JPH10146611A - ワイパー装置 - Google Patents
ワイパー装置Info
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- JPH10146611A JPH10146611A JP8318759A JP31875996A JPH10146611A JP H10146611 A JPH10146611 A JP H10146611A JP 8318759 A JP8318759 A JP 8318759A JP 31875996 A JP31875996 A JP 31875996A JP H10146611 A JPH10146611 A JP H10146611A
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21B—ROLLING OF METAL
- B21B45/00—Devices for surface or other treatment of work, specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, metal-rolling mills
- B21B45/02—Devices for surface or other treatment of work, specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, metal-rolling mills for lubricating, cooling, or cleaning
- B21B45/0269—Cleaning
- B21B45/0275—Cleaning devices
- B21B45/0278—Cleaning devices removing liquids
- B21B45/0284—Cleaning devices removing liquids removing lubricants
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Cleaning In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 圧延材に傷をつけることなく圧延材表面の油
分を十分にかつ高速で除去できるワイパー装置を提供す
る。 【解決手段】 ワイパー装置１は、圧延材表面の圧延油
をスクイーズするための１対のワイパーロール１１、１
２と、前記ワイパーロールから出てきた圧延材の両表面
に対して、圧延材の幅方向中央部にエアーを噴射し、そ
して両幅側縁部からエアーを吸引するための手段と、を
有し、各ワイパーロール１１、１２は、その表面硬度が
ロックウェル硬度（ＨＲｃ）で５２以上であり、そして
クラウン量が０．２ｍｍ以下とされる。又、好ましく
は、ワイパーロール部での加圧は１００〜１０００ｋｇ
であり、圧延機に使用する圧延油の粘度は４〜１８Ｓｔ
（ｃｍ2 ／ｓｅｃ）とされる。
分を十分にかつ高速で除去できるワイパー装置を提供す
る。 【解決手段】 ワイパー装置１は、圧延材表面の圧延油
をスクイーズするための１対のワイパーロール１１、１
２と、前記ワイパーロールから出てきた圧延材の両表面
に対して、圧延材の幅方向中央部にエアーを噴射し、そ
して両幅側縁部からエアーを吸引するための手段と、を
有し、各ワイパーロール１１、１２は、その表面硬度が
ロックウェル硬度（ＨＲｃ）で５２以上であり、そして
クラウン量が０．２ｍｍ以下とされる。又、好ましく
は、ワイパーロール部での加圧は１００〜１０００ｋｇ
であり、圧延機に使用する圧延油の粘度は４〜１８Ｓｔ
（ｃｍ2 ／ｓｅｃ）とされる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧延機により圧延
された金属板材表面に残留する圧延油を除去するための
ワイパー装置に関し、特に、軟鋼、アンバー、ＳＵＳな
どの鉄系薄物・幅広圧延材の表面から圧延油を除去する
のに好適に使用される。
された金属板材表面に残留する圧延油を除去するための
ワイパー装置に関し、特に、軟鋼、アンバー、ＳＵＳな
どの鉄系薄物・幅広圧延材の表面から圧延油を除去する
のに好適に使用される。
【０００２】
【従来の技術】従来、圧延機により圧延された金属板材
の表面に付着し、残留した圧延油は、圧延機の出口側に
設置されたワイパー装置により除去されている。一般
に、このワイパー装置は、上ワイパーロール及び下ワイ
パーロールからなる一対のワイパーロールにて圧延材を
挟持し、この一対のワイパーロールによる圧延材に対す
るスクイーズ作用により、圧延油を除去する構成とされ
ている。
の表面に付着し、残留した圧延油は、圧延機の出口側に
設置されたワイパー装置により除去されている。一般
に、このワイパー装置は、上ワイパーロール及び下ワイ
パーロールからなる一対のワイパーロールにて圧延材を
挟持し、この一対のワイパーロールによる圧延材に対す
るスクイーズ作用により、圧延油を除去する構成とされ
ている。
【０００３】軟鋼、アンバー、ＳＵＳなどの鉄系薄物・
幅広圧延材の表面から圧延油を除去するためのワイパー
装置は、通常、３００〜４００ｍ／分のライン速度（即
ち、処理速度）にて運転されており、ワイパーロールと
して銅（Ｃｕ−Ａｌ−Ｆｅ系銅合金）製のロールが使用
されている。
幅広圧延材の表面から圧延油を除去するためのワイパー
装置は、通常、３００〜４００ｍ／分のライン速度（即
ち、処理速度）にて運転されており、ワイパーロールと
して銅（Ｃｕ−Ａｌ−Ｆｅ系銅合金）製のロールが使用
されている。
【０００４】一方、近年、作業効率の点から、処理速度
を５００ｍ／分以上に増大することが望まれている。
を５００ｍ／分以上に増大することが望まれている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ワイパ
ーロールとして上記銅製のロールを使用した従来のワイ
パー装置にて、その処理速度を５００ｍ／分以上に増大
した場合には、ワイパー装置から出て来る金属板材の表
面に傷が発生することが分かった。これは、処理速度を
５００ｍ／分以上とすると、処理コイル数が増えるに従
ってワイパーロール表面に傷が付いたり、或はクラウン
形成加工時に付けられた傷が明瞭になり、このロール表
面の傷が金属板材の表面に転写されるからであることが
分かった。
ーロールとして上記銅製のロールを使用した従来のワイ
パー装置にて、その処理速度を５００ｍ／分以上に増大
した場合には、ワイパー装置から出て来る金属板材の表
面に傷が発生することが分かった。これは、処理速度を
５００ｍ／分以上とすると、処理コイル数が増えるに従
ってワイパーロール表面に傷が付いたり、或はクラウン
形成加工時に付けられた傷が明瞭になり、このロール表
面の傷が金属板材の表面に転写されるからであることが
分かった。
【０００６】この問題を解決するために、材料自体が弾
性を有し、より傷が付きにくいと考えられるウレタンロ
ールをワイパーロールとして使用することを検討した
が、処理速度を５００ｍ／分以上に増大した場合には、
ウレタンロール自体が変形し、圧延油の良好な除去を達
成し得ないことが分かった。
性を有し、より傷が付きにくいと考えられるウレタンロ
ールをワイパーロールとして使用することを検討した
が、処理速度を５００ｍ／分以上に増大した場合には、
ウレタンロール自体が変形し、圧延油の良好な除去を達
成し得ないことが分かった。
【０００７】そこで、本発明者らは、更に多くの研究実
験を行なった結果、ワイパー装置により圧延材上から残
留圧延油を良好に、且つ圧延材に傷をつけることなく除
去するには、ワイパーロールの表面硬度及びクラウン
量、ワイパーロール部での加圧力、及び圧延機に使用す
る圧延油の粘度、が大きく影響を及ぼすことを見出し
た。
験を行なった結果、ワイパー装置により圧延材上から残
留圧延油を良好に、且つ圧延材に傷をつけることなく除
去するには、ワイパーロールの表面硬度及びクラウン
量、ワイパーロール部での加圧力、及び圧延機に使用す
る圧延油の粘度、が大きく影響を及ぼすことを見出し
た。
【０００８】更に、具体的に言えば、処理速度を５００
ｍ／分以上にて、特に鉄系圧延材の表面に傷をつけるこ
となく、良好な圧延油の除去を行なうには、 （１）ワイパーロールの表面硬度をロックウェル硬度
（ＨＲｃ）で５２以上とする。 （２）ワイパーロールのクラウン量を０．２ｍｍ以下と
する。 （３）ワイパーロール部での加圧を１００〜１０００ｋ
ｇ、好ましくは１００〜６００ｋｇ、例えば５００ｋｇ
とする。 （４）圧延機に使用する圧延油の粘度を４〜１８Ｓｔ
（ｃｍ2 ／ｓｅｃ）、好ましくは４〜１２Ｓｔ、例えば
８Ｓｔとする。ことが必須であることが分かった。
ｍ／分以上にて、特に鉄系圧延材の表面に傷をつけるこ
となく、良好な圧延油の除去を行なうには、 （１）ワイパーロールの表面硬度をロックウェル硬度
（ＨＲｃ）で５２以上とする。 （２）ワイパーロールのクラウン量を０．２ｍｍ以下と
する。 （３）ワイパーロール部での加圧を１００〜１０００ｋ
ｇ、好ましくは１００〜６００ｋｇ、例えば５００ｋｇ
とする。 （４）圧延機に使用する圧延油の粘度を４〜１８Ｓｔ
（ｃｍ2 ／ｓｅｃ）、好ましくは４〜１２Ｓｔ、例えば
８Ｓｔとする。ことが必須であることが分かった。
【０００９】本発明は、斯かる本発明者らの新規な知見
に基づくものである。
に基づくものである。
【００１０】従って、本発明の目的は、圧延材に傷をつ
けることなく圧延材表面の油分を十分にかつ高速で除去
できるワイパー装置を提供することである。
けることなく圧延材表面の油分を十分にかつ高速で除去
できるワイパー装置を提供することである。
【００１１】本発明の他の目的は、処理速度を５００ｍ
／分以上にて、鉄系圧延材の表面に傷をつけることな
く、良好な圧延油の除去を行なうためのワイパー装置を
提供することである。
／分以上にて、鉄系圧延材の表面に傷をつけることな
く、良好な圧延油の除去を行なうためのワイパー装置を
提供することである。
【００１２】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
ワイパー装置にて達成される。要約すれば、本発明は、
圧延機から５００ｍ／分以上のライン速度で供給される
圧延材の表面から圧延油を除去するためのワイパー装置
であって、（ａ）前記圧延機から供給される圧延材を挟
持するようにして圧延材の移動方向に対して直交して配
置され、圧延材表面の圧延油をスクイーズするための１
対のワイパーロールと、（ｂ）前記ワイパーロールから
出てきた圧延材の両表面に対して、圧延材の幅方向全幅
にエアーを噴射し、そして両幅側縁部からエアーを吸引
するための手段と、を有し、（ｃ）各前記ワイパーロー
ルは、その表面硬度がロックウェル硬度（ＨＲｃ）で５
２以上であり、そしてクラウン量が０．２ｍｍ以下ある
ことを特徴とするワイパー装置である。更に、好ましく
は、前記ワイパーロール部での加圧が１００〜１０００
ｋｇであり、前記圧延機に使用する圧延油の粘度が４〜
１８Ｓｔ（ｃｍ2 ／ｓｅｃ）とされる。通常、各前記ワ
イパーロールは、炭素鋼、例えばＳ４５Ｃなどで形成さ
れ、表面焼入れを行なう。
ワイパー装置にて達成される。要約すれば、本発明は、
圧延機から５００ｍ／分以上のライン速度で供給される
圧延材の表面から圧延油を除去するためのワイパー装置
であって、（ａ）前記圧延機から供給される圧延材を挟
持するようにして圧延材の移動方向に対して直交して配
置され、圧延材表面の圧延油をスクイーズするための１
対のワイパーロールと、（ｂ）前記ワイパーロールから
出てきた圧延材の両表面に対して、圧延材の幅方向全幅
にエアーを噴射し、そして両幅側縁部からエアーを吸引
するための手段と、を有し、（ｃ）各前記ワイパーロー
ルは、その表面硬度がロックウェル硬度（ＨＲｃ）で５
２以上であり、そしてクラウン量が０．２ｍｍ以下ある
ことを特徴とするワイパー装置である。更に、好ましく
は、前記ワイパーロール部での加圧が１００〜１０００
ｋｇであり、前記圧延機に使用する圧延油の粘度が４〜
１８Ｓｔ（ｃｍ2 ／ｓｅｃ）とされる。通常、各前記ワ
イパーロールは、炭素鋼、例えばＳ４５Ｃなどで形成さ
れ、表面焼入れを行なう。
【００１３】本発明の上記ワイパー装置にて、好ましく
は、各前記ワイパーロールは、前記クラウン量が０．１
ｍｍ以下とされ、前記ワイパーロール部での加圧が１０
０〜６００ｋｇであり、前記圧延機に使用する圧延油の
粘度が４〜１２Ｓｔ（ｃｍ2／ｓｅｃ）とされる。
は、各前記ワイパーロールは、前記クラウン量が０．１
ｍｍ以下とされ、前記ワイパーロール部での加圧が１０
０〜６００ｋｇであり、前記圧延機に使用する圧延油の
粘度が４〜１２Ｓｔ（ｃｍ2／ｓｅｃ）とされる。
【００１４】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るワイパー装置
を図面に則して更に詳しく説明する。
を図面に則して更に詳しく説明する。
【００１５】先ず、図５を参照すると、本発明のワイパ
ー装置１は、圧延機２の圧延材Ｗの移動方向下流側に配
置される。巻出しコイル３から巻き出された圧延材Ｗは
圧延機２で圧延処理が施こされ、次いでワイパー装置１
において、圧延材表面上に残存している圧延油等の油分
が除去され、巻取りコイル４に巻取られる。
ー装置１は、圧延機２の圧延材Ｗの移動方向下流側に配
置される。巻出しコイル３から巻き出された圧延材Ｗは
圧延機２で圧延処理が施こされ、次いでワイパー装置１
において、圧延材表面上に残存している圧延油等の油分
が除去され、巻取りコイル４に巻取られる。
【００１６】又、本発明によれば、ワイパー装置は、５
００ｍ／分以上、最大１０００ｍ／分の圧延速度を有す
る圧延機２に対応し得るものである。
００ｍ／分以上、最大１０００ｍ／分の圧延速度を有す
る圧延機２に対応し得るものである。
【００１７】本実施例によれば、圧延材Ｗとしては、鉄
系（軟鋼、Ｆｅ−Ｎｉ系（アンバー系）、ＳＵＳなど）
の材料とされ、更に、圧延機２で使用される圧延油の粘
度は４〜１８Ｓｔ（ｃｍ2 ／ｓｅｃ）とされ、好ましく
は４〜１２Ｓｔ、本実施例では８Ｓｔの圧延油を使用し
た。詳しくは後で説明するが、圧延油の粘度がこの範囲
を外れると、ワイパー装置による圧延油の除去が良好に
行なわれないという問題が生じる。即ち、圧延油の粘度
が１８Ｓｔより大きいと圧延油除去性能が低下するとい
った問題があり、又４Ｓｔより小さいと圧延時の材料表
面が劣化するといった問題が生じる。
系（軟鋼、Ｆｅ−Ｎｉ系（アンバー系）、ＳＵＳなど）
の材料とされ、更に、圧延機２で使用される圧延油の粘
度は４〜１８Ｓｔ（ｃｍ2 ／ｓｅｃ）とされ、好ましく
は４〜１２Ｓｔ、本実施例では８Ｓｔの圧延油を使用し
た。詳しくは後で説明するが、圧延油の粘度がこの範囲
を外れると、ワイパー装置による圧延油の除去が良好に
行なわれないという問題が生じる。即ち、圧延油の粘度
が１８Ｓｔより大きいと圧延油除去性能が低下するとい
った問題があり、又４Ｓｔより小さいと圧延時の材料表
面が劣化するといった問題が生じる。
【００１８】次に、図１〜図４に本発明のワイパー装置
１の一実施例を示す。本実施例によれば、ワイパー装置
１は、図３に示すように、本実施例では、直径（Ｄ）が
１１５ｍｍ、長さ（Ｌ）が９５０ｍｍとされる同形状の
一対の上下ワイパーロール１１、１２を備えたスクイー
ズ部１０を有する。更に、このスクイーズ部１０の下流
側に、順に、パスライン部２０、パスラインロール部３
０、エア噴射ブロワ手段（図示せず）及び真空吸引手段
４０を備えている。
１の一実施例を示す。本実施例によれば、ワイパー装置
１は、図３に示すように、本実施例では、直径（Ｄ）が
１１５ｍｍ、長さ（Ｌ）が９５０ｍｍとされる同形状の
一対の上下ワイパーロール１１、１２を備えたスクイー
ズ部１０を有する。更に、このスクイーズ部１０の下流
側に、順に、パスライン部２０、パスラインロール部３
０、エア噴射ブロワ手段（図示せず）及び真空吸引手段
４０を備えている。
【００１９】圧延機２から排出された圧延材Ｗは、先ず
スクイーズ部１０を通過する際に表面に付着した圧延油
等の油分が上下ワイパーロール１１、１２のスクイーズ
作用により除去され、次いでパスライン部２０を通過す
るときに、ブロワ手段からのエアー噴射と真空吸引手段
４０による吸引により、圧延材両表面に残存していた油
分が除去され、最後に、パスラインロール部３０を通過
する際に、更に残りの油分が実質的に完全に除去され、
そしてワイパー装置１から排出される。
スクイーズ部１０を通過する際に表面に付着した圧延油
等の油分が上下ワイパーロール１１、１２のスクイーズ
作用により除去され、次いでパスライン部２０を通過す
るときに、ブロワ手段からのエアー噴射と真空吸引手段
４０による吸引により、圧延材両表面に残存していた油
分が除去され、最後に、パスラインロール部３０を通過
する際に、更に残りの油分が実質的に完全に除去され、
そしてワイパー装置１から排出される。
【００２０】更に、図３を参照して、スクイーズ部１０
について説明する。
について説明する。
【００２１】スクイーズ部１０の上記１対のワイパーロ
ール１１、１２は、圧延材Ｗの進行方向に対して直交す
るように配置され、しかも、これらワイパーロール１
１、１２は、図１にて明らかなように、鉛直方向の中心
線Ｌ11、Ｌ12が圧延材Ｗの進行方向に距離（Ｅ）だけず
れるように配置される。この距離Ｅは、圧延油除去性能
の維持の観点から重要であり、本実施例では、上ワイパ
ーロール１１は下ワイパーロール１２より、圧延材の上
流側にＥ＝２ｍｍだけずれるように配置された。ワイパ
ーロール１１、１２をＥ＝２ｍｍとなるように配置する
ことにより、ロールの中心線が同一鉛直線上に配置され
た場合に比して油分の除去、即ち、スクイーズ効率を大
幅に改善することができる。
ール１１、１２は、圧延材Ｗの進行方向に対して直交す
るように配置され、しかも、これらワイパーロール１
１、１２は、図１にて明らかなように、鉛直方向の中心
線Ｌ11、Ｌ12が圧延材Ｗの進行方向に距離（Ｅ）だけず
れるように配置される。この距離Ｅは、圧延油除去性能
の維持の観点から重要であり、本実施例では、上ワイパ
ーロール１１は下ワイパーロール１２より、圧延材の上
流側にＥ＝２ｍｍだけずれるように配置された。ワイパ
ーロール１１、１２をＥ＝２ｍｍとなるように配置する
ことにより、ロールの中心線が同一鉛直線上に配置され
た場合に比して油分の除去、即ち、スクイーズ効率を大
幅に改善することができる。
【００２２】又、上下ワイパーロール１１、１２のスク
イーズ作用をなすための両ロール間の加圧力は、１００
〜１０００ｋｇとされる。この加圧力が１０００ｋｇよ
り大きくなると圧延表面が劣化するといった問題が生
じ、又、１００ｋｇより小さいと十分なスクイーズ作用
をなすことができず、圧延材表面に多量の圧延油が残留
することとなる。
イーズ作用をなすための両ロール間の加圧力は、１００
〜１０００ｋｇとされる。この加圧力が１０００ｋｇよ
り大きくなると圧延表面が劣化するといった問題が生
じ、又、１００ｋｇより小さいと十分なスクイーズ作用
をなすことができず、圧延材表面に多量の圧延油が残留
することとなる。
【００２３】ワイパーロール１１、１２は、その表面硬
度がロックウェル硬度（ＨＲｃ）で５２以上とされるこ
とが重要である。もしこの硬度が５２以下であると、５
００ｍ／分以上のライン速度において、ロール表面に傷
が発生することが分かった。
度がロックウェル硬度（ＨＲｃ）で５２以上とされるこ
とが重要である。もしこの硬度が５２以下であると、５
００ｍ／分以上のライン速度において、ロール表面に傷
が発生することが分かった。
【００２４】本実施例では、ワイパーロール１１、１２
は、炭素鋼、例えばＳ４５Ｃなどで作製し、その後、表
面焼き入れを行なうことによって、ＨＲｃ５２以上の硬
度とされる。このような表面焼入の処理により、上述の
ように、ワイパーロール１１、１２は、その表面に傷が
付くことを防止することができる。
は、炭素鋼、例えばＳ４５Ｃなどで作製し、その後、表
面焼き入れを行なうことによって、ＨＲｃ５２以上の硬
度とされる。このような表面焼入の処理により、上述の
ように、ワイパーロール１１、１２は、その表面に傷が
付くことを防止することができる。
【００２５】尚、本明細書で、ワイパーロールのロック
ウェル硬度（ＨＲｃ）は、ＪＩＳＺ ２２４５ ロック
ウェル硬さ試験方法に従って測定したものである。
ウェル硬度（ＨＲｃ）は、ＪＩＳＺ ２２４５ ロック
ウェル硬さ試験方法に従って測定したものである。
【００２６】また、本発明にて使用するワイパーロール
１１、１２は、図４に誇張して示すロールクラウン量Δ
Ｄ（＝Ｄ−ｄ）が０．２ｍｍ以下とされ、実質的にクラ
ウン量ΔＤ＝０であっても良い。これは、従来のものに
比して約１／４である。クラウン量を大きくするとクラ
ウン形成時の研摩目（傷）がロール表面に残り、この傷
が圧延材に転写する。従って、本発明では、撓みにくい
材料、即ちヤング率が高いもの、例えば炭素鋼を使用す
ることにより、クラウン量を小さくするようにした。
又、上述のように、炭素鋼を使用することにより、表面
焼き入れが可能となり、ロール表面への傷の発生を更に
防止することができる。更に、本発明者らの研究実験の
結果によると、ヤング率が高い材料でロールを形成する
ことにより、油の切れが改善されることも分かった。
１１、１２は、図４に誇張して示すロールクラウン量Δ
Ｄ（＝Ｄ−ｄ）が０．２ｍｍ以下とされ、実質的にクラ
ウン量ΔＤ＝０であっても良い。これは、従来のものに
比して約１／４である。クラウン量を大きくするとクラ
ウン形成時の研摩目（傷）がロール表面に残り、この傷
が圧延材に転写する。従って、本発明では、撓みにくい
材料、即ちヤング率が高いもの、例えば炭素鋼を使用す
ることにより、クラウン量を小さくするようにした。
又、上述のように、炭素鋼を使用することにより、表面
焼き入れが可能となり、ロール表面への傷の発生を更に
防止することができる。更に、本発明者らの研究実験の
結果によると、ヤング率が高い材料でロールを形成する
ことにより、油の切れが改善されることも分かった。
【００２７】本実施例の場合、上述のように、ワイパー
ロール１１、１２の長さＬ＝９５０ｍｍ、直径Ｄ＝１１
５ｍｍとされ、クラウン量ΔＤ＝０．１ｍｍとした。こ
のようにロールクラウン量ΔＤを少なくとも０．２ｍｍ
以下と小さくすることにより、クラウン形成加工時に付
き易い傷の発生を防止することができた。従って、油分
除去時の圧延材への傷の転写がなく、製品の品質を向上
することができた。
ロール１１、１２の長さＬ＝９５０ｍｍ、直径Ｄ＝１１
５ｍｍとされ、クラウン量ΔＤ＝０．１ｍｍとした。こ
のようにロールクラウン量ΔＤを少なくとも０．２ｍｍ
以下と小さくすることにより、クラウン形成加工時に付
き易い傷の発生を防止することができた。従って、油分
除去時の圧延材への傷の転写がなく、製品の品質を向上
することができた。
【００２８】パスライン部２０は、スクイーズ部１０か
らパスラインロール部３０に至る圧延材用通路２１を構
成する上下通路形成部２２、２３からなり、上下通路形
成部２２、２３には、それぞれ圧延材用通路２１とを連
通する管路２５Ａ、２６Ａが設けられ、管路２５Ａ、２
６Ａには、電動機により駆動されるブロワを備えたエア
噴射ブロワ手段（図示せず）が接続されている。
らパスラインロール部３０に至る圧延材用通路２１を構
成する上下通路形成部２２、２３からなり、上下通路形
成部２２、２３には、それぞれ圧延材用通路２１とを連
通する管路２５Ａ、２６Ａが設けられ、管路２５Ａ、２
６Ａには、電動機により駆動されるブロワを備えたエア
噴射ブロワ手段（図示せず）が接続されている。
【００２９】図２をも参照するとより良く理解されるよ
うに、真空吸引手段４０は、真空吸引源４１と、圧延材
用通路２１の進行方向側端部に開口した吸引口４２、４
３と、両者を連通する連通路４４、４５とを備えてい
る。従って、上記ブロワから上記管路２５Ａ、２６Ａ及
び中央部噴射口２７、２８を介して圧延材Ｗの両表面の
全幅に噴射されたエアーを吸引口４２、４３から真空吸
引源４１により高速で吸引することにより、通路２１を
通過する圧延材Ｗの表面に残留し付着している油分を吸
引し除去することができる。更に、上下通路形成部２
２、２３には、圧延材進行方向にて上記中央部噴射口２
７、２８の前後に位置して、前記圧延材用通路２１にエ
アナイフ状にエアーを噴射することのできる噴射口を備
えたエアー管路２５Ｂ、２６Ｃ；２５Ｃ、２６Ｃを形成
することができる。このエアー管路２５Ｂ、２６Ｃ；２
５Ｃ、２６Ｃには、上述と同様に、エア噴射ブロワ手段
よりエアーが供給され、圧延材Ｗの表面に残留し付着し
ている油分を全幅にわたって除去する。この油分を含む
エアーは、通路の両側に配置された真空吸引手段により
除去される。
うに、真空吸引手段４０は、真空吸引源４１と、圧延材
用通路２１の進行方向側端部に開口した吸引口４２、４
３と、両者を連通する連通路４４、４５とを備えてい
る。従って、上記ブロワから上記管路２５Ａ、２６Ａ及
び中央部噴射口２７、２８を介して圧延材Ｗの両表面の
全幅に噴射されたエアーを吸引口４２、４３から真空吸
引源４１により高速で吸引することにより、通路２１を
通過する圧延材Ｗの表面に残留し付着している油分を吸
引し除去することができる。更に、上下通路形成部２
２、２３には、圧延材進行方向にて上記中央部噴射口２
７、２８の前後に位置して、前記圧延材用通路２１にエ
アナイフ状にエアーを噴射することのできる噴射口を備
えたエアー管路２５Ｂ、２６Ｃ；２５Ｃ、２６Ｃを形成
することができる。このエアー管路２５Ｂ、２６Ｃ；２
５Ｃ、２６Ｃには、上述と同様に、エア噴射ブロワ手段
よりエアーが供給され、圧延材Ｗの表面に残留し付着し
ている油分を全幅にわたって除去する。この油分を含む
エアーは、通路の両側に配置された真空吸引手段により
除去される。
【００３０】このとき、上記中央部噴射口２７、２８及
びその他の噴射口から圧延材Ｗの両表面中央部に噴射さ
れるエアー量は６０００〜８０００ｍ3 Ｎ／時、噴射圧
力は４０００〜５０００ｍｍ（Ｈ2 Ｏ）とされる。この
エアー量及び圧力がこれらの範囲外とされる場合には、
圧延油の除去性能の低下、圧延油の飛散といった問題が
生じる。
びその他の噴射口から圧延材Ｗの両表面中央部に噴射さ
れるエアー量は６０００〜８０００ｍ3 Ｎ／時、噴射圧
力は４０００〜５０００ｍｍ（Ｈ2 Ｏ）とされる。この
エアー量及び圧力がこれらの範囲外とされる場合には、
圧延油の除去性能の低下、圧延油の飛散といった問題が
生じる。
【００３１】パスラインロール部３０は、１対のロール
３１、３２からなり、圧延材用通路２１を移動してきた
圧延材表面に残っていた油分を更に除去するとともに、
圧延材Ｗを装置外に排出する。
３１、３２からなり、圧延材用通路２１を移動してきた
圧延材表面に残っていた油分を更に除去するとともに、
圧延材Ｗを装置外に排出する。
【００３２】以上のように本実施例によれば、圧延材に
傷をつけることなく圧延材表面の油分を十分にかつ高速
で除去できる圧延機のワイパー装置を得ることができ
る。
傷をつけることなく圧延材表面の油分を十分にかつ高速
で除去できる圧延機のワイパー装置を得ることができ
る。
【００３３】更に、上記構成の本発明のワイパー装置に
て、好ましくは、図１に示すように、上通路形成部２２
に先端開口部２９Ａがワイパーロール１１、１２の出口
部分に開口するようにして、吸引管路２９が形成され
る。吸引管路２９の他端には吸引手段が接続され、ワイ
パーロール１１、１２の出口部分を真空吸引するのが好
ましい。勿論、同様の吸引管路をした通路形成部２３に
も形成し、ワイパーロール１１、１２の出口部分を真空
吸引することも可能である。
て、好ましくは、図１に示すように、上通路形成部２２
に先端開口部２９Ａがワイパーロール１１、１２の出口
部分に開口するようにして、吸引管路２９が形成され
る。吸引管路２９の他端には吸引手段が接続され、ワイ
パーロール１１、１２の出口部分を真空吸引するのが好
ましい。勿論、同様の吸引管路をした通路形成部２３に
も形成し、ワイパーロール１１、１２の出口部分を真空
吸引することも可能である。
【００３４】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるワイ
パー装置は、圧延材表面の圧延油をスクイーズするため
の１対のワイパーロールと、前記ワイパーロールから出
てきた圧延材の両表面に対して、圧延材の幅方向中央部
にエアーを噴射し、そして両幅側縁部からエアーを吸引
するための手段と、を有し、各前記ワイパーロールは、
その表面硬度がロックウェル硬度（ＨＲｃ）で５２以上
であり、そしてクラウン量が０．２ｍｍ以下とされ、更
に、好ましくは、前記ワイパーロール部での加圧が１０
０〜１０００ｋｇとし、前記圧延機に使用する圧延油の
粘度が４〜１８Ｓｔ（ｃｍ2 ／ｓｅｃ）であるように構
成されるので、処理速度が５００ｍ／分以上であって
も、鉄系圧延材の表面に傷をつけることなく、良好な圧
延油の除去を行なうことができる。従って、製品として
高品質の圧延材を得ることができ、かつ生産効率も良
い。
パー装置は、圧延材表面の圧延油をスクイーズするため
の１対のワイパーロールと、前記ワイパーロールから出
てきた圧延材の両表面に対して、圧延材の幅方向中央部
にエアーを噴射し、そして両幅側縁部からエアーを吸引
するための手段と、を有し、各前記ワイパーロールは、
その表面硬度がロックウェル硬度（ＨＲｃ）で５２以上
であり、そしてクラウン量が０．２ｍｍ以下とされ、更
に、好ましくは、前記ワイパーロール部での加圧が１０
０〜１０００ｋｇとし、前記圧延機に使用する圧延油の
粘度が４〜１８Ｓｔ（ｃｍ2 ／ｓｅｃ）であるように構
成されるので、処理速度が５００ｍ／分以上であって
も、鉄系圧延材の表面に傷をつけることなく、良好な圧
延油の除去を行なうことができる。従って、製品として
高品質の圧延材を得ることができ、かつ生産効率も良
い。
【図１】本発明のワイパー装置の一実施例を示す断面図
である。
である。
【図２】図１の線Ａ−Ａに取った断面図である。
【図３】ワイパーロールの断面図である。
【図４】ワイパーロールのロールクラウンを示すための
説明図である。
説明図である。
【図５】ワイパー装置と圧延機の配置図である。
【符号の説明】 １ ワイパー装置 ２ 圧延機 １０ スクイーズ部 １１、１２ ワイパーロール ２０ パスライン部 ３０ パスラインロール部 ４０ 真空吸引手段 Ｗ 圧延材
Claims (5)
- 【請求項１】 圧延機から５００ｍ／分以上のライン速
度で供給される圧延材の表面から圧延油を除去するため
のワイパー装置であって、（ａ）前記圧延機から供給さ
れる圧延材を挟持するようにして圧延材の移動方向に対
して直交して配置され、圧延材表面の圧延油をスクイー
ズするための１対のワイパーロールと、（ｂ）前記ワイ
パーロールから出てきた圧延材の両表面に対して、圧延
材の幅方向全幅にエアーを噴射し、そして両幅側縁部か
らエアーを吸引するための手段と、を有し、（ｃ）各前
記ワイパーロールは、その表面硬度がロックウェル硬度
（ＨＲｃ）で５２以上であり、そしてクラウン量が０．
２ｍｍ以下であることを特徴とするワイパー装置。 - 【請求項２】 前記ワイパーロール部での加圧が１００
〜１０００ｋｇであり、前記圧延機に使用する圧延油の
粘度が４〜１８Ｓｔ（ｃｍ2 ／ｓｅｃ）であることを特
徴とする請求項１のワイパー装置。 - 【請求項３】 各前記ワイパーロールは炭素鋼で形成さ
れ、表面焼入れが施されることを特徴とする請求項１又
は２のワイパー装置。 - 【請求項４】 各前記ワイパーロールは、前記クラウン
量が０．１ｍｍ以下とされ、前記ワイパーロール部での
加圧が１００〜６００ｋｇであり、前記圧延機に使用す
る圧延油の粘度が４〜１２Ｓｔ（ｃｍ2 ／ｓｅｃ）であ
ることを特徴とする請求項２又は３のワイパー装置。 - 【請求項５】 圧延材の幅方向全幅に噴射するエアー量
は６０００〜８０００ｍ3 Ｎ／時、噴射圧力は４０００
〜５０００ｍｍ（Ｈ2 Ｏ）である請求項１〜４のいずれ
かの項に記載のワイパー装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08318759A JP3113590B2 (ja) | 1996-11-14 | 1996-11-14 | ワイパー装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08318759A JP3113590B2 (ja) | 1996-11-14 | 1996-11-14 | ワイパー装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10146611A true JPH10146611A (ja) | 1998-06-02 |
| JP3113590B2 JP3113590B2 (ja) | 2000-12-04 |
Family
ID=18102629
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP08318759A Expired - Lifetime JP3113590B2 (ja) | 1996-11-14 | 1996-11-14 | ワイパー装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3113590B2 (ja) |
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1043083A1 (en) * | 1998-10-26 | 2000-10-11 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Wiper for liquid substances |
| WO2006109380A1 (ja) * | 2005-04-12 | 2006-10-19 | Mitsubishi-Hitachi Metals Machinery, Inc. | 圧延機及び圧延方法 |
| CN102397892A (zh) * | 2011-11-15 | 2012-04-04 | 无锡市桥联冶金机械有限公司 | 带材表面除油装置 |
| US8499410B2 (en) | 2004-08-05 | 2013-08-06 | Kobe Steel, Ltd. | Deposit removing device |
| CN103611740A (zh) * | 2013-11-29 | 2014-03-05 | 中国重型机械研究院股份公司 | 动态多角度吹扫的除油辊组及其除油装置 |
| JP2014091075A (ja) * | 2012-11-02 | 2014-05-19 | Kowa Co Ltd | ロール及び洗浄装置 |
| CN105855306A (zh) * | 2016-05-27 | 2016-08-17 | 富威科技（吴江）有限公司 | 多段辊式铜带除油装置 |
| CN105921531A (zh) * | 2016-04-30 | 2016-09-07 | 中冶南方工程技术有限公司 | 刷洗机喷嘴角度自动调节机构 |
| CN111085502A (zh) * | 2019-12-20 | 2020-05-01 | 广西柳州银海铝业股份有限公司 | 油清洗机除油装置 |
| CN112207130A (zh) * | 2020-09-22 | 2021-01-12 | 武汉钢铁有限公司 | 用于轧机高速生产的组合刮油装置 |
| CN114769337A (zh) * | 2022-05-20 | 2022-07-22 | 陈洋 | 一种铜带加工设备 |
-
1996
- 1996-11-14 JP JP08318759A patent/JP3113590B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (16)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1043083A4 (en) * | 1998-10-26 | 2002-08-14 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | SCRAPER FOR LIQUIDS |
| US6643883B1 (en) | 1998-10-26 | 2003-11-11 | Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. | Wiper for liquid substances |
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| KR100916170B1 (ko) * | 2005-04-12 | 2009-09-08 | 미쯔비시 히다찌 세이떼쯔 기까이 가부시끼가이샤 | 압연기 및 압연 방법 |
| CN102397892A (zh) * | 2011-11-15 | 2012-04-04 | 无锡市桥联冶金机械有限公司 | 带材表面除油装置 |
| JP2014091075A (ja) * | 2012-11-02 | 2014-05-19 | Kowa Co Ltd | ロール及び洗浄装置 |
| CN103611740A (zh) * | 2013-11-29 | 2014-03-05 | 中国重型机械研究院股份公司 | 动态多角度吹扫的除油辊组及其除油装置 |
| CN105921531A (zh) * | 2016-04-30 | 2016-09-07 | 中冶南方工程技术有限公司 | 刷洗机喷嘴角度自动调节机构 |
| CN105921531B (zh) * | 2016-04-30 | 2018-04-17 | 中冶南方工程技术有限公司 | 刷洗机喷嘴角度自动调节机构 |
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| CN111085502A (zh) * | 2019-12-20 | 2020-05-01 | 广西柳州银海铝业股份有限公司 | 油清洗机除油装置 |
| CN112207130A (zh) * | 2020-09-22 | 2021-01-12 | 武汉钢铁有限公司 | 用于轧机高速生产的组合刮油装置 |
| CN114769337A (zh) * | 2022-05-20 | 2022-07-22 | 陈洋 | 一种铜带加工设备 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3113590B2 (ja) | 2000-12-04 |
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