JPH10139U - バタフライ弁 - Google Patents

バタフライ弁

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JPH10139U
JPH10139U JP8898U JP8898U JPH10139U JP H10139 U JPH10139 U JP H10139U JP 8898 U JP8898 U JP 8898U JP 8898 U JP8898 U JP 8898U JP H10139 U JPH10139 U JP H10139U
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啓一 柳瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弁箱の冷却によって熱効率を低下させるよう
なことなく、高温に耐え得るようにする。 【解決手段】 外殻を構成する弁箱3と、弁箱内流路を
形成する耐熱性金属材料からなる内筒5とを同心状に配
置して2重構造を形成し、弁箱内周と内筒外周に突設し
たフランジ8,9を重合させ、ボルト結合して弁箱3と
内筒5を連結し、弁箱3と内筒5との中空部に断熱材層
4を配置する。断熱材が下流に流れるのを内筒5によっ
て防止できるとともに、弁箱3と内筒5との熱膨張差は
フランジ8,9の連結によって吸収できる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はバタフライ弁に関し、特に高温ガス流の制御などに用いられる高温用 のバタフライ弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、650〜750°C程度の高温ガス流の制御に用いられるバタフライ弁 は、図4に示すように、弁箱31内にその流路を開閉可能な円板状の弁体32を 配置し、弁体32を直径方向に貫通する弁棒33にて弁体32を開閉回転させる ようにした通常のバタフライ弁と同様の構成であり、それらの材料として所定の 温度と圧力に耐える耐熱材が用いられている。上記のような温度の場合には、比 較的市販性の高い高級材料を用いることによって対応することができた。
【0003】 又、弁棒33の軸芯位置に形成された冷却通路35には、対流伝熱,気化熱を 利用するなどして効率的に冷却するためにスチームなどの冷却媒体を流通させて 弁棒33の強度を保つとともに開閉機構に熱が伝わるのを防止している。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、さらに高温高圧のガス流に適用しようとすると、必要強度が材料の 実用的な設計強度の限界を越えてしまうことになるため、断熱あるいは冷却構造 を取り入れた構造とする必要がある。
【0005】 そこで、弁箱の強度を確保するため、弁箱の内面に断熱材を取付けることが考 えられるが、断熱材が内部流体の流れによって下流に飛ばされる恐れがあるとい う問題を生じ、また弁箱をスチーム冷却するようにすると熱効率が低下してしま うという問題が生起してくる。
【0006】 本考案は、上記従来の問題点に鑑み、熱効率を下げることなく高温に耐え得る バタフライ弁を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案は、外殻を構成する弁箱と、弁箱内流路を形成する耐熱性金属材料から なる内筒とを同心状に配置して2重構造を形成し、弁箱内周と内筒外周に突設し たフランジを重合させ、ボルト結合して弁箱と内筒を連結し、弁箱と内筒との中 空部に断熱材層を配置したことを特徴とする。
【0008】 また、フランジの重合面間にすべり材を介装したことを特徴とする。
【0009】
【作用】
本考案の構成によると、弁箱の内周に断熱材層を配置して弁箱を高温の内部流 体に対して断熱しているので、熱効率を低下することなく弁箱の強度を確保する ことができ、かつ断熱材層の内周に内筒を配置しているので内部流体の流れによ って断熱材が下流に流される恐れもなく、かつ弁箱と内筒をそれぞれから突設し たフランジを重合させて連結しているので、弁箱と内筒の熱膨張差を容易に吸収 することができる。しかも内筒は圧力を支持する強度部材ではないので内筒の材 料として市販性の高い耐熱材料を用いることができる。
【0010】 また、フランジの重合面間にすべり材を介装することにより一層円滑に熱膨張 差を吸収できる。
【0011】
【実施例】
以下、本考案の一実施例のバタフライ弁を図1〜図3に基づいて説明する。 1は高温用のバタフライ弁であり、両端外周に接続フランジ2を突設した弁箱 3の内周に所定厚さの断熱材層4が設けられ、その内周に弁箱3と同芯状に内筒 5が配設されている。内筒5内の軸芯方向中央位置には弁体6が配設されている 。この弁体6は、弁箱3及び内筒5の軸芯に対して垂直な軸芯回りに回転可能に 支持された弁棒7に固定されている。
【0012】 弁棒7の軸芯位置から弁箱3及び内筒5の軸芯方向に適当距離の位置において 、弁箱3の内周にフランジ8が突設され、内筒5の外周にこのフランジ8の外側 面に重合するフランジ9が突設されている。これらフランジ8、9は弁棒7の軸 芯から適当距離の位置に突設され、弁箱3及び内筒5の弁棒7貫通部と干渉する ことがないので環状に連続して形成されており、かつそれらの重合面間にすべり 材兼用のガスケット10が介装されている。これらフランジ8、9はボルトにて 互いに締結されており、これによって内筒5が弁箱3に支持されている。また、 これらフランジ8、9が弁棒7即ち弁体6の軸芯位置から軸芯方向に離れた位置 に形成されていることによって内筒5と弁箱3の熱膨張差によって弁体6と内筒 5の間で位置ずれを生じることがないようにその重合面は所定の傾斜角のテーパ 面に形成されている。その傾斜角は、弁箱3に対する内筒5の相対的な熱膨張に よるフランジ9の径方向の変位量と弁体6の軸芯位置とフランジ9との間におけ る内筒5の軸芯方向の熱膨張量との比に対応して設定されている。11は、弁体 6を内筒5の軸芯に対して垂直な閉位置に回転させたときにその外周縁部が密接 状態で当接するように内筒5の内周に形成された弁座突部である。
【0013】 弁箱3の両端内周には、断熱材層4が外部に脱落するのを防止する保持板12 が突設されている。 弁棒7の軸芯部には、丸穴状の通路の中心部に丸棒又はパイプを配設すること により、流路断面積を小さくした円筒状の冷媒通路13が形成されている。
【0014】 弁棒7は、内筒5の弁棒貫通部に設けられたシールリング14a、14bを貫 通し、さらに弁箱3に設けられた軸受筒部15a、15bを貫通してその両端が 外部に突出している。16、17は軸受筒部15a、15b内に配置された弁棒 7の軸受部材である。また、軸受筒部15a、15bの外側には弁棒7の外周の 隙間から外部に流体が洩れ出すを防止する軸封装置18a、18bが装着され、 その外周に支持外筒19a、19bが配設されている。弁棒7の一端側の支持外 筒19aには開閉駆動手段20のケーシング21が固定され、弁棒7の他端側の 支持外筒19bには弁棒7の端部を支持する軸受22が固定されている。
【0015】 開閉駆動手段20は、弁棒7に固定されかつ軸受23を介してケーシング21 にて回転自在に支持されたボス24を有する回動レバー25と、支軸27にてケ ーシング21に揺動自在に枢支されたシリンダ装置26にて構成され、シリンダ 装置26のピストンロッド先端が回動レバー25に結合されている。
【0016】 弁棒7の一端には、冷媒通路13に向けてスチームを供給する手段(図示せず )が接続されている。 以上の構成において、弁体6はシリンダ装置26の伸縮動作によって回動レバ ー25が回動し、弁棒7が回転することによって開閉される。
【0017】 内筒5内を高温流体が流れると、内筒5は高温になるが、弁箱3は断熱材層4 を介在しているのでそれ程高温にはならず、従って市販性の高い適当な材料を用 いても必要な強度を確保することができ、内筒5は高温になるが弁箱3にて流体 圧力のかなりの部分が支持されているので大きな強度は要求されず、そのため市 販性の高い耐熱鋼を用いてもその高温に十分に耐えることができる。又、断熱材 層4の内周に内筒5が存在しているため、流体の流れによって断熱材が下流に流 されるというようなこともない。
【0018】 一方、内筒5と弁箱3の間に断熱材層4が介在されていることによってそれら の間に大きな温度差を生じ、熱膨張差を発生する。弁箱3と内筒5の軸芯方向の 熱膨張差はこのバタフライ弁1に接続される配管との接続部で適宜に吸収するこ とができる。また、内筒5は弁箱3に対して径方向にも相対的に膨張するが、弁 箱3による内筒5の支持構造としてその内周と外周に突設したフランジ8、9を 軸芯方向に重合させてボルト締結した構造としているので、フランジ8、9の重 合面で互いにすべることによりその熱膨張差を吸収することができる。その際に 重合面に介装されたガスケット10がすべり材として作用することにより、熱膨 張を円滑に吸収でき、局部的に過大な応力が発生したり、内筒5が変形するのを 防止できる。
【0019】 さらに、フランジ8、9を弁棒7の軸芯位置からずらせて配置し、全周にわた って連続した環状に形成し、さらにその重合面にガスケット10を介装している ので、弁箱3と内筒5の間に流れ込んだ流体の流動を完全に防止することができ る。また、フランジ8、9の重合面を上記した所定の傾斜角のテーパー面とした ことによって、熱膨張差により弁箱3の軸受筒部15a、15bと内筒5の弁座 突部11やシールリング14a、14bの間で芯ずれを生じることがなく、熱膨 張差が発生しても弁体6と弁座突部11の密接状態が確保されるとともに弁棒7 の円滑な回転が確保される。
【0020】 又、弁棒7の軸芯部の冷媒通路13に冷媒としてスチーム等を供給することに より弁棒7を効果的に冷却することができる。また、その冷媒通路13を筒状に 形成して伝熱面積を減少することなく流路断面積を小さくしているので、冷却効 果を減ずることなくスチームの消費量を少なくすることができる。
【0021】 上記実施例ではフランジ8、9を弁棒7の軸芯位置からずらせて配置し、全周 にわたって連続した環状に形成したが、場合によっては弁棒7の軸芯を通りかつ 内筒5や弁箱3の軸芯に対して垂直な平面上に重合面が位置するようにフランジ 8、9を形成してもよい。その場合、フランジ8、9はシールリング14a、1 4bや軸受筒部15a、15bに干渉しない範囲に部分的に形成される。
【0022】
【考案の効果】
本考案によれば、以上のように、弁箱の内周に断熱材層を配置して弁箱を高温 の内部流体に対して断熱しているので、熱効率を低下することなく弁箱の強度を 確保することができ、また、断熱材層の内周に内筒を配置しているので内部流体 の流れによって断熱材が下流に流される恐れはなく、かつ弁箱と内筒をそれぞれ から突設したフランジを重合させて連結しているので、弁箱と内筒の熱膨張差を 容易に吸収することができる。内筒は圧力を支持する強度部材ではないので内筒 の材料として市販性の高い耐熱材料を用いることができる。
【0023】 また、フランジの重合面間にすべり材を介装することにより一層円滑に熱膨張 差を吸収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例のバタフライ弁の弁棒軸芯に
垂直な縦断面図である。
【図2】同実施例の弁棒軸芯に平行な縦断面図である。
【図3】同実施例の側面図である。
【図4】従来のバタフライ弁の弁軸に垂直な縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1 バタフライ弁 3 弁箱 4 断熱材層 5 内筒 8 フランジ 9 フランジ 10 すべり材兼用のガスケット

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外殻を構成する弁箱と、弁箱内流路を形
    成する耐熱性金属材料からなる内筒とを同心状に配置し
    て2重構造を形成し、弁箱内周と内筒外周に突設したフ
    ランジを重合させ、ボルト結合して弁箱と内筒を連結
    し、弁箱と内筒との中空部に断熱材層を配置したことを
    特徴とするバタフライ弁。
  2. 【請求項2】 フランジの重合面間にすべり材を介装し
    たことを特徴とする請求項1記載のバタフライ弁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS50116636U (ja) * 1974-02-28 1975-09-23
JPS50116635U (ja) * 1974-02-28 1975-09-23

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JPS50116636U (ja) * 1974-02-28 1975-09-23
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