JP2546392Y2 - バタフライ弁 - Google Patents

バタフライ弁

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JP2546392Y2
JP2546392Y2 JP8566891U JP8566891U JP2546392Y2 JP 2546392 Y2 JP2546392 Y2 JP 2546392Y2 JP 8566891 U JP8566891 U JP 8566891U JP 8566891 U JP8566891 U JP 8566891U JP 2546392 Y2 JP2546392 Y2 JP 2546392Y2
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inner cylinder
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啓一 柳瀬
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はバタフライ弁に関し、特
に高温ガス流の制御などに用いられる高温用のバタフラ
イ弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、650〜750°C程度の高温ガ
ス流の制御に用いられるバタフライ弁は、図4に示すよ
うに、弁箱31内にその流路を開閉可能な円板状の弁体
32を配置し、弁体32を直径方向に貫通する弁棒33
にて弁体32を開閉回転させるようにした通常のバタフ
ライ弁と同様の構成であり、それらの材料として所定の
温度と圧力に耐える耐熱材が用いられている。上記のよ
うな温度の場合には、比較的市販性の高い高級材料を用
いることによって対応することができた。
【0003】又、弁棒33の軸芯位置に形成された冷却
通路35には、対流伝熱,気化熱を利用するなどして効
率的に冷却するためにスチームなどの冷却媒体を流通さ
せて弁棒33の強度を保つとともに開閉機構に熱が伝わ
るのを防止している。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ところが、さらに高温
高圧のガス流に適用しようとすると、必要強度が材料の
実用的な設計強度の限界を越えてしまうことになるた
め、断熱あるいは冷却構造を取り入れた構造とする必要
がある。
【0005】そこで、弁箱の強度を確保するため、弁箱
の内面に断熱材を取付けることが考えられるが、断熱材
が内部流体の流れによって下流に飛ばされる恐れがあ
り、また断熱材層内を内部流体が流動するという問題を
生じる。
【0006】一方、弁箱をスチーム冷却するようにする
と熱効率が低下してしまうという問題が生起してくる。
本考案は、上記従来の問題点に鑑み、断熱方式により熱
効率を下げることなく高温に耐えることができ、しかも
断熱層内を流体が流動するのを防止したバタフライ弁を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案は、弁箱の内周に
断熱材層を配設し、この断熱材層の内周に耐熱材料から
成る内筒を配設し、弁箱内周と内筒外周に弁体中心から
軸芯方向に適当距離の位置に互いに軸芯方向に重合する
環状のフランジを突設し、これらフランジの重合面を所
定の傾斜角のテーパー面とし、その傾斜角を弁箱に対す
る内筒の相対的な熱膨張によるそのフランジの径方向の
変位量と内筒の弁座中心とフランジ間の軸芯方向の熱膨
張量との比に対応して設定したことを特徴とする。
【0008】
【作用】本考案の構成によると、弁箱の内周に断熱材層
を配置して弁箱を高温の内部流体に対して断熱している
ので、熱効率を低下することなく弁箱の強度を確保する
ことができ、かつ断熱材層の内周に内筒を配置している
ので内部流体の流れによって断熱材が下流に流される恐
れはなく、しかも弁箱と内筒をそれぞれから突設した環
状のフランジを軸芯方向に重合させて連結しているの
で、弁箱と内筒の熱膨張差を容易に吸収できるとともに
これらの環状のフランジによって断熱材層に洩れ出した
流体が流動するのを確実に防止でき、さらに上記のよう
に環状のフランジにするためフランジを弁体の中心から
離れた位置に配設しても、フランジの重合面を所定の傾
斜角のテーパー面としたことにより内筒の熱膨張によっ
て弁体軸芯と内筒の弁座とが位置ずれするというような
こともない。
【0009】
【実施例】以下、本考案の一実施例のバタフライ弁を図
1〜図3に基づいて説明する。1は高温用のバタフライ
弁であり、両端外周に接続フランジ2を突設した弁箱3
の内周に所定厚さの断熱材層4が設けられ、その内周に
弁箱3と同芯状に内筒5が配設されている。内筒5内の
軸芯方向中央位置には弁体6が配設されている。この弁
体6は、弁箱3及び内筒5の軸芯に対して垂直な軸芯回
りに回転可能に支持された弁棒7に固定されている。
【0010】弁棒7の軸芯位置から弁箱3及び内筒5の
軸芯方向に適当距離の位置において、弁箱3の内周にフ
ランジ8が突設され、内筒5の外周にこのフランジ8の
外側面に重合するフランジ9が突設されている。これら
フランジ8、9は弁棒7の軸芯から適当距離の位置に突
設され、弁箱3及び内筒5の弁棒7貫通部と干渉するこ
とがないので環状に連続して形成されており、かつそれ
らの重合面間にすべり材兼用のガスケット10が介装さ
れている。これらフランジ8、9はボルトにて互いに締
結されており、これによって内筒5が弁箱3に支持され
ている。また、これらフランジ8、9が弁棒7即ち弁体
6の軸芯位置から軸芯方向に離れた位置に形成されてい
ることによって内筒5と弁箱3の熱膨張差によって弁体
6と内筒5の間で位置ずれを生じることがないようにそ
の重合面は所定の傾斜角のテーパー面に形成されてい
る。その傾斜角は、弁箱3に対する内筒5の相対的な熱
膨張によるフランジ9の径方向の変位量と弁体6の軸芯
位置とフランジ9との間における内筒5の軸芯方向の熱
膨張量との比に対応して設定されている。11は、弁体
6を内筒5の軸芯に対して垂直な閉位置に回転させたと
きにその外周縁部が密接状態で当接するように内筒5の
内周に形成された弁座突部である。
【0011】弁箱3の両端内周には、断熱材層4が外部
に脱落するのを防止する保持板12が突設されている。
弁棒7の軸芯部には、丸穴状の通路の中心部に丸棒又は
パイプを配設することにより、流路断面積を小さくした
円筒状の冷媒通路13が形成されている。
【0012】弁棒7は、内筒5の弁棒貫通部に設けられ
たシールリング14a、14bを貫通し、さらに弁箱3
に設けられた軸受筒部15a、15bを貫通してその両
端が外部に突出している。16、17は軸受筒部15
a、15b内に配置された弁棒7の軸受部材である。ま
た、軸受筒部15a、15bの外側には弁棒7の外周の
隙間から外部に流体が洩れ出すを防止する軸封装置18
a、18bが装着され、その外周に支持外筒19a、1
9bが配設されている。弁棒7の一端側の支持外筒19
aには開閉駆動手段20のケーシング21が固定され、
弁棒7の他端側の支持外筒19bには弁棒7の端部を支
持する軸受22が固定されている。
【0013】開閉駆動手段20は、弁棒7に固定されか
つ軸受23を介してケーシング21にて回転自在に支持
されたボス24を有する回動レバー25と、支軸27に
てケーシング21に揺動自在に枢支されたシリンダ装置
26にて構成され、シリンダ装置26のピストンロッド
先端が回動レバー25に結合されている。
【0014】弁棒7の一端には、冷媒通路13に向けて
スチームを供給する手段(図示せず)が接続されてい
る。以上の構成において、弁体6はシリンダ装置26の
伸縮動作によって回動レバー25が回動し、弁棒7が回
転することによって開閉される。
【0015】内筒5内を高温流体が流れると、内筒5は
高温になるが、弁箱3は断熱材層4を介在しているので
それ程高温にはならず、従って市販性の高い適当な材料
を用いても必要な強度を確保することができ、内筒5は
高温になるが弁箱3にて流体圧力のかなりの部分が支持
されているので大きな強度は要求されず、そのため市販
性の高い耐熱鋼を用いてもその高温に十分に耐えること
ができる。又、断熱材層4の内周に内筒5が存在してい
るため、流体の流れによって断熱材が下流に流されると
いうようなこともない。
【0016】一方、内筒5と弁箱3の間に断熱材層4が
介在されていることによってそれらの間に大きな温度差
を生じ、熱膨張差を発生する。弁箱3と内筒5の軸芯方
向の熱膨張差はこのバタフライ弁1に接続される配管と
の接続部で適宜に吸収することができる。また、内筒5
は弁箱3に対して径方向にも相対的に膨張するが、弁箱
3による内筒5の支持構造としてその内周と外周に突設
したフランジ8、9を軸芯方向に重合させてボルト締結
した構造としているので、フランジ8、9の重合面で互
いにすべることによりその熱膨張差を吸収することがで
きる。その際に重合面に介装されたガスケット10がす
べり材として作用することにより、熱膨張を円滑に吸収
でき、局部的に過大な応力が発生したり、内筒5が変形
するのを防止できる。
【0017】さらに、フランジ8、9を弁棒7の軸芯位
置からずらせて配置し、全周にわたって連続した環状に
形成し、さらにその重合面にガスケット10を介装して
いるので、弁箱3と内筒5の間に流れ込んだ流体の流動
を完全に防止することができる。また、フランジ8、9
の重合面を上記した所定の傾斜角のテーパー面としたこ
とによって、熱膨張差により弁箱3の軸受筒部15a、
15bと内筒5の弁座突部11やシールリング14a、
14bの間で芯ずれを生じることがなく、熱膨張差が発
生しても弁体6と弁座突部11の密接状態が確保される
とともに弁棒7の円滑な回転が確保される。
【0018】又、弁棒7の軸芯部の冷媒通路13に冷媒
としてスチームを供給することにより弁棒7を効果的に
冷却することができる。また、その冷媒通路13を筒状
に形成して伝熱面積を減少することなく流路断面積を小
さくしているので、冷却効果を減ずることなくスチーム
の消費量を少なくすることができる。
【0019】
【考案の効果】本考案によれば、以上のように、弁箱の
内周に断熱材層を配置して弁箱を高温の内部流体に対し
て断熱しているので、熱効率を低下することなく弁箱の
強度を確保することができ、かつ断熱材層の内周に内筒
を配置しているので内部流体の流れによって断熱材が下
流に流される恐れはなく、しかも弁箱と内筒をそれぞれ
から突設した環状のフランジを軸芯方向に重合させて連
結しているので、弁箱と内筒の熱膨張差を容易に吸収で
きるとともにこれらの環状のフランジによって断熱材層
に洩れ出した流体が流動するのを確実に防止でき、さら
に上記のように環状のフランジにするためフランジを弁
体の中心から離れた位置に配設しても、フランジの重合
面を所定の傾斜角のテーパー面としたことにより内筒の
熱膨張によって弁体軸芯と内筒の弁座とが位置ずれする
というようなこともない等、大きな効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例のバタフライ弁の弁棒軸芯に
垂直な縦断面図である。
【図2】同実施例の弁棒軸芯に平行な縦断面図である。
【図3】同実施例の側面図である。
【図4】従来のバタフライ弁の弁軸に垂直な縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1 バタフライ弁 3 弁箱 4 断熱材層 5 内筒 6 弁体 8 フランジ 9 フランジ 11 弁座突部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁箱の内周に断熱材層を配設し、この断
    熱材層の内周に耐熱材料から成る内筒を配設し、弁箱内
    周と内筒外周に弁体中心から軸芯方向に適当距離の位置
    に互いに軸芯方向に重合する環状のフランジを突設し、
    これらフランジの重合面を所定の傾斜角のテーパー面と
    し、その傾斜角を弁箱に対する内筒の相対的な熱膨張に
    よるそのフランジの径方向の変位量と内筒の弁座中心と
    フランジ間の軸芯方向の熱膨張量との比に対応して設定
    したことを特徴とするバタフライ弁。
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