JP2941086B2 - 透明電極 - Google Patents

透明電極

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JP2941086B2
JP2941086B2 JP3139220A JP13922091A JP2941086B2 JP 2941086 B2 JP2941086 B2 JP 2941086B2 JP 3139220 A JP3139220 A JP 3139220A JP 13922091 A JP13922091 A JP 13922091A JP 2941086 B2 JP2941086 B2 JP 2941086B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽電池、光センサ
ー、液晶表示板、EL表示板等に使用される透明電極に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、太陽電池、光センサー、液晶表示
板、EL表示板等に使用されている透明電極には、スズ
酸化物、インジウム酸化物、又はインジウム−スズ酸化
物等の材料が用いられており、この電極は主に真空蒸着
法やスパッタリング法等で形成される。
【0003】前記酸化物を用いた真空蒸着法による透明
電極の形成方法は、例えば「真空蒸着法によるIn2
3 透明導電膜」勝部能之・勝部倭子、応用物理第49
巻、第1号(1980)2、に記載されている。
【0004】また前記酸化物を用いたスパッタリング法
による透明電極の形成方法は例えば「酸化物ターゲット
を用いたDCスパッタITO膜」木村浩・渡辺弘・石原
哲・鈴木義雄・伊藤孝、真空第30巻、第6号(198
7)16、に記載されている。
【0005】しかし、前記従来技術により製造された透
明電極は、可視光領域における透過率が低いという問題
点があった。特に、前記透明電極が室温から250℃の
低温で形成された場合、可視光領域の透過率が特に低く
なり、更なる透過率の向上が望まれていた。
【0006】また、前記従来技術により製造された透明
電極には、比抵抗が高いという問題点があった。特に前
記透明電極が室温から250℃の低温で形成された場
合、特に比抵抗が高いという問題点があった。
【0007】更に、前記従来技術により製造された透明
電極には、形成時の堆積速度が増加された場合、透過率
の低下、比抵抗の増加、基材との密着性の低下等の問題
点があった。特に前記透明電極が室温から250℃の低
温で速い堆積速度で形成された場合の透過率の低下及び
比抵抗の増加には著しいものがあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来技術
の問題点を解決することを目的としている。更に、本発
明は半導体等の基材上に形成される透明電極と基材との
密着性を向上させることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、基材面に形成された透明電極において、
アルカリ金属元素(以下単に「アルカリ金属」と呼ぶ)を
含有し、且つ、スズ酸化物、インジウム酸化物及びイン
ジウム-スズ酸化物のいずれかを主成分とする結晶材料
からなり、前記アルカリ金属元素の含有量が100ppm
以下であることを特徴とするものである。また、前記透
明電極の形成方法において、前記結晶材料をグロー放電
又は真空蒸着法により形成する透明電極の形成方法であ
る。さらに、前記基材面を25℃〜600℃、より好ま
しくは25℃〜250℃の範囲内に維持して前記結晶材
料を形成する、前記透明電極の形成方法であり、また、
前記結晶材料の形成速度を0.1Å/秒〜100Å/秒の範
囲内として、該結晶材料を形成する前記透明電極の形成
方法である。
【0010】
【作用】前記酸化物から成る透明電極にアルカリ金属を
添加することによって、透明電極を構成する前記酸化物
の結晶粒径が増加し、結晶粒径の分散が小さくなり、更
にアルカリ金属がドーパントとして作用するために前記
酸化物から成る透明電極の透過率が増加し、導電率も増
加するものと考えられる。
【0011】更に加えて、本発明の透明電極は前記の様
に結晶粒径の分散が小さくなることによって、半導体等
からなる基材との密着性が向上するものと考えられる。
【0012】また、本発明のアルカリ金属を含有する透
明電極は、比較的低温においても良質な特性が得られる
ものである。この理由として透明電極の形成時に、アル
カリ金属が透明電極を構成する酸化物の結晶成長に関与
して良質な透明電極の形成温度を低下させていると考え
られるが、詳細は不明である。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】本発明のアルカリ金属を含有する透明電極
は、太陽電池、光センサー、液晶表示板、EL表示板等
の基材面に以下の様にして形成するものである。
【0015】本発明の透明電極の形成方法としては、ス
パッタリング法と真空蒸着法が最適である。
【0016】本発明の透明電極の形成に適したスパッタ
リング装置として図1に模式的に示すDCマグネトロン
スパッタ装置を挙げることができる。この装置は、堆積
室101、基板102、加熱ヒーター103、ターゲッ
ト104、108、絶縁性支持体105、109、DC
電源106、110、シャッタ107、111、真空計
112、コンダクタンスバルブ113、ガス導入バルブ
114、115、マスフローコントローラー116、1
17等で構成してある。
【0017】この装置において、本発明のアルカリ金属
を含有するスズ酸化物からなる透明電極を基材上に形成
させる場合、ターゲット104としては、金属スズ(S
)やスズ酸化物(S2)等にアルカリ金属、アル
カリ金属の酸化物、アルカリ金属塩を含有させたもの等
を用いる。また本発明のアルカリ金属を含有するインジ
ウム酸化物からなる透明電極を基材上に形成させる場
合、ターゲット104としては金属インジウム(In)
やインジウム酸化物(In23)等にアルカリ金属、ア
ルカリ金属の酸化物、アルカリ金属塩を含有させたもの
等を用いる。更に、本発明のアルカリ金属を含有するイ
ンジウム−スズ酸化物からなる透明電極を基材上に形成
させる場合、ターゲット104としては、金属スズ、金
属インジウム、又は金属スズと金属インジウムとの合
金、もしくはスズ酸化物、インジウム酸化物、又はイン
ジウム−スズ酸化物等にアルカリ金属、アルカリ金属の
酸化物、アルカリ金属塩を含有させたもの等を適宜組み
合わせて用いる。ここで、アルカリ金属としてはリチウ
ム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)を挙
げることができる。
【0018】次にアルカリ金属の添加形態を列挙する。
金属状態はもちろんのこと、リチウムではフッ化リチウ
ム(LiF)、塩化リチウム(Licl)、臭化リチウ
ム(LiBr)、ヨウ化リチウム(LiI)、塩素酸リ
チウム(LiClO3 )、酸化リチウム(Li2 O)、
過酸化リチウム(Li22 )、窒化リチウム(Li 3
N)、メチルリチウム(Li(CH3 ))、有機リチウ
ム等が挙げられる。ナトリウムでは、フッ化ナトリウム
(NaF)、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)、亜
塩素酸ナトリウム(NaClO2 )、塩素酸ナトリウム
(NaClO3)、過塩素酸ナトリウム(NaClO
4 )、臭化ナトリウム(NaBr)、酸化ナトリウム
(Na2 O)、炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )、等が
挙げられる。カリウムではフッ化カリウム(KF)、フ
ッ化水素カリウム(KHF2 )、塩化カリウム(KC
l)、塩素酸カリウム(KCOl3 )、過塩素カリウム
(KClO4 )、臭化カリウム(KBr)、酸化カリウ
ム(K2 O)、過酸化カリウム(K22 )、三酸化カ
リウム(K23 )、炭酸カリウム(K2 CO3 )等が
挙げられる。
【0019】本発明の透明電極中に含有させるアルカリ
金属の好ましい量は重量基準で(以後、特に記載のない
場合は同様)100ppm 以下である。更に透明電極中の
アルカリ金属含有量を100ppm 以下にするために、前
記ターゲット中に含有させるアルカリ金属の含有量は、
スパッタリング条件に大きく依存するものの、平均10
0ppm 以下が好ましいものである。
【0020】本発明のアルカリ金属を含有する透明電極
をスパッタ法で堆積させる場合、基材温度は、重要なパ
ラメータであり、好ましい範囲は25℃〜600℃であ
る。特に本発明のアルカリ金属を含有する透明電極は、
25℃〜250℃の比較的低温において、従来の技術と
比べて優れた特性を示すものである。
【0021】また、本発明のアルカリ金属を含有する透
明電極を、スパッタ法で堆積させる場合の、スパッタ用
のガスとして、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、キ
セノン(Xe)、ヘリウム(He)、等の不活性ガスが
挙げられ、特にアルゴン(Ar)ガスが適したものであ
る。
【0022】また、該不活性ガスに酸素(O2 )ガスを
必要に応じて添加することができる。特に金属をターゲ
ットにしている場合、これを酸化する為酸素(O2 )ガ
スは、必須のものである。
【0023】更に、前記不活性ガス等によってターゲッ
トをスパッタする場合、放電空間の圧力は効果的にスパ
ッタを行うために、50mTorr 〜0.1mTorr が好まし
い。
【0024】加えて、スパッタ法の場合の電源として
は、DC電源やRF電源が適したものとして挙げられ
る。スパッタ時の電力は10W〜100Wが好ましい。
【0025】透明電極の形成速度は放電空間の圧力や電
力に依存するが、最適な形成速度として0.1Å/sec〜
100Å/secの広い範囲を有している。
【0026】本発明のアルカリ金属を含有する透明電極
を形成するのに適した第2の方法として真空蒸着法が挙
げられる。
【0027】該真空蒸着法に用いる真空蒸着装置の一例
を図2に模式的に示す。この装置は堆積室201、基板
202、加熱ヒーター203、205、蒸着源204、
AC電源206、シャッター207、真空計208、コ
ンダクタンスバルブ209、ガス導入バルブ210、マ
スフローコントローラー211等で構成してある。蒸着
源としては、金属スズ、金属インジウム、又はインジウ
ム−スズ合金に前記アルカリ金属を添加したものが挙げ
られる。
【0028】前記アルカリ金属の含有量は100ppm 以
下が好ましい。
【0029】透明電極形成するときの基材の温度は25
℃〜600℃が好ましい。
【0030】金属をターゲットに用いる場合、堆積室
は、まず10-6Torr以下の真空状態にした後、酸素(O
2 )ガスを5×10-5〜9×10-4Torrの圧力範囲にな
るように導入する。この圧力範囲で酸素を導入すること
によって、蒸着源から気化した前記金属が気相中で酸素
と反応して良好な透明電極が形成される。該透明電極の
好ましい形成速度が0.1Å/sec〜100Å/secであ
る。形成速度が0.1Å/sec未満の場合は生産性が低下
する。一方100Å/secより大きい場合は粗な膜となる
為、透過率、導電率、及び密着率が低下する。
【0031】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。実施例1 第1図に示すDCマグネトロンスパッタリング法の製造
装置により、本発明のアルカリ金属を含有する透明電極
を作製した。
【0032】図中102は基板であり、50mm角、厚さ
1mmのバリウム硼珪酸ガラス(コーニング(株)製 7
059)製である。
【0033】図中104、は、組成がインジウム(I
n)、錫(Sn)、及びナトリウム(Na)のモル比
で、85:15:0.005からなるターゲットであ
り、絶縁性支持体105で堆積室101より絶縁されて
いる。
【0034】図中114、115はガス導入バルブであ
り、それぞれ不図示の酸素(O2 )ガスボンベ、アルゴ
ン(Ar)ガスボンベに接続されている。
【0035】まず、加熱ヒーター103により基板10
2を150℃に加熱し、堆積室101内を不図示の真空
ポンプにより排気し、真空計112の読みが約1×10
-5Torrになった時点で、ガス導入バルブ114、115
を徐々に開いてO2 ガス、Arガスを堆積室101内に
流入させた。この時、O2 ガス流量が20sccm、Arガ
ス流量が20sccmとなるように、各々のマスフローコン
トローラー116、117で調整し、堆積室101内の
圧力が2mTorr となるように、真空計112を見ながら
コンダクタンスバルブ(バタフライ型)113の開口を
調整した。その後、DC電源106の電圧を−400V
に設定して、ターゲット104にDC電力を導入し、D
Cグロー放電を生起させ、次に、シャッター107を開
けて、基板102上に透明電極の作製を開始し、層厚2
00nmの透明電極を作製したところでシャッター107
を閉じ、DC電源106の出力を切り、DCグロー放電
を止めた。次に、ガス導入バルブ115を閉じて、堆積
室101内へのArガスの流入を止め、堆積室101内
の圧力が1Torrとなるように、コンダクタンスバルブ1
13の開口を調整して、1時間透明電極を熱処理し、ア
ルカリ金属を含む透明電極の作製を終えた。(電極No.
実1) 以上の、透明電極の作製条件を表1に示す。
【0036】
【表1】 比較例1−1 実施例1とは異なる組成のターゲットを用いた以外は、
実施例1と同様な方法により、従来の透明電極を作製し
た。
【0037】第1図においては108は、組成がインジ
ウム(In)及び錫(Sn)のモル比で、85:15か
らなるターゲットであり、絶縁支持体109で堆積室1
01より絶縁されている。
【0038】実施例1と同様に、基板102を105℃
に加熱し、堆積室101内にO2 ガスを20sccm、アル
ゴンガスを20sccm流入させ、堆積室101内の圧力が
2mTorr に調整した。その後、DC電源110の電圧を
−400V に設定して、ターゲット108にDC電力を
導入し、DCグロー放電を生起させ、次に、シャッター
111を開けて、基板102上に透明電極の作製を開始
し、層厚200nmの透明電極を作製したところでシャッ
ター111を閉じ、DC電源110の出力を切り、DC
グロー放電を止めた。次に、ガス導入パルブ115を閉
じて、堆積室101内へのArガスの流入を止め、堆積
室101内の圧力が1Torrとなるように、コンダクタン
スバルブ113の開口を調整し、1時間透明電極を熱処
理し、透明電極の作製を終えた。(電極No. 比1−1)比較例1−2 組成がインジウム(In)、錫(Sn)及びナトリウム
(Na)のモル比で、85:15:0.1からなるター
ゲツトを用いた以外は、比較例1と同様な方法により、
従来の透明電極を作製した。(電極No. 比1−2) 以上の透明電極の作製条件を表1に示す。
【0039】実施例1(電極No. 実1)及び比較例1
(電極No. 比1−1〜2)で作製した透明電極の導電
率、結晶性、透過率及び密着性の測定を行った。
【0040】導電率の測定は、四端子プローブ((有)
共和理研製 K88PS)とディジタル・マルチメータ
(横河・ヒューレット・パツカード(株)製 HP34
37A)を用いて、四端子法により行った。測定の結
果、比較例1−1(電極No. 比1−1)の透明電極に対
して、比較例1−2(電極No.比1−2)の透明電極
は、導電率が1.1倍であったが、実施例1(電極No.
実1)の透明電極は、導電率が2.1倍優れていた。
【0041】結晶性の測定は、走査電子顕微鏡(日立製
S−800型)を用いて、結晶粒径の大きさ及び分散
を測定することにより行った。測定の結果、比較例1−
1(電極No. 比1−1)の透明電極に対して、比較例1
−2(電極No. 比1−2)の透明電極は、結晶性が1.
07倍であったが、実施例1(電極No. 実1)の透明電
極は、結晶性が1.5倍優れていた。
【0042】透過率の測定は、分光光度計(日立製33
0型)を用いて、400nmの波長における透過率により
行った。測定の結果、比較例1−1(電極No. 比1−
1)の透明電極に対して、比較例1−2(電極No. 比1
−2)の透明電極は、透過率が0.99倍であったが、
実施例1(電極No. 実1)の透明電極は、透過率が1.
07倍優れていた。
【0043】密着性の測定は次のように行った。透明電
極上にアモルファスシリコン半導体層を成膜したのち
に、該半導体層表面を光学顕微鏡で観察し、透明電極が
露出している部分の面積を算出した。この面積を密着性
の尺度とした。ここで、アモルファスシリコン半導体層
の作製には、透明電極と同じDCマグネトロンスパッタ
リング法の製造装置を用い、作製条件は、シリコン(S
i)からなるターゲットを用い、H2 ガス及びArガス
流量を各々20sccm、DC電圧を−400V 、内圧を2
mTorr 、基板温度を150℃、層厚20μm とした。測
定の結果、比較例1−1(電極No. 比1−1)の透明電
極に対して、比較例1−2(電極No. 比1−2)の透明
電極は、密着性が1.2倍であったが、実施例1(電極
No. 実1)の透明電極は、密着性が2.5倍優れてい
た。
【0044】また、実施例1(電極No. 実1)及び比較
例1−2(電極No. 比1−2)で作製した透明電極中の
アルカリ金属の含有量を2次イオン質量分析器(CAM
ECA製 IMS−3F)により分析としたところ、実
施例1(電極No. 1)の透明電極が約50ppm 、比較例
1−2(電極No. 1−2)の透明電極が1000ppmで
あった。
【0045】以上の測定結果より、本発明のアルカリ金
属を含有する透明電極(電極No. 実1)が、従来の透明
電極(電極No. 比1−1〜2)に対して、優れた特性を
有することが判明し、本発明の効果が実証された。実施例2 ターゲット104を、表2に示す組成に変えた以外は、
実施例1と同じ作製条件で、本発明のアルカリ金属を含
有する透明電極を作製した。(電極No. 実2−1〜3) 作製した透明電極(電極No. 実2−1〜3)の導電率、
結晶性、透過率及び密着性を実施例1と同様な方法で測
定した。その結果を表2に示す。表2から判る通り、本
発明のアルカリ金属を含有する透明電極(電極No. 実2
−1〜3)が、従来の透明電極(電極No. 比1)に対し
て、優れた特性を有することが判明し、本発明の効果が
実証された。
【0046】
【表2】 実施例3 ターゲット104を、表3に示す組成に変えた以外は、
実施例1と同じ作製条件で、本発明のアルカリ金属を含
有する透明電極を作製した。(電極No. 実3−1〜4)比較例2 ターゲット108を、表3に示す組成に変えた以外は、
比較例1と同じ作製条件で、従来の透明電極を作製し
た。(電極No. 比2) 実施例3(電極No. 実3−1〜4)及び比較例2(電極
No. 比2)で作製した透明電極の導電率、結晶性、透過
率及び密着性を実施例1と同様な方法で測定した。その
結果を表3に示す。表3から判る通り、本発明のアルカ
リ金属を含有する透明電極(電極No. 実3−1〜4)
が、従来の透明電極(電極No. 比2)に対して、優れた
特性を有することが判明し、本発明の効果が実証され
た。
【0047】
【表3】 実施例4 ターゲット104を、表4に示す組成に変えた以外は、
実施例1と同じ作製条件で、本発明のアルカリ金属を含
有する透明電極を作製した。(電極No. 実4−1〜4)比較例3 ターゲット108を、表4に示す組成に変えた以外は、
比較例1と同じ作製条件で、従来の透明電極を作製し
た。(電極No. 比3) 実施例4(電極No. 実4−1〜4)及び比較例3(電極
No. 比3)で作製した透明電極の導電率、結晶性、透過
率及び密着性を実施例1と同様な方法で測定した。その
結果を表4に示す。表4から判る通り、本発明のアルカ
リ金属を含有する透明電極(電極No. 実4−1〜4)
が、従来の透明電極(電極No. 比3)に対して、優れた
特性を有することが判明し、本発明の効果が実証され
た。
【0048】
【表4】 実施例5 基板温度を400℃とし、ターゲッ104を、表5に
示す組成に変えた以外は、実施例1と同じ作製条件で、
本発明のアルカリ金属を含有する透明電極を作製した。
(電極No.実5−1〜4)比較例4 基板温度400℃とした以外は、比較例1と同じ作製条
件で、従来の透明電極を作製した。(電極No.比4)実
施例5(電極No.実5−1〜4)及び比較例4(電極No.
比4)で作製した透明電極の導電率、結晶性、透過率及
び密着性を実施例1と同様な方法で測定した。その結果
を表5に示す。表5から判る通り、本発明のアルカリ金
属を含有する透明電極(電極No.実5−1〜4)が、従
来の透明電極(電極No.比4)に対して、優れた特性を
有することが判明し、本発明の効果が実証された。
【0049】
【表5】 実施例6 ターゲット104を、表6に示す組成に変えた以外は、
実施例1と同じ作製条件で、本発明のアルカリ金属を含
有する透明電極を作製した。(電極No. 実6−1〜4)比較例5 ターゲット108を、表6に示す組成に変えた以外は、
比較例1と同じ作製条件で、従来の透明電極を作製し
た。(電極No. 比5)
【0050】
【表6】 実施例6(電極No. 実6−1〜4)及び比較例5(電極
No. 比5)で作製した透明電極の導電率、結晶性、透過
率及び密着性を実施例1と同様な方法で測定した。その
結果を表6に示す。表6から判る通り、本発明のアルカ
リ金属を含有する透明電極(電極No. 実6−1〜4)
が、従来の透明電極(電極No. 比5)に対して、優れた
特性を有することが判明し、本発明の効果が実証され
た。実施例7 ターゲット104を、表7に示す組成に変えた以外は、
実施例1と同じ作製条件で、本発明のアルカリ金属を含
有する透明電極を作製した。(電極No. 実7−1〜4)比較例6 ターゲット108を、表7に示す組成に変えた以外は、
比較例1と同じ作製条件で、従来の透明電極を作製し
た。(電極No. 比6) 実施例7(電極No. 実7−1〜4)及び比較例6(電極
No. 比6)で作製した透明電極の導電率、結晶性、透過
率及び密着性を実施例1と同様な方法で測定した。その
結果を表7に示す。表7から判る通り、本発明のアルカ
リ金属を含有する透明電極(電極No. 実7−1〜4)
が、従来の透明電極(電極No. 比6)に対して、優れた
特性を有することが判明し、本発明の効果が実証され
た。
【0051】
【表7】 実施例8 第2図に示す真空蒸着法の製造装置により、本発明のア
ルカリ金属を含有する透明電極を作製した。
【0052】図中202は基板であり、50mm角、厚さ
1mmのバリウム硼珪酸ガラス(コーニング(株)製 7
059)製である。
【0053】図中204は、組成がインジウム(I
n)、錫(Sn)及びナトリウム(Na)のモル比で、
50:50:0.005からなる蒸着源である。
【0054】図中210はガス導入バルブであり、不図
示の酸素(O2 )ガスボンベに接続されている。
【0055】まず、加熱ヒーター203により基板20
2を150℃に加熱し、堆積室201内を不図示の真空
ポンプにより排気し、真空計208の読みが約1×10
-5Torrになった時点で、ガス導入バルブ210を徐々に
開いてO2 ガスを堆積室201内に流入させた。この
時、O2 ガス流量が10sccmとなるように、マスフロー
コントローラー211で調整し、堆積室201内の圧力
が0.3mTorr となるように、真空計208を見ながら
コンダクタンスバルブ(バタフライ型)209の開口を
調整した。その後、AC電源206より加熱ヒーター2
05に電力を供給して、蒸着源の204を加熱し、次
に、シャッター207を開けて、基板202上に透明電
極の作製を開始し、層厚200nm の透明電極を作製し
たところでシャッター207を閉じ、AC電源206の
出力を切り、ガス導入バルブ210を閉じて、堆積室2
01内へのガス流入を止め、アルカリ金属を含む透明電
極の作製を終えた。(電極No. 実8) 以上の、透明電極の作製条件を表8に示す。比較例7 組成がインジウム(In)及び錫(Sn)のモル比で、
1:1からなる蒸着源204を用いた以外は、実施例8
と同じ作製条件で、従来の透明電極を作製した。(電極
No. 比7) 以上の、透明電極の作製条件を表8に示す。
【0056】
【表8】 実施例8(電極No. 実8)及び比較例7(電極No. 比
7)で作製した透明電極の導電率、結晶性、透過率及び
密着性を実施例1と同様な方法で測定した。測定の結
果、比較例7(電極No. 比7)の透明電極に対して、実
施例8(電極No. 実8)の透明電極は、導電率1.9
倍、結晶性が1.4倍、透過率が1.07倍、密着性が
2.4倍優れていた。
【0057】また、実施例8(電極No. 実8)で作製し
た透明電極中のアルカリ金属の含有量は、約50ppm で
あった。
【0058】以上の測定結果より、本発明のアルカリ金
属を含有する透明電極(電極No. 実8)が、従来の透明
電極(電極No. 比7)に対して、優れた特性を有するこ
とが判明し、本発明の効果が実証された。実施例9 蒸着源204を、表9に示す組成に変えた以外は、実施
例8と同じ作製条件で、本発明のアルカリ金属を含有す
る透明電極を作製した。(電極No. 実9−1〜3) 作製した透明電極(電極No. 実9−1〜3)の導電率、
結晶性、透過率及び密着性を実施例1と同様な方法で測
定した。その結果を表9に示す。表9から判る通り、本
発明のアルカリ金属を含有する透明電極(電極No. 実9
−1〜3)が、従来の透明電極(電極No. 比7)に対し
て、優れた特性を有することが判明し、本発明の効果が
実証された。
【0059】
【表9】 実施例10 蒸着源204を、表10に示す組成に変えた以外は、実
施例8と同じ作製条件で、本発明のアルカリ金属を含有
する透明電極を作製した。(電極No. 実10−1〜4)比較例8 ターゲット204を、表10に示す組成に変えた以外
は、比較例7と同じ作製条件で、従来の透明電極を作製
した。(電極No. 比8) 実施例10(電極No. 実10−1〜4)及び比較例8
(電極No. 比8)で作製した透明電極の導電率、結晶
性、透過率及び密着性を実施例1と同様な方法で測定し
た。その結果を表10に示す。表10から判る通り、本
発明のアルカリ金属を含有する透明電極(電極No. 実1
0−1〜4)が、従来の透明電極(電極No.比8)に対
して、優れた特性を有することが判明し、本発明の効果
が実証された。
【0060】
【表10】 実施例11 蒸着源204を、表11に示す組成に変えた以外は、実
施例8と同じ作製条件で、本発明のアルカリ金属を含有
する透明電極を作製した。(電極No. 実11−1〜4)比較例9 蒸着源204を、表1に示す組成に変えた以外は、比較
例7と同じ作製条件で、従来の透明電極を作製した。
(電極No. 比9)
【0061】
【表11】 実施例11(電極No. 実11−1〜4)及び比較例9
(電極No. 比9)で作製した透明電極の導電率、結晶
性、透過率及び密着性を実施例1と同様な方法で測定し
た。その結果を表11に示す。表11から判る通り、本
発明のアルカリ金属を含有する透明電極(電極No. 実1
1−1〜4)が、従来の透明電極(電極No.比9)に対
して、優れた特性を有することが判明し、本発明の効果
が実証された。実施例12 基板温度を300℃とし、蒸着源204を、表12に示
す組成に変えた以外は、実施例8と同じ作製条件で、本
発明のアルカリ金属を含有する透明電極を作製した。
(電極No. 実12−1〜4)比較例10 基板温度を300℃とした以外は、比較例7と同じ作製
条件で、従来の透明電極を作製した。(電極No. 比1
0) 実施例12(電極No. 実12−1〜4)及び比較例10
(電極No.比10)で作製した透明電極の導電率、結晶
性、透過率及び密着性を実施例1と同様な方法で測定し
た。その結果を表12に示す。表12から判る通り、本
発明のアルカリ金属を含有する透明電極(電極No. 実1
2−1〜4)が、従来の透明電極(電極No. 比10)に
対して、優れた特性を有することが判明し、本発明の効
果が実証された。
【0062】
【表12】
【0063】
【発明の効果】本発明の透明電極はアルカリ金属を含有
させたので可視領域における光透過率が高く、導電率が
大きく、かつ接触する堆積層との密着性が優れたものと
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明電極を作製するためのDCマグネ
トロンスパッタリング法による製造装置の一例を示す模
式的説明図である。
【図2】本発明の透明電極を作製するための真空蒸着法
による製造装置の一例を示す模式的説明図である。
【符号の説明】
101 堆積室 102 基板 103 加熱ヒーター 104、108 ターゲット 105、109 絶縁性支持体 106、110 DC電源 107、111 シャッター 112 真空計 113 コンダクタンスバルブ 114、115 ガス導入バルブ 116、117 マスフローコントローラー 201 堆積室 202 基板 203 加熱ヒーター 204 蒸着源 205 加熱ヒーター 206 AC電源 207 シャッター 208 真空計 209 コンダクタンスバルブ 210 ガス導入バルブ 211 マスフローコントローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−91836(JP,A) 特開 平4−310544(JP,A) 特開 昭51−14525(JP,A) 特開 昭62−293220(JP,A) 特開 昭63−310505(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01B 5/14 H01L 31/04 C23C 14/08 C03C 17/00 - 17/245

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材面に形成された透明電極におい
    て、アルカリ金属元素を含有し、且つ、スズ酸化物、イ
    ンジウム酸化物及びインジウム-スズ酸化物のいずれか
    を主成分とする結晶材料からなり、前記アルカリ金属元
    素の含有量が100ppm以下であることを特徴とする透
    明電極。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の透明電極の形成方法に
    おいて、前記結晶材料をグロー放電又は真空蒸着法によ
    り形成する透明電極の形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の透明電極の形成方法に
    おいて、前記基材面を25℃〜600℃の範囲内に維持
    して前記結晶材料を形成する透明電極の形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の透明電極の形成方法に
    おいて、前記基材面を25℃〜250℃の範囲内に維持
    して前記結晶材料を形成する透明電極の形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の透明電極の形成方法に
    おいて、前記結晶材料の形成速度を0.1Å/秒〜100
    Å/秒の範囲内として、該結晶材料を形成する透明電極
    の形成方法。
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WO2003034533A1 (fr) 2001-10-11 2003-04-24 Bridgestone Corporation Electrode semi-conductrice a oxyde metallique sensible a un colorant organique et son procede de fabrication, et photopile sensible a un colorant organique
JP2008108423A (ja) * 2005-02-02 2008-05-08 Takayuki Uchida 酸化物透明導電膜およびアルカリ金属含有酸化物透明導電膜の成膜方法ならびにその酸化物透明導電膜を利用した有機光装置

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