JPH10140021A - 変形応力記憶性樹脂材料及びその使用方法 - Google Patents
変形応力記憶性樹脂材料及びその使用方法Info
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- JPH10140021A JPH10140021A JP31307696A JP31307696A JPH10140021A JP H10140021 A JPH10140021 A JP H10140021A JP 31307696 A JP31307696 A JP 31307696A JP 31307696 A JP31307696 A JP 31307696A JP H10140021 A JPH10140021 A JP H10140021A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ガラス転移温度以上の温度で変形応力の負荷
により弾性伸長変形し、冷却により変形状態を保持し、
加熱により弾性収縮して原形状に復帰する、変形応力記
憶性樹脂材料及び前記機能を有効に発現させる方法の提
供。 【解決手段】 熱可塑性エラストマーと、ガラス転移温
度が所定範囲にある熱可塑性重合体を所定量溶融ブレン
ドしてなり、ガラス転移温度を境に弾性伸長と弾性収縮
を伴う変態を可逆的に生起させる変形応力記憶性材料及
び前記機能を材料として効果的に発現させる使用方法。
により弾性伸長変形し、冷却により変形状態を保持し、
加熱により弾性収縮して原形状に復帰する、変形応力記
憶性樹脂材料及び前記機能を有効に発現させる方法の提
供。 【解決手段】 熱可塑性エラストマーと、ガラス転移温
度が所定範囲にある熱可塑性重合体を所定量溶融ブレン
ドしてなり、ガラス転移温度を境に弾性伸長と弾性収縮
を伴う変態を可逆的に生起させる変形応力記憶性材料及
び前記機能を材料として効果的に発現させる使用方法。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は変形応力記憶性樹脂
材料及びその使用方法に関する。さらに詳細には、ガラ
ス転移温度近傍における変形応力の付加により弾性変形
し、冷却により変形状態を保持し、加熱により弾性的応
力を発現して、原形状に復元する機能を備えた変形応力
記憶性樹脂材料及びその使用方法に関する。
材料及びその使用方法に関する。さらに詳細には、ガラ
ス転移温度近傍における変形応力の付加により弾性変形
し、冷却により変形状態を保持し、加熱により弾性的応
力を発現して、原形状に復元する機能を備えた変形応力
記憶性樹脂材料及びその使用方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、ポリノルボルネン系ポリマー、ス
チレンブタジエン共重合体等の単体からなる形状記憶性
樹脂、ポリオレフィン系樹脂にトランス型ポリイソプレ
ン樹脂をブレンドした複数の樹脂により構成される形状
記憶性樹脂、ウレタンエラストマー等のガラス転移点付
近で変形させ、冷却により形状固定し、加熱により形状
を復元させるもの等、形状記憶性樹脂に関して多数の提
案が開示されている。
チレンブタジエン共重合体等の単体からなる形状記憶性
樹脂、ポリオレフィン系樹脂にトランス型ポリイソプレ
ン樹脂をブレンドした複数の樹脂により構成される形状
記憶性樹脂、ウレタンエラストマー等のガラス転移点付
近で変形させ、冷却により形状固定し、加熱により形状
を復元させるもの等、形状記憶性樹脂に関して多数の提
案が開示されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記ポリノ
ルボルネン系ポリマーは、分子量が数百万程度の高分子
であり、射出成形等の成形性に難があり、用途が限定さ
れている上、形状記憶温度が特定されており、目的に応
じた多様な温度に設定することができない。スチレンブ
タジエン共重合体の系は、形状記憶温度が比較的高い温
度（概ね６０〜９０℃）であること及び熱的特性が劣る
等の理由で用途が限定されている。又、前記ポリオレフ
ィン系樹脂とトランス型ポリイソプレン樹脂の併用系
は、前記ポリイソプレン樹脂の融点以上の温度で変形さ
せて形状記憶性を発現させようとするものであり、高温
領域での変態を余儀なくされる。一方、ウレタンエラス
トマー単体の系は、ガラス転移温度を境に形状の変形、
固定が可能であるとしても、所期の形状記憶性を満たす
ガラス転移温度をもつ材料は限られている上、繊維状、
フィラメント状の成形性にも難があり、用途の限定を余
儀なくされる。
ルボルネン系ポリマーは、分子量が数百万程度の高分子
であり、射出成形等の成形性に難があり、用途が限定さ
れている上、形状記憶温度が特定されており、目的に応
じた多様な温度に設定することができない。スチレンブ
タジエン共重合体の系は、形状記憶温度が比較的高い温
度（概ね６０〜９０℃）であること及び熱的特性が劣る
等の理由で用途が限定されている。又、前記ポリオレフ
ィン系樹脂とトランス型ポリイソプレン樹脂の併用系
は、前記ポリイソプレン樹脂の融点以上の温度で変形さ
せて形状記憶性を発現させようとするものであり、高温
領域での変態を余儀なくされる。一方、ウレタンエラス
トマー単体の系は、ガラス転移温度を境に形状の変形、
固定が可能であるとしても、所期の形状記憶性を満たす
ガラス転移温度をもつ材料は限られている上、繊維状、
フィラメント状の成形性にも難があり、用途の限定を余
儀なくされる。
【０００４】本発明は、前記した従来の形状記憶性樹脂
の不具合を解消し、射出成形や押出成形等の成形性を満
たし、多様な形態の成形体を供給でき、常温乃至それよ
り僅かな高温域で弾性変形を伴う変態を可能となし、前
記形態は冷却により保持され、前記形態は熱の付加によ
り弾性的応力を発現して原形状に復元する可逆的機能を
備えた変形応力記憶性樹脂材料及びその使用方法を開示
しようとするものである。
の不具合を解消し、射出成形や押出成形等の成形性を満
たし、多様な形態の成形体を供給でき、常温乃至それよ
り僅かな高温域で弾性変形を伴う変態を可能となし、前
記形態は冷却により保持され、前記形態は熱の付加によ
り弾性的応力を発現して原形状に復元する可逆的機能を
備えた変形応力記憶性樹脂材料及びその使用方法を開示
しようとするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は熱可塑性エラス
トマー（Ａ）と、ガラス転移温度がー２０℃以上７０℃
以下の範囲から選ばれる熱可塑性重合体（Ｂ）が、
（Ａ）／（Ｂ）＝０．５／１〜１０／１（重量比）の割
合で溶融ブレンドされてなり、前記熱可塑性重合体のガ
ラス転移温度近傍の温度以上、融点未満の温度域で変形
応力を加えることにより、前記応力に順応して弾性変形
し、前記ガラス転移温度未満の温度域で前記変形された
形状に固定され、ガラス転移温度以上の温度域で前記固
定された形状は弾性応力を発現して、原形状に復元する
機能を備えた変形応力記憶性樹脂材料を要件とする。更
には、ガラス転移温度未満の温度で呈する形態は、ガラ
ス転移温度近傍の温度以上の温度域で外力を加えること
により、外力に順応して弾性伸長して変形し、前記変形
による形態はガラス転移温度未満の温度域で、前記弾性
伸長応力の反力である弾性収縮応力を記憶保持して固定
されており、前記固定状態は、ガラス転移温度以上の温
度域で弾性収縮応力を発現して開放され、原形状に復元
する機能を備えた変形応力記憶性樹脂材料を要件とす
る。更には、前記変形応力記憶性樹脂材料からなる成形
体を、ガラス転移温度近傍の温度以上における外力の負
荷による弾性伸長と、前記伸長状態をガラス転移温度以
下の温度による冷却により固定する固定化と、前記固定
化により記憶保持された弾性伸長の反力である弾性収縮
力を、ガラス転移温度以上の温度での加熱により発現さ
せるよう使用することを特徴とする変形応力記憶性樹脂
材料の使用方法を要件とする。
トマー（Ａ）と、ガラス転移温度がー２０℃以上７０℃
以下の範囲から選ばれる熱可塑性重合体（Ｂ）が、
（Ａ）／（Ｂ）＝０．５／１〜１０／１（重量比）の割
合で溶融ブレンドされてなり、前記熱可塑性重合体のガ
ラス転移温度近傍の温度以上、融点未満の温度域で変形
応力を加えることにより、前記応力に順応して弾性変形
し、前記ガラス転移温度未満の温度域で前記変形された
形状に固定され、ガラス転移温度以上の温度域で前記固
定された形状は弾性応力を発現して、原形状に復元する
機能を備えた変形応力記憶性樹脂材料を要件とする。更
には、ガラス転移温度未満の温度で呈する形態は、ガラ
ス転移温度近傍の温度以上の温度域で外力を加えること
により、外力に順応して弾性伸長して変形し、前記変形
による形態はガラス転移温度未満の温度域で、前記弾性
伸長応力の反力である弾性収縮応力を記憶保持して固定
されており、前記固定状態は、ガラス転移温度以上の温
度域で弾性収縮応力を発現して開放され、原形状に復元
する機能を備えた変形応力記憶性樹脂材料を要件とす
る。更には、前記変形応力記憶性樹脂材料からなる成形
体を、ガラス転移温度近傍の温度以上における外力の負
荷による弾性伸長と、前記伸長状態をガラス転移温度以
下の温度による冷却により固定する固定化と、前記固定
化により記憶保持された弾性伸長の反力である弾性収縮
力を、ガラス転移温度以上の温度での加熱により発現さ
せるよう使用することを特徴とする変形応力記憶性樹脂
材料の使用方法を要件とする。
【０００６】前記において、保冷、冷凍分野用の材料と
して、変態による温度検知手段に適用する系にあって
は、熱可塑性重合体（Ｂ）はマイナスの温度域にガラス
転移温度を有するものが目的に応じて選択される。
して、変態による温度検知手段に適用する系にあって
は、熱可塑性重合体（Ｂ）はマイナスの温度域にガラス
転移温度を有するものが目的に応じて選択される。
【０００７】通常、０℃以上７０℃以下のガラス転移温
度を有するものが適用され、玩具分野や日用品分野に対
しては、好適には、３０℃以上５０℃以下のものが適用
される。
度を有するものが適用され、玩具分野や日用品分野に対
しては、好適には、３０℃以上５０℃以下のものが適用
される。
【０００８】熱可塑性エラストマー（Ａ）は、ポリアミ
ド系、ポリウレタン系、ポリエステル系、スチレンブタ
ジエン系のエラストマーから選ばれる。
ド系、ポリウレタン系、ポリエステル系、スチレンブタ
ジエン系のエラストマーから選ばれる。
【０００９】前記（Ａ）と（Ｂ）の組み合わせにおい
て、本発明の機能要件である引張弾性伸長性と弾性収縮
回復性を反復可逆的に発現させる、即ち、ゴム状弾性を
示して伸長、収縮を反復再現させるためには、前記
（Ａ）と（Ｂ）の溶融ブレンド状態が、相溶乃至反相溶
状態にある組み合わせの選択が好ましい。
て、本発明の機能要件である引張弾性伸長性と弾性収縮
回復性を反復可逆的に発現させる、即ち、ゴム状弾性を
示して伸長、収縮を反復再現させるためには、前記
（Ａ）と（Ｂ）の溶融ブレンド状態が、相溶乃至反相溶
状態にある組み合わせの選択が好ましい。
【００１０】中でも、熱可塑性エラストマー（Ａ）がポ
リウレタンエラストマーであり、熱可塑性重合体（Ｂ）
が飽和ポリエステル樹脂である組み合わせ、或いは、熱
可塑性エラストマー（Ａ）がポリアミド系エラストマー
であり、熱可塑性重合体（Ｂ）がアクリル系樹脂、即ち
アクリル酸エステル系樹脂の組み合わせが特に有効であ
る。
リウレタンエラストマーであり、熱可塑性重合体（Ｂ）
が飽和ポリエステル樹脂である組み合わせ、或いは、熱
可塑性エラストマー（Ａ）がポリアミド系エラストマー
であり、熱可塑性重合体（Ｂ）がアクリル系樹脂、即ち
アクリル酸エステル系樹脂の組み合わせが特に有効であ
る。
【００１１】前記組み合わせによる系では、弾性伸長度
が大、且つ弾性回復率が大であり、更には、ガラス転移
温度が目的に応じて多様に選択できる利点を有する。
が大、且つ弾性回復率が大であり、更には、ガラス転移
温度が目的に応じて多様に選択できる利点を有する。
【００１２】本発明における材料は、引張弾性伸長度が
１００％以上であり、前記伸長状態で固定された形状
は、前記引張弾性伸長度が１００％のとき、弾性収縮回
復率が８０％以上の弾性収縮応力を発現して原形状に復
元する機能を備えた変形応力記憶性材料として機能させ
ることができる。
１００％以上であり、前記伸長状態で固定された形状
は、前記引張弾性伸長度が１００％のとき、弾性収縮回
復率が８０％以上の弾性収縮応力を発現して原形状に復
元する機能を備えた変形応力記憶性材料として機能させ
ることができる。
【００１３】前記において、引張弾性伸長度とは、初期
の長さを基準とした伸びの変位率であり、下記の式
（１）により算出される。 引張弾性伸長度（％）＝〔伸びの変位量（ｍｍ）／初期長さ（ｍｍ）〕×１０ ０──式（１） 弾性収縮回復率とは、初期長さに回復する度合いを示す
ものであり、下記の式（２）により算出される。 弾性収縮回復率（％）＝〔収縮した変位量（ｍｍ）／伸びの変位量（ｍｍ）〕 ×１００─式（２） 前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー（Ａ）と熱可塑
性重合体（Ｂ）の組み合わせにおいて、好ましくは、
（Ａ）／（Ｂ）＝０．８／１〜５／１（重量比）、さら
に好ましくは、（Ａ）／（Ｂ）＝１．５／１〜２．５／
１（重量比）の割合である。（Ａ）が０．８未満の系で
は、弾性伸長度が不充分であり、一方、５以上の系で
は、形態固定性に欠け、所期の応力を記憶させる機能が
不充分となる傾向にあり、前記した範囲が特に効果的で
ある。
の長さを基準とした伸びの変位率であり、下記の式
（１）により算出される。 引張弾性伸長度（％）＝〔伸びの変位量（ｍｍ）／初期長さ（ｍｍ）〕×１０ ０──式（１） 弾性収縮回復率とは、初期長さに回復する度合いを示す
ものであり、下記の式（２）により算出される。 弾性収縮回復率（％）＝〔収縮した変位量（ｍｍ）／伸びの変位量（ｍｍ）〕 ×１００─式（２） 前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー（Ａ）と熱可塑
性重合体（Ｂ）の組み合わせにおいて、好ましくは、
（Ａ）／（Ｂ）＝０．８／１〜５／１（重量比）、さら
に好ましくは、（Ａ）／（Ｂ）＝１．５／１〜２．５／
１（重量比）の割合である。（Ａ）が０．８未満の系で
は、弾性伸長度が不充分であり、一方、５以上の系で
は、形態固定性に欠け、所期の応力を記憶させる機能が
不充分となる傾向にあり、前記した範囲が特に効果的で
ある。
【００１４】又、温度変化により色変化する熱変色性材
料により彩色して適用することができ、色変化と形態変
化の複合機能を満たす。前記した熱変色性材料は、電子
供与性呈色性有機化合物と電子受容性化合物と呈色反応
を可逆的に生起させる有機化合物媒体の三成分を含む熱
変色性材料をマイクロカプセルに内包させたものが有効
であり、本出願人の提案による特公昭５１−３５４１４
号公報、特公昭５１−４４７０６号公報、特公平１−１
７１５４号公報等に記載されている熱変色性材料、或い
は、特開平７−１８６５４６号公報に記載されている、
発色時には蛍光性を有する黄色、黄橙色、橙色、赤橙
色、赤色等の高発色濃度且つ明るさに富む色を呈し、消
色時には、色残りがなく無色を呈する、（イ）ピリジン
系、キナゾリン系、及びビスキナゾリン系から選ばれる
電子供与性呈色性有機化合物、（ロ）前記電子供与性呈
色性有機化合物に対して電子受容性である化合物、
（ハ）前記（イ）、（ロ）成分による電子授受反応を特
定温度域において可逆的に生起させる反応媒体である化
合物の３成分を必須成分とする相溶体からなる熱変色性
材料等、或いは、本出願人が提案した特公平４−１７１
５４号公報等に記載されている、大きなヒステリシス特
性を示して変色する感温変色性色彩記憶性熱変色性材
料、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットし
た曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から温度
を上昇させていく場合と逆に変色温度より高温側から下
降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色す
るタイプの変色材であり、低温側変色点と高温側変色点
の間の常温域において、前記低温側変色点以下又は高温
側変色点以上の温度で変化させた状態を記憶保持できる
特徴を有する熱変色性材料も有効である。
料により彩色して適用することができ、色変化と形態変
化の複合機能を満たす。前記した熱変色性材料は、電子
供与性呈色性有機化合物と電子受容性化合物と呈色反応
を可逆的に生起させる有機化合物媒体の三成分を含む熱
変色性材料をマイクロカプセルに内包させたものが有効
であり、本出願人の提案による特公昭５１−３５４１４
号公報、特公昭５１−４４７０６号公報、特公平１−１
７１５４号公報等に記載されている熱変色性材料、或い
は、特開平７−１８６５４６号公報に記載されている、
発色時には蛍光性を有する黄色、黄橙色、橙色、赤橙
色、赤色等の高発色濃度且つ明るさに富む色を呈し、消
色時には、色残りがなく無色を呈する、（イ）ピリジン
系、キナゾリン系、及びビスキナゾリン系から選ばれる
電子供与性呈色性有機化合物、（ロ）前記電子供与性呈
色性有機化合物に対して電子受容性である化合物、
（ハ）前記（イ）、（ロ）成分による電子授受反応を特
定温度域において可逆的に生起させる反応媒体である化
合物の３成分を必須成分とする相溶体からなる熱変色性
材料等、或いは、本出願人が提案した特公平４−１７１
５４号公報等に記載されている、大きなヒステリシス特
性を示して変色する感温変色性色彩記憶性熱変色性材
料、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットし
た曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から温度
を上昇させていく場合と逆に変色温度より高温側から下
降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色す
るタイプの変色材であり、低温側変色点と高温側変色点
の間の常温域において、前記低温側変色点以下又は高温
側変色点以上の温度で変化させた状態を記憶保持できる
特徴を有する熱変色性材料も有効である。
【００１５】又、本出願人が提案した特公平１−２９３
９８号公報に記載した如き、温度変化による色濃度−温
度曲線に関し、３℃以下のヒステリシス幅をもつ、高感
度の熱変色性材料が有効である。
９８号公報に記載した如き、温度変化による色濃度−温
度曲線に関し、３℃以下のヒステリシス幅をもつ、高感
度の熱変色性材料が有効である。
【００１６】前記した熱変色性材料は、そのままの適用
でも有効であるが、マイクロカプセルに内包して使用す
るのが最も好ましい。それは、種々の使用条件において
熱変色性材料は同一の組成に保たれ、同一の作用効果を
奏することができるからである。前記マイクロカプセル
に内包させることにより、化学的、物理的に安定な顔料
を構成でき、粒子径１〜３０μｍ、５〜１５μｍの範囲
のものを適用できる。
でも有効であるが、マイクロカプセルに内包して使用す
るのが最も好ましい。それは、種々の使用条件において
熱変色性材料は同一の組成に保たれ、同一の作用効果を
奏することができるからである。前記マイクロカプセル
に内包させることにより、化学的、物理的に安定な顔料
を構成でき、粒子径１〜３０μｍ、５〜１５μｍの範囲
のものを適用できる。
【００１７】前記マイクロカプセル顔料は、全樹脂原料
に対して０．５〜１０重量％をブレンドして適用するこ
とができる。又、前記マイクロカプセル顔料は、固着剤
を含む媒体中に分散されて、インキ、塗料などの色材と
して適用され、コーティング或いは吹き付け加工等によ
り基体上に可逆熱変色層を形成できる。
に対して０．５〜１０重量％をブレンドして適用するこ
とができる。又、前記マイクロカプセル顔料は、固着剤
を含む媒体中に分散されて、インキ、塗料などの色材と
して適用され、コーティング或いは吹き付け加工等によ
り基体上に可逆熱変色層を形成できる。
【００１８】
【発明の実施の形態】本発明変形応力記憶性樹脂材料を
実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこ
の実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこ
の実施例によって何ら限定されるものではない。
【００１９】実施例１ 熱可塑性ポリウレタンエラストマー（Ａ）（バイエル
（株）製、商品名：デスモパン３８５Ｅ）と飽和ポリエ
ステル樹脂（Ｂ）〔日本合成化学（株）製、商品名：ポ
リエスターＴＰ２４９（ガラス転移点：３６℃）〕を
（Ａ）／（Ｂ）＝２／１（重量比）に溶融ブレンドし、
押出機のノズル孔より２ｍｍ径のフィラメントを連続押
出成形した。
（株）製、商品名：デスモパン３８５Ｅ）と飽和ポリエ
ステル樹脂（Ｂ）〔日本合成化学（株）製、商品名：ポ
リエスターＴＰ２４９（ガラス転移点：３６℃）〕を
（Ａ）／（Ｂ）＝２／１（重量比）に溶融ブレンドし、
押出機のノズル孔より２ｍｍ径のフィラメントを連続押
出成形した。
【００２０】前記フィラメントを１００ｍｍ長に裁断し
た試料について、５０℃に加温下で引っ張り応力を付与
して、２５０ｍｍ長に伸長させ２０℃以下で冷却固定し
た後、再度５０℃に加温したところ、収縮して１００ｍ
ｍ長に復元した。前記した伸長、収縮は、いずれもゴム
状弾性を伴うものであった。
た試料について、５０℃に加温下で引っ張り応力を付与
して、２５０ｍｍ長に伸長させ２０℃以下で冷却固定し
た後、再度５０℃に加温したところ、収縮して１００ｍ
ｍ長に復元した。前記した伸長、収縮は、いずれもゴム
状弾性を伴うものであった。
【００２１】実施例２ 熱可塑性ポリアミドエラストマー（Ａ）（東レ（株）
製、商品名：ペバックス３５３３）と熱可塑性アクリル
樹脂（Ｂ）〔三菱レイヨン（株）製、商品名：ダイヤナ
ールＢＲ−１１７（ガラス転移点：３５℃）〕を（Ａ）
／（Ｂ）＝２／１（重量比）に溶融ブレンドし、押出機
のノズル孔より２ｍｍ径のフィラメントを連続押出し成
形した。
製、商品名：ペバックス３５３３）と熱可塑性アクリル
樹脂（Ｂ）〔三菱レイヨン（株）製、商品名：ダイヤナ
ールＢＲ−１１７（ガラス転移点：３５℃）〕を（Ａ）
／（Ｂ）＝２／１（重量比）に溶融ブレンドし、押出機
のノズル孔より２ｍｍ径のフィラメントを連続押出し成
形した。
【００２２】前記フィラメントを１００ｍｍ長に裁断し
た試料について、５０℃に加温下で引っ張り応力を付与
して、１５０ｍｍ長に伸長させ２０℃以下で冷却固定し
た後、再度５０℃に加温したところ、収縮して１００ｍ
ｍ長に復元した。前記した伸長、収縮は、いずれもゴム
状弾性を伴うものであった。
た試料について、５０℃に加温下で引っ張り応力を付与
して、１５０ｍｍ長に伸長させ２０℃以下で冷却固定し
た後、再度５０℃に加温したところ、収縮して１００ｍ
ｍ長に復元した。前記した伸長、収縮は、いずれもゴム
状弾性を伴うものであった。
【００２３】実施例３ 前記実施例１の熱可塑性ポリウレタンエラストマー
（Ａ）と飽和ポリエステル樹脂（Ｂ）の溶融ブレンドし
た材料により、お風呂用プラスチック人形玩具の肘部関
節、脚部関節や股関節の機能を果たすジョイント部材に
適用し、水及び温水（４０℃）の適用により前記各箇所
を変曲、屈伸させる遊びが可能な機能を備えた人形玩具
を構成できた。
（Ａ）と飽和ポリエステル樹脂（Ｂ）の溶融ブレンドし
た材料により、お風呂用プラスチック人形玩具の肘部関
節、脚部関節や股関節の機能を果たすジョイント部材に
適用し、水及び温水（４０℃）の適用により前記各箇所
を変曲、屈伸させる遊びが可能な機能を備えた人形玩具
を構成できた。
【００２４】
【発明の効果】本発明は、二成分を必須成分とする形状
記憶性樹脂材料であり、一方の熱可塑性重合体のガラス
転移温度により、多様な温度で変態自在な成形体を提供
できる。更には、材料自体が汎用材料の組み合わせによ
るものであるから、比較的低コストであり、更には射出
成形や押出成形等による成形性も良好であり、目的に応
じた多様な造形体を構成できる。
記憶性樹脂材料であり、一方の熱可塑性重合体のガラス
転移温度により、多様な温度で変態自在な成形体を提供
できる。更には、材料自体が汎用材料の組み合わせによ
るものであるから、比較的低コストであり、更には射出
成形や押出成形等による成形性も良好であり、目的に応
じた多様な造形体を構成できる。
【００２５】ガラス転移温度未満の温度で呈する形態
は、ガラス転移温度近傍の温度以上の温度域で外力を加
えることにより、外力に順応して弾性伸長して変形し、
前記変形による形態はガラス転移温度未満の温度域で、
前記弾性伸長応力の反力である弾性収縮応力を記憶保持
して固定されており、前記固定状態は、ガラス転移温度
以上の温度域で弾性収縮応力を発現して開放され、原形
状に復元する機能を備えており、単体の造形体として機
能させることができることは勿論、前記機能を効果的に
発現させる構成部材として応用される。
は、ガラス転移温度近傍の温度以上の温度域で外力を加
えることにより、外力に順応して弾性伸長して変形し、
前記変形による形態はガラス転移温度未満の温度域で、
前記弾性伸長応力の反力である弾性収縮応力を記憶保持
して固定されており、前記固定状態は、ガラス転移温度
以上の温度域で弾性収縮応力を発現して開放され、原形
状に復元する機能を備えており、単体の造形体として機
能させることができることは勿論、前記機能を効果的に
発現させる構成部材として応用される。
【００２６】殊に、ガラス転移温度が３０℃以上６０℃
以下の系にあっては、玩具要素として好適であり、温
水、ヘヤードライヤー、冷水等による日常的温度手段に
より形態の変形や、原形状への復帰時に発現される弾性
収縮応力を利用でき、玩具要素として多様に応用展開で
きる。又、ガラス転移温度がマイナス領域にあるもの
は、保冷、冷凍分野における温度履歴の検知手段、昇温
回避手段等への適用性を有している。
以下の系にあっては、玩具要素として好適であり、温
水、ヘヤードライヤー、冷水等による日常的温度手段に
より形態の変形や、原形状への復帰時に発現される弾性
収縮応力を利用でき、玩具要素として多様に応用展開で
きる。又、ガラス転移温度がマイナス領域にあるもの
は、保冷、冷凍分野における温度履歴の検知手段、昇温
回避手段等への適用性を有している。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ Ｃ０８Ｌ 67/00 Ｃ０８Ｌ 67/00 75/00 75/00 77/00 77/00
Claims (10)
- 【請求項１】 熱可塑性エラストマー（Ａ）と、ガラス
転移温度がー２０℃以上７０℃以下の範囲から選ばれる
熱可塑性重合体（Ｂ）が、（Ａ）／（Ｂ）＝０．５／１
〜１０／１（重量比）の割合で溶融ブレンドされてな
り、前記熱可塑性重合体（Ｂ）のガラス転移温度近傍の
温度以上、融点未満の温度域で変形応力を加えることに
より、前記応力に順応して弾性変形し、前記ガラス転移
温度未満の温度域で前記変形された形状に固定され、ガ
ラス転移温度以上の温度域で前記固定された形状は弾性
応力を発現して、原形状に復元する機能を備えた変形応
力記憶性樹脂材料。 - 【請求項２】 ガラス転移温度未満の温度で呈する形態
は、ガラス転移温度近傍の温度以上の温度域で外力を加
えることにより、外力に順応して弾性伸長して変形し、
前記変形による形態はガラス転移温度未満の温度域で、
前記弾性伸長応力の反力である弾性収縮応力を記憶保持
して固定され、前記固定状態は、ガラス転移温度以上の
温度域で弾性収縮応力を発現して開放され、原形状に復
元する機能を備えた請求項１の変形応力記憶性樹脂材
料。 - 【請求項３】 熱可塑性重合体（Ｂ）は、ガラス転移温
度が３０℃以上６０℃以下の範囲から選ばれる請求項１
又は２の変形応力記憶性樹脂材料。 - 【請求項４】 熱可塑性エラストマー（Ａ）は、ポリア
ミド系、ポリウレタン系、ポリエステル系、スチレンブ
タジエン系のエラストマーから選ばれる請求項１乃至３
のいずれかの変形応力記憶性樹脂材料。 - 【請求項５】 熱可塑性エラストマー（Ａ）がポリウレ
タンエラストマーであり、熱可塑性重合体（Ｂ）が飽和
ポリエステル樹脂である請求項１乃至３のいずれかの変
形応力記憶性樹脂材料。 - 【請求項６】 熱可塑性エラストマー（Ａ）がポリアミ
ド系エラストマーであり、熱可塑性重合体（Ｂ）がアク
リル系樹脂である請求項１乃至３のいずれかの変形応力
記憶性樹脂材料。 - 【請求項７】 温度変化により色変化する熱変色性材料
により彩色されてなる請求項１乃至６のいずれかの変形
応力記憶性樹脂材料。 - 【請求項８】 引張弾性伸長度が１００％以上であり、
前記伸長状態で固定された形状は、前記引張弾性伸長度
が１００％のとき、弾性収縮回復率が８０％以上の弾性
収縮応力を発現して原形状に復元する機能を備えた請求
項１乃至７のいずれかの変形応力記憶性樹脂材料。 - 【請求項９】 前記請求項１乃至８のいずれかより選ば
れる変形応力記憶性樹脂材料からなる成形体を、ガラス
転移温度近傍の温度以上における外力の負荷による弾性
伸長と、前記伸長状態をガラス転移温度以下の温度によ
る冷却により固定する固定化と、前記固定化により記憶
保持された弾性伸長の反力である弾性収縮力を、ガラス
転移温度以上の温度での加熱により発現させるよう使用
することを特徴とする変形応力記憶性樹脂材料の使用方
法。 - 【請求項１０】 前記成形体は、玩具要素である請求項
９の変形応力記憶性樹脂材料の使用方法。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31307696A JPH10140021A (ja) | 1996-11-07 | 1996-11-07 | 変形応力記憶性樹脂材料及びその使用方法 |
| US08/839,707 US5895718A (en) | 1996-04-19 | 1997-04-15 | Thermoplastic resin compositions and temperature-dependent shape-transformable/fixable products making use of the same |
| CA002202693A CA2202693A1 (en) | 1996-04-19 | 1997-04-15 | Thermoplastic resin compositions and temperature-dependent shape-transformable/fixable products making use of the same |
| DE69731024T DE69731024T2 (de) | 1996-04-19 | 1997-04-17 | Thermoplastische Harzzusammensetzungen und daraus hergestellte Produkte |
| EP97302625A EP0802237B1 (en) | 1996-04-19 | 1997-04-17 | Thermoplastic resin compositions and products making use of the same |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31307696A JPH10140021A (ja) | 1996-11-07 | 1996-11-07 | 変形応力記憶性樹脂材料及びその使用方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10140021A true JPH10140021A (ja) | 1998-05-26 |
Family
ID=18036911
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31307696A Pending JPH10140021A (ja) | 1996-04-19 | 1996-11-07 | 変形応力記憶性樹脂材料及びその使用方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10140021A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2018122466A (ja) * | 2017-01-31 | 2018-08-09 | キョーラク株式会社 | 線条樹脂成形体 |
| JP2020196774A (ja) * | 2019-05-31 | 2020-12-10 | パイロットインキ株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた成形体又は積層体 |
-
1996
- 1996-11-07 JP JP31307696A patent/JPH10140021A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2018122466A (ja) * | 2017-01-31 | 2018-08-09 | キョーラク株式会社 | 線条樹脂成形体 |
| WO2018143175A1 (ja) * | 2017-01-31 | 2018-08-09 | キョーラク株式会社 | 線条樹脂成形体 |
| US11332627B2 (en) | 2017-01-31 | 2022-05-17 | Kyoraku Co., Ltd. | Filament resin molded article |
| JP2020196774A (ja) * | 2019-05-31 | 2020-12-10 | パイロットインキ株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた成形体又は積層体 |
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