JPH10134702A - 冷陰極電子銃およびこれを備えたマイクロ波管装置 - Google Patents

冷陰極電子銃およびこれを備えたマイクロ波管装置

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JPH10134702A
JPH10134702A JP29145396A JP29145396A JPH10134702A JP H10134702 A JPH10134702 A JP H10134702A JP 29145396 A JP29145396 A JP 29145396A JP 29145396 A JP29145396 A JP 29145396A JP H10134702 A JPH10134702 A JP H10134702A
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insulating layer
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cold cathode
gate electrode
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷陰極から放出された電子を集束して、電流
密度が高く、リップルが小さい電子ビームを形成する冷
陰極電子銃を提供する。 【解決手段】 少くとも一つの表面が導電性を示す陰極
基板5と、陰極基板5に形成し、先端を先鋭化したエミ
ッタ10と、エミッタ10およびその付近を除いて基板
5の上に積層された絶縁層6と、絶縁層6の上に積層さ
れ、エミッタ10を取り囲む開口を持ち、リング状を呈
するゲート電極7と、絶縁層6の上に積層され、ゲート
電極7の内側に形成された内部電極8と、絶縁層6の上
に積層され、ゲート電極7の外側に形成された外部電極
9とを有している。エミッタ10の電位を基準として、
ゲート電極7、内部電極8、および外部電極9に印加す
る電圧をそれぞれ、EG 、EI 、およびEO としたと
き、EG ≧EI 、かつEG ≧EO である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細構造を持ち、
薄膜技術等によって製作する電界放射陰極アレイ(FE
A)型の冷陰極を用いて電子ビームを形成する冷陰極電
子銃、ならびにこの冷陰極電子銃を備えた進行波管やク
ライストロンなどのマイクロ波管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】微小な円錐状のエミッタ(電子放出電
極)と、エミッタのすぐ近くに形成され、エミッタから
の電流を引き出す機能ならびに電流制御機能を持つゲー
ト電極(制御電極)とにより構成された微小冷陰極を、
アレイ状に並べた電界放射冷陰極が、C.A.Spin
dt等によって提案されている(C.A.Spindt,A Thin-Fi
lmField-Emission Cathode,Journal of Apptied Physic
s,Vol.39,No.7,pp.3504,1986 )。図8(a)〜(c)
は、この電界放射冷陰極の構造を示す図であり、(a)
はその一部の斜視図、(b)はこの電界放射冷陰極を構
成する一つの微小冷陰極107の縦断面図、(c)微小
冷陰極の変形例を示す。図8(a)および(b)におい
て、この電界放射冷陰極は、シリコンの基板101と、
シリコン酸化物の絶縁層102と、絶縁層102の上に
積層されたゲート電極103とを有している。さらに、
絶縁層102およびゲート電極103の一部は除去され
て空洞109が形成され、空洞109中の基板101の
上に先端が尖ったエミッタ104が形成されている。微
小冷陰極107は、エミッタ104およびゲート電極1
03と、絶縁層102に形成された空洞109とで構成
される。微小冷陰極107はアレイ状に並べられ、これ
により、平面状の電子放出領域を持つ冷陰極108が構
成される。
【0003】図8(c)は、ゲート電極103の上に絶
縁層105を介して集束電極106を積層した微小冷陰
極の断面構造である。エミッタ104から放出された電
子の軌道は、集束電極106によって集束される。
【0004】図8(a)および(b)を参照して、基板
101とエミッタ104とは電気的に接続されており、
エミッタ104とゲート電極103との間には約50V
の電圧が印加される。絶縁層102の厚さは約1μm、
ゲート電極103の開口径も約1μmと狭く、エミッタ
104の先端は10nm程度と極めて尖鋭に作られてい
るので、エミッタ104の先端には強い電界が加わる。
この電界が2〜5×107 V/cm以上になると、エミ
ッタ104の先端から電子が放出される。このような構
造の微小冷陰極を基板101の上にアレイ状に並べるこ
とにより、大きな電流を放出する平面状の陰極(FE
A)が構成される。さらに、微細加工技術を利用して微
小冷陰極を高密度に並べれば、従来の熱陰極の5〜10
倍以上の陰極電流密度を実現できる。
【0005】このスピント(Spindt)型冷陰極
は、熱陰極と比較して高い陰極電流密度が得られ、放出
電子の速度分散が小さい等の利点を持っている。また、
単一の電界放射エミッタと比較して電流雑音が小さく、
約10〜数10Vの低い電圧で動作し、比較的悪い真空
度の環境中でも動作する。
【0006】この冷陰極を、進行波管(TWT)やクラ
イストロンなどのマイクロ波管に適用できれば、陰極の
加熱電力が不要であるので低消費電極であり、かつ陰極
電流密度が高いので高出力であり、高周波の領域におい
て効率の高い増幅装置を実現できる可能性がある。さら
に、陰極の加熱が不要であるために、マイクロ波管、特
に、電子銃部の構造を小型化できる可能性がある。
【0007】しかし、マイクロ波管などの電子ビーム装
置にこの冷陰極を導入する場合には、以下の問題〜
が懸念される。
【0008】 陰極から放出される電子のなかには、
個々のエミッタ先端付近の強く歪んだ電界分布の影響を
受け、横方向の速度成分を持つ電子が存在する。
【0009】 冷陰極が平面の上に形成され、かつ電
子放出領域が平面状になっているため、Pierce電
子銃の設計条件を満たさない。
【0010】このため、電子ビームにリップルが生じ、
電子ビームとマイクロ波との強い相互作用を実現できな
いので、利得、効率などで高い性能を実現できないとい
う不都合が生じる。さらに、電子ビームのリップルが大
きいと、らせんなどの低速波回路に電子ビームの一部が
流入し、管内の真空度を低下させて信頼性を悪化させる
虞がある。このため、冷陰極が高い陰極電流密度で動作
できるにも拘らず、この利点を生かせず、マイクロ波管
の性能向上には結びつかなかった。
【0011】このような状況に対し、問題について
は、図8(c)に示すような集束電極をゲート電極の上
に設け、横方向速度成分の抑圧を図る方法が知られてい
る。
【0012】に対しては、図9(a)および(b)に
示すような陰極の構成が、特開平7−14501号公報
に開示されている。図9(a)および(b)において、
基板201上の絶縁層202の上に形成されたゲート電
極203は、ゲート電極部203aと、これを取り囲む
周辺電極部203bとに分割されている。周辺電極部2
03bには、ゲート電極部203aとは異なる電圧が印
加できるようになっている。これによって、陰極周辺部
の電位の軸対称性を良好な状態に保持しながら、電子ビ
ームの集束状態の微調整を可能にしている。
【0013】次に、他の従来の陰極、ならびに電子銃構
造の例を図10〜12に示す。
【0014】図10は、A.Staprans,et al.,High-Power
Lineare-Beam Tubes,Proceedingsof the IEEE,Vol.61,
No.3,p.299-330,1973. にて開示された熱陰極電子銃で
ある。この熱陰極電子銃では、熱陰極の中央部および周
辺部にそれぞれビームコントロール電極301aおよび
301bを配置している。ビームコントロール電極30
1aおよび301bには、同一の電圧を印加し、この電
圧を変えて電子ビームのオン/オフを行う。この熱陰極
電子銃は、オン状態のときに、Pierce電子銃に近
い電界分布で電子ビームを集束する。しかし、ビームコ
ントロール電極301aおよび301bの電圧を変える
と、電子ビームの集束状態が変化するため、電子ビーム
電流量の制御には使用されない。
【0015】図11(b)は、特開平5−307930
号公報に開示された冷陰極の構成を示す。この冷陰極で
は、多数の微小冷陰極が形成された電子放出領域の中央
部おいて、微小冷陰極を形成せずに、耐スパッタ性の優
れた金属層である金属層401(図11(a))および
金属層402(図11(b))を形成している。そし
て、軸対称の電磁界を持つマイクロ波管の低速波回路部
分で発生した正イオンをこの部分に衝突させ、正イオン
が微小冷陰極に衝突するのを防ぎ、エミッタとゲート電
極とが短絡して陰極が動作不能になるのを防ぐことを目
的としている。
【0016】図12(a)および(b)は、特開平6−
243777号公報に開示された冷陰極の構成を示す。
図12(a)および(b)において、半導体基板501
上にて隣り合うエミッタ504間にゲート電極503と
は絶縁沿う502に形成した絶縁層溝505により絶縁
された遮蔽電極506を形成した冷陰極の構造である。
この構造では、隣り合うエミッタ504が互いの動作の
影響を受けるのが防がれる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】図8(c)に示した集
束電極付きの冷陰極では、個々のエミッタからの電子ビ
ームの横方向速度成分が抑圧されたとしても、前述の問
題に伴うリップルは抑圧することができない。このた
め、十分に良好な電子ビームを形成することは、期待で
きない。さらに、集束電極で十分な集束効果を実現する
ためには、集束電極電位をエミッタ電位に近い値に設定
する必要があり、ゲート電極と集束電極との間の耐圧、
集束電極によるエミッション抑圧効果などの問題が生じ
る。
【0018】図9に示した構造では、前述の問題に示
す横方向成分を十分に抑圧することができず、問題に
伴うリップルも完全に抑えることはできない。
【0019】本発明の技術的課題は、冷陰極から放出さ
れた電子ビームを集束して、電流密度が高く、リップル
が小さい電子ビームを形成する冷陰極電子銃を提供する
ことである。
【0020】本発明の他の技術的課題は、TWTのよう
なマイクロ波管の主に低速波回路で生成された正イオン
が冷陰極の中心部を衝撃して、エミッタ・ゲート電極間
の絶縁を劣化させ、ついには冷陰極を使用不能にするの
を防止することである。
【0021】本発明のさらに他の技術的課題は、この電
子銃を電子源として、小型で、利得が高く、動作が安定
で、信頼性が高く、寿命の長いマイクロ波管装置を提供
することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、少くと
も一つの表面が導電性を示す陰極基板と、前記陰極基板
に形成し、先端を先鋭化したエミッタと、前記エミッタ
およびその付近を除いて前記陰極基板の上に積層された
絶縁層と、前記絶縁層の上に積層され、前記エミッタを
取り囲む開口を持ち、リング状を呈するゲート電極と、
前記絶縁層の上に積層され、前記ゲート電極の内側に形
成された内部電極と、前記絶縁層の上に積層され、前記
ゲート電極の外側に形成された外部電極とを有し、前記
エミッタの電位を基準として、前記ゲート電極、前記内
部電極、および前記外部電極に印加する電圧をそれぞ
れ、EG 、EI 、およびEO としたとき、EG ≧EI
かつEG ≧EO であることを特徴とする冷陰極電子銃が
得られる。
【0023】本発明によればまた、前記内部電極および
前記外部電極のうちの少くとも一方は、前記絶縁層の上
に積層した絶縁層上絶縁層の上に形成されることを特徴
とする前記冷陰極電子銃が得られる。
【0024】本発明によればさらに、少くとも一つの表
面が導電性を示す陰極基板と、前記陰極基板に形成さ
れ、先端が先鋭化されたエミッタと、前記エミッタおよ
びその付近を除いて前記陰極基板の上に積層された絶縁
層と、前記絶縁層の上に積層され、前記エミッタを取り
囲む開口を持つゲート電極と、前記ゲート電極の上に積
層され、前記絶縁層と共通の空洞を形成したゲート電極
上絶縁層と、前記ゲート電極上絶縁層の上に積層され、
開口が前記絶縁層および前記ゲート電極上絶縁層と共通
の空洞を形成し、リング状を呈する集束電極と、前記ゲ
ート電極上絶縁層の上に積層され、前記集束電極の内側
に形成した内部電極と、前記ゲート電極上絶縁層の上に
積層され、前記集束電極の外側に形成された外部電極と
を有し、前記エミッタの電位を基準として、前記集束電
極、前記内部電極、および前記外部電極に印加する電圧
をそれぞれ、Ef 、EI 、およびEO としたとき、Ef
≧EI 、かつEf ≧EO であることを特徴とする冷陰極
電子銃が得られる。
【0025】本発明によればまた、少くとも一つの表面
が導電性を示す陰極基板、前記陰極基板のリング状の領
域に形成され、先端が先鋭化されたエミッタ、前記エミ
ッタとその付近を除いて前記陰極基板の上に積層された
絶縁層、ならびに前記絶縁層の上に積層され、前記エミ
ッタを取り囲む開口を持つゲート電極により構成される
冷陰極と、前記冷陰極の前記エミッタを形成したリング
状の電子放出領域を取り囲む第1のウエーネルト電極
と、前記電子放出領域の内側に設置された第2のウエー
ネルト電極とを有し、前記冷陰極の前記エミッタの電位
を基準として、前記冷陰極の前記ゲート電極、前記第1
のウエーネルト電極、および前記第2のウエーネルト電
極に印加する電圧をそれぞれ、EG 、EW1、およびEW2
としたとき、EG ≧EW1、かつEG ≧EW2であり、前記
電子放出領域の外径および内径をそれぞれ、D0および
D1としたとき、D1/D0≧0.8であることを特徴
とする冷陰極電子銃が得られる。
【0026】本発明によればさらに、前記第1のウエー
ネルト電極の先端の前記冷陰極の表面からの距離が、前
記第2のウエーネルト電極の先端の前記冷陰極の表面か
らの距離以上であることを特徴とする前記冷陰極電子銃
が得られる。
【0027】本発明によればまた、前記第1のウエーネ
ルト電極の内側から前記電子放出領域の外側までの距離
が、前記第2のウエーネルト電極の外側から前記電子放
出領域の内側までの距離以下であることを特徴とする前
記冷陰極電子銃が得られる。
【0028】本発明によればまた、前記冷陰極電子銃の
いずれかを少くとも一つ備えたマイクロ波管装置が得ら
れる。
【0029】本発明による冷陰極電子銃においては、エ
ミッタ・ゲート電極間の電圧を変えて、電子ビームの電
流量を変化させても、内部電極と外部電極の電圧を調整
することによって、常に良好な集束が実現できる。よっ
て、リップルの小さい高品質の電子ビームを形成でき
る。さらに、低速波回路部で生成した正イオンが衝撃す
る部分には電子を放出する微細構造がないので、エミッ
タ・ゲート電極間の短絡による故障が発生する恐れがな
く、高い信頼性を実現できる。
【0030】この冷陰極電子銃を使用したマイクロ波管
装置では、高品質の電子ビームが形成できるので、高い
装置性能が実現できれる。特に、TWTなどのマイクロ
波管装置においては、従来例と比較して装置の大幅な小
型化が可能であり、高いDC−RF変換効率が実現でき
る。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態による電子銃およびこれを備えたマイクロ波
管装置を説明する。
【0032】[実施の形態1]図1は、本発明の実施の
形態1による冷陰極電子銃の模式的な構造を示す断面図
である。図1において、本冷陰極電子銃は、真空中に自
由電子を放出する冷陰極1と、電子ビーム4を集束する
ウエーネルト電極2と、電子ビーム4を加速・形成する
陽極3とを有している。尚、図1には示さないが、冷陰
極電子銃全体は、真空の外囲器内に納められている。
【0033】冷陰極1は、陰極基板5、絶縁層6、ゲー
ト電極7、内部電極8、外部電極9、およびエミッタ1
0で構成されている。絶縁層6は、少くとも表面に導電
層を持つ陰極基板5の上に積層され、ゲート電極7、内
部電極8、および外部電極9は、絶縁層6の上に積層さ
れた金属層を同心円状に3分割したものである。最も内
側の円形電極が内部電極8、中央のリング状電極がゲー
ト電極7、外側の電極が外部電極9である。ゲート電極
7と絶縁層6とには、共通の多数の空洞が形成され、こ
の空洞の底で、かつ陰極基板5の上には、電子放出電極
であるエミッタ10が形成されている。
【0034】溝17は、ゲート電極7と内部電極8とが
接する部分、ならびにゲート電極7と外部電極9とが接
する部分の絶縁層6に設けられている。溝17は、ゲー
ト電極7と内部電極8との間の表面絶縁距離、ならびに
ゲート電極7と外部電極9との間の表面絶縁距離を延長
して、汚染物質や汚染粒子などによって耐圧が低下する
のを防止する。尚、絶縁層6に溝を形成する代わりに、
この部分の絶縁層を除去したり、あるいは、逆にリング
状の絶縁物を積み重ねても同様の効果が期待できる。
【0035】図2は、図1に示す冷陰極電子銃の模式的
な平面図であり、陽極側から陽極3を除去して見た、冷
陰極1とウエーネルト電極2を示している。
【0036】尚、各電極の配線は、真空外囲器を通して
外部に引き出され(図1および図2には示さず)、直流
電源11〜15に接続されている。各電源は、陰極基板
5を基準として接続され、内部電極8、外部電極9、ゲ
ート電極7、ウエーネルト電極2、および陽極3にはそ
れぞれ、直流電源11〜15から、陰極基板5を基準と
した電圧EI 、EO 、EG 、EW 、およびEA が印加さ
れている。
【0037】本冷陰極電子銃を動作させるには、陰極基
板5を基準として、ゲート電極7に約50Vの電圧EG
を印加し、電子を各エミッタ10の先端から放出させ
る。内部電極8および外部電極9には、電圧条件EG
I 、EG ≧EO を満たす電圧EI 、EO が印加されて
いる。さらに、陽極3には、マイクロ波管の用途に応じ
て、1kV以下〜10kV以上の電圧が印加される。
【0038】エミッタ10の先端から陰極基板5と垂直
方向に放出された電子(以後、中心電子と呼ぶ)は、冷
陰極1の付近では、内部電極8、外部電極9、およびゲ
ート電極7で形成された電界分布によって電子ビームの
中心軸、即ち陰極基板5に垂直でかつゲート電極7の中
心部を通る軸に向かう方向へ曲げられ、全体としては集
束されていく。さらに、電子が冷陰極1を離れると、主
にウエーネルト電極2で形成された電界分布の影響を受
け、さらに集束を受けて電子ビームは陽極3付近に達す
る。
【0039】リング状のゲート電極7は、両側からゲー
ト電極7よりも電位の低い内部電極8と外部電極9とで
挟まれているので、エミッタ10から放出され、陰極基
板5と並行方向の速度成分を持つ電子(以後、周辺電子
と呼ぶ)は、冷陰極1の付近では、内部電極8、外部電
極9、およびゲート電極7で形成された電界分布によっ
て中心電子の進行方向に曲げられ、中心電子に近い軌道
を通って、陽極3で形成された電界で加速される。
【0040】このように、周辺電子は中心電子の方向に
集束される一方、中心電子は電子ビームの中心軸に向か
って集束される。
【0041】エミッタ6は、タングステンあるいはモリ
ブデンのような耐熱金属で作られる。ゲート電極7は、
タングステン、モリブデン、ニオブ、またはタングステ
ンシリサイド等の金属あるいは金属化合物で作られる。
絶縁層6には、例えばシリコンの酸化物、シリコンの窒
化物等の単一あるいは複合層構造を使用する。ゲート電
極7の開口の直径は約1μm、エミッタ10の高さは約
0.5〜1μm、第1絶縁層6の厚さは約0.4〜0.
8μm、ならびにゲート電極7の厚さは約0.2μmで
ある。
【0042】この陰極を製作するには、基本的には文献
(Journal of Applied Physics,Vol.39,No.7,pp.3504,1
968 )等に開示されているように、ゲート電極7と絶縁
層6に空洞を形成した後、ウエハを回転させながら斜め
方向から犠牲層を堆積し、次にエミッタ材料をウエハの
真上から堆積すればよい。
【0043】本実施の形態においては、電子ビーム4の
速度が遅く外部の電界の影響を受けやすい冷陰極1付近
の電子ビーム形状を、電極パターンを冷陰極1上に正確
に形成できる内部電極8および外部電極9によって制御
している。よって、電子ビーム4の高精度の制御が可能
になり、リップルの少い電子ビーム4が形成できる。さ
らに、リング状の電子放出領域から放出されたリング状
の断面を持つ電子ビームは、ゲート電極7よりも低い電
位の内部電極8および外部電極9によって形成される、
両側から押さえつけるような電位分布の中を進行するの
で、横方向速度成分が抑圧される。
【0044】さらに、内部電極8と外部電極9との間の
電圧関係を変えることによって、集束状況を変えること
ができる。よって、ゲート電圧を変えて電子ビーム電流
量を変えた場合にも、最適な集束状態に容易に再設定す
ることができる。
【0045】[実施の形態2]図3は、本発明の実施の
形態2による冷陰極電子銃の模式的な構造を示す図であ
る。図1に示した実施の形態1と異なる点は、ゲート電
極7の上にゲート電極上絶縁層21を介してリング状の
集束電極22を追加し、集束電極22を挟む内部電極8
および外部電極9をゲート電極上絶縁層21の上に形成
した点である。実施の形態2では、実施の形態1と比較
して、周辺電子がより強く集束作用を受ける。
【0046】ゲート電極7に印加する電圧EG には、約
50Vを印加する。あるいは、集束電極22の電圧の影
響を受けてエミッション電流が低下するので、約50V
よりも僅かに高い電圧を印加する。集束電極22に印加
する電圧Ef は約10Vである。内部電極8および外部
電極9には、電圧条件Ef ≧EI 、Ef ≧EO を満たす
電圧EI 、EO が印加されている。尚、冷陰極構造の設
計によっては、Ef 、EI 、およびEO は、負の電圧に
なることもある。
【0047】各エミッタ10から放出された周辺電子
は、はじめに集束電極22によって集束を受け、横方向
速度成分が抑圧される。さらに、実施の形態1と同じよ
うに、集束電極22を挟む内部電極8および外部電極9
で形成される電界で集束を受け、横方向速度成分が抑圧
される。さらに、内部電極8、外部電極9、ウエーネル
ト電極2、および陽極3で形成された電界分布によって
集束を受ける。
【0048】[実施の形態3]図4は、本発明の実施の
形態3による冷陰極電子銃の模式的な構造を示す図であ
る。実施の形態3が図1に示した実施の形態1と異なる
のは、ゲート電極7が形成されている領域を除いて、絶
縁層6の上に絶縁層上絶縁層31を積層し、絶縁層上絶
縁層31の上に内部電極8および外部電極9を形成した
点である。絶縁層上絶縁層31は、絶縁層6と比較して
厚く形成されている。よって、実施の形態1と比較し
て、内部電極8と外部電極9の電位が、冷陰極1から軸
方向に離れた位置にまで電界形成に影響を及ぼすことが
でき、より強い電界レンズが形成できる。このため、放
出された電子がより強く集束作用を受ける。
【0049】[実施の形態4]図5は、本発明の実施の
形態4をによる冷陰極電子銃の模式的な構造を示す図で
ある。図1、3、および4に示した実施の形態1、2、
および3と異なる点は、電子放出領域を形成した冷陰極
41をリング状に形成し、外側に金属からなる第1のウ
エーネルト電極42、リングの中央に同じく金属からな
る第2のウエーネルト電極43設けている点である。冷
陰極41は、実施の形態1、2、および3にある内部電
極8と外部電極9を有していない。本実施の形態では、
実施の形態1、2、および3と比較して、中央部の第2
のウエーネルト電極43の高さを、内部電極8よりも大
幅に高くできる。例えば、実施の形態3の内部電極8が
ゲート電極7よりも高々数μm程度高いだけなのに対
し、第2のウエーネルト電極43は、0.5mm以上の
高さを持ち、100倍以上の差がある。したがって、第
1のウエーネルト電極42と第2のウエーネルト電極4
3によって、実施形態例1、2、3と比較してさらに強
い集束作用が実現できる。
【0050】図5において、多数のエミッタを形成した
電子放出領域も、冷陰極41と同様に、リング状になっ
ている。第1のウエーネルト電極42と第2のウエーネ
ルト電極43には、独立の電圧EW1、EW2が印加され
る。電圧EW1、EW2は、ゲート電極電圧EG に対して、
次の電圧条件を満たしている。電圧条件EG ≧EW1、E
G ≧EW2。第1のウエーネルト電極42の高さと第2の
ウエーネルト電極43の高さとの関係、即ち冷陰極41
の表面から第1のウエーネルト電極42の先端までの距
離と冷陰極4の表面から第2のウエーネルト電極43の
先端までの距離との関係については、第1のウエーネル
ト電極42の方を高くすることによって、全体の電子ビ
ームをより効果的に集束することができる。
【0051】さらに、第1のウエーネルト電極42の内
側から電子放出領域の外側までの距離をdo、第2のウ
エーネルト電極43の外側から電子放出領域の内側まで
の距離diとしたとき、di≧do、即ち電子放出領域
を外側にある第1のウエーネルト電極42に近づけるこ
とによって、外側から電子ビームの中心軸に向かう力を
強くできる。よって、電子ビームを強く集束することが
できる。
【0052】このように、リング状電子放出領域から放
出された電子は、これを挟む内側と外側のウエーネルト
電極により強い集束電界を受けるので、Pierce電
子銃とは異なった集束条件で電子ビームを形成する。
【0053】図6には、実施の形態4による冷陰極電子
銃で形成された電子ビーム軌道の計算結果の一例を示
す。図6では、電子ビーム軌道と共に、電極構造、電位
分布、および軸方向磁束密度分布をもに示す。図6を参
照して、リング状に並んだエミッタから横方向速度成分
を持つ電子を含む電子の軌道が示されている。電子は、
電子銃における電界と軸方向磁束によって集束を受け
て、らせんを通り抜ける細い電子ビームとなる。
【0054】電子ビーム軌道の計算結果から、リップル
の小さい良好な電子ビームを得るためには、電子放出領
域の内径、外径をそれぞれDI、DOとすると、DI/
DO≧0.8の関係を満たす必要があることがわかっ
た。また、実際のマイクロ波管の構造、ならびに電子ビ
ーム集束用周期磁石の設計条件を考慮すると、らせんな
どの低速波回路部分における電子ビームの直径をDbと
すると、DO/Dbを4.5前後に設定するのがよいこ
とがわかった。
【0055】尚、実施の形態4において、ゲート電極の
上にゲート電極上絶縁層を介して集束電極を積層した構
造の冷陰極41を使用しても、同様の効果が得られるの
は明らかである。
【0056】[実施の形態5]図7は、本発明の実施の
形態5によるマイクロ波管装置を示す断面図である。実
施の形態5は、冷陰極電子銃を備えた電子ビーム装置と
して代表的なマイクロ波管装置であるTWT(進行波
管)である。図7において、本マイクロ波管装置は、冷
陰極81、ウエーネルト電極82、および陽極83によ
り構成された電子銃86を有している。冷陰極81から
放出された電子は、電子銃86で作られた静電界と磁石
88で作られた磁界で集束され、所定形状の電子ビーム
87に形成される。電子ビーム87は、内径が1mm程
度またはこれ以下の低速波回路であるらせん90の中を
通り抜け、コレクタ89で捕捉される。らせん90に印
加された入力RF信号は、密度変調した電子ビーム87
を作り、電子ビーム87はらせん90の中を通過する間
にらせん90との相互作用により、らせん90にRF信
号を誘起し、さらにこれを増幅して出力信号を作る。直
流電源91,92,93,および94は、それぞれウエ
ーネルト電極82、陽極83、らせん90、およびコレ
クタ89に直流電圧を供給する。尚、図7では、冷陰極
81のゲート電極や内部電極等に電圧を印加するための
配線と電源は、省略している。
【0057】本装置は、電子ビームのリップルが小さい
ため、電子ビームとらせんとの結合を強くできる。よっ
て、らせん単位長さ当たりの利得を高くできるので、ら
せんの全長を大幅に短縮でき、TWTを大幅に小型化で
きる。さらに、電流密度の高い電子ビームが形成できる
ため、RF−DC変換効率の高いTWTが実現できる。
【0058】一般に、管内の残留ガスと電子が衝突する
ことによってガス分子はイオン化され、正イオンは陰極
を衝撃して、陰極に損傷を与える虞がある。陽極83が
最高電位であった場合には、らせん90やコレクタ89
部分で生成された正イオンは陽極83で作られた電位の
山を乗り越えられないので冷陰極81には到達しない。
一方、冷陰極81から陽極83までの電子銃部で生成さ
れた正イオンは、冷陰極81を衝撃する。他方、らせん
90が最高位であった場合には、特にらせん90部分で
生成された正イオンは、らせん90中心軸付近にトラッ
プされる。電子銃部に到達した一部の正イオンは、らせ
ん90と冷陰極81との間の電位差で加速され、冷陰極
81の中心部を衝撃する。しかし、この場合でも、本発
明の冷陰極81の中心部にはイオン衝撃の影響を強く受
けるエミッタが形成されていないので、信頼性に影響を
与える虞はない。
【0059】尚、実施の形態5では、低速波回路として
らせんを用いたTWTの例を示しているが、らせんに限
らず、結合空洞やリングループ等のTWTにも適用でき
る。さらに、TWTに限らず、クライストロンやジャイ
ロトロンのようなマイクロ波管装置に、本発明の冷陰極
を適用しても、その利点を活用することができる。
【0060】また、Spindtタイプの冷陰極の他
に、半導体基板のエッチングによってエミッタを形成す
るGrayタイプや、微小な鋳型の中に電子放出層を堆
積してエミッタを形成するモールドタイプの冷陰極にも
本発明が適用できることは、明らかである。
【0061】
【発明の効果】本発明による冷陰極電子銃は、少くとも
一つの表面が導電性を示す基板と、陰極基板に形成し、
先端を先鋭化したエミッタと、エミッタおよびその付近
を除いて陰極基板の上に積層された絶縁層と、絶縁層の
上に積層され、エミッタを取り囲む開口を持ち、リング
状を呈するゲート電極と、絶縁層の上に積層され、ゲー
ト電極の内側に形成された内部電極と、絶縁層の上に積
層され、ゲート電極の外側に形成された外部電極とを有
している。エミッタの電位を基準として、ゲート電極、
内部電極、および外部電極に印加する電圧をそれぞれ、
G 、EI 、およびEO としたとき、EG ≧EI 、かつ
G ≧EO であるため、ゲート・エミッタ間の電圧を変
化させ、電子ビームの電流量を変えても常に良好な集束
を実現できる。よって、リップルの小さい高品質の電子
ビームが形成できる。さらに、低速波回路部で生成した
正イオンが衝撃する部分には電子を放出する微細構造が
ないので、エミッタ・ゲート間の短絡による故障が発生
する虞がなく、高い信頼性を実現できる。
【0062】また、本発明による冷陰極電子銃を備えた
マイクロ波管装置は、高品質の電子ビームを形成できる
ので、高い装置性能が実現できる。特に、TWTなどの
マイクロ波管装置においては、従来例と比較して装置の
大幅な小型化が可能であり、高いDC−RF変換効率を
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による冷陰極電子銃の模
式的な構造を示す図である。
【図2】図1に示す冷陰極電子銃の模式的な平面図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態2による冷陰極電子銃の模
式的な構造を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態3による冷陰極電子銃の模
式的な構造を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態4による冷陰極電子銃の模
式的な構造を示す図である。
【図6】図5に示す冷陰極電子銃で形成された電子ビー
ム軌道の計算結果の一例である。
【図7】本発明の実施の形態5によるマイクロ波管装置
としてのTWTの構造を示す断面図である。
【図8】従来例によるSpindtタイプの冷陰極を示
す図であり、(a)は冷陰極の構造を示し、(b)およ
び(c)は微小冷陰極の断面を示す。
【図9】(a)および(b)共に、従来例による冷陰極
を示す図である。
【図10】従来例による熱陰極電子銃を示す図である。
【図11】(a)および(b)は、従来例による冷陰極
をその製造工程の一部に即して示す図である。
【図12】(a)および(b)共に、従来例による冷陰
極を示す図である。
【符号の説明】
1 冷陰極 2 ウエーネルト電極 3 陽極 4 電子ビーム 5 陰極基板 6 絶縁層 7 ゲート電極 8 内部電極 9 外部電極 10 エミッタ 11〜15 直流電源 16 正イオン 17 溝 21 ゲート電極上絶縁層 22 集束電極 23 直流電源 31 絶縁層上絶縁層 41 冷陰極 42 第1のウエーネルト電極 43 第2のウエーネルト電極 44 陽極 81 冷陰極 82 ウエーネルト電極 83 陽極 86 電子銃 87 電子ビーム 88 磁石 89 コレクタ 90 らせん 91〜94 直流電源 101 基板 102 絶縁層 103 ゲート電極(制御電極) 104 エミッタ 105 絶縁層 106 集束電極 107 微小冷陰極 108 陰極 109 空洞

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少くとも一つの表面が導電性を示す陰極
    基板と、前記陰極基板に形成し、先端を先鋭化したエミ
    ッタと、前記エミッタおよびその付近を除いて前記陰極
    基板の上に積層された絶縁層と、前記絶縁層の上に積層
    され、前記エミッタを取り囲む開口を持ち、リング状を
    呈するゲート電極と、前記絶縁層の上に積層され、前記
    ゲート電極の内側に形成された内部電極と、前記絶縁層
    の上に積層され、前記ゲート電極の外側に形成された外
    部電極とを有し、前記エミッタの電位を基準として、前
    記ゲート電極、前記内部電極、および前記外部電極に印
    加する電圧をそれぞれ、EG 、EI 、およびEO とした
    とき、EG ≧EI 、かつEG ≧EO であることを特徴と
    する冷陰極電子銃。
  2. 【請求項2】 前記内部電極および前記外部電極のうち
    の少くとも一方は、前記絶縁層の上に積層した絶縁層上
    絶縁層の上に形成されることを特徴とする請求項1に記
    載の冷陰極電子銃。
  3. 【請求項3】 少くとも一つの表面が導電性を示す陰極
    基板と、前記陰極基板に形成され、先端が先鋭化された
    エミッタと、前記エミッタおよびその付近を除いて前記
    陰極基板の上に積層された絶縁層と、前記絶縁層の上に
    積層され、前記エミッタを取り囲む開口を持つゲート電
    極と、前記ゲート電極の上に積層され、前記絶縁層と共
    通の空洞を形成したゲート電極上絶縁層と、前記ゲート
    電極上絶縁層の上に積層され、開口が前記絶縁層および
    前記ゲート電極上絶縁層と共通の空洞を形成し、リング
    状を呈する集束電極と、前記ゲート電極上絶縁層の上に
    積層され、前記集束電極の内側に形成した内部電極と、
    前記ゲート電極上絶縁層の上に積層され、前記集束電極
    の外側に形成された外部電極とを有し、前記エミッタの
    電位を基準として、前記集束電極、前記内部電極、およ
    び前記外部電極に印加する電圧をそれぞれ、Ef
    I 、およびEO としたとき、Ef ≧EI 、かつEf
    O であることを特徴とする冷陰極電子銃。
  4. 【請求項4】 少くとも一つの表面が導電性を示す陰極
    基板、前記陰極基板のリング状の領域に形成され、先端
    が先鋭化されたエミッタ、前記エミッタとその付近を除
    いて前記陰極基板の上に積層された絶縁層、ならびに前
    記絶縁層の上に積層され、前記エミッタを取り囲む開口
    を持つゲート電極により構成される冷陰極と、前記冷陰
    極の前記エミッタを形成したリング状の電子放出領域を
    取り囲む第1のウエーネルト電極と、前記電子放出領域
    の内側に設置された第2のウエーネルト電極とを有し、
    前記冷陰極の前記エミッタの電位を基準として、前記冷
    陰極の前記ゲート電極、前記第1のウエーネルト電極、
    および前記第2のウエーネルト電極に印加する電圧をそ
    れぞれ、EG 、EW1、およびEW2としたとき、EG ≧E
    W1、かつEG ≧EW2であり、前記電子放出領域の外径お
    よび内径をそれぞれ、D0およびD1としたとき、D1
    /D0≧0.8であることを特徴とする冷陰極電子銃。
  5. 【請求項5】 前記第1のウエーネルト電極の先端の前
    記冷陰極の表面からの距離が、前記第2のウエーネルト
    電極の先端の前記冷陰極の表面からの距離以上であるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の冷陰極電子銃。
  6. 【請求項6】 前記第1のウエーネルト電極の内側から
    前記電子放出領域の外側までの距離が、前記第2のウエ
    ーネルト電極の外側から前記電子放出領域の内側までの
    距離以下であることを特徴とする請求項4に記載の冷陰
    極電子銃。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の冷陰
    極電子銃を少くとも一つ備えたマイクロ波管装置。
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