JPH10145221A - 出力回路装置 - Google Patents

出力回路装置

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JPH10145221A
JPH10145221A JP8303213A JP30321396A JPH10145221A JP H10145221 A JPH10145221 A JP H10145221A JP 8303213 A JP8303213 A JP 8303213A JP 30321396 A JP30321396 A JP 30321396A JP H10145221 A JPH10145221 A JP H10145221A
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transistors
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高速性を損なわず、また消費電力を増大させず
にレーザダイオードのような低インピーダンス負荷を安
定に電流駆動できる出力回路装置を提供する。 【解決手段】コレクタが出力端子OUT1,OUT2に
接続された差動トランジスタQ1,Q2と低電流源I1
で構成される出力段差動回路1を備えた出力回路装置に
おいて、差動トランジスタ対Q1,Q2のオン側のトラ
ンジスタのベース・コレクタ間電圧とベース・エミッタ
間電圧が共に正極性で、かつコレクタ・エミッタ間電圧
が飽和電圧となるようにトランジスタQ1,Q2を駆動
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザダイオード
のような低インピーダンス負荷を高速で電流駆動するの
に適した出力回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】10Gbpsクラスの高速光通信用のレ
ーザダイオードを駆動する回路は、立ち上がり、立ち下
がり時間の短い高速信号を大きな電流出力に変換してレ
ーザダイオードに供給するために、出力段のトランジス
タサイズが大きいことが要求される。高速化のため通
常、出力段は一対のトランジスタで差動回路を構成し、
トランジスタのコレクタ側を負荷であるレーザダイオー
ドに接続する、いわゆるオープンコレクタ形式となって
いる。出力段の差動回路は、さらに前段の差動回路から
の信号がバッファ回路を介して与えられることによって
駆動される。
【0003】出力段差動回路を構成する差動トランジス
タ対は、入力信号に応じて数十mVのベース電位の変動
によってスイッチングが行われる。一方、ノイズマージ
ンを確保するために、回路は内部の信号振幅が数百mV
となるように設計される。従って、高速スイッチング時
にはベース電位の変動が出力段差動回路における差動ト
ランジスタ対の共通エミッタに数百mVの電位変動を与
える。この電位変動は、サイズの大きい出力段差動回路
のトランジスタの寄生容量に作用して過渡電流を発生さ
せ、動作の不安定化を招く。
【0004】また、差動トランジスタ対の共通エミッタ
の電位変動は、ベースに帰還されるが、ベースから前段
の回路を見た出力インピーダンスが有限値であるため、
ベースに帰還された電位変動は再び差動トランジスタ対
で増幅される。この現象が差動回路に生じる発振現象、
すなわちリンギング現象であり、これは出力電流波形を
劣化させる。
【0005】このリンギング現象に対処するために、従
来では出力段差動回路の差動トランジスタ対のベースに
入力される信号の波形を積分回路等で鈍らせ、立ち上が
りおよび立ち下がり時間を長くすることで発振が生じな
いようにするか、あるいは出力段差動回路の前段の回路
の出力インピーダンスをできる限り下げて、リンギング
現象を少なくする方法をとっていた。
【0006】しかし、前者の方法は必然的に高速性を損
なうことになり、高速信号の入力に対応して電流出力を
発生するという出力回路装置本来の機能を損なう。後者
の方法は、回路の消費電流を上げることになり、消費電
力の増大、発熱の増大といった問題を引き起こす。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、レーザ
ダイオードのような負荷を高速で電流駆動する出力回路
装置においては、出力段のトランジスタがトランジスタ
の本質的な特性から過渡電流の発生、リンギング現象の
発生などの不安定状態に陥るという問題がある。これを
回避するために、積分回路等を用いて出力段のトランジ
スタのベースに入力される信号の波形を鈍らせる方法
は、高速性を損なうという問題があり、また出力段の前
段回路の出力インピーダンスを下げる方法は、消費電力
が増大して発熱が大きくなるという問題があった。
【0008】本発明は、高速性を損なうことなく、また
消費電力の増大を伴うことなくレーザダイオードのよう
な低インピーダンス負荷を安定に駆動できる出力回路装
置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は制御電極を入力端子とし、第1主電極を出
力端子とするトランジスタを出力段に用いた出力回路装
置において、トランジスタのオン時の制御電極から第1
主電極および第2主電極をそれぞれ見た電圧が同一極性
となるように、好ましくはさらに第1主電極と第2主電
極間の電圧が該トランジスタの飽和電圧付近となるよう
に該トランジスタを駆動する手段を有することを特徴と
する。
【0010】また、本発明はこのような出力回路装置に
おいて、該トランジスタの制御電極および第1主電極の
少なくとも一方の電位を調整するための調整手段を有す
ることを特徴とする。
【0011】本発明における出力段のトランジスタとし
ては、制御電極と第1主電極間の接合電位差と、制御電
極と第2主電極間の接合電位差が異なるトランジスタ、
例えばへテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)を
用いることが望ましい。
【0012】さらに、本発明は第2主電極を共通接続し
て差動トランジスタ対を構成し、この差動トランジスタ
対の共通の前記第2主電極に接続された電流源を有する
出力段差動回路を備え、差動トランジスタ対のオン側の
トランジスタの制御電極から第1主電極および第2主電
極をそれぞれ見た電圧が同一極性となるように該差動ト
ランジスタを駆動する手段を有することを特徴とする。
【0013】この出力回路装置で使用するトランジスタ
は、バイポーラトランジスタおよび電界効果トランジス
タ(FET)のいずれであってもよく、バイポーラトラ
ンジスタの場合はベースが制御電極、コレクタが第1主
電極、エミッタが第2主電極にそれぞれ相当し、FET
の場合はゲートが制御電極、ドレインが第1主電極、ソ
ースが第2主電極にそれぞれ相当する。
【0014】本発明による出力回路装置の作用を出力段
のトランジスタにバイポーラトランジスタを用いた場合
を例にとって説明すると、出力段のトランジスタはオン
時にはベース・エミッタ間電圧Vbeおよびベース・コ
レクタ電圧Vbcが同一極性となるように駆動される。
例えば、出力段のトランジスタがNPNトランジスタの
場合、このトランジスタは従来の出力回路装置ではVb
eが正極性、Vbcが負極性の条件で駆動されるのに対
して、本発明ではVbeおよびVbcが共に正極性の電
圧となるように駆動される。
【0015】また、このときトランジスタが飽和状態と
なるように、すなわちコレクタ・エミッタ間電圧Vce
が飽和電圧付近となるようにVbe,Vbcを設定し
て、トランジスタを飽和状態にすることが望ましい。こ
の状態ではベースへの入力信号がコレクタ側に抜ける分
があるため、トランジスタの増幅率は劣化する。
【0016】ここで、へテロ接合バイポーラトランジス
タ(HBT)のように、ベース・コレクタ間電流Ibc
がコレクタ電流Icの増幅に寄与しない項が支配的なト
ランジスタでは、Ibcはベースからコレクタを通して
エミッタに流れる成分のみであり、コレクタ電流Icと
して出力には現れない。この場合、出力段のトランジス
タのスイッチングに伴うエミッタ電位の変動は従来の出
力回路装置と同様にベースに帰還されるが、べース電位
の変動によるコレクタ電流Icの変動は、ベース・エミ
ッタ間電圧Vbeの変動に指数関数的に比例する項と、
ベース・コレクタ間電流Ibcとの和で近似される。
【0017】リンギング発生時は、ベース・エミッタ間
電圧Vbeの解が振動項を持つ状態であり、この項を消
去することは原理的に不可能である。従って、Vbeの
振動的変動に対してコレクタ電流Icが振動的に追従し
ようとするが、本発明の条件に従うと、すなわちVb
e,Vbcが共に正極性の電圧となるようにトランジス
タを駆動すると、Ic,Vbe,Vbcの値を適切に調
整することで、ベース・コレクタ間電流Ibcの変動に
よってコレクタ電流Icの変動を補償することができ、
リンギングによる出力電流波形の変動が軽減もしくは防
止される。
【0018】そして、この場合さらにトランジスタをオ
ン時に飽和状態とすれば、Ibcの変動の大きさをIc
の変動が相殺される程度にまで大きくすることができ、
一層効果的となる。
【0019】このように本発明の出力回路装置では、高
速動作時の安定性を増すことができるため、リンギング
等の発振現象を抑制して、立ち上がりおよび立ち下がり
時間の短い高速の出力電流波形を出力することが可能と
なる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
従って説明する。以下の実施形態では、トランジスタに
NPN型バイポーラトランジスタを用いた場合について
説明するが、PNP型バイポーラトランジスタを用いて
もよく、またNチャネル型あるいはPチャネル型のFE
Tを用いてもよい。
【0021】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態に係る出力回路装置の回路図である。この出
力回路装置は、大きく分けて出力段差動回路1、前段差
動回路2、および出力段差動回路1と前段差動回路2の
間に挿入されたバッファ回路3からなる。
【0022】出力段差動回路1は、エミッタが共通接続
されたトランジスタQ1,Q2からなる差動トランジス
タ対と、トランジスタQ1,Q2の共通エミッタと回路
電源V1の低電位側(この例ではマイナス側)に接続さ
れた定電流源I1により構成される。トランジスタQ
1,Q2のコレクタは一対の出力端子OUT1,OUT
2にそれぞれ接続されており、出力端子OUT1は終端
負荷抵抗R4を介して回路電源V1の高電位側(この例
では接地側)に直接接続され、出力端子OUT2は終端
負荷抵抗R5および負荷であるレーザダイオードLDを
介して回路電源V1の高電位側に接続されている。な
お、トランジスタQ1,Q2としては、例えばへテロ接
合バイポーラトランジスタ(HBT)が用いられる。
【0023】前段差動回路2は、エミッタが共通接続さ
れたトランジスタQ7,Q8からなる差動トランジスタ
対と、トランジスタQ7,Q8の共通エミッタに接続さ
れた定電流源I6と、トランジスタQ7,Q8のコレク
タにそれぞれの一端が接続された負荷抵抗R1,R2
と、これら負荷抵抗R1,R2の他端と回路電源V1の
接地側との間に接続されたレベルシフト抵抗R3により
構成されており、一対の入力端子IN1,IN2に入力
される差動入力信号を電圧増幅してバッファ回路3へ供
給する。差動入力信号は、例えば数Gbps〜10Gb
psオーダの高速パルス列からなる。
【0024】ここで、レベルシフト抵抗R3は、負荷抵
抗R1,R2の回路電源V1側(この例では接地側)の
電位を負方向にシフトするために設けられており、バッ
ファ回路3を介して出力段差動回路1のトランジスタQ
1,Q2のベース電位を負方向にシフトする働きを持
つ。
【0025】バッファ回路3は、前段差動回路2の出力
信号を信号レベルと出力インピーダンスを所定量だけ下
げて出力段差動回路1に供給する回路であり、トランジ
スタとそのエミッタ負荷としての定電流源からなるエミ
ッタフォロワを複数個用いて構成される。すなわち、前
段差動回路のトランジスタQ7のコレクタからの出力
は、トランジスタQ5と定電流源I5およびトランジス
タQ3と定電流源I3からなる二段のエミッタフォロワ
を介して出力段差動回路1のトランジスタQ1のベース
に供給される。また、前段差動回路のトランジスタQ8
のコレクタからの出力も同様に、トランジスタQ6と定
電流源I6およびトランジスタQ4と定電流源I4から
なる二段のエミッタフォロワを介して出力段差動回路1
のトランジスタQ2のベースに供給される。
【0026】次に、本実施形態の出力回路装置の動作を
説明する。入力端子IN1,IN2に差動入力信号が入
力されたときの出力段差動回路のトランジスタQ1,Q
2のベースに入力される信号の電位は、前段差動回路2
のレベルシフト抵抗R3での電圧降下と、バッファ回路
3のエミッタフォロワでの電圧降下で決定される。
【0027】例えば、回路電源V1が0/−7V(高電
位側が0V、低電位側が−7V)の条件で、トランジス
タQ7,Q8がそれぞれオンの時のレベルシフト抵抗R
3での電圧降下が1V、前段差動回路2の負荷抵抗R
1,R2の両端に生じる信号振幅が0.5Vであり、エ
ミッタフォロワ一段当たりの電位降下がそれぞれ1.3
Vであるとすると、トランジスタQ1,Q2のベースに
入力される信号のハイレベル(Q1,Q2のオン時のレ
ベル)は、−(1+0+1.3+1.3)=−3.6
V、ローレベル(Q1,Q2のオフ時のレベル)は、−
(1+0.5+1.3+1.3)=−4.1Vとなる。
【0028】一方、トランジスタQ1,Q2のコレクタ
電位は終端負荷抵抗R4,R5の両端に生じる信号振幅
で決定され、Q1,Q2の飽和電圧(飽和時のコレクタ
・ベース間電圧)を0.5Vとすると、Q1,Q2のオ
ン時のベース・エミッタ間電圧を1.3Vとして、コレ
クタ電位のローレベル(Q1,Q2のオン時のレベル)
が−3.6−1.3+0.5=−4.4V以下の場合
に、Q1,Q2は飽和状態となる。
【0029】図2に、この条件での出力段差動回路1の
トランジスタ単体の等価回路モデルを示す。このモデル
では、ベース・コレクタ間の接合ダイオードD1と、ベ
ース・エミッタ間の接合ダイオードD2およびコレクタ
・エミッタ間の定電流源Iaでトランジスタを表現して
いる。
【0030】ベース・コレクタ間電圧Vbcによる電流
増幅が無い場合、定電流源Iaの値は、 Ia=Is exp(Vbe/Vt)+Ibc で表すことができる。ここで、Vbeはベース・エミッ
タ間電圧、Vt=kT/q(k:ボルツマン定数、T:
絶対温度、q:素電荷)、Isは接合飽和電流、Ibc
はベース・コレクタ間電流である。このモデルでエミッ
タ電位の不安定性による変動が生じた場合、この変動は
ベース電位に帰還され、再びベース・エミッタ間電圧V
beの変動に寄与してIaの値に影響を与え、コレクタ
電流を変動させることになり、トランジスタの不安定性
が持続する。
【0031】しかし、本発明によると、ベース・コレク
タ間電流Ibcの値を適当に調整することにより、ベー
ス・エミッタ間電圧Vbeのリンギングによる変動分か
ら起こるコレクタ電流Icの変動をベース・コレクタ間
電流Ibcによって補償することが可能である。
【0032】特に、図3に示すように、出力段差動回路
1のトランジスタQ1,Q2をオン時に領域A、すなわ
ち飽和領域で動作させると、IbcをIcの変動が補償
されるに適当な値まで大きくすることができる。因み
に、従来の出力回路装置では、出力段差動回路のトラン
ジスタはオン時には図3の領域Bに示される活性領域で
動作している。なお、トランジスタがHBTの場合、図
3に示されるように飽和領域Aでのコレクタ・エミッタ
間電圧Vceは0.2〜0.3V程度であり、活性領域
BでのVceは2〜3V程度である。
【0033】一方、入力端子IN1,IN2からの差動
入力信号に対しては、トランジスタQ1,Q2のコレク
タ・エミッタ間電位Vceはベース電位がオン状態とな
った条件で、すなわちベース・エミッタ間電圧Vbeが
正になったとき飽和状態となり、トランジスタQ1,Q
2の信号入力によるスイッチングの過渡時は、飽和状態
に達する以前の条件であるため、Ibc=0である。従
って、スイッチングの立ち上がりおよび立ちがり時の出
力電流波形は、何ら劣化することはない。
【0034】従って、コレクタ外部から見たコレクタ電
流の変動は、入力信号波形を忠実に再現した良好な波形
として出力される。図4は、本実施形態による出力回路
装置の信号出力電流の時間変動を示し、図5にはこのと
きのコレクタ・ベース間電圧Vcb、ベース電位Vbお
よびエミッタ電位Veの時間変動の測定結果を示す。図
4に示されるように、信号出力電流波形はリンキング等
による振動を生じておらず、良好な矩形波となってい
る。また、図5に示されるように、このときのコレクタ
・ベース間電圧Vcbは、べース電位Vbがハイレベル
のとき、つまりトランジスタのオン時に−1.2V前後
まで低くなっており、飽和状態にあることが明らかであ
る。
【0035】一方、従来の出力回路装置のようにコレク
タ・エミッタ間電圧Vceを常に活性領域となるような
条件に電位条件を与えた場合の信号出力電流の時間変動
を図6に示し、図7にはこのときのコレクタ・ベース間
電圧Vcb、ベース電位Vbおよびエミッタ電位Veの
時間変動の測定結果を示す。図6に示されるように、信
号出力電流波形には大きな振幅の持続的な振動波形、す
なわちリンギングが発生している。また、図7に示され
るように、このときのコレクタ・ベース間電圧Vcbは
飽和状態まで至らず、活性領域で電圧波形が振動してい
る。さらに、ベース電位Vbもリンギングのために真の
信号波形が判別できない状態となっている。
【0036】このように本実施形態の出力回路装置によ
ると、レーザダイオードLDのような負荷を高速で電流
駆動する場合においても、リンギングのような不安定現
象を回避することが可能であり、負荷に良好な矩形波の
出力電流を供給することができる。
【0037】また、リンギングの発生を避けるために従
来のように積分回路などでトランジスタに入力する信号
波形を鈍らせる必要がないので、高速性が損なわれるこ
ともない。
【0038】さらに、リンギングの解消のために出力段
差動回路1に信号を供給するバッファ回路3の出力イン
ピーダンスを極端に下げる必要もないので、消費電流が
減少し、消費電力の増大とそれによる発熱の増大という
問題が生じない。
【0039】(第2の実施形態)図8は、本発明の第2
の実施形態に係る出力回路装置の回路図である。本実施
形態は、前段差動回路2におけるトランジスタQ7,Q
8のコレクタに接続された負荷抵抗のR1,R2の接地
側に、レベルシフト抵抗R3と並列に可変電圧源V2を
挿入した点が先の実施形態と異なっている。
【0040】本実施形態によれば、可変電圧源V2の電
圧を調整することにより、前段差動回路2の負荷抵抗R
1,R2の接地側の電位、つまりトランジスタQ7,Q
8のコレクタ側の電位を変化させ、結果的に前段差動回
路2からバッファ回路3を介して出力段差動回路1のト
ランジスタQ1,Q2のベースに与える信号の電位を調
整することが可能となる。
【0041】従って、出力回路装置の出力条件の変動等
によってトランジスタQ1,Q2のコレクタ電位が変化
した場合でも、Q1,Q2のオン時にベース・エミッタ
間電圧およびベース・コレクタ間電圧を共に正極性に保
ち、かつQ1,Q2を飽和状態に保つことができる。
【0042】(第3の実施形態)図9は、本発明の第3
の実施形態に係る出力回路装置の回路図である。本実施
形態は、出力段差動回路1のコレクタに出力端子OUT
1,OUT2を介して接続された負荷である、終端負荷
抵抗R4,R5およびレーザダイオードLDの接地側
に、可変電圧源V3を挿入した点がこれまでの実施形態
と異なっている。
【0043】本実施形態によると、可変電圧源V3の電
圧を調整することにより、終端負荷抵抗R4,R5およ
びレーザダイオードLDの接地側、すなわちトランジス
タQ1,Q2のコレクタ側の電位を変化させ、結果的に
出力段差動回路1のトランジスタQ1,Q2のコレクタ
電位を調整することが可能となる。
【0044】従って、第2の実施形態と同様に、出力回
路装置の出力条件の変動等によりトランジスタQ1,Q
2のコレクタ電位が変化した場合でも、Q1,Q2のオ
ン時にベース・エミッタ間電圧およびベース・コレクタ
間電圧を共に正極性に保ち、かつQ1,Q2を飽和状態
に保つことができるという効果が得られる。
【0045】本発明は、上記実施形態に限られるもので
なく、種々変形して実施することが可能であり、例えば
第2の実施形態で説明した可変電圧源V2と第3の実施
形態で説明した可変電圧源V3を組み合わせて用い、出
力段差動回路1のトランジスタQ1,Q2のベース電位
およびコレクタ電位の両方を調整できるように構成して
もよい。また、トランジスタQ1,Q2のベース電位、
コレクタ電位の調整手段は図8、図9に示した可変電圧
源V2,V3に限られるものではない。
【0046】さらに、上記実施形態では出力段およびそ
の前段の回路が全て差動回路で構成されている場合につ
いて説明したが、本発明は出力段が単一のトランジスタ
で構成された出力回路装置にも適用することが可能であ
る。出力段のトランジスタとしては、前述したようにP
NPトランジスタを用いてもよく、またFETを用いて
もよい。FETを用いる場合、特にMESFETまたは
HEMTが本発明の条件を満たす上で有効である。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば高
速性を損なわず、しかも消費電力を増大させることな
く、出力電流波形をリンギング等によって劣化させない
出力回路装置を提供することができる。従って、本発明
の出力回路装置は高速光通信用のレーザダイオードのよ
うな高速動作が要求される低インピーダンス負荷のドラ
イバ回路として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る出力回路装置の
構成を示す回路図
【図2】同実施形態における出力段差動回路のトランジ
スタ単体の等価回路モデルを示す図
【図3】本発明の出力回路装置と従来の出力回路装置に
おける出力段差動回路のトランジスタの動作領域を比較
して示す図
【図4】同実施形態に係る出力回路装置の出力電流波形
を示す図
【図5】同実施形態に係る出力回路装置における出力段
差動回路のトランジスタのベース・コレクタ間電圧とベ
ース電位およびエミッタ電位の時間変動を示す図
【図6】出力段差動回路のトランジスタの活性状態を保
った条件の従来の出力回路装置の出力電流波形を示す図
【図7】同じく従来の出力回路装置における出力段差動
回路のトランジスタのベース・コレクタ間電圧とベース
電位およびエミッタ電位の時間変動を示す図
【図8】本発明の第2の実施形態に係る出力回路装置の
構成を示す回路図
【図9】本発明の第3の実施形態に係る出力回路装置の
構成を示す回路図
【符号の説明】
1…出力段差動回路 2…前段差動回路 3…バッファ回路 Q1,Q2…出力段差動回路の差動トランジスタ対 Q3,Q4,Q5,Q6…エミッタフォロワのトランジ
スタ Q7,Q8…前段差動回路の差動トランジスタ対 IN1,IN2…差動信号入力端子 R1,R2…前段差動回路の負荷抵抗 R3…レベルシフト抵抗 R4,R5…終端負荷抵抗 LD…レーザダイオード I1〜I6…定電流源 V1…回路電源 V2…ベース電位調整用可変電圧源 V3…コレクタ電位調整用可変電圧源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04B 10/04 10/06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御電極を入力端子とし、第1主電極を出
    力端子とするトランジスタを出力段に用いた出力回路装
    置において、 前記トランジスタのオン時の制御電極から第1主電極お
    よび第2主電極をそれぞれ見た電圧が同一極性となるよ
    うに該トランジスタを駆動する手段を有することを特徴
    とする出力回路装置。
  2. 【請求項2】制御電極を入力端子とし、第1主電極を出
    力端子とするトランジスタを出力段に用いた出力回路装
    置において、 前記トランジスタのオン時の制御電極から第1主電極お
    よび第2主電極をそれぞれ見た電圧が同一極性で、かつ
    第1主電極と第2主電極間の電圧が該トランジスタの飽
    和状態電圧付近となるように該トランジスタを駆動する
    手段を有することを特徴とする出力回路装置。
  3. 【請求項3】前記トランジスタの制御電極および第1主
    電極の少なくとも一方の電位を調整するための調整手段
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載の出
    力回路装置。
  4. 【請求項4】前記トランジスタとして、制御電極と第1
    主電極間の接合電位差と、制御電極と第2主電極間の接
    合電位差が異なるトランジスタを用いることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか1項に記載の出力回路装置。
  5. 【請求項5】前記第2主電極を共通接続して差動トラン
    ジスタ対を構成し、この差動トランジスタ対の共通の前
    記第2主電極に接続された電流源を有する出力段差動回
    路を備え、 前記差動トランジスタ対のオン側のトランジスタの制御
    電極から第1主電極および第2主電極をそれぞれ見た電
    圧が同一極性となるように該差動トランジスタ対を駆動
    する手段を有することを特徴とする請求項1〜のいずれ
    か1項に記載の出力回路装置。
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