JPH10136478A - スピーカを内蔵した携帯用音響機器 - Google Patents

スピーカを内蔵した携帯用音響機器

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JPH10136478A
JPH10136478A JP28989796A JP28989796A JPH10136478A JP H10136478 A JPH10136478 A JP H10136478A JP 28989796 A JP28989796 A JP 28989796A JP 28989796 A JP28989796 A JP 28989796A JP H10136478 A JPH10136478 A JP H10136478A
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JP28989796A
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Inventor
Masami Miyake
政美 三宅
Takanori Endo
貴則 遠藤
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】僅かな重量の増大で、携帯用磁気カード等を近
付けてもそのカード等の磁気情報を損なわない。 【解決手段】電気信号を増幅する増幅器を有する音響機
器本体12にスピーカ13が電気的に接続され、このス
ピーカ13が上記増幅器により増幅された電気信号を音
に変換する。少なくともスピーカ13の前面はスピーカ
カバー14により覆われ、スピーカカバー14のうちス
ピーカ13の前面に対向する位置にスピーカ13の発し
た音をスピーカカバー14の外部に通過させる音通過部
14aが形成される。スピーカカバー14は樹脂中に軟
磁性粉末を分散して形成され、スピーカカバー14の音
通過部14aが多数の小孔にて構成される。またスピー
カカバー14に含まれる軟磁性粉末が扁平に形成されか
つ層状に配向される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スピーカを内蔵し
た携帯用カセットレコーダや携帯用ラジオ等の携帯用音
響機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図5に示すように、電気信号を増
幅する増幅器を有する音響機器本体2にスピーカ3が電
気的に接続され、このスピーカ3が増幅器により増幅さ
れた電気信号を音に変換し、少なくもスピーカ3の前面
が樹脂製のスピーカカバー4により覆われ、更にスピー
カカバー4のうちスピーカ3の前面に対向する位置に形
成された音通過部4aがスピーカ3の発した音をスピー
カカバー4の外部に通過させるように構成されたスピー
カを内蔵した携帯用音響機器1が知られている。この携
帯用音響機器1では、音響機器本体2がケース6に収納
された状態でこのケース6に取付けられ、スピーカカバ
ー4がケース6に図示しないビス等により取付けられ
る。このように構成された携帯用音響機器1では、スピ
ーカ3から音を発せずイヤホン(図示せず)を接続して
個人的に音楽等を鑑賞したり、或いはスピーカ3から音
を発して多人数にて音楽等を鑑賞したりできるようにな
っている。また上記携帯用音響機器1は軽量かつコンパ
クトに形成されているので、衣類のポケットに収納で
き、その持ち運びが極めて容易になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年、携帯用磁
気カード、例えば定期券、キャッシュカード、クレジッ
トカード又はその他各種プリペイドカード、或いは切符
等の磁気情報が記録された磁気記録媒体が益々増加する
傾向にある。しかし、これらのカード等を衣類のポケッ
トに上記携帯用音響機器と一緒に入れると、スピーカカ
バーが樹脂により形成されているため、スピーカの磁石
の強い磁力により上記カード等の磁気情報が損なわれ、
カード等が使用できなくなる恐れがあった。この点を解
消するために、スピーカカバーをけい素鋼板等の軟磁性
金属板により形成することが考えられるが、スピーカカ
バーとして金属板を用いると、携帯用音響機器の重量が
増大する問題点があった。本発明の目的は、僅かな重量
の増大で、携帯用磁気カード等を近付けてもそのカード
等の磁気情報を損なうことがない、スピーカを内蔵した
携帯用音響機器を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すように、電気信号を増幅する増幅器を有する
音響機器本体12と、音響機器本体12に電気的に接続
され増幅器により増幅された電気信号を音に変換するス
ピーカ13と、少なくもスピーカ13の前面を覆うスピ
ーカカバー14と、スピーカカバー14のうちスピーカ
13の前面に対向する位置に形成されスピーカ13の発
した音をスピーカカバー14の外部に通過させる音通過
部14aとを備えたスピーカを内蔵した携帯用音響機器
の改良である。その特徴ある構成は、スピーカカバー1
4が樹脂又はゴム中に軟磁性粉末を分散して形成された
ところにある。この請求項1に係るスピーカを内蔵した
携帯用音響機器では、スピーカカバー14中に分散され
た軟磁性粉末がスピーカ13の強い磁力をシールドする
ので、スピーカカバー14の外面に携帯用磁気カード等
を近付けても、このカード等の磁気情報は損なわれな
い。
【0005】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、更に図1に示すように、スピーカカバー1
4の音通過部14aが多数の小孔又はスリットにて構成
されたことを特徴とする。この請求項2に係るスピーカ
を内蔵した携帯用音響機器では、スピーカ13の発した
音が音通過部14aである多数の小孔又はスリットをス
ムーズに通過するので、音が変質しない。
【0006】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
係る発明であって、更に図1に示すように、スピーカカ
バー14に含まれる軟磁性粉末が扁平に形成されかつ層
状に配向されたことを特徴とする。この請求項3に係る
スピーカを内蔵した携帯用音響機器では、スピーカカバ
ー14内の軟磁性粉末を扁平にかつ層状に配向したの
で、スピーカカバー14の磁気特性が向上し、スピーカ
カバー14の磁気シールドとしての機能が向上する。
【0007】請求項4に係る発明は、図2に示すよう
に、電気信号を増幅する増幅器を有する音響機器本体1
2と、音響機器本体12に電気的に接続され増幅器によ
り増幅された電気信号を音に変換するスピーカ13と、
少なくもスピーカ13の前面を覆う樹脂製のスピーカカ
バー54と、スピーカカバー54のうちスピーカ13の
前面に対向する位置に形成されスピーカ13の発した音
をスピーカカバー54の外部に通過させる音通過部54
aとを備えたスピーカを内蔵した携帯用音響機器の改良
である。その特徴ある構成は、スピーカ13の前面とス
ピーカカバー54との間に軟磁性粉末を樹脂又はゴム中
に分散して形成された磁気シールド部材55が介装され
たところにある。この請求項4に係るスピーカを内蔵し
た携帯用音響機器では、磁気シールド部材55中に分散
された軟磁性粉末がスピーカ13の強い磁力をシールド
するので、スピーカカバー54の外面に携帯用磁気カー
ド等を近付けても、このカードの磁気情報が損なわれな
い。
【0008】請求項5に係る発明は、請求項4に係る発
明であって、更に図2に示すように、スピーカカバー5
4の音通過部54aが多数の小孔又はスリットにて構成
され、多数の小孔54a又はスリットにそれぞれ対向し
て磁気シールド部材55に多数の挿通孔55a又は長孔
が形成されたことを特徴とする。この請求項5に係るス
ピーカを内蔵した携帯用音響機器では、スピーカ13の
発した音が磁気シールド部材55の挿通孔55a又は長
孔及びスピーカカバー54の小孔54a又はスリットを
スムーズに通過するので、音が変質しない。
【0009】請求項6に係る発明は、請求項4又は5に
係る発明であって、更に図2に示すように、磁気シール
ド部材55に含まれる軟磁性粉末が扁平に形成されかつ
層状に配向されたことを特徴とする。この請求項6に係
るスピーカを内蔵した携帯用音響機器では、磁気シール
部材55内の軟磁性粉末を扁平にかつ層状に配向したの
で、磁気シールド部材55の磁気特性が向上し、磁気シ
ールド部材55の磁気シールドとしての機能が向上す
る。
【0010】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて詳しく説明する。図1に示すように、携帯用音
響機器11はこの実施の形態では携帯用カセットレコー
ダであり、電気信号を増幅する増幅器を有する音響機器
本体12と、音響機器本体12に電気的に接続されたス
ピーカ13と、少なくもスピーカ13の前面を覆うスピ
ーカカバー14と、スピーカカバー14のうちスピーカ
13の前面に対向する位置に形成された音通過部14a
とを備える。音響機器本体12は図示しないが上記増幅
器以外にカセットテープを収容するテープ収容部や、こ
のカセットテープを駆動するモータや、カセットテープ
に記録された磁気情報を読み取って電気信号に変換する
磁気ヘッド等を有する。また音響機器本体12は樹脂製
のケース16に収容された状態でこのケース16に取付
けられる。
【0011】スピーカ13はこの実施の形態ではコーン
形スピーカであり、複数の永久磁石(図示せず)により
構成されたスピーカ本体13aと、基端がスピーカ本体
13aに取付けられ先端に向って末広がりに形成された
フレーム13bと、フレーム13bと略相似形に形成さ
れフレーム13b内に収容されかつ先端がフレーム13
bの先端に固定された紙製のコーン(図示せず)と、先
端がコーンの基端を塞ぐようにコーンの基端に取付けら
れ基端が上記スピーカ本体13aの複数の永久磁石によ
り形成された磁界中に挿入されたセンタキャップ(図示
せず)と、センタキャップの基端外周面に固定されかつ
上記増幅器に電気的に接続された可動コイル(図示せ
ず)とを有する。またスピーカ13はスピーカカバー1
4の内面にビス(図示せず)により取付けられるか、或
いは接着剤(図示せず)により接着される。このスピー
カ13では、増幅器からの電気信号を可動コイルに流す
と、電磁誘導作用により可動コイルが変位する、即ち上
記電気信号の電流の変化に応じて可動コイルと一体のコ
ーンが動き、その動きが空気の疎密波となって音を発す
るようになっている。
【0012】スピーカカバー14の音通過部14aはこ
の実施の形態では多数の小孔であり、スピーカ13の発
した音はこれらの小孔14aを通過してスピーカカバー
14の外部に伝わるように構成される。またスピーカカ
バー14は樹脂中に軟磁性粉末を分散して形成される。
この軟磁性粉末には、鉄系及びコバルト系アモルファス
合金、パーマロイを始めとするNi−Fe合金、Ni−
Feを主成分としMo,Cr,Mn等の添加元素を含む
Ni−Fe系合金(パーマロイ系合金)、センダストと
呼ばれるFe−Si−Al系合金、Fe−Si系合金、
及びCr,Mn等の添加元素を加えたFe−Si系合金
等の粉末が挙げられる。スピーカカバー14は上記粉末
を樹脂中に高充填・高配合した複合材料により形成され
ることが好ましい。また軟磁性粉末の粒子径は樹脂と混
練、分散することから500μm以下、好ましくは30
0μm以下、更に好ましくは150μm以下が好まし
い。また粉末の表面積が増加すると高充填が困難になる
ため、粒径5μm以下の粉末が重量比で10%を越える
粉末は好ましくない。
【0013】粉末の形状は扁平状が好ましい。軟磁性粉
末を充填する樹脂は非磁性であるため粉末が互いに接触
しているか、或いは非常に接近していることが磁束漏れ
を防ぐ点で重要である。そのためには接触面積の大きい
扁平状或いは針状が好ましいが、針状粉はその取扱い及
び高充填することが困難な面がある。また扁平状粉末の
長手方向を磁束の流れる方向に揃えることにより、粉末
内部に発生する反磁場を小さくし、実効の透磁率を上げ
ることができる。このような効果はアスペクト比(粉末
の長径/短径比)が5以上から認められ、10以上で効
果が顕著である。このような粉末を配向させる方法に
は、成型時に磁場をかける方法や、プレスにより機械的
に配向させる方法がある。上記粉末を充填する樹脂に
は、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ABS樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミ
ド樹脂、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等
の熱硬化性樹脂を用いることができる。また、粉末を充
填する樹脂はこれらに限定されることはなく、天然の或
いは合成したゴムを用いてもよい。
【0014】なお、この実施の形態では、携帯用音響機
器として携帯用カセットレコーダを挙げたが、これに限
らず携帯用ラジオ又はその他のスピーカを内蔵した携帯
用音響機器でもよい。また、この実施の形態では、スピ
ーカとしてコーン形スピーカを挙げたが、ドーム形スピ
ーカ、ホーン形スピーカ等でもよい。また、この実施の
形態では、スピーカをスピーカカバーの内面に取付けた
が、スピーカをケース又は音響機器本体に取付けてもよ
い。更に、この実施の形態では、スピーカカバーの音通
過部を多数の小孔にて構成したが、多数のスリットにて
構成してもよい。
【0015】このように構成されたスピーカ13を内蔵
した携帯用カセットレコーダ11では、スピーカカバー
14の樹脂又はゴム中に分散された軟磁性粉末がスピー
カの強い磁力をシールドするので、スピーカカバー14
の外面に携帯用磁気カード(図示せず)等を近付けて
も、このカード等の磁気情報は損なわれない。またスピ
ーカカバー14に含まれる軟磁性粉末を扁平に形成しか
つ層状に配向したので、スピーカカバー14の磁気特性
が向上し、スピーカカバー14の磁気シールドとしての
機能が向上する。
【0016】図2は本発明の第2の実施の形態を示す。
図2において図1と同一符号は同一部品を示す。この実
施の形態では、携帯用カセットレコーダ51のスピーカ
カバー54が樹脂により形成され、スピーカ13の前面
とスピーカカバー54との間に軟磁性粉末を樹脂又はゴ
ム中に分散して形成された磁気シールド部材55が介装
されることを除いて、上記第1の実施の形態と同一に構
成される。磁気シールド部材55はスピーカカバー54
の内面に接着され、スピーカ13は磁気シールド部材5
5を介してスピーカカバー54にビス(図示せず)によ
り取付けられるか、或いは磁気シールド部材55に接着
剤(図示せず)により接着される。またスピーカカバー
54の音通過部54aは多数の小孔にて構成され、これ
らの小孔54aにそれぞれ対向して磁気シールド部材5
5に多数の挿通孔55aが形成される。挿通孔55aの
形状はスピーカ13の発した音質等を変化させないよう
にするために小孔54aの形状と同一に形成される。ま
た磁気シールド部材55を構成する軟磁性粉末及び樹脂
又はゴムは上記第1の実施の形態のスピーカカバーを構
成する軟磁性粉末及び樹脂又はゴムと同一に構成され
る。
【0017】なお、この実施の形態では、スピーカカバ
ーの音通過部を多数の小孔にて構成し、これらの小孔に
それぞれ対向して磁気シールド部材に多数の挿通孔を形
成したが、これに限らずスピーカカバーの音通過部を多
数のスリットにて構成し、これらのスリットにそれぞれ
対向して磁気シールド部材に多数の長孔を形成してもよ
い。このように構成されたスピーカ13を内蔵した携帯
用カセットレコーダ51では、磁気シールド部材55の
樹脂又はゴム中に分散された軟磁性粉末がスピーカ13
の強い磁力をシールドするので、スピーカカバー54の
外面に携帯用磁気カード(図示せず)等を近付けても、
このカード等の磁気情報は損なわれない。また磁気シー
ルド部材55に含まれる軟磁性粉末を扁平に形成しかつ
層状に配向したので、磁気シールド部材55の磁気特性
が向上し、磁気シールド部材55の磁気シールドとして
の機能が向上する。
【0018】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。 <実施例1>図1に示すように、携帯用カセットレコー
ダ11のスピーカ13の前面はスピーカカバー14によ
り覆われる。このスピーカカバー14は、150重量%
の粉末状ナイロン樹脂に、厚さ及び平均粒径がそれぞれ
5μm及び50μmの扁平状鉄系アモルファス粉末を8
50重量%混合した後、この混合物を射出成形すること
により、厚さが1.5mmの所定の形状に形成された。
このスピーカカバー14には上記射出成形時にスピーカ
13の前面に対向して直径が1.5mmかつ1cm2
たり16個の多数の小孔14aが形成された。このスピ
ーカカバー14の内面にスピーカ13と取付けた後、ス
ピーカカバー14をケース16に取付けた。このように
構成された携帯用カセットレコーダ11を実施例1とし
た。
【0019】<比較例1>図5に示すように、スピーカ
3の前面を樹脂製のスピーカカバー4により覆うことを
除いて、実施例1と同一に構成された携帯用カセットレ
コーダ1を比較例1とした。 <比較例2>図示しないが厚さ1.5mmのけい素鋼板
を用いて、実施例1のスピーカカバーと同一形状のスピ
ーカカバーを作製したことを除いて、実施例1と同一に
構成された携帯用カセットレコーダを比較例2とした。
【0020】<比較試験1及び評価>実施例1、比較例
1及び比較例2の携帯用カセットレコーダのスピーカカ
バーの外面近傍の磁束密度をそれぞれ測定した。また実
施例1、比較例1及び比較例2の携帯用カセットレコー
ダのスピーカカバーの重量をそれぞれ測定した。その結
果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1から明らかなように、実施例1の磁束
密度は比較例1の磁束密度の1/10と低減し、実施例
1のスピーカカバーの重量は比較例1より5gしか増加
しなかった。比較例2の磁束密度は比較例1の磁束密度
の1/150と大幅に低減したが、比較例2のスピーカ
カバーの重量は比較例1より18gも増大した。なお、
スピーカから発したの音の質は実施例1、比較例1及び
比較例2とも全く変わらなかった。
【0023】<比較試験2及び評価>図3に示すように
同一の磁気情報が記録された磁性粉の帯17aを有する
定期券17を2枚用意した。これらの定期券17を実施
例1及び比較例1の携帯用カセットレコーダに近付ける
前に、リーダライタ18の磁気ヘッドに沿って移動さ
せ、リーダライタ18に発生した電圧の変化を電圧計1
9により測定し、更にこの電圧の変化のピークからピー
クまでの値、即ちP−P値(図4)を測定した。次に2
枚の定期券17をそれぞれ実施例1及び比較例1の携帯
用カセットレコーダのスピーカカバーの外面にそれぞれ
3日間密着させた状態に保った後、これらの定期券17
を上記と同様にリーダライタ18の磁気ヘッドに沿って
移動させ(図3)、P−P値を測定した。この結果、比
較例1の携帯用カセットレコーダに密着した定期券のP
−P値は密着する前のP−P値に対して30%減少した
のに対し、実施例1の携帯用カセットレコーダに密着し
た定期券のP−P値は密着する前のP−P値と変わらな
かった。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、電
気信号を増幅する増幅器を有する音響機器本体にスピー
カを電気的に接続し、このスピーカが上記増幅器により
増幅された電気信号を音に変換し、少なくともスピーカ
の前面をスピーカカバーが覆い、スピーカカバーのうち
スピーカの前面に対向する位置にスピーカの発した音を
スピーカカバーの外部に通過させる音通過部を形成し、
更にスピーカカバーを樹脂又はゴム中に軟磁性粉末を分
散して形成したので、スピーカカバーの樹脂又はゴム中
に分散された軟磁性粉末がスピーカの強い磁力をシール
ドするので、スピーカカバーの外面に携帯用磁気カード
等を近付けても、このカード等の磁気情報は損なわれな
い。
【0025】またスピーカカバーをけい素鋼板等の軟磁
性金属板にて形成することにより、スピーカカバーの重
量が大幅に増大する改善された従来の携帯用音響機器と
比較して、本発明ではスピーカカバーの重量の増大は僅
かで済む。この結果、本発明の携帯用音響機器の重量の
増大も僅かで済む。またスピーカカバーの音通過部を多
数の小孔又はスリットにて構成すれば、スピーカの発し
た音が音通過部である多数の小孔又はスリットをスムー
ズに通過するので、音が変質することはない。またスピ
ーカカバーに含まれる軟磁性粉末を扁平に形成しかつ層
状に配向すれば、スピーカカバーの磁気特性が向上し、
スピーカカバーの磁気シールドとしての機能が向上す
る。
【0026】またスピーカの前面と樹脂製のスピーカカ
バーとの間に軟磁性粉末を樹脂又はゴム中に分散して形
成された磁気シールド部材を介装すれば、磁気シールド
部材の樹脂又はゴム中に分散された軟磁性粉末がスピー
カの強い磁力をシールドするので、スピーカカバーの外
面に携帯用磁気カード等を近付けても、このカードの磁
気情報が損なわれない。またスピーカカバーの音通過部
を多数の小孔又はスリットにて構成し、多数の小孔又は
スリットにそれぞれ対向して磁気シールド部材に多数の
挿通孔又は長孔を形成すれば、スピーカの発した音が磁
気シールド部材の挿通孔又は長孔及びスピーカカバーの
小孔又はスリットをスムーズに通過するので、音が変質
することはない。更に磁気シールド部材に含まれる軟磁
性粉末を扁平に形成しかつ層状に配向すれば、磁気シー
ルド部材の磁気特性が向上し、磁気シールド部材の磁気
シールドとしての機能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のスピーカを内蔵した携
帯用音響機器の断面図。
【図2】本発明の第2実施形態を示す図1に対応する断
面図。
【図3】定期券の磁気情報を記録した磁性粉の帯をリー
ダライタの磁気ヘッドに沿って移動させている状態を示
す構成図。
【図4】その定期券の磁気情報を記録した磁性粉の帯を
リーダライタの磁気ヘッドに沿って移動させたときにリ
ーダライタに発生した電圧の変化を示す図。
【図5】従来例を示す図1に対応する断面図。
【符号の説明】 11,51 携帯用カセットレコーダ(携帯用音響機
器) 12 音響機器本体 13 スピーカ 14,54 スピーカカバー 14a,54a 小孔(音通過部) 55 磁気シールド部材 55a 挿通孔

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気信号を増幅する増幅器を有する音響
    機器本体(12)と、前記音響機器本体(12)に電気的に接続
    され前記増幅器により増幅された電気信号を音に変換す
    るスピーカ(13)と、少なくも前記スピーカ(13)の前面を
    覆うスピーカカバー(14)と、前記スピーカカバー(14)の
    うち前記スピーカ(13)の前面に対向する位置に形成され
    前記スピーカ(13)の発した音を前記スピーカカバー(14)
    の外部に通過させる音通過部(14a)とを備えたスピーカ
    を内蔵した携帯用音響機器において、 前記スピーカカバー(14)が樹脂又はゴム中に軟磁性粉末
    を分散して形成されたことを特徴とするスピーカを内蔵
    した携帯用音響機器。
  2. 【請求項2】 スピーカカバー(14)の音通過部(14a)が
    多数の小孔又はスリットにて構成された請求項1記載の
    スピーカを内蔵した携帯用音響機器。
  3. 【請求項3】 スピーカカバー(14)に含まれる軟磁性粉
    末が扁平に形成されかつ層状に配向された請求項1又は
    2記載のスピーカを内蔵した携帯用音響機器。
  4. 【請求項4】 電気信号を増幅する増幅器を有する音響
    機器本体(12)と、前記音響機器本体(12)に電気的に接続
    され前記増幅器により増幅された電気信号を音に変換す
    るスピーカ(13)と、少なくも前記スピーカ(13)の前面を
    覆う樹脂製のスピーカカバー(54)と、前記スピーカカバ
    ー(54)のうち前記スピーカ(13)の前面に対向する位置に
    形成され前記スピーカ(13)の発した音を前記スピーカカ
    バー(54)の外部に通過させる音通過部(54a)とを備えた
    スピーカを内蔵した携帯用音響機器において、 前記スピーカ(13)の前面と前記スピーカカバー(54)との
    間に軟磁性粉末を樹脂又はゴム中に分散して形成された
    磁気シールド部材(55)が介装されたことを特徴とするス
    ピーカを内蔵した携帯用音響機器。
  5. 【請求項5】 スピーカカバー(54)の音通過部(54a)が
    多数の小孔又はスリットにて構成され、前記多数の小孔
    (54a)又はスリットにそれぞれ対向して磁気シールド部
    材(55)に多数の挿通孔(55a)又は長孔が形成された請求
    項4記載のスピーカを内蔵した携帯用音響機器。
  6. 【請求項6】 磁気シールド部材(55)に含まれる軟磁性
    粉末が扁平に形成されかつ層状に配向された請求項4又
    は5記載のスピーカを内蔵した携帯用音響機器。
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