JPH10140724A - 鋼製床材固定金具 - Google Patents

鋼製床材固定金具

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JPH10140724A
JPH10140724A JP31268896A JP31268896A JPH10140724A JP H10140724 A JPH10140724 A JP H10140724A JP 31268896 A JP31268896 A JP 31268896A JP 31268896 A JP31268896 A JP 31268896A JP H10140724 A JPH10140724 A JP H10140724A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼製床材を梁に固定する専用金具を得る。 【解決手段】 鋼製床材Aの床面に当接する上押え金具
1と、鋼製床材Aを載置する梁材の上フランジH′に嵌
め付ける下押え金具5とを、連結ボルト12で締着する
ことにより、鋼製床材Aを上フランジH′側に強く引き
付けて固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工場等の歩廊や仮
設足場等に使用する鋼製床材、特にその床面にリップ付
き開口を多数設けて軽量化してなる鋼製床材を梁材に固
定する金具に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、この種の鋼製床材においては、例
えば図7に示すように、その床面にほぼ全幅に亘るリッ
プ付き開口aを一定間隔で多数設けることにより、所定
の強度を損なうことなく軽量化した構造の鋼製床材A,
Bが開発されている。これにより、運搬や架設、撤去時
等における労力負担は著しく軽減されることとなった。
【0003】しかしながら、このような軽量化構造の鋼
製床材を梁材上に固定する手段については、溶接あるい
はボルト連結といった従来からの手法が採用されてい
る。このため、次のような問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、溶接による
固定では、現場に溶接電源が必要であり、しかも薄板の
溶接であるため、高度な溶接技術を必要とする。また、
ボルトによる固定では、鋼製床材および梁材の双方に、
予めボルト挿通用の多数の先穴加工を設けておく必要が
あり、その分、加工単価が上昇する。しかも、これらの
先穴加工は、現場等にて割付変更が生じた場合に、全て
使用できなくなる。
【0005】さらに、鋼製床材および梁材が屋外仕様で
あって溶融亜鉛メッキ仕上げされている場合には、溶接
や後穴加工等が不可能となる。
【0006】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、この種の軽量化構造の鋼製床材
を梁材に固定する場合に、溶接を行わず、またボルト止
めの穴開け加工を全く必要としない固定金具の提供を目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の第1の固定金具は、鋼製床材の床面に当接する金具
であって、矩形鋼板の中央部を上記踏面の開口内に嵌合
する溝形の凹みに形成し、両端部を上記開口を挟む両隣
の開口リップ部に係合するフックに形成し、かつ前記凹
みの中央部に連結ボルトの挿通孔を設けた上押え金具
と、鋼製床材を載置する梁材の上フランジに水平に嵌め
込む金具であって、溝形鋼板の両側板部に、その一側辺
中央部を切欠いて前記上フランジとの嵌合口を設けると
ともに該嵌合口の上方に嵌合口と平行な長孔を設け、か
つ両側板部の上記長孔間にスライド可能に水平板を架設
し、その中央部に前記連結ボルトの螺合孔を設けた下押
え金具とよりなる。
【0008】この場合、下押え金具の嵌合口上顎部には
板バネを設けて、梁材のフランジが嵌合口下顎部に圧着
されるようにしておくのがよい。
【0009】また、本発明の第2の鋼製床材固定金具
は、梁材の上フランジに並列配置された互いに隣接する
鋼製床材どうしを上記上フランジに固定する金具であっ
て、L字形鋼板の垂直板の上辺部を前記隣接する一方の
鋼製床材の側部下端の内曲げリップ部に係合するフック
に形成し、該垂直板の一側辺中央部に上フランジとの嵌
合口を切欠き形成し、当該L字形鋼板の水平板に連結ボ
ルトの螺合孔を設けた上重ね金具と、上重ね鋼板の水平
板下に水平板を重ね合わせて溝形を形成するL字形鋼板
の垂直板の上辺部を前記隣接する他方の鋼製床材の側部
下端の内曲げリップ部に係合するフックに形成し、該垂
直板の一側辺中央部に上フランジとの嵌合口を切欠き形
成し、当該L字形鋼板の水平板部に前記螺合孔と連通す
る連結ボルトの挿通孔を設けた下重ね金具とよりなる。
【0010】この場合、下重ね金具の水平板には、連結
ボルトの挿通孔と一端部で鉤状に連続する巾方向に長い
連結ボルトのスライド孔を設けておくのがよい。
【0011】
【発明の実施の形態】図1〜図3は、本発明の第1の鋼
製床材固定金具を示している。
【0012】これらの図に示すように、この固定金具
は、鋼製床材Aの床面に当接する上押さえ金具1と、鋼
製床材を載置する梁材(H型鋼)Hの上フランジにH′
に嵌め込む下押え金具5と、これらの両金具1,5を連
結する連結ボルト12とよりなる。
【0013】すなわち、上押え金具1は矩形状をなす鋼
板(厚さ2mm)の中央部を鋼製床材Aの床面の開口a
内に嵌合する溝形の凹み2に形成し、該鋼板の両端部を
下方へ折り曲げて、これらを鋼製床材Aの上記開口aを
挟む両側の床面部A′,A′(図7参照)に係合するフ
ック3,3に形成し、さらに前記凹み2の中央部に連結
ボルト12の挿通孔4を設けてなるものである。この上
押え金具1は巾(W)40mm,長さ(L)75mm程
度の大きさである。
【0014】下押え金具5は、高さ(T)50mm,巾
(W)30mm,長さ(L)90mm程度の溝形に形成
した鋼板(厚さ2mm)の両側板部51 ,52 に、これ
らの一側辺5′,5′中央部を切欠いて前記上フランジ
H′との嵌合口6を設け、その上方に上記嵌合口と平行
に長孔7を設け、かつ両側板部の上記長孔7,7間にス
ライド可能に水平板8を架設し、その中央部に前記連結
ボルト12の螺合孔9を設けてなるのである。
【0015】上記の水平板8は、鋼板製でそのスライド
方向の前後両端辺部には、抜け止め用の垂直曲げ8′が
形成してある。螺合孔9は、水平板の裏面よりパンチン
グにて孔を開け、その内周面に螺子溝を設けたものであ
る。
【0016】また図示例の場合、下押え金具5には梁材
の上フランジH′を嵌合口6内の下顎62 に圧着させる
板バネ10が設けてある。この板バネ10は、鋼板をT
字形に形成し、その水平部10aを下押え金具両側板部
1 ,52 の一側辺5′,5′間上部に取付け、垂直板
部10bを嵌合口6内に上顎61 側から下顎62 側へ向
けて傾斜状に突出させてなるものである。また、下押え
金具5の両側板部51,52 には、補強リブ11が膨出
加工により設けてある。
【0017】連結ボルト12は、鋼製床材Aの床面に当
接された上押え金具1の挿通孔4と、梁材の上フランジ
H′に取付けた下押え金具5の螺合孔9とを連結可能な
軸長(45mm)に形成してあり、その先端部には螺合
孔9と螺合する螺子(外径7mm)12′が設けてあ
る。また、頭部には電動ドライバーにて回転可能な六角
孔が設けてある。13はワッシャーである。
【0018】上記構成よりなる固定金具を使用する場合
は、まず梁材HであるH型鋼の上フランジH′に下押え
金具5を取付ける。この取付けは、下押え金具の嵌合口
6を板バネ10の圧力に抗して上フランジH′に嵌め合
せるだけである。しかも嵌め合せ後は、板バネ10が上
フランジH′を前記嵌合口6の下顎62 側へ強く押圧す
るので、手指を離しても下押え金具が抜け落ちることは
ない。
【0019】次に、前記上フランジH′に固定しようと
する鋼製床材Aを載置し、その床面に上押え金具1を取
付ける。この取付けは、上押え金具中央部の凹み2を鋼
製床材Aの開口aに上方より嵌め込むだけである。この
嵌め込みにより、該金具1両端部のフック3,3は、上
記開口aを挟む両側の床面部A′,A′に自然に係合す
る。
【0020】次に、上記の如く取付けた下押え金具5と
上押え金具1の位置合わせを行う。この位置合わせは、
下押え金具5を上フランジH′に沿って移動させて上押
え金具1の直下に位置させるか、あるいは上押え金具1
を開口aに沿って移動させて下押え金具5の直上に位置
させることにより行う。そして、さらに下押え金具5の
水平板8を長孔7に沿って前後に移動させ、螺合孔9の
中心を上押え金具1の挿通孔4中心に一致させる。
【0021】最後に、連結ボルト12を上押え金具1の
挿通孔4にワッシャー13を介して挿通し、電動ドライ
バー等にてその先端部を下押え金具5の螺合孔9に螺合
させる。これにより鋼製床材Aは梁材Hの上フランジ
H′側へ強く引き付けられ、動きが固定されることにな
る。
【0022】図4〜図6は、本発明の第2の鋼製床材固
定金具を示している。
【0023】これらの図に示すように、この固定金具は
梁材HであるH型鋼の上フランジH′に並列配置した互
いに隣接する鋼製床材A,Bどうしを同時に上フランジ
H′に固定するものであって、互いの水平板部を重ね合
わせて溝形を形成する2個のL字形金具すなわち上重ね
金具14と下重ね金具18、ならびに連結ボルト24と
よりなる。
【0024】上重ね金具14は、L字形鋼板(厚さ2m
m)の垂直板14aの上辺部を前記隣接する一方の鋼製
床材Aの側部下端の内曲げリップ部A′′(図7参照)
に係合するフック15に形成し、かつ該垂直板の一側辺
14a′中央部にフランジH′との嵌合口16を切欠き
形成し、さらに水平板14bのほぼ中央部に連結ボルト
24の螺合孔17を形成してなる。この上重ね金具14
は高さ(T)52mm,巾(W)40mm,長さ(L)
65mm程度の大きさである。
【0025】下重ね金具18は、上記上重ね金具14の
水平板14b下に水平板18bを重ね合わせて溝形を形
成するL字形鋼板(厚さ2mm)の垂直板18aの上辺
部を、前記隣接する他方の鋼製床材Bの側部下端の内曲
げリップ部B′′(図7参照)に係合するフック19に
形成し、かつ該垂直板18aの一側辺18a′中央部に
上フランジH′との嵌合口20を切欠き形成し、さらに
水平板18bのほぼ中央部に前記螺合孔17と連通する
連結ボルト24の挿通孔21を設けてなる。この下重ね
金具18は、高さ(T′)54mm,巾(W′)55m
m,長さ(L′)65mm程度の大きさである。
【0026】なお、図示例の場合、下重ね金具18の水
平板18bには、上記の挿通孔21とともに、該挿通孔
に一端部で鉤状に連続する巾(W′)方向に長い連結ボ
ルトのスライド孔22が設けてある。また、上重ね金具
14および下重ね金具18の垂直板14a,18a部に
は、いずれも補強リブ23,23が膨出加工により設け
てある。
【0027】連結ボルト24は、上重ね金具14の水平
板14b下に下重ね金具18の水平板18bを重ね合わ
せて、溝形に組合わせた際に連通する両金具の互いの挿
通孔21と螺合孔17とを連結するものであり、その軸
長(50mm)全体に上記螺合孔17と螺合する螺子
(外径7mm)が設けてある。また、このボルトには緩
み止め用のナット25がワッシャー26とともに挿着し
てあり、ボルト頭部には電動ドライバーにて回転可能な
六角孔が設けてある。
【0028】上記構成よりなる固定金具を使用する場合
は、予め上重ね金具14の水平板14b下に下重ね金具
18の水平板18bを重ね合わせて両金具14,18を
溝形に組合わせる。そして、連結ボルト24の先端部を
下重ね金具の挿通孔21を介して上重ね金具の螺合孔1
7に螺子込むことにより両金具14,18を連結し、さ
らにナット25を締着して両金具14,18を一体に固
定しておく。これにより、現場への持ち運びが便利とな
る。
【0029】上記の固定金具を梁(H型鋼)の上フラン
ジH′上に並列配置された鋼製床材A,Bの隣接部に下
方より持ち来りて、ナット25を緩め、スライド孔22
を利用して両金具14,18をその溝形が広がる外方に
スライドさせる。
【0030】そして、上重ね金具14のフック15を一
方の鋼製床材Aのリップ部A′′に係合させ、下重ね金
具18のフック19を他方の鋼製床材Bのリップ部
B′′に係合させる。次に、再びスライド孔22を利用
して両金具14,18を内方へスライドさせ、互いの挿
通孔21と螺合孔17が連通する元の溝形に組合わせ
る。
【0031】次に、上記の如く組合せた両金具14,1
8を、鋼製床材A,Bのリップ部A′′,B′′に沿っ
て梁材の上フランジH′側へ移動させ、両金具の嵌合口
16,20を上フランジH′に嵌め合わせる。
【0032】次に、両金具14,18を連結している連
結ボルト24を、さらにその先端が上フランジH′の下
面に当接するまで電動ドライバー等にて締め付け、最後
に両金具14,18の緩み止めナット25をきつく締め
付ける。これにより、梁H上に並列配置された鋼製床材
A,Bは、いずれもそのリップ部A′′,B′′が両金
具14,18のフック15,19によって梁材の上フラ
ンジH′側へ強く引き付けられ、動きが固定されること
になる。
【0033】
【発明の効果】以上に説明したとおり、本発明の固定金
具によれば、鋼製床材を梁に固定するに際して従来のよ
うに鋼製床材と梁材の双方に多数のボルト孔を開けた
り、あるいはこれらを溶接したりする必要がなく、一本
のボルトの締着作業のみで、簡単かつ確実に鋼製床材を
梁材に固定することができる。
【0034】また、金具自体が断面効率の高い溝形ある
いは溝形に組合せる構造であるから、高強度で荷重変形
が生じ難く、かつ軽量で持ち運びに便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の固定金具により鋼製床材を梁上
に固定した状態を示す正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本発明の第1の固定金具を説明する斜視図であ
る。
【図4】本発明の第2の固定金具により鋼製床材を梁上
に固定した状態を示す正面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】本発明の第2の固定金具を説明する斜視図であ
る。
【図7】軽量化構造の鋼製床材を説明する斜視図であ
る。
【符号の説明】
1:上押え金具 2:凹み 3:フック 4:挿通孔 5:下押さ金具 6:嵌合口 7:長孔 8:水平板 9:螺合孔 10:板バネ 12:連結ボルト 14:上重ね金具 15フック 16:嵌合口 17:螺合孔 18:下重ね金具 19:フック 20:嵌合口 21:螺合孔 22:スライド孔 24:連結ボルト
フロントページの続き (72)発明者 上嶋 賢司 大阪市西区江戸堀2丁目1番1号 住金鋼 材工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼製床材の床面に当接する金具であっ
    て、矩形板の中央部を上記床面の開口内に嵌合する溝形
    の凹みに形成し、両端部を上記開口を挟む両側の床面部
    に係合するフックに形成し、かつ前記凹みの中央部に連
    結ボルトの挿通孔を設けた上押え金具と、鋼製床材を載
    置する梁材の上フランジに水平に嵌め込む金具であっ
    て、溝形鋼板の両側板部に、その一側辺中央部を切欠い
    て上フランジとの嵌合口を設けるとともに該嵌合口の上
    方に嵌合口と平行な長孔を設け、かつ両側板部の上記長
    孔間にスライド可能に水平板を架設し、その中央部に前
    記連結ボルトの螺合孔を設けた下押え金具とよりなる鋼
    製床材固定金具。
  2. 【請求項2】 下押え金具の嵌合口上顎部に板バネを設
    け、梁材のフランジを嵌合口下顎部に圧着させるように
    した請求項1に記載の鋼製床材固定金具。
  3. 【請求項3】 梁材の上フランジに並列配置された互い
    に隣接する鋼製床材どうしを上記上フランジに固定する
    金具であって、L字形鋼板の垂直板の上辺部を前記隣接
    する一方の鋼製床材の側部下端の内曲げリップ部に係合
    するフックに形成し、該垂直板の一側辺中央部に上フラ
    ンジとの嵌合口を切欠き形成し、当該L字形鋼板の水平
    板に連結ボルトの螺合孔を設けた上重ね金具と、上重ね
    金具の水平板下に水平板を重ね合わせて溝形を形成する
    L字形鋼板の垂直板の上辺部を前記隣接する他方の鋼製
    床材の側部下端の内曲げリップ部に係合するフックに形
    成し、該垂直板の一側辺中央部に上フランジとの嵌合口
    を切欠き形成し、当該L字形鋼板の水平板に前記螺合孔
    と連通する連結ボルトの挿通孔を設けた下重ね金具とよ
    りなる鋼製床材固定金具。
  4. 【請求項4】 下重ね金具の水平板に、連結ボルトの挿
    通孔と一端部で鉤状に連続する巾方向に長い連結ボルト
    のスライド孔を設けた請求項3に記載の鋼製床材固定金
    具。
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