の有無を検出するのに極めて効果的であることか
ら、当業者間ではエタノ−ル品質のひとつの重要な指標
として取り扱われている。
【0011】前記したように、エタノ−ル中のクロトン
アルデヒドは、種々の蒸留塔を組み合わせて蒸留精製し
ても分離が難しいために、製品エタノ−ル中に微量混入
し、カメレオン価を悪化させることから、これを改善す
るために蒸留塔の組み合わせのほかに、追加方法として
種々の提案がなされている。
【0012】例えば、蒸留塔にアルカリを注入し、クロ
トンアルデヒド等を重合若しくは分解させる反応蒸留に
より精製する方法(特公昭40−25414号、特公昭
49−27163号、特開昭51−63109号、特表
昭55−500864号)、高濃度のアルカリでクロト
ンアルデヒド等を重合反応処理した後精密蒸留する方法
(特公昭60−55116号、特開平5−339183
号)、精密蒸留塔留出物からクロトンアルデヒド等を陰
イオン交換体で選択的に吸着分離する方法(チエコスロ
バキヤ国特許第166126号)、蒸留塔に水素化ホウ
素ナトリウムを注入し、クロトンアルデヒド等を対応す
るアルコ−ルに還元させる反応蒸留により精製する方法
(フランス国特許第1285723号)、濃縮塔や精密
蒸留塔で濃縮されたエタノ−ル中のクロトンアルデヒド
等をニッケル触媒を用いる気相水添によって対応するア
ルコ−ルに還元し更に蒸留により精製する方法(特公昭
33−3162号)、或は銅−クロム触媒又はルテニウ
ム触媒を用いて液相水添によりクロトンアルデヒド等を
対応するアルコ−ルに還元し精密蒸留により精製する方
法(特開昭61−137832号)などが開示されてい
る。
【0013】新しい分離技術として、省エネルギ−の観
点から近年注目されているものに膜分離技術がある。こ
の膜分離技術には、例えば限外濾過膜分離、逆浸透膜分
離、ガス膜分離及び浸透気化膜分離などがあるが、これ
ら膜分離技術を用いてエタノ−ルと粗エタノ−ル中に含
有される種々の不純物とを同時に分離する方法について
は、未だ知られていない。
【0014】これらの膜分離技術を用いた有機物分離に
ついて開示されているものは、例えば、限外濾過膜分離
例では、高分子分画分離などが挙げられる。逆浸透膜分
離例では、水中の微量有機物の分離などが挙げられる。
ガス膜分離としては、無機ガス例えば、水素、一酸化炭
素、窒素或は空気中の炭化水素ガス例えば、メタン、エ
タン、エチレンなどの分離やエタノ−ル蒸気と水蒸気と
の分離などが挙げられる。浸透気化膜分離例は、主とし
て二成分系分離であり、例えばエタノ−ルからの水の分
離、イソプロパノ−ルからの水の分離及びシクロヘキサ
ンとベンゼンとの分離などが挙げられる。浸透気化膜分
離を多成分系で用いている例としては、水中の微量有機
不純物の分離例がある。このようにエタノ−ルと粗エタ
ノ−ル中に含まれる種々の不純物とを同時に分離する膜
分離技術はいまだ研究途上にあるのが現状である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このようにカメレオン
価が良好で、且つ、その他の有機不純物を含まない高品
質のエタノ−ルを提供するための効果的で経済性を有す
る分離精製方法が強く望まれているわけであるが、上記
したように、粗エタノ−ルを精製する従来法は、種々の
蒸留塔を組み合わせたうえに更に化学的物理的な処理方
法を追加することで、高純度のエタノ−ルを製造してい
る。
【0016】アルカリを用いて精製する方法は、比較的
簡単に実施できるが、アルカリ性廃水が発生するので、
該廃水を中和処理後排水する必要があるから、廃水処理
のための設備費や運転経費が余分にかかる。陰イオン交
換体で吸着分離する方法は、再生方法の開示がないの
で、飽和に達した時点で高価な陰イオン交換体を入れ替
える必要があるため、それだけ運転経費を必要とするだ
けでなく、長時間連続的に運転するには、吸着塔を2塔
にし、交互に入れ替え使用する必要がある。
【0017】水素化ホウ素ナトリウムを用いる精製法
は、純度的にも良好なエタノ−ルが得られるが、水素化
ホウ素ナトリウムは、アルカリと比較すると約20倍も
高価であるため、運転経費がかかるだけでなく、廃水中
にアルカリだけでなく、有害なホウ酸も含まれてくるの
で、廃水処理がそれだけ複雑になる。この方法は、実験
室規模程度の精製法としては好ましいが、工業規模では
経済的でない。
【0018】触媒を用いた水添精製法は、純度的に良好
なエタノ−ルが得られるが、可燃性高圧ガスである水素
を用いるので、高価な高圧ガス設備を必要とするだけで
なく、水素化触媒の寿命が2〜5年であることから、高
価な触媒の交換も必要とするので、それだけ運転経費が
かかる。また、省エネルギ−である膜分離技術を用いた
粗エタノ−ル中の不純物を分離する方法は、未だ開示さ
れていない。
【0019】このように、良好なカメレオン価を有し、
且つ、不純物含有量の少ない高品質のエタノ−ルに精製
するために、従来法では、種々の蒸留塔の組み合わせだ
けでは不十分であるので、廃水処理設備を必要とする化
学薬品を用いたり、再生の難しい高価な吸着剤を用いた
り、高圧ガス設備や高価な触媒を必要とする水添精製法
等の複雑で高価な方法が用いられているのが現状であ
り、実用上充分に満足すべきものではない。
【0020】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たものであり、種々の蒸留塔の組み合わせのほかに、さ
らに、化学薬品或は高価な吸着剤や触媒を使用せず、廃
水処理設備や高圧ガス設備を必要としない簡単で運転費
用が安価で、しかも良好なカメレオン価を有する高品質
のエタノ−ルが得られる粗エタノ−ル水溶液の精製法を
提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者は、粗エタノ−
ル中に含まれる不純物及びエタノ−ルのそれぞれの親水
性と疎水性の差に着目し、疎水性高分子膜を介して、不
純物を選択的に気相側に拡散させ、一方、エタノ−ルを
水に溶解させるような新しい浸透気化膜分離法を利用す
れば、効果的にエタノ−ルと不純物とを分離できるので
はないかと考えた。そこで、種々の高分子膜を用いて、
粗エタノ−ル水溶液の濃度を変えながら、エタノ−ルと
不純物との分離について鋭意探求した。
【0022】その結果、エタノ−ル濃度を2〜50重量
%とした粗エタノ−ル水溶液を、水の接触角が90゜以
上を有する疎水性高分子膜を用いて浸透気化膜分離法に
より処理すると、粗エタノ−ル中に含有されるアルコ−
ル類、アルデヒド類、ケトン類、エ−テル類及びエステ
ル類等の不純物が分離除去できるだけでなく、特にカメ
レオン価に大きな影響を与え、通常の抽出蒸留法及び/
又は精密蒸留法では分離しにくいクロトンアルデヒドを
効果的に分離できるという驚くべき事実を発見し、本発
明を完成した。
【0023】即ち、本発明は、発酵法或は合成法により
製造される粗エタノ−ル水溶液及び各種工業における使
用済回収エタノ−ル水溶液を精製する際に、エタノ−ル
濃度を2〜50重量%として、水の接触角が90゜以上
を有する疎水性高分子膜を用いて浸透気化膜分離法によ
り、エタノ−ルと不純物、例えばジエチルエ−テル,ジ
エチルアセタ−ルなどのエ−テル類、アセトアルデヒ
ド,クロトンアルデヒドなどのアルデヒド類、アセト
ン,メチルエチルケトンなどのケトン類、n−プロパノ
−ル,iso−プロパノ−ル,n−ブタノ−ル,第2級
ブタノ−ル,第3級ブタノ−ル,イソブタノ−ル,3−
メチル−1−ブタノ−ルなどのアルコ−ル類、酢酸エチ
ルなどのエステル類を分離させるだけでなく、従来分離
の難しかった特にクロトンアルデヒドを効果的に分離さ
せることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明
する。本発明の浸透気化膜分離方法で使用する疎水性高
分子膜について詳述する。本発明に使用する疎水性高分
子膜としては、例えばポリジメチルシロキサン,ポリメ
チルプロピルシロキサンなどのシリコン樹脂、ポリエチ
レン,ポリプロピレン,ポリブチレンなどのポリオレフ
イン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン,ポリトリフル
オロエチレン,ポリクロロトリフルオロエチレンなどの
フッ素樹脂、又はポリオレフイン樹脂表面の水素をフッ
素ガスやフッ素ガスのプラズマ処理によりフッ素置換し
たフッ素化樹脂等であって、水の接触角が90゜以上
(常温)である高分子膜が挙げられる。これら樹脂の可
塑性、耐久性及び機械的強度等を高めるため、使用形態
により種々の添加剤が使用されるが、これら添加剤を練
り込んだ高分子膜においても、水の接触角が90゜以上
のものであれば、本発明方法に使用することができる。
【0025】水の接触角が90゜未満である高分子膜、
例えばポリビニルアルコ−ル、ポリアクリル酸メチル、
ナイロン、ポリエステル、ポリアセタ−ル、ポリエ−テ
ル、酢酸セルロ−ス或はイオン交換樹脂等の親水性の官
能基を有する膜であると、疎水性が低下し、粗エタノ−
ル水溶液のエタノ−ル濃度操作範囲において、水が膜透
過し易くなると共にエタノ−ルも膜透過し易くなり、エ
タノ−ルと有機不純物とが効果的に分離されにくくなる
ほか、ときには水の膨潤により膜が破損したりする場合
が生じる。
【0026】本発明に使用する疎水性高分子膜の形状
は、多孔性或は非多孔性の均質或は不均質の中空糸状或
は平膜状の薄膜である。この活性膜の透過性能及び機械
的強度を高めるために公知の多孔性の支持膜や不織布を
用いて複合膜とした薄膜も、勿論本発明方法に使用する
ことができる。通常、浸透気化膜分離を実施するには、
これらの高分子膜の表裏を区切って容器に装填したも
の、いわゆる膜モジュ−ルが効果的に用いられる。
【0027】次に、本発明で用いられる浸透気化膜分離
法について説明する。周知のように、浸透気化膜分離法
は、膜を介して供給側を液相、透過側を気相として操作
することで、蒸気圧差を駆動力とする分離方法である。
勿論、複合膜を用いる場合には、水の接触角が90゜以
上を有する膜面を供給液側として用いなければならな
い。
【0028】浸透気化膜分離法の分離操作においては、
液から蒸気への相変化を伴うため、供給液の加熱操作を
必要とする。供給液の加熱温度は、高温ほど処理量を多
くできるが、使用する高分子膜の耐熱性や耐久性から、
0〜150℃、好ましくは20〜120℃で操作され
る。操作圧力は、供給側は液相を保持するためにやや加
圧条件であれば良いので、0〜10Kg/cm2G、好
ましくは0〜5Kg/cm2Gで操作され、透過側は気
相を維持するため、減圧条件であれば良いので、0〜7
60mmHg、好ましくは10〜200mmHgで操作
される。
【0029】膜モジュ−ルに供給される粗エタノール水
溶液のエタノール濃度は、2〜50重量%,好ましくは
5〜40重量%で操作することで、粗エタノール中の有
機不純物、例えばジエチルエ−テル,ジエチルアセタ−
ルなどのエ−テル類、アセトアルデヒド,クロトンアル
デヒドなどのアルデヒド類、アセトン,メチルエチルケ
トンなどのケトン類、n−プロパノ−ル,iso−プロ
パノ−ル,n−ブタノ−ル,第2級ブタノ−ル,第3級
ブタノ−ル,イソブタノ−ル,3−メチル−1−ブタノ
−ルなどのアルコ−ル類、酢酸エチルなどのエステル類
などをエタノ−ルと効果的に分離できる。
【0030】特にカメレオン価に大きな影響を与えるク
ロトンアルデヒドも選択的に疎水性高分子膜に溶解拡散
或は蒸発拡散し、エタノールは水溶液側に効果的に抽出
され、エタノールとクロトンアルデヒドも効果的に分離
できる。エタノール濃度が50重量%を越えると、有機
不純物の疎水性高分子膜への選択的溶解若しくは蒸発が
阻害される。一方、エタノール濃度が低いほど分離は効
果的であるが、2重量%以下になると、それだけ処理量
が多くなり経済性が低下する。
【0031】上記のようにして、不純物を浸透気化膜分
離処理したエタノール水溶液を、引き続き通常の精密蒸
留法で95容量%(92.42重量%)以上に濃縮する
と、上述の浸透気化膜分離処理で分離しきれなかった一
部の中沸点不純物及び/又は高沸点不純物が効果的に分
離されるので、カメレオン価が良好で有機不純物が極め
て少ない高品質のエタノールが得られる。精密蒸留法に
ついては、浸透気化膜で処理された希薄エタノ−ル水溶
液が95.0容量%以上に濃縮されればよいので、通常
の精密蒸留法で良く、特に限定されない。
【0032】本発明方法で不純物を浸透気化膜分離処理
した希薄エタノ−ル水溶液を、公知の脱水膜などを用い
た蒸気分離あるいは浸透気化膜分離処理することによっ
て、エタノ−ルを95容量%以上に濃縮することができ
る。しかしながら、エタノ−ル中に混入してくる有機不
純物を水と同時に分離できる脱水膜は未だ開発されてい
ない。それ故、本発明方法で不純物を浸透気化膜分離処
理した希薄エタノ−ル水溶液を引き続き膜分離法で脱水
濃縮すると、分離しきれなかった一部の中沸点及び/又
は高沸点不純物がそのまま95容量%以上に濃縮された
エタノ−ル中に混入してくるので、二種類の膜分離法の
組み合わせだけで分離濃縮する場合は、高品質のエタノ
−ルは得られない。
【0033】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。 実施例1〜3 ポリジメチルシロキサンからなる非多孔質のシリコンゴ
ム均質膜(膜厚=0.3mm)を膜分離セル(有効膜面
積=12.2cm2)に取り付け、ジエチルエ−テル、
アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、アセトンおよ
びn−ブタノ−ルを微量含んだ5.5〜33重量%濃度
のエタノール水溶液を調製し、これを温度60℃、液側
圧力0.5Kg/cm2G、透過側圧力50mmHgの
条件で浸透気化膜分離実験を行い、これら不純物(i成
分)のエタノ−ルに対する分離係数(αi EtOH)を測定
した。測定結果を次表1に示す。尚、浸透気化膜分離に
おける分離係数の定義は、蒸留における分離係数の定義
と同じで、前記式(1)で表される。本発明方法によれ
ば、どの不純物も簡単に分離される。特に従来分離の難
しかったクロトンアルデヒド(CA)の分離係数(αCA
EtOH)は6以上であるから、ジエチルエ−テル、アセト
アルデヒド、アセトンおよびn−ブタノ−ルは勿論のこ
と、クロトンアルデヒドもエタノ−ルと簡単に分離され
る。
【0034】比較例1 実施例1と同じ不純物を微量含んだ53.2重量%濃度
の粗エタノ−ル水溶液を、実施例1と同様の方法で、浸
透気化膜分離実験を行った。結果を次表1に併記した。
アセトン、n−ブタノ−ルおよびクロトンアルデヒドの
分離係数は3以下であり、エタノ−ルとは良好には分離
されなかった。
【0035】
【表1】
【0036】比較例2 ポリビニルアルコ−ルをマレイン酸で架橋し、不溶化さ
せた活性層が非多孔性の複合膜を用いて、上記実施例2
と同様の方法で浸透気化膜分離実験を行ったが、膨潤に
より膜が破損し、分離できなかった。
【0037】実施例4 りん酸触媒を用いてエチレンの水和反応で合成したエタ
ノ−ル濃度17.2重量%の粗エタノ−ル水溶液を水で
薄めて8.4重量%とし、これをポリジメチルシロキサ
ンからなる非多孔性のシリコンゴムの中空糸均質膜を充
填した市販の膜モジュ−ル(永柳工業製、有効膜面積=
0.74m2)を用いて、温度70℃、液供給速度2リ
ットル/時間、液側圧力0.5Kg/cm2G、透過側
圧力30mmHgの条件で浸透気化膜分離処理を行っ
た。液側流出処理液のエタノ−ル濃度は、6.7重量%
で流出量は1.88リットル/時間であった。段数60
段のオ−ルダショ−型蒸留器を用いて、15段にこの処
理液を1.71リットル/時間で供給し、還流比5.0
で連続精密蒸留し、塔頂より94.2重量%の精製エタ
ノ−ルを0.14リットル/時間で抜き出した。
【0038】この精製アルコ−ルを、専売アルコ−ル試
験法およびガスクロマトグラフイ−で分析した結果、有
機不純物試験(カメレオン価)は9分以上と良好であ
り、含水特級の規格に合格した。専売アルコ−ル試験法
による分析結果を後記表2に、ガスクロマトグラフイ−
による分析結果を後記表3に示す。尚、表3には、原料
粗エタノ−ル水溶液のガスクロマトグラフイ−による分
析結果も参考として示す。
【0039】実施例5 実施例4で用いたのと同様の粗エタノ−ル水溶液を水で
希釈してエタノ−ル濃度8.9重量%とした。これを多
孔性の均質のポリプロピレン中空糸膜からなる市販の膜
モジュ−ル(ヘキストセラニ−ズ社製、有効膜面積=
2.3m2)を用いて、温度62℃、透過側圧力50m
mHgとする以外は、実施例4と同様の条件下で浸透気
化膜分離処理を行った。処理液のエタノ−ル濃度は、
7.1重量%で流出量は1.76リットル/時間であっ
た。これを実施例4と同様に、還流比5.0、供給量
1.7リットル/時間で連続精密蒸留し、塔頂より9
4.2重量%の精製エタノ−ルを0.15リットル/時
間で抜き出した。
【0040】この精製エタノ−ルを、専売アルコ−ル試
験法で分析した結果、カメレオン価は4分以上であり、
含水1級の規格に合格した。専売アルコ−ル試験法によ
る分析結果及びガスクロマトグラフイ−による分析結果
を後記表2及び表3に示す。
【0041】比較例3 実施例4で用いたのと同様の17.2重量%の粗エタノ
−ル水溶液を、段数65段のオ−ルダショ−型蒸留器の
50段に、1.4リットル/時間で供給し、塔頂より水
を1.2リットル/時間加え、還流比5.2で抽出蒸留
し、塔頂に不純物を濃縮し、塔底より8.2重量%のエ
タノ−ル水溶液を2.5リットル/時間で抜き出した。
これを実施例5と同様の方法で連続精密蒸留を行い、塔
頂より94.2重量%の精製エタノ−ルを0.18リッ
トル/時間で抜き出した。
【0042】この精製エタノ−ルを、専売アルコ−ル試
験法で分析した結果、カメレオン価は10秒と極めて悪
いだけでなく、アルデヒドや硫酸呈色物も検出され不合
格であった。専売アルコ−ル試験法による分析結果及び
ガスクロマトグラフイ−による分析結果を次表2及び表
3に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】浸透気化膜分離における分離機構は、溶解
拡散機構と言われている。高度の分離性能を有する膜に
おいては、拡散より溶解が支配的であることが知られて
いる。本発明方法で用いる疎水性高分子膜は、その疎水
性のためにエタノ−ルなどの親水性物質よりクロトンア
ルデヒドや高級アルコ−ルなどの親油性物質を溶解し易
い。一方、エタノ−ルなどの親水性物質は、水との親和
性が高いために、水に溶解され易い。粗エタノ−ル水溶
液中の不純物は、アセトアルデヒドおよびメタノ−ル以
外は、全てエタノ−ルより親油性である。このために、
エタノ−ルより親油性の高い物質は、選択的に膜に溶解
分離されるだけでなく、エタノ−ルと同程度に親水性で
あるアセトアルデヒドは、エタノ−ルよりかなり低沸点
であるために、膜透過の駆動力がそれだけ大きいので、
選択的にエタノ−ルと分離されたものと考えられる。即
ち、エタノ−ル濃度2〜50重量%の粗エタノ−ル水溶
液を、本発明方法で用いられる疎水性高分子膜で浸透気
化膜分離を行った時にのみ、特有の分離作用をしたもの
と考えられる。
【0046】
【発明の効果】本発明方法によれば、エタノ−ル濃度を
2〜50重量%として疎水性高分子膜を用いて浸透気化
膜分離をした後、精密蒸留するだけで、高純度のエタノ
−ルが得られるので、種々の蒸留塔の組み合わせのほか
に、薬品処理や水素化処理や吸着処理などを必要とせ
ず、それだけ安価な設備で精製できる利点が得られる。
また、本発明方法では、精製処理に伴う薬品、触媒及び
吸着剤などを必要としないので、運転コストが軽減でき
るだけでなく、排水処理や産業廃棄物処理なども必要と
しないので、製造コストが削減され経済的であるだけで
なく、環境保存にも極めて効果的である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不純物としてアルデヒドを含む粗エタノ−
    ル水溶液を精製する際に、エタノ−ル濃度を2〜50重
    量%とした粗エタノ−ル水溶液を、水の接触角が90゜
    以上を有する疎水性高分子膜を用いて浸透気化膜分離さ
    せ、引き続き精密蒸留することにより、エタノ−ルと不
    純物とを分離させることを特徴とするエタノ−ルの精製
    法。
  2. 【請求項2】前記粗エタノ−ルのエタノ−ル濃度が、5
    〜40重量%である請求項1に記載の精製法。
  3. 【請求項3】前記アルデヒドが、クロトンアルデヒドで
    ある請求項1に記載の精製法。
  4. 【請求項4】前記疎水性高分子膜が、シリコン樹脂から
    なる膜である請求項1または3に記載の精製法。
  5. 【請求項5】前記疎水性高分子膜が、ポリオレフイン樹
    脂からなる膜である請求項1または3に記載の精製法。
  6. 【請求項6】前記疎水性高分子膜が、フッ素樹脂からな
    る膜である請求項1または3に記載の精製法。
  7. 【請求項7】前記疎水性高分子膜が、ポリオレフイン樹
    脂をフッ素化させたフッ素化樹脂からなる膜である請求
    項5に記載の精製法。
  8. 【請求項8】前記操作温度が、0〜150℃である請求
    項1〜7に記載の精製法。
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