JPH10135792A - フリップフロップ回路 - Google Patents

フリップフロップ回路

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JPH10135792A
JPH10135792A JP8299866A JP29986696A JPH10135792A JP H10135792 A JPH10135792 A JP H10135792A JP 8299866 A JP8299866 A JP 8299866A JP 29986696 A JP29986696 A JP 29986696A JP H10135792 A JPH10135792 A JP H10135792A
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data
differential
circuit
flip
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JP8299866A
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Taiichi Otsuji
泰一 尾辻
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配線寄生容量成分を削減する。 【解決手段】 マスタ側のデータ読込差動対XT1、X
T2のソースと、スレーブ側のデータ保持用差動対XT
15、XT16のソースを共通ノードAとする。また、
マスタ側のデータ保持用差動対XT4、XT5のソース
と、スレーブ側のデータ読込用差動対XT12、XT1
3のソースを共通ノードBとする。さらに、両ノード
A、Bをドレイン対とする単一のクロック入力差動対Q
1、Q2で第2レベル論理回路を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、データ読込用差動
論理回路とデータ保持用差動論理回路とを有し、クロッ
ク信号の入力に同期してデータ入力論理値を更新するフ
リップフロップ回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】クロック信号の入力に同期してデータ入
力論理値を更新するフリップフロップ回路は、論理回路
を構成する上で不可欠な要素回路として、あらゆる半導
体集積回路において使用されている。特に高速動作が必
要な用途では、エミッタ結合論理回路(ECL)やソー
ス結合FET論理回路(SCFL)などの論理回路が一
般的に用いられる。
【0003】差動型論理回路によるフリップフロップ回
路として考案された代表的な従来の回路構成を図7に示
す。このフリップフロップ回路は、最も汎用的ないわゆ
るマスタスレーブ型である。
【0004】図において、Rn(n=1〜4)は抵抗、
XTn(n=1〜17、20〜24)はトランジスタ、
XDn(n=1〜4)はダイオード、DT、DCは相補
入力データ、CC、CTは相補入力クロック、Q1T、
Q1Cは相補出力データ、VDDは高電位側電源、VS
Sは低電位側電源、VCSは制御信号である。
【0005】マスタ側となる初段のフリップフロップ
(XT1〜XT11)とスレーブ側となる次段のフリッ
プフロップ(XT12〜XT17、XT20〜XT2
4)が相補クロック信号CT、CCに応じて相反的に動
作し、相補入力データ信号DT、DCの保持/更新動作
が実現される。
【0006】この回路では、マスタ側、スレーブ側それ
ぞれにおいて、データ読込用差動対(XT1、XT2、
およびXT12、XT13)と、データ保持用差動対
(XT4、XT5、およびXT15、XT16)が、下
段のクロック入力用トランジスタ(XT3、XT6、X
T14、XT17)で電流切り替えされる構成となって
いる。
【0007】これに対して、図8に示す回路は、HLO
型フリップフロップ回路と呼ばれるものである。図にお
いて、Xn(n=1〜7)、XLn(n=1〜7)、X
Sn(n=1〜8)はトランジスタ、他は図7における
ものと同じである。ここでは、データ読込用差動対(X
1、X2、およびX3、X4)、データ保持用差動対
(XL1、XL2、およびXL3、XL4)のそれぞれ
において、マスタ・スレーブ間で電流切り替えを行う構
成となっている。
【0008】これによって、データ読込用差動対とデー
タ保持用差動対の各々の能動状態における電流量を個別
に調整できるため、データ保持用差動対の電流量を必要
最小限に絞ることによって、動作速度の向上が実現でき
る。図8には、保持用差動対を構成する電流量の小さい
トランジスタに記号*を付している。ただし、ここで
は、データ保持用差動対の電流量の削減に伴って、デー
タ保持時間が縮小し、一定のクロック周波数以下では動
作しない、いわゆるダイナミック動作となる。
【0009】このダイナミック動作を前提とした代表的
な回路構成が図9に示すクロックドインバータ型フリッ
プフロップと呼ばれる回路である。この回路は、前段ク
ロック制御付差動型インバータ回路と後段クロック制御
付差動型インバータ回路を縦属接続しており、両インバ
ータのクロック入力を相補的に行うことで、フリップフ
ロップと等価な動作を実現できる。
【0010】ちょうど、図7のマスタスレーブ型フリッ
プフロップ回路のデータ保持用差動論理回路を除去した
構成と一致している。データ保持時間はデータ信号のル
ープ遅延時間程度に制約されて、いわゆるダイナミック
動作となるものの、負荷抵抗(R1、R2、およびR
3、R4)の出力ノードに接続されるトランジスタの寄
生容量が図7の回路に比べて半減されるため、その分、
高速動作が実現可能である。
【0011】ダイナミック動作をさらに駆使した構成し
とて考案された回路を図10に示す。本回路は、スーパ
ーダイナミック型フリップフロップと呼ばれ、マスタ
側、スレーブ側において、データ読込用差動論理回路と
データ保持用差動論理回路の電流経路を分離し、データ
保持用差動論理回路の電流量をデータ読込用差動論理回
路のそれより小さくし、且つ、データ保持用差動論理回
路の差動対にソース結合帰還対(XL8、XL9、およ
びXL10、XL11)を縦続接続したものである。
【0012】この回路では、保持動作の開始と共にデー
タ保持用差動対(例えば、マスタ側ではXL1、XL
2)のドレイン電位がデータ入力に応じて論理ローレベ
ルもしくはハイレベルに移行し始めるのと同時に、ソー
ス結合帰還対(例えば、マスタ側ではXL8、XL9)
の正帰還作用によって両ドレイン電位を急峻に且つ強制
的に論理中間レベルに吸引せしめている。
【0013】これによって、スレーブ側のフリップフロ
ップでは、データ読込用差動対(X3、X4)の論理中
間レベルが実効的な論理ローレベル、データ保持用差動
対(XL3、XL4)の論理中間レベルが実効的な論理
ハイレベルとなり、本来の論理振幅より小さい振幅での
動作が実現できる。
【0014】加えて、本論理振幅の低減効果はトランジ
スタサイズを縮小することなく、換言すれば、電流駆動
力を低下させることなく得られるので、信号スルーレー
トの劣化を生じることがない。したがって、信号スルー
レートを劣化することなく、従来以上に論理振幅を低減
できるので、以上の各種の従来型回路構成の中で、最も
高速な動作が可能となる。
【0015】ここで、保持用差動対を有する図7、図
8、図10の3つの回路では、クロック入力の第2レベ
ル差動対が2対存在することにに注意されたい。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】フリップフロップ回路
の速度制限要因としては、次の2つが顕著である。第1
の要因は、素子間接続に必要な配線部分での寄生容量
と、伝搬遅延時間による速度劣化である。この点につい
ては素子数、およびノード数の削減が有効である。第2
の要因は、前記した第2レベル差動対の動作帯域にあ
る。以下、これについて説明する。
【0017】マスタスレーブ型フリップフロップ回路で
は、データ入力に関わる第1レベル差動対と、クロック
入力に関わる第2レベル差動対のうち、第2レベル差動
対の動作帯域が支配的で、最高動作ビットレート近傍ま
で比較的良好なリタイミング性能が得られる。すなわ
ち、データの入力タイミングに関わらず、第2レベル差
動対から入力されるクロックのタイミングによりデータ
出力タイミングが決定される。
【0018】ところが、図8〜図10に示す回路のよう
に、データ入力に関わる第1レベル差動対に対して帯域
改善が図られると、第2レベル差動対の速度制限による
リタイミング性能の劣化が見え始める。すなわち、クロ
ック入力による第1レベル差動対の電流切り替えが緩慢
になり、データ入力がすり抜けてしまう。
【0019】これは、フリップフロップ回路の基本機能
であるリタイミング効果が衰退し、それが動作速度の上
限を規制することを意味する。このクロック入力に関わ
る第2レベル差動対の帯域改善が、フリップフロップ回
路のリタイミング性能の向上と、更なる動作速度向上に
不可欠であるが、これを果たした回路構成は未だ出現し
ていない。
【0020】本発明の目的は、フリップフロップ回路に
おいて、素子間接続に必要な配線部分での寄生容量成分
と、第2レベル差動対の速度制限とによって、更なる動
作速度向上を図ることが困難であった点を解消すること
である。
【0021】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、データ読
込用差動対とデータ保持用差動対とを第1レベル差動論
理回路とし、クロック信号を入力する電流切替用差動対
を第2レベル差動論理回路とし、それらの縦積みによっ
てシリーズゲート型差動論理回路として構成され、且つ
前記クロック信号の入力に同期してデータ入力論理値を
更新するマスタスレーブ型フリップフロップ回路におい
て、マスタ側のデータ読込用差動対のソースノードとス
レーブ側のデータ保持用差動対のソースノードを第1の
共通ノードとし、スレーブ側のデータ読込用差動対のソ
ースノードとマスタ側のデータ保持用差動対のソースノ
ードを第2の共通ノードとし、前記第1、第2の共通ノ
ードをトレインノード対とする単一のクロック信号入力
用差動対で前記第2レベル理回路を構成して成るもので
ある。
【0022】第2の発明は、データ読込用差動対とデー
タ保持用差動対とを第1レベル差動論理回路とし、クロ
ック信号を入力する電流切替用差動対を第2レベル差動
論理回路とし、それらの縦積みによってシリーズゲート
型差動論理回路として構成され、且つ前記クロック信号
の入力に同期してデータ入力論理値を更新するマスタス
レーブ型フリップフロップ回路において、マスタ側のデ
ータ読込用差動対のソースノードとスレーブ側のデータ
保持用差動対のソースノードを第1の共通ノードとし、
スレーブ側のデータ読込用差動対のソースノードとマス
タ側のデータ保持用差動対のソースノードを第2の共通
ノードとし、相補クロック入力信号をゲート入力とする
第1、第2のトランジスタからなる第1の差動対と、該
第1のトランジスタのドレインノードをゲート入力とし
前記第1の共通ノードをドレインノードとする第3のト
ランジスタ、前記第2のトランジスタのドレインノード
をゲート入力とし前記第2の共通ノードをドレインノー
ドとする第4のトランジスタからなる第2の差動対と、
前記第1の共通ノードをゲート入力入力としソース出力
が第1の帰還抵抗を介して前記第3のトランジスタのゲ
ートに接続される第5のトランジスタと、前記第2の共
通ノードをゲート入力としソース出力が第2の帰還抵抗
を介して前記第4のトランジスタのゲートに接続される
第6のトランジスタと、を構成要素とする全帰還型差動
論理回路で第2レベル差動論理回路を構成して成るもの
である。
【0023】第3の発明は、第1又第2の発明におい
て、前記データ保持用差動対を含むデータ保持用差動論
理回路の電流量を前記データ読込用差動対を含むデータ
保持用差動論理回路のそれより小さくし、且つ前記デー
タ保持用差動論理回路のデータ保持用差動対にソース結
合帰還対を縦続接続したものである。
【0024】第4の発明は、第1又は第2の発明におい
て、前記データ保持用差動対を、前記データ保持用差動
対のゲート入力接続を反転して得られる負帰還差動対に
置換したものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]図1は本発明の第1の実施の形態
のフリップフロップ回路の構成を示す回路図である。図
7〜図10におけるものと同様の機能を果たす素子には
同一の符号を付している。ここでは、マスタ側のデータ
読込用差動対がXT1、XT2によって、およびデータ
保持用差動対がX4T、XT5によって、またスレーブ
側のデータ読込用差動対がXT12、XT13によっ
て、およびデータ保持用差動対がXT15、XT16に
よって、それぞれ構成されている。
【0026】図7に示した従来型のマスタスレーブ型の
フリップフロップ回路の動作状態での各ノードの電位関
係に着目すると、マスタ側のデータ読込用差動対(XT
1、XT2)の共通ソースノードと、スレーブ側のデー
タ保持用差動対(XT15、XT16)の共通ソースノ
ードとが等価な電位関係にあることから、両ノードを共
通ノードAとしてマージしている。同様に、スレーブ側
のデータ読込用差動対(XT12、XT13)の共通ソ
ースノードと、マスタ側のデータ保持用差動対(XT
4、XT5)の共通ソースノードとが等価な電位関係に
あることから、両ノードを共通ノードBとしてマージし
ている。
【0027】これにより、相補入力クロックCT、CC
を入力とする第2レベル差動対も、図7に示した従来型
マスタスレーブ回路のそれが2対の差動対(XT3、X
T6、およびXT14、XT17)で構成されていたの
に対し、本発明では、ゲート幅が従来の2対の差動対を
構成する単位トランジスタのゲート幅の和に等しいトラ
ンジスタQ1、Q2よる単一の差動対によって構成でき
る。これに伴って、従来必要であった2つの電流源用ト
ランジスタXT7、XT20の機能も、ゲート幅がその
トランジスタXT7とXT20のゲート幅の和に等しい
単一のトランジスタQ3によって実現できる。
【0028】従来型回路と比較して、トランジスタ素子
数で3個、ノード数でも3ノードの削減が果たされてい
る。特に、第1レベル差動対の共通ソースノードに付随
した寄生容量成分は、第2レベル差動対の速度劣化を来
すことから、従来の4つの独立なノードから共通ノード
A、Bの2つのノードに簡素化されたことで、配線寄生
容量成分が半減でき、もって第2レベル差動対の動作帯
域改善ができる。
【0029】例えば、ゲート長が0.2μm、トランス
コンダクタンスが700mS/mm、電流利得カットオ
フ周波数が50GHzのGaAsのMESFET(金属
半導体接合電界効果トランジスタ)を用いて、最小配線
幅が1.5μm、配線間隔が1.5μmで本回路を設計
した場合、最高動作ビットレートは、14Gbit/s から
15Gbit/s へ上昇する。
【0030】また、ゲート長が0.1μm、トランスコ
ンダクタンスが1200mS/mm、電流利得カットオ
フ周波数が180GHzのInP系のHEMT(高電子
移動度トランジスタ)を用いて、最小配線幅が1.5μ
m、配線間隔が1.5μmで本回路を設計した場合、最
高動作ビットレートは、40Gbit/s から45Gbit/s
へ上昇する。すなわち、トランジスタ速度が上昇するほ
ど、速度改善効果はより顕著となるのである。
【0031】図1のフリップフロップ回路において、デ
ータ保持用差動対(XT4、XT5、およびXT15、
XT16)のゲート幅を、データ読込用差動対(XT
1、XT2、およびXT12、XT13)のそれより小
さく設定し、且つクロック入力用の第2レベル差動対Q
1、Q2、および電流源トランジスタQ3のゲート幅
を、データ読込用差動対とデータ保持用差動対の単位ト
ランジスタのゲート幅の和に等しく設定すれば、図8に
示したHLO型フリップフロップ回路と論理的に等価な
回路となることは言うまでもない。したがって、本回路
構成は、従来のHLO型フリップフロップ回路に対する
速度改善効果も与える。
【0032】[第2の実施の形態]図2は第2の実施の
形態のフリップフロップ回路の構成を示す回路図であ
る。図1に示した回路構成と比較して、マスタ側のデー
タ保持用差動対XL1、XL2(図1のXT4、XT5
に対応)とスレーブ側のデータ保持用差動対XL3、X
L4(図1のXT15、XT16に対応)に、ソース結
合負帰還対XL8、XL9、およびXL10、XL11
が、それぞれ縦続接続された点が異なる。
【0033】この回路は、図10に示した従来のスーパ
ーダイナミック型フリップフロップ回路と論理的に等価
な回路になる。従来構成に比べて、第2レベル差動論理
回路を簡素化した点、特に従来は4つであった第1レベ
ル差動対の共通ソースノードを2つの共通ノードA、B
に簡素化した点は、図1の回路と同等であるから、上述
したのと同様の理由により、本回路構成は、従来のスー
パーダイナミック型フリップフロップ回路に対する速度
改善効果を与える。
【0034】[第3の実施の形態]図3は第3の実施の
形態のフリップフロップ回路の構成を示す回路図であ
る。図2に示した回路と比較すると、マスタ側のデータ
保持用差動対XL1、XL2とスレーブ側のデータ保持
用差動対XL3、XL4とを除去し、データ読込用差動
対に対して、ソース結合負帰還対XL8、XL9、およ
びXL10、XL11のみを並列接続した構成となって
いる点が異なる。
【0035】本回路は、データ保存機能を削除すること
によって、図2の回路のダイナミック動作を更に押し進
めた構成と言うことができる。正常動作の下限ビットレ
ートは、図2のそれより上昇するものの、上限ビットレ
ートを上昇できる。
【0036】[第4の実施の形態]図4は第4の実施の
形態のフリップフロップ回路の構成を示す回路図であ
る。本回路は図7に示した従来のマスタスレーブ型フリ
ップフロップ回路の第2の改良形態であり、図1に示し
た第1の実施の形態のフリップフロップ回路を更に発展
させたものである。
【0037】マスタ側のデータ読込用差動対がXT1、
XT2によって、データ保持用差動対がXT4、XT5
によって、およびスレーブ側のデータ読込用差動対がX
T12、XT13によって、データ保持用差動対がXT
15、XT16によって、それぞれ構成されている。
【0038】図7に示す従来のマスタスレーブ回路の動
作状態での各ノードの電位関係に着目すると、マスタ側
のデータ読込用差動対の共通ソースノードとスレーブ側
のデータ保持用差動対の共通ソースノードとが等価な電
位関係にあることから、両ノードを共通ノードAとして
マージしている。同様に、スレーブ側のデータ読込用差
動対の共通ソースノードとマスタ側のデータ保持用差動
対の共通ソースノードとが等価な電位関係にあることか
ら、両ノードを共通ノードBとしてマージしている。以
上が本回路の第1レベル差動論理回路の接続構成であ
り、この点では図1に示した回路と同じである。
【0039】上記の第1レベル差動論理回路の構成によ
り、相補入力クロック信号CT、CCを入力とする第2
レベル差動論理回路を単一の差動対によって構成できる
わけであるが、本発明ではこの第2レベル差動論理回路
を単純な差動対ではなく、トランジスタQ4〜Q11に
より、より動作帯域の広い全帰還型の差動論理回路しと
て構成している。
【0040】具体的には、(1)相補入力クロック信号
CT、CCをゲート入力とするトランジスタQ4、Q5
からなる第1の差動対と、(2)Q4のドレインノード
をゲート入力とし共通ノードAをドレインノードとする
トランジスタQ6、Q5のドレインノードをゲート入力
とし共通ノードBをドレイン入力とするトランジスタQ
7からなる第2の差動対と、(3)共通ノードAをゲー
ト入力としソース出力が帰還抵抗Rf1を介してQ6の
ゲートに接続されているトランジスタQ8、共通ノード
Bをゲート入力としソース出力が帰還抵抗Rf2を介し
てQ7のゲートに接続されるトランジスタQ9から構成
される帰還回路と、(4)第1の差動対に対する電流源
トランジスタQ10と第2の差動対に対する電流源トラ
ンジスタQ11とを構成要素とする。
【0041】クロックが定常的に入力されている条件下
では、共通ノードAから上位の第1レベル差動論理回路
と、共通ノードBから上位の第1レベル差動論理回路と
は、小信号動作としてはそれぞれ一定の負荷として近似
することができ、それらを等価的に負荷抵抗RL1、R
L2と見なして共通ノードA、Bを相補出力端子と考え
れば、特願平1−294892号(帰還型負荷を用いた
増幅回路)に記載された全帰還型増幅回路と等価な構成
となる。
【0042】この特願平1−294892号に記載され
た全帰還型増幅回路は、通常の差動増幅回路に対して2
倍以上の広帯域化が実現できることから、本回路構成で
は、図1に示したフリップフロップの第2レベル差動対
に対して2倍程度の広帯域化が可能となる。上述したよ
うに、第2レベル差動論理回路の帯域改善はクロック入
力に対する読込/保持回路の電流スイッチ速度を改善す
るから、フリップフロップ回路のリタイミング能力が向
上し、もってフリップフロップ回路の動作速度の向上が
実現できるのである。
【0043】図11は図4に示したフリップフロップ回
路(第4の実施の形態)と図7に示した従来のフリップ
フロップ回路の出力応答波形を回路シミュレーションで
求めた結果である。ゲート長が0.15μm、トランス
コンダクタンスが800mS/mm、電流利得カットオ
フ周波数90GHzのGaAsMESFETを用い、最
小配線幅1.5μm、配線間隔1.5μmで設定した場
合を想定している。入力データは「10001000・
・・・」の繰返しパターンで、ビットレートは最高動作
域近傍の30Gbit/s である。クロック入力タイミング
を固定して、データ入力タイミングをクロック周期の1
/8ずつ遅延させたときの相補出力データQ1T、Q1
Cの波形を1周期分重ね書きした。
【0044】理想的には、正常動作するデータ入力タイ
ミングとクロック入力タイミングの範囲内、すなわち、
位相余裕の範囲内では、データ入力タイミングに関わら
ず、出力波形はクロック入力タイミングに同期して変化
するから、重ね書きした出力波形が一致しているほど、
リタンミング能力が優れていることを表す。この図11
より、従来の回路に比べて本発明による回路の方が、リ
タイミング性能が優れていることがわかかる。出力波形
の時間変動(ジッタ)で評価するなら、従来回路のそれ
が6ps程度であるのに対し、本発明の回路では、3p
sへの半減している。
【0045】[第5の実施の形態]図5は第5の実施の
形態のフリップフロップ回路の構成を示す回路図であ
る。図4に示したフリップフロップ回路の構成と比べ
て、マスタ側のデータ保持用差動対XL1、XL2(図
1のXT4、XT5に対応)、およびスレーブ側のデー
タ保持用差動対XL3、XL4(図1のXT15、XT
16に対応)に、ソース結合負帰還対XL8、XL9、
およびXL10、XL11がそれぞれ縦続接続された点
が異なる。
【0046】本回路は、図10に示した従来のスーパー
ダイナミック型フリップフロップ回路と論理的に等価な
回路になる。従来構成に比べて、第2レベル差動論理回
路を簡素化した点、特に従来は4つであった第1レベル
差動対の共通ソースノードを2つの共通ノードA、Bに
簡素化し、第2レベル差動論理回路を全帰還型差動論理
回路で構成した点は、図4に示した回路と同じであるか
ら、上述したのと同様な理由により、本回路構成は、従
来のスーパーダイナミック型フリップフロップ回路に対
する速度改善効果を与える。
【0047】[第6の実施の形態]図6は第6の実施の
形態のフリップフロップ回路の構成を示す回路図であ
る。図5に示したフリップフロップ回路の構成と比較す
ると、マスタ側のデータ保持用差動対XL1、XL2
と、スレーブ側のデータ保持用差動対XL3、XL4を
除去し、データ読込用差動対(XT1、XT2、および
XT12、XT3)に対してソース結合負帰還対XL1
0、XL11、およびXL8、XL9を並列接続した構
成となっている点が異なる。
【0048】本回路はデータ保持機能を削除することに
よって、図5に示したフリップフロップ回路のダイナミ
ック動作を更に押し進めた構成ということができる。正
常動作の下限ビットレートは、図5に示したフリップフ
ロップ回路のそれより上昇するものの、上限ビットレー
トを上昇できる。
【0049】[その他の実施の形態]なお、上記各実施
の形態では、電界効果型トランジスタ(FET)による
回路構成を用いて説明したが、バイポーラトランジスタ
を用いることもでき、同様の作用効果が得られることは
もちろんである。そのときは、ソース結合帰還対は、エ
ミッタ結合帰還対となる。
【0050】
【発明の効果】以上から第1の発明によれば、従来必要
であった2対の第2レベル差動対を1対に結合したの
で、回路を構成する素子数やノード数を削減でき、配線
寄生容量を削減できる。また、第2の発明によれば、前
記した配線寄生容量の低減に加えて、第2レベル差動対
を全帰還型差動論理回路で構成したので、その動作帯域
改善を図ることができ、より高速動作が可能なフリップ
フロップ回路を実現することができる。また第3の発明
によれば、スーパーダイナミック型フリップフロップ回
路としてより速度改善効果がある。さらに第4の発明に
よれば、よりダイナミック動作を押し進めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態のフリップフロッ
プ回路の構成を示す回路図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態のフリップフロッ
プ回路の構成を示す回路図である。
【図3】 本発明の第3の実施の形態のフリップフロッ
プ回路の構成を示す回路図である。
【図4】 本発明の第4の実施の形態のフリップフロッ
プ回路の構成を示す回路図である。
【図5】 本発明の第5の実施の形態のフリップフロッ
プ回路の構成を示す回路図である。
【図6】 本発明の第6の実施の形態のフリップフロッ
プ回路の構成を示す回路図である。
【図7】 従来のマスタスレーブ型フリップフロップ回
路の構成を示す回路図ある。
【図8】 従来のHLO型フリップフロップ回路の構成
を示す回路図ある。
【図9】 従来のクロックドインバータ型フリップフロ
ップ回路の構成を示す回路図ある。
【図10】 従来のスーパーダイナミック型フリップフ
ロップ回路の構成を示す回路図ある。
【図11】 図4に示したフリップフロップ回路と従来
の図7に示したフリップフロップ回路の出力応答波形の
シミュレーション結果を示す図である。
【符号の説明】
A、B:共通ノード。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】データ読込用差動対とデータ保持用差動対
    とを第1レベル差動論理回路とし、クロック信号を入力
    する電流切替用差動対を第2レベル差動論理回路とし、
    それらの縦積みによってシリーズゲート型差動論理回路
    として構成され、且つ前記クロック信号の入力に同期し
    てデータ入力論理値を更新するマスタスレーブ型フリッ
    プフロップ回路において、 マスタ側のデータ読込用差動対のソースノードとスレー
    ブ側のデータ保持用差動対のソースノードを第1の共通
    ノードとし、スレーブ側のデータ読込用差動対のソース
    ノードとマスタ側のデータ保持用差動対のソースノード
    を第2の共通ノードとし、 前記第1、第2の共通ノードをトレインノード対とする
    単一のクロック信号入力用差動対で前記第2レベル理回
    路を構成したことを特徴とするフリップフロップ回路。
  2. 【請求項2】データ読込用差動対とデータ保持用差動対
    とを第1レベル差動論理回路とし、クロック信号を入力
    する電流切替用差動対を第2レベル差動論理回路とし、
    それらの縦積みによってシリーズゲート型差動論理回路
    として構成され、且つ前記クロック信号の入力に同期し
    てデータ入力論理値を更新するマスタスレーブ型フリッ
    プフロップ回路において、 マスタ側のデータ読込用差動対のソースノードとスレー
    ブ側のデータ保持用差動対のソースノードを第1の共通
    ノードとし、スレーブ側のデータ読込用差動対のソース
    ノードとマスタ側のデータ保持用差動対のソースノード
    を第2の共通ノードとし、 相補クロック入力信号をゲート入力とする第1、第2の
    トランジスタからなる第1の差動対と、該第1のトラン
    ジスタのドレインノードをゲート入力とし前記第1の共
    通ノードをドレインノードとする第3のトランジスタ、
    前記第2のトランジスタのドレインノードをゲート入力
    とし前記第2の共通ノードをドレインノードとする第4
    のトランジスタからなる第2の差動対と、前記第1の共
    通ノードをゲート入力入力としソース出力が第1の帰還
    抵抗を介して前記第3のトランジスタのゲートに接続さ
    れる第5のトランジスタと、前記第2の共通ノードをゲ
    ート入力としソース出力が第2の帰還抵抗を介して前記
    第4のトランジスタのゲートに接続される第6のトラン
    ジスタと、を構成要素とする全帰還型差動論理回路で第
    2レベル差動論理回路を構成したことを特徴とするフリ
    ップフロップ回路。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載のフリップフロップ
    回路において、前記データ保持用差動対を含むデータ保
    持用差動論理回路の電流量を前記データ読込用差動対を
    含むデータ保持用差動論理回路のそれより小さくし、且
    つ前記データ保持用差動論理回路のデータ保持用差動対
    にソース結合帰還対を縦続接続したことを特徴とするフ
    リップフロップ回路。
  4. 【請求項4】請求項1又2に記載のフリップフロップ回
    路において、前記データ保持用差動対を、前記データ保
    持用差動対のゲート入力接続を反転して得られる負帰還
    差動対に置換したことを特徴とするフリップフロップ回
    路。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003077421A1 (en) * 2002-03-06 2003-09-18 Teradyne, Inc. Programmable differential d flip-flop
JP2010041087A (ja) * 2008-07-31 2010-02-18 Fujitsu Ltd ラッチ回路およびラッチ回路を利用した試験回路

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