JPH10140338A - スパッタリング用ターゲット及びスパッタリング方法 - Google Patents

スパッタリング用ターゲット及びスパッタリング方法

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JPH10140338A
JPH10140338A JP29384296A JP29384296A JPH10140338A JP H10140338 A JPH10140338 A JP H10140338A JP 29384296 A JP29384296 A JP 29384296A JP 29384296 A JP29384296 A JP 29384296A JP H10140338 A JPH10140338 A JP H10140338A
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JP
Japan
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sputtering
target
density
film
mgf
Prior art date
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Pending
Application number
JP29384296A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ikeda
浩 池田
Takeshi Kawamata
健 川俣
Nobuaki Mitamura
宣明 三田村
Nobuyoshi Toyohara
延好 豊原
Norikazu Urata
憲和 浦田
Tadashi Watanabe
正 渡邊
Toshiaki Oimizu
利明 生水
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スパッタリング法により高速で成膜する。 【解決手段】 バルク状態の密度の70%以下、且つ1
0%以上の密度のターゲットとして、このターゲットに
対してスパッタリングする。密度が低いため、熱伝導率
が小さくなり、スパッタリング時のターゲットの温度を
高く保つことができ、高速の成膜が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタリングに
用いるターゲット及びそのターゲットを用いたスパッタ
リング方法、特に高速で光学薄膜を製造できるスパッタ
リング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】反射防止膜やハーフミラー、エッジフィ
ルターなどの光学薄膜を形成する場合、手法の容易さや
成膜速度の速さなどの点から、真空蒸着法が多く用いら
れてきたが、近年では、真空蒸着法に比較して自動化・
省力化・大面積基板への適用性などの点で有利なスパッ
タリング法によるコーティングが採用されている。しか
し、スパッタリング法は真空蒸着法と比較して成膜速度
が遅い問題があり、工業的な普及が遅れがちとなってい
た。また、低屈折率膜の代表であるMgF2 をスパッタ
リング法により膜を形成すると光吸収が出易い問題を有
していた。
【0003】光学薄膜に用いるための従来のスパッタリ
ング用ターゲットとしては、特公平3−60582号公
報に記載されている。このターゲットでは、冷却皿の周
りに、冷却皿とその上に載せられたターゲット円盤また
はターゲット板との間のろう間隔を囲む凹所を有する枠
を置き、真空中で再ろう付けすることにより、無気泡無
空孔の構造に形成されるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来では、ターゲット
として誘電体を用いた場合、通常の真空蒸着法などに比
べて成膜速度が遅いという問題点があり、このため実用
化の妨げとなっていた。
【0005】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであり、誘電体などの光学薄膜を非常に早い成膜
速度でスパッタリング法により形成することができるス
パッタリング用ターゲット及びスパッタリング方法を提
供することを目的としている。
【0006】
【発明が解決するための手段】本発明のスパッタリング
用ターゲットは、スパッタリングされる部材の密度がバ
ルクの状態の密度の10%以上70%以下であることを
特徴とする。また、スパッタリング材料として、MgF
2 を使用するものである。本発明のスパッタリング法
は、上記ターゲットを用いたスパッタリングを行うこと
により成膜を行うものである。
【0007】マグネトロンスパッタリングに用いるター
ゲットにおいては、スパッタリング材料であるターゲッ
トとバッキングプレートをインジウムなどの低融点金属
を用いてボンディングし、ターゲット陰極を構成する。
あるいは、スパッタリング材料の交換を簡便化する目的
やスパッタリング用ターゲットのコストを低く押さえる
目的でバッキングプレートにスパッタリング材料をネジ
止めする場合もある。これらの場合は、いずれもバッキ
ングプレートとスパッタリング材料との間の熱伝導を良
くし、直接水冷されたバッキングプレートにスパッタリ
ング中に発生する熱を積極的に逃がすことによってスパ
ッタリング材料の温度を低くする構造となっている。
【0008】これに対して、スパッタリング材料は温度
が高い方が成膜速度が速くなる。すなわちスパッタリン
グ材料の熱をバッキングプレートから逃がすことは発生
したエネルギーを逃がしてしまう結果となり、成膜速度
を下げてしまう。本発明では、スパッタリングされる部
材の密度をバルクの状態の密度よりも低く、70%以下
としている。これにより、スパッタリング材料の熱伝導
率が小さくなり、スパッタリング材料の温度を高く保っ
たままスパッタリングを行うことが可能になる。これに
より、スパッタリング材料の温度の高い、すなわち成膜
速度の速い領域でのスパッタリングが可能となってい
る。スパッタリングされる部材の密度をバルクの状態の
密度の70%以上とした場合、スパッタリング材料の温
度はバルク材料を用いた場合と大きく変わらず、バルク
材料を使用してスパッタリングした場合に比べて成膜速
度を速くする効果は認めることができない。
【0009】スパッタリングされる部材の密度が低けれ
ば低いほどスパッタリング時の成膜速度は速くなるが、
密度を低くしすぎると、具体的には10%以下にすると
スパッタリング中のターゲット表面の安定度が悪くな
り、ターゲットの材質によってはターゲット組成物が塊
状のまま基板に跳び、膜にピンホールを生じる不都合が
ある。
【0010】本発明では、スパッタリング材料としてM
gF2 を使用することにより、光損失が例えば波長40
0nmで膜厚で膜厚100nm当たり僅か0.2%以下
となる光学薄膜をスパッタリング法によって成膜するこ
とができる。
【0011】またさらに、本発明のターゲットでは、材
料は粉体や顆粒ではなく一体の材質を用いているため、
ターゲットの配置の制限はなく、したがってスパッタア
ップだけでなくサイドスパッタやスパッタダウンの形態
をとることもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】 (実施の形態1)図1は、本発明の実施の形態1のター
ゲットを示す。本実施の形態では、スパッタリング材料
12として直径100mm、高さ5mmの円盤状のアル
ミニウム(Al)を使用し、無酸素銅からなるバッキン
グプレート11とスパッタリング材料12とをボンディ
ングすることにより、スパッタリング用ターゲット3用
の陰極を構成した。Alは密度が1.6g/cm3 の多
孔質を使用した。バルクのAlの密度は2.66g/c
3 であり、本実施の形態に使用しているAlの密度は
バルクの状態の約59%であった。
【0013】本実施の形態で用いる成膜装置を図2に示
す。真空槽1の上方には基板2が設置され自転可能にな
っている。スパッタリング用ターゲット3はスパッタリ
ング用電源6と接続されている。真空槽1の側面にはガ
ス導入口7が開口されている。スパッタリングは、まず
ガラスやポリカーボネート樹脂などからなる基板2を加
熱することなく、1×10-4Pa程度まで真空槽1内を
排気する。その後、所定のガスをガス導入口7から所定
の圧力まで導入する。電源6から電力をスパッタリング
用ターゲット3に供給し、プラズマを発生させる。この
プラズマにより、スパッタリング材料は加熱されるとと
もに、スパッタリングされる。ここで、基板2を自転さ
せ、シャッター8を開放すると基板2上に膜が形成され
る。
【0014】以上の成膜装置を使用して、本実施の形態
のターゲットを用いて直流マグネトロンスパッタリング
を行ったところ、導入するArガスのガス圧1Pa、タ
ーゲット基板間距離100mm、出力1kWの条件で成
膜速度が300nm/secと、通常のターゲット(バ
ルクのAlを用いたターゲット)を用い同じスパッタリ
ング装置及び成膜条件(導入ガス圧/基板距離/投入電
力など)で成膜した場合に比較して約10倍の成膜速度
が得られた。また、反射率も50nmの膜厚で可視域
(波長400〜700nmの領域)での反射率が90%
以上であり、通常のターゲットを用いた場合と同等の反
射率が得られた。
【0015】(実施の形態2)実施の形態1のAlに代
えてスパッタリング材料としてSiO2 を使用し、スパ
ッタリング用ターゲットを構成した。SiO2 は密度が
1.05g/cm3 の多孔質を使用した。バルクのSi
2 の密度は2.22g/cm3 であり、本実施の形態
に使用しているSiO2 の密度はバルクの状態の約47
%であった。
【0016】上述した密度のターゲットを用いて高周波
マグネトロンスパッタリングを行ったところ、導入圧A
rガスのガス圧1Pa、ターゲット基板間距離100m
m、投入電力1kWの出力で成膜速度が40nm/se
cであり、通常のターゲットを用いて同じスパッタリン
グ装置及び成膜条件で成膜した場合に比較して約30倍
の成膜速度が得られた。また、波長400〜700nm
の領域での屈折率が1.46と、通常のターゲットを用
いた場合と同等の光学特性が得られた。
【0017】(実施の形態3)実施の形態1のAlに代
えてスパッタリング材料としてMgF2 を使用し、スパ
ッタリング用ターゲットを構成した。MgF2 は密度
1.55g/cm3 の多孔質を使用した。バルクのMg
2 の密度は3.15g/cm3 であり、本実施の形態
に使用しているMgF2 の密度はバルクの状態の約49
%であった。
【0018】このターゲットを用いて高周波マグネトロ
ンスパッタリングを行ったところ、導入するO2 ガスの
ガス圧が0.1Pa、ターゲット基板間距離100m
m、投入電力1kWの出力で成膜速度が30nm/se
cであり、通常のターゲットを用いて同じスパッタリン
グ装置及び成膜条件で成膜した場合に比較して約30倍
の成膜速度が得られた。
【0019】しかも、通常のターゲットを用いた場合に
は、屈折率が1.38であるが、波長400nmでの光
損失が物理的膜厚100nm当たり2.1%存在したの
に比べ、本実施の形態のスパッタリング用ターゲットを
用いて成膜を行った場合は、可視域での屈折率は1.3
8、波長400nmでの光損失は膜厚100nm当たり
わずか0.2%以下という良好な値となり、これまで光
損失の多さから実用化が困難であったスパッタリング法
によるMgF2 膜の光学薄膜としての適用も可能となっ
た。このように、本実施の形態によれば、非常に成膜速
度の速い領域でのスパッタリングを可能にすることがで
きる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、成膜速度の速い領域で
のスパッタリングを可能にした。また、スパッタリング
材料としてMgF2 を使用することにより、約1.38
という非常に低い屈折率の光学膜をスパッタリング法に
よって成膜することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スパッタリング用ターゲットの断面図である。
【図2】成膜装置の断面図である。
【符号の説明】
1 真空槽 2 基板 3 スパッタリング用ターゲット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 豊原 延好 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 浦田 憲和 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 渡邊 正 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 生水 利明 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スパッタリングされる部材の密度がバル
    クの状態の密度の70%以下かつ10%以上であること
    を特徴とするスパッタリング用ターゲット。
  2. 【請求項2】 スパッタリングされる部材がMgF2
    あることを特徴とする請求項1記載のスパッタリング用
    ターゲット。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のターゲットを使用してス
    パッタリングを行うことを特徴とするスパッタリング方
    法。
JP29384296A 1996-11-06 1996-11-06 スパッタリング用ターゲット及びスパッタリング方法 Pending JPH10140338A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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