JP2002345495A - エタノールの精製方法 - Google Patents

エタノールの精製方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発酵法により得られる粗留アルコールから、
クロトンアルデヒドなどの不純物が極めて少ない高純度
のエタノールを精製する方法を提供する。 【解決手段】 発酵法により得られる粗留アルコール中
のエタノール濃度を5〜10w/w%の範囲に調整した
後、アルカリ処理を行いながら蒸留することを特徴とす
るエタノールの精製方法。添加するアルカリ濃度は、エ
タノール濃度を希釈調整した粗留アルコールに対して、
0.01w/w%以上とすることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルデヒド類など
の不純物が極めて少ない高純度のエタノールを精製する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エタノール(アルコール)は、酒類とし
ての飲料用のみならず、化学工業、飲食料品工業、医薬
用など広く工業用に使用されている。酒類用や食品添加
物用のエタノールは、醸造アルコール又は発酵アルコー
ルとも呼ばれ、糖蜜、甘藷、穀類などの天然物原料から
発酵法で製造されている。醸造アルコール以外の工業用
アルコールは、エチレン原料から化学合成で製造されて
おり、合成アルコールと呼ばれている。近年、日本にお
ける醸造アルコールの製造方法は、海外において天然物
原料を発酵させた醪を比較的簡単な蒸留機で蒸留して得
られたアルコール(粗留アルコールという)を輸入し、
日本の高度な蒸留方式で精製し、極めて不純物の少ない
高純度のエタノールを製造する方法に代ってきている。
例えば、高度な蒸留方式として、醸造の事典〔1988
年11月10日、株式会社朝倉書店発行、(初版第1
刷)、第366〜367頁〕に、スーパーアロスパス方
式の蒸留機が記載されている。この方式は、醪塔(A
塔)、分離塔(A1塔)、濃縮塔(A2塔)、抽出塔
(D塔)、精留塔(B塔)、精製塔(C塔)、不純物処
理塔(G塔)などの多数の塔を使用して、アセトアルデ
ヒドなどのアルデヒド類、メタノールなどの低沸点不純
物、及び1−プロパノールなどのフーゼル油成分を含む
中・高沸点不純物など大部分の不純物を分離している。
特にD塔においては、塔頂部から熱水を注入して塔内の
エタノール濃度を10w/w%程度に保持することによ
り、エタノールと他の低沸点不純物及び中・高沸点不純
物の比揮発度を変化させ、塔頂部よりそれらの不純物を
効果的に分離している。しかしながら、海外で製造され
る粗留アルコールは、エタノール分が90w/w%以上
に濃縮されているものの、上記のスーパーアロスパス方
式では分離できないその他微量の不純物が含まれている
ことが知られている。それらの不純物の中でも、例えば
クロトンアルデヒドは、微量でも、アルコールの重要な
規格である過マンガン酸還元性物質(カメレオン価とも
いう)の値を低下させることが知られている。
【0003】このクロトンアルデヒドをエタノールから
除去する方法については、特開平10−147546号
公報に、水の接触角が90°以上を有する疎水性高分子
膜を用いて浸透気化膜分離させる分離法が開示されてい
る。しかし、この方法では、疎水性高分子膜という特殊
な膜を蒸留機中に設置するという複雑な改造を行わなけ
ればならず、また定期的な膜の交換という作業も必要と
なる。次に合成法で得られたアルコールを蒸留法で精製
する方法において、効果的に不純物を分離する方法とし
て、アルカリ処理を用いる方法が、特公昭40−254
14号公報、特公昭49−27163号公報に開示され
ている。しかし、これらの方法は、合成アルコールの製
造方法に関する発明であり、かつ粗アルコールの濃度は
約10〜15%と記載されており、それ以外のエタノー
ル濃度におけるクロトンアルデヒドの除去効果について
の記載はない。また、蒸留法によりアルコールを精製す
る方法において、アルカリ処理を用いる方法としては、
特開昭51−63109号公報、特表昭55−5008
64号公報、特公平4−27830号公報が開示されて
いる。これらの公報では、アルカリを精留塔若しくは濃
縮塔に添加して不純物の除去を効果的に行うことができ
ると記載されている。精留塔、濃縮塔は、エタノールを
濃縮するために用いられ、従って塔内のエタノール濃度
は高くなっている。しかし、上述の方法では、クロトン
アルデヒドなどの微量不純物は十分分離できず、該不純
物がエタノール製品に残存し、品質の低下を起こしてい
た。また該公報には、エタノール濃度が低い時におけ
る、クロトンアルデヒドの分離効果についての具体的な
記載はない。一方、脂肪族アルデヒドは塩基又は酸触媒
で二量化し、いわゆるアルドールを生成することが知ら
れている(以下、アルドール縮合反応という)。この反
応の塩基性触媒としては水酸化アルカリ、炭酸アルカ
リ、ナトリウムアルコキシド、ナトリウムアミドなどが
用いられている(昭和52年12月10日、丸善株式会
社発行、社団法人日本化学会編、「新実験化学講座14
有機化合物の合成と反応II」、第736頁)。しかし、
粗留アルコールに含まれるクロトンアルデヒドを除去す
るために、上述の反応を利用する時の好ましいエタノー
ル濃度の条件については知られていない。以上のことよ
り、従来からの蒸留機に特別な改造を加えることなく簡
単な方法で、より効果的にクロトンアルデヒドなどの微
量の不純物を分離して、高純度のエタノールを製造する
方法が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術にかんがみ、発酵法により得られる粗留アルコ
ールから、クロトンアルデヒドなどの不純物が極めて少
ない高純度のエタノールを精製する方法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明は、発酵法により得られる粗留アルコール中のエタ
ノール濃度を5〜10w/w%の範囲に調整した後、ア
ルカリ処理を行いながら蒸留することを特徴とするエタ
ノールの精製方法に関する。
【0006】本発明者らは、高純度のエタノールの製造
方法を提供すべく、鋭意検討した。その結果、蒸留塔の
中の抽出塔で、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、
炭酸ナトリウムなどのアルカリを、エタノール分が5〜
10w/w%の範囲の粗留アルコールに0.01w/w
%以上となるように添加し、そのアルカリ処理を行いな
がら蒸留することにより、エタノール製品中にクロトン
アルデヒドが0.1g/m3未満まで低下し品質が良好
になることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明でいう発酵法により得られる粗留アルコ
ール(以下、単に粗留アルコールという)とは、天然物
原料を発酵させた醪を比較的簡単な蒸留機で蒸留して得
られたアルコールのことをいう。主に東南アジアや南北
アメリカなどで生産され、日本に輸入されている。天然
物原料として、糖蜜などの糖質原料やトウモロコシなど
のデンプン質原料を用いて発酵させるが、これらの原料
に限定されない。蒸留機は、簡単な醪塔及び濃縮塔の2
本塔を用いることが多い。得られたアルコールの成分
は、エタノール濃度が約90w/w%以上に濃縮されて
いるものの、不純物が多く、カメレオン価も瞬時〜3分
程度までさまざまである。
【0008】本発明の方法において、蒸留時の粗留アル
コールのエタノール濃度は、5〜10w/w%の範囲が
好ましい。90w/w%以上で輸入された粗留アルコー
ルは、水で5〜10w/w%の範囲に希釈し、蒸留塔に
導入することができる。また、蒸留塔において、粗留ア
ルコールと水又は湯を別々のラインで導入し、塔内で希
釈してもよい。蒸留法によりエタノールを精製する場合
は、蒸留塔の各棚段毎に異なる一定のエタノール濃度を
保持させているが、本発明においては、少なくとも1つ
の棚段においてエタノール濃度が5〜10w/w%の範
囲であればよい。エタノール濃度が10w/w%を超え
ると、エタノールからクロトンアルデヒドの分離が困難
となり好ましくない。また、エタノール濃度が5w/w
%未満となると、醸造アルコールの規格値である95.
0v/v%(92.4w/w%)以上まで濃縮するため
に、段数が多く塔高の高い蒸留機と多大な熱エネルギー
を必要とし、好ましくない。クロトンアルデヒドなどの
不純物の分離のし易さと現状の蒸留機を改造することな
くそのまま利用できるという点より、8〜10w/w%
の範囲がより好ましい。
【0009】本発明でいうアルカリ処理とは、粗留アル
コールとアルカリを混合して蒸留する方法であり、粗留
アルコールにアルカリを添加してから蒸留塔に導入して
もよいし、直接蒸留塔にアルカリを添加してもよい。本
発明におけるクロトンアルデヒドなどの除去に対する効
果は、前述のアルデヒドの塩基性(アルカリ)触媒存在
下でのアルドール縮合反応によると考えられるので、用
いられるアルカリは、ナトリウム、カルシウム、カリウ
ムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物
や炭酸塩などであればよく、限定はされない。例えば、
水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム
などの水溶液があり、好ましくは、水酸化ナトリウムが
用いられる。本発明におけるアルカリの添加量は、エタ
ノール分が5〜10w/w%の範囲の希釈粗留アルコー
ルに対して、0.01w/w%以上で添加することが好
ましい。具体的に言えば、水酸化ナトリウムの添加量
が、希釈粗留アルコール100g当り0.01gである
とクロトンアルデヒドの除去率が95%程度になり好ま
しく、更に、0.02g以上になるとクロトンアルデヒ
ドの除去率が99%以上になりより好ましい。例えば、
クロトンアルデヒドが1g/m3含まれているような品
質の劣る粗留アルコールの場合、エタノール分を10w
/w%に希釈し、該希釈粗留アルコール100g当り
0.01gとなるように水酸化ナトリウムを添加して蒸
留することにより、クロトンアルデヒドの濃度が、0.
1g/m3未満まで低下した良好な精製エタノールが得
られる。精製エタノールのカメレオン価に重大な影響を
与えるクロトンアルデヒド含量は、0.1g/m3以上
であるといわれており、上述の方法で得られた精製エタ
ノールは、高純度の良好な品質のものである。しかし、
水酸化ナトリウム添加量が0.005w/w%であると
蒸留液のクロトンアルデヒドは0.7g/m3程度まで
残存し、十分除去されない。本発明は、クロトンアルデ
ヒド以外のアクロレインなどのアルデヒド類に対して
も、好ましい除去効果が得られる。
【0010】本発明における蒸留法について、高純度の
エタノールが得られる蒸留法であれば特に限定はない
が、例えば、前述のスーパーアロスパス方式などがあ
る。エタノール濃度を5〜10w/w%に保持すること
ができ、より高いクロトンアルデヒド除去効果を得るた
めにも、スーパーアロスパス方式における抽出塔及び/
又は分離塔で本発明を実施することが好ましい。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0012】実施例1 エタノール濃度とクロトンアル
デヒド除去率の関係 エタノール濃度92.4w/w%の粗留アルコールを用
い、エタノール濃度を5.0、10.0、15.0、2
0.0、30.0、35.0、67.0、及び80.0
w/w%になるように水で希釈し、それぞれの希釈粗留
アルコールに、不純物としてクロトンアルデヒド濃度が
1g/m3になるようにサンプル0.2リットルを調製
した。それぞれのサンプルに、アルカリとして水酸化ナ
トリウムが、希釈粗留アルコールに対して0.02w/
w%になるように添加し、更に対照としてはそれぞれの
サンプルにアルカリを添加せずに、ウィッドマー式蒸留
機を用いて蒸留試験を行った。充分な反応を促進するた
め、まず、還流冷却器を用いて1時間全還流を行った
後、蒸留機の塔頂から、留出液として50mlの精製エ
タノールを採取した。
【0013】得られた精製エタノール中のクロトンアル
デヒドの分析は、液体クロマトグラフを使用して行っ
た。クロトンアルデヒドの除去率は、{〔アルカリ無添
加時(対照)の留出液のクロトンアルデヒド量〕―(ア
ルカリ添加時の留出液のクロトンアルデヒド量)}/
(対照の留出液のクロトンアルデヒド量)×100で示
す式を用いて求めた。その結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】表1より、粗留アルコールのエタノール濃
度が5〜10w/w%の時、水酸化ナトリウムを添加す
ることにより、クロトンアルデヒドの除去率は99%と
なり、クロトンアルデヒドはほぼ完全に除去された。し
かし、エタノール濃度が15w/w%以上になると除去
率は徐々に低下し、良好な精製エタノールが得られなか
った。
【0016】実施例2 アルカリ濃度とクロトンアルデ
ヒド除去率の関係 エタノール濃度92.4w/w%の粗留アルコールを5
w/w%に希釈し、更に不純物としてクロトンアルデヒ
ド濃度が1g/m3になるように試薬のクロトンアルデ
ヒドを添加し、サンプルを調製した。次に、それぞれの
サンプル0.2リットルに、水酸化ナトリウムを0.0
1g(添加割合0.005%)、0.02g(0.01
%)、0.04g(0.02%)添加し、及び対照とし
て水酸化ナトリウムを添加しないサンプルを用意し、実
施例1と同様に蒸留試験を行った。得られた精製エタノ
ールにおけるクロトンアルデヒドの除去率を実施例1と
同様に求め、結果を表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】表2より、希釈粗留アルコールに水酸化ナ
トリウム0.01w/w%以上添加した場合、除去率は
95%以上となり、高いクロトンアルデヒドの除去率を
示した。しかし、水酸化ナトリウム添加量が0.005
w/w%の時は、クロトンアルデヒド除去率が85%と
なり、十分な除去率が得られなかった。
【0019】実施例3 連続式蒸留機によるエタノール
の精製 図1にスーパーアロスパス方式の連続式蒸留機のフロー
を示す。まず蒸留塔について説明する。A1は低沸点不
純物を分離する分離塔、Aは醪などの残渣を底部より排
出する醪塔、A2はエタノールを濃縮し塔中段部よりフ
ーゼル油などの高級アルコール類を除去する濃縮塔、D
は濃縮されたエタノールを温水で希釈し塔頂部から不純
物を除去する抽出塔、B及びB'は抽出塔からのエタノ
ールを濃縮しながら、コンデンサーから低沸点不純物を
除去し塔中段部から高級アルコールを除去する精留塔、
B1はエタノールを回収し水を排出する脱酒精塔、Cは
メタノールなどの低沸点不純物を除去し底部から濃縮さ
れた精製エタノールを取り出す精製塔、Gは低沸点不純
物を濃縮して系外に除去しエタノールを回収する不純物
処理塔である。D1はA1からの低沸点不純物に加水抽
出して塔頂部から不純物を除去する第2抽出塔、Fはエ
タノールを回収し塔底部から温水を排出する温水塔であ
る。Jはフーゼル抽出塔、Nはフーゼル処理塔、Hは減
圧塔であり、これらの塔では高級アルコールを更に濃縮
して系外に除去しエタノールを回収している。次に1は
粗留アルコールを貯蔵する粗留アルコールタンク、2は
粗留アルコールを蒸留塔へ供給する供給ポンプ、3は粗
留アルコールをD塔へ供給するライン、4は蒸気をD塔
やA1塔などへ供給するライン、5は温水をD塔へ供給
するライン、6はアルカリを供給するライン、7は精製
エタノールを取り出すラインである。8は粗留アルコー
ルを蒸留塔へ供給する前に一時貯蔵する中間タンク、9
は蒸留塔へ蒸気を間接供給するリボイラー、10は蒸留
塔の頂部から発生したベーパーを凝縮させるコンデンサ
ー、11は粗留アルコールを一時貯蔵し、各蒸留塔から
回収されたアルコール類や水と混合する地下槽である。
図1に従って、テスト蒸留方法を以下に説明する。粗留
アルコールタンク1に受け入れられているエタノール濃
度59.3w/w%の粗留アルコールは、供給ホンプ2
により、ライン3を経て、抽出塔Dへ供給される。水酸
化ナトリウムは、ライン6から供給ポンプ2のサクショ
ン側へ、アルカリ濃度0.05w/w%になるように添
加される。D塔では、ライン4から供給される蒸気とラ
イン5から供給される温水により、ほとんどの棚段及び
塔底部のエタノール濃度が5〜10w/w%になってい
る。D塔底部からのアルコールは、その後、B、B'塔
(精留塔)、C塔(精製塔)の各塔により、不純物除
去、濃縮、精製され、ライン7より93.9w/w%の
精製エタノールが得られる。使用した粗留アルコールの
クロトンアルデヒド濃度は0.23g/m3であった。
【0020】水酸化ナトリウムを添加しなかった時(比
較例)の精製エタノールと、上述の方法で水酸化ナトリ
ウムを添加して(本発明)得られた精製エタノールのク
ロトンアルデヒド含量を比較した。比較例の精製エタノ
ール中のクロトンアルデヒド濃度は0.11g/m3
あったが、本発明の精製エタノール中には、クロトンア
ルデヒドは検出されなかった。
【0021】また、分離塔を用いる場合は、同様の粗留
アルコールを地下槽11において、水で、エタノール濃
度を5〜10w/w%に希釈し、ライン6からアルカリ
を同様に添加し、ライン12より分離塔A1に供給して
蒸留する。以降、A、A2、D、B、B'、Cの各塔を
経て、ライン7よりクロトンアルデヒドが検出限界以下
である93.9w/w%の精製エタノールが得られた。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、エタノール濃度が5〜
10w/w%の範囲の粗留アルコールにアルカリ処理を
行いながら蒸留することにより、クロトンアルデヒドな
どの不純物が極めて少ない、高純度のエタノールを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の1例で使用する連続式蒸留機のフ
ロー図である。
【符号の説明】
1:粗留アルコールタンク、2:供給ポンプ、3:原料
供給ライン、4:蒸気ライン、5:温水供給ライン、
6:アルカリ供給ライン、7:製品ライン、8:中間タ
ンク、9:リボイラー、10:コンデンサー、11:地
下槽、A:醪塔、A1:分離塔、A2:濃縮塔、D:抽
出塔、B:精留塔、B1:脱酒精塔、B’:精留塔、
C:精製塔、G:不純物処理塔、J:フーゼル抽出塔、
N:フーゼル処理塔、H:減圧塔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関藤 求 長崎県島原市弁天町2丁目7355 寳酒造株 式会社島原工場内 Fターム(参考) 4B028 AC02 AG01 AP14 AS01 AT02 4B064 AC03 CA02 CA05 CE01 DA01 DA10 DA16 4H006 AA02 AD11 AD30 BE10 BE11 BE12 BE13 FE11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発酵法により得られる粗留アルコール中
    のエタノール濃度を5〜10w/w%の範囲に調整した
    後、アルカリ処理を行いながら蒸留することを特徴とす
    るエタノールの精製方法。
  2. 【請求項2】 エタノール濃度が5〜10w/w%の範
    囲の粗留アルコールに対して、アルカリを0.01w/
    w%以上添加する処理であることを特徴とする請求項1
    記載のエタノールの精製方法。
  3. 【請求項3】 抽出塔及び/又は分離塔でアルカリ処理
    することを特徴とする請求項1又は2に記載のエタノー
    ルの精製方法。
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