JP3282602B2 - 電子銃並びに電界放射陰極電子銃、及びマイクロ波管 - Google Patents
電子銃並びに電界放射陰極電子銃、及びマイクロ波管Info
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- JP3282602B2 JP3282602B2 JP00145899A JP145899A JP3282602B2 JP 3282602 B2 JP3282602 B2 JP 3282602B2 JP 00145899 A JP00145899 A JP 00145899A JP 145899 A JP145899 A JP 145899A JP 3282602 B2 JP3282602 B2 JP 3282602B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビームの周期
的な広がりの抑制を図ることができ、さらに陰極表面に
おける磁界強度(磁束密度)の最適化を図ることができ
る電子銃並びに電界放射陰極電子銃、及びマイクロ波管
に関する。
的な広がりの抑制を図ることができ、さらに陰極表面に
おける磁界強度(磁束密度)の最適化を図ることができ
る電子銃並びに電界放射陰極電子銃、及びマイクロ波管
に関する。
【0002】
【従来の技術】微小な円錐状のエミッタと、エミッタの
すぐ近くに形成され、エミッタからの電流を引き出す機
能並びに電流制御機能を持つ制御電極(ゲート電極)で
構成された微小冷陰極をアレイ状に並べた電界放射冷陰
極(第1従来技術)がC.A.Spindt等によって
提案されている。(C.A.Spindt, A th
in−film field−emission ca
thode, Journal of Applied
Physics, Vol.39, No.7, p
p.3504,1968)。図8(a)は第1従来技術
の電界放射冷陰極の構造を示し、図8(b)は第1従来
技術の冷陰極を構成する一つの微小冷陰極107の断面
図を示す。図8(a)、(b)において、101はシリ
コンの基板、102はシリコン酸化物の絶縁層で、絶縁
層102の上に制御電極103が積層されている。絶縁
層102と制御電極103の一部は除去されて、空洞1
09が形成され、空洞109中の基板101の上に先端
が尖ったエミッタ104が形成されている。エミッタ1
04、制御電極103及び制御電極103と絶縁層10
2に形成された空洞109で微小冷陰極107が形成さ
れ、この微小冷陰極107をアレイ状に並べて平面状の
電子放出領域を持つ冷陰極108が形成される。
すぐ近くに形成され、エミッタからの電流を引き出す機
能並びに電流制御機能を持つ制御電極(ゲート電極)で
構成された微小冷陰極をアレイ状に並べた電界放射冷陰
極(第1従来技術)がC.A.Spindt等によって
提案されている。(C.A.Spindt, A th
in−film field−emission ca
thode, Journal of Applied
Physics, Vol.39, No.7, p
p.3504,1968)。図8(a)は第1従来技術
の電界放射冷陰極の構造を示し、図8(b)は第1従来
技術の冷陰極を構成する一つの微小冷陰極107の断面
図を示す。図8(a)、(b)において、101はシリ
コンの基板、102はシリコン酸化物の絶縁層で、絶縁
層102の上に制御電極103が積層されている。絶縁
層102と制御電極103の一部は除去されて、空洞1
09が形成され、空洞109中の基板101の上に先端
が尖ったエミッタ104が形成されている。エミッタ1
04、制御電極103及び制御電極103と絶縁層10
2に形成された空洞109で微小冷陰極107が形成さ
れ、この微小冷陰極107をアレイ状に並べて平面状の
電子放出領域を持つ冷陰極108が形成される。
【0003】基板101とエミッタ104とは電気的に
接続されており、エミッタ104とゲート電極103の
間には約50Vの電圧が印加される。絶縁層102の厚
さは約1μm、ゲート電極103の開口径も約1μmと
狭く、エミッタ104の先端は10nm程度と極めて尖
鋭に作られているので、エミッタ104の先端には強い
電界が加わる。この電界が2〜5×107V/cm以上
になるとエミッタ105の先端から電子が放出される。
このような構造の微小冷陰極を基板101の上にアレイ
状に並べることにより大きな電流を放出する平面状の陰
極(FEA陰極)が構成される。さらに、微細加工技術
を利用して微小冷陰極を高密度に並べれば陰極電流密度
を従来の熱陰極の5から10倍以上にできる。
接続されており、エミッタ104とゲート電極103の
間には約50Vの電圧が印加される。絶縁層102の厚
さは約1μm、ゲート電極103の開口径も約1μmと
狭く、エミッタ104の先端は10nm程度と極めて尖
鋭に作られているので、エミッタ104の先端には強い
電界が加わる。この電界が2〜5×107V/cm以上
になるとエミッタ105の先端から電子が放出される。
このような構造の微小冷陰極を基板101の上にアレイ
状に並べることにより大きな電流を放出する平面状の陰
極(FEA陰極)が構成される。さらに、微細加工技術
を利用して微小冷陰極を高密度に並べれば陰極電流密度
を従来の熱陰極の5から10倍以上にできる。
【0004】このスピント(Spindt)型冷陰極
は、熱陰極と比較して高い陰極電流密度が得られ、放出
電子の速度分散が小さい等の利点を持つ。また、単一の
電界放射エミッタと比較して電流雑音が小さく、約10
〜数10Vの低い電圧で動作し、10-5Pa程度の比較
的悪い真空度の環境中でも動作する。
は、熱陰極と比較して高い陰極電流密度が得られ、放出
電子の速度分散が小さい等の利点を持つ。また、単一の
電界放射エミッタと比較して電流雑音が小さく、約10
〜数10Vの低い電圧で動作し、10-5Pa程度の比較
的悪い真空度の環境中でも動作する。
【0005】FEA陰極の高い陰極電流密度を利用すれ
ば、進行波管やクライストロンなどのマイクロ波管の高
出力化、高周波数化が可能になり、集束用磁石の小型化
が可能になる等、マイクロ波管の高性能化が期待でき
る。しかし、実際にFEA陰極1を搭載した進行波管を
試作して特性を評価したところ、電子ビームの低速波回
路であるらせんの透過率は99%以上と十分な特性を示
したが、DC−FR変換効率を示す電子効率が予想より
も大幅に低い結果になった。(H.Makishim
a,et al., Design and perf
ormance of traveling−wave
tubes using field emitte
r array cathodes, IVESC’9
8 Extended Abstracts, pp.
117−118,1998.) FEA陰極では、エミッタの先端の湾曲した電位分布や
エミッタとゲート開口構造の不均一性のため、放出され
た電子ビームには横方向(半径方向)速度成分が大きい
電子が含まれている。この横方向速度はエミッタとゲー
ト電極との電位差に比例するので、熱陰極の熱速度の横
方向成分と比較して大きくなる。この結果、長いらせん
回路の中において周期的にビームが半径方向に広がり、
十分な透過率(すなわちらせん回路に入射する電子ビー
ム電流に対するらせん回路を通り抜けてコレクタに達す
る電流の比)を得ようとすると電子ビームの平均径が小
さくなり、十分なRF信号との相互作用が行われず、電
子効率が低下したものと考えられる。
ば、進行波管やクライストロンなどのマイクロ波管の高
出力化、高周波数化が可能になり、集束用磁石の小型化
が可能になる等、マイクロ波管の高性能化が期待でき
る。しかし、実際にFEA陰極1を搭載した進行波管を
試作して特性を評価したところ、電子ビームの低速波回
路であるらせんの透過率は99%以上と十分な特性を示
したが、DC−FR変換効率を示す電子効率が予想より
も大幅に低い結果になった。(H.Makishim
a,et al., Design and perf
ormance of traveling−wave
tubes using field emitte
r array cathodes, IVESC’9
8 Extended Abstracts, pp.
117−118,1998.) FEA陰極では、エミッタの先端の湾曲した電位分布や
エミッタとゲート開口構造の不均一性のため、放出され
た電子ビームには横方向(半径方向)速度成分が大きい
電子が含まれている。この横方向速度はエミッタとゲー
ト電極との電位差に比例するので、熱陰極の熱速度の横
方向成分と比較して大きくなる。この結果、長いらせん
回路の中において周期的にビームが半径方向に広がり、
十分な透過率(すなわちらせん回路に入射する電子ビー
ム電流に対するらせん回路を通り抜けてコレクタに達す
る電流の比)を得ようとすると電子ビームの平均径が小
さくなり、十分なRF信号との相互作用が行われず、電
子効率が低下したものと考えられる。
【0006】このため、十分高い透過率と電子効率を同
時に実現するには、横方向速度成分の影響を抑えて広が
りの少ない電子ビームを形成する必要がある。
時に実現するには、横方向速度成分の影響を抑えて広が
りの少ない電子ビームを形成する必要がある。
【0007】このような技術背景において、単一の針状
エミッタの電界放射陰極から放出された電子ビームの広
がりを抑制する方法が3種提案されている。図9は特開
昭61−218047号公報に記載の荷電粒子源の構成
で、この荷電粒子源はイオンビーム加工機、イオンマイ
クロアナライザ、イオン打ち込み機等に使用される。コ
イル121に電流を流し、鉄芯122を通る磁束によっ
て粒子の軸と平行の磁場Bをエミッタ電極123とイオ
ン引出電極124の間に形成し、放出イオン125の広
がり半角を小さくして、放射角電流密度を増大させるも
のである(第2従来技術)。
エミッタの電界放射陰極から放出された電子ビームの広
がりを抑制する方法が3種提案されている。図9は特開
昭61−218047号公報に記載の荷電粒子源の構成
で、この荷電粒子源はイオンビーム加工機、イオンマイ
クロアナライザ、イオン打ち込み機等に使用される。コ
イル121に電流を流し、鉄芯122を通る磁束によっ
て粒子の軸と平行の磁場Bをエミッタ電極123とイオ
ン引出電極124の間に形成し、放出イオン125の広
がり半角を小さくして、放射角電流密度を増大させるも
のである(第2従来技術)。
【0008】図10は特公平7−62601号公報に記
載の表面計測装置の構成である(第3従来技術)。コイ
ル131に電流を流し、永久磁石132が取り付けられ
た尖針(エミッタ)133と、コイルの磁極134の上
に置いた試料135との間に軸方向に磁界を発生し、尖
針133の先端から放出された電子ビームを集束する。
載の表面計測装置の構成である(第3従来技術)。コイ
ル131に電流を流し、永久磁石132が取り付けられ
た尖針(エミッタ)133と、コイルの磁極134の上
に置いた試料135との間に軸方向に磁界を発生し、尖
針133の先端から放出された電子ビームを集束する。
【0009】図11は特開平6−162979号公報に
記載の磁界浸型電子銃の構造である(第4従来技術)。
この磁界浸型電子銃は走査電子顕微鏡(SEM)、電子
ビーム露光装置等の電子ビーム応用装置に使用される。
電磁石143を軸方向に移動可能とし、引出電極14
1、レンズ電極142等で構成した静電レンズ系で発生
した収差が最大になる位置に磁界の最大値となる部分が
位置するように設定し、この歪みを低減するものであ
る。
記載の磁界浸型電子銃の構造である(第4従来技術)。
この磁界浸型電子銃は走査電子顕微鏡(SEM)、電子
ビーム露光装置等の電子ビーム応用装置に使用される。
電磁石143を軸方向に移動可能とし、引出電極14
1、レンズ電極142等で構成した静電レンズ系で発生
した収差が最大になる位置に磁界の最大値となる部分が
位置するように設定し、この歪みを低減するものであ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1乃
至第4従来技術はいずれも、単一の針状エミッタから放
出される電子ビームの広がりを抑える技術であり、連続
的に連なる周期磁界中の電子ビームの周期的な広がりの
抑制が難しいというという問題点があった。さらに陰極
表面における磁界強度(磁束密度)の最適化が難しいと
いうという問題点もあった。
至第4従来技術はいずれも、単一の針状エミッタから放
出される電子ビームの広がりを抑える技術であり、連続
的に連なる周期磁界中の電子ビームの周期的な広がりの
抑制が難しいというという問題点があった。さらに陰極
表面における磁界強度(磁束密度)の最適化が難しいと
いうという問題点もあった。
【0011】本発明は斯かる問題点を鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、エミッタがアレイ
状に形成された陰極から放出され、連続的に連なる周期
磁界中の電子ビームの周期的な広がりの抑制を図ること
ができ、さらに陰極表面における磁界強度(磁束密度)
の最適化を図ることができる電子銃並びに電界放射陰極
電子銃、及びマイクロ波管を提供する点にある。
のであり、その目的とするところは、エミッタがアレイ
状に形成された陰極から放出され、連続的に連なる周期
磁界中の電子ビームの周期的な広がりの抑制を図ること
ができ、さらに陰極表面における磁界強度(磁束密度)
の最適化を図ることができる電子銃並びに電界放射陰極
電子銃、及びマイクロ波管を提供する点にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の要旨は、エミッタがアレイ状に形成された陰極から放
出され、連続的に連なる周期磁界中の電子ビームの周期
的な広がりの抑制を図ることができ、さらに陰極表面に
おける磁束密度の最適化を図ることができる電子銃であ
って、電子を放出する陰極と、放出された電子を集束し
て電子ビームを生成するとともに当該電子ビームを加速
する電極と、近軸軌道近似計算法によって求めた、電子
ビームを形成する全電流の中の所定割合の電流を占める
電子ビームのビーム半径の最大値が最小となるような陰
極磁束密度を用いて、前記陰極と前記電極の中心軸に平
行な磁場を形成する磁石とを有することを特徴とする電
子銃に存する。また本発明の請求項2に記載の要旨は、
エミッタがアレイ状に形成された陰極から放出され、連
続的に連なる周期磁界中の電子ビームの周期的な広がり
の抑制を図ることができ、さらに陰極表面における磁束
密度の最適化を図ることができる電子銃であって、電子
を放出する陰極と、放出された電子を集束して電子ビー
ムを生成するとともに当該電子ビームを加速する電極
と、近軸軌道近似計算法によって求めた、電子ビームを
形成する全電流の中の所定割合の電流を占める電子ビー
ムのビーム半径の最大値が最小値から10%以内となる
ような陰極磁束密度を用いて、前記陰極と前記電極の中
心軸に平行な磁場を形成する磁石とを有することを特徴
とする電子銃に存する。また本発明の請求項3に記載の
要旨は、前記所定割合が略90乃至99.5%であるこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の電子銃に存す
る。また本発明の請求項4に記載の要旨は、前記陰極磁
束密度が略0.02乃至0.05Wb/m2であること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電
子銃に存する。また本発明の請求項5に記載の要旨は、
エミッタがアレイ状に形成された陰極から電界放出さ
れ、連続的に連なる周期磁界中の電子ビームの周期的な
広がりの抑制を図ることができ、さらに陰極表面におけ
る磁束密度の最適化を図ることができる電界放射陰極電
子銃であって、アレイ状に並設された複数の電子放出針
と、前記電子放出針の先端付近に開口を有するゲート電
極を備えた電界放射陰極と、前記電子放出針から電界放
出された電子を集束して電子ビームを生成するとともに
当該電子ビームを加速する電極と、横方向初速度成分を
熱陰極の陰極温度に換算して求めた等価陰極温度を用い
た近軸軌道近似計算法によって求めた、電子ビームを形
成する全電流の中の所定割合の電流を占める電子ビーム
のビーム半径の最大値が最小となるような陰極磁束密度
を用いて、前記陰極と前記電極の中心軸に平行な磁場を
形成する磁石とを有することを特徴とする電界放射陰極
電子銃に存する。また本発明の請求項6に記載の要旨
は、エミッタがアレイ状に形成された陰極から電界放出
され、連続的に連なる周期磁界中の電子ビームの周期的
な広がりの抑制を図ることができ、さらに陰極表面にお
ける磁束密度の最適化を図ることができる電界放射陰極
電子銃であって、アレイ状に並設された複数の電子放出
針と、前記電子放出針の先端付近に開口を有するゲート
電極を備えた電界放射陰極と、前記電子放出針から電界
放出された電子を集束して電子ビームを生成するととも
に当該電子ビームを加速する電極と、横方向初速度成分
を熱陰極の陰極温度に換算して求めた等価陰極温度を用
いた近軸軌道近似計算法によって求めた、電子ビームを
形成する全電流の中の所定割合の電流を占める電子ビー
ムのビーム半径の最大値が最小値から10%以内となる
ような陰極磁束密度を用いて、前記陰極と前記電極の中
心軸に平行な磁場を形成する磁石とを有することを特徴
とする電界放射陰極電子銃に存する。また本発明の請求
項7に記載の要旨は、前記電子放出針とゲートとの電位
差をVg、電子が放出される電子の前記中心軸からの角
度である発散角度をθとしたとき、横方向電圧成分Vg
・sinθの電子速度相当値が、熱陰極の横方向初速度
分布の標準偏差の2倍乃至3倍程度に設定されているこ
とを特徴とする請求項5または6に記載の電界放射陰極
電子銃に存する。また本発明の請求項8に記載の要旨
は、前記所定割合が略90乃至99.5%であることを
特徴とする請求項5または6に記載の電界放射陰極電子
銃に存する。また本発明の請求項9に記載の要旨は、前
記陰極磁束密度が略0.02乃至0.05Wb/m2で
あることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一項に
記載の電界放射陰極電子銃に存する。また本発明の請求
項10に記載の要旨は、エミッタがアレイ状に形成され
た陰極から放出され、連続的に連なる周期磁界中の電子
ビームの周期的な広がりの抑制を図ることができ、さら
に陰極表面における磁束密度の最適化を図ることができ
るマイクロ波管であって、真空外囲器中に設けられ、真
空中に電子ビームを放出する電子銃と、前記真空外囲器
中に設けられ、電子ビームを集束するウエーネルト電極
と、前記真空外囲器中に設けられ、電子ビームを加速・
集束する陽極と、前記真空外囲器の外部に前記電子銃の
中心軸を囲むように列設され、当該中心軸付近において
当該中心軸に平行な交番磁界を発生させて前記電子ビー
ムを集束させる少なくとも1つ以上のリング状の磁石
と、前記真空外囲器の外部に前記電子銃の中心軸を囲む
ように列設され、当該中心軸付近において当該中心軸に
平行な交番磁界を発生させて前記電子ビームを集束させ
る少なくとも1つ以上のリング状のポールピースとを有
し、前記電子銃は、電子を放出する陰極と、放出された
電子を集束して前記電子ビームを生成するとともに当該
電子ビームを加速する電極と、近軸軌道近似計算法によ
って求めた、前記電子ビームを形成する全電流の中の所
定割合の電流を占める前記電子ビームのビーム半径の最
大値が最小となるような陰極磁束密度を用いて、前記陰
極と前記電極の中心軸に平行な磁場を形成する磁石とを
有することを特徴とするマイクロ波管に存する。また本
発明の請求項11に記載の要旨は、エミッタがアレイ状
に形成された陰極から放出され、連続的に連なる周期磁
界中の電子ビームの周期的な広がりの抑制を図ることが
でき、さらに陰極表面における磁束密度の最適化を図る
ことができるマイクロ波管であって、真空外囲器中に設
けられ、真空中に電子ビームを放出する電子銃と、前記
真空外囲器中に設けられ、電子ビームを集束するウエー
ネルト電極と、前記真空外囲器中に設けられ、電子ビー
ムを加速・集束する陽極と、前記真空外囲器の外部に前
記電子銃の中心軸を囲むように列設され、当該中心軸付
近において当該中心軸に平行な交番磁界を発生させて前
記電子ビームを集束させる少なくとも1つ以上のリング
状の磁石と、前記真空外囲器の外部に前記電子銃の中心
軸を囲むように列設され、当該中心軸付近において当該
中心軸に平行な交番磁界を発生させて前記電子ビームを
集束させる少なくとも1つ以上のリング状のポールピー
スとを有し、前記電子銃は、電子を放出する陰極と、放
出された電子を集束して前記電子ビームを生成するとと
もに当該電子ビームを加速する電極と、近軸軌道近似計
算法によって求めた、前記電子ビームを形成する全電流
の中の所定割合の電流を占める前記電子ビームのビーム
半径の最大値が最小値から10%以内となるような陰極
磁束密度を用いて、前記陰極と前記電極の中心軸に平行
な磁場を形成する磁石とを有することを特徴とするマイ
クロ波管に存する。また本発明の請求項12に記載の要
旨は、前記所定割合が略90乃至99.5%であること
を特徴とする請求項10または11に記載のマイクロ波
管に存する。また本発明の請求項13に記載の要旨は、
前記陰極磁束密度が略0.02乃至0.05Wb/m2
であることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか
一項に記載のマイクロ波管に存する。また本発明の請求
項14に記載の要旨は、エミッタがアレイ状に形成され
た陰極から放出され、連続的に連なる周期磁界中の電子
ビームの周期的な広がりの抑制を図ることができ、さら
に陰極表面における磁束密度の最適化を図ることができ
るマイクロ波管であって、真空外囲器中に設けられ、真
空中に電子ビームを放出する電界放射陰極電子銃と、前
記真空外囲器中に設けられ、電子ビームを集束するウエ
ーネルト電極と、前記真空外囲器中に設けられ、電子ビ
ームを加速・集束する陽極と、前記真空外囲器の外部に
前記電界放射陰極電子銃の中心軸を囲むように列設さ
れ、当該中心軸付近において当該中心軸に平行な交番磁
界を発生させて前記電子ビームを集束させる少なくとも
1つ以上のリング状の磁石と、前記真空外囲器の外部に
前記電界放射陰極電子銃の中心軸を囲むように列設さ
れ、当該中心軸付近において当該中心軸に平行な交番磁
界を発生させて前記電子ビームを集束させる少なくとも
1つ以上のリング状のポールピースとを有し、前記電界
放射陰極電子銃は、アレイ状に並設された複数の電子放
出針と、前記電子放出針の先端付近に開口を有するゲー
ト電極を備えた電界放射陰極と、前記電子放出針から電
界放出された電子を集束して電子ビームを生成するとと
もに当該電子ビームを加速する電極と、横方向初速度成
分を熱陰極の陰極温度に換算して求めた等価陰極温度を
用いた近軸軌道近似計算法によって求めた、電子ビーム
を形成する全電流の中の所定割合の電流を占める電子ビ
ームのビーム半径の最大値が最小となるような陰極磁束
密度を用いて、前記陰極と前記電極の中心軸に平行な磁
場を形成する磁石とを有することを特徴とするマイクロ
波管に存する。また本発明の請求項15に記載の要旨
は、エミッタがアレイ状に形成された陰極から放出さ
れ、連続的に連なる周期磁界中の電子ビームの周期的な
広がりの抑制を図ることができ、さらに陰極表面におけ
る磁束密度の最適化を図ることができるマイクロ波管で
あって、真空外囲器中に設けられ、真空中に電子ビーム
を放出する電界放射陰極電子銃と、前記真空外囲器中に
設けられ、電子ビームを集束するウエーネルト電極と、
前記真空外囲器中に設けられ、電子ビームを加速・集束
する陽極と、前記真空外囲器の外部に前記電界放射陰極
電子銃の中心軸を囲むように列設され、当該中心軸付近
において当該中心軸に平行な交番磁界を発生させて前記
電子ビームを集束させる少なくとも1つ以上のリング状
の磁石と、前記真空外囲器の外部に前記電界放射陰極電
子銃の中心軸を囲むように列設され、当該中心軸付近に
おいて当該中心軸に平行な交番磁界を発生させて前記電
子ビームを集束させる少なくとも1つ以上のリング状の
ポールピースとを有し、前記電界放射陰極電子銃は、ア
レイ状に並設された複数の電子放出針と、前記電子放出
針の先端付近に開口を有するゲート電極を備えた電界放
射陰極と、前記電子放出針から電界放出された電子を集
束して電子ビームを生成するとともに当該電子ビームを
加速する電極と、横方向初速度成分を熱陰極の陰極温度
に換算して求めた等価陰極温度を用いた近軸軌道近似計
算法によって求めた、電子ビームを形成する全電流の中
の所定割合の電流を占める電子ビームのビーム半径の最
大値が最小値から10%以内となるような陰極磁束密度
を用いて、前記陰極と前記電極の中心軸に平行な磁場を
形成する磁石とを有することを特徴とするマイクロ波管
に存する。また本発明の請求項16に記載の要旨は、前
記電子放出針とゲートとの電位差をVg、電子が放出さ
れる電子の前記中心軸からの角度である発散角度をθと
したとき、横方向電圧成分Vg・sinθの電子速度相
当値が、熱陰極の横方向初速度分布の標準偏差の2倍乃
至3倍程度に設定されていることを特徴とする請求項1
3または15に記載のマイクロ波管に存する。また本発
明の請求項17に記載の要旨は、前記所定割合が略90
乃至99.5%であることを特徴とする請求項13また
は15に記載のマイクロ波管に存する。また本発明の請
求項18に記載の要旨は、前記陰極磁束密度が略0.0
2乃至0.05Wb/m2であることを特徴とする請求
項13乃至17のいずれか一項に記載のマイクロ波管に
存する。
の要旨は、エミッタがアレイ状に形成された陰極から放
出され、連続的に連なる周期磁界中の電子ビームの周期
的な広がりの抑制を図ることができ、さらに陰極表面に
おける磁束密度の最適化を図ることができる電子銃であ
って、電子を放出する陰極と、放出された電子を集束し
て電子ビームを生成するとともに当該電子ビームを加速
する電極と、近軸軌道近似計算法によって求めた、電子
ビームを形成する全電流の中の所定割合の電流を占める
電子ビームのビーム半径の最大値が最小となるような陰
極磁束密度を用いて、前記陰極と前記電極の中心軸に平
行な磁場を形成する磁石とを有することを特徴とする電
子銃に存する。また本発明の請求項2に記載の要旨は、
エミッタがアレイ状に形成された陰極から放出され、連
続的に連なる周期磁界中の電子ビームの周期的な広がり
の抑制を図ることができ、さらに陰極表面における磁束
密度の最適化を図ることができる電子銃であって、電子
を放出する陰極と、放出された電子を集束して電子ビー
ムを生成するとともに当該電子ビームを加速する電極
と、近軸軌道近似計算法によって求めた、電子ビームを
形成する全電流の中の所定割合の電流を占める電子ビー
ムのビーム半径の最大値が最小値から10%以内となる
ような陰極磁束密度を用いて、前記陰極と前記電極の中
心軸に平行な磁場を形成する磁石とを有することを特徴
とする電子銃に存する。また本発明の請求項3に記載の
要旨は、前記所定割合が略90乃至99.5%であるこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の電子銃に存す
る。また本発明の請求項4に記載の要旨は、前記陰極磁
束密度が略0.02乃至0.05Wb/m2であること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電
子銃に存する。また本発明の請求項5に記載の要旨は、
エミッタがアレイ状に形成された陰極から電界放出さ
れ、連続的に連なる周期磁界中の電子ビームの周期的な
広がりの抑制を図ることができ、さらに陰極表面におけ
る磁束密度の最適化を図ることができる電界放射陰極電
子銃であって、アレイ状に並設された複数の電子放出針
と、前記電子放出針の先端付近に開口を有するゲート電
極を備えた電界放射陰極と、前記電子放出針から電界放
出された電子を集束して電子ビームを生成するとともに
当該電子ビームを加速する電極と、横方向初速度成分を
熱陰極の陰極温度に換算して求めた等価陰極温度を用い
た近軸軌道近似計算法によって求めた、電子ビームを形
成する全電流の中の所定割合の電流を占める電子ビーム
のビーム半径の最大値が最小となるような陰極磁束密度
を用いて、前記陰極と前記電極の中心軸に平行な磁場を
形成する磁石とを有することを特徴とする電界放射陰極
電子銃に存する。また本発明の請求項6に記載の要旨
は、エミッタがアレイ状に形成された陰極から電界放出
され、連続的に連なる周期磁界中の電子ビームの周期的
な広がりの抑制を図ることができ、さらに陰極表面にお
ける磁束密度の最適化を図ることができる電界放射陰極
電子銃であって、アレイ状に並設された複数の電子放出
針と、前記電子放出針の先端付近に開口を有するゲート
電極を備えた電界放射陰極と、前記電子放出針から電界
放出された電子を集束して電子ビームを生成するととも
に当該電子ビームを加速する電極と、横方向初速度成分
を熱陰極の陰極温度に換算して求めた等価陰極温度を用
いた近軸軌道近似計算法によって求めた、電子ビームを
形成する全電流の中の所定割合の電流を占める電子ビー
ムのビーム半径の最大値が最小値から10%以内となる
ような陰極磁束密度を用いて、前記陰極と前記電極の中
心軸に平行な磁場を形成する磁石とを有することを特徴
とする電界放射陰極電子銃に存する。また本発明の請求
項7に記載の要旨は、前記電子放出針とゲートとの電位
差をVg、電子が放出される電子の前記中心軸からの角
度である発散角度をθとしたとき、横方向電圧成分Vg
・sinθの電子速度相当値が、熱陰極の横方向初速度
分布の標準偏差の2倍乃至3倍程度に設定されているこ
とを特徴とする請求項5または6に記載の電界放射陰極
電子銃に存する。また本発明の請求項8に記載の要旨
は、前記所定割合が略90乃至99.5%であることを
特徴とする請求項5または6に記載の電界放射陰極電子
銃に存する。また本発明の請求項9に記載の要旨は、前
記陰極磁束密度が略0.02乃至0.05Wb/m2で
あることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一項に
記載の電界放射陰極電子銃に存する。また本発明の請求
項10に記載の要旨は、エミッタがアレイ状に形成され
た陰極から放出され、連続的に連なる周期磁界中の電子
ビームの周期的な広がりの抑制を図ることができ、さら
に陰極表面における磁束密度の最適化を図ることができ
るマイクロ波管であって、真空外囲器中に設けられ、真
空中に電子ビームを放出する電子銃と、前記真空外囲器
中に設けられ、電子ビームを集束するウエーネルト電極
と、前記真空外囲器中に設けられ、電子ビームを加速・
集束する陽極と、前記真空外囲器の外部に前記電子銃の
中心軸を囲むように列設され、当該中心軸付近において
当該中心軸に平行な交番磁界を発生させて前記電子ビー
ムを集束させる少なくとも1つ以上のリング状の磁石
と、前記真空外囲器の外部に前記電子銃の中心軸を囲む
ように列設され、当該中心軸付近において当該中心軸に
平行な交番磁界を発生させて前記電子ビームを集束させ
る少なくとも1つ以上のリング状のポールピースとを有
し、前記電子銃は、電子を放出する陰極と、放出された
電子を集束して前記電子ビームを生成するとともに当該
電子ビームを加速する電極と、近軸軌道近似計算法によ
って求めた、前記電子ビームを形成する全電流の中の所
定割合の電流を占める前記電子ビームのビーム半径の最
大値が最小となるような陰極磁束密度を用いて、前記陰
極と前記電極の中心軸に平行な磁場を形成する磁石とを
有することを特徴とするマイクロ波管に存する。また本
発明の請求項11に記載の要旨は、エミッタがアレイ状
に形成された陰極から放出され、連続的に連なる周期磁
界中の電子ビームの周期的な広がりの抑制を図ることが
でき、さらに陰極表面における磁束密度の最適化を図る
ことができるマイクロ波管であって、真空外囲器中に設
けられ、真空中に電子ビームを放出する電子銃と、前記
真空外囲器中に設けられ、電子ビームを集束するウエー
ネルト電極と、前記真空外囲器中に設けられ、電子ビー
ムを加速・集束する陽極と、前記真空外囲器の外部に前
記電子銃の中心軸を囲むように列設され、当該中心軸付
近において当該中心軸に平行な交番磁界を発生させて前
記電子ビームを集束させる少なくとも1つ以上のリング
状の磁石と、前記真空外囲器の外部に前記電子銃の中心
軸を囲むように列設され、当該中心軸付近において当該
中心軸に平行な交番磁界を発生させて前記電子ビームを
集束させる少なくとも1つ以上のリング状のポールピー
スとを有し、前記電子銃は、電子を放出する陰極と、放
出された電子を集束して前記電子ビームを生成するとと
もに当該電子ビームを加速する電極と、近軸軌道近似計
算法によって求めた、前記電子ビームを形成する全電流
の中の所定割合の電流を占める前記電子ビームのビーム
半径の最大値が最小値から10%以内となるような陰極
磁束密度を用いて、前記陰極と前記電極の中心軸に平行
な磁場を形成する磁石とを有することを特徴とするマイ
クロ波管に存する。また本発明の請求項12に記載の要
旨は、前記所定割合が略90乃至99.5%であること
を特徴とする請求項10または11に記載のマイクロ波
管に存する。また本発明の請求項13に記載の要旨は、
前記陰極磁束密度が略0.02乃至0.05Wb/m2
であることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか
一項に記載のマイクロ波管に存する。また本発明の請求
項14に記載の要旨は、エミッタがアレイ状に形成され
た陰極から放出され、連続的に連なる周期磁界中の電子
ビームの周期的な広がりの抑制を図ることができ、さら
に陰極表面における磁束密度の最適化を図ることができ
るマイクロ波管であって、真空外囲器中に設けられ、真
空中に電子ビームを放出する電界放射陰極電子銃と、前
記真空外囲器中に設けられ、電子ビームを集束するウエ
ーネルト電極と、前記真空外囲器中に設けられ、電子ビ
ームを加速・集束する陽極と、前記真空外囲器の外部に
前記電界放射陰極電子銃の中心軸を囲むように列設さ
れ、当該中心軸付近において当該中心軸に平行な交番磁
界を発生させて前記電子ビームを集束させる少なくとも
1つ以上のリング状の磁石と、前記真空外囲器の外部に
前記電界放射陰極電子銃の中心軸を囲むように列設さ
れ、当該中心軸付近において当該中心軸に平行な交番磁
界を発生させて前記電子ビームを集束させる少なくとも
1つ以上のリング状のポールピースとを有し、前記電界
放射陰極電子銃は、アレイ状に並設された複数の電子放
出針と、前記電子放出針の先端付近に開口を有するゲー
ト電極を備えた電界放射陰極と、前記電子放出針から電
界放出された電子を集束して電子ビームを生成するとと
もに当該電子ビームを加速する電極と、横方向初速度成
分を熱陰極の陰極温度に換算して求めた等価陰極温度を
用いた近軸軌道近似計算法によって求めた、電子ビーム
を形成する全電流の中の所定割合の電流を占める電子ビ
ームのビーム半径の最大値が最小となるような陰極磁束
密度を用いて、前記陰極と前記電極の中心軸に平行な磁
場を形成する磁石とを有することを特徴とするマイクロ
波管に存する。また本発明の請求項15に記載の要旨
は、エミッタがアレイ状に形成された陰極から放出さ
れ、連続的に連なる周期磁界中の電子ビームの周期的な
広がりの抑制を図ることができ、さらに陰極表面におけ
る磁束密度の最適化を図ることができるマイクロ波管で
あって、真空外囲器中に設けられ、真空中に電子ビーム
を放出する電界放射陰極電子銃と、前記真空外囲器中に
設けられ、電子ビームを集束するウエーネルト電極と、
前記真空外囲器中に設けられ、電子ビームを加速・集束
する陽極と、前記真空外囲器の外部に前記電界放射陰極
電子銃の中心軸を囲むように列設され、当該中心軸付近
において当該中心軸に平行な交番磁界を発生させて前記
電子ビームを集束させる少なくとも1つ以上のリング状
の磁石と、前記真空外囲器の外部に前記電界放射陰極電
子銃の中心軸を囲むように列設され、当該中心軸付近に
おいて当該中心軸に平行な交番磁界を発生させて前記電
子ビームを集束させる少なくとも1つ以上のリング状の
ポールピースとを有し、前記電界放射陰極電子銃は、ア
レイ状に並設された複数の電子放出針と、前記電子放出
針の先端付近に開口を有するゲート電極を備えた電界放
射陰極と、前記電子放出針から電界放出された電子を集
束して電子ビームを生成するとともに当該電子ビームを
加速する電極と、横方向初速度成分を熱陰極の陰極温度
に換算して求めた等価陰極温度を用いた近軸軌道近似計
算法によって求めた、電子ビームを形成する全電流の中
の所定割合の電流を占める電子ビームのビーム半径の最
大値が最小値から10%以内となるような陰極磁束密度
を用いて、前記陰極と前記電極の中心軸に平行な磁場を
形成する磁石とを有することを特徴とするマイクロ波管
に存する。また本発明の請求項16に記載の要旨は、前
記電子放出針とゲートとの電位差をVg、電子が放出さ
れる電子の前記中心軸からの角度である発散角度をθと
したとき、横方向電圧成分Vg・sinθの電子速度相
当値が、熱陰極の横方向初速度分布の標準偏差の2倍乃
至3倍程度に設定されていることを特徴とする請求項1
3または15に記載のマイクロ波管に存する。また本発
明の請求項17に記載の要旨は、前記所定割合が略90
乃至99.5%であることを特徴とする請求項13また
は15に記載のマイクロ波管に存する。また本発明の請
求項18に記載の要旨は、前記陰極磁束密度が略0.0
2乃至0.05Wb/m2であることを特徴とする請求
項13乃至17のいずれか一項に記載のマイクロ波管に
存する。
【0013】
【発明の実施の形態】電界放射エミッタアレイ(FE
A)陰極では、エミッタの先端の湾曲した電位分布やエ
ミッタとゲート開口構造の不均一性のため、放出された
電子ビームには横方向(半径方向)速度成分が大きい電
子が含まれている。この冷陰極を進行波管などのマイク
ロ波管に使用すると、電子ビームの半径方向の広がりが
大きくなり、十分な電子ビーム透過率を保ちながら、高
いDC−RF変換効率を得るのが困難であった。そこで
近軸軌道近似を利用して、FEA陰極の横方向速度を考
慮した電子ビームパラメータの相互関係を解析的に求め
る計算法を明らかにし、この計算法から、電子ビームの
広がりを最小にする陰極磁束密度Bcがあることが分か
った。以下に示す各実施形態は、上記求めた電子ビーム
パラメータの相互関係に基づいて、電子ビームの広がり
やリップルを抑えて高品質の電子ビームを実現し、熱陰
極やFEA陰極を用いたマイクロ波管の高性能化を達成
することを目的とする。以下、本発明の実施の形態を図
面に基づいて詳細に説明する。
A)陰極では、エミッタの先端の湾曲した電位分布やエ
ミッタとゲート開口構造の不均一性のため、放出された
電子ビームには横方向(半径方向)速度成分が大きい電
子が含まれている。この冷陰極を進行波管などのマイク
ロ波管に使用すると、電子ビームの半径方向の広がりが
大きくなり、十分な電子ビーム透過率を保ちながら、高
いDC−RF変換効率を得るのが困難であった。そこで
近軸軌道近似を利用して、FEA陰極の横方向速度を考
慮した電子ビームパラメータの相互関係を解析的に求め
る計算法を明らかにし、この計算法から、電子ビームの
広がりを最小にする陰極磁束密度Bcがあることが分か
った。以下に示す各実施形態は、上記求めた電子ビーム
パラメータの相互関係に基づいて、電子ビームの広がり
やリップルを抑えて高品質の電子ビームを実現し、熱陰
極やFEA陰極を用いたマイクロ波管の高性能化を達成
することを目的とする。以下、本発明の実施の形態を図
面に基づいて詳細に説明する。
【0014】(第1実施形態)熱陰極においては、近軸
軌道近似計算法を使用して、らせんのような低速波回路
部における電子ビーム断面の電流分布が計算できるよう
になっている。(参考文献:小山、進行波管、通研叢
書、丸善、1964、龍野、巻島、長田、高性能進行波
管用電子ビーム装置の設計、通研実報、Vol.21,
No.4,pp.671−691,1972) 近軸軌道近似計算法は、電子ビームが走行する領域は中
心軸付近であるので、電子ビーム断面における電界、磁
界の軸方向成分は一定で、半径方向の電界は半径に比例
するとの仮定に基づいており、らせんなどの低速波回路
部の電子ビームの振る舞いを解析的に求めることができ
る。すなわち、ビーム電流、らせん電圧、陰極電流密
度、陰極温度等の設計条件に対し、陰極径、主磁界磁束
密度、陰極磁界磁束密度、磁石周期、電子ビーム平均半
径、内側に所定割合(x%)の電流を含むビーム半径の
最大値Rxmm等の間の相互関係を求めることができる。
電子ビームは、ほぼ均一の電流密度分布を持つ陰極イメ
ージとMaxwell状の電流密度分布を持ち周辺径が
半径方向に広がるクロスオーバーの間を繰り返しながら
らせん中を進行する。さらに、軸方向の磁束密度が周期
的に変化する周期磁界中ではビームに周期磁界の1/2
の周期のリップルを生じる。この2種類のリップル要因
のピークが一致したときのビーム径を表してRxmmを最
大値と称している。
軌道近似計算法を使用して、らせんのような低速波回路
部における電子ビーム断面の電流分布が計算できるよう
になっている。(参考文献:小山、進行波管、通研叢
書、丸善、1964、龍野、巻島、長田、高性能進行波
管用電子ビーム装置の設計、通研実報、Vol.21,
No.4,pp.671−691,1972) 近軸軌道近似計算法は、電子ビームが走行する領域は中
心軸付近であるので、電子ビーム断面における電界、磁
界の軸方向成分は一定で、半径方向の電界は半径に比例
するとの仮定に基づいており、らせんなどの低速波回路
部の電子ビームの振る舞いを解析的に求めることができ
る。すなわち、ビーム電流、らせん電圧、陰極電流密
度、陰極温度等の設計条件に対し、陰極径、主磁界磁束
密度、陰極磁界磁束密度、磁石周期、電子ビーム平均半
径、内側に所定割合(x%)の電流を含むビーム半径の
最大値Rxmm等の間の相互関係を求めることができる。
電子ビームは、ほぼ均一の電流密度分布を持つ陰極イメ
ージとMaxwell状の電流密度分布を持ち周辺径が
半径方向に広がるクロスオーバーの間を繰り返しながら
らせん中を進行する。さらに、軸方向の磁束密度が周期
的に変化する周期磁界中ではビームに周期磁界の1/2
の周期のリップルを生じる。この2種類のリップル要因
のピークが一致したときのビーム径を表してRxmmを最
大値と称している。
【0015】なお、5%から99.5%の範囲の所定割
合(x%)について、前記文献中にパラメータと電子ビ
ーム半径の関係がグラフとして与えられているので、電
子ビーム半径を求めることができる。しかし、らせん等
の低速波回路の電子ビーム透過を検討する場合には、比
較的高い透過率を実現する必要があるため、90%から
99.5%の半径を対象にするのがよい。
合(x%)について、前記文献中にパラメータと電子ビ
ーム半径の関係がグラフとして与えられているので、電
子ビーム半径を求めることができる。しかし、らせん等
の低速波回路の電子ビーム透過を検討する場合には、比
較的高い透過率を実現する必要があるため、90%から
99.5%の半径を対象にするのがよい。
【0016】図1は本発明にかかる電界放射陰極電子銃
及びこれを用いたマイクロ波管の第1実施形態である熱
陰極マイクロ波管の近軸軌道近似計算例である。ビーム
パラメータを周波数11GHz、出力100W、熱陰極
の電子銃(熱陰極電子銃)を搭載した進行波管を想定し
て、平均半径Ro等の設計条件となる各種のパラメータ
を選び、陰極磁束密度Bcを横軸に、平均半径の最大値
Rom,R99mm,R90mm、主磁界磁束密度ピーク値Bmを
縦軸にプロットしている。
及びこれを用いたマイクロ波管の第1実施形態である熱
陰極マイクロ波管の近軸軌道近似計算例である。ビーム
パラメータを周波数11GHz、出力100W、熱陰極
の電子銃(熱陰極電子銃)を搭載した進行波管を想定し
て、平均半径Ro等の設計条件となる各種のパラメータ
を選び、陰極磁束密度Bcを横軸に、平均半径の最大値
Rom,R99mm,R90mm、主磁界磁束密度ピーク値Bmを
縦軸にプロットしている。
【0017】図1を参照すると、陰極磁束密度Bcを増
加させるに従い、電子ビーム集束に必要な主磁界磁束密
度が単調に増加し、磁石装置が大型化すること、主磁界
の増加と伴に周期磁界集束に伴うリップルが増加し、平
均半径の最大値Romはわずかに増加することが分かる。
さらに、陰極磁束密度Bcを増加させるに従い、電子ビ
ームの周辺部の状況を表すR99mm,R90mmが小さくな
り、電子ビームは広がりの小さい理想状態に近付いてい
き、再びRomの増加に応じて増加することが分かる。す
なわち、電子ビームの透過率と関係が深いR99mm,R90
mmを最小値とする陰極磁束密度Bcが存在することが分
かる。
加させるに従い、電子ビーム集束に必要な主磁界磁束密
度が単調に増加し、磁石装置が大型化すること、主磁界
の増加と伴に周期磁界集束に伴うリップルが増加し、平
均半径の最大値Romはわずかに増加することが分かる。
さらに、陰極磁束密度Bcを増加させるに従い、電子ビ
ームの周辺部の状況を表すR99mm,R90mmが小さくな
り、電子ビームは広がりの小さい理想状態に近付いてい
き、再びRomの増加に応じて増加することが分かる。す
なわち、電子ビームの透過率と関係が深いR99mm,R90
mmを最小値とする陰極磁束密度Bcが存在することが分
かる。
【0018】陰極磁束密度Bcをこの点に選べば、電子
ビームの平均径が一定であるので電子効率は一定である
状態で透過率を最良とすることができる。陰極磁束密度
Bcをこの点よりも僅かに小さく設定すれば、同じ電子
効率で、僅かに透過率が不利になるが、主磁界磁束密度
が小さくなり磁石装置を小型化することが可能となる。
陰極磁束密度Bcの変化に対するR99mm,R90mmの変化
は緩やかであるので、小型化を優先する設計に対しては
このような陰極磁束密度Bcを選ぶことも可能である。
ビームの平均径が一定であるので電子効率は一定である
状態で透過率を最良とすることができる。陰極磁束密度
Bcをこの点よりも僅かに小さく設定すれば、同じ電子
効率で、僅かに透過率が不利になるが、主磁界磁束密度
が小さくなり磁石装置を小型化することが可能となる。
陰極磁束密度Bcの変化に対するR99mm,R90mmの変化
は緩やかであるので、小型化を優先する設計に対しては
このような陰極磁束密度Bcを選ぶことも可能である。
【0019】発明者の検討により、FEA陰極で生じる
横方向成分を等価陰極温度で表現することによって、F
EA陰極を用いた電子ビーム装置の設計に近軸近似計算
法を適用することがはじめて可能になった。
横方向成分を等価陰極温度で表現することによって、F
EA陰極を用いた電子ビーム装置の設計に近軸近似計算
法を適用することがはじめて可能になった。
【0020】熱陰極においては、陰極から放出される熱
電子の横方向の初速度分布は平均値0及び標準偏差√
(kT/m)のMaxwell分布を持つ。ただし、k
はBoltzman定数、Tは陰極温度、mは電子の重
量である。他方、FEA陰極においては、針状のエミッ
タの先端の等電位面の湾曲やエミッタとゲート開口構造
の不均一性のため、電子はエミッタ−ゲート間電圧Vg
に相当する速度を持ち中心軸方向からある角度θoを持
って放出されると考えられる。
電子の横方向の初速度分布は平均値0及び標準偏差√
(kT/m)のMaxwell分布を持つ。ただし、k
はBoltzman定数、Tは陰極温度、mは電子の重
量である。他方、FEA陰極においては、針状のエミッ
タの先端の等電位面の湾曲やエミッタとゲート開口構造
の不均一性のため、電子はエミッタ−ゲート間電圧Vg
に相当する速度を持ち中心軸方向からある角度θoを持
って放出されると考えられる。
【0021】図2は図1の電界放射陰極電子銃の用いら
れているFEA陰極1から放出される電子の様子を示し
ている。図2において、FEA陰極1は、シリコンを主
成分とする陰極基板2、抵抗層3、絶縁層4、ゲート電
極5、エミッタ6を備えている。電子の放出角度θo
は、エミッタ6とゲート開口構造、個々のエミッタ6の
先端から電子が放出される位置によって変わるため、1
個のエミッタ6から放出される電子の放出角度θoは広
く分布し、さらに多数のエミッタ6で構成されたFEA
陰極1から放出される電子の放出角度θoも広く分布し
ていると考えられる。このため、横方向の速度分布も近
似的にMaxwell分布と仮定しても大きな相違は生
じないと考えられる。
れているFEA陰極1から放出される電子の様子を示し
ている。図2において、FEA陰極1は、シリコンを主
成分とする陰極基板2、抵抗層3、絶縁層4、ゲート電
極5、エミッタ6を備えている。電子の放出角度θo
は、エミッタ6とゲート開口構造、個々のエミッタ6の
先端から電子が放出される位置によって変わるため、1
個のエミッタ6から放出される電子の放出角度θoは広
く分布し、さらに多数のエミッタ6で構成されたFEA
陰極1から放出される電子の放出角度θoも広く分布し
ていると考えられる。このため、横方向の速度分布も近
似的にMaxwell分布と仮定しても大きな相違は生
じないと考えられる。
【0022】陰極全体から放出される電子ビームの発散
電子の中心軸からの角度をθとし、熱陰極の初速度分布
の標準偏差(σ)の3倍(3σ:99.7%)が、FE
A陰極1の横方向電圧成分Vg・sinθの速度に相当
するとすれば、3(kT/m)1/2=((2e・Vg・s
inθ)/m)1/2から、T=(e・Vg・sinθ)/
(4.5k)、ただしeは電子の電荷、mは電子の質量
となり、熱陰極の陰極温度に相当する等価陰極温度を求
めることができる。
電子の中心軸からの角度をθとし、熱陰極の初速度分布
の標準偏差(σ)の3倍(3σ:99.7%)が、FE
A陰極1の横方向電圧成分Vg・sinθの速度に相当
するとすれば、3(kT/m)1/2=((2e・Vg・s
inθ)/m)1/2から、T=(e・Vg・sinθ)/
(4.5k)、ただしeは電子の電荷、mは電子の質量
となり、熱陰極の陰極温度に相当する等価陰極温度を求
めることができる。
【0023】ここで、熱初速度分布の標準偏差(σ)の
3倍(3σ)とFEA陰極1の横方向速度を対応させた
が、現実には角度θの測定精度を考慮すると、実用上は
標準偏差の2倍(2σ:95.5%)とFEA陰極1の
横方向速度を対応させても同様の結果が得られる。ま
た、角度θの値は正確に求めることはできないが、FE
A陰極1から離れた位置に置いた蛍光体の発光状況から
一般に推定されている値10から25度を使用すれば大
きな相違は生じない。
3倍(3σ)とFEA陰極1の横方向速度を対応させた
が、現実には角度θの測定精度を考慮すると、実用上は
標準偏差の2倍(2σ:95.5%)とFEA陰極1の
横方向速度を対応させても同様の結果が得られる。ま
た、角度θの値は正確に求めることはできないが、FE
A陰極1から離れた位置に置いた蛍光体の発光状況から
一般に推定されている値10から25度を使用すれば大
きな相違は生じない。
【0024】図3は図1のFEA陰極マイクロ波管の近
軸軌道近似計算例で、エミッタ6−ゲート間電圧Vgは
30V、角度θが20度である。ビームパラメータを周
波数11GHz、出力100W、FEA陰極1の電子銃
(FEA電子銃)を搭載した進行波管を想定して、平均
半径Ro等の設計条件となる各種のパラメータを選び、
陰極磁束密度Bcを横軸に、平均半径の最大値Rom,R9
9mm,R90mm、主磁界磁束密度ピーク値Bmを縦軸にプロ
ットしている。FEA陰極1では熱陰極と比較して高い
陰極電流密度が実現できるので、図1に示す熱陰極の計
算例と比較して、陰極径を小さくし、上に述べた等価陰
極温度を採用している。図3において、陰極磁束密度B
c=約0.02から0.06Wb/m2の範囲でR99mmの
値は十分低くなることが分かる。
軸軌道近似計算例で、エミッタ6−ゲート間電圧Vgは
30V、角度θが20度である。ビームパラメータを周
波数11GHz、出力100W、FEA陰極1の電子銃
(FEA電子銃)を搭載した進行波管を想定して、平均
半径Ro等の設計条件となる各種のパラメータを選び、
陰極磁束密度Bcを横軸に、平均半径の最大値Rom,R9
9mm,R90mm、主磁界磁束密度ピーク値Bmを縦軸にプロ
ットしている。FEA陰極1では熱陰極と比較して高い
陰極電流密度が実現できるので、図1に示す熱陰極の計
算例と比較して、陰極径を小さくし、上に述べた等価陰
極温度を採用している。図3において、陰極磁束密度B
c=約0.02から0.06Wb/m2の範囲でR99mmの
値は十分低くなることが分かる。
【0025】図3を図1と比較すると、R99mm,R90mm
に最小値が存在することは同じであるが、最小値を与え
る陰極磁束密度Bcが熱陰極の5倍以上になっている。
この相違の主要原因は陰極径と陰極温度の違いであると
考えられる。
に最小値が存在することは同じであるが、最小値を与え
る陰極磁束密度Bcが熱陰極の5倍以上になっている。
この相違の主要原因は陰極径と陰極温度の違いであると
考えられる。
【0026】図4は角度を10度としたFEA陰極1の
電子銃(FEA電子銃)を搭載した図1のFEA陰極マ
イクロ波管の近軸軌道近似計算例を示すグラフである。
図3の計算例とは、Vgが30Vで同じであるが、角度
θが1/2の10度になっているところが異なる。図4
に示すR99mm,R90mmは図3に示すR99mm,R90mmより
それぞれ僅かに小さいが、R99mm,R90mmの最小値を与
える陰極磁束密度Bcはほぼ同じである。このように角
度θは最小値を与える陰極磁束密度Bcには大きな影響
を与えない。
電子銃(FEA電子銃)を搭載した図1のFEA陰極マ
イクロ波管の近軸軌道近似計算例を示すグラフである。
図3の計算例とは、Vgが30Vで同じであるが、角度
θが1/2の10度になっているところが異なる。図4
に示すR99mm,R90mmは図3に示すR99mm,R90mmより
それぞれ僅かに小さいが、R99mm,R90mmの最小値を与
える陰極磁束密度Bcはほぼ同じである。このように角
度θは最小値を与える陰極磁束密度Bcには大きな影響
を与えない。
【0027】図5は周波数11GHz、出力100Wの
FEA陰極1の電子銃(FEA電子銃)を搭載した進行
波管の近軸軌道近似計算例で、主磁界の磁束密度を一定
としているところが図3に示す計算例とは異なる。図5
から明らかなように、主磁界の磁束密度を一定として陰
極磁束密度Bcを増加させていくと、ビーム平均径が増
加しこれとともにビーム平均径の最大値Romも増加す
る。R99mmは陰極磁束密度Bcの増加とともにビームの
広がりが小さくなるため、R99mmははじめ減少し、次に
Romの増加とともに増加する。したがって、主磁界の磁
束密度を一定とした場合にもR99mmを最小にする陰極磁
束密度Bcが存在することが分かる。
FEA陰極1の電子銃(FEA電子銃)を搭載した進行
波管の近軸軌道近似計算例で、主磁界の磁束密度を一定
としているところが図3に示す計算例とは異なる。図5
から明らかなように、主磁界の磁束密度を一定として陰
極磁束密度Bcを増加させていくと、ビーム平均径が増
加しこれとともにビーム平均径の最大値Romも増加す
る。R99mmは陰極磁束密度Bcの増加とともにビームの
広がりが小さくなるため、R99mmははじめ減少し、次に
Romの増加とともに増加する。したがって、主磁界の磁
束密度を一定とした場合にもR99mmを最小にする陰極磁
束密度Bcが存在することが分かる。
【0028】R99mmを最小にする陰極磁束密度Bcは約
0.03Wb/m2で、陰極磁束密度Bcが約0.02か
ら0.05Wb/m2の範囲でR99mmの値は十分低くな
ることが分かる。
0.03Wb/m2で、陰極磁束密度Bcが約0.02か
ら0.05Wb/m2の範囲でR99mmの値は十分低くな
ることが分かる。
【0029】条件を変えた計算から、周波数、出力電力
によってR99mmを最小にする陰極磁束密度Bcは僅かに
異なるが、実用的な周波数及び出力電力の範囲では、F
EA電子銃の陰極磁束密度Bcが約0.02から0.0
5Wb/m2の範囲でR99mmの値は十分低くなることを
確かめている。
によってR99mmを最小にする陰極磁束密度Bcは僅かに
異なるが、実用的な周波数及び出力電力の範囲では、F
EA電子銃の陰極磁束密度Bcが約0.02から0.0
5Wb/m2の範囲でR99mmの値は十分低くなることを
確かめている。
【0030】次に、図面に基づき第1実施形態の構成を
説明する。図6は図1の電界放射陰極電子銃の模式的な
断面構造図である。図6において、1は真空中に電子を
放出する電界放射の冷陰極であるFEA陰極で、7は電
子ビーム10を集束するウエーネルト電極、8は電子ビ
ーム10を加速・集束する陽極で、全体は真空外囲器9
の中に納められている。真空外囲器9の外には多数のリ
ング状の磁石11とポールピース12が電子銃の中心軸
を囲むように並んでおり、中心軸付近において中心軸に
平行な交番磁界を発生させ、電子ビーム10を集束す
る。磁石11からの磁力線の一部はFEA陰極1にも到
達し、陰極磁界を含めてFEA陰極1と陽極8の間の電
子銃部に中心軸と平行な磁界を形成する。FEA陰極1
は、前述したように、シリコンの陰極基板2、抵抗層
3、絶縁層4、ゲート電極5、エミッタ6を備えてい
る。
説明する。図6は図1の電界放射陰極電子銃の模式的な
断面構造図である。図6において、1は真空中に電子を
放出する電界放射の冷陰極であるFEA陰極で、7は電
子ビーム10を集束するウエーネルト電極、8は電子ビ
ーム10を加速・集束する陽極で、全体は真空外囲器9
の中に納められている。真空外囲器9の外には多数のリ
ング状の磁石11とポールピース12が電子銃の中心軸
を囲むように並んでおり、中心軸付近において中心軸に
平行な交番磁界を発生させ、電子ビーム10を集束す
る。磁石11からの磁力線の一部はFEA陰極1にも到
達し、陰極磁界を含めてFEA陰極1と陽極8の間の電
子銃部に中心軸と平行な磁界を形成する。FEA陰極1
は、前述したように、シリコンの陰極基板2、抵抗層
3、絶縁層4、ゲート電極5、エミッタ6を備えてい
る。
【0031】図6において、陰極基板2には直流電源1
3から負の電圧が印加され、陽極8には陰極1に対して
正の電圧が直流電源16から印加され、ウエーネルト電
極7には直流電源15によって陰極基板2に対して正あ
るいは負の電圧が印加される。この状態で直流電源14
によって陰極基板2とゲート電極5の間に印加した正の
電圧を増加させていくと、エミッタ6から電子が放出さ
れる。多数のエミッタ6から放出された電子は、電子銃
領域の電界と磁界によって集束・加速され、細い電子ビ
ーム10となって陽極8の開口を通り抜ける。さらにそ
の先では、磁石11とポールピース12によって形成さ
れた周期磁界によって集束されて細い電子ビーム10が
保持される。
3から負の電圧が印加され、陽極8には陰極1に対して
正の電圧が直流電源16から印加され、ウエーネルト電
極7には直流電源15によって陰極基板2に対して正あ
るいは負の電圧が印加される。この状態で直流電源14
によって陰極基板2とゲート電極5の間に印加した正の
電圧を増加させていくと、エミッタ6から電子が放出さ
れる。多数のエミッタ6から放出された電子は、電子銃
領域の電界と磁界によって集束・加速され、細い電子ビ
ーム10となって陽極8の開口を通り抜ける。さらにそ
の先では、磁石11とポールピース12によって形成さ
れた周期磁界によって集束されて細い電子ビーム10が
保持される。
【0032】以上説明したように、第1実施形態によれ
ば、設計条件である電子ビーム平均径を実現する主磁界
磁束密度、陰極磁束密度Bc、陰極径等のパラメータを
簡単に求めることができる。さらに加えて、電子ビーム
の広がりを最小にするパラメータ、特に陰極磁束密度B
cを求めることができる。
ば、設計条件である電子ビーム平均径を実現する主磁界
磁束密度、陰極磁束密度Bc、陰極径等のパラメータを
簡単に求めることができる。さらに加えて、電子ビーム
の広がりを最小にするパラメータ、特に陰極磁束密度B
cを求めることができる。
【0033】(第2実施形態)図7は本発明にかかる電
界放射陰極電子銃及びこれを用いたマイクロ波管の第2
実施形態であって、FEA陰極1を使用した電子ビーム
応用装置として代表的なマイクロ波管である進行波管
(TWT)の模式的断面構造図である。図7において、
FEA陰極81、ウエーネルト電極82、陽極83を含
んで電子銃86が構成される。FEA陰極81から放出
された電子は、電子銃86で作られた静電界と磁石88
で作られた磁界で集束され、所定形状の電子ビーム87
に形成される。電子ビーム87は内径が1mm程度ある
いはこれ以下の低速波回路であるらせん90の中を通り
抜け、コレクタ89で捕捉される。らせん90に伝えら
れたマイクロ波信号は密度変調した電子ビーム87を作
り、この電子ビーム87はらせん90の中を通過する間
にらせん90との相互作用によりマイクロ波を誘起し、
さらにこれを増幅して出力信号を作る。直流電源91〜
94は各々ウエーネルト電極82、陽極83、らせん9
0、コレクタ89に直流電圧を供給する。なお、図7で
はFEA陰極81のゲート電極に電圧を印加するための
配線や電源は省略している。以上説明したように、第2
実施形態によれば、最適の磁界装置で、高いDC−RF
変換効率、らせん電流が小さく信頼性の高いマイクロ波
管を実現する設計が可能となる。
界放射陰極電子銃及びこれを用いたマイクロ波管の第2
実施形態であって、FEA陰極1を使用した電子ビーム
応用装置として代表的なマイクロ波管である進行波管
(TWT)の模式的断面構造図である。図7において、
FEA陰極81、ウエーネルト電極82、陽極83を含
んで電子銃86が構成される。FEA陰極81から放出
された電子は、電子銃86で作られた静電界と磁石88
で作られた磁界で集束され、所定形状の電子ビーム87
に形成される。電子ビーム87は内径が1mm程度ある
いはこれ以下の低速波回路であるらせん90の中を通り
抜け、コレクタ89で捕捉される。らせん90に伝えら
れたマイクロ波信号は密度変調した電子ビーム87を作
り、この電子ビーム87はらせん90の中を通過する間
にらせん90との相互作用によりマイクロ波を誘起し、
さらにこれを増幅して出力信号を作る。直流電源91〜
94は各々ウエーネルト電極82、陽極83、らせん9
0、コレクタ89に直流電圧を供給する。なお、図7で
はFEA陰極81のゲート電極に電圧を印加するための
配線や電源は省略している。以上説明したように、第2
実施形態によれば、最適の磁界装置で、高いDC−RF
変換効率、らせん電流が小さく信頼性の高いマイクロ波
管を実現する設計が可能となる。
【0034】なお、本発明が上記実施形態に限定され
ず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態は
適宜変更され得ることは明らかである。また上記構成部
材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、
本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にするこ
とができる。また、各図において、同一構成要素には同
一符号を付している。
ず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態は
適宜変更され得ることは明らかである。また上記構成部
材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、
本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にするこ
とができる。また、各図において、同一構成要素には同
一符号を付している。
【0035】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、エミッタがアレイ状に形成された陰極から放出さ
れ、連続的に連なる周期磁界中の電子ビームの周期的な
広がりの抑制を図ることができ、さらに陰極表面におけ
る磁界強度(磁束密度)の最適化を図ることができると
いった効果を奏する。
で、エミッタがアレイ状に形成された陰極から放出さ
れ、連続的に連なる周期磁界中の電子ビームの周期的な
広がりの抑制を図ることができ、さらに陰極表面におけ
る磁界強度(磁束密度)の最適化を図ることができると
いった効果を奏する。
【図1】本発明にかかる電界放射陰極電子銃及びこれを
用いたマイクロ波管の第1実施形態である熱陰極マイク
ロ波管の近軸軌道近似計算例である。
用いたマイクロ波管の第1実施形態である熱陰極マイク
ロ波管の近軸軌道近似計算例である。
【図2】図1の電界放射陰極電子銃の用いられているF
EA陰極から放出される電子の様子を示している。
EA陰極から放出される電子の様子を示している。
【図3】図1のFEA陰極マイクロ波管の近軸軌道近似
計算例を示すグラフである。
計算例を示すグラフである。
【図4】角度を10度としたFEA陰極を搭載した図1
のFEA陰極マイクロ波管の近軸軌道近似計算例を示す
グラフである。
のFEA陰極マイクロ波管の近軸軌道近似計算例を示す
グラフである。
【図5】周波数11GHz、出力100Wの条件下での
図1のFEA陰極マイクロ波管の近軸軌道近似計算例で
ある。
図1のFEA陰極マイクロ波管の近軸軌道近似計算例で
ある。
【図6】図1の電界放射陰極電子銃の模式的な断面構造
図である。
図である。
【図7】本発明にかかる電界放射陰極電子銃及びこれを
用いたマイクロ波管の第2実施形態であって、FEA陰
極1を使用した電子ビーム応用装置として代表的なマイ
クロ波管である進行波管(TWT)の模式的断面構造図
である。
用いたマイクロ波管の第2実施形態であって、FEA陰
極1を使用した電子ビーム応用装置として代表的なマイ
クロ波管である進行波管(TWT)の模式的断面構造図
である。
【図8】同図(a)は第1従来技術の電界放射冷陰極の
構造を示し、同図(b)は第1従来技術の冷陰極を構成
する一つの微小冷陰極107の断面図を示す。
構造を示し、同図(b)は第1従来技術の冷陰極を構成
する一つの微小冷陰極107の断面図を示す。
【図9】第2従来技術に記載の荷電粒子源の構造図であ
る。
る。
【図10】第3従来技術に記載の表面計測装置の構造図
である。
である。
【図11】第4従来技術に記載の磁界界浸型電子銃の構
造図である。
造図である。
【符号の説明】 1…FEA陰極 2…陰極基板 3…抵抗層 4…絶縁層 5…ゲート電極 6…エミッタ 7…ウエーネルト電極 8…陽極 9…真空外囲器 10…電子ビーム 11…磁石 12…ポールピース 13〜16…直流電源 81…FEA陰極 82…ウエーネルト電極 83…陽極 86…電子銃 87…電子ビーム 88…磁石 89…コレクタ 90…らせん 121…コイル 122…鉄芯 123…エミッタ電極 124…イオン引出電極 131…コイル 132…永久磁石 133…尖針 134…磁極 135…試料 141…引出電極 142…レンズ電極 143…電磁石
Claims (18)
- 【請求項1】 エミッタがアレイ状に形成された陰極か
ら放出され、連続的に連なる周期磁界中の電子ビームの
周期的な広がりの抑制を図ることができ、さらに陰極表
面における磁束密度の最適化を図ることができる電子銃
であって、 電子を放出する陰極と、 放出された電子を集束して電子ビームを生成するととも
に当該電子ビームを加速する電極と、 近軸軌道近似計算法によって求めた、電子ビームを形成
する全電流の中の所定割合の電流を占める電子ビームの
ビーム半径の最大値が最小となるような陰極磁束密度を
用いて、前記陰極と前記電極の中心軸に平行な磁場を形
成する磁石とを有することを特徴とする電子銃。 - 【請求項2】 エミッタがアレイ状に形成された陰極か
ら放出され、連続的に連なる周期磁界中の電子ビームの
周期的な広がりの抑制を図ることができ、さらに陰極表
面における磁束密度の最適化を図ることができる電子銃
であって、 電子を放出する陰極と、 放出された電子を集束して電子ビームを生成するととも
に当該電子ビームを加速する電極と、 近軸軌道近似計算法によって求めた、電子ビームを形成
する全電流の中の所定割合の電流を占める電子ビームの
ビーム半径の最大値が最小値から10%以内となるよう
な陰極磁束密度を用いて、前記陰極と前記電極の中心軸
に平行な磁場を形成する磁石とを有することを特徴とす
る電子銃。 - 【請求項3】 前記所定割合が略90乃至99.5%で
あることを特徴とする請求項1または2に記載の電子
銃。 - 【請求項4】 前記陰極磁束密度が略0.02乃至0.
05Wb/m2であることを特徴とする請求項1乃至3
のいずれか一項に記載の電子銃。 - 【請求項5】 エミッタがアレイ状に形成された陰極か
ら電界放出され、連続的に連なる周期磁界中の電子ビー
ムの周期的な広がりの抑制を図ることができ、さらに陰
極表面における磁束密度の最適化を図ることができる電
界放射陰極電子銃であって、 アレイ状に並設された複数の電子放出針と、 前記電子放出針の先端付近に開口を有するゲート電極を
備えた電界放射陰極と、 前記電子放出針から電界放出された電子を集束して電子
ビームを生成するとともに当該電子ビームを加速する電
極と、 横方向初速度成分を熱陰極の陰極温度に換算して求めた
等価陰極温度を用いた近軸軌道近似計算法によって求め
た、電子ビームを形成する全電流の中の所定割合の電流
を占める電子ビームのビーム半径の最大値が最小となる
ような陰極磁束密度を用いて、前記陰極と前記電極の中
心軸に平行な磁場を形成する磁石とを有することを特徴
とする電界放射陰極電子銃。 - 【請求項6】 エミッタがアレイ状に形成された陰極か
ら電界放出され、連続的に連なる周期磁界中の電子ビー
ムの周期的な広がりの抑制を図ることができ、さらに陰
極表面における磁束密度の最適化を図ることができる電
界放射陰極電子銃であって、 アレイ状に並設された複数の電子放出針と、 前記電子放出針の先端付近に開口を有するゲート電極を
備えた電界放射陰極と、 前記電子放出針から電界放出された電子を集束して電子
ビームを生成するとともに当該電子ビームを加速する電
極と、 横方向初速度成分を熱陰極の陰極温度に換算して求めた
等価陰極温度を用いた近軸軌道近似計算法によって求め
た、電子ビームを形成する全電流の中の所定割合の電流
を占める電子ビームのビーム半径の最大値が最小値から
10%以内となるような陰極磁束密度を用いて、前記陰
極と前記電極の中心軸に平行な磁場を形成する磁石とを
有することを特徴とする電界放射陰極電子銃。 - 【請求項7】 前記電子放出針とゲートとの電位差をV
g、電子が放出される電子の前記中心軸からの角度であ
る発散角度をθとしたとき、横方向電圧成分Vg・si
nθの電子速度相当値が、熱陰極の横方向初速度分布の
標準偏差の2倍乃至3倍程度に設定されていることを特
徴とする請求項5または6に記載の電界放射陰極電子
銃。 - 【請求項8】 前記所定割合が略90乃至99.5%で
あることを特徴とする請求項5または6に記載の電界放
射陰極電子銃。 - 【請求項9】 前記陰極磁束密度が略0.02乃至0.
05Wb/m2であることを特徴とする請求項5乃至8
のいずれか一項に記載の電界放射陰極電子銃。 - 【請求項10】 エミッタがアレイ状に形成された陰極
から放出され、連続的に連なる周期磁界中の電子ビーム
の周期的な広がりの抑制を図ることができ、さらに陰極
表面における磁束密度の最適化を図ることができるマイ
クロ波管であって、 真空外囲器中に設けられ、真空中に電子ビームを放出す
る電子銃と、 前記真空外囲器中に設けられ、電子ビームを集束するウ
エーネルト電極と、 前記真空外囲器中に設けられ、電子ビームを加速・集束
する陽極と、 前記真空外囲器の外部に前記電子銃の中心軸を囲むよう
に列設され、当該中心軸付近において当該中心軸に平行
な交番磁界を発生させて前記電子ビームを集束させる少
なくとも1つ以上のリング状の磁石と、 前記真空外囲器の外部に前記電子銃の中心軸を囲むよう
に列設され、当該中心軸付近において当該中心軸に平行
な交番磁界を発生させて前記電子ビームを集束させる少
なくとも1つ以上のリング状のポールピースとを有し、 前記電子銃は、 電子を放出する陰極と、 放出された電子を集束して前記電子ビームを生成すると
ともに当該電子ビームを加速する電極と、 近軸軌道近似計算法によって求めた、前記電子ビームを
形成する全電流の中の所定割合の電流を占める前記電子
ビームのビーム半径の最大値が最小となるような陰極磁
束密度を用いて、前記陰極と前記電極の中心軸に平行な
磁場を形成する磁石とを有することを特徴とするマイク
ロ波管。 - 【請求項11】 エミッタがアレイ状に形成された陰極
から放出され、連続的に連なる周期磁界中の電子ビーム
の周期的な広がりの抑制を図ることができ、さらに陰極
表面における磁束密度の最適化を図ることができるマイ
クロ波管であって、 真空外囲器中に設けられ、真空中に電子ビームを放出す
る電子銃と、 前記真空外囲器中に設けられ、電子ビームを集束するウ
エーネルト電極と、 前記真空外囲器中に設けられ、電子ビームを加速・集束
する陽極と、 前記真空外囲器の外部に前記電子銃の中心軸を囲むよう
に列設され、当該中心軸付近において当該中心軸に平行
な交番磁界を発生させて前記電子ビームを集束させる少
なくとも1つ以上のリング状の磁石と、 前記真空外囲器の外部に前記電子銃の中心軸を囲むよう
に列設され、当該中心軸付近において当該中心軸に平行
な交番磁界を発生させて前記電子ビームを集束させる少
なくとも1つ以上のリング状のポールピースとを有し、 前記電子銃は、 電子を放出する陰極と、 放出された電子を集束して前記電子ビームを生成すると
ともに当該電子ビームを加速する電極と、 近軸軌道近似計算法によって求めた、前記電子ビームを
形成する全電流の中の所定割合の電流を占める前記電子
ビームのビーム半径の最大値が最小値から10%以内と
なるような陰極磁束密度を用いて、前記陰極と前記電極
の中心軸に平行な磁場を形成する磁石とを有することを
特徴とするマイクロ波管。 - 【請求項12】 前記所定割合が略90乃至99.5%
であることを特徴とする請求項10または11に記載の
マイクロ波管。 - 【請求項13】 前記陰極磁束密度が略0.02乃至
0.05Wb/m2であることを特徴とする請求項10
乃至12のいずれか一項に記載のマイクロ波管。 - 【請求項14】 エミッタがアレイ状に形成された陰極
から放出され、連続的に連なる周期磁界中の電子ビーム
の周期的な広がりの抑制を図ることができ、さらに陰極
表面における磁束密度の最適化を図ることができるマイ
クロ波管であって、 真空外囲器中に設けられ、真空中に電子ビームを放出す
る電界放射陰極電子銃と、 前記真空外囲器中に設けられ、電子ビームを集束するウ
エーネルト電極と、 前記真空外囲器中に設けられ、電子ビームを加速・集束
する陽極と、 前記真空外囲器の外部に前記電界放射陰極電子銃の中心
軸を囲むように列設され、当該中心軸付近において当該
中心軸に平行な交番磁界を発生させて前記電子ビームを
集束させる少なくとも1つ以上のリング状の磁石と、 前記真空外囲器の外部に前記電界放射陰極電子銃の中心
軸を囲むように列設され、当該中心軸付近において当該
中心軸に平行な交番磁界を発生させて前記電子ビームを
集束させる少なくとも1つ以上のリング状のポールピー
スとを有し、 前記電界放射陰極電子銃は、 アレイ状に並設された複数の電子放出針と、 前記電子放出針の先端付近に開口を有するゲート電極を
備えた電界放射陰極と、 前記電子放出針から電界放出された電子を集束して電子
ビームを生成するとともに当該電子ビームを加速する電
極と、 横方向初速度成分を熱陰極の陰極温度に換算して求めた
等価陰極温度を用いた近軸軌道近似計算法によって求め
た、電子ビームを形成する全電流の中の所定割合の電流
を占める電子ビームのビーム半径の最大値が最小となる
ような陰極磁束密度を用いて、前記陰極と前記電極の中
心軸に平行な磁場を形成する磁石とを有することを特徴
とするマイクロ波管。 - 【請求項15】 エミッタがアレイ状に形成された陰極
から放出され、連続的に連なる周期磁界中の電子ビーム
の周期的な広がりの抑制を図ることができ、さらに陰極
表面における磁束密度の最適化を図ることができるマイ
クロ波管であって、 真空外囲器中に設けられ、真空中に電子ビームを放出す
る電界放射陰極電子銃と、 前記真空外囲器中に設けられ、電子ビームを集束するウ
エーネルト電極と、 前記真空外囲器中に設けられ、電子ビームを加速・集束
する陽極と、 前記真空外囲器の外部に前記電界放射陰極電子銃の中心
軸を囲むように列設され、当該中心軸付近において当該
中心軸に平行な交番磁界を発生させて前記電子ビームを
集束させる少なくとも1つ以上のリング状の磁石と、 前記真空外囲器の外部に前記電界放射陰極電子銃の中心
軸を囲むように列設され、当該中心軸付近において当該
中心軸に平行な交番磁界を発生させて前記電子ビームを
集束させる少なくとも1つ以上のリング状のポールピー
スとを有し、 前記電界放射陰極電子銃は、 アレイ状に並設された複数の電子放出針と、 前記電子放出針の先端付近に開口を有するゲート電極を
備えた電界放射陰極と、 前記電子放出針から電界放出された電子を集束して電子
ビームを生成するとともに当該電子ビームを加速する電
極と、 横方向初速度成分を熱陰極の陰極温度に換算して求めた
等価陰極温度を用いた近軸軌道近似計算法によって求め
た、電子ビームを形成する全電流の中の所定割合の電流
を占める電子ビームのビーム半径の最大値が最小値から
10%以内となるような陰極磁束密度を用いて、前記陰
極と前記電極の中心軸に平行な磁場を形成する磁石とを
有することを特徴とするマイクロ波管。 - 【請求項16】 前記電子放出針とゲートとの電位差を
Vg、電子が放出される電子の前記中心軸からの角度で
ある発散角度をθとしたとき、横方向電圧成分Vg・s
inθの電子速度相当値が、熱陰極の横方向初速度分布
の標準偏差の2倍乃至3倍程度に設定されていることを
特徴とする請求項13または15に記載のマイクロ波
管。 - 【請求項17】 前記所定割合が略90乃至99.5%
であることを特徴とする請求項13または15に記載の
マイクロ波管。 - 【請求項18】 前記陰極磁束密度が略0.02乃至
0.05Wb/m2であることを特徴とする請求項13
乃至17のいずれか一項に記載のマイクロ波管。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP00145899A JP3282602B2 (ja) | 1999-01-06 | 1999-01-06 | 電子銃並びに電界放射陰極電子銃、及びマイクロ波管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP00145899A JP3282602B2 (ja) | 1999-01-06 | 1999-01-06 | 電子銃並びに電界放射陰極電子銃、及びマイクロ波管 |
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JP2000200555A JP2000200555A (ja) | 2000-07-18 |
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- 1999-01-06 JP JP00145899A patent/JP3282602B2/ja not_active Expired - Fee Related
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