JPH10141586A - 断熱材 - Google Patents

断熱材

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JPH10141586A
JPH10141586A JP29658196A JP29658196A JPH10141586A JP H10141586 A JPH10141586 A JP H10141586A JP 29658196 A JP29658196 A JP 29658196A JP 29658196 A JP29658196 A JP 29658196A JP H10141586 A JPH10141586 A JP H10141586A
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JP
Japan
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heat insulating
insulating material
foamed resin
board
hard
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JP29658196A
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English (en)
Inventor
Shigeyuki Takahashi
重之 高橋
Akihiro Miyata
明宏 宮田
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 独立気泡を有する硬質発泡樹脂ボードで構成
され、かつ寸法精度がさほど高くなくても、施工部位に
対する断熱材の嵌め込み性を改善する。 【解決手段】 断熱材11は、押出し発泡ポリスチレン系
樹脂で形成した独立気泡を有する複数の硬質発泡樹脂ボ
ード2a,2b,2cと、これらのボードのうち隣接する側部端
面に互いに突合せ可能に形成された凹凸段部3a,3bと、
この凹凸段部の突合せ部位のうち前記ボードの厚み方向
に対して非連続部位に配設された軟質発泡樹脂のクッシ
ョン層4a,4bとで構成されている。ボードの側部端面は
合決り(合欠)接合部位として形成してもよい。一部の
ボード2bを下地材6に固定し、クッション層4a,4bの伸縮
により他の非固定のボード2a,2cを下地材6に沿って移動
可能としてもよい。断熱材は、充填工法により施工部位
に緊密に施工でき、損失熱量を低減できる住宅用断熱材
として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅などの建築物
の断熱材として利用できる発泡樹脂ボードで構成された
断熱材に関する。
【0002】
【従来の技術】住宅などの建築物や構造物には、熱損失
を少くして室内温度を適度に維持するため、通常、壁、
床、天井や屋根などには断熱施工が施されている。この
断熱施工方法の1つとして、床部分の根太間、壁部分の
柱間、天井の野縁間、屋根の垂木間などの充填箇所(嵌
込み部位)の形状に応じて、断熱材を加工して充填箇所
に嵌込む充填工法が知られている。前記断熱材として、
グラスウール、ロックウール、発泡ポリスチレンボード
などが知られている。これらの断熱材のうち、発泡ポリ
スチレンボードは比較的硬質であり、施工後においても
形状の変化が殆どないため、施工箇所で高い断熱性能を
維持できるという利点がある。しかし、発泡ポリスチレ
ンボードは硬質であるため、柱間や根太間などに断熱材
を嵌込む充填工法では、嵌込み性が劣り、施工効率を低
下させる。
【0003】前記断熱材を隙間なく緊密に嵌込むために
は、発泡ポリスチレンボードを精度よく切断すればよい
ものの、施工現場で、断熱材を嵌込み部位の大きさおよ
び形状に適合させて高い精度で切断加工することは、切
断作業を煩雑化させるだけでなく、施工効率を大きく低
下させる要因となる。そして、仮に、断熱材と構造物と
の間に隙間が生じると、隙間部分が熱的な欠陥部となる
ため、熱橋となって損失熱量を増大させるとともに、温
度の低下に伴って結露を引き起こす原因ともなる。
【0004】そこで、板状の剛性合成樹脂発泡体に柔軟
性を付与するため、実開昭59−120133号公報に
は、発泡体の周縁部の少くとも一部に柔軟な発泡樹脂で
形成された縁材を結合した複合断熱板が開示されてい
る。このような複合断熱板を利用すると、板状の合成樹
脂発泡体を、構造物の施工部位に隙間なく緊密に嵌込む
ことができる。なお、柔軟な発泡樹脂としては、ポリエ
チレンやポリプロピレンの発泡体、連続気泡の軟質ポリ
ウレタン発泡体が記載されている。しかし、柔軟な発泡
樹脂は多くの連続気泡を有しており、押出し発泡ポリス
チレン系樹脂などの多くの独立気泡構造を有する硬質の
発泡樹脂よりも熱伝導率が大きい。そのため、前記複合
断熱板のうち柔軟な発泡樹脂で形成された縁部では断熱
性能が低下する。
【0005】一方、充填工法による断熱材と、床、壁、
天井などに用いられる内装下地材(石膏ボードや合板な
ど)との間に隙間が生じると、空気の対流が生じ、隙間
部分が熱的な欠陥部となるため、熱橋となって損失熱量
を増大させるとともに、温度の低下に伴って結露を生じ
させる原因となる。このため、充填工法による断熱材
は、内装下地材や、床材、天井材などの内装仕上げ材と
接するように施工するのが望ましく、内装下地材と貼合
わせて一体化した断熱材も使用されている。しかし、実
際の住宅では、断熱施工する柱、根太、野縁などに施工
誤差があることに加えて、木材では水分の吸放出により
寸法変化が生じるため、設計寸法通りに施工される場合
は希である。そのため、充填工法により断熱材を施工す
る場合、内装下地材と一体化された断熱材を使用する
と、断熱材の目地合わせが困難になり、断熱効率を向上
させることが困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、独立気泡を有する硬質の発泡樹脂ボードであって
も、施工部位に対する嵌め込み性を改善できる断熱材を
提供することにある。本発明の他の目的は、寸法精度が
さほど高くなくても、充填工法により施工部位に緊密に
施工できるとともに、損失熱量を低減でき、住宅用断熱
材として有用な断熱材を提供することにある。本発明の
さらに他の目的は、内装下地材と貼合わされて一体化し
ていても、目地合わせが容易な断熱材を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するため鋭意検討の結果、施工部位に対する施工に
際して、複数の硬質の合成樹脂発泡ボードにおいて、硬
質の合成樹脂発泡ボードを圧縮する方向(通常、幅方向
又は長さ方向)に対して交差する方向に沿わせてクッシ
ョン層を介在させることにより発泡樹脂ボードに圧縮性
を付与するともに、前記クッション層の配設部位を発泡
樹脂ボードの断熱方向(通常、厚み方向)に対して非連
続部位(非横断部位、すなわちボードを連続して横断せ
ず、表裏面において異なる部位)とすることにより、ク
ッション層による熱損失を軽減できることを見いだし、
本発明を完成した。すなわち、(1)本発明の断熱材
は、独立気泡を有する複数の硬質発泡樹脂ボードと、こ
れらの硬質発泡樹脂ボードのうち隣接する側部端面に互
いに突合わせ可能に形成された凹凸段部と、この凹凸段
部の突合せ部位のうち前記硬質発泡樹脂ボードの断熱方
向に対して非連続部位に配設された少くとも1つのクッ
ション層とで構成されている。(2)この断熱材におい
て、硬質発泡樹脂ボードの側部端面は、合決り(合欠)
接合部位として形成してもよく、(3)独立気泡を有す
る硬質発泡樹脂ボードは、押出し発泡ポリスチレン系樹
脂で形成してもよく、(4)クッション層は、弾力性を
有する軟質発泡樹脂、複数の溝が形成された硬質の発泡
樹脂層、又は圧縮処理により弾力性が付与された硬質の
発泡樹脂層で形成してもよい。(5)断熱材は、複数の
硬質発泡樹脂ボードのうち一部の硬質発泡樹脂ボードに
固定された下地材を備え、クッション層の圧縮弾性によ
り非固定の硬質発泡樹脂ボードが下地材に沿って相対的
に移動可能であってもよい。さらに、(6)断熱材は、
住宅用断熱材であってもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、必要に応じて添付図面を
参照しつつ、本発明を詳細に説明する。本発明の断熱材
は、独立気泡を有する複数の硬質発泡樹脂ボードと、こ
れら複数の発泡樹脂ボードの間に介在する少くとも1つ
のクッション層とで構成されている。 [硬質発泡樹脂ボード]硬質発泡樹脂ボードには、独立
気泡を有する種々の硬質発泡体、例えば、ポリウレタン
発泡体、ポリ塩化ビニル系発泡体、スチレン系樹脂発泡
体などが含まれる。なお、ポリウレタン発泡体で形成さ
れたボードはやや脆く、充填施工時にコーナー部が欠損
しやすい。好ましい発泡樹脂ボードには、断熱性および
機械的強度の点で有利なスチレン系発泡樹脂ボード[ポ
リスチレン,スチレン−メタクリル酸メチル共重合体,
スチレン−無水マレイン酸共重合体,スチレン−(メ
タ)アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−スチレン
共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン共重合体(ABS樹脂)などを用いた発泡ボ
ード]が含まれる。このスチレン系発泡樹脂発泡体とし
ては、JIS A 9511に規定されるビーズ発泡法
によるスチレン系樹脂発泡体(A類保温板)や押出発泡
法によるスチレン系樹脂発泡体(B類保温板)が使用可
能である。なお、ビーズ発泡によるスチレン系樹脂発泡
体で形成したボードは、ビーズの融着部で欠損しやす
い。そのため、好ましいスチレン系発泡樹脂ボードに
は、押出し発泡ポリスチレン系樹脂である。
【0009】発泡樹脂ボードの厚みは、例えば、10〜
100mm、好ましくは20〜70mm程度の範囲か
ら、要求される断熱性能に応じて選択可能である。ま
た、発泡樹脂ボードの密度は、例えば、15〜40kg
/m3 、好ましくは25〜35kg/m3 程度である。
【0010】前記独立気泡を有する複数の硬質発泡樹脂
ボードのうち、隣接する側部端面には互いに突合わせ可
能に形成された凹凸段部が形成されている。凹凸段部の
形状は特に制限されず、例えば、一方の硬質発泡樹脂ボ
ードの端面の長手方向に形成された凹部と、他方の硬質
発泡樹脂ボードの端面に形成され、かつ前記凹部に装着
可能な凸部とで構成された実継ぎ(実接)接合構造、一
方の硬質発泡樹脂ボードの端面の長手方向に形成された
切欠段部と、他方の硬質発泡樹脂ボードの端面に形成さ
れ、かつ前記切欠段部に装着可能な凸状段部とで構成さ
れた合決り(合欠)接合構造であってもよい。互いに突
合せ可能な凹凸段部は合欠継手構造であるのが好まし
い。
【0011】[クッション層]前記複数の硬質発泡樹脂
ボードを相対的に圧縮方向(通常、幅方向)に移動させ
るため、隣接する硬質発泡樹脂ボードの凹凸段部の突合
せ部位には、圧縮復元性や圧縮弾性を有するクッション
層が配設されている。そのため、住宅などの建築物の施
工において、充填工法により柱間,根太間、野縁間など
の充填部位に断熱材を嵌込む場合、クッション層の圧縮
回復性を利用して挿入しやすく、作業効率を向上させ、
断熱材を充填部位に密着状態で充填することができる。
特に、天井裏への断熱材の施工では、天井張り後に天井
裏から断熱材を敷き込む施工方法に比べて、作業スペー
スの広い室内側からの施工が可能となり、作業効率が向
上する。
【0012】さらに、熱量損失を抑制して断熱性を向上
させるため、前記クッション層は、前記凹凸段部のうち
硬質発泡樹脂ボードの断熱方向(通常、厚み方向)に対
して非連続部位に配設されている。すなわち、クッショ
ン層は、硬質発泡樹脂ボードの一方の面から他方の面に
向かって連続することなく非横断状態で、複数の硬質発
泡樹脂ボード間に介在する。前記クッション層は、硬質
発泡ボードの圧縮方向(充填部位に装着する際、硬質発
泡ボードを狭める方向)に対して交差する方向に沿って
設ければよく、住宅の柱、根太、野縁などの充填部位を
構成する建築部材間にほぼ平行に設ける場合が多い。ま
た、複数の硬質発泡樹脂ボード間には少くとも1つのク
ッション層が介在すればよく、硬質発泡樹脂ボードの数
や凹凸段部の構造などに応じて2以上の複数のクッショ
ン層が介在していてもよい。
【0013】前記クッション層を形成するクッション材
は、多孔質軟質材、例えば、布(織布や不織布)などで
あってもよいが、弾力性(圧縮復元性)を有する軟質発
泡樹脂であるのが有用である。軟質発泡樹脂としては、
例えば、軟質樹脂(例えば、ウレタン系樹脂、軟質塩化
ビニル系発泡体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体などのオレフィン系樹脂など)やゴム(天然ゴムや
合成ゴム)の発泡体が例示できる。これらの発泡体は、
圧縮性を有効に付与するため、連続気泡を有するのが好
ましい。連続気泡率は、通常、25%以上(例えば、2
5〜100%,好ましくは50〜100%)である。ク
ッション層の圧縮方向の厚みは、断熱材の圧縮性に応じ
て、例えば、3〜50mm、好ましくは5〜40mm、
さらに好ましくは10〜30mm程度の範囲から選択で
きる。クッション層として用いられる軟質発泡樹脂の密
度は、例えば、10〜40kg/m3 、好ましくは20
〜35kg/m3 程度である。
【0014】前記クッション層は、前記軟質樹脂発泡体
に限らず、複数の溝の形成により圧縮回復性が付与され
た硬質の発泡樹脂層、又は圧縮処理又は圧縮加工により
弾力性や柔軟性が少くとも部分的に付与された硬質の発
泡樹脂層で形成してもよい。前者の発泡樹脂層では、発
泡樹脂ボードの圧縮方向に対して溝を交差(特にほぼ直
交)する方向に形成してもよく、後者の発泡樹脂層で
は、発泡樹脂の気泡を部分的に破壊することにより硬質
発泡樹脂に圧縮復元性を付与できる。
【0015】図1は本発明の断熱材の一例を示す概略断
面斜視図である。この例において、断熱材1は、複数の
押出し発泡ポリスチレン樹脂ボード2a,2b,2c
と、これらの発泡ポリスチレン樹脂ボードのうち互いに
隣接する側部端面に形成され、かつ互いに突合せ可能な
階段状の切欠段部3a,3bで構成された合決り継手部
位と、これらの合決り継手部位の切欠段部3a,3bに
それぞれ設けられ、かつ軟質ポリウレタン樹脂発泡体で
形成されたクッション層4a,4bとで構成されてい
る。クッション層4a,4bは隣接する複数の発泡ポリ
スチレン樹脂ボード2a,2b,2cにそれぞれ接合さ
れている。なお、クッション層4a,4bは両側部のボ
ード2a,2c又は中間部のボード2bのいずれかに接
合させてもよい。
【0016】さらに、前記クッション層4a,4bが発
泡樹脂ボード2a,2b,2cの厚み方向に連なって横
断するのを防止するため、前記合決り継手部位の幅方向
の寸法L1 (切欠段部の幅寸法)は、クッション層4
a,4bの幅寸法L2 よりも大きく形成されている。す
なわち、前記クッション層4a,4bは、発泡樹脂ボー
ド2a,2b,2cの厚み方向に対して非連続位置に位
置する。そのため、クッション層4a,4bを連続気泡
の軟質発泡樹脂で形成しても、硬質発泡樹脂ボード2
a,2b,2cの継手部位により熱伝導を遮蔽でき、高
い断熱性を確保できる。
【0017】さらには、複数の断熱材1を連結するた
め、前記硬質発泡樹脂ボード2a,2b,2cの長手方
向の端面には、互いに突合せ可能な階段状の切欠段部5
で構成された合決り継手部位が形成されている。なお、
複数の断熱材1を幅方向に連結するため、断熱材1のう
ち両側部の硬質発泡樹脂ボード2a,2cの幅方向の側
部端面にも、互いに突合せ可能な階段状の切欠段部で構
成された合決り継手部位を形成してもよい。さらに、断
熱材の縦横方向の連結は、実継ぎ構造を利用して行って
もよい。
【0018】[下地材]前記発泡樹脂ボードとクッショ
ン層とで構成された断熱材は、下地材(例えば、住宅用
断熱材では内装材や外装材など)と密着させて充填施工
するのが、断熱材の断熱性能を有効に発揮させる上で有
用である。一方、前記構造の断熱材と下地材とを貼り合
わせて密着させる場合、クッション層の柔軟性や圧縮復
元性を損なうことなく一体化することが重要である。そ
こで、本発明の他の態様では、クッション層の柔軟性お
よび圧縮復元性を損なうことなく、住宅などの内装材に
利用される下地材と、断熱材とを結合した構造を提供す
る。
【0019】すなわち、本発明の他の態様の断熱材は、
互いに隣接する複数の硬質発泡樹脂ボードと、複数の硬
質発泡樹脂ボード間に介在するクッション層と、複数の
硬質発泡樹脂ボードのうち一部の硬質発泡樹脂ボードが
貼合わせにより固定される下地材とで構成されている。
複数の硬質発泡樹脂ボードとクッション層は互いに接合
されている。そのため、下地材に貼合わせた硬質発泡樹
脂ボードを除き、他の硬質発泡樹脂ボードは、クッショ
ン層の伸縮柔軟性又は圧縮復元性により下地材の面方向
(すなわち、充填部位に装着する際、硬質発泡ボードを
狭める方向)に沿って移動可能である。好ましい態様で
は、発泡樹脂ボードが互いに隣接する3以上(特に3
つ)の硬質発泡樹脂ボードで構成され、中間位置の硬質
発泡樹脂ボードが、接着剤などにより下地材に固定され
る。このような構造では、隣接する硬質発泡樹脂ボード
をクッション層により接合し、中間に位置する発泡樹脂
ボードを、内装材として利用される下地材と接合するこ
とにより、両側部の発泡樹脂ボードが下地材から遊離す
るのを抑制できる。
【0020】下地材は、例えば、無機系板材(石膏ボー
ドなど)、木質系板材(合板、ラスボード、パーテクル
ボード、LVL(平行合板)など)、樹脂系板材(軟質
塩化ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂などで形成された
ボードなど)などの住宅用下地材が利用できる。これら
の下地材は、内装クロス,突き板,銘木単板などの仕上
げ材やエンボス加工などにより化粧された樹脂シートな
どの化粧材を備えた化粧付き下地材であってもよい。な
お、化粧付き下地材を用いる場合、内装面の目地部に凹
凸段差(不陸)が生じるのを抑制するため、実継ぎなど
の継手構造を有する化粧付き下地材を使用するのが好ま
しい。
【0021】本発明の断熱材の連結部位には、合決りや
実継ぎなどの継手構造を形成し、断熱の欠陥部となる隙
間が生じるのを防止し、断熱材の断熱性能を有効に発現
させるのが有効である。
【0022】図2は本発明の他の断熱材を示す概略断面
斜視図である。なお、前記図1に示す断熱材と共通する
要素又は部材には、同一の符号を付して説明する。この
断熱材11は、前記図1に示す断熱材と同様に、複数の
硬質発泡樹脂ボード2a,2b,2cと、これらの発泡
樹脂ボードのうち互いに隣接する側部端面に形成され、
かつ互いに突合せ可能な階段状の切欠段部3a,3bで
構成された合決り継手部位と、前記切欠段部3a,3b
にそれぞれ設けられたクッション層4a,4bとを備え
ている。クッション層4a,4bは隣接する複数の発泡
ポリスチレン樹脂ボード2a,2b,2cにそれぞれ接
合している。そして、前記クッション層4a,4bの圧
縮復元性を有効に利用するため、複数の硬質発泡樹脂ボ
ード2a,2b,2cのうち中間部の発泡樹脂ボード2
bは、内装下地材6と貼合わされて一体化している。ま
た、硬質発泡樹脂ボード2a,2b,2cの長手方向の
端面には、互いに突合せ可能な階段状の切欠段部5で構
成された合決り継手部位が形成されており、この合決り
継手部位を露呈させて(すなわち、断熱材11を連結す
る方向に位置をずらして)、内装下地材6を貼り合わせ
ており、断熱材11の連結に際して、内装下地材6の目
地部で不陸(凹凸段差)が生じるのを抑制している。
【0023】前記断熱材1,11は、図3に示されるよ
うに、クッション層4a,4bの圧縮復元性を利用し
て、複数の硬質発泡樹脂ボード2a,2b,2cで構成
された断熱材1,11を幅方向又は高さ方向に圧縮する
ことにより、建設現場で断熱材を高い精度で切断加工す
ることなく、住宅の柱,根太,野縁などの建築部材7,
7間の充填部位に円滑に施工できる。また、クッション
層4a,4bの圧縮復元性により、隙間が生じることな
く断熱材1,11を充填部位に緊密に装着でき、断熱性
を高めることができる。また、下地材を備えた断熱材1
1では、断熱施工と下地施工とを一体化して行うことが
でき、施工工程を簡略化できる。また、充填部位を規定
する建築部材7,7の取付誤差や寸法誤差が生じたとし
ても、寸法誤差を断熱材11で吸収できるので、建築部
材7,7および下地材6との間に断熱欠陥部となる隙間
が生じることなく断熱施工できる。さらに、クッション
層4a,4bを利用して下地材6の取付位置を施工面上
で微調整可能であるため、下地材6相互の目地合わせが
容易となり、作業性を大きく改善できる。
【0024】なお、図1ないし図3に示す例では、4つ
のクッション層が利用されているが、隣接するボードの
凹凸段部間には少くとも1つのクッション層が介在すれ
ばよく、突合せ可能な凹凸段部の両側部にそれぞれ少く
とも1つのクッション層が介在するのが好ましい。
【0025】図4は本発明の断熱材の他の例を示す概略
断面図である。この例では、隣接する発泡樹脂ボード1
2a,12b間のクッション層14a,14bは、図
中、矢印で示される幅方向(圧縮方向)に圧縮復元性を
付与するため、断熱方向(通常、厚み方向)に複数の溝
15が形成された硬質の発泡樹脂層(例えば、発泡ポリ
スチレンなど)層で構成されている。また、前記複数の
溝15は、表裏面において幅方向に位置を異にして交互
に形成され、隣接する溝15は互いに重複する深さ(硬
質発泡樹脂層の厚みに対して少なくとも50〜90%程
度の深さ)にまで形成されている。さらに、前記クッシ
ョン層14a,14bは、発泡樹脂ボード12a,12
bの幅方向に位置を異にし、かつ厚み方向に対して非連
続位置に位置しており、熱伝導を遮蔽し、高い断熱性を
確保している。
【0026】なお、前記複数の溝は、表裏面において交
互に形成された隣接する溝である必要はなく、例えば、
発泡樹脂層の一方の面に複数の溝を形成し、他方の面に
幅方向の位置を異にして複数の溝を形成してもよい。前
記溝は、例えば、熱線加工や機械切削加工(丸鋸を用い
た切削加工など)などで形成できる。
【0027】また、図4に示されるクッション層は、複
数の溝が形成された硬質発泡樹脂層に代えて、圧縮処理
又は圧縮加工により弾力性(柔軟性)や圧縮復元性が付
与された硬質の発泡樹脂層で形成してもよい。この圧縮
処理又は圧縮加工された硬質発泡樹脂層は、例えば、硬
質発泡樹脂層を図4に示す圧縮方向に圧縮し、柔軟性を
付与することにより得られる。特に、できるだけ独立気
泡構造を維持しつつ、硬質発泡樹脂層の気泡構造が、弾
力性を失わない程度に潰された硬質発泡樹脂層であるの
が好ましい。このような硬質発泡樹脂層は、平板プレス
やロールプレスなどの機械的方法を利用して調製でき
る。圧縮量は、断熱材の用途などに応じて選択でき、硬
質発泡樹脂層の圧縮復元量は、例えば、圧縮方向に対し
て5〜20mm程度である。
【0028】本発明の断熱材は、高い施工性を備えてい
るため、家屋、オフィスビルなどの種々の建築物の断熱
に利用できる。特に、床、壁、天井などの住宅用断熱材
として有用である。
【0029】
【発明の効果】本発明は、断熱材が独立気泡を有する硬
質の発泡樹脂ボードを備えていても、クッション層を利
用して、施工部位に対する嵌め込み性(施工性)を大き
く改善できる。また、寸法精度がさほど高くなくても、
充填工法により施工部位に緊密に施工できるとともに、
損失熱量を低減し、断熱性を改善できる。さらに、内装
下地材と貼合わせて一体化していても、目地合わせが容
易である。そのため、本発明の断熱材は住宅用断熱材と
して有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の断熱材の一例を示す概略斜視図
である。
【図2】図2は本発明の他の断熱材を示す概略斜視図で
ある。
【図3】図3は本発明の断熱材の施工性を説明するため
の概略断面図であり、図3(A)は施工前の断熱材、図
3(B)は施工後の断熱材を示す。
【図4】図4は本発明の断熱材の他の例を示す概略断面
図である。
【符号の説明】
1,11…断熱材 2a,2b,2c,12a,12b…硬質発泡樹脂ボー
ド 3a,3b…切欠段部 4a,4b,14a,14b…クッション層 6…下地材 15…溝

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 独立気泡を有する複数の硬質発泡樹脂ボ
    ードと、これらの硬質発泡樹脂ボードのうち隣接する側
    部端面に互いに突合わせ可能に形成された凹凸段部と、
    この凹凸段部の突合せ部位のうち前記硬質発泡樹脂ボー
    ドの断熱方向に対して非連続部位に配設された少くとも
    1つのクッション層とで構成されている断熱材。
  2. 【請求項2】 硬質発泡樹脂ボードの側部端面が合決り
    継手部位として形成されている請求項1記載の断熱材。
  3. 【請求項3】 独立気泡を有する硬質発泡樹脂ボード
    が、押出し発泡ポリスチレン系樹脂で形成されている請
    求項1記載の断熱材。
  4. 【請求項4】 クッション層が、弾力性を有する軟質発
    泡樹脂、複数の溝が形成された硬質の発泡樹脂層、又は
    圧縮処理により弾力性が付与された硬質の発泡樹脂層で
    形成されている請求項1記載の断熱材。
  5. 【請求項5】 複数の硬質発泡樹脂ボードのうち一部の
    硬質発泡樹脂ボードが下地材に固定されている請求項1
    記載の断熱材。
  6. 【請求項6】 住宅用断熱材である請求項1又は5記載
    の断熱材。
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