JPH0960736A - 高温弁 - Google Patents

高温弁

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JPH0960736A
JPH0960736A JP7216004A JP21600495A JPH0960736A JP H0960736 A JPH0960736 A JP H0960736A JP 7216004 A JP7216004 A JP 7216004A JP 21600495 A JP21600495 A JP 21600495A JP H0960736 A JPH0960736 A JP H0960736A
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JP
Japan
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valve
inner pipe
annular space
valve box
box
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Application number
JP7216004A
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English (en)
Inventor
Yoshifumi Masuda
佳文 増田
Taku Ichiyanagi
卓 一柳
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高圧、高温流体の開閉弁、若しくは大口径の
開閉弁の不具合を解消できる高圧弁の提供。 【解決手段】 弁箱1の内周面と内管2の外周面との間
に、断熱のために設けられる円環状空間11に、大径端
部が弁箱1の内周面に、小径端部が内管2の外周面に、
それぞれ固着されて、円環状空間11と同軸状に配置さ
れる円錐環20を設けた。弁箱1に対して、内管2の熱
膨脹を拘束しないで連結して一体化でき、円錐環20で
円環状空間11内の軸方向の流れをシールすることがで
きる。閉弁時に発生する内管3の軸方向荷重を、集中応
力を発生させることなく支え得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外燃式ガスタービ
ン、石炭加圧燃焼複合サイクルプラントのガスタービン
入口の弁、又は石油化学の流動接触分解(Fluid
Catalytic Cracking;FCC)装置
の回収タービンの入口弁等、高温流体を流す流路の開閉
に使用される高温弁に関する。
【0002】
【従来の技術】高温の流体を移送する流路の開閉を行う
高温弁として、縦断面図を示す図5に示すものが従来か
ら使用されている。図に示されるように、従来の高温弁
10は、通過する高温流体の高圧に耐えるようにするた
め、耐圧容器構造にされた円筒形状の弁箱1の内部に、
弁箱1と同軸状の円環状空間11を設けて、その内部に
円環状のリブ12′を介装して、弁箱1と同軸状に内管
2を配置し、円管2の内部に高温流体8の流れる流路4
を形成するようにしている。
【0003】すなわち、内部に流路4が形成された内管
2は、内部を流れる高温流体8が直接接触するため、高
温度になる。そこで、内管2の外周に配置され、耐圧強
度部材となる弁箱1の温度上昇を防ぐ為、弁箱1の内周
面と内管2の外周面の間に、円環状空間11を設けると
ともに、この円環状空間11内に、通常図示しない断熱
材を入れ、弁箱1が高温になるのを防止している。さら
に、円環状空間11の両端部には、この断熱材保持の為
に蓋9を設ける構造としている。
【0004】また、内管2の内部には、内管2の流路4
内で、回動(摺動)自在にされた弁体6と、弁体6の中
心部を固着して、その回動により弁体6を回動させる弁
棒7とからなる弁5が設けられており、内管2の内部に
形成される高温流体8の流路4は、この弁5により開閉
できるようになっている。流路4の開閉を行う弁体6を
固着する弁棒7は、両端部が内管2、および弁箱1の側
面を貫通して設けられた、シール装置を設けた軸受で支
持されるとともに、一端側は、弁箱1の外側まで突出さ
れ、弁棒7を回動させる、図示しない弁駆動装置等に連
結されている。
【0005】また、流路4の閉鎖時、すなわち閉弁時、
弁体6の外周縁が当接する内管2の弁座3の外径部、す
なわち、弁座3外側の内管2の外周面上には、前述した
リブ12′を突設するとともに、このリブ12′の他端
側を、弁箱1の内周面と接合部13で溶接固定し、弁箱
1と内管2を連結して一体化するとともに、弁座3′を
設けた部分の内管2の形状を真円に保持するようにして
いる。このリブ12′は、弁箱1と内管2の間に形成さ
れている円環状空間11の全周を仕切るように設けられ
ているので、閉弁時には、このリブ12′と弁体6によ
り、弁箱1の上流側と下流側とは、完全にシールされる
こととなる。
【0006】このように、従来の高温弁10において
は、高温弁10全体の耐圧強度は弁箱1が負担し、開弁
時の高温流体8の通路4は、内管2に設けられ、また高
温流体8に晒らされる内管2からの伝熱を少くし、弁箱
1の昇温を小さくするため、弁箱1と内管2の間には、
円環状空間11が設けられるとともに、円環状空間11
内に断熱材を充填している。さらに、開弁中、および閉
弁時の弁箱1と内管2との間に形成される円環状空間1
1内を軸方向に流れる流れを止め、また弁座3部分の内
管2の変形を防止する為に、弁箱1と内管2を一体化す
るリブ12′が円環状空間11の全周にわたり設けられ
ている。なお、図5において弁体6の実線で示す状態
は、高温弁10の開弁時、鎖線で示す状態は閉弁時をそ
れぞれ示す。
【0007】このような高温弁10で、常時、高温流体
8の圧力に対して、耐圧強度保持体として働く弁箱1
は、高温弁10の全体重量に占める重量の割合が大きい
こともあり、特に、大形の高温弁では、コスト上の観点
から、非オーステナイト鋼で製作することが好ましく、
その場合、許容応力を適当な値に保持する為に、そのメ
タル温度は450℃程度以下に留めるようにされてい
る。また、高温流体8に晒らされる内管2は、高温強度
の面から、通常オーステナイト鋼で製作されることが多
い。
【0008】従来の高温弁10は、このような構造にさ
れているため、弁座3の背後の、内管2外周面と弁箱1
内周面を接合するリブ12′には、半径方向に大きな温
度勾配が発生することになる。例えば、内管2内部の流
路4を通過する高温流体8の温度が850℃であると仮
定すると、弁箱1との間の温度差は、400〜450℃
にもなる。この温度差は、弾性応力換算(ヤング率1.
8×106 kgf/cm2 、熱膨脹係数を非オーステナ
イト鋼は、1.3×10-5l/℃、オーステナイト鋼
は、1.65×10-5l/℃と仮定した場合)の応力巾
が、約160kgf/mm2 になることを意味する。
【0009】従って、図5に示されるような、従来の高
温弁10の構造では、弁座3(内管2)、リブ12′、
および弁箱1が、直接に互いに半径方向に固定されてい
るので、この応力換算値約160kgf/mm2 相当の
大きな歪が、そのまま弁座3、リブ12′および弁箱1
の変形し易さで按分される事になり、このうちの、ほぼ
80〜100kgf/mm2 応力換算値相当の歪が、弁
座3と、リブ12′を弁箱1の内周面に結合する接合部
13とに生じ、しかもこの歪は、プラントの起動、停止
のサイクル毎に繰返し加へられることになる。この結
果、これらの部分は、疲労寿命の著しい低下を招くこと
になる。
【0010】また、図5に示す構造の、従来の高温弁1
0においては、閉弁時、弁体6の上、下流側にかかる高
温流体8の圧力差に依る荷重が、弁棒7を介して、直接
弁箱1に伝えられ、耐圧支持構造にされている弁箱1で
支持されて、不具合は生じないと仮定としても、円環状
空間11を横断して設けられたリブ12′の面積に働く
荷重は、接合部13に集中して加えられることになり、
これによる不具合が発生する。
【0011】今、閉弁時の高温流体8の弁体6上流側の
圧力と、弁体6下流側の圧力の差圧が14kgf/cm
2 で、弁箱1の内径が、φ1350m/m、内管2の外
径が、φ1000m/mと仮定すると、円環状空間11
を仕切るリブ12′の接合部30にかかる荷重は、約9
0Tにも達する。勿論、弁箱1、内管2の口径の大きさ
と、高温流体の設計圧力に依り、この数値は異るもの
の、何れにしても、閉弁時には、一般的に大きな荷重が
接合部13に発生することとなる不具合がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来の高温弁の不具合を解消するため、流路内に、より高
温の高温流体を流して、弁箱と内管との間に、大きい温
度差が生じることがあっても、弁箱と内管を連結する部
材に発生する熱応力を小さくして、プラントの起動、停
止に伴う、部材の疲労寿命に著しい低下を招くことがな
く、より高温の流体に対しても支障なく使用でき、ま
た、高温弁がより大型化し、弁箱と内管との間に形成さ
れる円環状空間の横断面積が大きくなり、若しくは、よ
り高圧の高温流体の開閉に使用され、閉弁時、弁体で仕
切られる高温流体の上流側と下流側の差圧が大きくなっ
ても、円環状空間のシール材の特定の個所に、大きな集
中荷重を発生させず、大きな差圧荷重に充分耐えること
のでき、長寿命で信頼性の高い高温弁を提供することを
課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の請求
項1に示す高温弁は、次の手段とした。 (1)弁箱の内周面と内管の外周面との間に形成される
円環状空間の内部に、円環状空間と同軸状に配設され、
その大径端部が弁箱の内周面に固着されるとともに、小
径端部が内管の外周面に固着された円錐環を設けた。な
お、円錐環の大径端部および小径端部と、弁箱の内周面
および内管の外周面との固着は、ボルト止めでも溶接の
何れでも良く、さらには、大径端部および小径端部の何
れが、上流側に配置されるようにしても良い。また、円
錐環の長さLは、√RT(但し、Rは円錐環の平均半
径、Tは円錐環の板厚)で定まる値より大きな値とする
事が望ましい。
【0014】また、本発明の請求項2に示す高温弁は、
次の手段とした。 (2)内管内部の流路が閉鎖される閉弁時に、弁体の外
周縁が内管内部に当接する位置に配置された弁座近傍の
外側(外径側)の円環状空間に、弁座近傍外側の円周方
向に設けられた円周溝と、この円周溝に嵌入する突起を
設け、さらに、円環状空間の軸方向流れを遮断するベロ
ーを、弁箱内周面と内筒外周面との間に展設した。な
お、円周溝および突起の何れかを、円環状空間を形成す
る弁箱の内周面に設け、他の何れかを内管の外周面に設
けるようにした。
【0015】この円周溝および突起の嵌合により円環状
空間の軸方向の流れは阻止されるが弁座とほぼ同位置に
配設される弁棒の貫通部には、この円周溝、突起を設け
ることができず、周方向に全通させることができないた
め、円環状空間全周における軸方向の流れを遮断できな
いため、ベローを設けるようにしている。この、ベロー
は、円環状空間に同軸状に設けられ、その一側部が弁箱
の内周面、他側部が内管の外周面にそれぞれ固着され
て、円環状空間における軸方向の流れを阻止するように
した。また、ベロー側部の固着は、弁箱の内周面、若し
くは内管の外周面に直接固着しても良く、または、これ
らの周面に突起を設けて、この突起に固着するようにし
ても良い。
【0016】また、本発明の請求項3に示す高温弁は、
次の手段とした。 (3)内管内部の流路の開閉を行う弁体を回動させる弁
棒が、弁箱を貫通する部分に、円筒を弁棒と同軸状に配
置して挿設し、その内部に弁棒を貫通させるようにし
た。また、弁棒が内管を貫通する部分には、弁箱に挿設
した円筒の延長部の外周と嵌合する座を設けた。さら
に、弁箱の内周面と内管の外周面で形成される円環状空
間には、前記(2)の手段と同様にしてベローを設け
た。
【0017】本発明の請求項1に示す高温弁は、上述
(1)の手段により、 (1′)円環状空間に設置され、弁箱と内管を連結して
一体化する円錐環は、一端が内管2に固定され、内管内
部の流路を流れる高温流体と同等の高温になり、他端が
弁箱に固定され、ほぼ弁箱の接続部分の温度になり、長
さ方向に温度勾配が発生するが、円錐環が円錐形を成
し、かつ中心角を小さくできることにより、その長さ方
向の各々の部分の温度に従って、半径方向へ伸張する熱
膨脹は、殆んど拘束されず、円錐環の緯線に沿った断面
に発生する曲げ応力を小さくできる。
【0018】従って、円錐環を含む内管は、熱膨脹がど
こでも自由に許され、弁箱と内管を連結する円錐環の熱
応力は充分小さく出来る。一方、円環状空間のシール
は、円錐環によって達成できるとともに、閉弁時の差圧
に対する荷重に対しては、円錐環の板厚Tを適当に選定
する事に依り、また、差圧荷重が円錐環に均等に負荷さ
れて、特定の場所にかからないため、確実な機能が得ら
れる。
【0019】従って、本発明の高温弁では、より高温の
流体を流す流路の開閉に使用できるとともに、プラント
の起動、停止のくり返しにより、疲労寿命が短くなるこ
ともなく、また高圧の高温流体を流す流路に使用して
も、特定個所(部材)に大荷重が集中負荷されることも
なく、寿命の長い信頼性に富むものにできる。
【0020】また、本発明の請求項2に示す高温弁は、
上述(2)の手段により、 (2′)高温流体を流すことにより、内管の半径方向に
生じる熱膨脹は、円周溝内に嵌入する突起の半径方向の
移動で吸収され、内管の半径方向の自由な熱膨脹が許容
され、内管と弁箱を結合する円周溝と突起との接合部に
発生する熱応力は、充分小さいものにできる。また、円
環状空間のシールは、ベローで行われ、しかも、このベ
ローは内管の半径方向の自由な熱膨脹を阻害するような
こともない。さらに、閉弁時に、内管に、軸方向に高温
流体の差圧で加えられる荷重は、突起と円周溝の嵌合に
より、この荷重に耐え固定することができる。従って、
上述した(1′)と同様に、寿命の長い、信頼性に富む
高温弁とすることができる。
【0021】また、本発明の請求項3に示す高温弁は、
上述(3)の手段により、 (3′)内管の半径方向の熱膨張が許容され、内管と弁
箱を結合する部分に発生していた熱応力を小さくできる
ことは、前述した(1′)(2′)と同様である。さら
に、本発明においては、閉弁時の内管の軸方向の荷重
は、内管貫通部分では、弁棒が、座および円筒からなる
二重構造の内部を貫通しているので、座を介して弁箱に
挿設した円筒へ伝達され、弁箱で支えられる。これによ
り、上述した(1′)(2′)と同様に、寿命の長い、
信頼性に富む、高温弁とすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の高温弁の実施の一
形態について、図面にもとづき説明する。なお、本発明
の実施の形態を示す図面において、図5に示す符番と同
一の符番のものは、同一若しくは類似するものにつき、
説明は省略する。
【0023】図1は本発明の高温弁の実施の第1形態を
示す断面図で、図1(A)は弁棒の方向と直交する方向
の縦断面図で、開弁時を実線で、閉弁時を鎖線で示して
いる。また、図1(B)は図1(A)に示す矢視A−A
方向の縦断面図の半分を示す図で、閉弁時を実線で、閉
弁時を鎖線で示している。図1(A)において、弁箱1
の内方の円環状空間11には、弁箱1と同軸状に配置さ
れた内管2の外周面から突出し、後流側に向けて拡大す
る円錐環20が、弁箱1、内管2および円環状空間11
と同軸状に設けられている。この円錐環20は、内管2
と一体に形成されるとともに、拡大させた後端の大径端
部には、フランジ21が設けられている。このフランジ
21を、弁箱1の内周面から内方へ突出させて設けた、
相対するフランジ22にボルト23で固定することによ
り、円錐環20は、円環状空間11に配置され、内管2
を弁箱1に連結するとともに、円環状空間11の軸方向
の流れをシールすることができる。
【0024】また、鎖線で示すように、弁体6が回動
し、流路4を閉鎖したとき、弁体6の外周縁が当接する
内管2の内周面の弁座3部分の外側の内管2外周面に
は、リブ12が外径方向に突設されている。このリブ1
2は、弁座3が円環としての形状を保持するために設け
られているものであり、その外周端は、どこにも固定さ
れてなく、円環状空間11内に浮かせてある。
【0025】次に、図1(A)の矢視A−A方向の断面
図、すなわち、弁棒7の軸方向に沿う断面図である図1
(B)に示すように、内筒2の外周面と弁箱1の内周面
の間の円環状空間11に設けられる円錐環20の長さL
は、円錐環20の形状から決る√RTより大きくされ
て、円錐環20の緯線に沿った断面に発生する曲げ応力
が、小さくなるようにしている。なお、Rは円錐環20
の平均半径、Tは円錐管20の厚みを示す。
【0026】また、弁棒7の端部は、図示するように、
その端部が弁箱1と干渉を起すことがないように、弁箱
1との間に間隙を設けて、内管2の半径方向の膨張を許
容するようにしている。さらに、図示省略したが、弁棒
7の端部を弁箱1の外側に突出させ、従来通り弁駆動装
置に連結するようにしてもよい。
【0027】本形態の高温弁は、上述のように構成され
ているので、円錐環20の小径端部が、小径端部と一体
に形成した内管2内部の流路4を流れる高温流体8によ
って加熱され、高温になり、また、フランジ21で弁箱
1に固着された大径端部が弁箱1の許容応力から決る低
温になり、円錐環20の長さ方向には温度勾配が発生し
て、半径方向の熱膨張が生じる。しかし円錐環20が円
錐形の形状にされ、しかもその中心角が小さくされてい
るため、長さ方向の個々の部分の温度によって生じる、
半径方向へ伸張する熱膨張は、ほとんど拘束されること
がなく、円錐環20に生じる熱応力は、充分小さくでき
る。
【0028】さらに、円錐環20の大径端部および小径
端部は、それぞれ弁箱1の内周面および内管2の外周面
に固着されているので、円環状空間11は、この円錐環
20で上流側と下流側が仕切られることとなり、その軸
方向の流れは、完全に遮断される。また、弁体6の回動
により流路4が閉鎖される閉弁時においては、弁体6の
上、下流側に生じる高温流体8の差圧によって、内管2
に軸方向の荷重が発生するが、中心角が小さくされた円
錐環20によって充分支持することができる。また、円
錐環20にも、円錐環20の上流側と下流側の差圧によ
って、円錐環20に軸方向の荷重が負荷されるが、円錐
環20の負荷面積が大きくでき、しかも特定の位置に集
中して荷重が負荷されることがなく、また板厚Tを適当
に選択することにより、大口径の高温弁においても、高
圧の高温流体に充分耐える構造のものとすることができ
る。
【0029】次に、図2は本発明の実施の第2形態を示
す断面図である。本形態の高温弁10においては、内管
2の外周面から突出させて円環状空間11内を、後流側
に向けて拡大させた、円錐環21′の後端部、すなわち
大径端部は、弁箱1の内周面に突出された突起部24に
溶着されている。このように構成された、本形態の高温
弁10は、前述した第1形態の高温弁10と、同様の作
用、効果が得られるほか、第1形態のものに比較して、
製作が容易になるとともに、軽量化できる利点がある。
【0030】次に、図3は本発明の実施の第3形態を示
す断面図である。本形態の高温弁10においては、高温
流体8の流路4の開閉を行う弁体6が、流路4を閉鎖し
たとき、すなわち、閉弁時に弁体6の外周縁が当接する
内管2内周面近傍に配置された、弁座3の外側部分の内
管2外周面に突起25を周方向に設けるとともに、この
突起25に対向する弁箱1の内周面に、突起25と嵌合
する円周溝26を設けた。なお、円周溝26の中心線
は、弁体6を駆動する弁棒7の中心線と一致させてあ
る。
【0031】このように、突起25を円周溝26に嵌合
させることにより、内管2の半径方向の膨張を許容した
状態で、内管2と弁箱1が一体化される。また、この突
起25と円周溝26の嵌合部は、円環状空間11内にお
ける軸方向の流れをシールできるが、嵌合部が弁棒7の
内管2および弁箱1の貫通部分で途切れてしまうため、
円環状空間11の全周の圧力シール機能をもたせること
は、期待出来ない。このため、この嵌合部の後流側に、
一側端が弁箱1の内周面に突出させた突起に固着される
とともに、他側端が内管2の外周面から後方に拡大させ
て設けた突起の先端に固着された円筒形のベロー27
を、円環状空間11と同軸状に配置して、円環状空間1
1のシールを行うようにした。
【0032】本形態の高温弁は上述の構成により、内管
2の半径方向に生じる熱膨脹は、円周溝26内に嵌入す
る突起25の移動で吸収され、内管2の半径方向の自由
な熱膨張が許容され、しかも、内管2と弁箱1を結合す
る接合部に発生する熱応力は、充分小さくできる。ま
た、円環状空間11のシールは、ベロー27で行われ、
しかも、このベロー27は、内管2の半径方向の自由な
熱膨張を阻害することもない。さらに、閉弁時に、内管
2に軸方向に高温流体8の差圧で加えられる荷重は、突
起25と円周溝26の嵌合により、この荷重に対抗でき
る。さらに、円周溝26に嵌合する突起25は、弁座3
を円環としての形状を保持する、図1、図2に示したリ
ブ12と同等の働きもする。
【0033】なお、本形態の高温弁では、突起25を内
管2外周面に、円周溝26を弁箱1内周面に、それぞれ
設けたものを示したが、この配置は逆にもできるもので
ある。この場合には、円周溝26を形成する弁箱1から
突出させた突起28がリブ12と同等の働きをする。さ
らに、ベロー27は、嵌合部の後流側に設置したものを
示したが、これは突起25と円周溝26の嵌合部の上流
側に、設けるようにしても良いものである。
【0034】次に、図4は本発明の実施の第4形態を示
す断面図で、図4(A)は弁5を弁棒7に沿って切断し
た断面図で、閉弁時を実線で、開弁時を鎖線で示してい
る。また、図4(B)は弁棒7と直交して切断した断面
図で、閉弁時を鎖線で、開弁時を実線で示している。
【0035】本形態の高温弁10においては、内管2の
弁座3の弁棒7が貫通する部分に座29が設けられてお
り、さらに、座29を貫通し外部に突出する弁棒7が弁
箱1を貫通する部分には、弁棒座30が設けられてい
る。この弁棒座30に円筒31を嵌め込むとともに、こ
の円筒31の先端部を座29に嵌め込むようにしてい
る。また、円筒31の弁棒座30への嵌め込み部の内周
側、すなわち円筒31と弁棒7の間にはブッシュ32を
設けている。このように、弁箱1および内管2を貫通し
て、外部に設けた図示しない弁駆動装置に連結される弁
棒7は、二重構造のブッシュ32、円筒31を貫通し
て、内管2、弁箱1の内部から外部へ取り出されてい
る。
【0036】これにより、本形態の高温弁においては、
内管2の半径方向の熱膨張が許容される構造にでき、内
管2と弁箱1を結合する部分に発生していた熱応力を小
さくして、内管2を弁箱1に連結できる。また、閉弁時
の内管2の軸方向に発生する荷重は、座29を介して弁
箱1に挿設した円筒31、弁棒座30に伝達され、弁箱
1で支えることができる。なお、図4(A)の弁棒7の
軸方向に沿って切断する断面図、およびこれと直交する
断面である図4(B)に示すように、本形態の円環状空
間11には、第3形態と同様に、円環状空間11のシー
ルの為にベロー13が設けられている。
【0037】本形態の高温弁10における、内管2およ
び弁箱1の貫通部の構造は、前述した第1形態ないし第
3形態と併せて採用することもできるものである。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の高温弁によ
れば、特許請求の範囲に示す構成により、 (1)高温になる内管と、低温に保持される弁箱とを連
結する部材に生じる熱応力を低減でき、より高温の高温
流体に耐える弁、或は同じ温度の高温流体の開閉に使用
される場合であれば、より多くの起動、停止の回数に対
して、クラックが発生せず、疲労寿命の長い、即ち信頼
性の高い高温弁が得られる。
【0039】(2)また、高温流体が流れる流路を閉鎖
したときに、内管に発生する軸方向の荷重は、もともと
耐圧強度部材として形成される弁箱で効果的に支持され
るとともに、内管と弁箱との間を軸方向に流れる流れを
遮断するシール材に発生する荷重は、シール材の特定の
位置に集中応力を発生させることなく支持される。これ
により、より高圧の高温流体に耐える弁にできるととも
に、軸方向の荷重の増大を招く大口径化にも、対応でき
るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高温弁の実施の第1形態を示す断面図
で、図1(A)は弁棒の方向と直交する方向に切断した
縦断面図、図1(B)は図1(A)に示す矢視A−A方
向の縦断面図、
【図2】本発明の実施の第2形態を示す弁棒の方向と直
交する方向に切断した断面図、
【図3】本発明の実施の第3形態を示す弁棒の方向と直
交する方向に切断した断面図、
【図4】本発明の実施の第4形態を示す断面図で、図4
(A)は弁棒の方向に沿って切断した断面図、図4
(B)は弁棒と直交する方向に切断した断面図、
【図5】従来の高温弁を示す弁棒の方向と直交する方向
に切断した断面図である。
【符号の説明】
1 弁箱 2 内管 3 弁座 4 流路 5 弁 6 弁体 7 弁棒 8 高温流体 9 蓋 10 高温弁 11 円環状空間 12,12′ リブ 13 接合部 20,20′ 円錐環 21 (円錐環の)フランジ 22 (弁箱の)フランジ 23 ボルト 24 突起部 25 突起 26 円周溝 27 ベロー 28 突起 29 座 30 弁棒座 31 円筒 32 ブッシュ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐圧容器を構成する円筒状の弁箱、前記
    弁箱の内部との間に円環状空間を設けて同軸状に配設さ
    れ、内周面が高温流体の流路を形成する内管、前記弁箱
    および内管の側面を回動自在に貫通する弁棒に固着され
    た弁体の、前記内管内の回動により、前記流路の開閉を
    行う弁からなる高温弁において、大径端部が前記弁箱の
    内周面に固着されるとともに、小径端部が前記内管の外
    周面に固着され、前記円環状空間に同軸状に配設された
    円錐環を設けたことを特徴とする高温弁。
  2. 【請求項2】 耐圧容器を構成する円筒状の弁箱、前記
    弁箱の内部との間に円環状空間を設けて同軸状に配設さ
    れ、内周面が高温流体の流路を形成する内管、前記弁箱
    および内管の側面を回動自在に貫通する弁棒に固着され
    た弁体の、前記内管内の回動により、前記流路の開閉を
    行う弁からなる高温弁において、閉弁時、前記弁体の外
    周縁が当接する弁座背後の前記円環状空間に形成された
    円周溝、および前記円周溝に嵌入する突起の、いずれか
    を前記弁箱の内周面に設け、他のいずれかを前記内管の
    外周面に設けるとともに、前記円環状空間の軸方向の流
    れをシールするベローを前記円環状空間に展設したこと
    を特徴とする高温弁。
  3. 【請求項3】 耐圧容器を構成する円筒状の弁箱、前記
    弁箱の内部との間に円環状空間を設けて同軸状に配設さ
    れ、内周面が高温流体の流路を形成する内管、前記弁箱
    および内管の側面を回動自在に貫通する弁棒に固着され
    た弁体の、前記内管内の回動により、前記流路の開閉を
    行う弁からなる高温弁において、前記弁箱の弁棒貫通部
    に、前記弁棒と同軸状の円筒を挿設し、前記内管の弁棒
    貫通部に、前記円筒の延長部の外周と嵌合する座を設け
    るとともに、前記円環状空間の軸方向の流れをシールす
    るベローを前記円環状空間に展設したことを特徴とする
    高温弁。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102661398A (zh) * 2012-05-21 2012-09-12 江苏迪萨机械有限公司 沥青烟气专用保温蝶阀

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