JPH10135359A - 不揮発性トランジスタ - Google Patents

不揮発性トランジスタ

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JPH10135359A
JPH10135359A JP8291868A JP29186896A JPH10135359A JP H10135359 A JPH10135359 A JP H10135359A JP 8291868 A JP8291868 A JP 8291868A JP 29186896 A JP29186896 A JP 29186896A JP H10135359 A JPH10135359 A JP H10135359A
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gaas
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center
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エネルギー準位のそろった深いDXセンター
を利用して蓄積電荷量を一定とし、閾値電圧制御性が高
く、高速動作可能な不揮発性のトランジスタを提供す
る。 【解決手段】 電界効果トランジスタ構造のゲート絶縁
層内に、ドナー不純物周囲の原子配列がそろって対称性
の小さい構造、例えばAlAs/GaAs界面近傍のみ
にドナー不純物を含む電子蓄積層13を設け、その界面
に形成されるエネルギー準位のそろった深いDXセンタ
ーを電子のトラップとして利用することにより、DXセ
ンター濃度の2倍まで正確に電子を捕獲でき、電子獲得
時の閾値電圧は経時変化がほとんどなく、安定した不揮
発メモリー動作が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はしきい値電圧制御性
が高く、高速動作可能な不揮発性のトランジスタに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ
に利用されるトランジスタの1つとして、フローティン
グゲートMOSFETがある。このデバイスについては
例えば、S.M.Szeによる「半導体デバイスの物
理」(Physics of SemiconductorDevices,John Wiley&S
ons)に記載されている。この不揮発性トランジスタは
構造が簡単で、1素子で1ビットのメモリ機能を実現で
きるため、高集積化を可能にする。また、化合物半導体
で同様な機能を実現するものとして、AlGaAs中の
トラップ準位であるDXセンターを電子の蓄積に用いる
トランジスタが提案されている。このデバイスについて
は、例えば、特開昭63−178565号公報に記載さ
れている。
【0003】図4(a)、(b)は従来のDXセンター
を利用した不揮発性トランジスタの模式断面図およびゲ
ート下のエネルギーバンド図である。1は半絶縁性の基
板、2は基板表面の影響をなくすバッファ層、3はチャ
ネル層、4はp型の第1のバリア層、5はDXセンター
を含むn型のAlGaAsからなるトラップ層、6はp
型の第2のバリア層、7はゲート電極、8はソース領
域、9はドレイン領域、10はソース領域8とオーミッ
ク接合を形成するソース電極、11はドレイン領域9と
オーミック接合を形成するドレイン電極、CBは伝導帯
端、Efはフェルミレベル、Gはゲート電極、DXはD
Xセンター準位である。
【0004】この従来の不揮発性トランジスタの動作に
ついて、基板1に半絶縁性GaAs、バッファ層2にi
−GaAs、チャネル層3にn−GaAs、第1のバリ
ア層4および第2のバリア層6にp−Al0.4Ga0.6
s、トラップ層5にn−Al 0.4Ga0.6As、ゲート電
極7にタングステン(W)、ソース領域8およびドレイ
ン領域9にn+−GaAs、ソース電極10およびドレ
イン電極11にAuGe/Auを例に説明する。
【0005】トラップ層5のn−Al0.4Ga0.6Asに
はそのドナー不純物の原子配置に従ってエネルギー準位
の異なる複数のDXセンターが形成されている。この事
実については例えば、馬場らによるジャパン・ジャーナ
ル・オブ・アプライド・フィジックス(Japan Journal
of Applied Physics,Vol28,p.L89、1989)に記載されて
いる。DXセンターは伝導帯端CBから数十〜数百me
V下のエネルギー位置に形成されるため、電子をトラッ
プすることができる。DXセンターはドナー不純物から
形成されるためそれ自体は正に帯電しているが、最大2
個の電子をトラップして負に帯電する。
【0006】いま、トラップ層5のDXセンターに電子
がトラップされていない場合には、ゲート下のチャネル
層3に電子が誘起されているものとする。このため、ソ
ース電極10およびゲート電極7をアース電位とし、ド
レイン電極11に正の電圧を印加すると、ドレイン電流
が流れる。すなわちソース・ドレイン間は導通状態とな
っている。
【0007】さて、ソース領域8およびドレイン領域9
に対してゲート電極7に大きな正の電圧を加えると、チ
ャネル層3からゲート電極7に向かって電子が流れ込
む。第1のバリア層4を通過してトラップ層5に入った
電子の一部はDXセンターにトラップされる。その結
果、トラップ層5は負に帯電する。ゲート電圧を取り去
ってもDXセンターにトラップされた電子はそのまま残
る。この負に帯電したトラップ層5によりチャネル層3
には電子が誘起されなくなり、先のようにドレイン電極
11に正電圧を印加してもドレイン電流は流れず、ソー
ス・ドレイン間は非導通状態となる。
【0008】トラップ層5に蓄積された電子を消去し、
再びソース・ドレイン間を導通状態に戻す場合には、ソ
ース電極10およびドレイン電極11に対してゲート電
極7に高い負電圧を印加する。そうすることでDXセン
ターにトラップされていた電子が高電界によってチャネ
ル層3へと引き出されるため、トラップ層5内の電子が
消失する。この結果、チャネル層3には再び電子が誘起
され、導通状態が復元される。
【0009】このように、このトランジスタは不揮発性
のメモリ動作をすることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
DXセンターを利用した不揮発性のトランジスタでは、
混晶であるAlGaAs中のDXセンターのエネルギー
準位は、図4(b)に示すように、その値に大きな分布
を持つため、浅い準位にトラップされた電子は早く再放
出されてしまい、トランジスタのしきい値電圧が時間と
共に変化する。このため、多くの電子注入を行う必要が
あることや、読み出し電流が保持時間と共に変化すると
いう欠点がある。このように、従来のDXセンターを利
用した不揮発性のトランジスタでは蓄積電荷量やトラン
ジスタのしきい値の制御が容易ではない。従って、蓄積
電荷量が常に一定でしきい値電圧制御性が高く、高速動
作の不揮発性トランジスタの開発が望まれる。
【0011】本発明の目的は、エネルギー準位がそろっ
て深いDXセンター準位を利用して蓄積電荷量を一定と
し、しきい値電圧制御性が高く、高速動作可能な不揮発
性のトランジスタを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の不揮発性トラン
ジスタは、少なくとも導電性の高い半導体からなる一対
のソース領域及びドレイン領域と、ソース領域とドレイ
ン領域との間の半導体からなるチャネル領域と、該チャ
ネル領域上に該チャネル領域よりも電子親和力の小さな
半導体からなる絶縁層と、該絶縁層中に、該絶縁層中の
DXセンターよりもエネルギー的に深く、かつエネルギ
ー深さのそろったDXセンターを発生させる半導体から
なる電子蓄積層と、該絶縁層上のゲート電極と、ソース
領域及びドレイン領域とオーミック接合を形成するソー
ス電極及びドレイン電極を有することを特徴としてい
る。
【0013】また本発明の不揮発性トランジスタは、ソ
ース領域およびドレイン領域とチャネル領域が同一の導
電型からなること、あるいは、絶縁層の一部にドナー不
純物を含み、チャネル領域が低不純物濃度の半導体であ
ることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明においては、電子を蓄積す
る領域として、例えば、AlAs/GaAs界面近傍だ
けにドナー不純物を含む構造を用いることにより、そこ
に形成されるエネルギー準位のそろった深いDXセンタ
ーが利用できる。これにより、電子をDXセンター濃度
の2倍まで正確に捕獲できると共に、電子捕獲時のしき
い値電圧の時間変化がほとんどない不揮発メモリー動作
が可能になる。このため、導通・非導通に対するしきい
値電圧の変化量を小さく抑えることができ、低電圧・低
消費電力も達成される。また、AlAsによるバリア効
果により電子蓄積時の注入電子を有効に利用できるた
め、電子蓄積時間の短縮も実現できる。
【0015】以下、図面を参照して本発明の実施の形態
について説明する。
【0016】図1(a)、(b)は本発明の一実施形態
になる不揮発性トランジスタの模式断面図およびエネル
ギーバンド図である。なお、以後の説明で、図4
(a)、(b)と同じ符号は図4(a)、(b)で説明
したものと同等物で同一機能を果たすものである。ま
た、12は第1の絶縁層、13は単一準位のDXセンタ
ーを含有する電子蓄積層、14は第2の絶縁層である。
【0017】この本発明の不揮発性トランジスタの動作
について、基板1に半絶縁性GaAs、バッファ層2に
i−GaAs、チャネル層3にn−GaAs、第1の絶
縁層12および第2の絶縁層14にi−Al0.3Ga0.7
As、電子蓄積層13に界面にSiをドープしたAlA
s/GaAs積層構造、ゲート電極7にタングステン、
ソース領域8およびドレイン領域9にn+−GaAs、
ソース電極10およびドレイン電極11にAuGe/A
uを例に説明する。
【0018】AlAs/GaAs界面にドープされたS
iドナー周囲の原子配列では、必ず第2近接位置が4個
のAlと8個のGa、または8個のAlと4個のGaと
なる。このため、Siドナーから作られるDXセンター
のエネルギー準位は2種類しかない。また、Siドナー
周囲の対称性が大きく崩れていることを反映してこのD
Xセンター準位はAl0.3Ga0.7As混晶中のDXセン
ターよりもエネルギー的に深い準位となる。
【0019】電子蓄積層13のDXセンターに電子がト
ラップされていない場合には、ドナーは電子を放出して
正に帯電している。このため、チャネル層3にはより多
くの電子が誘起される。いま、この状態でゲート下のチ
ャネル層3に電子が誘起されているものとする。この状
況でソース電極10およびゲート電極7をアース電位と
し、ドレイン電極11に正の電圧を印加すると、ドレイ
ン電流が流れる。すなわちソース・ドレイン間は導通状
態となっている。
【0020】さて、ソース領域8およびドレイン領域9
に対してゲート電極7に大きな正の電圧を加えると、チ
ャネル層3からゲート電極7に向かって電子が流れ込
む。第1の絶縁層12を通過して電子蓄積層13のGa
As層に入った電子は、伝導帯エネルギーの高いAlA
s層に阻まれて、ゲート電極7へ流れる電子は少なく、
そのほとんどがGaAs層に停滞する。この間に電子は
AlAs/GaAs界面に存在する深いDXセンターに
トラップされる。それぞれのDXセンターは最大2個の
電子をトラップすることができる。時間が十分にたて
ば、電子蓄積層13ではDXセンターの2倍の数の電子
をトラップし、負に帯電する。このDXセンター準位は
非常に深いため、ゲート電圧を取り去ってもDXセンタ
ーからの電子放出はほとんど起こらず、トラップされた
DXセンター数の2倍の電子はそのまま残る。このよう
に、DXセンター数の2倍の電子を正確にトラップし保
持できるため、トランジスタのしきい値制御が非常に容
易である。この負に帯電した電子蓄積層13のためにチ
ャネル層3に誘起される電子数は少なくなる。このよう
な状態でチャネル層3の電子が消滅するように設計して
おくと、ドレイン電極11に正電圧を印加してもドレイ
ン電流は流れず、ソース・ドレイン間は非導通状態とな
る。
【0021】電子蓄積層13に蓄積された電子を消去
し、再びソース・ドレイン間を導通状態に戻す場合に
は、ソース電極10およびドレイン電極11に対してゲ
ート電極7に高い負電圧を印加する。DXセンターにト
ラップされた電子が高電界によってチャネル層3へと引
き出されるため、電子蓄積層13内の電子が消失する。
この結果、チャネル層3には再び電子が誘起され、導通
状態が復元される。
【0022】このように、本発明のトランジスタは不揮
発性のメモリ動作をすることができる。そして、本発明
の構造ではチャネル3からゲートに流れ込む電子をAl
As/GaAs構造で有効にトラップすることができ、
また保持する電子の数を正確にDXセンター数の2倍に
することができる。したがって、本発明の不揮発性トラ
ンジスタは従来構造よりも電子蓄積時間の短縮が可能で
あると共に、導通・非導通に対するしきい値電圧の変化
量を小さく抑えた低電圧・低消費電力動作が可能であ
る。
【0023】図2(a)、(b)は本発明の第2の実施
形態になる不揮発性トランジスタの模式断面図およびエ
ネルギーバンド図である。
【0024】この実施形態の不揮発性トランジスタの動
作について、基板1に半絶縁性GaAs、バッファ層2
にi−GaAs、チャネル層3にi−GaAs、第1の
絶縁層12にn−Al0.3Ga0.7As、電子蓄積層13
に界面にSiをドープしたAlAs/GaAs積層構
造、第2の絶縁層14にi−Al0.3Ga0.7As、ゲー
ト電極7にAl、ソース領域8およびドレイン領域9に
AuGe/Ni/Auをアロイした合金層、ソース電極
10およびドレイン電極11にAuを例に説明する。
【0025】チャネル層3は不純物をドープしてない
が、その上の第1の絶縁層12にドナー不純物がドープ
してあるため、半導体材料の電子親和力の差により絶縁
層中のほとんど全ての電子がチャネル層に移動し、第1
の実施形態になる不揮発性トランジスタと同様にチャネ
ル層3に電子が誘起される。この場合、チャネル層3中
には不純物が存在しないため、電子の移動度が大きく、
トランジスタは第1の実施形態のものよりも高速で動作
する。
【0026】この第2の実施形態になるトランジスタに
おいても、絶縁層中に埋め込まれたAlAs/GaAs
界面のDXセンターを利用して電子の捕獲を行うため、
トランジスタを導通・非導通にするやり方は第1の実施
形態と同様である。したがって、本実施形態のトランジ
スタは第1の実施形態と同様に電子蓄積時間が短く低電
圧・低消費電力特性を有する不揮発性メモリ動作をする
ことができる。さらに、チャネルの電子移動度が高いた
めに読み出しが第1の実施形態よりも高速に行える。
【0027】図3(a)、(b)は本発明の第3の実施
形態になる不揮発性トランジスタの模式断面図およびエ
ネルギーバンド図である。
【0028】この実施形態の不揮発性トランジスタの動
作について、基板1に半絶縁性GaAs、バッファ層2
にi−GaAs、チャネル層3にi−GaAs、第1の
絶縁層12にn−Al0.3Ga0.7As、電子蓄積層13
に1原子層のGaAs中にSiをドープしたAlAs/
GaAs/AlAs積層構造、第2の絶縁層14にi−
Al0.3Ga0.7As、ゲート電極7にAl、ソース領域
8およびドレイン領域9にAuGe/Ni/Auをアロ
イした合金層、ソース電極10およびドレイン電極11
にAuを例に説明する。
【0029】1原子層のGaAsにドープされたSiド
ナーの周囲の第2近接の原子配列は8のAlと4個のG
aからなるものしかない。このため、DXセンター準位
は1つしか存在しない。この構造ではDXセンター準位
が深いことと共にAlAsバリアに挟まれた構造となっ
ているため、第2の実施形態に比べて電子の保持特性が
さらに良くなる。
【0030】
【実施例】以下、本発明について実施例を示す図面を参
照して詳細に説明する。
【0031】実施例1 前述の第1の実施の形態の説明で用いた材料と同一の材
料を用いて製造された不揮発性トランジスタについて説
明する。
【0032】まず、半絶縁性のGaAs基板1に分子線
エピタキシー(MBE)により500nmのi−GaA
sバッファ層2、10nmのSiドープn−GaAs
(Si=2×1018cm-3)チャネル層3、20nmの
i−Al0.3Ga0.7As絶縁層12、1×1012cm-2
のSiを界面に含むAlAs(3nm)/GaAs(3
nm)電子蓄積層13、20nmのi−Al0.3Ga0.7
As絶縁層14を成長した。その後ゲート電極7となる
タングステン(W)をスパッタ法により形成し、ゲート
形状に加工した。このWゲート電極7をマスクに絶縁層
14および電子蓄積層13をエッチングし、そこにSi
のイオン注入を行った。800℃のフラッシュアニール
により注入したSiの活性化を行い、注入領域をn+
GaAsとした。素子分離のために、トランジスタ領域
以外を700nmエッチングして除いた。最後にAuG
e/Auを蒸着してリフトオフ法によりソース電極10
およびドレイン電極11を形成した。
【0033】作製した素子では、ゲート電圧が0Vの場
合にドレイン電極11に正の電圧を印加するとドレイン
電流が流れ、ソース・ドレイン間が導通状態であった。
しかし、ソース・ドレイン電極に対してゲート電極7に
+1Vの電圧を印加してチャネル層3からゲート電極7
に電流を流した結果、先と同じ条件でバイアスを加えて
もわずかなドレイン電流しか流れず、ソース・ドレイン
間が非導通状態であった。さらに、ソース・ドレイン電
極に対してゲート電極7に−3Vの電圧を印加し、電子
蓄積層13の電子を排除すると、もとの導通状態に戻っ
た。
【0034】実施例2 次に本発明の第2の実施の形態の説明で用いた材料と同
一の材料を用いて製造された不揮発性トランジスタにつ
いて説明する。
【0035】まず、半絶縁性のGaAs基板1に分子線
エピタキシー(MBE)により500nmのi−GaA
sバッファ層、10nmのi−GaAsチャネル層、2
0nmのn−Al0.3Ga0.7As(Si=l×1018
-3)絶縁層、1×1012cm-2のSiを界面に含むA
lAs(3nm)/GaAs(3nm)電子蓄積層、2
0nmのi−Al0.3Ga0.7As絶縁層を成長した。そ
の後ゲート電極となるAlを蒸着により形成し、ゲート
形状に加工した。さらにAuGe/Ni/Auをリフト
オフ法によりソース・ドレイン領域に形成し、アロイ工
程(450℃)によりチャネル層まで合金化した。最後
に素子分離のために、トランジスタ領域以外を700n
mエッチングして除いた。この作製プロセスでは最高4
50℃の熱工程しか経ないため、Si不純物の拡散がほ
とんどなく、第1の実施例よりもDXセンター準位の揃
ったものができる利点がある。
【0036】作製した素子は、ゲート電圧が0Vの場合
にドレイン電極に正の電圧を印加するとドレイン電流が
流れ、ソース−ドレイン間が導通状態であった。ソース
・ドレイン電極に対してゲート電極に+1Vの電圧を印
加してチャネル層からゲート電極に電流を流すと、先と
同じ条件でバイアスを加えてもわずかなドレイン電流し
か流れず、ソース・ドレイン間が非導通状態になった。
さらに、ソース・ドレイン電極に対してゲート電極に−
3Vの電圧を印加し、電子蓄積層の電子を排除すると、
もとの導通状態に戻った。このように、本発明の第2の
実施例においても不揮発性のメモリー動作が確認され
た。
【0037】また、この実施例で作製したゲート長0.
5μmの素子の相互コンダクタンスは約400mS/m
mであり、実施例1で作製した素子(約200mS/m
m)よりも大きく高速動作に適していることもわかっ
た。
【0038】実施例3 次に本発明の第3の実施の形態の説明で用いた材料と同
一の材料を用いて製造された不揮発性トランジスタにつ
いて説明する。
【0039】まず、半絶縁性のGaAs基板1に分子線
エピタキシー(MBE)により500nmのi−GaA
sバッファ層2、10nmのi−GaAsチャネル層
3、20nmのn−Al0.3Ga0.7As(Si=1×1
18cm-3)からなる第1の絶縁層12、1×1012
-2のSiを1原子層のGaAsに含むAlAs(3n
m)/GaAs(1ML)/AlAs(2nm)電子蓄
積層13、20nmのi−Al0.3Ga0.7Asからなる
第2の絶縁層14を成長した。その後ゲート電極7とな
るAlを蒸着により形成し、ゲート形状に加工した。さ
らにAuGe/Ni/Auをリフトオフ法によりソース
・ドレイン領域に形成し、アロイ工程によりチャネル層
まで合金化した。最後に素子分離のために、トランジス
タ領域以外を700nmエッチングして除いた。
【0040】作製した素子は、ゲート電圧が0Vの場合
にドレイン電極11に正の電圧を印加するとドレイン電
流が流れ、ソース・ドレイン間が導通状態であった。ソ
ース・ドレイン電極に対してゲート電極7に+1Vの電
圧を印加してチャネル層3からゲート電極7に電流を流
すと、先と同じ条件でバイアスを加えてもわずかなドレ
イン電流しか流れず、ソース・ドレイン間が非導通状態
になった。さらに、ソース・ドレイン電極に対してゲー
ト電極に−3Vの電圧を印加し、電子蓄積層13の電子
を排除すると、もとの導通状態に戻った。このように、
この実施例においても不揮発性のメモリー動作が確認さ
れた。
【0041】また、温度を上げて電子の保持特性を評価
したところ、この実施例のトランジスタは実施例2のト
ランジスタよりも長く電子を保持できることがわかっ
た。
【0042】以上の本発明の実施例では準位のそろった
深いDXセンターを作る電子蓄積層としてSiを界面に
ドープしたAlAs/GaAsやSiを1原子層のGa
AsにドープしたAlAs/GaAs/AlAs構造し
か示さなかったが、Siの代わりにGeやTe、Se、
Sといった他のドナー不純物を用いたり、1原子層のA
lAs中にドナー不純物をドープしそれをGaAs層で
挟むといった構造でもかまわない。もちろんこれらが積
層構造になっていてもかまわない。
【0043】またチャネル層3や基板1としてGaAs
の例しか示さなかったが、InPやInGaAsなどそ
の他の半導体であっても良い。また、絶縁層12、14
もAl0.3Ga0.7Asしか示さなかったが、その他の組
成のAlGaAsやInAlAsなどチャネル層3より
も電子親和力の小さな他の半導体であれば良い。さら
に、実施例2では絶縁層全体にドナーをドープしている
が、チャネルの電子移動度をさらに大きくするためにチ
ャネルに近いところをアンドープにしたり、デルタドー
プにしてもかまわない。
【0044】トランジスタのゲート構造としては単純な
ものしか示さなかったが、高速動作に有利なリセス構造
やT型ゲート構造でもよいことは明らかである。また、
本発明のトランジスタ動作の説明では、電子蓄積層13
に電子を捕獲していないときはソース・ドレイン間が導
通状態になっていると仮定したが、しきい値電圧を高く
して非導通状態としていても良い。この場合には、この
しきい値電圧以上であって電子蓄積量を変化させないよ
うなゲート電圧を印加することで、実施例で説明したと
同様な不揮発メモリ動作ができる。
【0045】
【発明の効果】本発明の不揮発性トランジスタにより、
しきい値電圧制御性が高く、低消費電力、高速の超高集
積メモリ回路が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態になる不揮発性トラン
ジスタを示す模式断面図(a)およびそのエネルギーバ
ンド図(b)である。
【図2】本発明の第2の実施形態になる不揮発性トラン
ジスタを示す模式断面図(a)およびそのエネルギーバ
ンド図(b)である。
【図3】本発明の第3の実施形態になる不揮発性トラン
ジスタを示す模式断面図(a)およびそのエネルギーバ
ンド図(b)である。
【図4】従来の不揮発性トランジスタの模式断面図
(a)およびそのエネルギーバンド図(b)である。
【符号の説明】
1 基板 2 バッファ層 3 チャネル層 4 第1のバリア層 5 トラップ層 6 第2のバリア層 7 ゲート電極 8 ソース領域 9 ドレイン領域 l0 ソース電極 ll ドレイン電極 12 第1の絶縁層 13 電子蓄積層 14 第2の絶縁層 CB 伝導帯端 Ef フェルミレベル G ゲート電極 DX DXセンター準位

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも導電性の高い半導体からなる
    一対のソース領域及びドレイン領域と、ソース領域とド
    レイン領域との間の半導体からなるチャネル領域と、該
    チャネル領域上に該チャネル領域よりも電子親和力の小
    さな半導体からなる絶縁層と、該絶縁層中に、該絶縁層
    中のDXセンターよりもエネルギー的に深く、かつエネ
    ルギー深さのそろったDXセンターを発生させる半導体
    からなる電子蓄積層と、該絶縁層上のゲート電極と、ソ
    ース領域及びドレイン領域とオーミック接合を形成する
    ソース電極及びドレイン電極を有することを特徴とする
    不揮発性トランジスタ。
  2. 【請求項2】 ソース領域およびドレイン領域とチャネ
    ル領域が同一の導電型からなることを特徴とする請求項
    1記載の不揮発性トランジスタ。
  3. 【請求項3】 絶縁層の一部にドナー不純物を含み、チ
    ャネル領域が低不純物濃度の半導体であることを特徴と
    する請求項1記載の不揮発性トランジスタ。
  4. 【請求項4】 電子蓄積層がAlAsとGaAsの少な
    くとも2層からなり、その界面近傍にのみドナー不純物
    を含むものであることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の不揮発性トランジスタ。
  5. 【請求項5】 電子蓄積層が1原子層のGaAs中にド
    ナー不純物を含むAlAs/GaAs/AlAsからな
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の不
    揮発性トランジスタ。
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