JPH11301097A - 情報記録シート - Google Patents

情報記録シート

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JPH11301097A
JPH11301097A JP10109346A JP10934698A JPH11301097A JP H11301097 A JPH11301097 A JP H11301097A JP 10109346 A JP10109346 A JP 10109346A JP 10934698 A JP10934698 A JP 10934698A JP H11301097 A JPH11301097 A JP H11301097A
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JP
Japan
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recording sheet
information recording
weight
acid
coating
Prior art date
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Pending
Application number
JP10109346A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Fukutome
和広 福留
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像鮮明性、耐水性、塗膜無黄変性に優れた
情報記録シートを提供する。 【解決手段】 無水グルコース単位1個あたりの硝酸エ
ステル基置換度が0.2〜2.95、カルボキシアルキ
ルエーテル基置換度が0.05〜2.8であるカルボキ
シアルキルセルロースの硝酸エステル類3〜80重量%
及び水性高分子20〜97重量%からなるバインダー
と、該バインダーに対して色調補正剤0.005〜0.
1重量%を含有する塗工液を、支持体の少なくとも片面
に塗布してなることを特徴とする情報記録シート。さら
に水酸基架橋剤を0.1〜20重量%含有する塗工液を
用いることにより耐水性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報記録シートに
関するものであり、さらに詳しくは画像鮮明性、耐水
性、塗膜無黄変性に優れた情報記録シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来使用されている記録方式として、ワ
イヤードット記録方式、感熱発色記録方式、感熱溶融熱
転写記録方式、感熱昇華転写記録方式、電子写真記録方
式、インクジェット記録方式等の種々の記録方式があ
る。この中で、インクジェット方式は、記録用シートと
して普通紙を使用できること、プリントコストが安いこ
と、装置がコンパクトで騒音がなく、高速記録、カラー
化が容易であるなどの特徴がある。これらでプリントア
ウトされたものは、大型のポスター、ディスプレイ、チ
ラシ等の意匠性を持つメディアとして、近年急速にその
需要が高まっている。
【0003】特に、近年では高画質、高速印刷が求めら
れるようになり、それに応じて単位面積当たり、及び単
位時間当たりのインク吐出量が多くなってきている。従
来の技術としては、紙、プラスチックフィルム、ガラス
板などの基材上に、ポリビニルピロリドン、ポリビニル
アルコールなどの水溶性樹脂からなるインク受容層を設
けた記録シート(例えば、特開昭55−146786号
公報、特開昭56−99692号公報、特開昭59−1
74381号公報等)が知られている。しかし、このよ
うな水溶性樹脂のみからなる記録シートは塗膜の耐水性
が低い。
【0004】また、擬ベーマイト構造のアルミナ水和物
を使用して、微細な空隙を有する記録シート(例えば、
特開平2−276670号公報)が提案されている。し
かし、顔料インクを使用した場合には、顔料が塗膜の表
面に積層されるので、印字後に印字部を擦ると、顔料が
剥離するという問題が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、画像鮮明
性、耐水性、塗膜無黄変性に優れた情報記録シートを提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題の
解決のためには、カルボキシアルキルセルロースの硝酸
エステル類及び水性高分子が有用であることを見出し、
本発明を完成するに至った。即ち、本発明は下記の通り
である。
【0007】1)無水グルコース単位1個あたりの硝酸
エステル基置換度が0.2〜2.95、カルボキシアル
キルエーテル基置換度が0.05〜2.8であるカルボ
キシアルキルセルロースの硝酸エステル類3〜80重量
%及び水性高分子20〜97重量%からなるバインダー
と、該バインダーに対して色調補正剤0.005〜0.
1重量%を含有する塗工液を、支持体の少なくとも片面
に塗布してなることを特徴とする情報記録シート。
【0008】2)水性高分子がカチオン変成ポリビニル
アルコールであることを特徴とする上記1記載の情報記
録シート。 3)塗工液が、さらに水酸基架橋剤を0.1〜20重量
%含有することを特徴とする上記1または2記載の情報
記録シート。 以下、本発明につき詳述する。
【0009】本発明で使用する支持体としては、合成樹
脂フィルムまたは紙などがあげられる。合成樹脂フィル
ムとしては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、
ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテル、ポリ
イミド、ポリアミドイミド、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート、ポリ−P−フェニレンスルフィド、ポリエーテ
ルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ
(メタ)アクリル酸エステルなどを使用することができ
る。さらに、これらの共重合体やブレンド物や、さらに
架橋した物、あるいは顔料を練り込んで不透明化したフ
ィルム、発泡フィルム、光沢フィルムなどを用いること
もできる。上記支持体の中でも、ポリエステル、好まし
くはポリエチレンテレフタレートが、機械的特性、作業
性などの点から好ましい。
【0010】また、紙としては、例えば、上質紙、中質
紙、アート紙、ボンド紙、コピー用紙、バライタ紙、キ
ャストコート紙、段ボール紙、塗工紙、合成紙、光沢
紙、樹脂被覆紙などが使用できる。合成樹脂フィルム、
紙以外にも木綿、レーヨン、アクリル、ポリエステルな
どの布、ガラス板、金属なども用途に応じて使用でき
る。
【0011】本発明に使用するカルボキシアルキルセル
ロースの硝酸エステル類は、カルボキシアルキルセルロ
ース中に含まれる硝酸エステル基置換度が0.2〜2.
95、カルボキシアルキルエーテル基置換度が0.05
〜2.8であり、詳しくは特開平5−39301号公
報、特開平5−39302号公報等に示された水性セル
ロース誘導体を言う。
【0012】硝酸エステル基置換度が0.2未満では、
塗膜の耐水性が不十分であり、2.95を越えると、親
水性が不十分になる。また、カルボキシアルキルエーテ
ル基置換度が0.05未満では水への溶解性が不十分に
なって、塗膜のインク吸収性が不十分になり、2.8を
越えると、塗膜の耐水性が不十分となる。カルボキシア
ルキルセルロースの硝酸エステル類の硝酸エステル基置
換度の好ましい範囲は0.2以上、2.2以下であり、
カルボキシアルキルエーテル基置換度の好ましい範囲は
0.05以上、1.5以下である。
【0013】本発明で使用するカルボキシアルキルセル
ロースの硝酸エステル類は、水または水を主成分とした
有機溶剤に溶解させることができる。それらの溶剤への
溶解性を上げるために、カルボキシアルキルセルロース
の硝酸エステル類に含まれるカルボキシル基が一部、あ
るいは全部中和されていてもかまわない。中和のために
は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ア
ンモニウムイオン、有機アミン等の陽イオンの1種また
は2種以上を用いることが出来る。この場合、中和の程
度は、目的とする溶液の水、有機溶剤等の組成に応じて
任意に決定されるが、一般的には、含まれるカルボキシ
ル基の50%以上が中和されていることが好ましい。カ
ルボキシアルキルセルロースの硝酸エステル類を中和す
ることで、溶液の粘度が低下し、支持体への塗工性が向
上する。
【0014】上記の有機溶剤としては、アルコール類、
多価アルコール類、多価アルコール類の誘導体、ケトン
類、エステル類、カーボネート類等の中から選ばれる1
種または2種以上の組み合わせからなる溶剤が挙げられ
る。アルコール類としては、メタノール、エタノール、
n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノー
ル、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタ
ノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、n−
ウンデカノールまたは、これらの異性体、シクロペンタ
ノール、シクロヘキサノール等があげられる。好ましく
は、アルキル炭素数が1〜6個を有するアルコール類で
ある。
【0015】多価アルコール類としては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリ
コール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,7
−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,
9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、グリ
セリン、ペンタエリスリトール等があげられる。
【0016】多価アルコールの誘導体類としては、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピ
ルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレン
グリコールイソブチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸セ
ロソルブ等、または、有機合成化学協会編の溶剤ポケッ
トブツク(1990年9月20日、オーム社発行)の4
79〜574頁に記載された多価アルコールとその誘導
体類があげられる。
【0017】ケトン類としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、ジイソプロピルケトン、シクロペンタノン、シクロ
ヘキサノン等があげられる。エステル類としては、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピ
ル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エ
ステル、酪酸エステル、ジブチルフタレート、ジオクチ
ルフタレート、及び、ε−カプロラクトン、ε−カプロ
ラクタム等の環状エステル類があげられる。
【0018】エーテル類としては、ジエチルエーテル、
イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン
等があげられる。カーボネート類としては、ジメチルカ
ーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカー
ボネート、エチレンカーボネート等があげられる。
【0019】本発明に使用する水性高分子としては次の
ようなものが挙げられる。例えば、石灰処理ゼラチン、
酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチンなどのゼラチン誘導
体、例えば、フタール酸、マレイン酸、フマール酸など
の二塩基酸の無水物と反応したゼラチン等の各種ゼラチ
ン、酸化でんぷん、エーテル化でんぷんなどのでんぷん
類、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどの
セルロース誘導体、ポリアルキレンオキサイドおよびそ
れらの誘導体、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸ま
たはそのエステル、塩類及びそれらの共重合体、ポリヒ
ドロキシエチルメタアクリレート及びその共重合体、ポ
リビニルピロリドン、ポリビニルピリジウムハライド、
各種鹸化度のポリビニルアルコール、カチオン変性、カ
ルボキシ変性、両性のポリビニルアルコール、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニ
ルエーテル、アルキルビニルエーテル・無水マレイン酸
共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、及びそ
れらの塩等が挙げられる。
【0020】また、ポリエチレンイミンなどの合成ポリ
マー、スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタアク
リレート・ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重
合体ラテックス、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・マレイ
ン酸エステル共重合体、酢酸ビニル・アクリル酸エステ
ル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体などの酢酸
ビニル共重合体ラテックス、アクリル酸エステル重合
体、メタクリル酸エステル重合体、エチレン・アクリル
酸エステル共重合体、スチレン・アクリル酸エステル共
重合体などのアクリル系重合体または共重合体のラテッ
クス、塩化ビニリデン系共重合体ラテックスあるいはこ
れらの各種重合体のカルボキシル基などの官能基含有単
量体による官能基変性重合体ラテックス、メラミン樹
脂、尿素樹脂などの熱硬化性合成樹脂などの水性接着剤
および、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル
コーポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂
などの合成樹脂をあげることができる。
【0021】これらは単独あるいは併用して使用するこ
とができる。これらの内、特にカチオン変成ポリビニル
アルコールが好ましい。カチオン変成ポリビニルアルコ
ールは、アミド基、イミド基、1級アミノ基、2級アミ
ノ基、3級アミノ基、1級アンモニウム塩基、2級アン
モニウム塩基、3級アンモニウム塩基、4級アンモニウ
ム塩基から選ばれる少なくとも1種のカチオン基を含む
ポリビニルアルコールが好ましい。また、カチオン変成
量としては0.01モル%以上含有するポリビニルアル
コールを指す。カチオン変成量の好ましい範囲は0.1
〜30モル%である。さらには、0.1〜15モル%が
好ましい。カチオン基の変性量が0.01モル%未満で
は塗膜の耐水性が不十分となる傾向がある。平均鹸化度
としては、40〜100モル%が好ましい。鹸化度が4
0モル%未満ではインク吸収性が不十分となる。平均重
合度としては、100−5000が好ましい。さらには
200−3000が好ましい。平均重合度が100未満
では、塗膜の耐水性が低下し、5000を越えると溶液
粘度が高すぎて、樹脂の混合や支持体への塗工などの作
業性が悪くなる場合がある。
【0022】本発明において、カルボキシアルキルセル
ロースの硝酸エステル類と水性高分子の混合比は、固形
分重量で、カルボキシアルキルセルロースの硝酸エステ
ル類3〜80重量%、水性高分子20〜97重量%が好
ましい。カルボキシアルキルセルロースの硝酸エステル
類が3重量%未満では塗膜の耐水性が不十分となり、8
0重量%を越えると成膜性が低下する。
【0023】本発明において、色調補正剤とは、塗工塗
膜の熱黄変性を緩和するために添加するものである。本
発明に使用する色調補正剤としては、ブロモフェノール
ブルー、メチレンブルーや短波長領域が400nm以下
の紫外線を吸収する色調補正剤が好ましい。好ましい添
加量は、カルボキシアルキルセルロースの硝酸エステル
類と水性高分子の固形分に対して、0.005重量%〜
0.1重量%であり、さらに好ましくは0.007重量
%〜0.01重量%である。0.005重量%未満で
は、色調補正効果が顕著でなく、0.1重量%を越える
と色調補正剤の色調が強くなる。
【0024】本発明においては、前記塗工液に、さらに
水酸基架橋剤を含有させることにより塗膜の耐水性が一
層向上する。水酸基架橋剤としては、アルデヒド化合
物、メラミン樹脂、活性化ビニル化合物、酸無水物、イ
ソシアネート化合物、活性化ビニル化合物、多価金属含
有化合物などが挙げられる。これらの中でもメラミン樹
脂が好ましく、さらに好ましくは低級アルコールでエー
テル化したメチル化メチロールメラミンなどのメチロー
ルメラミン誘導体が好ましく用いられる。これらの好ま
しい添加量は、カルボキシアルキルセルロースの硝酸エ
ステル類と水性高分子の合計量に対して0.1重量%〜
20重量%である。添加量が0.1重量%未満では耐水
性が十分に発現されない場合があり、20重量%を越え
ると染料インクの画像鮮明性が低下する場合がある。
【0025】本発明で使用する塗工液には、本発明の特
性を損なわない範囲で公知の添加剤が使用できる。例え
ば、インクの染料の定着性を向上させる目的で、カチオ
ン化セルロース誘導体、カチオン化でんぷん、カチオン
化グアガム、ジアリル4級アンモニウム塩重合物、ジア
リル4級アンモニウム塩とアクリルアミドとの共重合
物、アニリン樹脂、ポリチオ尿素、ポリエチレンイミ
ン、ポリビニルピリジン類等の水溶性カチオン化ポリマ
ーを添加できる。好ましい添加量としては塗工液全体の
固形分に対して20重量%以下である。さらに好ましく
は10重量%以下である。添加量が20重量%を越える
と、ゲル化、相分離が生じる場合がある。
【0026】塗工液のpHを低下させて塗膜の耐水性を
向上させる目的で、pH調整剤が使用できる。pH調整
剤としては、無機酸、有機酸が使用できるが、塗工液の
安定性の点から有機酸が好ましい。中でも25℃の水中
における酸解離定数の逆数の対数値が1〜6の有機酸が
好ましい。この場合、一塩基酸、n塩基酸を問わず、酸
解離定数の逆数の対数値は第一段の解離の値を指す。
【0027】有機酸としては、例えば、シュウ酸、マロ
ン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸
などのジカルボン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸
などの脂肪酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石
酸、クエン酸などのオキシ酸などが挙げられる。pH調
整剤を使用して得られた塗工液の好ましいpHは2〜
8、さらに好ましくは4〜7である。pHが8を越える
と塗膜の耐水性向上の効果が十分とはいえず、pHが2
未満では溶液の増粘が生じるなど作業性が低下する。
【0028】その他にも炭酸カルシウム、塩基性炭酸マ
グネシウム、結晶セルロース等のマット剤、消泡剤、塗
布性改良剤、増粘剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、染料、耐光性向上剤、保存性向上剤、コロイダ
ルシリカ、アルミナゾルなどの印字性改良剤等があげら
れる。これらは2種以上を併用して使用することが出来
る。
【0029】本発明の情報記録シートにおいて、支持体
上に設けられる塗工層の厚みは、0.5〜100μm、
好ましくは2〜50μmである。厚みが0.5μm未満
になるとインクの吸収性が不足してインクがにじみ、1
00μmを越えると塗工時の乾燥性や塗工性、カール性
が不十分である。本発明の情報記録シートにおいて、イ
ンクを吸収する塗膜の形成方法は、エアドクタコータ
ー、ロッドコーター、ナイフコーター、リバースロール
コーター、トランスファロールコーター、キスコータ
ー、キャストコーティング、スプレイコーター、スロッ
トオリフィスコーター、カレンダコーター、ブレードコ
ーター、グラビアコーター、カーテンコーター、ロール
コーターなどの公知の方法を適用することができる。
【0030】この際、支持体上には、塗布する前に必要
に応じて空気中あるいはその他の雰囲気中でのコロナ放
電処理やプライマー処理などの公知の表面処理を施すこ
とによって、塗布性が良化するのみならず、強固にフィ
ルム表面上に形成できる。また、必要に応じて支持体の
両面にバインダーを塗工する、あるいは物性の異なるイ
ンク吸収層を支持体上に積層しても良い。尚、塗工液濃
度、塗膜乾燥条件は特に限定されるものではないが、得
られる情報記録シートの諸特性に悪影響を及ぼさない範
囲で行うのが望ましい。
【0031】本発明においては、前記の塗工液を用いる
ことによって、画像鮮明性、耐水性、塗膜無黄変性に優
れた情報記録シートが得られる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に説明する。なお、各種特性の測定方法は以下の通りで
ある。 [画像鮮明性の評価方法]インクジェットプリンター
(694C;ヒューレットパッカード社製)で、黒、シ
アン、マゼンタ、イエローを情報記録シートにべた印字
する。記録後の鮮明性、にじみの程度を目視判定した。
【0033】○:良好、△:やや不良、×:不良 [印字耐水性の評価方法]べた印字した情報記録シート
を、25℃の水中に1分間漬した後、室温で乾燥し、印
字画像のかすれやにじみの程度を目視判定した。 ○:ほとんど変化なし、△:ややにじむ、×:インクの
流失 [黄色度、白色度の評価方法]情報記録シートを、スガ
試験機株式会社製の色差計SC−3CH型で、黄色度、
白色度を、目視判定した。
【0034】○:白色、△:やや黄色、×:黄変
【0035】
【製造例1】カルボキシメチルセルロース(セロゲン5
A;第一工業製薬(株)製;カルボキシメチルエーテル
基置換度=0.7)100gと、硫酸/硝酸/水(=6
4/25/11重量%)の混酸5000gを5リットル
の反応容器中に入れ、5〜10℃で60分間撹拌を継続
しながら硝化反応を行う。反応生成物を遠心分離で除酸
し、直ちに多量の水で洗浄し、110gのカルボキシメ
チルセルロースの硝酸エステルを得た。
【0036】このカルボキシメチルセルロースの硝酸エ
ステルの無水グルコース単位1個あたりの硝酸エステル
基置換度は、カルボキシメチルエーテル基置換度(0.
7)と、CHNコーダーによる窒素含有量の測定より、
1.9であった。次に、上記で得られたカルボキシメチ
ルセルロースの硝酸エステル100gと、イオン交換水
357.6g、ソルミックスA7を500g、31%過
酸化水素16.2gを密閉型混合機に入れ、撹拌を行っ
た。さらに中和剤として28%アンモニア水26.2g
を添加した。加温しながら完全に溶解させ固形分10%
の溶液を得た。この溶液に乳酸を3g添加した。これを
バインダー液Aとする。
【0037】
【実施例1】カチオン変成ポリビニルアルコール(K2
10:日本合成化学社製)100g、イオン交換水80
0g、イソプロピルアルコール100gを混合機に入
れ、完全に溶解するまで撹拌を行い、固形分10%の溶
液を得た。これをバインダー液Bとする。
【0038】バインダー液Aとバインダー液Bを重量比
換算で20対80で混合してバインダー液Cを調整し
た。次いで、バインダー液C100gに対して0.1%
ブロモフェノールブルー1gを添加して塗工液を調整し
た。該塗工液を、厚み100μmの透明ポリエチレンテ
レフタレートフィルム(メリネックスD535:ICI
ジャパン(株)製)に、膜厚が10〜15μmになるよ
うにロッドコーターで塗工し、80℃で15分間乾燥し
て情報記録シートを得た。その評価結果は次の通りであ
る。
【0039】画像鮮明性:○、耐水性:△、黄色度:−
8.6○、白色度:92.0
【0040】
【実施例2】実施例1で得られた塗工液に、固形分換算
でメラミン樹脂(SR613:住友化学社製)を1重量
%添加した以外は、実施例1と同様にして情報記録シー
トを得た。その評価結果は次の通りである。 画像鮮明性:○、耐水性:○、黄色度:−9.3○、白
色度:90.4
【0041】
【比較例1】バインダー液Cのみを、厚み100μmの
透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(メリネック
スD535:ICIジャパン(株)製)に、膜厚が10
〜15μmになるようにロッドコーターで塗工し、80
℃で15分間乾燥して情報記録シートを得た。その評価
結果は次の通りである。
【0042】画像鮮明性:○ 耐水性:△ 黄色度:−
6.7× 白色度:86.4
【0043】
【発明の効果】本発明の情報記録シートを使用すること
によって、画像鮮明性、耐水性、塗膜無黄変性に優れた
印刷物が得られる。また、顔料インクを使用して印刷し
た場合には、ひび割れの少ない優れた画像が得られる。
このようにして得られた情報記録シートは、OHP用シ
ート、カレンダー、シール類(ステッカーなど)、カー
ド類(名刺等)ポスター、デジタルカメラの画像出力用
記録シートなどの用途に使用できる。
【0044】また、透明な支持体上の塗工層を不透明に
する事によって、印字画像を支持体方向から見るバック
コートフィルムや、光沢紙、光沢フィルムなどにも使用
することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無水グルコース単位1個あたりの硝酸エ
    ステル基置換度が0.2〜2.95、カルボキシアルキ
    ルエーテル基置換度が0.05〜2.8であるカルボキ
    シアルキルセルロースの硝酸エステル類3〜80重量%
    及び水性高分子20〜97重量%からなるバインダー
    と、該バインダーに対して色調補正剤0.005〜0.
    1重量%を含有する塗工液を、支持体の少なくとも片面
    に塗布してなることを特徴とする情報記録シート。
  2. 【請求項2】 水性高分子がカチオン変成ポリビニルア
    ルコールであることを特徴とする請求項1記載の情報記
    録シート。
  3. 【請求項3】 塗工液が、さらに水酸基架橋剤を0.1
    〜20重量%含有することを特徴とする請求項1または
    2記載の情報記録シート。
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