JPH10135070A - 多層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

多層セラミック電子部品の製造方法

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JPH10135070A
JPH10135070A JP8291546A JP29154696A JPH10135070A JP H10135070 A JPH10135070 A JP H10135070A JP 8291546 A JP8291546 A JP 8291546A JP 29154696 A JP29154696 A JP 29154696A JP H10135070 A JPH10135070 A JP H10135070A
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multilayer ceramic
atmosphere
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binder
laminate
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JP8291546A
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Hiroyuki Wada
博之 和田
Hiroyuki Matsumoto
宏之 松本
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来例に比較して、信頼性が高く、焼成工程
における焼成雰囲気の複雑な制御の必要がなく安価に多
層セラミック電子部品を製造することができる多層セラ
ミック電子部品の製造方法を提供する。 【解決手段】 所定の誘電体と所定のバインダとを含む
セラミックグリーンシートに卑金属からなる電極パター
ンを形成する工程と、電極パターンが形成された複数の
グリーンシートを積層して積層体を形成する工程と、上
記積層体からバインダを除去する工程と、バインダが除
去された上記積層体を、所定の雰囲気中において、所定
の昇温速度で焼成温度まで上昇させて焼成する工程とを
含む多層セラミック電子部品の製造方法であって、上記
雰囲気を窒素雰囲気に設定し、かつ上記昇温速度を60
℃/時間〜350℃/時間の間の値に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器に用いら
れる積層セラミックコンデンサなどの多層セラミック電
子部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に、積層セラミックコンデン
サは、電極材料が塗布されたセラミックグリーンシート
を積層して熱圧着し、一体化したものを自然雰囲気中に
おいて1250〜1350℃で焼成し、この誘電体磁器
の端面に、内部電極と導通する外部電極を焼き付けるこ
とにより製造される。
【0003】このように、内部電極はセラミックグリー
ンシートと同時に焼成されるので、内部電極の電極材料
としては、(a)誘電体材料を焼結させる温度である焼
成温度以上の融点を有すること(b)酸化性の高温雰囲
気中においても酸化されず、しかも誘電体と反応しない
ことを必要とし、このような2つの条件を満足させる電
極として、従来は、白金、金、パラジウムあるいは銀−
パラジウム合金などのような貴金属が用いられていた。
しかし、これらの電極材料は優れた特性を有する反面、
高価であった。そのため、積層セラミックコンデンサの
製造コストを上昇させる最大の要因になっていた。
【0004】貴金属以外に高融点を持つものとしてNi,
Fe,Co,W,Mo等の卑金属があるが、これらの卑金属は
高温の酸化性雰囲気中では容易に酸化されてしまい、電
極としての役目を果たさなくなってしまう。そのため、
これらの卑金属を積層セラミックコンデンサの内部電極
として使用するためには、誘電体磁器とともに中性また
は還元雰囲気中で焼成する必要がある。しかしながら、
従来の誘電体磁器材料では、このような中性または還元
性雰囲気で焼成すると著しく還元してしまい、半導体化
するという欠点があった。
【0005】最近では、還元性雰囲気で焼成しても還元
されることがなく半導体化しない誘電体材料が開発さ
れ、このような誘電体材料を使用することによって、貴
金属以外で高融点を有するNi,Fe,Co,W,Mo
等の卑金属を、当該誘電体材料とともに還元雰囲気中で
同時に焼成することにより、卑金属を電極として使用し
た積層コンデンサの製造が可能になってきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、内部電
極としてニッケル等の卑金属を使用した積層セラミック
コンデンサは、自然雰囲気中で焼成される白金、金、パ
ラジウムあるいは銀−パラジウム合金などのような貴金
属を内部電極とする積層セラミックコンデンサに比較し
て、通常の使用条件では問題ないものの、高温負荷試
験、湿中負荷試験等の加速された条件下では信頼性が低
いという問題点があった。また、焼成工程における還元
雰囲気としては、N−H−H2Oガスに代表される
ように、酸化性ガス(HO)、還元性ガス(H)と
それらのキャリアガス(N)といった混合ガスにより
行なわれている。このような混合ガスを用いる場合、焼
成中の酸素分圧を制御するには複数ガスの流量を同時に
管理する必要があり、しかも常に同程度に混合されたガ
スを供給し続けなければならない。このために、雰囲気
ガスの制御系が複雑になり、大気中又は単一のガスの雰
囲気における焼成に比べ、焼成工程における製造コスト
が高くなるという問題点があった。
【0007】本発明の目的は、以上の問題点を解決し
て、従来例に比較して、信頼性が高く、焼成工程におけ
る焼成雰囲気の複雑な制御の必要がなく安価に多層セラ
ミック電子部品を製造することができる多層セラミック
電子部品の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、所定の誘電体
と所定のバインダとを含むセラミックグリーンシートに
卑金属からなる電極パターンを形成する工程と、電極パ
ターンが形成された複数のグリーンシートを積層して積
層体を形成する工程と、上記積層体からバインダを除去
する工程と、バインダが除去された上記積層体を、所定
の雰囲気中において、所定の昇温速度で焼成温度まで上
昇させて焼成する工程とを含む多層セラミック電子部品
の製造方法であって、上記雰囲気を窒素雰囲気に設定
し、かつ上記昇温速度を60℃/時間〜350℃/時間
の間の値に設定したことを特徴とする。
【0009】本発明は、特に中性雰囲気で焼成しても半
導体化しない非還元性誘電体に対し、好ましくは、
{(Ba1-xCax)O}m・(Ti1-yZry)O2で表さ
れるチタン酸バリウム系の誘電体であって、m,x,y
が以下の範囲にあることを特徴とする非還元性誘電体に
適用するのが好ましい。 1.005≦m≦1.03 0.02≦x≦0.22 0<y≦0.20
【0010】上記誘電体はさらに、MnO2とSiO2
を添加することにより、還元性雰囲気で焼成しても、よ
り還元されにくくすることができる。
【0011】また、本発明は、上記電極パターンとし
て、ニッケルまたはニッケル合金を適用するのが好まし
い。
【0012】本発明はまた、上記積層体に含まれるバイ
ンダは、上記焼成温度より低い所定の温度において、大
気中又は窒素雰囲気中で除去することが好ましい。
【0013】本発明はさらに、焼成後の積層体を、大気
中において、所定の温度で一定の時間保持することによ
り酸化処理をすることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る実施形態を図
1を参照して説明する。本実施形態の多層セラミック電
子部品の製造方法は、本発明者らが見いだした、「卑金
属からなる電極を内部に有する誘電体を含む積層体を、
窒素雰囲気中でかつ昇温速度を60℃/時間〜350℃
/時間の範囲の値に設定して焼成することにより、卑金
属からなる電極の酸化による有効面積の減少を伴わずに
誘電体磁器を作成でき、かつ当該磁器が優れた信頼性を
有する。」という性質を利用したものである。
【0015】この実施形態の多層セラミック電子部品の
製造方法は、図1に示すように、ステップS1乃至ステ
ップS5からなり、ステップS5の焼成工程で上述の性
質を利用している。当該製造方法においては、まず、ス
テップS1で、有機樹脂に誘電体粉末が分散されたセラ
ミック・スラリーをシート成形することによりグリーン
シートを作成する。ステップS2では、ステップS1で
作成されたグリーンシートの少なくとも一方の面に所定
の形状に導電ペーストを塗布することにより、所定の形
状に導電ペースト層を形成する。ここで、内部電極を構
成するために用いる導電ペーストとしては、樹脂中にN
i,Fe,Co,W,Mo又はNi合金等の安価な卑金
属粉末を分散させた導電ペーストを用いる。次にステッ
プS3で、ステップS2で導電ペースト層が形成された
グリーンシートを、グリーンシートと導電ペースト層と
が交互になるように積層する。ステップS4で、ステッ
プS3で積層された積層体に含まれるバインダーを窒素
雰囲気中又は大気中で、揮発又は燃焼させて除去する。
ステップS5では、ステップS4でバインダーが除去さ
れた積層体を、卑金属粉末が酸化されないように酸素分
圧が低く設定された窒素雰囲気中において、60℃/時
間〜350℃/時間の間の所定の昇温速度に設定して所
定の焼成温度まで上昇させて焼成する。ここで、昇温速
度を60℃/時間〜350℃/時間の範囲に設定したの
は、昇温速度が60℃/時間〜350℃/時間の範囲外
であると、後述する実施例の表2に示すように、等価直
列抵抗が大きくなり、かつ絶縁抵抗が小さくなって平均
寿命も短くなるからである。
【0016】さらに、本実施形態では、図1のステップ
S6に示すように焼成後の積層体を、大気中において、
ステップS5の焼成温度より低い所定の温度で、一定時
間保持することにより再酸化処理をしてもよい。
【0017】以上のように本実施形態の多層セラミック
電子部品の製造方法によれば、ステップS5の焼成工程
において、窒素雰囲気で、かつ昇温速度を60℃/時間
〜350℃/時間の間の値に設定して、グリーンシート
と導電ペースト層とが積層された積層体を焼成している
ので、焼成中に、グリーンシートに含まれる誘電体粉末
が還元されることなく誘電体セラミック層を形成するこ
とができ、しかも導電ペースト層に含まれる卑金属粉末
が酸化されることなく内部電極を形成することができ
る。従って、本実施形態の製造方法によれば、信頼性の
高い多層セラミック電子部品を製造することができる。
【0018】また、以上のように本実施形態では、ステ
ップS5の焼成工程において、中性雰囲気にするために
2ガスのみを用いているので、H2ガスを含む混合ガス
を用いる従来例に比較して、焼成工程における雰囲気の
制御が容易にでき、雰囲気の制御を安価にできる。ここ
で、中性雰囲気とは、還元性のH2ガス等の還元性を有
するガスやO2ガス等の酸化性を有するガスを含まない
雰囲気のことであり、本実施形態では中性雰囲気として
窒素雰囲気を用いている。
【0019】
【実施例】次に、本発明に係る実施例の積層セラミック
コンデンサの製造方法について説明する。
【0020】<実施例1>実施例1では、まず、純度9
9.8%以上のBaCO,CaCO,TiO ,Z
rO,MnO,SiOを準備し、化学式{(Ba
Ca)O}01(TiZr
)Oで表される主成分に対して、0.25重量%の
MnOと0.2重量%のSiOが添加された割合に
なるように配合する。この配合原料をボールミルで湿式
混合し、粉砕したのち乾燥し、空気中にて1100℃の
温度で2時間、仮焼成をして仮焼物を得る。この仮焼物
を乾式粉砕機により粒径が1μm以下になるように粉砕
して所望の誘電体粉末を作成する。ここで、当該誘電体
粉末は、所定の温度で焼成することにより焼結させて、
高い誘電率を有しかつ誘電体損失が小さい誘電体セラミ
ック(誘電体磁器)を作成することができる積層セラミ
ックコンデンサに適した誘電体粉末である。
【0021】上述のようにして作成した誘電体粉末に、
ポリビニルブチラール系バインダー及びエタノール等の
有機溶剤を加えて、ボールミルにより湿式混合し、セラ
ミック・スラリーを調製する。しかる後、セラミック・
スラリーをドクターブレード法によりシート成形し、厚
み23μmの矩形のグリーンシートを作成する。次に、
当該セラミックグリーンシート上に、樹脂中に卑金属の
Ni粉末を分散させた導電ペーストを通常の積層セラミ
ックコンデンサを製造する方法に従って、所定の形状に
印刷し、導電ペースト層を形成する。そして、導電ペー
スト層が形成されたセラミックグリーンシートを、複数
枚積層して積層体を作成し、チップ状に切断して積層体
チップを作成する。ここで、セラミックグリーンシート
は、積層後にチップ状に切断されたときに、当該チップ
の側面に、当該シート上に形成された導電ペーストが互
い違いに引き出されるように積層される。
【0022】次に、当該積層体チップを大気中または窒
素雰囲気中にて、350℃の温度に加熱し、バインダー
を燃焼させた後、窒素雰囲気中において、表1に示す、
所定の昇温速度で1250℃まで昇温させて、1250
℃の温度で2時間保持することにより焼成し、誘電体セ
ラミック層と内部電極層とが交互に積層されたセラミッ
ク焼結体チップを作成する。ここで、1250℃で2時
間保持したときの酸素分圧は、10−9〜10−10
Paの低い値に設定する。
【0023】焼成後、得られたセラミック焼結体チップ
の両端面にパラジウムを含む銀ペーストを塗布し、窒素
雰囲気中において600℃の温度で焼き付け、内部電極
と電気的に接続された外部電極を形成して積層セラミッ
クコンデンサを製造する。以上、説明した実施例1に従
って製造された積層セラミックコンデンサは、表1及び
表2の試料番号2〜7に対応する。
【0024】<実施例2>実施例2では、実施例1と同
様にして製造した積層セラミックコンデンサをさらに、
大気中において、850℃の温度で、30分間保持する
ことにより再酸化処理をする。この実施例2に従って製
造した積層セラミックコンデンサは表1及び表2の試料
番号8〜13に対応する。
【0025】<変形例>以上の実施例1,2では、純度
99.8%以上のBaCO,CaCO,TiO
ZrO,MnO,SiOを用い、{(Ba
Ca)O}01(TiZr)O
+0.25重量%MnO+0.2重量%SiO
割合となるように配合して、誘電体粉末を作成して誘電
体層を形成した。しかしながら、本発明はこれに限ら
ず、{(Ba1-xCax)O}m・(Ti1-yZry)O2
表されるチタン酸バリウム系の誘電体であって、m,
x,yがそれぞれ、1.005≦m≦1.03,0.0
2≦x≦0.22,0<y≦0.20の範囲内にある非
還元性誘電体粉末を用いて誘電体層を形成するようにし
てもよい。m,x,yを上述の範囲に設定された上記非
還元性誘電体粉末を用いることにより、還元性雰囲気で
焼成しても絶縁抵抗の低下のない積層セラミックコンデ
ンサを製造することができる。
【0026】<評価>次に、上述の実施例1と実施例2
に従って製造した積層セラミックコンデンサの評価し
た。表1に示すように、積層セラミックコンデンサは、
昇温速度を各種の値に設定した他、バインダを大気中で
燃焼させたものと窒素中で燃焼させたものを2種類を作
成した。また、表2には、各積層セラミックコンデンサ
の比誘電率、誘電損失、絶縁抵抗、等価直列抵抗及び平
均寿命の5つの特性を示している。
【0027】
【表1】
【表2】
【0028】尚、表1、表2において、*を付して示し
た試料番号1,14,15の積層セラミックコンデンサ
は、本発明の範囲外のものである。ここで、試料番号1
5の積層セラミックコンデンサは、中性雰囲気中ではな
い酸素分圧10−10MPaのN−H−HO雰囲
気中で焼成した積層セラミックコンデンサであって、十
分実用に耐え得るものである。
【0029】ここで、以上のようにして作成した積層セ
ラミックコンデンサの外形寸法は、長さ3.2mm、幅
1.6mm、厚さ1.2mmであり、焼成後の各誘電体
セラミック層の厚みは15μmであった。また、有効誘
電体セラミック層の数は19であり、一層あたりの対向
する内部電極の面積は2.1mmであった。
【0030】表2の特性の評価において、静電容量及び
誘電損失(%)を、自動ブリッジ式測定器を用いて周波
数1KHz、1Vrmsの測定条件で、温度25℃にて
測定して、静電容量と形状因子を用いて比誘電率を算出
した。また、絶縁抵抗は、絶縁抵抗計を用いて、25V
の直流電圧を2分間印加して25℃での絶縁抵抗(Ω)
を測定して対数で示し、等価直列抵抗(ESR)はイン
ピーダンス・アナライザーを用いて測定した。また、平
均寿命は、175℃の温度において、各誘電体セラミッ
ク層に印加される直流電界が10KV/mmになるよう
に外部電極間に電圧を継続して印加して絶縁抵抗の経時
変化を測定し、測定された絶縁抵抗が初期値に比べて二
桁低下した時点で故障したものと判定し、この結果をも
とに平均寿命を算出した。ここで、絶縁抵抗、等価直列
抵抗及び平均寿命はそれぞれ、各試料番号の積層セラミ
ックコンデンサを10個用いて、10個の積層セラミッ
クコンデンサの測定値の平均値を示した。
【0031】表1、表2に示した結果から明らかなよう
に、本発明に係る試料番号2〜13の積層セラミックコ
ンデンサは、N−H−HO雰囲気中で焼成した試
料番号15の積層セラミックコンデンサに比較して、同
等の比誘電率、誘電損失及び絶縁抵抗を有し、高温負荷
試験での絶縁抵抗の劣化度合いを示す平均寿命について
も概ね同等の値を示している。また、本発明に係る試料
番号2〜13の積層セラミックコンデンサの中には、試
料番号2〜6,8〜12のように平均寿命が試料番号1
5の比較例の積層セラミックコンデンサに比較して長い
ものも含まれている。また、表2から明らかなように、
本発明に係る積層セラミックコンデンサは、試料番号1
5の比較例の積層セラミックコンデンサに比較して等価
直列抵抗を同等以下に低くでき、十分実用に耐えうるこ
とがわかる。
【0032】また、表2の試料番号2と8、3と9、4
と10、5と11、6と12、7と13の積層セラミッ
クコンデンサの平均寿命を比較することにより、焼成後
に行う大気中の再酸化処理により、平均寿命を延ばすこ
とができ、再酸化処理を施こしていない積層セラミック
コンデンサに比較してさらに信頼性の向上が可能である
ことがわかる。
【0033】これに対して、比較例の試料番号1,14
の積層セラミックコンデンサは、比誘電率、絶縁抵抗及
び平均寿命の値が小さく、しかも等価直列抵抗が高いの
でN−H−HO雰囲気中で焼成された比較例の試
料番号15の積層セラミックコンデンサと同等の諸特性
を得ることができないことがわかる。
【0034】以上、詳述したように、卑金属からなる導
体ペースト層が内部に形成された積層体チップを窒素雰
囲気中でかつ焼成温度までの昇温速度を60℃/時間〜
350℃/時間の範囲に設定して焼成することにより、
−H−HO雰囲気中で焼成された比較例の試料
番号15の積層セラミックコンデンサと同等以上の諸特
性を得ることができることがわかる。
【0035】
【発明の効果】本発明に係る多層セラミック電子部品の
製造方法は、窒素雰囲気において、昇温速度を60℃/
時間〜350℃/時間の間の値に設定して焼成してい
る。従って、本発明によれば、窒素雰囲気中で焼成して
も、大容量で、しかも高温負荷時の信頼性に優れた積層
セラミックコンデンサを製造することができる。また、
卑金属からなる電極パターンを含む積層体を、複数のガ
スを同時に制御する必要がなく焼成雰囲気の管理が容易
な窒素雰囲気を用いて焼成しているので、電極材料費及
び製造コストを安価にでき、多層セラミック電子部品を
安価に製造することができる。これによって、製造工程
の省エネルギー化に貢献できるとともに、エレクトロニ
クスの発展に伴って要求される積層セラミックコンデン
サの高信頼性化・大容量化に応えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施形態の多層セラミック電子
部品の製造方法の工程図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の誘電体と所定のバインダとを含む
    セラミックグリーンシートに卑金属からなる電極パター
    ンを形成する工程と、 電極パターンが形成された複数のグリーンシートを積層
    して積層体を形成する工程と、 上記積層体からバインダを除去する工程と、 バインダが除去された上記積層体を、所定の雰囲気中に
    おいて、所定の昇温速度で焼成温度まで上昇させて焼成
    する工程とを含む多層セラミック電子部品の製造方法で
    あって、 上記雰囲気を窒素雰囲気に設定し、かつ上記昇温速度を
    60℃/時間〜350℃/時間の間の値に設定したこと
    を特徴とする多層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記誘電体は、{(Ba1-xCax)O}
    m・(Ti1-yZry)O2で表されるチタン酸バリウム系
    の誘電体であって、m,x,yが以下の範囲にある非還
    元性誘電体であることを特徴とする請求項1に記載の多
    層セラミック電子部品の製造方法。 1.005≦m≦1.03 0.02≦x≦0.22 0<y≦0.20
  3. 【請求項3】 上記誘電体はさらに、MnO2とSiO2
    とを含むことを特徴とする請求項2に記載の多層セラミ
    ック電子部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記卑金属は、ニッケルまたはニッケル
    合金からなることを特徴とする請求項2又は3に記載の
    多層セラミック電子部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記バインダを除去する工程が、大気中
    又は窒素雰囲気中で上記積層体中のバインダーを燃焼又
    は揮発させる工程であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の多層セラミック電子部品の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 さらに、上記焼成後の積層体を、大気中
    において、所定の温度で一定の時間保持することにより
    酸化処理する工程を含むことを特徴とする請求項1〜5
    のいずれかに記載の多層セラミック電子部品の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102005050726A1 (de) * 2005-10-19 2007-05-16 Fraunhofer Ges Forschung Kondensator
CN100385582C (zh) * 1999-06-30 2008-04-30 太阳诱电株式会社 叠层陶瓷电子元件的制造方法

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