JP3281646B2 - 透明導電膜の製造方法 - Google Patents

透明導電膜の製造方法

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JP3281646B2
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高史 久保田
憲之 高橋
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スパッタリング法によ
るインジウム−錫酸化物透明導電膜の製造方法に関し、
特に成膜中、ターゲット表面を290〜600℃に加熱
することによって、ターゲット表面の変質に起因する膜
形成速度の変動を防止し、一定の特性を有する透明導電
膜の連続的な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、真空蒸着法やスパッタリング法に
よって、得られるインジウム−錫酸化物(In23−S
nO2:Indium−Tin Oxide;ITO)
膜は、高い導電性と可視光領域での高い光透過性を有す
るので、透明導電膜として最も広く用いられている。そ
して、このITO膜は、主に液晶ディスプレイやタッチ
パネル、太陽電池等の電極材料に用いられている。
【0003】このITO膜の製造方法は、成膜速度、成
膜時の制御性、安定性等の点から、In23とSnO2
からなる酸化物ターゲットを用いた直流マグネトロン・
スパッタリング法が主流となっており、1.5〜2.0
×10-4Ω・cmの低抵抗膜が得られている。
【0004】ITOターゲットを使用して成膜した場
合、その使用時間が長くなるに従ってターゲット表面が
黒色化し、突起が発生する(林立黒化現象)。そして、
それに伴ない膜形成速度の変動が起こることが判ってい
る。このため長時間に亘って安定して高品質のITO膜
が得られないという問題が生じる。
【0005】このためITO膜の成膜に際し、生産性向
上のために、一定時間経過後にターゲット表面の黒色突
起部分を除去するといったクリーニングをしなければな
らない。しかし、量産タイプのスパッタリング装置では
この何回ものクリーニングが生産性に大きく影響する。
【0006】従って、クリーニング回数が少ないか、あ
るいは全くクリーニングしなくても連続的に安定して高
品質のITO膜が得られるような長寿命ターゲット(ロ
ングライフターゲット)が望まれている。
【0007】このITOターゲットの長寿命化対策とし
て、ターゲットの高密度化が挙げられるが、高密度ター
ゲットにおいても林立黒化が発生することが知られてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従
来、通常使用されているITOターゲットを用いて成膜
するときに起こるターゲット表面の林立黒化現象を防止
することによって膜形成速度の変動を抑制し、高品質の
ITO透明導電膜の安定した連続的な製造方法を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、タ
ーゲット表面を一定温度以上に加熱することによって達
成される。
【0010】すなわち、本発明の透明導電膜の製造方法
は、インジウム−錫酸化物ターゲットを用い、スパッタ
リング法による透明導電膜の製造方法において、該ター
ゲット表面を290〜600℃に加熱することを特徴と
する。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。図1は、
本発明の製造方法を実施するための装置の構成図であ
り、典型的なマグネトロン・スパッタリング装置を示し
ている。同図において、1は真空チャンバー、2は直流
電源、3はマグネット、4はバッキングプレート、5は
ITOターゲット、6は基板、7はマスフロー、8はガ
スボンベ、9は真空ポンプ、10は真空計をそれぞれ示
す。
【0012】この装置は真空ポンプ9からなる真空排気
系とアルゴンガス等のガスボンベ8、マスフロー7から
なるガス導入系を備えた真空チャンバー1の中にITO
ターゲット5と、これに対向して基板6が配設されてい
る。
【0013】スパッタリングに際しては、真空チャンバ
ー1内に基板6をセットした後、真空ポンプ9により真
空チャンバー1内を高真空に排気し、ガス導入系からア
ルゴンガスあるいはアルゴンと酸素の混合ガスをマスフ
ロー7を介して真空チャンバー1内に導入して、スパッ
タリング条件を設定する。また必要に応じて基板6をヒ
ーター等により加熱する。スパッタリング条件を設定し
た後、直流電源2によりITOターゲット5に電圧を印
加する。このときアルゴンイオンがターゲット表面のタ
ーゲット物質をたたき出し、基板表面に付着させて成膜
する。
【0014】このようなスパッタリング装置では、IT
Oターゲット5の下には、ターゲット表面のプラズマ密
度を上げるためのマグネット3が設置してあり、ITO
ターゲット5はプラズマ密度の高い部分がリング状に掘
れ、この部分をエロージョンというが、このエロージョ
ン部分に、上述したように黒化および突起が発生し、膜
形成速度の変動を引き起こすために大きな問題となって
いた。
【0015】そこで、本発明ではスパッタ時のターゲッ
ト表面温度を290〜600℃、好ましくは400〜5
00℃とすることで、ターゲット表面の黒化および突起
発生を防止するのである。ターゲット表面温度が290
℃未満では黒化および突起発生を防止することができな
い。また、600℃を超えると基板への輻射熱の影響が
大きくなり、基板がフィルム等の耐熱性が小さい材料か
ら形成されたものは、この熱の影響が無視できないもの
となる。また、加熱機構にコストがかかり過ぎるため、
経済性にも劣る。
【0016】このターゲットを加熱するための加熱手段
は特に限定されず、例えばヒータ、ホットプレート、高
周波誘導加熱器、ランプ加熱、レーザービーム加熱等が
例示される。また、この加熱に際しては、特開平2−1
63368号公報に示されるようなターゲット加熱手段
を備えたスパッタリング装置を使用することも有効であ
る。
【0017】このようにして、長期の使用にあってもI
TOターゲットの林立黒化現象が抑制され、膜形成速度
の変動を防止できる。
【0018】
【作用】従来、薄膜を形成するスパッタリングにおい
て、ターゲットを加熱する技術としては、特開平2−1
63368号公報に記載されている。しかし、この技術
は、テルルのような酸化されやすい金属を用いた場合
に、プラズマによるテルルと酸素との反応における酸化
物反応速度の変化を是正すべく、この反応に加えてター
ゲットを加熱することによって、テルルと酸素との熱に
よる酸化反応を併用したものである。
【0019】これに対して、本発明は酸化反応を行なう
ものではなく、ITOターゲット表面の黒化および突起
発生を加熱することによって抑制するものである。従っ
て、本発明は特開平2−163368号公報に記載の技
術とは本質的に異なったものである。
【0020】すなわち、突起発生原因とターゲット表面
加熱の作用については、ITOターゲットを使って成膜
する場合、アルゴンイオンによってたたき出されたター
ゲット物質は、基板に到達するものとターゲット表面に
再び付着するものとがある。この再付着物はアルゴンイ
オン衝撃により酸素の過不足状態にあると思われ、その
ものの抵抗がターゲット本体の抵抗より高いことが考え
られる。このようにしてできたターゲット表面の抵抗の
バラツキによって電圧のバラツキを生じ、部分的に流れ
る電流が異なる。よって、ターゲット表面では単位時間
当りに衝突するアルゴンイオンの個数が部分的に異な
り、その個数が多い部分は掘れ、少ない部分は掘れ残
り、突起を形成すると考えられる。つまり組成やスパッ
タ率が同じでも、ターゲット表面ではその物の抵抗が異
なる場合、突起は発生することになる。このターゲット
表面に固着した再付着物は、高温(290〜600℃)
にすることで、そのものの抵抗を下げることができるの
で、ターゲット表面の抵抗のバラツキが無くなり、再付
着物のターゲット表面への固着を防ぐことができる。以
上のことからターゲット表面を290℃以上に加熱する
ことによって、ターゲット表面の黒化および突起発生が
抑制できる。
【0021】
【実施例】以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説
明する。
【0022】比較例1 図1に示した装置を用い、ITOターゲット表面を加熱
せず、ターゲット表面温度を90℃とし、基板上にIT
O膜を成膜した。このとき使用したターゲットはIn2
3にSnO2を10wt%添加し、コールドプレス法に
よって製造した密度70%のものである。基板にはクラ
ウン・ガラスを使用し、基板ホルダーは400℃に加熱
した。また、直流電力は2.5ワット/cm2、スパッ
タ圧力は5mTorrである。
【0023】40時間連続使用後のターゲット表面を評
価し、そのエロージョン部分の拡大写真を図2(a)に
示す。この図2(a)から明らかなように、エロージョ
ン付近に多数の突起が発生し、林立黒化が生じていた。
【0024】また、膜形成速度変化率とスパッタ時間と
の関係を図3に示す。この図3から判るように、ターゲ
ット表面を加熱しないで90℃でスパッタリングした場
合、膜形成速度は40時間後には初期の20%程度小さ
くなっていた。
【0025】比較例2 ターゲット表面温度を260℃に加熱した以外は比較例
1と同様の方法によって基板上にITO膜を成膜した。
【0026】40時間連続使用後のターゲット表面を評
価したところ、比較例1と同様に林立黒化が生じてい
た。
【0027】実施例1 ターゲット表面温度を290℃に加熱した以外は比較例
1と同様の方法によって基板上にITO膜を成膜した。
【0028】40時間連続使用後のターゲット表面を評
価したところ、林立黒化は生じなかった。
【0029】実施例2 ターゲット表面温度を400℃に加熱した以外は比較例
1と同様の方法によって基板上にITO膜を成膜した。
【0030】40時間連続使用後のターゲット表面を評
価したところ、林立黒化は生じなかった。
【0031】実施例3 ターゲット表面温度を500℃に加熱した以外は比較例
1と同様の方法によって基板上にITO膜を成膜した。
【0032】40時間連続使用後のターゲット表面を評
価し、そのエロージョン部分の拡大写真を図2(b)に
示す。この図2(b)から明らかなように、エロージョ
ン部分には林立黒化が発生していなかった。
【0033】また、膜形成速度変化率とスパッタ時間と
の関係を図3に示す。この図3から判るように、ターゲ
ット表面を500℃に加熱してスパッタリングした場
合、膜形成速度は40時間後には初期の3%程度しか小
さくならなかった。
【0034】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明の製造
方法によって、スパッタリングによりITO膜を形成す
る際、ターゲット表面の黒化および突起の発生に起因す
る膜形成速度の変動を防止し、一定の良好な特性を有す
るITO膜をターゲット表面のクリーニングなしに連続
的に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 マグネトロン・スパッタリング装置の一例を
示す構成図。
【図2】 ターゲット表面における突起発生状態の粒子
構造を示す光学顕微鏡写真。
【図3】 膜形成速度とスパッタリング時間との関係を
示すグラフ。
【符号の説明】
1:真空チャンバー、2:直流電源、3:マグネット、
4:バッキングプレート、5:ITOターゲット、6:
基板、7:マスフロー、8:ガスボンベ、9:真空ポン
プ、10:真空計。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−50951(JP,A) 特開 平5−214528(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インジウム−錫酸化物ターゲットを用
    い、スパッタリング法による透明導電膜の製造方法にお
    いて、該ターゲット表面を290〜600℃に加熱する
    ことを特徴とする透明導電膜の製造方法。
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RU2637044C2 (ru) * 2016-04-15 2017-11-29 Закрытое Акционерное Общество "Светлана - Оптоэлектроника" Способ получения покрытия на основе оксида индия и олова

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