JP4142859B2 - 果実ポリフェノール、酸化防止剤、血圧降下剤、抗変異原性作用剤、アレルギー抑制剤、抗う蝕剤及び消臭剤 - Google Patents

果実ポリフェノール、酸化防止剤、血圧降下剤、抗変異原性作用剤、アレルギー抑制剤、抗う蝕剤及び消臭剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は果実ポリフェノールに係り、さらにはポリフェノール画分を有効成分とする酸化防止剤、血圧降下剤、抗変異原性作用剤、アレルギー抑制剤、抗う蝕剤及び消臭剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
バラ科食用果実、特にリンゴ、ナシ、モモなどの果樹栽培過程において、通常5月中旬〜7月中旬にかけて「摘果(みすぐり)」と呼ばれる作業が行われる。作業内容は、受粉後房状に結実した果実がまだ未熟の段階のうちに、一部の果実を残し他を摘果廃棄するというものであるが、この作業により多量の未熟果実が未利用のまま廃棄処分されている。この未熟果実は成熟果実と比較して極めて苦く、また果実切断面は容易に褐変する。この事実は、未熟果実中にポリフェノール化合物が大量に存在することを示唆するものである。
【0003】
ポリフェノール化合物は植物の二次代謝産物として植物界に普遍的かつ多種・多量に存在することで知られているが、これらのあるものは非常に多様な生理活性を示す点で古くより薬学の分野において、また近年の食品化学の分野において注目を集めている。
【0004】
そのなかで、特に最近研究の集中している茶のポリフェノール(カテキン類)においては、抗菌、抗ウイルス、抗酸化、抗突然変異、抗癌、血小板凝集抑制、血圧上昇抑制、血糖上昇抑制、血中コレステロール低下、抗う蝕、抗アレルギー、腸内フローラ改善、消臭など非常に広範な生理作用を有することが認知されつつある。(特開昭63−214183号公報、特開平2−6499号公報、特開平4−178320号公報等を参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、例えば茶から抽出したポリフェノールが広範な生理作用を有することが知られているが、本発明者は別の観点から検討を進め、より効率良く、しかも経済的にポリフェノールを製造するための原料の検索および製造方法、更には当該ポリフェノールの生理作用等を検討、確認した。
その結果、バラ科果実、特にリンゴ、ナシ、モモ等の未熟果実を原料とし、かつ特定の処理を施すことにより、各種の生理作用を備えたポリフェノールを効率よく製造できることを見出し、本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明によれば、摘果作業が行われる時期に採取されるリンゴの未熟果実より搾汁および/または抽出された画分の精製物から成り、その成分組成が、カフェー酸、カフェー酸エステル、p−クマル酸、p−クマル酸エステル、フロレチン、フロレチン配糖体、ケルセチン、ケルセチン配糖体、カテキン、エピカテキン及び高分子ポリフェノール化合物としてカテキン類の規則的な重合体である縮合型タンニン類を含み、以下に述べるような各種の生理活性を示すポリフェノール混合物が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、摘果作業が行われる時期に採取されるリンゴの未熟果実より搾汁および/または抽出された画分の精製物から成り、その成分組成が、単純ポリフェノール化合物としてカフェー酸誘導体、p−クマル酸誘導体、フラバン−3−オール類、フラボノール類、ジヒドロカルコン類、及び高分子ポリフェノール化合物としてカテキン類の規則的な重合体である縮合型タンニン類を含む、アンジオテンシンI変換酵素阻害作用を有するポリフェノール画分を有効成分とする血圧降下剤が提供される。
【0009】
さらにまた、本発明によれば、摘果作業が行われる時期に採取されるリンゴの未熟果実より搾汁および/または抽出された画分の精製物から成り、その成分組成が、単純ポリフェノール化合物としてカフェー酸誘導体、p−クマル酸誘導体、フラバン−3−オール類、フラボノール類、ジヒドロカルコン類、及び高分子ポリフェノール化合物としてカテキン類の規則的な重合体である縮合型タンニン類を含む、ヒアルロニダーゼ阻害作用ならびにヒスタミン遊離抑制作用を有するポリフェノール画分を有効成分とするアレルギー抑制剤が提供される。
さらにまた、本発明によれば、摘果作業が行われる時期に採取されるリンゴの未熟果実より搾汁および/または抽出された画分の精製物から成り、その成分組成が、単純ポリフェノール化合物としてカフェー酸誘導体、p−クマル酸誘導体、フラバン−3−オール類、フラボノール類、ジヒドロカルコン類、及び高分子ポリフェノール化合物としてカテキン類の規則的な重合体である縮合型タンニン類を含む、グルコシルトランスフェラーゼ阻害活性を有するポリフェノール画分を有効成分とする抗う蝕剤が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明における果実ポリフェノールは、上記のように、バラ科に属する果実、特にリンゴ、ナシ、モモの未熟果実の搾汁果汁、抽出液より精製されたポリフェノール画分からなるものであるが、このポリフェノール画分の精製は、搾汁果汁、抽出液を吸着剤で処理することにより行われ、吸着剤に吸着する画分(以下、吸着画分という)にポリフェノールは含有されている。そして吸着画分を含水アルコール(エタノール等)で溶出させることにより、ポリフェノール画分が精製される。
【0012】
このポリフェノール画分は、次いで濃縮処理することにより液体製剤を得ることができる。
さらに、ポリフェノール画分の濃縮液を噴霧乾燥もしくは凍結乾燥処理することにより粉末製剤を得ることもできる。
【0013】
本発明で用いる原料としては、バラ科に属する果実であるリンゴ、ナシまたはモモが挙げられ、特にリンゴが好ましい。また、果実としては、より多くのポリフェノール化合物を含有すること、および広範な生理作用を有する各種活性成分を多量に含むことから、リンゴ、ナシまたはモモの未熟果実を用いる。
【0014】
搾汁方法としては原料を洗浄し、そのまま、または亜硫酸を添加しながら破砕、圧搾により搾汁果汁を得、好ましくはペクチン分解酵素を添加する。次いで遠心分離、濾過等の手段により清澄果汁を得る方法を挙げることができる。
また抽出方法としては、洗浄した原料をアルコール(エタノール、メタノール等)と混合して破砕し、そのまま浸漬及び圧搾、または加熱還流しながら抽出し、次いで減圧濃縮によりアルコールを留去した後、遠心分離及び濾過、または有機溶媒(ヘキサン、クロロホルム等)による分配及び濾過を行い、清澄抽出液を得る方法を挙げることができる。
【0015】
精製方法としては、ポリフェノール類を選択的に吸着且つ溶離できる吸着剤、例えばスチレン−ジビニルベンゼン系の合成吸着樹脂、陰イオン交換樹脂、オクタデシル基化学結合型シリカゲル(ODS)等を充填したカラムに、上記の清澄果汁又は清澄抽出液を通すことによりポリフェノール画分を吸着させる。次いで、蒸留水を通すことにより洗浄した後、20〜100%アルコール(例えばエタノール)溶液、好ましくは約50%アルコール溶液をカラムに通すことによりポリフェノール画分が溶出、回収できる。得られたポリフェノール溶液を減圧濃縮することによりアルコールを留去し、果実ポリフェノール液体製剤(好ましくはリンゴ酸等の有機酸を添加)を得ることができる。さらに、液体製剤をそのままもしくはデキストリン等の粉末助剤を添加し、噴霧乾燥又は凍結乾燥を行い、果実ポリフェノール粉末製剤を得ることができる。
【0016】
本発明で得られる果実ポリフェノールの組成としては、単純ポリフェノール化合物としてカフェー酸誘導体、p−クマル酸誘導体、フラバン−3−オール類(カテキン類)、フラボノール類(ケルセチン配糖体類)、ジヒドロカルコン類(フロレチン配糖体類)など、また高分子ポリフェノール化合物として縮合型タンニン類など、により大部分が占められることを本発明者は確認している。
【0017】
従って、本発明で得られる果実ポリフェノールは種々の生理機能を有する可能性があると考えられるが、本発明者が鋭意検討した結果、第一に、このポリフェノールには、植物油脂であるリノール酸の酸化を防止する作用を有する成分が多量に含まれていることを見出した。即ち、本発明で得られる果実ポリフェノールは酸化防止剤として極めて有効なものである。
【0018】
また第二に、このポリフェノールには、血圧上昇に関連する酵素であるアンジオテンシンI変換酵素(以下、ACEという)の働きを阻害する作用を有する成分が多量に含まれていることを見出した。従って、本発明で得られる果実ポリフェノールは血圧降下剤としても極めて有効なものである。
【0019】
そして、さらに本発明者は検討を進めて、果実ポリフェノール中のACE阻害活性物質が何かを検索したところ、図12の構造式で示される縮合型タンニンであることを確認した。
また、近年の多くの研究結果より発ガン性物質と変異原性物質に高い相関が認められ、発ガン性と変異原性は深い関連があるとされている。すなわち変異原性を抑制する物質は発ガン性を予防することが期待できる。そこで、本発明で得られる果実ポリフェノールが抗変異原性作用があるかどうかを確認したところ、その作用効果があることが判明した。従って、本発明で得られる果実ポリフェノールは抗変異原性作用剤としても極めて有効なものである。
【0020】
さらに、ヒスタミンは様々なアレルギー症状を引き起こす生体内ケミカルメディエーターとして知られており、主に肥満細胞や好塩基球から脱顆粒によって遊離する。
ヒアルロニダアーゼは結合組織再構築における細胞活動の一貫を形成していると考えられている酵素であるが、近年の研究(Chem.Pharm.Bull.33.p642.1985、同.33.1985,同.33.p3787.1985,同.33.p5079.1985,同.40.1439.1992)によりヒアルロニダーゼ阻害活性と、肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制活性が合成抗アレルギー剤(クロモグリク酸ナトリウムやトラニラスト)に於いて高い相関性を示し、これらの活性を測定することで天然物から数種の抗アレルギー物質が検索されている。そこで、本発明で得られる果実ポリフェノールがヒアルロニダーゼ阻害活性ならびにヒスタミン遊離抑制活性があるかどうかを確認したところ、その作用効果があることが判明した。従って、本発明で得られる果実ポリフェノールはアレルギー抑制剤としても極めて有効なものである。
【0021】
さらにまた、今日では、う蝕(虫歯)はStreptococcus mutansを中心とする口腔連鎖球菌による細菌感染症の一種であることが確認されているが、う蝕発生過程の中でも歯垢形成は特に重要な要因と考えられている。
すなわち、食物中に含まれるショ糖から、う蝕菌の産生酵素グルコシルトランスフェラーゼ(以下、GTaseと略す)の作用により粘着性の不溶性グルカンが合成され、これを介して細菌が歯牙表面に付着し、生じた歯垢がう蝕の原因となる。
【0022】
このことより、GTase活性を阻害する物質は効果的な抗う蝕剤として適用できることが期待されている(Appl.Env.Microbiol.,59(4),968-973,1993、Biosci.Biotech.Biochem.,56(5),766-768,1992、Agric.Biol.Chem.,54(11),2925-2929,1990、Chem.Pharm.Bull.,38(3),717-720,1990)。
そこで本発明においては、う蝕菌の代表種のひとつであるS.sobrinusが産生する、不溶性グルカン生成GTaseに対する果実ポリフェノールの阻害能について検討したところ、その作用効果があることが判明した。従って、本発明で得られる果実ポリフェノールは抗う蝕剤としても極めて有効なものである。
【0023】
さらにまた、食品由来の悪臭成分の中で、口臭の強さと含有量が比例するのは、硫化水素、メチルメルカプタン、硫化ジメチル等揮発性硫黄化合物であるとされている(日歯周誌、17,233-245,1975)。なかでも、メチルメルカプタン濃度との間に強い相関が認められている(日歯周誌、18,1-12,1976及び歯学会報、76,1923,1976)。そこで、本発明で得られる果実ポリフェノールのメチルメルカプタン、硫化ジメチルに対する消臭効果を測定したところ、その作用効果があることが判明した。さらに、果実ポリフェノールのメチルメルカプタン、硫化ジメチルおよび二硫化ジメチルに対する産生抑制効果を測定したところ、その作用効果があることも判明した。従って、本発明で得られる果実ポリフェノールは消臭剤としても極めて有効なものである。
【0024】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0025】
(実施例1)
[リンゴ未熟果果汁の成分分析]
以下の試料について一般成分分析を行った。
−試料 リンゴ(ふじ)成熟果:市販品(無袋栽培品)
リンゴ(ふじ)未熟果:6月中旬に採取
−試料処理法
果実試料に対し酸化防止剤として適量のメタ重亜硫酸カリウムを添加しながら、ミキサーで破砕・搾汁した。搾汁液は遠心分離・濾過により清澄果汁として、以下の測定に供した。
【0026】
−測定項目(および方法)
−一個体平均重量(n=50)
−搾汁率(%)
−pH
−酸度(リンゴ酸換算g/l)
−Brix
−総フェノール(クロロゲン酸換算、ppm)
−総アスコルビン酸
−有機酸組成
−糖組成
−金属イオン組成
−遊離アミノ酸組成
測定結果を表1に示した。
【0027】
【表1】
Figure 0004142859
【0028】
表1よりわかるように、リンゴ未熟果果汁は成熟果果汁と比較すると成分的に大きな差異が見られた。特に強調すべき点として、フェノール成分、アスコルビン酸、有機酸(特にキナ酸)、金属イオン、遊離アミノ酸(特にアスパラギン、フェニルアラニン、γ−アミノ酪酸)に富んでいるといえる。一方、糖類は非常に少なかった。
【0029】
次にリンゴ未熟果のポリフェノール成分組成について、高速液体クロマトグラフ法により調べた。
測定試料は果実抽出液からポリフェノール成分を固相抽出法により精製したもの(実施例2を参照)を使用した。
測定結果を図1に示す。
【0030】
これより、リンゴ未熟果の単純ポリフェノール化合物組成は、カフェー酸誘導体(クロロゲン酸他)、p−クマル酸誘導体、フラバン−3−オール類(カテキン、エピカテキン、他)、フラボノール類(ケルセチン配糖体類)、ジヒドロカルコン類(フロレチン配糖体、特にフロリジン)で大半を占めることが判明した。量的にはクロロゲン酸、カテキン、エピカテキン、フロリジンが高含量であると推定された。
【0031】
(実施例2)
[果実未熟果ポリフェノールの抗酸化作用]
−原料 原料素材としては以下の果実を使用した。
リンゴ成熟果:市販品(無袋栽培品)
リンゴ未熟果:6月中旬に採取
「ふじ」 − 平均重量 4.97 g(n=50)
「津軽」 − 平均重量 7.80 g(n=50)
「ジョナゴールド」− 平均重量 3.86 g(n=50)
「北斗」 − 平均重量 3.32 g(n=50)
「王林」 − 平均重量 10.34 g(n=50)
【0032】
ナシ未熟果:6月上旬に採取
「豊水」−平均重量 8.98g(n=50)
モモ未熟果:6月上旬に採取。
「あかつき」−平均重量 5.03g(n=50)
【0033】
−試料調製
果汁試料−実施例1と同様の処理により清澄果汁を得た。
抽出試料−抽出方法としては、原料400gを1%塩酸酸性メタノールと共にホモジナイズした後、加熱還流しながら抽出し(3回)、抽出液を減圧濃縮してメタノールを留去後、クロロホルムを加えて分配し(2回)、水層を回収し、濾過後蒸留水で200mlにメスアップして抽出試料とした。
なお、必要に応じ、果汁試料、抽出試料からポリフェノール成分をSep-pak C18 を用いた固相抽出法により精製した。
【0034】
−抗酸化試験法
抗酸化試験法は以下の通りとした。
即ち、基質溶液(4%リノール酸含有エタノール)5mlにリン酸緩衝液(pH7.0) 4mlと試験液1mlを密栓試験管中で混和した後、50℃の恒温槽中に遮光保存した。この際、コントロールとして基質の代わりにエタノールを添加したもの、またブランクとして試料溶媒を試料の代わりに添加したものを、同条件下で保存した。
【0035】
保存期間中、反応液を経時的にサンプリングし、生成した過酸化物をイソチオシアネート法(ロダン鉄法)により定量した。
【0036】
−測定結果
リンゴ(ふじ)の未熟果と成熟果の抽出物について抗酸化性の有無を調べた。「ふじ」未熟果と成熟果の抽出液を1-1000μl/gLA の範囲で反応系に添加したときの、1週間後における生成過酸化脂質量 (吸光度500nm 値)と添加濃度のグラフを図2に示した。
これより、「ふじ」未熟果と成熟果のいずれの抽出物においてもリノール酸に対する抗酸化作用が認められたが、特に未熟果抽出物に強力な作用が認められた。
【0037】
続いて、この強力な活性成分がどのような物質であるか探る目的で、未熟果と成熟果の抽出物をSep-pak C18 によりおおまかに2つに分画した(画分A:Sep-pak C18 非吸着画分。画分B:Sep-pak C18 吸着画分(ポリフェノール画分))。抽出物ならびに各画分を1 −1000μl/gLA の範囲で反応系に添加したときの、1週間後における生成過酸化脂質量 (吸光度500nm 値) と添加濃度のグラフを図3に示した。
【0038】
この結果、成熟果抽出物の抗酸化性は画分Bの成分に由来するものであることが判明した。未熟果抽出物では画分A,B共に抗酸化作用が見られたが画分Bのほうが強力な作用を示した。
以上の結果から、両抽出物において観察される抗酸化性は主として画分Bの成分、すなわちポリフェノール化合物の存在に起因することが強く示唆された。
【0039】
さらにリンゴに含まれる単純ポリフェノール化合物のうち、純品が入手できるものについて抗酸化性の有無を検討した。各物質2μmol/gLA を反応系に添加したときの、1週間後における生成過酸化脂質量 (吸光度500nm 値)の比較グラフを図4に示した。
図4ではポリフェノール化合物以外にも、比較物質として既知抗酸化剤のBHA、BHT、ビタミンEの3種類について、また先の画分A中の代表的な成分としてキナ酸、リンゴ酸、γ−アミノ酪酸(GABA)についても検討した。
【0040】
その結果、ポリフェノール化合物のうちカフェー酸、クロロゲン酸、(+)-カテキン、(-)-エピカテキン、ケルセチン、ルチン(quercetin-3-glu-rha) の6種類は、BHA やBHT に匹敵する抗酸化力を有していた。しかし同じポリフェノール化合物でもp−クマル酸やフロレチン、フロリジンには全く抗酸化作用が見られなかった。また画分A中の諸成分にも抗酸化作用を有するものは見られなかった。なお、リンゴにおける各成分の含有量と抗酸化力の比較より、リンゴ未熟果の抽出液及び果汁液の発揮する強い抗酸化作用は、主としてクロロゲン酸、(+)-カテキン、(-)-エピカテキンの存在によるものと推定できた。
【0041】
これまでの結果より、リンゴ(ふじ)の未熟果には強い抗酸化作用があること、およびその活性成分を明らかにした。
続いて「ふじ」以外のリンゴの未熟果も同様の作用を有するかどうかについて検討した。
各種リンゴ未熟果(「ふじ」「津軽」「ジョナゴールド」「北斗」「王林」)の抽出液の画分B(ポリフェノール画分)について、各画分を1-500 μl/gLA の範囲で反応系に添加したときの、1週間後における生成過酸化脂質量 (吸光度500nm 値)と添加濃度のグラフを図5に示した。
【0042】
図5には対照として「ふじ」の成熟果の結果も加えて示した。
その結果、いずれのリンゴ品種においても強い抗酸化性が認められ、品種の違いによる抗酸化力の差はほとんど見られなかった。
【0043】
さらに、リンゴ以外の果実未熟果の抗酸化作用についても検討した。
各種果実未熟果(リンゴ「ふじ」、ナシ「豊水」、モモ「あかつき」)の抽出液の画分B(ポリフェノール画分)について、各画分を1-500 μl/gLA の範囲で反応系に添加したときの、1週間後における生成過酸化脂質量 (吸光度500nm 値)と添加濃度のグラフを図6に示した。
【0044】
その結果、モモ未熟果はリンゴ未熟果とほぼ同等の抗酸化力を有すること、またナシ未熟果はリンゴ程ではないがかなり強い抗酸化力を有することが判明した。
【0045】
(実施例3)
[果実未熟果ポリフェノールのアンジオテンシンI変換酵素(ACE) 阻害作用]−原料 原料素材としては以下の果実を使用した。
リンゴ未熟果:実施例2と同様
−試料調製:実施例2と同様に「抽出試料」と「ポリフェノール画分」を調製した。
【0046】
−ACE阻害試験法
ACE阻害試験は常法に従って行った。
すなわち市販ACE溶液に試料溶液を加え、プレインキュベーション後、基質としてBz-Gly-His-Leuを添加し反応させた。反応により生じたHis 断片をオルトフタルジアルデヒドで蛍光ラベル化した後、蛍光強度(Ex.360nm、Em.490nm) を測定した。
【0047】
この時、被験液の蛍光強度をS、試料の代わりに水を加えたときの値をC、Sの酵素ブランク(酵素の代わりに水を加えたもの)の値をSB、Cの酵素ブランクの値をCB とし、{1−(S−SB)/(C-CB)}×100(%)としてACE阻害活性度を表わした。
【0048】
−測定結果−
リンゴ未熟果と成熟果(いずれも「ふじ」)の抽出物を、Sep-pak C18 を用いて、非吸着画分(→画分A)とポリフェノール画分(→画分B)に分画した。各画分のACE阻害活性を調べた。結果を図7に示した。
その結果、未熟果・成熟果のいずれにおいても画分Bに強いACE阻害活性が見られた。特に未熟果の画分Bでは100%阻害が観察されたが、両者の阻害活性の強さをさらに詳しく比較するために、反応系へ添加する両者の画分Bの添加量を変化させた場合のACE阻害活性の変動を調べた。結果を図8に示した。
【0049】
その結果、成熟果の画分BのACEに対する50%阻害濃度(IC50)が約3ulであったのに対し、未熟果の画分Bは0.1ul以下と非常に強い活性を示した。
未熟果におけるこの強い阻害活性は「ふじ」以外の栽培品種においても同様に観察された。
以上の結果より、リンゴ未熟果にはACEに対する強力な阻害物質が存在し、その活性本体はポリフェノール化合物であることが強く示唆された。なお、ナシとモモ未熟果のACE阻害活性はリンゴに比べて弱いものであった。
【0050】
次に、リンゴ未熟果中より見出され、かつ純品が入手可能な単純ポリフェノール化合物について、ACEの阻害活性の有無を検討した。具体的には、物質間の活性の強さを比較できるように、反応系へ添加する各物質の添加濃度を変化させた場合のACE阻害活性の変動を調べた。結果を図9に示した。
【0051】
図9では比較のため、既にACE阻害活性を有することが知られている茶のカテキン類についても測定を行った。その結果、(-)-エピガロカテキンガレート(EGCg)と(-)-エピカテキンガレート(ECg) のIC50値がそれぞれ0.3mM、2mM であり、強い阻害活性を示した。また加工により茶葉中のGABA濃度を高めた「ギャバロン茶」が高血圧自然発症ラットを用いた実験で血圧降下作用を示したという報告があるが、本実験においてはGABAにはACE阻害活性は全く見られなかった。
【0052】
肝心のリンゴフェノール類は、いずれも高濃度では阻害活性を有していたものの、IC50値は低く、最も活性の強かったケルセチンでも約5mM であり、EGCgやECg よりも阻害活性ははるかに弱いものであった。
【0053】
ここでリンゴ未熟果画分B中のポリフェノールが全てEGCgであると仮定し、EGCgの検量線により画分B中の総フェノール量を算出したところ、約15000ppmであり、画分Bのポリフェノール濃度はEGCg換算で33.82mM 相当であると計算された。この計算値を使用し、図9上に画分Bの活性曲線をプロットしたところ、EGCgを上回る(IC50=0.2 mM) 強力な阻害活性が認められた。実際上は画分B中にEGCgやECg は存在しておらず、また上述のとおり他の単純ポリフェノール類には顕著な阻害活性が見られない。図9において観察される未熟画分Bの強力なACE阻害活性は、混在する他の未同定ポリフェノールの存在によるものであることが強く示唆された。
【0054】
(実施例4)
[リンゴ未熟果ポリフェノール中のACE阻害物質の同定]
−試料 実施例3と同様に、リンゴ「ふじ」未熟果より抽出試料を得て、さらに固相抽出法によりポリフェノール画分を精製し、以下の試料とした。
−実験方法
試料溶液をSephadex LH-20カラムに負荷した。カラムを蒸留水で洗浄後、20%〜60%メタノール(塩酸酸性)、70%アセトン(塩酸酸性)を順時用いて、ポリフェノールを溶出・分画した。
得られた画分について、HPLC組成分析、総フェノール測定、ACE阻害試験を行った。また必要に応じて、吸収スペクトル測定、ゲル浸透クロマトグラフィーを行った。
【0055】
−実験結果
試料中のACE阻害活性本体を他のポリフェノールから単離するための具体的手段としてSephadex LH-20 column による分画を試みた。実験により得られた溶出画分について、HPLCによる単純ポリフェノール分析とACE 阻害試験を行ったところ、60%メタノール溶出時点で全ての単純ポリフェノール類が完全に溶出されたことを確認した。
【0056】
ACE阻害活性は次の溶出溶媒である70%アセトン溶出画分に集中していた。
単離した画分は、溶媒を留去後、凍結乾燥し粉末化した。活性本体は水に易溶(水溶液はオレンジ色)であり画分B100ml から約0.7g得られた。
次に得られた粉末を水に溶解し、分光光度計により吸収スペクトルを測定した。結果を図10に示した。
【0057】
得られたスペクトルは280 nm に極大吸収を示し、その形状は(+)-カテキンや(-)-エピカテキンと酷似していた。また同水溶液を120 ℃、10分間オートクレープ処理したところ、液は赤色を呈し、アントシアニジンが生成したものと思われた。これらの結果より活性本体は、縮合型タンニンとして知られるプロシアニジン類(カテキン類の規則的な重合体)であることが強く示唆された。しかし先のSephadex LH-20における溶出挙動ならびにシリカゲル HPTLCにおける溶出挙動などから、本物質はプロシアニジンB2 のような二量体程度の重合度ではなく、より高次のポリマー物質であることが推定された。
【0058】
そこで本物質につき、GPC による分子量測定を試みた。一般にポリフェノール化合物は疎水結合や水素結合によるカラム充填剤との親和性が強いため、通常タンパク質等で使用される水系でのGFC(Gel Filtration Chromatography)による分子量測定は困難とされる。そこで活性本体のフェノール性水酸基をピリジン/無水酢酸によりアセチル化して有機溶媒に可溶とした後、有機溶媒(THF) 中でのGPC 分析を試みた。結果を図11に示した。
【0059】
その結果、クロマトグラム上にブロードな単一ピークが現れ、同時に作成したポリスチレンによる分子量較正曲線より、本物質の平均分子量は約2000であると算出された。
なお、ここでは示さないが他の実験(トルエン−α−チオールによる部分分解、FAB-MS測定など)結果も加味した上で、現時点において推定されるACE阻害活性物質の構造式を図12に示した。
これより本物質は縮合型タンニンの一種であると判定された。
【0060】
また、精製ポリフェノール画分をSephadex LH-20で分画する際に、分画前(すなわち精製ポリフェノール画分)と分画後(70%アセトン溶出画分:すなわち縮合型タンニン画分)について総フェノール量を測定し、値を比較した。結果を表2に示した。
【0061】
【表2】
Figure 0004142859
【0062】
これより、リンゴ未熟果中の全ポリフェノールの約半分が、この縮合型タンニンであり量的に最も多い成分であることが判明した。
なお、本物質のACEに対するIC50を算出したところ、重量比較でEGCgのIC50の約1/10以下と非常に低い値であり、すなわち本物質が非常に強力なACE阻害活性物質であることが確認できた。
以上の結果より、リンゴ未熟果ポリフェノールが強力なACE阻害活性剤になりうると判断できた。
【0063】
(実施例5)
[未熟果実ポリフェノールの製造例]
リンゴ未熟果実(5〜10g/個)約50kgにSO2 を適量添加しながら破砕機にて破砕し、オイルプレスで圧搾した。得られた果汁にペクチン分解酵素を約50ppm添加し、遠心分離またはケイソウ土濾過を施し、さらに精密濾過を施すことにより清澄果汁35Lを得た。次いで、この清澄果汁をスチレン−ジビニルベンゼン系の工業用合成吸着樹脂(6L)を充填したカラムに通液した。さらに0.1%HCl含有水を6L通して糖類を除去した後、0.1%HCl含有50%エタノールで溶出させ、主要なポリフェノール画分3Lを得た。
【0064】
得られた画分をエバポレーターで減圧濃縮して濃縮画分1.5Lとし、噴霧乾燥機にて乾燥させ、リンゴ未熟果実ポリフェノール粉末製剤228.2gを得た。
回収率に関するデータを以下に記した。
【0065】
カラム回収率;95.6%
噴霧乾燥回収率;93.0%
果汁からの回収率;0.65%
果汁中ポリフェノールからの粉末回収率;88.9%
【0066】
(実施例6)
[果実未熟果ポリフェノールの抗変異原性作用]
本実施例に於いて、抗変異原性の測定はエイムス法(Mutation Research,vol.31,p347、1975年)の改変法で行った。
−原料ならびに試料調製
実施例2、3、4と同様。ただし実施例4で得られた「縮合型タンニン」を以下「リンゴタンニン」と略す。
【0067】
−抗変異原性測定法
変異原生物質(ベンゾ(a)ピレン、Trp−P−2)溶液にリン酸緩衝液、試料溶液、S9−mix、サルモネラ菌(Salmonella typhimurium TA98またはTA100)一晩培養液を混和し、37℃で2日間培養後、出現したコロニー数をカウントした。各ポリフェノールは1〜300(μg/plate )の間で等比級数的濃度勾配をとり、変異原性抑制活性率は、以下の式で算出した。
【0068】
変異原性抑制活性率={(C−B)−(S−B)}/(C−B)×100(%)
【0069】
この時、被検液のコロニー数をS、試料の代わりに水を加えたコントロールをC、試料と変異原の代わりに水を加えたブランクをBとした。
【0070】
−結果
各種ポリフェノールとリンゴタンニンに関して、Trp−P−2に対する変異原性抑制活性率を図13に、ベンゾ(a)ピレンに対する変異原性抑制活性率を図14に示した。縦軸は変異原性抑制活性率で、自然復帰(ブランク)と同等にまで抑制したものを100%とした。横軸は、プレート1枚当たりのサンプル量を示した。
【0071】
その結果、リンゴタンニンは各変異原に対し濃度依存的にその変異原性を抑制し、またエピガロカテキンガレートと同等かより低濃度領域で抑制効果を示した。本実験の条件ではTrp−P−2、1μgに対してリンゴタンニンは約17μg(エピガロカテキンガレートは約51μg)、ベンゾ(a)ピレン5μgに対しては約37μg(同約56μg)で、50%の変異原性抑制活性を示した。 すなわちこのポリフェノールには、変異原性物質(発ガン性物質)に作用させると、その変異原性を強く抑制する成分が多量に含まれていた。従って、本発明で得られる果実ポリフェノールは抗変異原性作用剤としても極めて有効である。
【0072】
(実施例7)
[果実未熟果ポリフェノールのヒアルロニダーゼ阻害作用ならびにヒスタミン遊離抑制作用]
本実施例に於いて、アレルギー抑制作用は、ヒアルロニダーゼ阻害活性度ならびに動物細胞を用いたヒスタミン遊離抑制作用を指標とすることで測定した。
−原料 リンゴ未熟果、ナシ未熟果、モモ未熟果、リンゴ成熟果
−試料調製
実施例2と同様に各果実抽出物を調製し、さらに「ポリフェノール画分」をセファデックス(Sephadex) LH-20で精製したものをリンゴタンニンとした。
【0073】
−ヒアルロニダーゼ阻害活性測定法
ヒアルロニダーゼ阻害活性測定法は基本的にJ.Biol.,vol.250,p79,1975年の改変法で行った。すなわち市販ヒアルロニダーゼ溶液に試料溶液を加え、プレインキュベーション後、ヒスタミン遊離剤のコンパウンド48/80溶液を加え、37℃でヒアルロニダーゼの活性化を行い、基質としてヒアルロン酸溶液を添加し反応させた。
反応で生じたN−アセチルグルコサミンをモルガン・エルソン法により発色させ、吸光度(586nm)で測定し、以下の式でヒアルロニダーゼ阻害活性率を算出した。
【0074】
ヒアルロニダーゼ阻害活性率={(C−CB)−(S−SB)}/(C−CB)×100(%)
【0075】
この時、被検液の吸光度をS、試料の代わりに緩衝液を加えたものをC、Sの酵素ブランクをSB、Cの酵素ブランクをCBとした。
【0076】
−ヒスタミン遊離抑制活性測定法
ヒスタミン遊離抑制活性測定法はJ.Food Hyg. Soc.Japan,vol.35,p497,1994年の方法で行った。即ち、ラット好塩基球白血病細胞RBL−2H3を10%FBS,α−MEM培地で培養(37℃、5%CO2)し、抗体DNP−lgEを90分間作用させ、HEPES bufferで洗浄した後、抗原DNP−BSAを35分間作用させる。リンゴの成分は抗体あるいは抗原作用時に添加する。反応停止のため氷冷HEPES bufferを加え、細胞外液をとり、過塩素酸を添加、冷却後遠心分離した後、0.45μ濾過したものをHPLCで分析し、細胞から遊離されたヒスタミン量を測定した。ヒスタミン遊離抑制活性は以下の式で算出した。
【0077】
ヒスタミン遊離抑制活性率={(C−B)−(S−B)}/(C−B)×100(%)
【0078】
この時、被検液のヒスタミン量をS、試料の代わりにHEPES bufferを加えたものをC、抗体あるいは抗原を加えないブランクをBとした。
【0079】
−結果
各果実エキスおよびクロモグリク酸ナトリウムとリンゴタンニンに関してヒアルロニダーゼ阻害活性率を図15および図16に示した。
その結果、各果実エキスおよびリンゴタンニンは濃度依存的にヒアルロニダーゼを阻害しその活性が認められた。対照とした合成抗アレルギー剤のクロモグリク酸ナトリウムと比較したところ、50%活性を阻害する濃度であるIC50値に関してはクロモグリク酸ナトリウムが約0.051mg/mlであるのに対し、リンゴタンニンは約0.086mg/mlと近い値であった。
【0080】
又、各果実エキスおよびリンゴタンニンに関する抗原DNP−BSA作用時、抗体DNP−lgE作用時のヒスタミン遊離抑制活性率を図17および図18に示した。これらの結果から明らかなように、ポリフェノール画分に含まれるリンゴタンニンは濃度依存的にヒスタミン遊離抑制活性が認められた。
以上のことから、このポリフェノールには、I型アレルギーに関する酵素であるヒアルロニダーゼの働きを阻害する作用を有する成分、ならびにヒスタミン遊離抑制作用を有する成分が多量に含まれていた。従って、本発明で得られる果実ポリフェノールはアレルギー抑制剤としても極めて有効である。
【0081】
(実施例8)
[果実未熟果ポリフェノールのグルコシルトランスフェラーゼ阻害作用]
本実施例においては、う蝕菌の代表種のひとつであるS.sobrinusが産生する、不溶性グルカン生成GTaseに対する果実ポリフェノールの阻害能について検討した。
−原料および試料調製
実施例6、7と同様
−使用菌体;Streptococcus sobrinus ATCC 33478
【0082】
−GTaseの調製;S.sobrinusのGTaseは以下の方法にて調製した。
S.sobrinusをTTY培地(Agric.Biol.Chem.,54(11),2925-2929,1990)で37℃、18時間培養後、遠心分離により菌体を除き上清を得た。この上清に50%飽和まで硫酸アンモニウムを添加した後、遠心分離により生じた沈澱を回収した。沈澱は0.05Mリン酸緩衝液(pH6.5)で再溶解した後、同緩衝液で透析した。透析液中のGTaseはヒドロキシルアパタイトクロマトグラフ法により精製、回収した。このとき約0.4Mのリン酸緩衝液濃度で不溶性グルカン生成GTaseは溶出した。溶出画分を回収し、以下の実験に供した。
【0083】
−GTase阻害活性測定法
1mlの基質溶液(2%ショ糖、0.1%アジ化ナトリウム、40μMデキストランT10含有0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5))に精製GTase溶液と試料溶液を添加し、水で全量2mlに希釈した後、37℃で18時間反応させた。反応により生じた不溶性グルカン量を550nmの吸光度で示される濁度として測定し、下記の式より生成率を算出した。
不溶性グルカン生成率=(SS−SB)/(CS−CB)×100(%)
SS:サンプル
SB:サンプルの酵素ブランク
CS:コントロール
CB:コントロールの酵素ブランク
【0084】
−結果
各果実抽出物のポリフェノール画分、ならびに各ポリフェノール成分のGTase阻害活性を図19、20に示した。縦軸は不溶性グルカンの生成率で、試料無添加のコントロールにおける生成量を100%として算出した。横軸は反応系への試料もしくはポリフェノールの添加量を容量もしくは濃度で示した。
図19に示したとおり、各種果実抽出物のポリフェノール画分のうち、特に「ふじ」未熟果と「新高」未熟果のポリフェノール画分に顕著なGTase阻害活性が見られた。この時、「ふじ」成熟果のGTaseに対する50%阻害量が約50μlであるのに対して「ふじ」未熟果のそれは約0.7μlであることから、リンゴの未熟果は成熟果よりも約70倍強力なGTase阻害活性を有していることが判明した。
【0085】
次にリンゴに含まれる成分を中心に各種ポリフェノール成分のGTase阻害活性について検討した。図20に示したとおり、リンゴ中の成分のうち、クロロゲン酸とフロリジンのGTase阻害活性はごく弱いものであった。一方、各種カテキン類のうち、エピカテキンモノマーの阻害活性は微弱であったのに対し、図12の推定化学構造式で示される高分子エピカテキン重合体(図20ではリンゴタンニンと表記)は強力なGTase阻害活性を有していることが判明した。図20では対照として、既にGTase阻害物質であることが知られている緑茶の代表的カテキン類であるエピカテキンガレート(Agric.Biol.Chem.,5(11),2925-2929,1990,Chem.Pharm.Bull.,38(39,717-720,1990)の結果も同時に示したが、エピカテキンガレートのGTaseに対する50%阻害濃度が約200ppmであるのに対して、リンゴタンニンのそれは約2ppmと約100倍程度強力であると算出された。これらの結果よりまた、図19で見られた「ふじ」未熟果の強力なGTase阻害活性は本物質の存在によるものと推定された。
以上の結果より、本発明で得られる果実ポリフェノールは強力なGTase阻害活性成分を有することから、抗う蝕剤としても極めて有効であると考えられる。
【0086】
(実施例9)
[果実未熟果ポリフェノールの消臭効果]
本実施例における消臭効果試験は、宇井らの方法(日食工誌、38,1098-1102,1991)の改変法で行った。
−試料
実施例2に記載のリンゴ未熟果実果汁より精製したポリフェノール画分の噴霧乾燥品(リンゴポリフェノール粉末製剤)を使用した。さらに比較対照として、既知消臭物質である市販緑茶ポリフェノール製剤と銅クロロフィリンナトリウムを使用した。
【0087】
−消臭効果試験法
予め氷冷下で1ppmメチルメルカプタン溶液および1ppm硫化ジメチル溶液を調製した。内容量30mlのバイアル瓶中に各濃度の試料を含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)1mlを入れ(比較対照は試料無添加)、これに1ppmメチルメルカプタン溶液1ml、または1ppm硫化ジメチル溶液1mlを加え、直ちに栓をして撹拌した。これを37℃で5分間インキュベートした後、ヘッドスペースガス5mlをGCに注入し、メチルメルカプタンもしくは硫化ジメチルのピーク高を測定した。
【0088】
−測定結果
各試料について悪臭成分に対する消臭効果の有無を調べた。
試料を0.05−0.5%もしくは0.05−5%の範囲で反応系に添加したときのヘッドスペースガス中のメチルメルカプタンもしくは硫化ジメチル濃度と試料添加濃度との関係を図21、図22に示した。
この結果から明らかなように、リンゴポリフェノール粉末製剤は濃度依存的にメチルメルカプタン、硫化ジメチルに対する消臭効果を有することが認められた。
【0089】
(実施例10)
[果実未熟果ポリフェノールの悪臭物質産生抑制効果]
本実施例における悪臭物質産生抑制効果試験は、宇井らの方法(日食工誌、38,1098-1102,1991)の改変法で行った。
−試料
実施例9と同様にリンゴポリフェノール粉末製剤、市販緑茶ポリフェノール製剤および銅クロロフィリンナトリウムを使用した。
【0090】
−悪臭物質産生抑制効果試験法
予め唾液採集2時間前からの飲食を禁じた者から自然流出唾液を採取した。内容量30mlのバイアル瓶中に各濃度の試料および40mMのL−メチオニンを含む0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)1mlを入れ(比較対照は試料無添加)、これに予め採取した唾液1mlを加え、直ちに栓をして撹拌した。これを37℃で24時間インキュベートした後、ヘッドスペースガス5mlをGCに注入し、反応により産生したメチルメルカプタン、硫化ジメチルおよび二硫化ジメチルのピーク高を測定した。
【0091】
−測定結果
各試料について悪臭物質産生抑制効果の有無を調べた。
試料を0.0015−0.5%の範囲で反応系に添加したときのヘッドスペースガス中のメチルメルカプタン、硫化ジメチルおよび二硫化ジメチル濃度と試料添加濃度との関係を図23〜図25に示した。
この結果から明らかなように、リンゴポリフェノール粉末製剤は濃度依存的にメチルメルカプタン、硫化ジメチル、二硫化ジメチルに対する産生抑制効果を有することが認められた。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、摘果作業が行われる時期に採取されるリンゴの未熟果実を原料とし、かつ特定の処理を施しているため、各種の生理作用、特に抗酸化性およびACE阻害活性を備えた果実ポリフェノールを提供することができる
【0093】
さらに、本発明によれば、アンジオテンシンI変換酵素阻害作用を有するポリフェノール画分を有効成分とする血圧降下剤を提供することができる。
また、本発明によれば、変異原性抑制作用を有するポリフェノール画分を有効成分とする抗変異原性作用剤を提供することができる。
さらにまた、本発明によれば、ヒアルロニダーゼ阻害作用ならびにヒスタミン遊離抑制作用を有するポリフェノール画分を有効成分とするアレルギー抑制剤を提供することができる。
【0094】
さらに、本発明によれば、グルコシルトランスフェラーゼ阻害活性を有するポリフェノール画分を有効成分とする抗う蝕剤を提供することができる。
さらにまた、本発明によれば、悪臭物質に対する消臭および悪臭物質産生抑制作用を有するポリフェノール画分を有効成分とする消臭剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リンゴ未熟果ポリフェノールの波長可変クロマトグラムと各ピークの紫外部吸収スペクトルの比較を示すグラフ。
【図2】リンゴ「ふじ」抽出液を反応系に添加したときの、1週間後における生成過酸化脂質量 (吸光度500nm 値)と添加濃度の関係を示すグラフ。
【図3】リンゴ「ふじ」各画分を反応系に添加したときの、1週間後における生成過酸化脂質量 (吸光度500nm 値)と添加濃度の関係を示すグラフ。
【図4】ポリフェノール化合物を反応系に添加したときの、1週間後における生成過酸化脂質量 (吸光度500nm 値)の比較を示すグラフ。
【図5】各リンゴポリフェノール画分を反応系に添加したときの、1週間後における生成過酸化脂質量 (吸光度500nm 値)と添加濃度の関係を示すグラフ。
【図6】各未熟果ポリフェノール画分を反応系に添加したときの、1週間後における生成過酸化脂質量 (吸光度500nm 値)と添加濃度の関係を示すグラフ。
【図7】各画分のACE 阻害活性を示すグラフ。
【図8】画分Bの添加量を変化させた場合の ACE阻害活性を示すグラフ。
【図9】反応系へ添加する各物質の添加濃度を変化させた場合のACE 阻害活性を示すグラフ。
【図10】単離した画分について分光光度計により測定した吸収スペクトルを示すグラフ。
【図11】 GPC による分子量測定結果を示すグラフ。
【図12】推定されるACE 阻害活性物質の構造式。
【図13】Trp−P−2に対するポリフェノールの変異原性抑制活性を示すグラフ。
【図14】ベンゾ(a)ピレンに対するポリフェノールの変異原性抑制活性を示すグラフ。
【図15】各種果実抽出物のヒアルロニダーゼ阻害活性を示すグラフ。
【図16】抗アレルギー剤とリンゴタンニンのヒアルロニダーゼ阻害活性を示すグラフ。
【図17】各果実エキスおよびリンゴタンニンに関する抗原DNP−BSA作用時、抗体DNP−lgE作用時のヒスタミン遊離抑制活性率を示すグラフ。
【図18】リンゴタンニンに関する抗原DNP−BSA作用時、抗体DNP−lgE作用時のヒスタミン遊離抑制活性率を示すグラフ。
【図19】各果実ポリフェノール画分を反応系に添加したときの、不溶性グルカン生成量と添加量の関係を示すグラフ。
【図20】各ポリフェノール化合物を反応系に添加したときの、不溶性グルカン生成量と添加濃度の関係を示すグラフ。
【図21】リンゴポリフェノール、緑茶ポリフェノール、銅クロロフィリンナトリウムを反応系に添加したときの、メチルメルカプタン残存量を示すグラフ。
【図22】リンゴポリフェノール、緑茶ポリフェノール、銅クロロフィリンナトリウムを反応系に添加したときの、硫化ジメチル残存量を示すグラフ。
【図23】リンゴポリフェノール、緑茶ポリフェノール、銅クロロフィリンナトリウムを反応系に添加したときの、メチルメルカプタン発生量を示すグラフ。
【図24】リンゴポリフェノール、緑茶ポリフェノール、銅クロロフィリンナトリウムを反応系に添加したときの、硫化ジメチル発生量を示すグラフ。
【図25】リンゴポリフェノール、緑茶ポリフェノール、銅クロロフィリンナトリウムを反応系に添加したときの、二硫化ジメチル発生量を示すグラフ。

Claims (3)

  1. 摘果作業が行われる時期に採取されるリンゴの未熟果実より搾汁および/または抽出された画分の精製物から成り、その成分組成が、単純ポリフェノール化合物としてカフェー酸誘導体、p−クマル酸誘導体、フラバン−3−オール類、フラボノール類、ジヒドロカルコン類、及び高分子ポリフェノール化合物としてカテキン類の規則的な重合体である縮合型タンニン類を含む、アンジオテンシンI変換酵素阻害作用を有するポリフェノール画分を有効成分とする血圧降下剤。
  2. 摘果作業が行われる時期に採取されるリンゴの未熟果実より搾汁および/または抽出された画分の精製物から成り、その成分組成が、単純ポリフェノール化合物としてカフェー酸誘導体、p−クマル酸誘導体、フラバン−3−オール類、フラボノール類、ジヒドロカルコン類、及び高分子ポリフェノール化合物としてカテキン類の規則的な重合体である縮合型タンニン類を含む、ヒアルロニダーゼ阻害作用ならびにヒスタミン遊離抑制作用を有するポリフェノール画分を有効成分とするアレルギー抑制剤。
  3. 摘果作業が行われる時期に採取されるリンゴの未熟果実より搾汁および/または抽出された画分の精製物から成り、その成分組成が、単純ポリフェノール化合物としてカフェー酸誘導体、p−クマル酸誘導体、フラバン−3−オール類、フラボノール類、ジヒドロカルコン類、及び高分子ポリフェノール化合物としてカテキン類の規則的な重合体である縮合型タンニン類を含む、グルコシルトランスフェラーゼ阻害活性を有するポリフェノール画分を有効成分とする抗う蝕剤。
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