JP3957087B2 - リンゴ赤色色素とその製造方法、酸化防止剤、血圧降下剤、アレルギー抑制剤、抗う蝕剤及び消臭剤 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はリンゴ赤色色素とその製造方法、さらには赤色色素画分(他のポリフェノールを含む)を有効成分とする酸化防止剤、血圧降下剤、アレルギー抑制剤、抗う蝕剤および消臭剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
食用色素は最も重要な食品添加物の一つである。合成色素と天然色素に大別されるが、近年の食品安全性に対する関心の高まり及び食品添加物法の改正による合成色素使用量の減少に伴い、天然色素の需要が増大している。中でも赤色色素は食品分野に用途が広く、赤キャベツ、ブドウ、紫コーン、エルダベリー、紅麹、コチニール、ラック等の色素が使用されているが、未だリンゴの赤色色素は市販されていない。
【0003】
リンゴは成熟すると果皮が赤くなる品種が多いが、果肉にその色素はほとんど存在せず、果汁は通常白色ないしは淡黄色を呈している。しかし、栽培リンゴの一部および野生リンゴの一部の品種には果肉にも赤色色素が存在したり、果皮の赤色色素が非常に濃いものもある。
【0004】
リンゴの赤色色素はアントシアン系、即ちポリフェノール化合物である。ポリフェノール類は近年広く研究されており、非常に広範な生理作用を有することが認められている。本発明者は既にリンゴのポリフェノールに関しては酸化防止、抗変異原、血圧降下、アレルギー抑制、抗う蝕および消臭等の各効果を確認し、出願した。(特願平6-300578参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、天然食用色素として、広範な生理機能性を有するリンゴ赤色色素を提供することを目的とするものであり、そのため本発明者はリンゴについて種々の角度から開発を進め、効率的且つ経済的にリンゴ赤色色素を製造するための原料リンゴの検索および製造方法、さらには当該リンゴ赤色色素の生理機能性を検討した。
その結果、果肉および/または果皮に赤色色素を有する栽培品種及び/又は野生品種のリンゴ果実を原料とし、且つその原料に特定の処理を施すことにより、各種の生理作用を備えたリンゴ赤色色素を製造できることを見い出し、本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明によれば、果肉および/または果皮に赤色色素を有する栽培品種及び/又は野生品種のリンゴ果実より搾汁および/または抽出され、且つその画分が精製されて成ることを特徴とするリンゴ赤色色素が提供される。
【0007】
また本発明によれば、果肉および/または果皮に赤色色素を有する栽培品種及び/又は野生品種のリンゴ果実を、搾汁および/または抽出して搾汁果汁および/または抽出液を得、次いでこの搾汁果汁および/または抽出液より赤色色素画分を精製することを特徴とするリンゴ赤色色素の製造方法が提供される。
【0008】
さらに本発明によれば、果肉および/または果皮に赤色色素を有する栽培品種及び/又は野生品種のリンゴ果実より搾汁および/または抽出され、且つ精製されて成る抗酸化作用を有する赤色色素画分を有効成分とすることを特徴とする酸化防止剤が提供される。
さらにまた本発明によれば、果肉および/または果皮に赤色色素を有する栽培品種及び/又は野生品種のリンゴ果実より搾汁および/または抽出され、且つ精製されて成る、アンジオテンシンI変換酵素阻害作用を有する赤色色素画分を有効成分とすることを特徴とする血圧降下剤が提供される。
【0009】
さらにまた本発明によれば、果肉および/または果皮に赤色色素を有する栽培品種及び/又は野生品種のリンゴ果実より搾汁および/または抽出され、且つ精製されて成る、ヒスタミン遊離抑制作用を有する赤色色素画分を有効成分とすることを特徴とするアレルギー抑制剤が提供される。
さらにまた本発明によれば、果肉および/または果皮に赤色色素を有する栽培品種及び/又は野生品種のリンゴ果実より搾汁および/または抽出され、且つ精製されて成る、グルコシルトランスフェラーゼ阻害作用を有する赤色色素画分を有効成分とすることを特徴とする抗う蝕剤が提供される。
【0010】
さらにまた本発明によれば、果肉および/または果皮に赤色色素を有する栽培品種及び/又は野生品種のリンゴ果実より搾汁および/または抽出され、且つ精製されて成る、悪臭物質に対する消臭作用および悪臭物質産生抑制作用を有する赤色色素画分を有効成分とすることを特徴とする消臭剤が提供される。
【0011】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明におけるリンゴ赤色色素は、上記のように果肉および/または果皮に赤色色素を有する栽培品種及び/又は野生品種のリンゴ果実の搾汁果汁、抽出液より精製された色素画分から成るものであるが、この色素画分の精製は、搾汁果汁、抽出液を吸着樹脂で処理することにより行なわれ、吸着する画分(以下、吸着画分という)に色素は含有されている。そして吸着画分を含水アルコール(エタノール等)などで溶出させることにより、色素画分が精製される。
【0012】
この色素画分は、次いで濃縮処理することにより液体色素を得ることができる。
さらに、色素画分の濃縮液を噴霧乾燥もしくは凍結乾燥処理することにより、粉末色素を得ることもできる。
【0013】
本発明で用いる原料としては、リンゴ果実であるが、特に、果肉および/または果皮に赤色色素を所定以上に多く含有する栽培品種及び/又は野生品種のリンゴ果実が好ましい。また、果実としては成熟果実を用いることが好ましく、より多くの色素ならびに他のポリフェノール化合物を含有すること、及び広範な生理作用を有する各種活性成分を多量に含む栽培品種や野生品種が特に好ましい。例えば、クラブリンゴ、カイドウリンゴ、ズミ等を挙げることができ、より具体的には、栽培品種としては、スターキングデリシャス、五所河原、Redflesh、Redhook等、野生品種としては、Geneva、Hopa crab、Jay Darling、Makamic crab、和リンゴ(Malusasiantica)、Malus robusta、ミツバカイドウ(Malus sieboldii)、Purple Lemoine、Pink Pearl、Red Field、エゾノコリンゴ(M.baccata)、マルバカイドウ(M.Prunifolia)、ヒメカイドウ等を挙げることができる。
尚、野生品種といえども栽培されており、ここでいう野生とは、両親が知られていないか、もしくはもともとが自生していたものを指す。
【0014】
搾汁方法としては原料を洗浄し、そのまま、または好ましくはリンゴ果実に含まれる赤色色素の酸化酵素であるポリフェノールオキシダーゼの作用を抑えるため、亜硫酸を添加しながら破砕、圧搾により搾汁果汁を得、好ましくはペクチン分解酵素を添加する。次いで遠心分離、濾過等の手段により清澄果汁を得る方法を挙げることができる。
また抽出方法としては、洗浄した原料をアルコール(エタノール、メタノール等)(このアルコールは抽出溶媒として作用すると同時に、リンゴ果実に含まれる赤色色素の酸化酵素であるポリフェノールオキシダーゼの作用を抑える作用を有する。)と混合して破砕し、そのまま浸漬及び圧搾、または加熱還流しながら抽出し、次いで減圧濃縮によりアルコールを留去した後、遠心分離及び濾過、または有機溶媒(ヘキサン、クロロホルム等)による分配及び濾過を行い、清澄果汁(抽出液)を得る方法を挙げることができる。
【0015】
画分の精製方法としては、ポリフェノール類を選択的に吸着且つ溶離出来る吸着剤、例えばスチレン - ジビニルベンゼン系の合成吸着樹脂、陰イオン交換樹脂、オクタデシル基化学結合型シリカゲル(ODS)等を充填したカラムに上記の清澄果汁又は清澄抽出液を通すことにより、色素及び他のポリフェノール画分を吸着させる。次いで、水を通すことにより洗浄した後、20〜100%アルコール(例えばエタノール)溶液、好ましくは約60%アルコール溶液を上記カラムに通すことにより、色素及び他のポリフェノール画分が溶出、回収できる。得られた色素溶液を減圧濃縮することによりアルコールを留去し、液体色素(好ましくはリンゴ酸等の有機酸を添加)を得ることができる。さらに、液体色素をそのままもしくはデキストリン等の粉末助剤を添加して、噴霧乾燥又は凍結乾燥を行い、粉末色素を得ることができる。
【0016】
本発明で得られる赤色色素はアントシアン系色素であるシアニジン配糖体を中心としており、他のポリフェノール組成としては、単純ポリフェノール化合物としてカフェー酸誘導体、p−クマル酸誘導体、フラバン−3−オール類(カテキン類)、フラボノール類(ケルセチン配糖体類)、ジヒドロカルコン類(フロレチン配糖体類)など、また高分子ポリフェノール化合物として縮合型タンニン類など、により大部分が占められていることを確認している。
また、本発明で得られるリンゴ赤色色素は、その赤色色度が0.5以上であることが好ましく、1.0以上であることがより好ましく、5.0以上が更に好ましい。ここで、赤色色度は、原料の果汁100リットルに対し、色素画分を半分の50リットル得た場合の赤色色度で規定した。
【0017】
従って、本発明で得られる赤色色素は種々の生理機能を有する可能性が有ると考えられるが、本発明者が鋭意検討した結果、このポリフェノールには、植物油脂であるリノール酸の酸化を防止する作用を有する成分が多量に含まれていることを見い出した。即ち、本発明で得られる赤色色素は酸化防止剤として極めて有効なものである。
【0018】
また、この色素には、血圧上昇に関与する酵素であるアンジオテンシンI変換酵素(以下、ACEという)の働きを阻害する作用を有する成分が多量に含まれていることをも見い出した。従って、本発明で得られる赤色色素は血圧降下剤としても極めて有効なものである。
【0019】
さらに近年、アレルギー(特に即時型と言われる I 型)は肥満細胞や好塩基球からの脱顆粒で放出されるヒスタミン等の生体内ケミカルメディエーターによって引き起こされることが知られている。そこで、本発明で得られる色素のヒスタミン遊離抑制能を検討したところ、その作用効果があることが判明した。従って、本発明で得られる赤色色素はアレルギー抑制剤としても極めて有効なものである。
【0020】
さらにまた、う蝕(虫歯)は Streptococcus mutans を中心とする口腔連鎖球菌による細菌感染性であり、菌の産生するグルコシルトランスフェラーゼ(以下 GTase という`)によって形成される歯垢が重要な原因である。そこで、本発明で得られる色素の歯垢形成酵素阻害能を検討したところ、その作用効果があることが判明した。従って、本発明で得られる赤色色素は抗う蝕剤としても極めて有効なものである。
【0021】
さらにまた、口臭は口腔内で産生される硫黄化合物が主体であるとされている。また、魚介類の生臭さはアミン化合物が中心である。そこで、本発明で得られる色素の口臭産生抑制効果及び消臭効果を検討したところ、その作用効果があることが判明した。従って、本発明で得られる赤色色素は消臭剤としても極めて有効なものである。
【0022】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[赤色リンゴ果汁のポリフェノール成分分析]
以下の試料についてポリフェノールの成分分析を行った。
―試料
つがる:市販品(平均 339 g/個)
野生種:北海道自生(平均 7.7 g/個)
Red field :クラブリンゴ(平均 151.1 g/個)
Makamic :クラブリンゴ(平均 10.4 g/個)
Malus robusta :クラブリンゴ(平均 33.4 g/個)
―試料処理法
果実試料に対し適量のメタ重亜硫酸カリウムを添加しながらミキサーで破砕、搾汁した。搾汁液は遠心分離、濾過により清澄果汁として以下の測定に供した。
【0023】
―測定項目
―赤色色度:520nm の吸光度
―総フェノール:クロロゲン酸換算
―カテキン:高速液体クロマトグラフ
―クロロゲン酸:高速液体クロマトグラフ
―エピカテキン:高速液体クロマトグラフ
―フロリジン:高速液体クロマトグラフ
―縮合型タンニン(以下 ACT という):クロロゲン酸換算フェノール比
測定結果を表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】
表1からわかるように、赤色色度及びポリフェノール類は品種によって異なり、特に通常食用にしていない野生品種に多量に含有されていた。中でも野生種、Red field、Makamic は総フェノール量に対して色度が高く赤色色素として利用できることがわかる。
【0026】
(実施例2)
[リンゴ赤色色素の製造例]
北海道余市郡で採取した野生種のリンゴに亜硫酸塩を適量添加しながら破砕後、圧搾した。得られた果汁にペクチン分解酵素を適量添加し、遠心分離又はケイソウ土濾過を施し、さらに精密濾過を施すことにより清澄果汁を得た。次いでこの清澄果汁を、スチレン−ジビニルベンゼン系の工業用合成吸着樹脂を充填したカラムに通液した。さらに軟水をカラムに通液することで洗浄した後、65%エタノールで溶出させ、果汁100gに対し半分量(50g)のポリフェノールを含む赤色色素画分を得た。
得られた画分をエバポレーターで減圧濃縮し、液体リンゴ色素が得られた。次いで、この液体色素を噴霧乾燥機にて乾燥させ、粉末リンゴ色素が得られた。
【0027】
(実施例3)
[リンゴ赤色色素の特性]
得られたリンゴ色素に関して以下の特性を調べた。
―色価
―色調
―耐光性
―耐熱性
―金属イオンに対する影響
1、色価
色価は色素量に対する赤色吸収波長での吸光度で求めた。すなわち
色価 = OD520nm × 10/色素量 (g)
で表される。この場合、pH 3 のクエン酸-リン酸二ナトリウム緩衝液 100mlに粉末リンゴ色素 99.6 mg を溶解し、分光光度計にて波長スキャンを行い最大吸収波長(λmax = 510〜520 nm)を得、その吸光度 0.534 を得た。従って色価は 53.6 となった。
【0028】
2、色調
色調は pH = 2.2, 3.0, 4.0, 5.0, 6.0, 7.0 の同緩衝液にて色価 = 100 となるようにリンゴ色素を溶解し、各 pH における波長吸収曲線を測定し、市販のブドウ果皮色素及び赤キャベツ色素と比較した(図1)。さらに色彩計(ミノルタ製色彩計)で(L*, a*, b*)を測定し、ハンター・ダイアグラムとしてプロットした(JIS Z 8729に準拠した)(図2)。その結果、ブドウ果皮色素や赤キャベツ色素に比べてやや黄みがかった赤色を呈していることがわかった。また、これらの色素は pH が低くなるほど、即ち酸性が強くなるほど赤色が強くなった。
【0029】
3、耐光性
pH 3 の同緩衝液にて色価 = 100 となるようにリンゴ色素を溶解し、100 mlの透明バイアルに詰め、6,000 ルクス(Lx)の照度及び 30 ℃で保存した。分光光度計にて赤色色度(OD520nm)を、色彩計にて色調(L*, a*, b*)を経時的に測定しプロットした(図3)。その結果、赤色色度は経時的に減少し、色調は経時的に橙色系に変化した。一週間後(1,000,000 Lx*hr)の赤色残存率は、OD520nm 及び色調の赤(a)でそれぞれ 57.6 % 及び 54.6 % であった。
【0030】
4、耐熱性
pH 3 の同緩衝液にて色価 = 100 となるようにリンゴ色素を溶解し、50 ml の透明バイアルに詰め、70℃の水浴中にて30分後と60分後の赤色色度及び色調を測定し、その残存率を時間に対してプロットした(図4)。その結果、赤色色度は最初の30分で約 8 % 減少したが次の30分では約 2 % の減少に留まった。また色調の赤(a)では最初の30分で約 12 % 減少したが次の30分では色度と同様に約 2 % の減少に留まった。
【0031】
5、金属イオンに対する影響
pH 3 の同緩衝液にて色価 = 100 となるようにリンゴ色素と金属イオンを溶解し、10 ml を試験管にいれた後 8 ℃で3日間保存後の色調を測定した。金属イオンは Sn2+ / Al3+ / Fe2+ / Cu2+ / Pb2+ / Mg2+ / Ca2+ / Zn2+ とし、それぞれ塩化第一錫、塩化アルミニウム、硫酸第一鉄、硫酸銅、酢酸鉛、硫酸マグネシウム、第一リン酸カルシウム、硫酸亜鉛を用いて金属イオン当たり 1, 5, 25, 125 ppm となるようにした。図5に 125 ppm での各金属イオンの色調への影響を示したが、Fe2+と Sn2+ 以外はほとんど変化が見られなかった。色調に変化の生じた Fe2+と Sn2+ に関して各濃度での色調もプロットしたところ、濃度依存的に Fe2+ では黄みが強まりオレンジ系に、Sn2+ では青みが強まり紫系に変色した。以上の結果より、本発明で得られるリンゴ赤色色素は、酸性領域の食用色素として利用できることがわかる。
【0032】
(実施例4)
[リンゴ赤色色素の抗酸化作用]
―原料及び試料調製
原料及び試料は、実施例2で得られた粉末リンゴ赤色色素を使用した。
【0033】
―抗酸化試験
抗酸化試験法は以下の通りとした。すなわち、4 % リノール酸含有エタノール 5 ml にpH 7 のリン酸緩衝液 4 ml と色素の水溶液 1 ml を密栓試験管中で混和した後、60℃の恒温槽中に遮光保存した。4日後、反応液をとり生成した過酸化物をイソチオシアネート法(ロダン鉄法)を用いて測定した。
【0034】
その結果をリンゴ色素濃度に対する生成過酸化脂質量(OD500nm)で図6に示した。グラフからリンゴ赤色色素に抗酸化作用のあることが認められた。この条件では約 25 ppm で過酸化物価が 50 % になった。従って本発明で得られるリンゴ赤色色素は、抗酸化剤としても有効である。
【0035】
(実施例5)
[リンゴ赤色色素のアンジオテンシン I 変換酵素(ACE)阻害作用]
―原料及び試料調製
実施例4と同様
【0036】
―ACE 阻害試験
ACE 阻害活性は常法に従って行った。すなわち市販 ACE 溶液に試料溶液を加え、プレインキュベーション後、基質として Bz-Gly-His-Leu を添加し反応させた。反応により生じたヒスチジン断片をオルトフタルアルデヒドで蛍光ラベル化した後、蛍光強度を蛍光分光光度計で測定した。この時、被検液の蛍光強度を S、試料の代わりに水を加えたときの値を C、S の酵素ブランク(酵素の代わりに水)の値を SB、C の酵素ブランクの値を CB とし、{1 - ( S - SB ) / ( C - CB )}× 100 ( % ) として阻害活性度を表した。色素濃度に対して ACE 阻害活性度をプロットした結果、リンゴ色素は ACE 阻害活性を有することが判明した(図7)。従って本発明で得られるリンゴ赤色色素は、ACE 阻害剤としても有効であると判断できる。
【0037】
(実施例6)
[リンゴ赤色色素のヒスタミン遊離抑制作用]
―原料及び試料調製
実施例4と同様
【0038】
―ヒスタミン遊離抑制試験
ヒスタミン遊離抑制活性は培養細胞系及び動物組織細胞を用いる方法で行った。すなわち、ラット好塩基球白血病細胞 RBL-2H3 を 10 % FBS, α-MEM 培地で培養し、抗体 DNP - IgE を感作させHEPES緩衝液で洗浄後、抗原 DNP - BSA と試料を作用させ、細胞外液に遊離されるヒスタミン量を蛍光検出器付き高速液体クロマトグラフで測定した。また、7週令のウイスター系雄性ラットより腹腔肥満細胞を採取し、密度勾配遠心法で精製後、ヒスタミン遊離剤の compound48/80と試料を添加し、細胞外液に遊離されるヒスタミン量を同方法で測定した。その結果、リンゴ色素は好塩基球細胞及び腹腔肥満細胞からのヒスタミン遊離を抑制することが判明した(図8)。従って本発明で得られるリンゴ赤色色素は、ヒスタミン遊離抑制剤としても有効であると判断できる。
【0039】
(実施例7)
[リンゴ赤色色素のグルコシルトランスフェラーゼ(GTase)阻害作用]
―原料及び試料調製
実施例4と同様
【0040】
―GTase 阻害試験
GTase 阻害活性はヒト歯垢より単離された Streptococcus sobrinus 6715 の菌体外 GTase を用いて測定した。すなわち、S. sobrinus 6715 を TTY 培地で培養後、菌体を除去し硫酸アンモニウム沈殿法及びヒドロキシアパタイトカラム法により精製した。ショ糖、アジ価ナトリウム、デキストラン T10 を含む基質溶液に、精製 GTase と試料を添加し、全量を 2 ml にした後 37℃で 18 時間反応させた。次いで生じた不溶性グルカン量を分光光度計で濁度として測定した。この時被検液の濁度を S、試料の代わりに水を加えたときの値を C、S と C の酵素ブランクの値をそれぞれ SB と CB とし、不溶性グルカン生成率を(S - SB)/(C - CB)×100 (%) で表した。色素濃度に対して不溶性グルカン生成率をプロットした結果、リンゴ色素は GTase 阻害活性を有することが判明した(図9)。従って、本発明で得られるリンゴ赤色色素は、GTase 阻害剤としても有効であると判断できる。
【0041】
(実施例8)
[リンゴ赤色色素の消臭効果]
―原料及び試料調製
実施例4と同様
【0042】
―メチルメルカプタン(口臭主物質)産生抑制試験
メチルメルカプタン産生抑制活性は、唾液中に存在する口腔内細菌によるL-メチオニンの変換を用いて行った。すなわちバイアル瓶にL-メチオニンを含むリン酸緩衝液と試料とヒト唾液(採取2時間前から飲食及び刷掃は行わない)を加え密封した後、37度で24時間反応させた。次いで生成したメチルメルカプタンを含むヘッドスペースガスをガスクロマトグラフ法で測定した。色素濃度に対してメチルメルカプタン生成量をプロットした結果、リンゴ色素は口腔内細菌によるメチルメルカプタン産生を抑制することが判明した(図10)。
【0043】
―トリメチルアミン(生臭み主物質)消臭試験
トリメチルアミン消臭活性は、バイアル瓶にトリメチルアミンのエタノール溶液と試料を加え密封した後、ヘッドスペースガスをガスクロマトグラフ法で測定した。色素濃度に対して残存トリメチルアミン量をプロットした結果、リンゴ色素はトリメチルアミンの生臭さを抑制することが判明した(図11)。従って、本発明で得られるリンゴ赤色色素は、消臭剤としても有効であると判断できる。
【0044】
(実施例9)
実施例1の試料のうち、野生種(北海道余市郡自生、平均 7.7 g/個)、Red field (平均 151.1 g/個)、Makamic (平均 10.4 g/個)、およびMalus robusta (平均 33.4 g/個)について、実施例2と同様にして赤色色素画分を得た。
得られた赤色色素画分の赤色色度を測定したところ、次のようであった。なお、赤色色度は、520nmの吸光度で表した。
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、赤色の栽培品種及び野生品種のリンゴ果実を原料とし、且つ特定の処理を施すことにより、各種の生理作用、特に抗酸化作用、ACE 阻害作用、ヒスタミン遊離抑制作用、GTase 阻害作用、悪臭物質に対する消臭及び悪臭物質産生抑制作用を備えたリンゴ赤色色素を提供することができる。
【0047】
また、本発明によれば、抗酸化作用を有するリンゴ色素画分を有効成分とする酸化防止剤を提供することができる。
さらに、本発明によれば、アンジオテンシン I 変換酵素阻害作用を有するリンゴ色素画分を有効成分とする血圧降下剤を提供することができる。
さらに、本発明によれば、ヒスタミン遊離抑制作用を有するリンゴ色素画分を有効成分とする抗アレルギー剤を提供することができる。
さらに、本発明によれば、グルコシルトランスフェラーゼ阻害作用を有するリンゴ色素画分を有効成分とする抗う蝕剤を提供することができる。
さらに、本発明によれば、悪臭物質に対する消臭及び悪臭物質産生抑制作用を有するリンゴ色素画分を有効成分とする消臭剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リンゴ色素、ブドウ色素および赤キャベツ色素の各 pH における可視部吸収スペクトルの比較を示すグラフ。
【図2】リンゴ色素、ブドウ色素および赤キャベツ色素の各 pH における色調をハンター・ダイアグラムとして示したグラフ。
【図3】光照射下(6000ルクス)リンゴ色素の赤色色度(520nm)及び色調変化(ハンター・ダイアグラム)の経時変化を示すグラフ。
【図4】リンゴ色素の70℃加熱による赤色色度(520nm)残存率及び色調変化(ハンター・ダイアグラム)を示すグラフ。
【図5】各種金属イオン(125ppm)によるリンゴ色素の色調変化及び鉄イオンと錫イオンの濃度による色調変化をハンター・ダイアグラムで示したグラフ。
【図6】リノール酸に対する抗酸化作用を示すグラフ。
【図7】 ACE阻害作用を示すグラフ。
【図8】ヒスタミン遊離抑制作用を示すグラフ。
【図9】 GTase阻害作用を示すグラフ。
【図10】メチルメルカプタン産生抑制効果を示すグラフ。
【図11】トリメチルアミン消臭効果を示すグラフ。
Claims (9)
- Redflesh、Redhook、Geneva、Hopa crab、Jay Darling、Makamic crab、Malus robusta、Malus sieboldii、Purple Lemoine、Pink Pearl、Red Field、及び五所河原から成る群から選ばれた少なくとも1種のリンゴ成熟果の果肉より、搾汁および/または抽出され、且つ精製された画分よりなり、最大吸収波長が510〜520nmを示す、酸性領域で赤色色素として安定であることを特徴とするリンゴ赤色色素。
- Redflesh、Redhook、Geneva、Hopa crab、Jay Darling、Makamic crab、Malus robusta、Malus sieboldii、Purple Lemoine、Pink Pearl、Red Field、及び五所河原から成る群から選ばれた少なくとも1種のリンゴ成熟果の果肉を、搾汁および/または抽出して搾汁果汁および/または抽出液を得、次いでこの搾汁果汁および/または抽出液より赤色色素画分を精製し、最大吸収波長が510〜520nmを示す、酸性領域で赤色色素として安定である精製画分を得ること特徴とするリンゴ赤色色素の製造方法。
- 該少なくとも1種のリンゴ成熟果の果肉を、搾汁して搾汁果汁を得るに際して、亜硫酸を添加しながら果実の破砕し、圧縮して搾汁果汁を得る請求項2に記載のリンゴ赤色色素の製造方法。
- スチレン-ジビニルベンゼン系の合成吸着樹脂、陰イオン交換樹脂、オクタデシル基化学結合型シリカゲル(ODS)等を充填したカラムに、該少なくとも1種のリンゴ成熟果の果肉から得られた清澄果汁又は清澄抽出液を通し、赤色色素を含む画分を吸着させ、次いで、該カラムに水を通して洗浄した後、20〜100%アルコールを水洗浄したカラムに通して、赤色色素を含む画分を得ることからなる請求項2に記載のリンゴ赤色色素の製造方法。
- 請求項1に記載の赤色色素画分を有効成分とする酸化防止剤。
- 請求項1に記載の赤色色素画分を有効成分とする血圧降下剤。
- 請求項1に記載の赤色色素画分を有効成分とするアレルギー抑制剤。
- 請求項1に記載の赤色色素画分を有効成分とする抗う蝕剤。
- 請求項1に記載の赤色色素画分を有効成分とする消臭剤。
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