JPH10140153A - 大麦由来の天然系抗酸化剤 - Google Patents

大麦由来の天然系抗酸化剤

Info

Publication number
JPH10140153A
JPH10140153A JP30034396A JP30034396A JPH10140153A JP H10140153 A JPH10140153 A JP H10140153A JP 30034396 A JP30034396 A JP 30034396A JP 30034396 A JP30034396 A JP 30034396A JP H10140153 A JPH10140153 A JP H10140153A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
barley
antioxidant
natural antioxidant
extract
hydrophilic solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30034396A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Tamagawa
浩司 玉川
Takashi Iizuka
崇史 飯塚
Makoto Fukushima
誠 福島
Koji Endo
好司 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HAKUBAKU KK
Original Assignee
HAKUBAKU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HAKUBAKU KK filed Critical HAKUBAKU KK
Priority to JP30034396A priority Critical patent/JPH10140153A/ja
Publication of JPH10140153A publication Critical patent/JPH10140153A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】食物繊維、ポリフェノール化合物等、多数の生
理活性が期待される成分を豊富に含有している大麦から
効率よく大麦抽出物を取得することができ、安価で、し
かも抗酸化作用にすぐれた大麦由来の天然系抗酸化剤を
提供しようとするものである。 【解決手段】1)大麦からの親水性溶剤抽出物を含有さ
せたことを特徴とする大麦由来の天然系抗酸化剤。 2)親水性溶剤が、含水エタノール、メタノール、含水
メタノール、含水アセトンである請求項1に記載の大麦
由来の天然系抗酸化剤。 3)抽出源が大麦を搗精した際に発生する歩留り70〜
90%の区分の糠である請求項1または2に記載の大麦
由来の天然系抗酸化剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は大麦から親水性溶
剤を用いて抽出した成分を含有する大麦由来の天然系抗
酸化剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】脂質は食品の重要な構成成分であるが、
本質的に酸化されやすい。それは脂質の多くが不飽和結
合を持ち、それが酸素による酸化を受けやすいからであ
る。このように食品に含まれる脂質が酸化劣化されると
いうことはずっと以前から知られていた。
【0003】食品の酸化劣化を防ぐ目的で行われている
諸技術の中で抗酸化剤の果たす役割は非常に重要であ
り、ラード、魚類等の酸化防止にはブチルヒドロキシア
ニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BH
T)等の化学的合成による抗酸化剤が使用されていた。
しかし、近年その衛生的な安全性に問題が投げかけら
れ、化学合成品に対する拒否反応とともにほとんどがビ
タミンEなどの他の抗酸化剤に切り換わりつつある。
【0004】一方、食品と同じように生体も酸化される
こと、そしてそれが種々の疾病や発癌、さらには老化と
関連することが解ってきている。このような酸化の毒性
が解ってくるにつれ、それに対する抗酸化剤が注目され
てきている。特に1992年にビタミンEが心臓病の予
防に有効であるという、合計12万人以上にもおよぶ女
性および男性を対象とした疫学調査の結果がハーバード
大学の研究グループから報告され、大きな注目を集めて
いる。その他、カロチノイド、ビタミンCの抗酸化作用
も注目されている。またビタミン類以外に最近抗酸化物
質として注目されているものに植物界に広く分布してい
るフラボノイド類があり、特に緑茶中に含まれるカテキ
ン類は抗腫瘍作用や抗コレステロール作用等の機能性を
有することが明らかとなってきている。
【0005】一方発明者らは食物繊維、ポリフェノール
化合物等、多数の生理活性が期待されている大麦に着目
し、天然系の抗酸化剤という観点から検討を行った。そ
の結果、大麦抽出物にd1−α−トコフェロール、BH
A、BHTと同等あるいはそれ以上に強力な酸化防止作
用のあることを見いだし、本発明を完成するに至ったも
のである。
【0006】以上のようにこの発明の大麦由来の天然系
抗酸化剤は、食物繊維、ポリフェノール化合物等、多数
の生理活性が期待される成分を豊富に含有している大麦
から効率よく大麦抽出物を取得することができ、安価
で、しかも抗酸化作用にすぐれた大麦由来の天然系抗酸
化剤を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明の大麦
由来の天然系抗酸化剤は、大麦からの親水性溶剤抽出物
を含有させたことを特徴とするものである。
【0008】またこの発明の大麦由来の天然系抗酸化剤
は、上記親水性溶剤が、含水エタノール、メタノール、
含水メタノール、含水アセトンであることをも特徴とし
ている。
【0009】さらにこの発明の大麦由来の天然系抗酸化
剤は、上記抽出源が、大麦を搗精した際に発生する歩留
まり70〜90%の区分の糠であることをも特徴の1つ
としている。
【0010】上述のように大麦の抽出源は、大麦を搗精
した際発生する歩留まり70〜90%の区分の糠が最も
好ましいが、その他の区分から抽出してもよい。
【0011】これらの大麦から天然系抗酸化成分を抽出
する時期、すなわちこれらの成育時期や抽出源の採取時
期は特に限定されるものではなく、また品種についても
同様に限定されるものではない。
【0012】抽出用の親水性有機溶剤としては、含水エ
タノール、メタノール、含水メタノール、含水アセトン
等が例示されるが、特に含水エタノールが好ましい。
【0013】親水性溶剤の使用量はとくに限定されるも
のではないが、通常は抽出源に対し同等量以上使用す
る。
【0014】抽出操作も特に限定的ではなく、常法にし
たがって行なえばよい。例えば大麦糠を親水性溶剤に浸
漬し、および/または親水性溶剤とともに撹拌、振盪す
ることにより抽出処理を行ない、処理液は濾過、遠心分
離またはデカンテーション等によって抽出液と抽出残渣
に分離する。また抽出残渣はさらに上記の抽出処理に付
してもよい。
【0015】このようにして調製される抽出液は、その
まま抗酸化剤として使用してもよいが、さらに濃縮、精
製、乾燥等の処理に付すのが好ましい。
【0016】精製処理としては芳香族系、芳香族系修飾
型、メタクリル系等の合成吸着剤、シリカゲル、セファ
デックスLH−20(ファルマシア社製吸着剤)、ポリ
アミド等に吸着させた後水洗し、親水性溶剤で流出、分
取し、濃縮後乾燥させるのが好ましい。吸着剤は通常被
処理抽出液に対して約1〜10重量%である。
【0017】上記の精製処理によって濃褐色の溶液が得
られ、該溶液を減圧下で乾燥処理に付すことにより粉末
状の天然系抗酸化剤が得られる。
【0018】本発明で得られた天然系抗酸化剤の使用濃
度は特に限定されるものではないが、通常約10〜10
00ppmである。
【0019】本発明で得られた天然系抗酸化剤には、使
用用途により他の添加剤、例えばデキストリン、乳化剤
等を適宜配合してもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて詳細に説明する。
【0021】
【実施例1】カナダ産大麦の搗精糠(搗精歩留り80〜
90%区分)1kgに75%含水エタノール5〜10l
を加え、ホモジナイザー(ポリトロン)で常温下にて撹
拌(8000rpm、10min)し、濾過処理に付し
た。濃褐色の濾液を減圧下で約50℃に加温してエタノ
ールを留去させた。留去後の水溶液中の不溶物を除くた
め遠心分離(10000rpm、15min)に付し
た。上澄液を芳香族系合成吸着剤100gをイオン交換
水で平衡化したカラムに付し、水洗し、糖類、アミノ酸
を除去し75%エタノールで抗酸化成分を溶出させた。
濃褐色の溶出液を減圧下で約50℃に加温し、淡褐色の
粉末(抗酸化物質)10gを得た。
【0022】次にこの大麦抽出物からなる抗酸化物質の
リノール酸に対する抗酸化力をTBA(チオバルビツー
ル酸)法により調べた。その結果を図1に示す。図より
大麦抽出物には明らかにリノール酸の酸化を抑制する効
果があり、その強さは他の抗酸化剤に匹敵することがわ
かった。 (抗酸化力試験−TBA法によるリノール酸に対する抗
酸化試験)リノール酸4.5×103M水溶液(ツイー
ン40(和光純薬工業株式会社製)を含むエマルジョ
ン)20mlに対して各抗酸化物質を10mg%となる
よう添加し、酸化反応(50℃)を行なった。反応液は
経時的に1.1mlずつスクリューキャップ付きチュー
ブに採取し、35%TCA(トリクロロ酢酸)溶液1m
l、TBA溶液(0.1gNa2SO4(無水)、0.5
gTBAを100mlの温水に溶かした)2ml、22
0mg%BHTエタノール溶液0.1ml、0.5%S
DS(ドデシル硫酸ナトリウム)水溶液1mlを加えて
混合し、窒素ガスを吹き付けてキャップを閉じ、沸騰水
浴中で15分間加熱した。水冷後氷酢酸1ml、クロロ
ホルム2mlを加えて振とうし、遠沈(2500rp
m、10min)後に得られた上澄中の赤色物質(酸化
脂質中のマロンジアルデヒドとTBAの結合物、λmax
532nm)の吸光度A532nmの変化を測定した。
【0023】
【実施例2】実施例1で調整した大麦抽出物からなる抗
酸化物質のリノール酸に対する抗酸化力をロダン鉄法に
より調べた。その結果を図2に示す。図より大麦抽出物
には実施例1と同様、明らかにリノール酸の酸化を抑制
する効果があり、その強さは他の抗酸化剤に匹敵するこ
とがわかった。 (抗酸化力試験−ロダン鉄法によるリノール酸に対する
抗酸化試験)2mlの2.8%(W/V)リノール酸含
有99.5%エタノールをガラス試験管(φ16mm×
160mm)に入れ、4mlの50mMリン酸緩衝液
(pH7.0)、2mgの各抗酸化試料を含む2mlの
75%エタノールおよび2mlの蒸留水を加えて密栓
し、40℃暗黒下に一週間静置した。各試料溶液0.1
mlに75%エタノール4.7ml、30%ロダンアン
モニウム0.1ml、2×10-2M塩化第一鉄の3.5
%塩酸溶液0.1mlを加え、正確に3分後500nm
の吸光度を測定した。なお結果は対照(抗酸化物質無添
加)の吸光度を100とする%で表示した。
【0024】
【実施例3】実施例1で調整した大麦抽出物からなる抗
酸化物質のSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)
様活性の強さを亜硝酸法により調べた(手法は下記記
載)。その結果を図3に示す。図より明らかなように、
大麦抽出物が生体内のラジカルを消去するという可能性
が示唆される結果であり、その強さは他の抗酸化剤に匹
敵することがわかった。 (SOD様活性測定法)65mMリン酸二水素ナトリウ
ム、35mMホウ酸ソーダ、0.5mMEDTA(エチ
レンジアミン四酢酸二ナトリウム)を含むpH8.2緩
衝液0.2ml、0.5mMヒポキサンチン0.2m
l、10mMヒドロキシルアミン一塩酸塩、100mg
%ヒドロキシルアミン−O−スルフォン酸を含む水溶液
0.1ml、イオン交換水0.2ml、10mg%の各
抗酸化試料0.1mlを試験管に分注し、37℃の恒温
槽に入れた。これにキサンチンオキシダーゼ懸濁液(和
光純薬工業株式会社製、From Buttermil
k、Activity 5.9units/ml)を2
00倍希釈したもの0.2mlを加えて緩く振とうし
た。
【0025】30分後、30μMN−1−ナフチル・エ
チレン・ジアミン一塩酸塩、3mMスルファニル酸25
%氷酢酸を含む水溶液2.0mlを加えて室温放置し、
30〜180分後の550nmの吸光度を測定した。な
お、結果は対照(抗酸化物質無添加)の吸光度を100
とする%で表示した。
【0026】
【発明の効果】この発明によれば、生理活性が期待され
る成分を豊富に含有している大麦から、抗酸化作用に優
れた大麦由来の天然系抗酸化剤を提供することができる
ようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明で得た抗酸化物質のTBA法によるリ
ノール酸に対する抗酸化力を示すグラフである。
【図2】この発明で得た抗酸化物質のロダン鉄法による
リノール酸に対する抗酸化力を示すグラフである。
【図3】この発明で得た抗酸化物質のSOD様活性を示
すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大麦からの親水性溶剤抽出物を含有させ
    たことを特徴とする大麦由来の天然系抗酸化剤。
  2. 【請求項2】 親水性溶剤が、含水エタノール、メタノ
    ール、含水メタノール、含水アセトンである請求項1に
    記載の大麦由来の天然系抗酸化剤。
  3. 【請求項3】 抽出源が大麦を搗精した際に発生する歩
    留り70〜90%の区分の糠である請求項1または2に
    記載の大麦由来の天然系抗酸化剤。
JP30034396A 1996-11-12 1996-11-12 大麦由来の天然系抗酸化剤 Pending JPH10140153A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30034396A JPH10140153A (ja) 1996-11-12 1996-11-12 大麦由来の天然系抗酸化剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30034396A JPH10140153A (ja) 1996-11-12 1996-11-12 大麦由来の天然系抗酸化剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10140153A true JPH10140153A (ja) 1998-05-26

Family

ID=17883641

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30034396A Pending JPH10140153A (ja) 1996-11-12 1996-11-12 大麦由来の天然系抗酸化剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10140153A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006057406A1 (ja) 2004-11-29 2006-06-01 Suntory Limited 口腔内刺激物質

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006057406A1 (ja) 2004-11-29 2006-06-01 Suntory Limited 口腔内刺激物質

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kephart Chlorophyll derivatives—Their chemistry? commercial preparation and uses
US6204290B1 (en) Tocotrienols and tocotrienol-like compounds and methods for their use
CA2083512A1 (en) Processes for recovering tocotrienols, tocopherols and tocotrienol-like compounds
JP3770922B2 (ja) 皮膚外用剤
JPS6137896B2 (ja)
JP3957087B2 (ja) リンゴ赤色色素とその製造方法、酸化防止剤、血圧降下剤、アレルギー抑制剤、抗う蝕剤及び消臭剤
JP2004189698A (ja) 美白剤、抗酸化剤、コラゲナーゼ活性阻害剤、ヒアルロニダーゼ活性阻害剤、老化防止剤、皮膚外用剤、化粧料及び食料品
KR101014219B1 (ko) 항산화제, 피부외용제, 화장료 및 식료품
JP4247833B2 (ja) 視機能改善剤
US5972357A (en) Healthy foods and cosmetics
EP2585086B1 (en) A neuroprotective natural extract from passion fruit
JPH10140153A (ja) 大麦由来の天然系抗酸化剤
JP3977889B2 (ja) 蕎麦殻抽出物を有効成分とする薬剤
JP5767716B2 (ja) ルテイン含有シルクエキスを抽出する方法
JPH02204495A (ja) 甘草疎水性フラボノイドの抽出法
KR19990071183A (ko) 순환기 질환의 예방 및 치료 효능을 갖는 홍경천 추출물
JPH07126618A (ja) 抗酸化剤
JP4188433B2 (ja) 柑橘果実由来の抗酸化性物質
US8551540B1 (en) Stabilizing and antioxidant composition containing saw palmetto berry component and method of use
JP4264456B2 (ja) ヒアルロニダーゼ活性阻害剤
Siddhuraju et al. Antioxidant activity and free radical scavenging capacity of dietary phenolic extracts from processed indigenous legumes, Macrotyloma uniflorum (Lam.) Verdc. and Dolichos lablab L
JP5591122B2 (ja) カシューアップルのプロアントシアニジン、プロアントシアニジン含有組成物、およびその用途
JP3308497B2 (ja) コーヒー豆から抽出されたsod様抽出組成物
JP4701211B2 (ja) コラゲナーゼ活性阻害剤
JPS5899475A (ja) トコフエロ−ル及びトコトリエノ−ルの分離方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20051214

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060113

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060210

A02 Decision of refusal

Effective date: 20070517

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02