JPH10139602A - 害虫忌避剤 - Google Patents

害虫忌避剤

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JPH10139602A
JPH10139602A JP30334096A JP30334096A JPH10139602A JP H10139602 A JPH10139602 A JP H10139602A JP 30334096 A JP30334096 A JP 30334096A JP 30334096 A JP30334096 A JP 30334096A JP H10139602 A JPH10139602 A JP H10139602A
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decadienal
filter paper
trans
pests
repellent
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JP30334096A
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Mitsuhiro Nishida
光広 西田
Shin Kou
臻 黄
Ryohei Yamaoka
亮平 山岡
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸血害虫、不衛生害虫、衣類害虫、貯穀害
虫、アリなどの各種の害虫に対して、忌避効果とその持
続性にすぐれた害虫忌避剤を提供する。 【解決手段】 害虫忌避剤の有効成分として、2,4−
デカジエナ―ルまたはこれと炭素数4〜16の飽和アル
デヒド類とを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種害虫の飛来、
接近、侵入、汚染などを回避するための害虫忌避剤に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、一般家屋やビルの冷暖房施設の普
及などによる住環境の変化は、一年を通じて、ゴキブ
リ、ハエ、ダニ、アリ、蚊、カツオブシ虫などの不衛生
害虫または衣類害虫にとつて、棲息活動に適した環境を
つくりだし、これら害虫を繁殖させる原因になつてい
る。これに伴い、上記害虫の防除が問題となつており、
上記害虫を有効に防除する方法の開発が強く求められて
いる。
【0003】従来より、ゴキブリなどの各種不衛生害虫
を防除する方法には、たとえば、ピレスロイド系殺虫剤
を散布する方法や、各種の捕虫器具などを用いることに
より、害虫の撲滅をはかる方法が知られている。殺虫や
捕虫を行う、これらの方法により、害虫による食害や吸
血などの被害をある程度防止できる。
【0004】しかしながら、たとえば、台所、畜舎、水
屋、タンスなどの家具内、または人体、農作物などの動
植物体への害虫の飛来、接近、侵入、汚染などを回避で
きるものではなく、十分な駆除効果は発揮しえない。し
かも、上記の方法では、殺虫や捕虫後の害虫の処理が必
要となり、ことに家具内などへ侵入後に死ぬ害虫の処理
は困難であるばかりでなく、むしろ汚染源となる弊害が
ある。
【0005】一方、上記の害虫の飛来、侵入などを防止
する害虫駆除方法として、害虫忌避剤を用いる方法が知
られている。たとえば、N,N−ジエチル−m−トルア
ミドをはじめとする数種の物質が、スプレ―、ロ―シヨ
ン、クリ―ムなどの形態で、蚊、のみ、ナンキン虫、サ
シバエなどの吸血害虫に対する忌避剤として、すでに一
般に広く使用されている。
【0006】また、従来から、天然物からの抽出物、天
然精油または精油を構成するある種のテルペノイド類な
どが忌避剤として提案されている。たとえば、ニ―ムの
有機溶媒または含水有機溶媒抽出物(特公昭62−61
562号公報)、センブリ植物のエ―テル抽出液(特開
昭62−167720号公報)、アニス油および/また
はベイ油(特開昭63−150206号公報)、イチヨ
ウ葉抽出物(特開昭63−30402号公報)、タデ科
植物からの抽出物(特開昭63−166814号公
報)、ジヤタマンシ―および/またはスガンダ―コキラ
の精油(特開平3−232807号公報)、リナロ―
ル、ゲラニオ―ル、プレゴン、シトラ―ル、カルボン、
メント―ル、リナリルアセテ―ト、メントン、ピレリド
ン、シトロネロ―ル、ネロ―ル、シネロ―ルの1種また
は2種以上を含有してなるゴキブリ忌避剤(特公昭61
−15041号公報)、テルペノイドモノマ―、テルペ
ノイドオリゴマ―、コオリゴマ―と、これらテルペンモ
ノマ―とフエノ―ル、ビニ―ル、スチレン、マレイン酸
系モノマ―との低共重合化合物の混用を主体としたもの
(特開平4−288003号公報)、さとうきび抽出物
を有効成分として含有する害虫忌避剤(特開平6−17
2118号公報)などが提案されている。
【0007】また、これらのほかにも、安息香酸を主成
分とするもの(特開平2−200603号公報)、ビス
(2,3,3,3−テトラクロロプロピル)エ―テルを
有効成分とするもの(特開平3−15703号公報)、
2,2−ジメチル−5−フエニル−2(H)−3−フラ
ノンを有効成分とするもの(特開平3−232803号
公報)、チオシアノ酢酸イソボニルを有効成分とするも
の(特開平1−308213号公報)、直鎖アルキル基
を有するヒドロキシエステル類を有効成分とするもの
(特開平3−151308号公報)など、数多くの物質
が害虫忌避剤として提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の害虫忌避剤は、各種害虫類に対して必ずしも満足の
いく忌避効果を発揮するものではなく、十分な効力を有
するものは非常に少なかつた。実用的に供されているの
は、N,N−ジエチル−m−トルアミドなどがあるのみ
であり、これについても適用範囲が狭く、わずかに数種
の吸血害虫類に対してのみに利用されているにすぎず、
ゴキブリ、ハエ、ダニなどにも有効なよりすぐれた害虫
忌避剤の開発が望まれている。
【0009】本発明は、このような事情に照らし、吸血
害虫、不衛生害虫、衣類害虫、貯穀害虫、アリなどの各
種の害虫に対して、忌避効果とその持続性にすぐれた害
虫忌避剤を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために、鋭意検討した結果、特定の不飽和
アルデヒドが各種害虫に対してすぐれた忌避効果を示
し、またこの不飽和アルデヒドとともに特定の飽和アル
デヒドを併用することによりさらに忌避効果を増大でき
ることを知り、本発明を完成するに至つた。
【0011】すなわち、本発明は、2,4−デカジエナ
―ルを有効成分として含有することを特徴とする害虫忌
避剤(請求項1)と、2,4−デカジエナ―ルと炭素数
4〜16の飽和アルデヒド類とを有効成分として含有す
ることを特徴とする害虫忌避剤(請求項2)とに係るも
のである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に用いる2,4−デカジエ
ナ―ルは、分子内に炭素−炭素不飽和二重結合を2個有
する不飽和アルデヒドであり、幾可異性体であるci
s,cis体、cis,trans体、trans,c
is体、trans,trans体のいずれの化合物で
あつてもよく、これらの幾可異性体のいずれか1種を単
独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
【0013】本発明の害虫忌避剤は、上記の2,4−デ
カジエナ―ルを有効成分として多くの害虫に対しすぐれ
た忌避効果を発揮するが、上記の2,4−デカジエナ―
ルとともに炭素数4〜16の飽和アルデヒド類を併用す
ることにより、さらに強力な忌避効果を発揮させること
ができる。上記の飽和アルデヒド類の中でも、炭素数8
〜12のもの、すなわち、オクタナ―ル、ノナナ―ル、
デカナ―ル、ウンデカナ―ルおよびドデカナ―ルがとく
に好ましい。このような飽和アルデヒド類は、その1種
を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、炭素数が4未満および16を超える飽和アルデヒ
ドを用いたのでは、併用による忌避効果の増大効果はほ
とんどみられない。
【0014】炭素数4〜16の飽和アルデヒド類を併用
する場合、これと2,4−デカジエナ―ルとの混合比率
は、2,4−デカジエナ―ル1重量部に対して、炭素数
4〜16の飽和アルデヒド類が通常0.1〜500重量
部、好ましくは1〜200重量部となるようにするのが
よい。炭素数4〜16の飽和アルデヒド類の使用量が過
少では、併用による忌避効果の増大効果が認められず、
また過多になると、2,4−デカジエナ―ルによる忌避
効果がかえつて低下する。
【0015】本発明の害虫忌避剤は、そのままの形態で
も十分使用することができるが、適当な溶媒に溶解また
は分散させ、あるいは適当な担体に吸着または混合して
使用することもできる。さらに所望により乳化剤、展開
剤、浸透剤、分散剤、懸濁剤、湿潤剤、安定剤などを添
加し、油剤、乳剤、水和剤、粉剤や錠剤などの固剤、噴
霧剤などの剤型で使用することができる。
【0016】溶媒としては、たとえば、水、メタノ―
ル、エタノ―ル、エチレングリコ―ル、プロピレングリ
コ―ル、ポリエチレングリコ―ル、ポリプロピレングリ
コ―ル、グリセリン、ポリグリセリンなどのアルコ―ル
類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ジ
オキサン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブなど
のエ―テル類;ガソリン、ケロシン、灯油などの炭化水
素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化
水素類;クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン
化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル
類;その他ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジ
メチルスルホキシドなどの有機溶媒類;大豆油、菜種
油、オリ―ブ油、サフラワ―油、コ―ン油などの植物性
油脂;牛脂、豚脂、いわし油などの動物性油脂類などが
挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で用いても、
2種以上を混合して用いてもよい。
【0017】担体としては、たとえば、木粉、澱粉、デ
キストリン、小麦粉、大豆粉などの植物性粉末;カオリ
ン、モンモリロナイト、ベントナイト、酸性白土、珪藻
土、タルク、アルミナなどが挙げられる。また、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリエステルなどの合成樹脂;
紙、布、不織布、皮革などの動植物質も利用することが
できる。本発明の害虫忌避剤をこれら担体に保持させる
手段は、とくに制約はなく、たとえば、塗布、含浸、滴
下、混練などにより行うことができる。
【0018】上記以外の担体として、たとえば、トリシ
クロデカン、シクロドデカン、2,4,6−トリイソプ
ロピル−1,3,5−トリオキサン、トリメチレンノル
ボルネンなどの昇華性担体や、パラジクロロベンゼン、
ナフタリン、樟脳などの昇華性防虫剤を用い、これらに
本発明の害虫忌避剤を溶解混合または擂潰混合後、成形
して、昇華性固剤とすることもできる。
【0019】乳化剤、展開剤、浸透剤などとしては、石
鹸類、高級アルコ―ルの硫酸エステル類、アルキルスル
ホン酸塩、第四級アンモニウム塩、ポリアルキレンオキ
シド系などの界面活性剤類が挙げられる。その他所望に
より、カゼイン、ゼラチン、アラビアガム、アルギン酸
またはその塩類、カルボキシメチルセルロ―ス(CM
C)、ポリビニルアルコ―ル(PVA)などの増粘賦形
剤;しよ糖、グルコ―スなどの糖類;アミノ酸類、有機
酸塩類などを配合してもよい。
【0020】本発明の害虫忌避剤を用いるにあたり、
2,4−デカジエナ―ルの使用量は、単独使用の場合と
飽和アルデヒド類との併用系の場合で異なり、また害虫
忌避剤の剤型、適用方法および適用場所などにより相違
するため、各ケ―スに応じて適宜に決定すればよい。た
とえば、水和剤や乳剤の形態で用いる場合、各剤1gに
対し、2,4−デカジエナ―ルの使用量が、単独使用で
0.05〜500μg、好ましくは0.2〜50μg、
飽和アルデヒド類との併用系で0.01〜100μg、
好ましくは0.1〜10μgとなるようにするのがよ
い。
【0021】適用量は、塗布などにより忌避区域を設定
する場合、表面濃度として、1cm2あたり、2,4−デ
カジエナ―ルの使用量が、単独使用で0.01μg以
上、好ましくは0.05〜50μg、飽和アルデヒド類
との併用系で0.005μg以上、好ましくは0.01
〜10μgとなるようにするのがよい。エアゾ―ル剤な
どの場合、適用空間1m3あたり、2,4−デカジエナ―
ルの使用量が、単独使用で0.05μg以上、飽和アル
デヒド類との併用系で0.01μg以上となるようにす
るのがよい。また、担体に吸着させる場合、担体1gに
対し、2,4−デカジエナ―ルの使用量が、単独使用で
0.02〜500μg、飽和アルデヒド類との併用系で
0.01〜100μgとなるようにするのがよい。
【0022】本発明の害虫忌避剤の対象となる害虫とし
ては、たとえば、ゴキブリ、ハエなどの不衛生害虫、
蚊、のみ、ダニ、アブ、シラミなどの吸血害虫、イガ、
コイガ、ジユウタンガ、ヒメマルカツオブシ虫、ヒメカ
ツオブシ虫などの衣類害虫、コクゾウ虫、コクヌストモ
ドキなどの貯穀害虫、その他アリ、シロアリなどの害虫
を挙げることができる。
【0023】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。
【0024】実施例1 10mgの2,4−デカジエナ―ルをジエチルエ―テル1
リツトルに溶解し、ここに保持剤としてジエチルエ―テ
ルに対して5重量%のグリセリンを添加して検体溶液を
調製した。この検体溶液を1ml、4mlおよび10ml取
り、2.2cm×24.1cmのろ紙片(ADVANTEC
H TOYO製、No1)にそれぞれ均一に塗布し、処
理区とした。塗布量は、ろ紙片1cm2 あたりに換算して
2,4−デカジエナ―ルが0.2μg、0.8μgおよ
び2.0μgである。対照として、同様のろ紙片にジエ
チルエ―テルのみを塗布し、無処理区とした。室温で約
10分間風乾してジエチルエ―テルを除去し、試験用ろ
紙片を調製した。
【0025】これらの試験用ろ紙片を3片ずつ用意し、
処理区と無処理区を交互に並べ、15cm×20cm×0.
2cmのガラス板に固定した。この試験用ろ紙片を固定し
たガラス板の上に、40個の小室を持つ11cm×18cm
×2cmのポリスチレン製格子を、各小室が中央から処理
区と無処理区とに分割されるように置き、これらの各小
室内にチヤバネゴキブリ(Blattella ger
manica)の一齢幼虫を一匹ずつ入れ、ガラス板で
蓋をし、25℃の暗室内で1時間放置した。
【0026】放置後、各小室内の処理区または無処理区
に留まつているゴキブリ数(全数:チヤバネゴキブリ一
齢幼虫40頭)によつて、忌避効果を判定した。試験に
は、調製後すぐのろ紙片(0日後)と、調製後7日間経
過したろ紙片(7日後)を用いて、各々2回ずつ行い、
下記の式により、忌避効果を算出し、2回の平均値を求
めた。結果は、表1に示されるとおりであつた。
【0027】
【0028】実施例2 実施例1と同様にして試験用ろ紙片を調製し、供試虫に
ヤマトシロアリ(Reticulitermes sp
eratus)の職蟻200頭を用い、各小室に5頭ず
つ入れるようにした以外は、実施例1と同様に試験を行
つた。25℃の暗室内で1時間放置後、各小室内の処理
区または無処理区に留まつているシロアリ数(全数:ヤ
マトシロアリ職蟻200頭)によつて、忌避効果を判定
した。試験には、調製後すぐのろ紙片(0日後)と、調
製後7日間経過したろ紙片(7日後)を用いて、各々2
回ずつ行い、実施例1で示した式により、忌避効果を算
出し、2回の平均値を求めた。結果は、表2に示される
とおりであつた。
【0029】
【0030】実施例3 10mgの2,4−デカジエナ―ルに代えて、1mgの2,
4−デカジエナ―ルと50mgのオクタナ―ルを用いた以
外は、実施例1と同様にして、試験用ろ紙片を調製し
た。ろ紙片への塗布量は、ろ紙片1cm2 あたりに換算し
て、2,4−デカジエナ―ルが0.02μg、0.08
μgおよび0.20μgであり、オクタナ―ルが1.0
μg、4.0μgおよび10.0μgである。
【0031】この試験用ろ紙片を用いて、実施例1と同
様に試験を行い、25℃の暗室内で1時間放置後、各小
室内の処理区または無処理区に留まつているゴキブリ数
(全数:チヤバネゴキブリ一齢幼虫40頭)によつて、
忌避効果を判定した。試験には、調製後すぐのろ紙片
(0日後)と、調製後7日間経過したろ紙片(7日後)
を用いて、各々2回ずつ行い、実施例1で示した式によ
り、忌避効果を算出し、2回の平均値を求めた。結果
は、表3に示されるとおりであつた。
【0032】
【0033】実施例4 10mgの2,4−デカジエナ―ルに代えて、1mgの2,
4−デカジエナ―ルと50mgのデカナ―ルを用いた以外
は、実施例1と同様にして、試験用ろ紙片を調製した。
ろ紙片への塗布量は、ろ紙片1cm2 あたりに換算して、
2,4−デカジエナ―ルが0.02μg、0.08μg
および0.20μgであり、デカナ―ルが1.0μg、
4.0μgおよび10.0μgである。
【0034】この試験用ろ紙片を用い、実施例2と同様
に試験を行つた。25℃の暗室内で1時間放置後、各小
室内の処理区または無処理区に留まつているシロアリ数
(全数:ヤマトシロアリ職蟻200頭)によつて、忌避
効果を判定した。試験には、調製後すぐのろ紙片(0日
後)と、調製後7日間経過したろ紙片(7日後)を用い
て、各々2回ずつ行い、実施例1で示した式により、忌
避効果を算出し、2回の平均値を求めた。結果は、表4
に示されるとおりであつた。
【0035】
【0036】実施例5 実施例1と同様の検体溶液を2.5ml、10mlおよび2
5ml取り、これらを直径12.5cmの円形ろ紙片(Wh
atman製、No2)にそれぞれ均一に塗布し、処理
区とした。塗布量は、ろ紙片1cm2 あたりに2,4−デ
カジエナ―ルが0.02μg、0.08μgおよび0.
20μgである。対照として、同様のろ紙片にジエチル
エ―テルのみを塗布し、無処理区とした。室温で約10
分間風乾してジエチルエ―テルを除去し、試験用ろ紙片
を調製した。
【0037】これら2枚のろ紙片を一対とし、その各々
に水を含ませた脱脂綿と角砂糖1個をのせ、35cm×2
5cm×5cmのプラスチツク容器内に、重ならないように
並べた。処理区と無処理区の各ろ紙片上に、10cm×6
cm×2.5cmのクラフト紙製の箱をかぶせた。これらの
箱は、処理区にはろ紙片と同一の濃度となるように実施
例1と同様の検体溶液を塗布し、無処理区にはジエチル
エ―テルを塗布した。これらを室温にて約10分間風乾
して、ジエチルエ―テルを除去したのち、クロヤマアリ
(Formica japonica)200頭を、上
記のプラスチツク容器内に入れた。
【0038】なお、箱の側面低部には、5cm×1cmのア
リの侵入口を開け、処理区、無処理区の侵入口を向い合
わせて設置した。また、アリの逃亡を防止するため、プ
ラスチツク容器の内壁上部には薄くタルクを塗つて用い
た。ろ紙片と箱の設置後、6時間および24時間放置
し、各時間経過した時点で、各ろ紙片上および箱の内部
に留まつているアリ数(全数:クロヤマアリ200頭)
を求め、つぎの式により、忌避効果を判定した。結果
は、表5に示されるとおりであつた。
【0039】
【0040】実施例6 エタノ―ル1リツトルに、2,4−デカジエナ―ル10
mg、50mgおよび200mgと、2,4−デカジエナ―ル
の25倍量のウンデカナ―ル(250mg、750mgおよ
び5.0g)を溶解し、これに保持剤としてエタノ―ル
に対し5重量%のグリセリンを添加して、検体溶液をそ
れぞれ調製した。各検体溶液中の2,4−デカジエナ―
ルの含有量は、それぞれ1ppm、5ppmおよび20
ppmであり、またウンデカナ―ルの含有量は、それぞ
れ25ppm、125ppmおよび500ppmであ
る。
【0041】これらの検体溶液3mlを脱脂綿に浸み込ま
せ、被験者の片方の腕の肘から手首の間に塗布して、処
理区とした。また、対照として、他方の腕にエタノ―ル
のみを同様に塗布して、無処理区とした。塗布直後と塗
布後2時間経過したのち、被験者の両方の腕の肘から先
の部分を、雌アカイエカ約50頭を放した、60cm×5
0cm×45cmのプラスチツク容器内に入れた。その際、
手についてはゴム製手袋で保護した。5分間観察し、吸
血のため腕に静止した雌成虫の数から、つぎの式によ
り、忌避効果を判定した。結果は、表6に示されるとお
りであつた。
【0042】
【0043】なお、上記の実施例6において、エタノ―
ル1リツトルにウンデカナ―ルのみ(750mg)を溶解
し、これに保持剤としてエタノ―ルに対し5重量%のグ
リセリンを添加してなる検体溶液を調製し、これを用い
て上記の実施例6と同様の試験を行つた。忌避効果は、
塗布直後で0%、塗布2時間後で2%であつた。この試
験結果からもわかるように、2,4−デカジエナ―ルを
用いず、ウンデカナ―ルだけを用いても、忌避効果はほ
とんど得られない。
【0044】実施例7 湿式トラツプを用いて、野外試験を行つた。ジエチルエ
―テル1リツトルに、2,4−デカジエナ―ル10mg、
50mgおよび200mgと、2,4−デカジエナ―ルの1
5倍量のウンデカナ―ル(150mg、750mgおよび
3.0g)を溶解し、これに保持剤としてエタノ―ルに
対し5重量%のグリセリンを添加して、検体溶液をそれ
ぞれ調製した。各検体溶液中の2,4−デカジエナ―ル
の含有量は、それぞれ1ppm、5ppmおよび20p
pmであり、またウンデカナ―ルの含有量は、それぞれ
15ppm、75ppmおよび300ppmである。
【0045】市販のキヤツトフ―ド(カルカンまぐろ、
輸入元マスタ―フ―ズ社)を用い、この飼料10gに対
し、上記の各検体溶液を1ml塗布し、処理区とした。ま
た、対照として、ジエチルエ―テルのみを1ml塗布し、
無処理区とした。これらをよく練り込んで均一に混合し
たのち、室温で約10分間風乾してジエチルエ―テルを
除去し、処理区および無処理区の飼料を調製した。
【0046】野外に、調製後すぐの飼料および調製後1
0日間経過後の飼料を置いたトラツプを、各々1基ずつ
並べて設置し、8時間放置後、トラツプ中にかかつたハ
エ類の数を数え、下記の式にしたがつて、忌避効果を判
定した。結果は、表7に示されるとおりであつた。
【0047】
【0048】上記の表1〜表7の結果から明らかなよう
に、本発明の実施例1〜7の害虫忌避剤は、ゴキブリ、
シロアリ、アリ、蚊、ハエなどの各種の害虫に対して、
すぐれた忌避効果とその持続性を示すものであることが
わかる。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明は、2,4−デカ
ジエナ―ルまたはこれと炭素数4〜16の飽和アルデヒ
ド類を有効成分としたことにより、吸血害虫、不衛生害
虫、衣類害虫、貯穀害虫、アリなどの各種の害虫に対し
て、忌避効果とその持続性にすぐれた、実用価値の高い
害虫忌避剤を提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2,4−デカジエナ―ルを有効成分とし
    て含有することを特徴とする害虫忌避剤。
  2. 【請求項2】 2,4−デカジエナ―ルと炭素数4〜1
    6の飽和アルデヒド類とを有効成分として含有すること
    を特徴とする害虫忌避剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011119048A1 (en) * 2010-03-26 2011-09-29 Ewos Innovation As Feed composition for preventing infection or infestation of a parasite in fish
US9326520B2 (en) 2006-03-03 2016-05-03 The University Court Of The University Of Aberdeen Pest repellent comprising geranylacetone

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