JPH10147167A - ケーブル装置 - Google Patents

ケーブル装置

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Publication number
JPH10147167A
JPH10147167A JP30534396A JP30534396A JPH10147167A JP H10147167 A JPH10147167 A JP H10147167A JP 30534396 A JP30534396 A JP 30534396A JP 30534396 A JP30534396 A JP 30534396A JP H10147167 A JPH10147167 A JP H10147167A
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JP
Japan
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cable
spring
compression spring
inner cable
movable member
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Application number
JP30534396A
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English (en)
Inventor
Yoshikatsu Tsuge
美勝 柘植
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Chuo Hatsujo KK
Chuo Spring Co Ltd
Original Assignee
Chuo Hatsujo KK
Chuo Spring Co Ltd
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Publication date
Application filed by Chuo Hatsujo KK, Chuo Spring Co Ltd filed Critical Chuo Hatsujo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変位範囲の必要な部分のみで操作補助力が得
られるケーブル装置。 【解決手段】 圧縮ばね6の内側に嵌め込まれたガイド
10を、固定部材に取り付けられるブラケット9に圧縮
ばね6を介して弾性支持させ、ケーブルエンド2にプレ
ート4を備えたインナーケーブル1にガイドパイプ7を
被せた状態で、ガイド10内に配する。インナーケーブ
ル1が(a)から(b)の間では、圧縮ばね6に負荷が
掛からず、インナーケーブル1には圧縮ばね6のばね荷
重が生じない。(b)から(c)の間では、(b)位置
からの変位量に応じた負荷が圧縮ばね6に掛かり、その
結果、ばね荷重がインナーケーブル1に働き、インナー
ケーブル1に対する外力が取り除かれると、インナーケ
ーブル1は(b)位置まで復帰する。ケーブルエンド3
が可動部材に接続されていると、(b)から(c)の間
のみで、ばね荷重が可動部材に作用し操作補助力とする
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定部材に対して
変位可能に設けられた可動部材に対して、その変位状態
に応じた荷重をケーブルによって与えることができるケ
ーブル装置に関し、自動車の各種の操作における操作補
助装置として用いることができるものである。
【0002】
【従来の技術】自動車において、例えば、シートの前倒
れ状態から正規状態までの引き起こし、トランク、バッ
クドア、トラックのゲートなどの開閉では、手動によっ
て操作が行われている。この場合、シートの背もたれ、
バックドアなどの各可動部材には、それぞれある程度の
重量があり、その重量負担を少しでも補うために、ばね
の弾性力を利用した各種の操作補助装置が用いられてい
る。従来、これらの負担軽減のための装置では、最大重
量が掛かる状態の負担を重点にして補助力が得られるよ
うにしてあり、図3の破線に示すように、可動部材の変
位量に応じた荷重が常時加わっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のとおり、従来で
は、最大重量を軽減することのみを重点にして、操作補
助装置が設計されている。このため、例えば、シートの
リクライニングなど、正規状態からさらに後ろ倒しにす
るような場合など、通常であれば、軽微な操作力によっ
て可動部材を変位させることができるはずの変位状態で
も、ばねによる不要な荷重が加わってしまい、それが使
用者の負担を増しているという問題がある。
【0004】本発明は、可動部材の変位範囲のうち、特
に必要な部分のみで操作補助力が得られることができる
ケーブル装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1では、
固定部材に対して変位可能に配置された可動部材に一端
が接続されるインナーケーブルと、前記インナーケーブ
ルの他端に接続された係止用部材と、前記インナーケー
ブルを貫通させる貫通部を有し、前記可動部材の所定変
位範囲内の変位時に前記インナーケーブルを前記貫通部
で変位させ、前記可動部材の所定変位範囲を越える変位
時に前記インナーケーブルを前記係止用部材によって係
止させるガイド部材と、前記可動部材の所定変位範囲を
越える変位時に前記ガイド部材を弾性支持するための弾
性部材を備え、該弾性部材を前記固定部材に固定させる
ブラケットとからなることを技術的手段とする。
【0006】この構成により、可動部材が固定部材に対
して変位すると、可動部材に接続されたインナーケーブ
ルの一端も同時に変位する。可動部材に接続されたイン
ナーケーブルの一端が遠ざかるように変位するとき、可
動部材の変位量が小さくその変位範囲が所定変位範囲内
であると、インナーケーブルがガイド部材の貫通部内を
移動しながら変位する。可動部材の変位量が大きくなり
所定変位範囲の限界になると、インナーケーブルの他端
に接続された係止用部材がガイド部材に係止される。
【0007】さらに可動部材の変位量が大きくなると、
インナーケーブルの他端側の係止用部材がガイド部材を
変位させる。このとき、ガイド部材は固定部材に固定さ
れたブラケットにより弾性部材によって弾性支持されて
いて、弾性部材を変位させるため、ガイド部材は弾性部
材から荷重を受ける。可動部材の変位量が所定変位範囲
を越えている間には、ガイド部材は弾性部材から荷重を
受けるため、ガイド部材と接触した係止用部材を介して
インナーケーブルの他端側に荷重が加わり、インナーケ
ーブルの一端側で接続された可動部材にも、その変位量
に応じた荷重が与えられる。このため、可動部材の変位
状態を、所定変位範囲を越えた状態から所定変位範囲に
戻す際には、弾性部材による荷重がインナーケーブルに
よって可動部材に与えられているため、使用者は可動部
材に対して大きな外力を与えなくても、簡単に所定変位
範囲に戻すことができる。また、所定変位範囲より小さ
な変位範囲に可動部材を変位させる際には、可動部材に
は、外部から荷重がかからないため、簡単に可動させる
ことができる。
【0008】以上のとおり、本発明では、可動部材の変
位範囲が所定変位範囲を越えている間には、インナーケ
ーブルを介して弾性部材による荷重が与えられるため、
可動部材の変位範囲を小さくする際には、使用者の負担
が減少する。
【0009】請求項2では、請求項1において、前記イ
ンナーケーブルには、前記ガイド部材の前記貫通部にお
ける変位を円滑にするために、前記貫通部に対して摺動
可能に設けられた摺動部材が備えられたことを技術的手
段とする。請求項3では、前記係止用部材と前記ガイド
部材との間には、前記可動部材の所定変位範囲内の変位
時に前記インナーケーブルの引き戻しを容易にするため
の第2の弾性部材が設けられたことを技術的手段とす
る。これにより、インナーケーブルがガイド部材内で変
位するとき、摺動部材によって円滑に摺動する。このと
き、可動部材の変位量が小さくなって、所定変位範囲以
下である場合には、係止用部材が第2の弾性部材の弾性
力によってガイド部材から押し戻されるため、インナー
ケーブルは円滑に移動する。
【0010】請求項4では、請求項1から3において、
前記弾性部材及び前記第2の弾性部材は、それぞれ圧縮
ばね及び第2の圧縮ばねであることを技術的手段とす
る。請求項5では、前記第2の圧縮ばねは、前記摺動部
材の外側に配され、前記ガイド部材は、前記摺動部材お
よび前記第2の圧縮ばねを内包する筒部を有することを
技術的手段とする。これにより、第2の弾性部材として
圧縮ばねを用いた場合には、インナーケーブルの変位に
伴って係止用部材が係止部に当接した後に圧縮ばねが押
し縮められるときには、筒部の内側に安定して収容さ
れ、圧縮ばねの座屈を防止でき、圧縮ばねとインナーケ
ーブルとの絡みなどによる変位に伴う異常などの不具合
を生じない。
【0011】請求項6では、前記ガイド部材には、前記
筒部の外側に前記圧縮ばねを外嵌するばね保持部が形成
され、該ばね保持部には、前記圧縮ばねの脱落を防止す
るための突起が備えられたことを技術的手段とする。こ
れにより、弾性部材として圧縮ばねを用いた場合に、ガ
イド部材の外側に嵌め併せることが容易となり、また、
嵌め込まれた圧縮ばねは、突起によって脱落が防止され
るため、圧縮ばねが外れない。
【0012】請求項7では、請求項1から6において、
前記可動部材は、前記固定部材に対して回動可能に配置
され、前記インナーケーブルの一端は前記可動部材の回
動時に同時回動するプーリーを介して前記可動部材に接
続されたことを技術的手段とする。可動部材が固定部材
に対して回動するようにした場合に、可動部材の変位量
としての回動角度に応じた荷重が与えられるため、例え
ば、バックドア、トランクの開閉、シートの倒起など、
回動する部材に対して、必要な荷重を容易に与えること
が容易となる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明を、以下に示す実施例
に基づいて説明する。図1は、各種の操作補助装置とし
て用いられるばね付きケーブル装置100を示す。図1
(a)において、1は固定部材と可動部材とを連絡する
剛性の高い金属製のインナーケーブル、2、3はインナ
ーケーブル1の各端部に固定された金属製のケーブルエ
ンドで、ケーブルエンド2は固定部材側に接続又は固定
され、ケーブルエンド3は可動部材側に接続又は固定さ
れる。4はケーブルエンド2の係止のための金属製のプ
レート、5はインナーケーブル1のたるみを防止するた
めの引き込み用の非常に小さなばね荷重を発生する弾性
係数の小さい圧縮ばね、6はアシスト用の大きなばね荷
重を発生する弾性係数の大きな圧縮ばね、7はインナー
ケーブル1のケーブルエンド2側を円滑に移動させると
ともに圧縮ばね5の座屈を防止するための樹脂製のガイ
ドパイプ、8はプレート4及びガイドパイプ7等の位置
決めをするための金属製のストッパ、9は圧縮ばね6を
支持して固定部材に固定される金属製のブラケット、1
0はガイドパイプ7を摺動させるとともにケーブルエン
ド2を介して荷重をインナーケーブル1に与えるために
圧縮ばね6に弾性支持された樹脂製のガイドである。
【0014】ブラケット9は、圧縮ばね6を支持するた
めの円形の凹部90を有するばね受け部91と、固定部
材に固定するためにばね受け部91に対して直角に延設
された取付け部92とからなり、取付け部92には、図
1(b)に示すように、取付けねじを貫通させる2つの
ねじ穴93が形成されている。なお、ばね受け部91の
凹部90の中心部には、後述するように、インナーケー
ブル1、ガイドパイプ7、ストッパ8等が自在に貫通で
きるようにするための径大の貫通穴94が形成されてい
る。
【0015】ガイド10は、ガイドパイプ7を摺動可能
に支持するとともに圧縮ばね5を係止するための摺動部
11と、摺動部11に隣接してガイドパイプ7との間に
圧縮ばね5を内包する隙間を形成する筒部12と、筒部
12の端部から外方に向かって延設されたフランジ部1
3と、筒部12の周上に軸方向に沿って放射状に形成さ
れフランジ部13に接合された数個のリブ部14とから
なり、リブ部14の末端は、次第に幅を小さくした傾斜
状に形成されている。リブ部14の外縁には、フランジ
部13から所定の長さ分だけ間をおいて、リブ部14の
外側に嵌め込まれる圧縮ばね6が抜けないように係止す
る抜け止め用の突起15が形成されている。
【0016】アシスト用のばね荷重を発生するための圧
縮ばね6は、一方の端部がブラケット9のばね受け部9
1の凹部内に圧縮ばね6のがたつき防止と騒音防止のた
めに配されたゴム又は樹脂製のスペーサ95介して圧入
により嵌め込まれ、他方の端部が、ガイド10の各リブ
部14の外側にフランジ部13に係止されるまで嵌め合
わされ、抜け止め用の突起15により抜け止め係止され
る。
【0017】ガイド10の摺動部11の内側には、ガイ
ドパイプ7が挿入され、その外側には圧縮ばね5が配さ
れ、あらかじめストッパ8内に挿入されたインナーケー
ブル1がガイドパイプ7内に挿入され、端部にプレート
4が備えられた状態で、プレート4、ガイドパイプ7、
圧縮ばね5およびガイド10が一体となった状態でケー
ブルエンド2およびストッパ8がそれぞれインナーケー
ブル1に固定されて、ばね付きケーブル装置100とし
て組み上げられる。なお、ストッパ8は、インナーケー
ブル1に対して、接着あるいはかしめによって固定され
る。
【0018】以上の構成からなるばね付きケーブル装置
100において、ブラケット9に対するケーブルエンド
3の変位量の大きさと各圧縮ばね5、6の状態を図2に
示す。図2(a)に示す状態Aは、ブラケット9に対す
るケーブルエンド3の変位がない場合で、このとき、各
圧縮ばね5、6にはいずれも負荷が掛かっておらず、そ
れぞれの自然長を呈している。
【0019】図2(b)に示す状態Bは、ブラケット9
に対するケーブルエンド3の変位量が所定変位範囲の限
界位置で、このとき、圧縮ばね5は、所定変位に応じた
負荷が掛かって縮んでおり、インナーケーブル1には、
プレート4およびケーブルエンド2を介して、圧縮ばね
5のばね荷重が与えられている。ただし、圧縮ばね5の
弾性係数は、インナーケーブル1を図2(a)に示す元
の状態Aに戻す程度の小さなものであるため、この状態
では、操作した使用者には、ばね荷重はほどんど感じら
れない程度のものである。このとき、圧縮ばね6には、
負荷は掛かっておらず、ばね荷重の発生もない。従っ
て、この場合には、使用者がインナーケーブル1への負
荷をなくせば、インナーケーブル1は、元の状態Aに戻
る。
【0020】図2(c)に示す状態Cは、ブラケット9
に対するケーブルエンド3の変位量が所定変位範囲の限
界位置を越えて、圧縮ばね6に負荷が掛かった状態であ
る。このとき、インナーケーブル1には、圧縮ばね6に
よるばね荷重が、所定範囲を越えた変位量の応じて与え
られている。この場合に、使用者がインナーケーブル1
に対する負荷をなくすと、圧縮ばね6による大きなばね
荷重によって、容易に所定変位範囲まで戻すことができ
る。従って、インナーケーブル1のケーブルエンド3に
可動部材を接続しておいた場合には、使用者は、可動部
材に外力を与えなくても、圧縮ばね6のばね荷重によっ
て、状態Bに応じた位置まで戻すことができる。
【0021】以上のばね付きケーブル装置100におけ
るブラケット9に対するケーブルエンド3の変位量と、
ケーブルエンド3に加わるばね荷重の大きさとの関係を
図3の実線で示す。図2(a)に示した状態Aから図2
(b)に示した状態Bまでの変位では、ほどんど荷重が
ないのに対して、図2(b)に示した状態Bから図2
(c)に示した状態Cまでの変位では、その変位量に応
じたばね荷重が発生し、インナーケーブル1が変位可能
な最大変位の状態Cで、ばね荷重が最も大きくなること
がわかる。従って、本実施例のばね付きケーブル装置1
00を用いれば、変位量が所定量以上の箇所のみで、変
位量に応じた必要なばね荷重を発生させることができ、
このばね荷重を、操作補助力とすることができる。
【0022】図4に、本発明のばね付きケーブル装置1
00を、可動部材が回動可能な場合に用いる第2実施例
を示す。第2実施例では、回動可能な可動部材とともに
回動するプーリー30を備え、ケーブルエンド3を回動
可能に設けられたプーリー30に固定している。これに
より、第2実施例では、可動部材の回動角度に応じてケ
ーブルエンド3が変位するため、所定の回動角度以上の
場合のみに必要な荷重を発生させることができる。
【0023】可動部材を回動させる場合の具体的な例と
して、自動車のシートに用いた第3実施例を図5に示
す。第3実施例では、ばね付きケーブル装置100を、
自動車のシートにおける背もたれ220の引き起こしの
操作補助装置として用いている。ここでは、ブラケット
9をシート200の座部210側に固定し、さらに、イ
ンナーケーブル1を座部210後方に備えられたケーブ
ルガイド110を介して背もたれ220に備えられたプ
ーリー30へ掛け渡している。また、座部210と背も
たれ220との間には、図5(b)に示すように、前倒
れ用の補助力を発生するスパイラルスプリング230が
備えられている。
【0024】自動車のシート200では、作動補助装置
を一切備えない場合には、背もたれ220の自重によ
り、座部210の面に対する背もたれ220の角度θに
応じて図6に示すようなトルクが発生する。これに対し
て、従来よりスパイラルスプリングによって前倒れ用の
補助力を与えるようにしたものがある。この場合には、
図7に示すように、スパイラルスプリングによって実線
Xに示すように、背もたれ220の角度θに応じた荷重
が与えられ、これにより、背もたれ220に現れるトル
クは実線Lに示すようになる。この結果、リクライニン
グ側の自重によるトルクが、スパイラルスプリングの荷
重によって低減されて、リクライニング側への使用者の
操作力は、小さくできる。しかし、背もたれ220の前
倒れ側には、自重によるトルクに加えてスパイラルスプ
リングによる荷重が加わって大きくなったトルクが現れ
たままであり、破線Tに示すような平均的な使用者によ
って容易に操作可能な大きさの目標トルクに対して、依
然として大きいままであり、図7に示したものでは、前
倒し状態から引き起こすための負担が大きい。
【0025】このため、従来では、上記のスパイラルス
プリングに加えて、さらに別の補助力を与えるためのば
ねを用いて、図8に示すように、逆向きのトルクを発生
させるための補助装置を設けたものがある。図8のもの
では、実線Yに示すように、背もたれ220の角度θに
応じたトルクが発生するが、その向きが上記のスパイラ
ルスプリングにより発生するトルクとは逆向きであるた
め、図7に示したものに現れるトルクを、主に前倒れ状
態側で低減させるように作用する。この結果、背もたれ
220に現れるトルクは、実線Mに示すように平均化す
るが、この場合でも、背もたれ220の角度θに応じて
補助装置による補助力に差があるものの、背もたれ22
0がどの角度であっても常に補助力が働くために、リク
ライニング側の一部分では、破線Tに示す目標トルクよ
り大きなトルクが現れ、十分に低減させることができな
い。以上に説明したとおり、従来では、背もたれ220
の角度θに応じて補助力が現れるものの、図7、図8に
示したとおり、背もたれ220の角度θに対して、常
に、直線変化する特性の補助力のみが与えられるため、
必ずしも、目標トルク以下に設定することができなかっ
た。
【0026】これらに対して、図5に示した第3実施例
では、図9に示すとおり、背もたれ220の角度θが、
基準角度以下の前倒し状態では、ばね付きケーブル装置
100が状態Cにあり、背もたれ220の自重によるト
ルクと前倒し用のスパイラルスプリング230による荷
重を低減するようなばね荷重を発生し、逆に基準角度を
越えたリクライニング状態では、ばね付きケーブル装置
100が状態Aにあり、ばね荷重が発生しないため、ス
パイラルスプリング230により与えられるトルクによ
り、円滑にリクライニング状態へ変位させることがで
き、背もたれ220の状態全体に亘って発生するトルク
を、目標トルク以下の小さなトルクにすることができ、
使用者によって極めて操作が容易なシート200とする
ことができる。
【0027】図10に、シート200の背もたれ220
の状態を、上記図2に示したばね付きケーブル装置10
0の各状態に対応させて示す。図10(a)は、背もた
れ220が正規状態から後方へ倒したリクライニング状
態を示し、このとき、ばね付きケーブル装置100が上
記図2(a)の状態Aにあり、ばね付きケーブル装置1
00では、圧縮ばね5が復元するだけで、圧縮ばね6に
よるばね荷重が一切加わらず、このとき、背もたれ22
0の自重によるトルクがスパイラルスプリング230に
より低減されたトルクのみが現れるため、小さな操作力
で、リクライニング状態にすることができる。図10
(b)は、背もたれ220が正規状態にある場合を示
し、このとき、ばね付きケーブル装置100が上記図2
(b)の状態Bにあるように設定しておく。
【0028】図10(c)は、背もたれ220が正規状
態より前倒し状態になった場合を示し、このとき、ばね
付きケーブル装置100は、上記図2(c)の状態Cに
あり、圧縮ばね6によるばね荷重が加わるため、背もた
れ220の自重によるトルクとスパイラルスプリング2
30による荷重を低減できる。これにより、使用者が背
もたれ220を前倒し状態にする場合には、ほとんど操
作力を加える必要がなく、また、背もたれ220を前倒
し状態から正規状態に戻す場合には、圧縮ばね6による
ばね荷重が働き、背もたれ220の自重によるトルクと
スパイラルスプリング230による荷重を低減できるた
め、大きな力を与えなくても、簡単に正規状態に戻すこ
とができる。
【0029】以上のとおり、本発明では、変位量に応じ
て、必要な変位量の範囲のみで、ばね荷重を発生させる
ことができるため、各種の操作をする際に、使用者の負
担を少なくすることができる。上記各実施例では、ばね
荷重を与えるためのばねとして、圧縮ばねの内側にイン
ナーケーブルを貫通させるものを示したが、ブラケット
とガイドとを蝶番状に連結させて、ケーブルを圧縮ばね
の外側に配置するようにしてもよい。また、作動補助の
ためのばね荷重を発生する弾性部材として、圧縮ばねを
用いたものを示したが、渦巻きばね、板ばねなど、他の
種類のばねを用いてもよい。上記実施例では、操作補助
の具体的なものとして、自動車のシートにおける背もた
れの引き起こしのための操作補助を示したが、自動車の
トランク、バックドア、トラックのゲートなどの開閉の
ための操作補助に用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のばね付きケーブル装置を示す
もので、(a)は正面断面図、(b)は部分側面図であ
る。
【図2】本発明の実施例のばね付きケーブル装置の作動
を説明するための作動説明図である。
【図3】本発明の実施例のばね付きケーブル装置におい
て発生するばね荷重を示す特性図である。
【図4】本発明のばね付きケーブル装置の使用例として
の第2実施例を示す図で、(a)は概略図、(b)は
(a)におけるプーリーの側面図である。
【図5】本発明のばね付きケーブル装置の使用例とし
て、シートの背もたれの操作補助に用いた第3実施例を
示す図で、(a)は概略図、(b)はスパイラルスプリ
ングのプーリーへの取付け部分を示す部分図である。
【図6】本発明の第3実施例におけるシートの背もたれ
の自重によるトルクを示す特性図である。
【図7】シートにおけるスパイラルスプリングのみによ
る荷重と背もたれのトルクを示す特性図である。
【図8】従来の補助装置を備えたシートにおける背もた
れのトルクを示す特性図である。
【図9】第3実施例のシートにおける背もたれのトルク
を示す特性図である。
【図10】第3実施例におけるシートの状態を示す図2
に対応させて説明するためのシートの説明図である。
【符号の説明】
1 インナーケーブル 2 ケーブルエンド(インナーケーブルの他端、固定部
材側) 3 ケーブルエンド(インナーケーブルの一端、可動部
材側) 4 プレート(係止用部材) 5 圧縮ばね(第2の弾性部材、第2の圧縮ばね) 6 圧縮ばね(弾性部材) 7 ガイドパイプ(摺動部材) 9 ブラケット 10 ガイド(ガイド部材) 12 筒部(貫通部) 14 リブ部(ばね保持部) 15 突起 100 ばね付きケーブル装置 210 座部(固定部材) 220 背もたれ 30 プーリー

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部材に対して変位可能に配置された
    可動部材に一端が接続されるインナーケーブルと、 前記インナーケーブルの他端に接続された係止用部材
    と、 前記インナーケーブルを貫通させる貫通部を有し、前記
    可動部材の所定変位範囲内の変位時に前記インナーケー
    ブルを前記貫通部で変位させ、前記可動部材の所定変位
    範囲を越える変位時に前記インナーケーブルを前記係止
    用部材によって係止させるガイド部材と、 前記可動部材の所定変位範囲を越える変位時に前記ガイ
    ド部材を弾性支持するための弾性部材を備え、該弾性部
    材を前記固定部材に固定させるブラケットとからなるこ
    とを特徴とするケーブル装置。
  2. 【請求項2】 前記インナーケーブルには、前記ガイド
    部材の前記貫通部における変位を円滑にするために、前
    記貫通部に対して摺動可能に設けられた摺動部材が備え
    られたことを特徴とする請求項1記載のばね付きケーブ
    ル装置。
  3. 【請求項3】 前記係止用部材と前記ガイド部材との間
    には、前記可動部材の所定変位範囲内の変位時に前記イ
    ンナーケーブルの引き戻しを容易にするための第2の弾
    性部材が設けられたことを特徴とする請求項2記載のケ
    ーブル装置。
  4. 【請求項4】 前記弾性部材及び前記第2の弾性部材
    は、それぞれ圧縮ばね及び第2の圧縮ばねであることを
    特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のケーブル
    装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の圧縮ばねは、前記摺動部材の
    外側に配され、前記ガイド部材は、前記摺動部材および
    前記第2の圧縮ばねを内包する筒部を有することを特徴
    とする請求項2から4のいずれかに記載のケーブル装
    置。
  6. 【請求項6】 前記ガイド部材には、前記筒部の外側に
    前記圧縮ばねを外嵌するばね保持部が形成され、該ばね
    保持部には、前記圧縮ばねの脱落を防止するための突起
    が備えられたことを特徴とする請求項5記載のケーブル
    装置。
  7. 【請求項7】 前記可動部材は、前記固定部材に対して
    回動可能に配置され、前記インナーケーブルの一端は前
    記可動部材の回動時に同時回動するプーリーを介して前
    記可動部材に接続されたことを特徴とする請求項1から
    6のいずれかに記載のケーブル装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008074279A (ja) * 2006-09-22 2008-04-03 Toyota Boshoku Corp 車両用シート

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