JPH10147055A - 記録シート - Google Patents

記録シート

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JPH10147055A
JPH10147055A JP8307789A JP30778996A JPH10147055A JP H10147055 A JPH10147055 A JP H10147055A JP 8307789 A JP8307789 A JP 8307789A JP 30778996 A JP30778996 A JP 30778996A JP H10147055 A JPH10147055 A JP H10147055A
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JP
Japan
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ink
film
recording sheet
recording
white
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Withdrawn
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JP8307789A
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English (en)
Inventor
Takao Hamatsu
高夫 浜津
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク吸収性、印字性、インク乾燥性、耐水
性が良好でかつ塗工面の耐熱ブロッキング性に優れた記
録シートを提供する。 【解決手段】 白色または着色された、ポリエステルフ
ィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、あるいは、ポリオレ
フィンフィルムの少なくとも片面に、無水グルコース単
位1個あたりの硝酸エステル基置換度が0.2〜2.9
5、カルボキシアルキルエーテル基置換度が0.05〜
2.8であるカルボキシアルキルセルロースの硝酸エス
テル類3〜80重量%及びカチオン変性ポリビニルアル
コール97〜20重量%からなるバインダーが塗布され
ている記録シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録シートに関す
るものである。更に詳しくは、白色または着色された、
ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ある
いは、ポリオレフィンフィルムの少なくとも片面に当該
バインダーが塗布されている記録シートであって、イン
ク吸収性、印字性、乾燥性、耐水性が良好で、しかも塗
工面の耐熱ブロッキング性に優れた記録シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来使用されている記録方式としては、
ワイヤードット記録方式、感熱発色記録方式、感熱溶融
熱転写記録方式、感熱昇華熱転写記録方式、電子写真記
録方式、インクジェット記録方式等の種々の記録方式が
ある。この中でも、インクジェット方式は、記録用シー
トとして普通紙を使用できること、印刷コストが安いこ
と、装置がコンパクトで騒音がなく、高速記録が可能で
あり、カラー化が可能である等の特徴がある。このた
め、コンピューターなどによって作成した文字、図形な
どの画像情報を高速かつ正確にアウトプットするプリン
ターとしての利用が注目されている。また、カラー化が
容易で、絵柄が鮮明であることから、コンピューターで
作成した画像情報をインクジェットプリンターにより透
明な記録シートに記録し、オーバーヘッドプロジェクタ
ー(OHP)用の原稿として、会議、各種学会発表など
に利用されてきている。また、基材が白色ポリエステル
フィルムの記録シートに記録し、各種プレゼンテーショ
ン用原稿の他、大型ポスター、ディスプレイ、チラシ等
の広告物などの意匠性を持つメディアとして利用する要
求なども高まってきている。これらは、一般的には、グ
ロス(光沢)シート、グロス(光沢)フィルムなどの名
称で呼ばれている。
【0003】インクジェットプリンターの記録方式には
大別して、連続的に吐出しているインクを選択的に紙、
フィルムなどの支持体に着弾させるコンティニュアス方
式と、選択的にインクを吐出させるドロップオンデマン
ド方式がある。現在ではドロップオンデマンド方式が主
流となっている。ドロップオンデマンド方式には、記録
用インクを微細な圧電素子(ピエゾ素子)の圧力によっ
て吐出させるピエゾ方式と、サーマルヘッドの加熱によ
って発生するエアーの圧力によってノズルから噴射し、
記録用シートに付着させることにより記録を行うバブル
ジェット方式とが一般的である。インクジェット記録
は、色材であるインクを直接記録シートに向かって吐出
させるだけでプロセスが完結するという単純な仕組みに
なっているために、記録ヘッドと使用するインクに大き
な課題が課せられる。インクに対しては、インク乾燥に
よる粘度上昇によって生じるインクの噴出不良の改善が
要求される。通常、このインクの成分は、染料あるいは
顔料、樹脂、添加剤などを水、アルコールに溶解したも
のが一般的である。
【0004】また、インクジェットプリンターで記録を
行う記録シートに対しては、付着したインクを吸収し、
インクを乾燥、固化させることが必要である。このよう
な観点から、被記録材上にインク受容層を形成してイン
ク吸収性を高めたインクジェット用の記録シートが開発
されており、当該記録シートとしては、次のようなもの
が知られている。
【0005】インク吸収性を改善したインクジェット記
録材としては、紙、プラスチックフィルム、ガラス板な
どの表面に、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコ
ールなどの水溶性樹脂からなるインク受容層を設けた記
録シート、あるいはシリカ等の充填剤を含有したインク
受容層を設けた記録シートが知られている(例えば、特
開昭55−146786号公報、特開昭56−9969
2号公報、特開昭59−174381号公報、特開平2
−276670号公報等)。
【0006】この種の記録シートは、水性インクの吸収
性及び定着性は良好であるが、インク受容層の耐水性が
悪く、水がかかったりするとインク受容層がはがれやす
いという欠点がある。更に、シリカなどの充填剤を含有
している場合には、その充填剤の含有率が高いとインク
吸着力が強すぎるために、適度のドット広がりが得られ
ず線の細い画線となってしまい要求される画像が得られ
ない。逆に、充填剤の含有率が低いとインクの十分な乾
燥が得られず、ブロッキングや画像の乱れを生じるとい
う問題があった。また、充填剤の添加により、記録シー
トの表面に微細な亀裂が生じ、画像の鮮明さに欠けた
り、インク受容層の柔軟性が損なわれるという問題もあ
った。
【0007】染料の吸着性を向上させる目的でカチオン
性樹脂を使用することが提案されているものもある(例
えば、特開平4−263984号公報)。この場合に
は、インク受容層と染料との吸着性は向上するが、耐水
性が不十分であり、インク受容層が水によって簡単に流
れるという恐れがある。また、印字鮮明性、耐水性に優
れるインク受容層として、擬ベーマイト構造のアルミナ
水和物を使用することが提案されている(例えば、米国
特許明細書第4879166号、米国特許明細書第51
04730号、特開平2−276670号公報、特開平
5−32037号公報、特開平7−76162号公
報)。更に、このアルミナ材料またはシリカ材料を用い
て積層構造のインク受容層を形成することも提案されて
いる(例えば、米国特許明細書第5104730号、米
国特許明細書第4780356号、特開平4−3735
76号公報、特開平4−37576号公報、特開平3−
281384号公報)。
【0008】しかしながら、インク量が多くなった場合
には、インクを十分吸収しきれなくなり、滲みが発生す
る。また、該受容層はアルミナ材料などの空隙を利用し
ているので、水分などによりこの空隙が塞がった場合に
は、インクの吸収が不十分になってしまうという問題が
ある。更に、塗工液の経時的な粘度上昇による作業性の
低下などの不都合もある。
【0009】また、特開平8−207428号公報に、
アルコール可溶性かつ水溶性の樹脂と、カルボキシアル
キルセルロースの硝酸エステル類としてセルロースナイ
トレートカルボキシメチルエーテルとを主要成分として
含有するオーバーヘッドプロジェクター用受容体が提案
されている。ここでは、アルコール可溶性かつ水溶性の
樹脂例として、ポリビニルピロリドンが使用されている
が、本発明者の検討によると、印字鮮明性は良好である
ものの、インク乾燥性、耐水性が不十分であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インク吸収
性、印字性、乾燥性、耐水性が良好で、しかも塗工面の
耐熱ブロッキング性に優れた記録シートを提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するためには、カルボキシアルキルセルロースの硝
酸エステル類及びカチオン変性ポリビニルアルコールか
らなるバインダーが有用であることを見出し、本発明を
完成するに至った。即ち、本発明は、白色または着色さ
れた、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィル
ム、あるいは、ポリオレフィンフィルムの少なくとも片
面に、無水グルコース単位1個あたりの硝酸エステル基
置換度が0.2〜2.95、カルボキシアルキルエーテ
ル基置換度が0.05〜2.8であるカルボキシアルキ
ルセルロースの硝酸エステル類3〜80重量%及びカチ
オン変性ポリビニルアルコール97〜20重量%からな
るバインダーが塗布されていることを特徴とする記録シ
ートに関するものである。
【0012】本発明で使用する白色ポリエステルフィル
ム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリオレフィンフィルム
のフィルム中に含有する顔料としては、酸化チタン、チ
タニア、チタン白、亜鉛華、酸化亜鉛、亜鉛白、硫化亜
鉛、リトポン、鉛白、アンチモン白、酸化ジルコニウム
などの白色顔料、硫酸バリウム、バライト粉、炭酸カル
シウム、ホワイトカーボン、シリカ、アルミナホワイ
ト、水酸化アルミニウム、カオリン、クレー、タルク、
ベントナイト、雲母などの体質顔料などを使用すること
ができる。これらの顔料の中でも印字鮮明性、コストな
どの点から酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、カオリン、クレー、タルクなどが好ましく用いられ
る。
【0013】また、着色されたポリエステルフィルム、
ポリ塩化ビニルフィルム、ポリオレフィンフィルムのフ
ィルム中に含有する顔料としては、公知の無機及び有機
顔料を用いることができる。白色または着色されたポリ
エステルフィルムとしては、公知のものでよく、ポリエ
チレンテレフタレート及びその共重合物やブレンド物、
架橋物なども用いることができる。
【0014】白色または着色されたポリ塩化ビニルフィ
ルムとしては、公知のものでよく、ポリ塩化ビニル及び
その共重合物やブレンド物、架橋物なども用いることが
できる。白色または着色されたポリオレフィンフィルム
としては、公知のものでよく、ポリエチレン及びポリプ
ロピレン等やこれらの共重合物、及びブレンド物、架橋
物なども用いることができる。
【0015】また、これらのフィルムは無延伸、また
は、一軸延伸、または、二軸延伸したもの、いずれを用
いても構わない。また、フィルム表面を、バインダーの
濡れ性付与、または、バインダー塗布層との接着性付
与、または、塗工作業性付与等の目的で、空気中あるい
はその他の雰囲気中でのコロナ放電処理や、プライマー
処理または化学処理した表面処理フィルムなども用いる
ことができる。フィルムの厚みは、1〜500μmが好
ましく、さらに好ましくは10〜300μm、より好ま
しくは20〜250μmである。
【0016】上記のうち白色の、ポリエステルフィル
ム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリオレフィンフィルム
が、印字鮮明性と機械的特性、コストなどの点から好ま
しい。白色ポリエステルフィルムとしては、例えば、I
CIジャパン(株)製メリネックスD337、339、
D330、D534などが挙げられる。また、白色のフ
ィルムは大量生産されているために入手しやすく、低価
格であるが、用途に応じてバックグラウンドを着色する
必要性ある場合には、要求に応じて着色されたフィルム
を用いれば良い。
【0017】本発明に使用するカルボキシアルキルセル
ロースの硝酸エステル類とは、カルボキシアルキルセル
ロース中に含まれる硝酸エステル基置換度が0.2〜
2.95、カルボキシアルキルエーテル基置換度が0.
05〜2.8であり、詳しくは特開平5−39301号
公報、特開平5−39302号公報に開示された水性セ
ルロース誘導体を言う。
【0018】硝酸エステル基置換度が0.2未満では、
耐水性が不十分であり、2.95を越えると、親水性が
不十分となる。また、カルボキシアルキルエーテル基置
換度が0.05未満では水への溶解性が不十分になっ
て、インク吸収性が不十分になり、2.8を越えると、
塗工面の耐水性が不十分となる。さらに、カルボキシア
ルキルセルロースの硝酸エステル類の硝酸エステル基置
換度の好ましい範囲は0.2以上、2.2以下であり、
カルボキシアルキルエーテル基置換度の好ましい範囲は
0.05以上、1.5以下である。
【0019】本発明で使用するカルボキシアルキルセル
ロースの硝酸エステル類は、含まれるカルボキシル基が
一部、あるいは全部中和されていても構わない。中和さ
れることにより水及び水を主成分とした水溶性有機溶剤
への溶解度が上がり、取り扱いが容易になる。カルボキ
シアルキルセルロースの硝酸エステル類を中和するため
には、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、
アンモニウムイオン、有機アミン等の陽イオンの1種ま
たは2種以上を用いることができる。この場合の中和の
程度は、目的とする溶液の水、有機溶剤等の組成に応じ
て任意に決定することができるが、一般的には、含有さ
れているカルボキシル基の50%以上が中和されている
ことが好ましい。
【0020】本発明で使用するカルボキシアルキルセル
ロースの硝酸エステル類の溶解に使用できる水溶性有機
溶剤としては、アルコール類、多価アルコール類、多価
アルコール類の誘導体、ケトン類、エステル類、カーボ
ネート類等の1種または2種以上の組み合わせからなる
溶剤などが挙げられる。アルコール類としては、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノー
ル、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタ
ノール、n−オクタノール、n−ノニルアルコール、n
−デカノール、n−ウンデカノール、または、これらの
異性体、シクロペンタノール、シクロヘキサノール等が
挙げられ、好ましくは、アルキル炭素数が1〜6個のア
ルコール類である。
【0021】多価アルコール類としては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリ
コール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,7
−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,
9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、グリ
セリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0022】多価アルコールの誘導体類としては、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピ
ルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレン
グリコールイソブチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸セ
ロソルブ等、または有機合成化学協会編の溶剤ポケット
ブック(p.479〜p.574;1990年9月20
日、オーム社発行)に記載された多価アルコール類とそ
の誘導体類などが挙げられる。
【0023】ケトン類としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、ジイソプロピルケトン、シクロペンタノン、シクロ
ヘキサノン等が挙げられる。エステル類としては、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピ
ル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エ
ステル、酪酸エステル、ジブチルフタレート、ジオクチ
ルフタレート、及び、ε−カプロラクトン、ε−カプロ
ラクタム等の環状エステル類などが挙げられる。
【0024】エーテル類としては、ジエチルエーテル、
イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン
等が挙げられる。カーボネート類としては、ジメチルカ
ーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカー
ボネート、エチレンカーボネート等が挙げられる。
【0025】本発明で使用するカチオン変性ポリビニル
アルコールとは、カチオン変性量が0.01モル%以上
のポリビニルアルコールを言う。カチオン変性基として
は、例えば、アミド基、イミド基、1級アミノ基、2級
アミノ基、3級アミノ基、1級アンモニウム塩基、2級
アンモニウム塩基、3級アンモニウム塩基、4級アンモ
ニウム塩基から選ばれる少なくとも1種のカチオン基な
どが挙げられ、これらの基を含むものが好ましい。さら
に好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、1級アン
モニウム塩基、2級アンモニウム塩基であり、特に好ま
しくは、1級アミノ基、または1級アンモニウム塩基で
ある。
【0026】また、カチオン変性量は0.01モル%以
上であればよく、好ましくは0.1〜30モル%、さら
に好ましくは0.1〜15モル%の範囲である。カチオ
ン基の変性量が0.01モル%未満ではインク吸収層の
耐水性が必ずしも十分ではない。平均鹸化度としては、
40〜100モル%が好ましい。鹸化度が40モル%未
満ではインク吸収性が低下する傾向がある。平均重合度
としては、好ましくは100〜5000、さらに好まし
くは200〜3000の範囲である。平均重合度が10
0未満では、インク吸収層の耐水性が低下し、5000
を越えると溶液粘度が高すぎて作業性が悪くなる場合が
ある。
【0027】本発明で使用するカルボキシアルキルセル
ロースの硝酸エステル類とカチオン変性ポリビニルアル
コールの混合比は、固形分重量%で、カルボキシアルキ
ルセルロースの硝酸エステル類3〜80重量%に対して
カチオン変性ポリビニルアルコール97〜20重量%で
あることが好ましい。この混合比は、カルボキシアルキ
ルセルロースの硝酸エステル類の硝酸エステル基とカル
ボキシアルキル基の置換度のバランスにより、上記の範
囲内で任意に選ぶことができる。
【0028】本発明で使用するカルボキシアルキルセル
ロースの硝酸エステル類とカチオン変性ポリビニルアル
コールに対して、インク乾燥性、インク受容層の皮膜物
性、光沢、画像の鮮明性などを向上させる目的で水性高
分子を混合しても良い。水性高分子の例としては、石灰
処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチンなど
のゼラチン誘導体、具体的にはフタル酸、マレイン酸、
フマール酸などの二塩基酸の無水物と反応したゼラチン
などの各種ゼラチン類、酸化デンプン、カチオン化デン
プン、エーテル化デンプンなどのデンプン類、メチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導
体類、ポリアルキレンオキサイド及びそれらの誘導体、
ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸またはそれらのエ
ステル、塩類及びそれらの共重合体、ポリヒドロキシエ
チルメタアクリレート及びその共重合体、ポリビニルピ
ロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、ポ
リビニルピリジウムハライド、各種鹸化度のポリビニル
アルコール、カルボキシ変性、両性のポリビニルアルコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリビニルエーテル、アルキルビニルエーテル・
無水マレイン酸共重合体、スチレン・マレイン酸共重合
体、及びそれらの塩、ポリエチレンイミンなどの合成ポ
リマー、スチレン・ブタジェン共重合体、メチルメタア
クリレート・ブタジェン共重合体などの共役ジェン系共
重合体ラテックス、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・マレ
イン酸エステル共重合体、酢酸ビニル・アクリル酸エス
テル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体などの酢
酸ビニル系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル重
合体、メタクリル酸エステル重合体、エチレン・アクリ
ル酸エステル共重合体、スチレン・アクリル酸エステル
共重合体などのアクリル系重合体または共重合体のラテ
ックス、塩化ビニリデン系共重合体ラテックスあるいは
これらの各種重合体のカルボキシル基などの官能基含有
単量体による官能基変性重合体ラテックス、メラミン樹
脂、尿素樹脂などの熱硬化性合成樹脂などの水性接着
剤、及びポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル
コポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂な
どの合成樹脂を挙げることができる。また、これらを単
独あるいは併用して含有させることができる。
【0029】本発明で使用するバインダーには、本発明
の特性を損なわない範囲で公知の添加剤が使用できる。
例えば、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、結
晶セルロース等のマット剤、消泡剤、塗布性改良剤、増
粘剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐水化
剤、耐光性向上剤、保存性向上剤、コロイダルシリカ、
アルミナゾルなどの印字性改良剤等が挙げられる。
【0030】本発明の記録シートは、前記のバインダー
をフィルムに塗布することにより製造される。塗工層の
厚みは、1〜100μm、好ましくは1〜50μm、さ
らに好ましくは5〜30μmの範囲である。厚みがあま
りに小さいとインク吸収性が不足して、印字性、インク
乾燥性が不十分となり、また、厚みが厚すぎると耐水性
が悪化したり、あるいは塗工が困難になる傾向がある。
【0031】塗工層の形成には、エアーナイフコータ
ー、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコータ
ー、カーテンコーター、ロールコーター、アプリケータ
ー、ダイコーター、エッジコーター、コンマコーターな
どの公知の手段を適用することができる。また、必要に
応じて、白色または着色されたポリエステルフィルム、
ポリ塩化ビニルフィルム、ポリオレフィンフィルムの表
裏両面に、バインダーを塗布する、あるいは物性の異な
るインク吸収層をフィルムの両面上に積層しても良い。
なお、塗工液粘度、塗膜乾燥条件は特に限定されるもの
ではないが、塗膜乾燥条件はフィルムの諸特性に悪影響
を及ぼさない範囲で行うことが望ましい。
【0032】本発明においては、カルボキシアルキルセ
ルロースの硝酸エステル類及びカチオン変性ポリビニル
アルコールを含むバインダーを用いることによって、イ
ンクの吸収性、印字性、乾燥性、耐水性が良好で、しか
も塗工面の耐熱ブロッキング性に優れた記録シートが得
られる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に詳細に説明する。なお、本発明における各種特性の測
定方法は以下の通りである。 [印字性の評価方法]インクジェットプリンター(MJ
810C;セイコーエプソン社製)で、記録シートにべ
た印字する。記録後の鮮明性、にじみの程度を目視判定
し、評価した。 ○:良好、△:やや良好、×:不良 [乾燥性の評価方法]記録シートにべた印字し、60秒
後に印字部分にコピー用紙を重ねて平手でこすった後の
コピー用紙への転写の程度を評価した。 ○:転写なし、△:やや転写する、×:非常に転写する [耐水性の評価方法]べた印字した記録シートを、2分
間水中に浸漬した後、自然乾燥し、インクの流れ具合を
目視判定し、評価した。 ○:変化なし、△:やや流れる、×:流失 [耐熱ブロッキング性の評価方法]記録シートの塗工面
同士を重ね合わせ、荷重(125g/cm2)をかけ
て、40℃で30分放置した後のブロッキング状態を判
定し、評価した。 ○:抵抗なし、△:抵抗あり、×:はがれあり
【0034】
【製造例1】カルボキシメチルセルロース(セロゲンP
L−15;第一工業製薬(株)製;カルボキシメチルエ
ーテル基置換度=0.5)100gと、硫酸/硝酸/水
=63/25/12重量%からなる酸混合物5000g
を5リットルの反応容器中に入れ、5〜10℃で60分
間攪拌を継続しながら硝化反応を行う。反応生成物を遠
心分離器で除酸し、直ちに多量の水で洗浄する。さら
に、反応生成物をオートクレーブ中で10%スラリーと
し、140℃で30分間処理した後、ブフナー漏斗で分
離して反応生成物を回収した。
【0035】反応生成物を80℃で2時間乾燥して、1
29gのカルボキシメチルセルロースの硝酸エステルを
得た。この硝酸エステルの無水グルコース単位1個あた
りの硝酸エステル基置換度は、カルボキシメチルセルロ
ースのカルボキシメチルエーテル基置換度(0.5)
と、CHNコーダーによる窒素含有量の測定により1.
9であることが判った。
【0036】次に、ここで得られた無水グルコース単位
1個あたりの硝酸エステル基置換度が1.9、カルボキ
シメチルエーテル基置換度が0.5のカルボキシメチル
セルロースの硝酸エステル100gと、イオン交換水5
98.6g、ブチルセロソルブ250gを密閉型混合機
に入れ、攪拌を行った。さらに中和剤として10%アン
モニア水を51.4g添加した。得られた混合物を加温
しながら完全に溶解させ固形分10%の溶液を得た(こ
れを、液Aとする)。
【0037】
【製造例2】カルボキシメチルセルロース(セロゲン5
A;第一工業製薬(株)製;カルボキシメチルエーテル
基置換度=0.7)を用い、酸混合物を硫酸/硝酸/水
=59/20/21重量%とし、オートクレーブ中で1
30℃で30分間処理を行った以外は製造例1と同様に
して、乾燥した90gのカルボキシメチルセルロースの
硝酸エステルを得た。この硝酸エステルの無水グルコー
ス単位1個あたりの硝酸エステル基置換度は、カルボキ
シメチルセルロースのカルボキシメチルエーテル基置換
度(0.7)と、CHNコーダーによる窒素含有量の測
定により1.2であることが判った。
【0038】次に、ここで得られた無水グルコース単位
1個あたりの硝酸エステル基置換度が1.2、カルボキ
シメチルエーテル基置換度が0.7のカルボキシメチル
セルロースの硝酸エステル100gとイオン交換水84
2.8g、イソプロピルアルコール200gを密閉型混
合機に入れ、攪拌を行った。さらに中和剤として10%
アンモニア水を57.2g添加した。得られた混合物を
加温しながら完全に溶解させ固形分10%の溶液を得た
(これを、液Bとする)。
【0039】
【実施例1】カチオン変性ポリビニルアルコール(CM
318:(株)クラレ製)100g、イオン交換水80
0g、イソプロピルアルコール100gを混合機に入
れ、完全に溶解するまで攪拌を行い、固形分10%の溶
液を得た(これを、液Cとする)。
【0040】液Aと液Cを重量比換算で20対80(す
なわち、カルボキシメチルセルロースの硝酸エステル類
20重量%及びカチオン変性ポリビニルアルコール80
重量%)で混合して記録シート用のバインダーを調製し
た。このバインダーを、白色ポリエステルフィルム上
に、乾燥後の膜厚が10〜30μになるようにバーコー
ターで塗工し、乾燥して記録シートを得た。
【0041】その評価結果は次の通りであった。 印字性;○、乾燥性;○、耐水性;○、耐熱ブロッキン
グ性;○
【0042】
【実施例2】液Bと実施例1の液Cを重量比換算で60
対40(すなわち、カルボキシメチルセルロースの硝酸
エステル類60重量%及びカチオン変性ポリビニルアル
コール40重量%)で混合して記録シート用のバインダ
ーを調製した。このバインダーを、白色ポリ塩化ビニル
フィルム上に、乾燥後の膜厚が10〜30μになるよう
にバーコーターで塗工し、乾燥して記録シートを得た。
その評価結果は次の通りであった。
【0043】印字性;○、乾燥性;○、耐水性;○、耐
熱ブロッキング性;○
【0044】
【実施例3】実施例1の白色ポリエステルフィルムを白
色ポリエチレンフィルムに変更した以外は、実施例1と
同様にして記録シートを得た。その評価結果は次の通り
であった。 印字性;○、乾燥性;○、耐水性;○、耐熱ブロッキン
グ性;○
【0045】
【実施例4】実施例2の白色ポリ塩化ビニルフィルムを
白色ポリプロピレンフィルムに変更した以外は、実施例
2と同様にして記録シートを得た。その評価結果は次の
通りであった。 印字性;○、乾燥性;○、耐水性;○、耐熱ブロッキン
グ性;○
【0046】
【実施例5】実施例1の白色ポリエステルフィルムを黄
色に着色されたポリエステルフィルムに変更した以外
は、実施例1と同様にして記録シートを得た。その評価
結果は次の通りであった。 印字性;○、乾燥性;○、耐水性;○、耐熱ブロッキン
グ性;○
【0047】
【実施例6】実施例2の白色ポリ塩化ビニルフィルムを
青色に着色されたポリ塩化ビニルフィルムに変更した以
外は、実施例2と同様にして記録シートを得た。その評
価結果は次の通りであった。 印字性;○、乾燥性;○、耐水性;○、耐熱ブロッキン
グ性;○
【0048】
【比較例1】バインダーとして市販のポリビニルアルコ
ールの水溶液(固形分10%)のみを用いた以外は、実
施例1と同様にして記録シートを得た。その評価結果は
次の通りであった。 印字性;×、乾燥性;×、耐水性;×、耐熱ブロッキン
グ性;×
【0049】
【比較例2】バインダーとして市販のポリビニルアルコ
ールの水溶液(固形分10%)のみを用いた以外は、実
施例2と同様にして記録シートを得た。その評価結果は
次の通りであった。 印字性;×、乾燥性;×、耐水性;×、耐熱ブロッキン
グ性;×
【0050】
【比較例3】バインダーとして市販のポリビニルアルコ
ールの水溶液(固形分10%)のみを用いた以外は、実
施例3と同様にして記録シートを得た。その評価結果は
次の通りであった。 印字性;×、乾燥性;×、耐水性;×、耐熱ブロッキン
グ性;×
【0051】
【比較例4】バインダーとして市販のポリビニルアルコ
ールの水溶液(固形分10%)のみを用いた以外は、実
施例4と同様にして記録シートを得た。その評価結果は
次の通りであった。 印字性;×、乾燥性;×、耐水性;×、耐熱ブロッキン
グ性;× 以上の結果から、本発明の記録シートは、インク吸収性
に優れ、かつインク乾燥性、印字鮮明性、耐水性、耐熱
ブロッキング性に優れていることが分かる。
【0052】
【発明の効果】本発明の記録シートを使用することによ
り、インク吸収性、インク乾燥性、印字鮮明性、耐水
性、耐熱ブロッキング性に優れた印刷物が得られる。こ
のため、本発明の記録シートは、インクジェット用グロ
ス(光沢)シート、グロス(光沢)フィルム、セミ光沢
フィルム、種々の大きさを持つポスター、ディスプレ
イ、チラシ、カレンダー、粘着シート、シール類、カー
ド類(名刺等)などの用途に好適に使用できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白色または着色された、ポリエステルフ
    ィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、あるいは、ポリオレ
    フィンフィルムの少なくとも片面に、無水グルコース単
    位1個あたりの硝酸エステル基置換度が0.2〜2.9
    5、カルボキシアルキルエーテル基置換度が0.05〜
    2.8であるカルボキシアルキルセルロースの硝酸エス
    テル類3〜80重量%及びカチオン変性ポリビニルアル
    コール97〜20重量%からなるバインダーが塗布され
    ていることを特徴とする記録シート。
JP8307789A 1996-11-19 1996-11-19 記録シート Withdrawn JPH10147055A (ja)

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