JPH10144474A - ダイヤモンド膜を有する発光素子及び平面パネルディスプレイ - Google Patents

ダイヤモンド膜を有する発光素子及び平面パネルディスプレイ

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JPH10144474A
JPH10144474A JP8304762A JP30476296A JPH10144474A JP H10144474 A JPH10144474 A JP H10144474A JP 8304762 A JP8304762 A JP 8304762A JP 30476296 A JP30476296 A JP 30476296A JP H10144474 A JPH10144474 A JP H10144474A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下部電極と蛍光膜との間を真空状態にするこ
となく、低消費電力で安定した発光を得ることができる
ダイヤモンド膜を有する発光素子及び平面パネルディス
プレイを提供する。 【解決手段】 基体32上に下部電極21が形成されて
おり、下部電極21上には気相合成によるダイヤモンド
膜27が形成されている。また、ダイヤモンド膜27上
には蛍光薄膜25及び上部電極24が順次積層されてお
り、上部電極24上には選択的に配線用電極23が形成
されている。更に、配線用電極23及び下部電極21は
電源29に接続されている。そして、例えば、下部電極
21に正の電圧を印加すると、下部電極21からダイヤ
モンド膜27にホールが注入される。更に、このホール
はダイヤモンド膜27中において加速され、蛍光薄膜2
5をエネルギー励起して蛍光を発し、上部電極24に到
達する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダイヤモンド膜を有
する発光素子及び平面パネルディスプレイに関し、特
に、低消費電力で高輝度の発光を得ることができる発光
素子及び平面パネルディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドは耐熱性が優れ、エネルギ
ーギャップが5.5eVと大きいことが特徴であり、通
常は絶縁体であるが、不純物をドーピングすることによ
り半導体化することができる。また、ダイヤモンドは絶
縁破壊電圧及び飽和ドリフト速度が大きいと共に、誘電
率が小さいという優れた電気的特性を有する。更に、ダ
イヤモンドは熱伝導率が室温において種々の物質中で最
高値を示し、比熱が小さいことも公知である。
【0003】ダイヤモンドの気相合成法としては、例え
ば、マイクロ波気相化学蒸着(マイクロ波CVD)法が
ある(特公昭59−27754、特公昭61−3320
等)。また、他にも、高周波プラズマCVD法、熱フィ
ラメントCVD法、直流プラズマCVD法、プラズマジ
ェット法、燃焼法及び熱CVD法等がある。これらの気
相合成法によると、非ダイヤモンド材料からなる基板上
に、膜状のダイヤモンドを低コスト及び大面積で得るこ
とができる。
【0004】近時、真空中でダイヤモンド膜に対向した
位置に蛍光剤が塗布された電極を配置した発光素子が提
案されている。これは、ダイヤモンド膜と電極との間に
強い電圧を印加して、ダイヤモンド膜から真空中に電子
を放出させ、真空中で電子を加速して蛍光剤を励起させ
ることにより蛍光剤を発光させるものである。また、ダ
イヤモンド膜の代わりに、シリコン又は金属を使用した
発光素子も提案されている(伊藤順司、「真空マイクロ
エレクトロニクス」、応用物理、第59巻、第2号、1
990年、及び横尾邦義、「真空マイクロエレクトロニ
クス−新しい真空素子の世界−」、電気学会誌、112
巻、4号、1992(Journal of IEEEJapan, Vol.112,
No.4(1992)))。
【0005】図12はシリコンを使用した発光素子の一
例を示す断面図である。以下、これを第1の従来例とい
う。シリコン基板1は電気絶縁性基板12の上に形成さ
れており、その表面が微細加工されて、円錐形状のシリ
コン電子エミッタ2を有している。そして、エミッタ2
が形成された面に対向して、これに離間した位置に蛍光
電極6が配置されており、両者の間に形成された空間7
は高真空状態に保持されている。この蛍光電極6は透明
なガラス基板3上に透明電極4及び蛍光薄膜5を順次積
層することにより形成されたものであり、蛍光薄膜5側
をエミッタ2に対向させて配置されている。また、ガラ
ス基板3及びシリコン基板1には電源9が接続されてお
り、蛍光電極6とシリコン基板1との間に電圧を印加す
ることができるようになっている。
【0006】このように形成された第1の従来例に係る
発光素子においては、蛍光電極6とシリコン基板1との
間に電圧を印加すると、シリコン電子エミッタ2から蛍
光電極6に向かって電子8が放出され、この電子8が蛍
光薄膜5を励起することにより蛍光を発する。
【0007】また、図13はシリコンを使用した平面パ
ネルディスプレイの発光要素を示す断面図である。以
下、これを第2の従来例という。図13に示す発光要素
が第1の従来例に示す発光素子と異なる点は、シリコン
基板1上にエミッタ2を取り囲む絶縁層11が形成され
ており、この絶縁膜11上にはエミッタ2の先端部を取
り囲む穴が設けられたゲート電極10が形成されている
点のみである。従って、図13において図12に示すも
のと同一物には同一符号を付して、その詳細な説明は省
略する。
【0008】図13に示す平面パネルディスプレイの発
光要素においても、蛍光電極6とシリコン基板1との間
に電圧を印加すると、シリコン電子エミッタ2から蛍光
電極6に向かって電子8が放出され、この電子8が蛍光
薄膜5を励起することにより蛍光を発する。但し、第2
の従来例においては、エミッタ2の先端部の周辺にゲー
ト電極10が配置されているので、このゲート電極10
に負電圧を印加することによって、電子8の流量を抑制
することができる。従って、電子8の流量を調整するこ
とにより、輝度を制御することができる。
【0009】また、これらの第1及び第2の従来例にお
いては、蛍光薄膜5の材料を変化させることにより、
赤、黄及び青の3原色又はその中間色を自由に発光させ
ることができ、単一の発光素子又は複数の発光素子を1
次元又は2次元的に配列したディスプレイを構成するこ
ともできる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1及
び第2の従来例に示す電子エミッタ2は、その材料とし
てシリコンが使用されているので、素子の動作中に発す
る熱によって電子エミッタ2の先端の曲率半径が大きく
なり、エミッタの電子放出特性が急速に劣化するという
問題点がある。また、図12及び13に示す空間7は高
真空状態ではあるが、酸素等のガスが微量に存在するの
で、この酸素がシリコンと反応して、シリコン基板1及
び電子エミッタ2の表面に電気絶縁性のSiO2膜が生
成される。従って、これによっても電子エミッタ2の電
子放出特性が劣化する。このように、従来のシリコン電
子エミッタ素子は寿命が短く、大電力に耐えることがで
きないので、実用化が困難であった。
【0011】ところで、ダイヤモンド薄膜に電圧を印加
することにより電子放出が起こることは公知である(C.
Wang, A.Garcia, D.C.Ingram, M.Lake and M.E.Kordesc
h, Electronics Letters, Vol.27, No.16, p.1459, Aug
ust 1991)。そこで、電子エミッタの材料として、気相
合成によって形成されたダイヤモンド粒子又はダイヤモ
ンド膜を使用することもできる。また、ダイヤモンド膜
中の電界が104(V/cm)以上であれば、電子がフ
ォノンとの相互作用によって、エネルギーを失うことな
くダイヤモンド膜中を移動することも報告されている
(Z.-H.Huang etal, Applied Physics Letters, Vol.6
7, No.9, p.1235 (1995))。
【0012】しかしながら、電子エミッタの材料として
ダイヤモンド膜を使用した場合、電流量が10(mA/
cm2)となり、集積化したシリコン電子放出素子アレ
イの場合の1000(mA/cm2)と比較して極めて
小さく、発光輝度が小さいという問題点がある。また、
このような電子エミッタを使用して平面ディスプレイを
製造する場合、電子エミッタに対向する電子引き出し電
極の間隔を厳密に一定に保持しないと、表示ムラが発生
してしまう。しかし、ミクロン単位以下の精度で電極の
間隔を厳密に一定に保つことは、極めて困難である。
【0013】上述の問題点は、全て電子放出材料がシリ
コン、金属及びダイヤモンド等のいずれの材料を使用し
ても回避することができない問題点であり、エミッタと
蛍光電極との間に空間を有すること及びこの空間が真空
であることが起因している。
【0014】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、下部電極と蛍光膜との間を真空状態にする
ことなく、低消費電力で安定した発光を得ることができ
るダイヤモンド膜を有する発光素子及び平面パネルディ
スプレイを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係るダイヤモン
ド膜を有する発光素子は、キャリアを注入する下部電極
と、前記下部電極の表面上に形成され前記キャリアを輸
送する気相合成ダイヤモンド膜と、前記気相合成ダイヤ
モンド膜の表面上に形成され前記キャリアによる励起に
よって蛍光を発する蛍光膜と、前記蛍光膜の表面上に形
成され前記キャリアが輸送される上部電極と、を有する
ことを特徴とする。
【0016】本発明の発光素子においては、キャリアを
注入する下部電極と蛍光薄膜との間に、気相合成ダイヤ
モンド膜が形成されている。前述の如く、ダイヤモンド
膜中の電界が104(V/cm)以上であれば、電子は
フォノンとの相互作用によって、エネルギーを失うこと
なくダイヤモンド中を高速で移動することができる。即
ち、このような高電界状態において、キャリアはダイヤ
モンド膜中を真空中の場合と同様に高速で移動させるこ
とができる。従って、従来の発光素子においては下部電
極と蛍光薄膜との間に形成された空間が真空状態であっ
たため、電子放出特性の劣化、エミッタ素子の寿命の低
下及び大電力に対する耐性の低下等の問題点があった
が、本発明においては、これらの種々の特性の劣化を防
止することができる。
【0017】本発明においては、キャリアはホールとす
ることが可能である。
【0018】また、下部電極は、白金又は白金を50原
子%以上含有する合金からなることが好ましく、下部電
極の表面は凹凸を有することが望ましい。下部電極の材
料が上記の如く選択されていると、その上に蒸着するダ
イヤモンド膜の膜質を向上でき、下部電極の表面に凹凸
が形成されていると、キャリアの注入効率を向上でき
る。従って、いずれの場合についても、より一層低電圧
で高輝度の発光が得られる。
【0019】更に、気相合成ダイヤモンド膜はアンドー
プダイヤモンド膜又は1×1018(/cm3)未満のボ
ロン濃度を有するボロンドープダイヤモンド膜であって
もよい。また、このボロン濃度は前記気相合成ダイヤモ
ンド層の厚さ方向に連続的に変化していてもよい。更に
また、キャリアがホールである場合には、気相合成ダイ
ヤモンド膜は、前記下部電極側から1μm以下の領域
に、ボロン濃度が1×1018(/cm3)以上である高
ボロン濃度層を有すると、ホールの注入効率が向上す
る。
【0020】更にまた、上部電極は透明導電膜とするこ
とができる。この発光素子は前記気相合成ダイヤモンド
膜中の電界を104(V/cm)以上としたときに、視
認できる強度で発光することが好ましい。なお、本発明
においては、前記下部電極の下面に電気絶縁性の基体を
有していてもよい。
【0021】本発明に係る平面パネルディスプレイは、
キャリアを注入する下部電極と、前記下部電極の表面上
に形成され、前記キャリアを輸送する気相合成ダイヤモ
ンド膜と、前記気相合成ダイヤモンド膜の表面に選択的
に形成され、前記キャリアの流量を制御するゲート電極
と、前記気相合成ダイヤモンド膜の表面上に形成され、
前記キャリアによる励起によって蛍光を発する蛍光膜
と、前記蛍光膜の表面上に形成され、前記キャリアが輸
送される上部電極と、を有する発光要素を有することを
特徴とする。
【0022】本発明の平面パネルディスプレイにおいて
は、発光素子と同様に、キャリアを注入する下部電極と
蛍光薄膜との間に、気相合成ダイヤモンド膜が形成され
ているので、両者間を真空状態にすることなく、キャリ
アを高速で移動することができる。従って、電子放出特
性の劣化、エミッタ素子の寿命の低下及び大電力に対す
る耐性の低下等を防止することができる。また、本発明
においては、ダイヤモンド膜の表面にゲート電極が形成
されているので、このゲート電極に電圧を印加すること
によって、下部電極から注入されるキャリアの流量を制
御することができる。従って、ゲート電極に印加する電
圧を変化させることにより、輝度を制御することができ
る。
【0023】本発明においては、キャリアをホールとす
ることが可能である。
【0024】また、この平面パネルディスプレイは、前
記ゲート電極と前記気相合成ダイヤモンド膜との間に、
電気絶縁性の中間層を有することが好ましい。ゲート電
極と気相合成ダイヤモンド膜との間に電気絶縁性の中間
層が形成されていると、ゲート電極からのリーク電流を
抑制することができる。更に、下部電極が、白金又は白
金を50原子%以上含有する合金であると、ダイヤモン
ド膜の膜質が良好となり、下部電極の表面が凹凸を有す
ると、電界集中のために、キャリア注入効率が向上す
る。
【0025】更にまた、気相合成ダイヤモンド膜はアン
ドープダイヤモンド膜又は1×1018(/cm3)未満
のボロン濃度を有するボロンドープダイヤモンド膜であ
ってもよい。また、このボロン濃度は前記気相合成ダイ
ヤモンド層の厚さ方向に連続的に変化していてもよい。
更に、気相合成ダイヤモンド膜は、前記下部電極側から
1μm以下の領域に、ボロン濃度が1×1018(/cm
3)以上である高ボロン濃度層を有すると、キャリアの
注入効率が向上する。
【0026】更にまた、上部電極は透明導電膜とするこ
とができる。この発光素子は前記気相合成ダイヤモンド
膜中の電界を104(V/cm)以上としたときに、視
認できる強度で発光することが好ましい。なお、本発明
においては、前記下部電極の下面に電気絶縁性の基体を
有していてもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は本発明の第1の実施例に係
る発光素子を示す断面図である。図1に示すように、基
体32上に下部電極21が形成されており、下部電極2
1上には気相合成によるダイヤモンド膜27が形成され
ている。また、ダイヤモンド膜27上には蛍光薄膜25
及び上部電極(透明電極)24が順次積層されており、
上部電極(透明電極)24上には選択的に配線用電極2
3が形成されている。更に、配線用電極23及び下部電
極21は電源29に接続されている。
【0028】このように構成された第1の実施例におい
ては、例えば、下部電極21に負の電圧を印加すると、
下部電極21からダイヤモンド膜27にキャリア28と
しての電子が注入される。そして、この電子はダイヤモ
ンド膜27中において加速され、蛍光薄膜25を励起し
て蛍光を発し、更に、上部電極(透明電極)24から配
線用電極23に移動する。一方、下部電極21に正の電
圧を印加すると、キャリア28として、電子の代わりに
ホールが下部電極21からダイヤモンド膜27中に注入
される。この場合においても同様に、ホールはダイヤモ
ンド膜27中において加速され、蛍光薄膜25を励起す
ることによって蛍光を発し、上部電極24に到達する。
【0029】本実施例においては、キャリア(電子又は
ホール)28を注入する下部電極21と、このキャリア
28による励起によって蛍光を発する蛍光薄膜25との
間に、気相合成ダイヤモンド膜27が形成されている。
前述の如く、ダイヤモンド膜中の電界が104(V/c
m)以上であれば、キャリア28はフォノンとの相互作
用によって、エネルギーを失うことなくダイヤモンド中
を高速で移動することができる。即ち、このような高電
界状態において、キャリア28はダイヤモンド膜27中
を真空中の場合と同様に高速で移動することができる。
従って、従来の発光素子においては、下部電極と蛍光薄
膜との間に形成された空間が真空状態であったため、電
子放出特性の劣化、エミッタ素子の寿命の低下及び大電
力に対する耐性の低下等の問題点があったが、本実施例
においてはこのような特性の劣化を防止することができ
る。
【0030】本実施例において、下部電極21の材料と
しては、導電性を有するものであれば例えば、金属、セ
ラミックス、ダイヤモンド等のどのような材料でも使用
することができ、これらを積層した積層材を使用しても
よい。但し、ダイヤモンド膜27は気相合成により下部
電極21上に形成するので、下部電極21は気相合成に
必要とされる温度、例えば、400乃至1000℃の温
度に対して、耐熱性を有するものである必要がある。
【0031】本願発明者等は、白金又は白金を50原子
%以上含有する合金を基板としてダイヤモンド膜を気相
合成すると、結晶中の欠陥密度が小さく、結晶方位がそ
ろった高品質のダイヤモンド膜を得ることができること
を確認している。従って、白金又は白金を50原子%以
上含有する合金を下部電極21として使用することが最
も望ましい。また、ダイヤモンド膜を気相合成する下地
(下部電極)として、白金等のような金属(金属薄膜)
を使用すると、蛍光薄膜25による発光を反射する効果
も得ることができる。
【0032】図2は本発明の第2の実施例に係る発光素
子を示す断面図である。図2に示す第2の実施例が第1
の実施例と異なる点は、基体及び下部電極の表面に凹凸
を形成した点のみであるので、図2において図1に示す
ものと同一物には同一符号を付して、その詳細な説明は
省略する。即ち、第1の実施例においては、下部電極2
1の表面は平坦であったが、第2の実施例は基体32a
の表面に凹凸が形成されているので、その表面上に積層
された下部電極21aにおいても、その表面に凹凸が形
成されている。
【0033】このように構成された第2の実施例におい
ても、第1に示す実施例と同様の効果を得ることができ
る。また、例えば、下部電極21aに負の電圧を印加す
ることによって、下部電極21aからダイヤモンド膜2
7にキャリア(電子)28が注入されるが、下部電極2
1aの表面には凹凸が形成されているので、突起部33
の先端からキャリア28が注入されやすくなり、第1の
実施例と比較して、電子注入効率を向上させることがで
きる。
【0034】なお、下部電極21又は21aから注入さ
れたキャリア28は、ダイヤモンド膜27中において加
速されるので、ダイヤモンド膜27は、欠陥密度が小さ
いことが望ましい。従って、ダイヤモンド膜27はアン
ドープであるか、又はボロンが1×1018(/cm3
未満の濃度範囲でダイヤモンド膜中にドープされている
ことが好ましい。また、ボロン濃度はダイヤモンド膜2
7の厚さ方向に連続的に変化していても、同様の効果を
得ることができる。
【0035】図3は本発明の第3の実施例に係る発光素
子を示す断面図である。図3に示す第3の実施例が第1
の実施例と異なる点は、気相合成ダイヤモンド膜27の
下部電極21側から約1μm以下の領域において、1×
1018(/cm3)以上の濃度でボロンがドープされた
高ボロン濃度層34を形成した点のみであるので、図3
において図1に示すものと同一物には同一符号を付し
て、その詳細な説明は省略する。このように構成された
第3の実施例においては、下部電極21に正の電圧を印
加した場合、即ち、キャリア28がホールである場合に
は、下部電極21からのホールの注入効率が向上するの
で、より一層低電圧で発光を得ることができる。
【0036】図4は本発明の第4の実施例に係る平面パ
ネルディスプレイの発光要素を示す断面図である。図4
に示す平面パネルディスプレイの発光要素が第1の実施
例に示す発光素子と異なる点は、気相合成ダイヤモンド
膜27の表面に絶縁層36を介してゲート電極35が設
けられている点と、配線用電極23の代わりにガラス板
37が配置されている点のみであるので、図4において
図1と同一物には同一符号を付して、その詳細な説明は
省略する。
【0037】このように構成された第4の実施例におい
ても、第1の実施例と同様に、下部電極21に負電圧を
印加した場合、キャリア(電子)28が下部電極21か
らダイヤモンド膜27中に注入される。そして、キャリ
ア28はダイヤモンド膜27中において加速され、蛍光
薄膜25を励起することによって蛍光を発し、上部電極
24に到達する。但し、本実施例においては、ダイヤモ
ンド膜27の表面にゲート電極35が形成されているの
で、このゲート電極35に負又は正の電圧を印加するこ
とによって、下部電極21から注入される電子の流量を
抑制又は増大させることができる。従って、ゲート電極
35に印加する電圧を変化させることにより、輝度を制
御することができる。また、絶縁層36は、ゲート電極
35と上部電極24との電気絶縁性を維持する効果を有
する。
【0038】一方、下部電極に正の電圧を印加すると、
キャリア28として、電子の代わりにホールが下部電極
21からダイヤモンド膜27中に注入される。この場合
においても同様に、ホールはダイヤモンド膜27中にお
いて加速され、蛍光薄膜25を励起することによって蛍
光を発し、上部電極24に到達する。このとき、ゲート
電極35に正又は負の電圧を印加することによってホー
ルの流量を制御することができるので、輝度を制御する
ことができる。なお、電子流及びホール流のいずれを使
用する場合においても、各キャリアに対して感度が高い
蛍光薄膜の材料を適切に選択するのみで、同様の効果を
得ることができる。
【0039】図5は本発明の第5の実施例に係る平面パ
ネルディスプレイの発光要素を示す断面図である。図5
に示す平面パネルディスプレイの発光要素が第2の実施
例に示す発光素子と異なる点は、第4の実施例と同様
に、ダイヤモンド膜27の表面に絶縁層36を介してゲ
ート電極35が設けられている点と、配線用電極23の
代わりにガラス基板37が配置されている点のみであ
る、従って、図5において図1及び図4と同一物には同
一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0040】このように構成された第5の実施例におい
ても、その効果は第1及び第4の実施例と同様である。
即ち、第4の実施例と比較して、下部電極21aの表面
には凹凸が形成されているので、突起部33の先端から
電子等のキャリア28が注入されやすくなり、電子注入
効率を向上させることができ、これにより、低電圧で発
光を得ることができる。
【0041】図6は本発明の第6の実施例に係る平面パ
ネルディスプレイの発光要素を示す断面図である。図6
に示す第6の実施例が第4の実施例と異なる点は、下部
電極21の表面に単一の突起部38が形成されている点
のみであるので、図6において図4と同一物には同一符
号を付して、その詳細な説明は省略する。第6の実施例
に示すように、単一の突起部38を下部電極21の表面
上の所定の位置に形成すると、蛍光薄膜25上における
発光位置を精密に制御することができる。
【0042】図7は本発明の第7の実施例に係る平面パ
ネルディスプレイの発光要素を示す断面図である。図7
に示す第7の実施例が第4の実施例と異なる点は、ゲー
ト電極35とダイヤモンド膜27との界面に電気絶縁材
料からなる中間層39が形成されている点のみであるの
で、図7において図4と同一物には同一符号を付して、
その詳細な説明は省略する。
【0043】第4乃至第6の実施例においては、ダイヤ
モンド膜27の表面に直接ゲート電極35が蒸着されて
いたが、本実施例に示すように、ゲート電極35とダイ
ヤモンド膜27との界面に電気絶縁性の中間層39が形
成されていると、ゲート電極35からのリーク電流を抑
制することができる。なお、この中間層39の材料とし
ては、SiO2及びSi34等の電気絶縁材料を使用す
ることができる。
【0044】第4乃至第7の実施例に示す平面パネルデ
ィスプレイの発光要素においては、ゲート電極35が形
成されていない第1乃至第3の実施例に示す発光素子と
同様に、ダイヤモンド膜27は欠陥密度が小さいことが
望ましい。従って、ダイヤモンド膜27はアンドープで
あるか、又はボロンが1×1018(/cm3)未満の濃
度範囲でダイヤモンド膜中にドープされていることが好
ましい。また、ボロン濃度がダイヤモンド膜27の厚さ
方向に連続的に変化していても、同様の効果を得ること
ができる。
【0045】図8は本発明の第8の実施例に係る平面パ
ネルディスプレイの発光要素を示す断面図である。図8
に示す第8の実施例が第7の実施例と異なる点は、第3
の実施例に示す発光素子と同様に、気相合成ダイヤモン
ド膜27の下部電極21側から約1μm以下の領域にお
いて、1×1018(/cm3)以上の濃度でボロンがド
ープされた高ボロン濃度層34を形成した点のみである
ので、図8において図3及び7と同一物には同一符号を
付して、その詳細な説明は省略する。
【0046】このように構成された第8の実施例におい
ては、下部電極21に正の電圧を印加した場合、即ち、
キャリア28がホールである場合には、下部電極21か
らのホールの注入が容易になるので、より一層低電圧で
発光を得ることができる。
【0047】上述の第1乃至第8の実施例に係る発光素
子又は発光要素においては、蛍光薄膜25からの発光を
透過させるために、上部電極24は透明導電膜により形
成することができる。透明導電膜の材料としては、イン
ジウム錫酸化物(ITO)、SnO2、ZnO2、SnO
2−Sb及びCd2SnO4等、公知の材料がある。
【0048】また、これらの実施例において、下部電極
21又は21aは基体32又は32a上に形成されてい
るが、この基体32及び32aは電気絶縁性の基体とす
ることができ、基体が形成されていないものでもよい。
更に、発光素子は必ずしも点光源である必要はなく、直
線、曲線、平面及び曲面等の自由な形状とすることがで
きる。
【0049】更にまた、これらの実施例に示す発光素子
及び発光要素は、集積化することにより1次元、2次元
又は3次元のアレイ又はディスプレイを形成することが
できる。図9は本発明における発光素子又は発光要素を
利用した2次元のディスプレイを示す模式図である。図
9に示すように、円柱形状の発光素子(又は発光要素)
40を平面上に配列することにより、低消費電力で安定
した発光を得ることができる2次元のディスプレイを得
ることができる。
【0050】また、第4乃至第8の実施例に示す平面パ
ネルディスプレイの発光要素を作製する場合、下部電極
21又は21aに対向する透明電極24の間隔は、ダイ
ヤモンド膜27により一定に保持することができるの
で、表示ムラの発生を防止することができる。更にま
た、上述の第4乃至第8の実施例に係る平面パネルディ
スプレイを作製すると、ダイヤモンドの熱伝導率が大き
いために、素子からの発熱が速やかに拡散し、局部的な
加熱が起こることを防止することができる。従って、長
時間安定した発光を得ることができる。
【0051】
【実施例】以下、本発明の実施例に係る発光素子及び平
面パネルディスプレイを形成した結果について説明す
る。
【0052】実施例1 先ず、10mm×10mmのアルミナ基体上に、スパッ
タ法により5μmの膜厚で白金膜を蒸着し、これを基板
として、マイクロ波CVD法により3μmの膜厚でアン
ドープダイヤモンド薄膜を合成した。次に、金属マスク
を使用して、アンドープダイヤモンド薄膜上の直径10
0μmの領域に、蛍光剤及びインジウム錫酸化物(IT
O)を順次蒸着した。なお、蛍光剤としては、赤、青、
黄用の発光剤を異なる領域に1μmの膜厚で蒸着し、更
に、ITOを1μmの膜厚で蒸着した。そして、下部電
極としての白金電極と、上部電極としてのITOとの間
に印加する電圧を変化させて、青色発光領域の輝度を測
定した。
【0053】図10は縦軸に相対輝度をとり、横軸に電
圧をとって、輝度と電圧との関係を示すグラフ図であ
る。図10に示すように、電界が1×104(V/c
m)以上になると、発光強度が急激に増大した。
【0054】実施例2 上記実施例1において、アンドープダイヤモンド薄膜を
合成する前の白金膜の表面に、約1019(/cm3)の
濃度でダイヤモンド膜にボロンをドープした高ボロン濃
度層を0.1μmの膜厚で形成し、その上にアンドープ
ダイヤモンド薄膜を3μmの膜厚で積層した。そして、
実施例1と同様の方法で青色発光領域の輝度を測定し
た。その結果、輝度は実施例1と同様の値を得ることが
できたが、電流値は実施例1の80%であった。
【0055】実施例3 窒化シリコン基体上に種々の原子濃度比を有する白金/
金の合金薄膜を蒸着し、これを基板として、マイクロ波
CVDにより3μmの膜厚でアンドープダイヤモンド薄
膜を合成した。そして、このダイヤモンド薄膜のラマン
スペクトルを測定した。ダイヤモンドのラマンスペクト
ルは、約1333(/cm)の位置にダイヤモンド特有
のピークが現れる。良質のダイヤモンドであるほど、こ
のピークの半値幅は小さいことは公知である。
【0056】図11は縦軸に約1333(/cm)の位
置に現れたラマンスペクトルの半値幅をとり、横軸に白
金濃度をとって、半値幅と白金濃度との関係を示すグラ
フ図である。図11に示すように、金に対する白金の原
子濃度が50原子%以上であるときに、欠陥及び内部歪
みが少ない良質のダイヤモンドを得ることができた。
【0057】実施例4 50mm×50mmのアルミナ基体上に、スパッタ法に
より2μmの膜厚で白金配線パターンを蒸着し、これを
基板として、マイクロ波CVD法により3μmの膜厚で
アンドープダイヤモンド薄膜を合成した。次に、アンド
ープダイヤモンド薄膜表面に直径3μmの円形マスクを
蒸着し、ECRプラズマエッチング装置により酸素ガス
を使用して、マスク以外の領域を1.5μmの深さでエ
ッチングした。次いで、エッチングされた底部にアルミ
ニウムからなるゲート電極配線パターンを形成し、更に
その上の全面にSiO2膜を積層した後、中央部のダイ
ヤモンド表面が露出するまで、その表面をスパッタによ
り平坦化した。
【0058】その後、予め、透明電極(ITO)配線パ
ターン及び蛍光薄膜が積層されたガラス基板を、蛍光薄
膜をダイヤモンド膜側に向けて装着することにより、平
面パネルディスプレイの発光要素を形成した。なお、I
TOは膜厚を0.5μmとした。そして、下部電極とし
ての白金電極と、上部電極としてのITOとの間に、白
金電極側を負として25Vの電圧を印加し、ゲート電圧
に印加する電圧を−2Vから+2Vの間で変化させた。
その結果、ゲート電圧に印加する電圧を変化させること
により、カラーの動画像を表示することができた。
【0059】実施例5 上記実施例4において、アンドープダイヤモンド薄膜を
合成する前の白金膜の表面に、約1019(/cm3)の
濃度でダイヤモンド膜にボロンをドープした高ボロン濃
度層を0.1μmの膜厚で形成し、その上にアンドープ
ダイヤモンド薄膜を3μmの膜厚で積層した。その後、
実施例4と同様の方法で平面パネルディスプレイを形成
し、下部電極としての白金電極と、上部電極としてのI
TOとの間に、白金電極側を正として25Vの電圧を印
加し、ゲート電圧に印加する電圧を−2Vから2Vの間
で変化させた。その結果、ゲート電圧に印加する電圧を
変化させることにより、カラーの動画像を表示すること
ができた。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
下部電極と蛍光膜との間に気相合成ダイヤモンド膜を形
成するので、真空状態にすることなく赤、青及び黄の3
原色、中間色及び白色光を発光することができるダイヤ
モンド膜を有する発光素子を得ることができる。また、
下部電極と蛍光膜との間に気相合成ダイヤモンド膜を形
成し、その表面にゲート電極を形成するので、低消費電
力で高輝度を有する平面パネルディスプレイを得ること
ができる。これらの発光素子及び平面パネルディスプレ
イにおいて、下部電極の表面に凹凸が形成されている
と、キャリアの注入効率を高めることができる。更に、
ダイヤモンド膜にボロンをドープし、そのボロン濃度を
適切に制御すると、より一層低電圧で発光が得られる。
従って、本発明はこの種の技術分野の発展に多大の貢献
をなす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る発光素子を示す断
面図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係る発光素子を示す断
面図である。
【図3】本発明の第3の実施例に係る発光素子を示す断
面図である。
【図4】本発明の第4の実施例に係る平面パネルディス
プレイの発光要素を示す断面図である。
【図5】本発明の第5の実施例に係る平面パネルディス
プレイの発光要素を示す断面図である。
【図6】本発明の第6の実施例に係る平面パネルディス
プレイの発光要素を示す断面図である。
【図7】本発明の第7の実施例に係る平面パネルディス
プレイの発光要素を示す断面図である。
【図8】本発明の第8の実施例に係る平面パネルディス
プレイの発光要素を示す断面図である。
【図9】本発明における発光素子又は発光要素を利用し
た2次元のディスプレイを示す模式図である。
【図10】縦軸に相対輝度をとり、横軸に電圧をとっ
て、輝度と電圧との関係を示すグラフ図である。
【図11】縦軸に約1333(/cm)の位置に現れた
ラマンスペクトルの半値幅をとり、横軸に白金濃度をと
って、半値幅と白金濃度との関係を示すグラフ図であ
る。
【図12】シリコンを使用した発光素子の一例を示す断
面図である。
【図13】シリコンを使用した平面パネルディスプレイ
の発光要素を示す断面図である。
【符号の説明】
1;シリコン基板 2;エミッタ 3、37;ガラス板 4;透明電極 5、25;蛍光薄膜 6;蛍光電極 7;空間 8;電子 9、29;電源 10、35;ゲート電極 11、36;絶縁層 12;絶縁性基板 21、21a;下部電極 23;配線用電極 24;上部電極 27;ダイヤモンド膜 28;キャリア 32、32a;基体 34;高ボロン濃度層 39;中間層 40;発光素子

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部電極と、前記下部電極の表面上に形
    成され前記下部電極から注入されたキャリアを輸送する
    気相合成ダイヤモンド膜と、前記気相合成ダイヤモンド
    膜の表面上に形成され前記キャリアによる励起によって
    蛍光を発する蛍光膜と、前記蛍光膜の表面上に形成され
    前記キャリアが輸送される上部電極と、を有することを
    特徴とするダイヤモンド膜を有する発光素子。
  2. 【請求項2】 前記下部電極は、白金又は白金を50原
    子%以上含有する合金からなることを特徴とする請求項
    1に記載のダイヤモンド膜を有する発光素子。
  3. 【請求項3】 前記下部電極はその表面に凹凸を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のダイヤモンド
    膜を有する発光素子。
  4. 【請求項4】 前記キャリアはホールであることを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のダイヤモ
    ンド膜を有する発光素子。
  5. 【請求項5】 前記気相合成ダイヤモンド膜はアンドー
    プダイヤモンド膜であることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれか1項に記載のダイヤモンド膜を有する発光
    素子。
  6. 【請求項6】 前記気相合成ダイヤモンド膜は、1×1
    18(/cm3)未満のボロン濃度を有するボロンドー
    プダイヤモンド膜であることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれか1項に記載のダイヤモンド膜を有する発光
    素子。
  7. 【請求項7】 前記ボロン濃度は前記気相合成ダイヤモ
    ンド層の厚さ方向に連続的に変化していることを特徴と
    する請求項6に記載のダイヤモンド膜を有する発光素
    子。
  8. 【請求項8】 前記気相合成ダイヤモンド膜は、前記下
    部電極側から1μm以下の領域に、ボロン濃度が1×1
    18(/cm3)以上である高ボロン濃度層を有するこ
    とを特徴とする請求項4に記載のダイヤモンド膜を有す
    る発光素子。
  9. 【請求項9】 前記上部電極は透明導電膜からなること
    を特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のダ
    イヤモンド膜を有する発光素子。
  10. 【請求項10】 前記気相合成ダイヤモンド膜中の電界
    を104(V/cm)以上としたときに、視認できる強
    度で発光することを特徴とする請求項1乃至9のいずれ
    か1項に記載のダイヤモンド膜を有する発光素子。
  11. 【請求項11】 前記下部電極の下面に電気絶縁性の基
    体を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれ
    か1項に記載のダイヤモンド膜を有する発光素子。
  12. 【請求項12】 下部電極と、前記下部電極の表面上に
    形成され前記下部電極から注入されたキャリアを輸送す
    る気相合成ダイヤモンド膜と、前記気相合成ダイヤモン
    ド膜の表面に選択的に形成され前記キャリアの流量を制
    御するゲート電極と、前記気相合成ダイヤモンド膜の表
    面上に形成され前記キャリアによる励起によって蛍光を
    発する蛍光膜と、前記蛍光膜の表面上に形成され前記キ
    ャリアが輸送される上部電極と、を有する発光要素を有
    することを特徴とする平面パネルディスプレイ。
  13. 【請求項13】 前記ゲート電極と前記気相合成ダイヤ
    モンド膜との間に、電気絶縁性の中間層を有することを
    特徴とする請求項12に記載の平面パネルディスプレ
    イ。
  14. 【請求項14】 前記下部電極は、白金又は白金を50
    原子%以上含有する合金からなることを特徴とする請求
    項12又は13に記載の平面パネルディスプレイ。
  15. 【請求項15】 前記下部電極はその表面に凹凸を有す
    ることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項
    に記載の平面パネルディスプレイ。
  16. 【請求項16】 前記キャリアはホールであることを特
    徴とする請求項12乃至15のいずれか1項に記載の平
    面パネルディスプレイ。
  17. 【請求項17】 前記気相合成ダイヤモンド膜はアンド
    ープダイヤモンド膜であることを特徴とする請求項12
    乃至16のいずれか1項に記載の平面パネルディスプレ
    イ。
  18. 【請求項18】 前記気相合成ダイヤモンド膜は、1×
    1018(/cm3)未満のボロン濃度を有するボロンド
    ープダイヤモンド膜であることを特徴とする請求項12
    乃至16のいずれか1項に記載の平面パネルディスプレ
    イ。
  19. 【請求項19】 前記ボロン濃度は前記気相合成ダイヤ
    モンド膜の厚さ方向に連続的に変化していることを特徴
    とする請求項18に記載の平面パネルディスプレイ。
  20. 【請求項20】 前記気相合成ダイヤモンド膜は前記下
    部電極側から1μm以下の領域に、ボロン濃度が1×1
    18(/cm3)以上である高ボロン濃度層を有するこ
    とを特徴とする請求項16に記載の平面パネルディスプ
    レイ。
  21. 【請求項21】 前記上部電極は透明導電膜からなるこ
    とを特徴とする請求項12乃至20のいずれか1項に記
    載の平面パネルディスプレイ。
  22. 【請求項22】 前記気相合成ダイヤモンド膜中の電界
    を104(V/cm)以上としたときに、視認できる強
    度で発光することを特徴とする請求項12乃至21のい
    ずれか1項に記載の平面パネルディスプレイ。
  23. 【請求項23】 前記下部電極の下面に電気絶縁性の基
    体を有することを特徴とする請求項12乃至22のいず
    れか1項に記載の平面パネルディスプレイ。
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