JPH10139818A - 微小カプセルの製造方法 - Google Patents

微小カプセルの製造方法

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JPH10139818A
JPH10139818A JP8296066A JP29606696A JPH10139818A JP H10139818 A JPH10139818 A JP H10139818A JP 8296066 A JP8296066 A JP 8296066A JP 29606696 A JP29606696 A JP 29606696A JP H10139818 A JPH10139818 A JP H10139818A
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microcapsules
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 疎水性油性液の乳化力および保護コロイド性
に優れ、反応が短時間で簡単であり、作業性が良好であ
り、外殻の緻密性に優れた微小カプセルを得ることが可
能な微小カプセルの水性分散液の製造方法を提供するこ
とにある。 【解決手段】 エチレン単位含有量1〜24モル%の変
性ポリビニルアルコールを含有する水性媒体中におい
て、疎水性油性液体の乳化分散を行うと共に乳化分散さ
せた疎水性油性液体の周囲に多価イソシアネートと活性
水素含有化合物を反応させることにより外殻を形成させ
ることを特徴とする微小カプセルの水性分散液の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は疎水性油性液体の周
囲に外殻を有する微小カプセルの水性分散液の製造方法
に関する。さらに詳しくは、感圧記録シートの製造原料
として好適な疎水性油性液体の周囲に外殻を有する微小
カプセルの水性分散液の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、微小カプセル化の方法として
は、機械的方法、物理化学的方法、化学的方法などがあ
り、目的に応じて各種方法が用いられている。その中で
もコアセルヴェーション法は応用範囲が広いことから好
んで用いられている。しかしながら、コアセルヴェーシ
ョン法は主原料としてゼラチンを用いていることから、
耐水性が不足しカプセル壁の緻密性が不足したり、製造
工程が複雑で微妙な制御が必要となるなどの問題点を有
している。上記の問題点を解決する方法として、疎水性
油性液と親水性液の界面で、ポリウレア、ポリウレタン
などの合成樹脂皮膜を形成させて、疎水性油性液の周囲
にこれらの合成樹脂皮膜からなる外殻を有するを微小カ
プセル化する界面重合法が提案されている。
【0003】特公昭42−446号、特公昭42−77
1号、特公昭42−2882号、特公昭42−1134
4号、特公昭47−20069号などによると、界面重
合法による多価イソシアネートと水あるいはアミンなど
の活性水素を有す化合物との反応によるポリウレア壁膜
を有するカプセル、エポキシ壁膜を有するカプセル、ポ
リエステル壁膜を有するカプセル、ポリアミド壁膜を有
するカプセルを得る方法が提案されているが、これらの
微小カプセルは壁膜が薄いために広範な用途に使用でき
ないという問題がある。特公昭47−43740号、特
公昭52−13508号などによると、ポリビニルアル
コールを含む親水性液体中で多価イソシアネートを反応
させてカプセルを得る方法が提案されているが、界面活
性の高い部分けん化ポリビニルアルコールを用いること
から、発泡などが生じ作業性に問題がある。特公平6−
55274号によると、作業性を改良するために、ブロ
ック的にけん化した部分けん化ポリビニルアルコールを
用いることが提案されているが、カプセルの緻密性が依
然として不充分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、疎水
性油性液の乳化力および保護コロイド性に優れ、反応が
短時間で簡単であり、作業性が良好であり、外殻の緻密
性に優れた微小カプセルを得ることが可能な微小カプセ
ルの水性分散液の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、エチレン単位含有量
1〜24モル%の変性ポリビニルアルコールを含有する
水性媒体中において、疎水性油性液体の乳化分散を行う
と共に乳化分散させた疎水性油性液体の周囲に多価イソ
シアネートと活性水素含有化合物を反応させることによ
り外殻を形成させることを特徴とする微小カプセルの水
性分散液の製造方法を見出し、本発明を完成させるに至
った。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の微小カプセルの製造方法は一般的には、エチレ
ン単位含有量1〜24モル%の水溶性もしくは水分散性
である変性ポリビニルアルコール(以下、PVAと略記
する)を含む水溶液を調整し、この水溶液中にカプセル
に内包される疎水性油性物質を乳化分散する。多価イソ
シアネートは、疎水性油性物質の乳化の前後どちらで加
えてもよい。次に、活性水素含有化合物を添加し攪拌し
ながら昇温し、所定時間保持することにより反応させて
カプセルの外殻壁膜を形成させ、必要に応じてpH調整
などの後処理を行ってカプセル化を終了する。
【0007】本発明に用いるエチレン変性PVAは、疎
水性油性物質の乳化分散剤としての機能も奏する。本発
明に用いられる疎水性油性物質の乳化分散剤は、エチレ
ン変性PVAであることが必須であるが、さらに水溶性
高分子を併用することも可能である。水溶性高分子とし
ては、水溶性の天然または合成のアニオン性高分子およ
びノニオン性高分子が挙げられる。アニオン性高分子の
アニオン性基としてはカルボキシル基、スルホン酸基お
よび硫酸基が挙げられる。水溶性高分子の具体例として
は、アラビヤゴム、アルギン酸、カルボキシメチルセル
ローズ、フタル酸ゼラチン、硫酸化セルロース、硫酸化
デンプン、リグニンスルホン酸、ゼラチン、(メタ)ア
クリル酸系重合体、アクリルアミド系重合体、アクリル
アミドメチルプロパンスルホン酸系重合体、無水マレイ
ン酸系重合体、ビニルベンゼンスルホン酸系重合体、無
変性PVA、カルボキシル基変性PVA、ヒドロキシエ
チルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、セルロースアセトブチレート、ヒドロキシメチルセ
ルロース、プルラン、酸化デンプン、可溶性デンプンな
どが挙げられる。また必要に応じて、ロート油、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸など
の界面活性剤を併用することも可能である。
【0008】本発明のエチレン単位を1〜24モル%含
有する変性PVAは、ビニルエステルとエチレンとの共
重合体をけん化することにより得ることができる。ビニ
ルエステルとしては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられるが、
酢酸ビニルが経済的にみて好ましい。エチレン単位の含
有量としては、1〜24モル%が好ましく、2〜18モ
ル%がより好ましく、3〜15モル%がさらに好まし
い。エチレンの含有量が1モル%未満の場合には、上述
の顕著な効果を満足する微小カプセルが得られず、24
モル%を越える場合には、水溶性が低下し、前記の効果
を満足する微小カプセルが得られなくなる。
【0009】本発明の変性PVAは、本発明の効果を損
なわない範囲で、共重合可能なエチレン性不飽和単量体
を共重合したものでも良い。このようなエチレン性不飽
和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)
イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3
−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニ
ウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸およびそのナトリウム塩、エチルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩
化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデ
ン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニ
ルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム
などが挙げられる。また、チオール酢酸、メルカプトプ
ロピオン酸などのチオール化合物の存在下で、酢酸ビニ
ルなどのビニルエステル系単量体をエチレンと共重合
し、それをけん化することによって得られる末端変性P
VAも用いることができる。
【0010】本発明のエチレン変性PVAのけん化度
は、微小カプセル製造時の作業性および疎水性油性物質
表面への変性PVAと多価イソシアネートの反応物の堆
積に深く関係している。けん化度が低すぎると乳化分散
性は優れるが、水に溶解する際に泡が発生し易くママコ
もできやすい。その結果、微小カプセルの外殻壁膜を形
成させる反応中にも泡が発生し易く、反応時の攪拌を低
下させる必要があり、充分な攪拌ができないことから反
応容器壁にスケールが発生する場合がある。また、微小
カプセルの外殻の緻密性が低下する傾向にある。一方、
けん化度が高すぎると乳化安定性が劣る。従って、本発
明のエチレン変性PVAのけん化度は、水溶性もしくは
水分散性を有す範囲内で、通常75〜99.95モル%
が好ましく、82〜99.9モル%がより好ましく、8
5〜99.7モル%がさらに好ましい。エチレン変性P
VAの重合度としては特に制限はないが、通常50以上
であり、50〜8000の範囲が好ましく、80〜30
00がより好ましい。変性PVAの重合度は、JIS−
K6726に準じ、再けん化後精製した重合体につい
て、水中、30℃で測定した極限粘度[η]から次式に
より求めた粘度平均重合度(P)で表したものである。 P=([η]×103 /8.29)(1/0.62) 重合度が50未満の場合には、乳化分散性は優れるもの
の、保護コロイド性が低下し本発明の微小カプセルが得
られず、8000を越える場合には、変性PVAの工業
的な製造に問題がある。
【0011】本発明において使用するエチレン変性PV
Aまたは変性PVAと水溶性高分子の固形分量は、一般
に、微小カプセルに内包する疎水性油性液体に対する重
量比で0.1〜10が好ましく、0.2〜6がさらに好
ましい。さらに、変性PVAまたは変性PVAと水溶性
高分子の固形分量は、乳化分散性とスラリー粘度の点か
ら、親水性媒体に対する重量比で0.5〜15%が好ま
しく、1〜10%がさらに好ましい。
【0012】本発明において、疎水性油性物質の外殻壁
膜を形成するために使用される多価イソシアネートの例
としては、例えばm−フェニレンジイソシアネート、p
−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイ
ソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ジ
フェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,
3’−ジメトキシ−4,4’−ジフェニルジイソシアネ
ート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、キシリ
レン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3
−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメ
タン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェ
ニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレ
ン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジ
イソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシ
アネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネー
ト、エチリジンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、ジメチルシリルジイソシアネート、ビニルメ
チルシリルジイソシアネート、リジンジイソシアネー
ト、4−イソシアネートメチル−1,8−オクタメチレ
ンジイソシアネート、p−フェニレンジイソチオシアネ
ート、エチリジンジイソチオシアネート、キシリレン−
1,4−ジイソチオシアネート、ビス(イソシアネート
メチル)シクロヘキサン、ジクロロヘキシルメタンジイ
ソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ
ートなどのジイソシアネートまたはジイソチオシアネー
ト、4,4’,4”−トリフェニルメチントリイソシア
ネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート、
トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、
メチルシリルトリイソシアネート、フェニルシリルトリ
イソシアネート、オクタデシルシリルトリイソシアネー
ト、ビニルシリルトリイソシアネート、メトキシシラン
トリイソシアネート、ブトキシシラントリイソシアネー
ト、オクチルシラントリイソシアネート、2,6−ジイ
ソシアネートカプロン酸−β−イソシアネートエチルエ
ステル、2,6−ジイソシアネートカプロン酸−γ−イ
ソシアネートプロピルエステル、2,6−ジイソシアネ
ートカプロン酸−2−メチル−β−イソシアネートエス
テル、ヘキサメチレントリイソシアネートなどのトリイ
ソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネー
ト、テトライソシアネートシラン、4,4’−ジフェニ
ルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネートとイソホロンジイ
ソシアネートから誘導される残基を含有するビュウレッ
ト型ポリイソシアネートなどの多価イソシアネート、お
よびこれらの多価イソシアネート類を多価アミン、多価
カルボン酸、多価チオール、多価ヒドロキシ化合物、エ
ポキシ化合物などの親水性基含有化合物に付加させたも
のなどが挙げられる。多価イソシアネートの固形分量
は、一般に、疎水性油性液体に対する重量比で0.01
〜55が好ましく、0.02〜40がさらに好ましい。
【0013】多価イソシアネートと反応して外殻を形成
する活性水素含有化合物としては、水、(多価)アミン
化合物、PVA、分散剤として機能する前記のエチレン
変性PVAなどが挙げられる。多価アミンとしては、分
子中に2個以上の一級あるいは二級アミノ基を有し、水
性媒体中に溶解もしくは分散可能なものなら全て使用可
能である。多価アミンの例としては、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタ
ミン、1,3−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミンなどの脂肪族アミン、ピペラジンなどの脂環式多
価アミン、3,9−ビス−アミノプロピル−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ−[5,5]ウンデカン
などの複素環状ジアミンなどが挙げられる。添加される
多価アミンの固形分量は、使用する多価イソシアネート
の種類や量に応じて適宜設定されるが、多価イソシアネ
ートに対する重量比で0.01〜200が好ましく、
0.5〜100がさらに好ましい。
【0014】微小カプセルに内包される疎水性油性物質
の例としては、石油およびその留分例えばケロシン、ガ
ソリン、ナフサ、灯油ならびにパラフィン油、綿実油、
落花生油、亜麻仁油、大豆油、とうもろこし油、水素化
ターフェニル化合物、リン酸化合物、ビフェニル化合
物、ナフタレン化合物、メタン化合物、フタル酸化合
物、サリチル酸化合物などが挙げられ、これらが単独ま
たは混合して使用される。これらの天然鉱物油、動物
油、植物油および合成油中に、医薬、農薬、化成品、香
料、発色剤、顕色剤、触媒および防錆剤などを使用目的
に応じて適宜混合することも一向に差しつかえない。
【0015】変性PVAと多価イソシアネートの反応を
行う際の反応温度は、30〜99℃が好ましく、40〜
97℃がさらに好ましく、50〜95℃が特に好まし
い。微小カプセルの平均粒径は用途に応じて適宜選択さ
れるが、感圧記録シートに用いる場合、カプセルの重量
平均粒径としては0.5〜20μmが好ましく、1.0
〜15μmがさらに好ましく、1.5〜10μmが特に
好ましい。
【0016】
【実施例】本発明の微小カプセルの製造方法を実施例に
よりさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例および
比較例において「部」および「%」は、特に断らない限
り重量基準を意味する。また、変性PVAの表面張力、
カプセル製造中のエマルジョン乳化液の平均粒径および
微小カプセルの平均粒径、微小カプセルの耐熱性を表す
緻密性および耐コスレ性は、下記の方法で評価した。
【0017】(1)表面張力 変性PVAの20℃、1%水溶液を調製して60分間静
置した後、ウィルヘルミー法(プレート法)により、表
面張力を測定した。
【0018】(2)平均粒径 疎水性油性液を変性PVAなどで乳化したエマルジョン
の平均粒径ならびにこのエマルジョンを多価イソシアネ
ートと活性水素含有化合物との反応物(外殻)でカプセ
ル化した微小カプセルの平均粒径は、エマルジョンおよ
びカプセル含有液を蒸留水で希釈した後、電気泳動光散
乱光度計ELS800(大塚電子社製)により20℃で
測定した。
【0019】(3)外殻壁膜の緻密性 微小カプセル含有液をワイヤーバーで塗布量が3.5g
/m2 になるように紙上に塗布し乾燥させた微小カプセ
ル塗布紙を、105℃のオーブン中に24時間放置後、
微小カプセルに内包される油性物質のエタノールによる
抽出量(W1 )を測定した。次に、微小カプセル塗布紙
を熱処理(105℃のオーブン中に24時間放置)しな
いこと以外は上記と同様にして、微小カプセルに内包さ
れる油性物質のエタノールによる抽出量(W2 )を測定
した。下記の式により、緻密性を計算した。 緻密性(%)=(W1 /W2 )×100 尚、緻密性の良好なものは、その値が大きく、90%以
上であれば実用上緻密性に優れると言える。
【0020】(4)耐コスレ性 緻密性試験時に作製した微小カプセル塗布紙を2枚重ね
合わせ、手で10回擦り合わせ、呈色剤塗布面の発色汚
れの程度を判定した。 ◎:ほとんど汚れていない。 ○:僅かに汚れている。
【0021】実施例1 (エチレン変性PVAの製造)撹拌機、窒素導入口、エ
チレン導入口および開始剤添加口を備えた100リット
ルの加圧反応槽に、酢酸ビニル46.0kgおよびメタ
ノール28.8kgを仕込み、60℃に昇温した後30
分間窒素バブリングにより系中を窒素置換した。次いで
反応槽圧力が6kg/cm2 になるようにエチレンを導
入仕込みした。開始剤として2、2’ーアゾビス(4ー
メトキシー2、4ージメチルバレロニトリル)をメタノ
ールに溶解した濃度2.8g/リットル溶液を調製し、
窒素ガスによるバブリングを行って窒素置換した。反応
槽内温を60℃に調整した後、上記の開始剤溶液250
mlを注入し、重合を開始した。重合中はエチレンを導
入して反応槽圧力を6kg/cm2 に、重合温度を60
℃に維持し、上記の開始剤溶液を0.7リットル/hr
で連続添加した。6.5時間後に重合率が55%に達し
たところで冷却して重合を停止した。反応槽を解放して
脱エチレンした後、窒素ガスをバブリングして脱エチレ
ンを完全に行った。次いで減圧下に未反応酢酸ビニルモ
ノマーを除去し、メタノール溶液とした。35%に調整
した該溶液にモル比(NaOHのモル数/ポリ酢酸ビニ
ルの酢酸ビニル単位のモル数)0.08のNaOHメタ
ノール溶液(10%濃度)を添加してけん化することに
より、エチレン変性PVA(PVA−1とする)を得
た。得られた変性PVAのけん化度は98.1モル%で
あった。エチレン変性PVAの1%水溶液の表面張力は
55.6dyne/cmであった。
【0022】重合後、未反応酢酸ビニルモノマー除去し
て得られた変性ポリ酢酸ビニル(以下、PVAcと略記
する)のメタノール溶液を、nーヘキサンによる沈殿と
アセトンへの溶解する再沈−精製操作を3回行った後、
60℃で減圧乾燥して精製PVAcを得た。該PVAc
のアルカリ消費量を測定して求めたエチレン変性量は1
0モル%であった。上記のPVAcのメタノール溶液を
アルカリモル比0.2でけん化した後、メタノールソッ
クスレーを3日間実施し、次いで乾燥して精製PVAを
得た。変性PVAの平均重合度を常法のJIS K67
26に準じて測定したところ500であった。
【0023】(微小カプセルの調製および評価)PVA
−1の5%水溶液100部に、別途クリスタルバイオレ
ットラクトン4.0部、ベンゾイルロイコメチレンブル
ー1.0部、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート
5部および2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソ
シアネートヘキサノエート1部をジイソプロピルナフタ
レン100部に90℃,1時間加熱溶解して得た染料油
を添加し攪拌混合した後、ホモミキサーを用いて100
V、9000rpmの条件下2分間乳化させて、O/W
型エマルジョンを得た。このエマルジョンを蒸留水で希
釈した後、電気泳動光散乱光度計ELS800(大塚電
子社製)にて測定した平均粒径は4.5μmであった。
このエマルジョンを攪拌しながら、ジエチレントリアミ
ン1部を添加し、90℃に昇温し3時間のカプセル化反
応を行った後、系の温度を室温に下げることにより、発
色剤オイルを内包する微小カプセルの水性分散液が得ら
れた。反応中の発泡はほとんどなく、反応終了後の反応
容器への付着もほとんどなかった。微小カプセルの平均
粒径を測定した結果、4.7μmであった。微小カプセ
ルの外殻壁膜の緻密性は96%、耐コスレ性は呈色剤塗
布面の発色汚れはほとんどなく、いずれの試験結果も良
好であった。
【0024】実施例2〜7 酢酸ビニルおよびメタノールの量ならびにエチレン圧
力、コモノマーの使用、重合時間および重合率を変更す
る以外は実施例1と同様の操作、精製および分析を行
い、表1に示すエチレン変性PVAを得た。実施例1で
用いたPVA−1を表1に示すPVA系重合体に変える
以外は、実施例1と同様にして微小カプセルを調製し得
られたカプセルの評価を行った。その結果を併せて表2
に示す。
【0025】比較例1〜4 実施例1で用いたPVA−1を表1に示すPVA系重合
体に変える以外は、実施例1と同様にして微小カプセル
を調製し得られたカプセルの評価を行った。表1に示す
PVA−11は、表1に示すPVA−10と同一の重合
度、けん化度を有し、酢酸残基をブロック的にしたもの
である。その結果を併せて表2に示した。
【0026】
【表1】
【0027】1)IA:イタコン酸 2)AMPS:アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸ソーダ
【0028】
【表2】
【0029】(発泡) ◎:ほとんど発泡なし ○:僅かに発泡あり △:かなり発泡あり ×:激しく発泡 (スケール付着) ◎:ほとんど付着なし ○:僅かに付着あり △:かなり付着あり
【0030】
【発明の効果】本発明の製造方法は、変性PVAの乳化
性および保護コロイド性が高いため、比較的けん化度が
高いものも使用することができ、発泡およびスケール付
着がほとんどなく作業性に優れ、且つ粒径が小さく、緻
密性および耐コスレ性に優れたカプセルが得られる。本
発明の製造方法により得られる微小カプセルは、香料、
医薬品、染料、顔料、燃料、農薬、接着剤、溶剤、液
晶、その他多くのものに適用可能で、とりわけ感圧複写
紙、印刷インキの用途に有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン単位含有量1〜24モル%の変
    性ポリビニルアルコールを含有する水性媒体中におい
    て、疎水性油性液体の乳化分散を行うと共に乳化分散さ
    せた疎水性油性液体の周囲に多価イソシアネートと活性
    水素含有化合物を反応させることにより外殻を形成させ
    ることを特徴とする微小カプセルの水性分散液の製造方
    法。
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