JPH10141444A - バランスシャフトの駆動機構 - Google Patents

バランスシャフトの駆動機構

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JPH10141444A
JPH10141444A JP29674596A JP29674596A JPH10141444A JP H10141444 A JPH10141444 A JP H10141444A JP 29674596 A JP29674596 A JP 29674596A JP 29674596 A JP29674596 A JP 29674596A JP H10141444 A JPH10141444 A JP H10141444A
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crankshaft
gear
drive gear
balance shaft
drive
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JP29674596A
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Takeo Shirabe
威夫 調
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
  • Gear Transmission (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明はクランクシャフトとバランスシャフト
とがギヤにより接合された構成のバランスシャフトの駆
動機構に関し、剛性低下を伴うことなく駆動ギヤの配置
に自由度を持たせることを可能とすることを課題とす
る。 【解決手段】クランクシャフト1に設けられたドライブ
ギヤ9をバランスシャフト8に設けられたドラブンギヤ
8に噛合し、クランクシャフト1の回転力をバランスシ
ャフト8に伝達するバランスシャフトの駆動機構におい
て、クランクシャフト1に設けられるドライブギヤ9を
分割ギヤとすると共に、このドライブギヤ9をクランク
シャフト1に対して変位可能に、かつクランクシャフト
1との間にクリアランス部21が形成された状態で保持
する保持機構(保持ピン15,16、保持孔17,1
8)を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はバランスシャフトの
駆動機構に係り、特にクランクシャフトとバランスシャ
フトとがギヤにより接合された構成のバランスシャフト
の駆動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば3気筒内燃機関等では、ク
ランクシャフトと平行にバランスシャフトを配設し、こ
のバランスシャフトをクランクシャフトと同期させて回
転させることにより、不釣合慣性力及び不釣合慣性モー
メントを打ち消すようにしている。このため、この種の
内燃機関にはバランスシャフトをクランクシャフトと同
期させて回転させるためのバランスシャフトの駆動機構
が設けられている。
【0003】この種のバランスシャフトの駆動機構とし
て、例えば実開平2−77314号に開示されたものが
知られている。これに開示されたバランスシャフトの駆
動機構では、クランクシャフトにドライブギヤを設ける
と共にバランスシャフトにドリブンギヤを設け、各ギヤ
を噛合させることによりクランクシャフトの回転力をバ
ランスシャフトに伝達させ駆動する構成とされている。
【0004】また、クランク軸の加工性及び搬送性を向
上させるため、上記のバランスシャフトの駆動機構で
は、クランクシャフトをバランスシャフトを駆動する動
力取出軸と、これを除く部分であるクランク主軸とに2
分割すると共に、動力取出軸にドライブギヤを圧入する
構成とされていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに従来のバラン
スシャフトの駆動機構は、バランスシャフト駆動用のド
ライブギヤをクランクシャフトに圧入する構造であるた
め、上記のように分割されたクランクシャフト(動力取
出軸)の端部近傍にドライブギヤを配設する必要があ
り、ドライブギヤの配設位置に対する制約が大きいとい
う問題点がある。
【0006】例えば、バランスのよいクランクシャフト
の中央位置にドライブギヤを配置しようとすると、当然
ながらクランクシャフトの中央位置でクランクシャフト
を分割する必要がある。しかるに、クランクシャフトを
中央位置で分割した場合、クランクシャフトは筒内燃焼
による爆発力及びクランクシャフトに連結する運動部品
(ピストン,コンロッド等)の往復,回転の各慣性力が
加わるため、クランクシャフトの曲げ剛性及び捩じり剛
性が著しく低下するおそれがある。従って、往復慣性力
及び回転慣性力等が印加されるクランクシャフトにおい
て、上記のような中央分割は好ましいものではない。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなさたれもので
あり、クランクシャフトに装着される駆動ギヤ(ドライ
ブギヤ)を分割ギヤとするすることにより、剛性低下を
伴うことなく、かつ駆動ギヤの配置に自由度を持たせる
ことを可能としたバランスシャフトの駆動機構を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、次の手段を講じたことを特徴とするもの
である。請求項1記載の発明では、クランクシャフトに
設けられた駆動ギヤをバランスシャフトに設けられた被
駆動ギヤに噛合し、前記クランクシャフトの回転力を前
記バランスシャフトに伝達して前記バランスシャフトを
回転駆動するバランスシャフトの駆動機構において、前
記クランクシャフトに設けられる駆動ギヤを分割ギヤと
すると共に、前記駆動ギヤを前記クランクシャフトに対
して変位可能に、かつ前記クランクシャフトとの間にク
リアランス部が形成された状態で保持する保持機構を設
けたことを特徴とするものである。
【0009】また、請求項2記載の発明では、前記請求
項1記載のバランスシャフトの駆動機構において、前記
クリアランス部に対し圧力油を供給するオイル孔を設け
たことを特徴とするものである。
【0010】上記の各手段は、次のように作用する。請
求項1記載の発明によれば、クランクシャフトに設けら
れた駆動ギヤを分割ギヤとすることにより、クランクシ
ャフトを分割することなく、かつ駆動ギヤの配設位置に
自由度を持たせることが可能となる。よって、クランク
シャフトの剛性を高く維持しつつ、駆動最適位置でバラ
ンスシャフトを駆動することができる。
【0011】また、駆動ギヤを分割ギヤとすることによ
り、クランクシャフトに形成されている他の構成要素
(カウンターウェイト等)に拘わらず駆動ギヤを形成す
ることが可能となり、よって駆動ギヤのギヤ径を小さく
でき、これに伴い駆動ギヤの周速も小さくなるため、い
わゆるヒュー音といわれるノイズの低減を図ることがで
きる。
【0012】更に、保持機構を設け、駆動ギヤをクラン
クシャフトに対して変位可能に、かつクランクシャフト
との間にクリアランス部が形成された状態で保持する構
成とすることにより、クランクシャフトが回転しこれに
伴い駆動ギヤに遠心力が作用した際、分割された駆動ギ
ヤはこの遠心力により変位してクランクシャフトの他の
構成要素、或いはクランクシャフトを支持するシリンダ
ブロック等に押圧される。このため、分割された駆動ギ
ヤであっても保持機構により確実に保持されることとな
り、バランスシャフトへの駆動の伝達を円滑かつ確実に
行なうことができる。
【0013】また、請求項2記載の発明によれば、駆動
ギヤとクランクシャフトとの間に形成されたクリアラン
ス部にオイル孔から圧力油を供給する構成としたことに
より、クリアランス部に溜まった油が遠心力を受け、こ
の遠心力が駆動ギヤにも作用するため、分割された駆動
ギヤであってもその姿勢を安定化することができ、被駆
動ギヤとの噛み合い代を常に略一定に保つことが可能と
なり、歯打ち音の発生を抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
図面と共に説明する。図1に本発明の一実施例であるバ
ランスシャフトの駆動機構(以下、単に駆動機構とい
う)を示す。同図に示す駆動機構は、例えば4サイクル
4気筒エンジン等に搭載されるものである。
【0015】同図において1はクランクシャフトであ
り、クランクジャーナル2,クランクピン3,クランク
アーム4,バランスウェイト5等を有した構成とされて
いる。クランクピン3はクランクジャーナル2と平行と
なるよう配設されるものであり、クランクジャーナル2
に一体的に形成された一対のクランクアーム4間に配設
されている。
【0016】このクランクピン3には図示しないコネク
ティングロッドが接続されており、爆発による駆動力は
コネクティングロッドを介してクランクピン3に伝達さ
れ、これによりクランクシャフト1は回転する。また、
クランクアーム4のクランクピン3の配設位置と反対側
の位置には、クランクシャフト1の回転の安定化を図る
ためにバランスウェイト5が形成されている。
【0017】上記構成とされたクランクシャフト1は、
シリンダブロック6に回転自在に軸承される。この際、
クランクシャフト1の軸承される部位であるクランクジ
ャーナル2とシリンダブロック6との間にはメタル7が
配設されており、回転の円滑性を図っている。
【0018】そして、騒音や振動の発生を抑制するた
め、クランクシャフト1と平行にバランスシャフト8を
配設し、このバランスシャフト8をクランクシャフト1
と同期させて回転させることにより、不釣合慣性力及び
不釣合慣性モーメントを打ち消し、これにより騒音や振
動の発生を抑制することが行なわれている。
【0019】このため、この種の内燃機関にはバランス
シャフト8をクランクシャフト1と同期させて回転させ
るための駆動機構が設けられており、本実施例ではこの
駆動機構をクランクシャフト1に設けられたドライブギ
ヤ9と、バランスシャフト8に設けられたドリブンギヤ
10とにより構成している。このドライブギヤ9とバラ
ンスシャフト10は噛合しており、よって各ギヤ9,1
0のギヤ比に応じてバランスシャフト8をクランクシャ
フト1に同期させて回転させることができる。
【0020】本実施例に係るドライブギヤ9は、図3に
示されるように、複数個(本実施例では2個)に分割さ
れることによりギヤ半体11,12により構成されてい
る。そして、この一対のギヤ半体11,12は、互いに
組み合わされることによりドライブギヤ9として機能す
る。
【0021】また、ドライブギヤ9の最外周部にはギヤ
部13が形成されており、また内周部には円錐形状のド
ライブ側テーパ面14が形成されている。最外周部に形
成されたギヤ部13ははすば歯車とされている。従っ
て、バランスシャフト8の外周に形成されたギヤ部24
もはすば歯車とされている。尚、このギヤ部13,24
をはすば歯車とした理由については後に詳述する。
【0022】また、ドライブギヤ9の内周部に形成され
たドライブ側テーパ面14は、その傾斜角度が約45°
に設定されている。また、各ギヤ半体11,12に形成
されたドライブ側テーパ面14の略中央位置には、夫々
保持孔17,18が形成されている。この保持孔17,
18は、ドライブ側テーパ面14に対して略直角方向に
穿設されている。
【0023】続いて、クランクシャフト1における、上
記構成とされたドライブギヤ9が装着される装着位置に
注目する。クランクシャフト1のドライブギヤ9が装着
される装着位置には、円錐形状のジャーナル側テーパ面
19が形成されている。このジャーナル側テーパ面19
の傾斜角度は、前記したドライブギヤ9に形成されたド
ライブ側テーパ面14の傾斜角度と対応して略45°に
設定されている。従って、ドライブギヤ9をクランクシ
ャフト1に装着した状態において、ドライブ側テーパ面
14とジャーナル側テーパ面19とは略平行な状態とな
る。
【0024】上記のジャーナル側テーパ面19を形成す
ることにより、ドライブギヤ9の装着位置はクランクジ
ャーナル2からクランクアーム4に向け漸次その径が大
きくなり、従ってクランクジャーナル2とクランクアー
ム4とは滑らかに接続された構成となる。
【0025】いま、仮にジャーナル側テーパ面19を設
けず、クランクジャーナル2とクランクアーム4とが直
角状態で接続された構成を想定すると、エンジンの爆発
力がコネクティングロッドを介してクランクシャフト1
に伝達された際、クランクジャーナル2とクランクアー
ム4とが直角状態とされた構成ではこの部位に応力集中
が発生する。また、ドライブギヤ9の装着位置では、ド
ライブギヤ9を回転駆動する反力が作用し、この接続部
分には更に大きな応力集中が発生する。
【0026】しかるに、本実施例のようにジャーナル側
テーパ面19を形成しクランクジャーナル2とクランク
アーム4とが滑らかに接続された構成とすることによ
り、この接続部分に発生する曲げ剛性及び捩じり剛性を
高めることができ、よってクランクシャフト1の信頼性
を向上させることができる。
【0027】また、上記したジャーナル側テーパ面19
には一対の保持ピン15,16が植設されている。この
保持ピン15,16は、ドライブギヤ9に形成された保
持孔17,18の形成位置に対応する位置に形成されて
おり、またジャーナル側テーパ面19に対して直角方向
に延出するよう構成さてれいる。
【0028】従って、ドライブギヤ9をクランクシャフ
ト1に装着した状態において、保持ピン15,16は保
持孔17内に挿入され、これによりドライブギヤ9を構
成するギヤ半体11,12は保持ピン15,16に保持
された構成となる。よって、保持ピン15,16及び保
持孔17,18は協働してドライブギヤ9をクランクシ
ャフト1に保持する保持機構として機能する。
【0029】また、図2に拡大して示すように、ドライ
ブギヤ9がクランクシャフト1に装着された状態におい
て、保持ピン15,16の先端部と保持孔17,18の
底面部との間にはクリアランス部20が形成されるよう
構成され、かつドライブ側テーパ面14とジャーナル側
テーパ面19との間にもクリアランス部21が形成され
るよう構成されている。従って、ドライブギヤ9を構成
する各ギヤ半体11,12は、保持ピン15,16に沿
って上記各クリアランス部20,21の形成範囲にわた
り変位可能な構成となっている。
【0030】また、ドライブギヤ9とシリンダブロック
6との間には、ドライブギヤ9がクランクジャーナル2
の軸方向(スラスト方向)に移動した場合、これを受け
るスラストベアリング22が配設されている。これによ
り、ドライブギヤ9がクランクジャーナル2の軸方向に
移動しても、クランクシャフト1の円滑な回転を担保す
ると共に、シリンダブロック6及びドライブギヤ9に摩
耗が発生しないよう構成されている。
【0031】一方、ドライブギヤ9が装着されるクラン
クジャーナル2には、オイル孔23が形成されている。
このオイル孔23はオイルポンプに接続されており、オ
イルポンプで加圧された潤滑オイル(以下、圧力オイル
という)が供給される構成とされている。本実施例で
は、このオイル孔23を前記したクリアランス部21に
接続した構成としており、従ってドライブ側テーパ面1
4とジャーナル側テーパ面19との間に形成されたクリ
アランス部21に圧力オイルが供給される構成となって
いる。
【0032】続いて、上記構成とされた駆動機構の動作
及び作用について説明する。前述したように、本実施例
ではクランクシャフト1に設けられるドライブギヤ9を
分割ギヤとしている。このように、ドライブギヤ9を分
割ギヤとすることにより、クランクシャフト1を分割す
ることなく、かつドライブギヤ9の配設位置に自由度を
持たせることが可能となる。
【0033】即ち、ドライブギヤを従来と同様な一体型
のギヤとし、かつこれをバランスの良好なクランクシャ
フトの中央位置に配設しようといた場合、クランクシャ
フトにはクランクアーム等の他の構成要素が形成されて
いるため、クランクシャフトを分割しなくてはドライブ
ギヤをクランクシャフトの中央位置に配設することはで
きない。しかるに、クランクシャフトを分割した場合に
はクランクシャフトの曲げ剛性及び捩じり剛性が著しく
低下することは前述した通りである。
【0034】しるかに、ドライブギヤ9を分割ギヤとす
ることにより、ギヤ半体11,12をクランクシャフト
1を挟むようにして配設することにより、ドライブギヤ
9をクランクシャフト1の任意の位置に配設することが
可能となる。よって、クランクシャフト1を分割する必
要はなくクランクシャフト1の剛性を高く維持すること
が可能となり、かつドライブギヤ9をバランスシャフト
8を駆動するのに最適な位置に配設することができる。
【0035】また、ドライブギヤ9を分割ギヤとするこ
とにより、クランクシャフト1に形成されているクラン
クアーム4等の他の構成要素に拘束されずにドライブギ
ヤ9を形成することが可能となる。これにより、ドライ
ブギヤ9のギヤ径を小さくすることが可能となり、ギヤ
による風きり音であるヒュー音(ノイズ)の発生を抑制
することができる。
【0036】即ち、ドライブギヤをクランクシャフトに
一体的に形成した場合には、ドライブギヤのギヤ径がク
ランクアーム等の他の構成要素に対し小さいと、これら
の他の構成要素が邪魔となりドライブギヤの加工時にバ
イトを加工位置に移動させることができなくなってしま
う。このため、従来では必然的にドライブギヤのギヤ径
を大きく設定する必要があった。ところが、ドライブギ
ヤのギヤ径を大きく設定すると、これに伴いドライブギ
ヤを回転させた際にその周速が速くなりヒュー音といわ
れるノイズが発生することが知られている。
【0037】これに対し本実施例では、ドライブギヤ9
を分割ギヤとすることにより、ドライブギヤ9の加工を
クランクシャフト1と別個に行なうことが可能となる。
これにより、ドライブギヤ9のギヤ径を小さくすること
が可能となり、これに伴いドライブギヤ9の周速を低減
できるため、ヒュー音(ノイズ)の発生を抑制すること
ができる。
【0038】次に、クランクシャフト1が回転状態にあ
る場合における駆動機構の動作について、クランクシャ
フト1が高速回転である状態と、低速回転である状態に
分けて説明する。先ず、クランクシャフト1が高速回転
である状態について説明する。前記したように、本実施
例では保持ピン15,16及び保持孔17,18よりな
る保持機構を設け、ドライブギヤ9をクランクシャフト
1に対して変位可能な構成としている。このため、クラ
ンクシャフト1が高速回転すると各ギヤ半体11,12
には遠心力(図2に矢印FH で示す)が作用し、各ギヤ
半体11,12は遠心力F H の作用方向に変位しようと
する。
【0039】前記したように、保持ピン15,16はジ
ャーナル側テーパ面19に対して直角方向に延出してい
るため、上記の遠心力FH は水平分力FHXと垂直分力F
HYに分力される。この分力の内、水平分力FHXはドライ
ブギヤ9をシリンダブロック6(スラストベアリング2
2)に向け押圧するよう作用する。これにより、ドライ
ブギヤ9はシリンダブロック6(スラストベアリング2
2)ににより位置規制され、ガタツキのない円滑な回転
を維持することができる。
【0040】また、垂直分力FHYはドライブギヤ9をバ
ランスシャフト8に設けられたドリブンギヤ10に押圧
するよう作用する。これにより、ドライブギヤ9とドリ
ブンギヤ10との間のバックラッシュの発生を抑制する
ことができ、各ギヤ9,10の噛合位置で発生する騒音
(いわゆる歯打ち音)の低減を図ることができる。
【0041】ところで、クランクシャフト1の回転速度
が非常に高速となると、遠心力の増大に伴い水平分力F
HXも増大してスラストベアリング22に印加される押圧
力が非常に大きくなる。このため、これに対応できるよ
うスラストベアリング22として強度の高いものを使用
する必要が生じる。しかるに、強度の高いスラストベア
リングは高価であり、これにより駆動機構のコスト上昇
してしまう。
【0042】しかるに、本実施例では各ギヤ9,10に
はすば歯車を用いている。周知のようにはすば歯車はそ
の歯が斜め方向に形成されているため、駆動力伝達時に
ギヤ噛合部で発生する駆動力の反力はギヤ周方向とギヤ
軸方向に分力される。特に、ギヤ軸方向に作用する分力
を図2に矢印fで示す。本実施例では、各ギヤ9,10
にはすば歯車としたことにより発生するギヤ軸方向分力
fが、上記した遠心力による水平分力FHXの作用方向と
逆方向に作用するよう構成されている。
【0043】これにより、遠心力による水平分力F
HXは、各ギヤ9,10の噛合部で発生するギヤ軸方向分
力fにより弱められ、スラストベアリング22に印加さ
れる押圧力を低減することができる。従って、スラスト
ベアリング22として強度の高い高価なものを用いる必
要がなくなり、よって駆動機構のコスト低減を図ること
ができる。
【0044】続いて、クランクシャフト1が低速回転で
ある状態について説明する。クランクシャフト1が低速
回転である場合には、ドライブギヤ9に作用する遠心力
Hも小さく、よって水平分力FHX及び垂直分力FHY
小さくなっている。この状態では、ドライブギヤ9は主
にクランクアーム4の側面と当接することにより位置規
制が行なわれている。従って、低速回転状態であっても
ドライブギヤ9の回転を円滑に行なうことができる。
【0045】また、上記のように垂直分力FHYが小さい
とドライブギヤ9とドリブンギヤ10との間におけるバ
ックラッシュが大きくなる可能性があり、よって各ギヤ
9,10の噛合位置で発生する騒音が問題となる。しか
るに本実施例では、前記のようにオイル孔23を設ける
ことにより、ドライブ側テーパ面14とジャーナル側テ
ーパ面19との間に形成されたクリアランス部21に圧
力オイルが供給される構成となっている。
【0046】このように、ドライブギヤ9とクランクシ
ャフト1との間に形成されたクリアランス部21にオイ
ル孔23から圧力オイルを供給する構成としたことによ
り、クリアランス部21に溜まった油が遠心力を受け、
この遠心力がドライブギヤ9を外側に向け変位するよう
作用する。また、圧力オイルの有する圧力によってもド
ライブギヤ9は外側に向け変位付勢される。このため、
ドライブギヤ9はドリブンギヤ10との噛み合い代を常
に略一定に保つことが可能となり、バックラッシュの発
生は抑制され歯打ち音の発生を抑えることができる。
【0047】一方、上記した実施例に係る駆動機構で
は、クランクシャフト1に設けられたドライブギヤ9と
バランスシャフト8に設けられたドリブンギヤ10を噛
合させることにより、駆動力をクランクシャフト1から
バランスシャフト8に伝達する構成とした。しかるに本
発明は、チェーンを用いて駆動力をクランクシャフト1
からバランスシャフト8に伝達する構成にも適用するこ
とは可能である。 この構成の場合、クランクシャフト
1にはドライブギヤ9に代えてクランク側スプロケット
が設けられ、またバランスシャフト8にはドリブンギヤ
10に代えてバランスシャフト側スプロケットが設けら
れる。そして、クランク側スプロケットとバランスシャ
フト側スプロケットとの間にはチェーンが配設される。
また、クランク側スプロケットは、分割されて複数のス
プロケット半体により構成される。
【0048】上記のように、クランク側スプロケットを
分割スプロケットとすることにより、このクランク側ス
プロケットをクランクシャフト中央位置(エンジン中央
位置)に設けることができるため、エンジン全長を短縮
することができ、またバランスシャフト長も短くするこ
とができるため、エンジンのコンパクト化を可能とする
ことができる。
【0049】尚、本実施例においては4気筒エンジンを
例に挙げて説明したが、本発明の適用は4気筒エンジン
に限定されるものではなく、3気筒や6気筒またその他
複気筒エンジンに対して適用可能なものである。
【0050】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、次に述べる
各種の効果を実現することができる。請求項1記載の発
明によれば、クランクシャフトの剛性を高く維持しつ
つ、駆動最適位置でバランスシャフトを駆動することが
でき、またいわゆるヒュー音といわれるノイズの低減を
図ることができ、更にバランスシャフトへの駆動の伝達
を円滑かつ確実に行なうことができる。
【0051】また、請求項2記載の発明によれば、分割
された駆動ギヤであってもその姿勢を安定化することが
でき、被駆動ギヤとの噛み合い代を常に略一定に保つこ
とが可能となり歯打ち音の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるバランスシャフトの駆
動機構を示す図である。
【図2】図1において矢印Aで示す部分を拡大して示す
図である。
【図3】ドライブギヤを分割した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 クランクシャフト 2 クランクジャーナル 3 クランクピン 4 クランクアーム 5 バランスウェイト 6 シリンダブロック 8 バランスシャフト 9 ドライブギヤ 10 ドリブンギヤ 11,12 ギヤ半体 13 ギヤ部 14 ドライブ側テーパ面 15,16 保持ピン 17,18 保持孔 19 シャフト側テーパ面 20,21 クリアランス部 22 スラストベアリング 23 オイル孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクシャフトに設けられた駆動ギヤ
    をバランスシャフトに設けられた被駆動ギヤに噛合し、
    前記クランクシャフトの回転力を前記バランスシャフト
    に伝達して前記バランスシャフトを回転駆動するバラン
    スシャフトの駆動機構において、 前記クランクシャフトに設けられる駆動ギヤを分割ギヤ
    とすると共に、 前記駆動ギヤを前記クランクシャフトに対して変位可能
    に、かつ前記クランクシャフトとの間にクリアランス部
    が形成された状態で保持する保持機構を設けたことを特
    徴とするバランスシャフトの駆動機構。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のバランスシャフトの駆動
    機構において、 前記クリアランス部に対し圧力油を供給するオイル孔を
    設けたことを特徴とするバランスシャフトの駆動機構。
JP29674596A 1996-11-08 1996-11-08 バランスシャフトの駆動機構 Pending JPH10141444A (ja)

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JP29674596A JPH10141444A (ja) 1996-11-08 1996-11-08 バランスシャフトの駆動機構

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JPH10141444A true JPH10141444A (ja) 1998-05-29

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JP29674596A Pending JPH10141444A (ja) 1996-11-08 1996-11-08 バランスシャフトの駆動機構

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JP (1) JPH10141444A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100440021B1 (ko) * 2001-11-06 2004-07-14 현대자동차주식회사 크랭크축의 진동 소음을 저감하는 밸런스 샤프트 장치

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KR100440021B1 (ko) * 2001-11-06 2004-07-14 현대자동차주식회사 크랭크축의 진동 소음을 저감하는 밸런스 샤프트 장치

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