JP3460536B2 - 電子銃 - Google Patents

電子銃

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JP3460536B2
JP3460536B2 JP27233597A JP27233597A JP3460536B2 JP 3460536 B2 JP3460536 B2 JP 3460536B2 JP 27233597 A JP27233597 A JP 27233597A JP 27233597 A JP27233597 A JP 27233597A JP 3460536 B2 JP3460536 B2 JP 3460536B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、放射線発生装置
などにおいて電子ビームの発生源として用いられる電子
銃に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は、医療用ライナックなどの放射線
発生装置に用いられる従来の電子銃の構成を模式的に示
す図である。
【0003】放射線発生装置に用いる電子銃では、高密
度の電子ビームを発生させる必要があるため、多孔質タ
ングステンに、仕事関数の小さい(すなわち電子を放出
しやすい)バリウムを含浸して形成された含浸型のカソ
ード1が用いられる。カソード1の周囲には、カソード
1から放出された熱電子を集束させて電子ビームを形成
するためにカソード表面に均一な電界を形成する制御電
極2が設けられる。この制御電極2は、ウェーネルト電
極とも呼ばれる。
【0004】カソード1は、ヒータ3により所定の動作
温度まで加熱される。この状態で、カソード1とアノー
ド4との間に高電圧を印加することにより、カソード1
から電子が引き出され、アノード4に向かって加速され
る。
【0005】ここで、カソード1から放出された電子が
アノード4の方向に向かうよう、制御電極2にも電圧が
印加される。この結果、カソード1の近傍には、電子を
アノード4の方向に集束させるような電場が形成され
る。図9では、その電場の様子の一部を等電位面5とし
て表示している。
【0006】このような構成により、カソード1から放
出された電子は、軌道6に沿って加速され、アノード4
の中央孔4aから外部へと出力される。
【0007】放射線発生装置では、このようにして電子
銃から出力された電子ビームを、電子銃の後段に接続さ
れた加速管によりさらに加速した上で、例えば放射線発
生用のターゲットに衝突させることにより、所望の放射
線を発生させる。なお、この加速管としては、例えばマ
イクロ波電界により電子を加速する加速空洞を複数個直
列に接続した定在波型加速管が用いられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】アノード4の中央孔4
aを通って加速管に入射した電子は、必ずしもその全て
が加速管により加速されるわけではなく、アノード4の
中央孔4aを通って電子銃内に戻ってくるものもある。
このように電子銃内に戻ってくる電子は逆走電子と呼ば
れる。逆走電子のなかには、カソード1に衝突するもの
もある。この逆走電子の衝突により、カソード1は、ヒ
ータ3による所定の動作温度よりもさらに加熱され、過
熱状態となることがある。
【0009】一方、カソード1は、バリウムを、電子銃
の動作中、カソード1に含浸されたバリウムは、熱によ
り蒸発し、近傍の制御電極2の表面に付着する。前述し
たように、バリウムは電子を放出しやすい物質なので、
制御電極2に付着したバリウムから電子が放出される可
能性がある。しかし、カソード1が通常の動作温度の状
態にあるときは、制御電極2からの電子放出は無視でき
るほど少なく問題とはならない。なぜなら、通常の動作
温度では、カソード1からのバリウムの蒸発が少ないの
で制御電極2に対するバリウムの付着量は少なく、また
カソード1からの輻射熱も少ないので制御電極2の温度
も高温にならないためである。
【0010】ところが、前述の逆走電子のカソード1へ
の衝突が始まると、制御電極2からの電子の放出が著し
く増大してしまう。これは次のようなメカニズムからで
ある。
【0011】すなわち、カソード1に含浸されたバリウ
ムは、逆走電子の衝突によりカソード1からはじき出さ
れたり、その衝突によるカソード1の温度上昇により蒸
発したりする。このような逆走電子の衝突とそれに伴う
カソード1の温度上昇との相乗効果により、カソード1
からのバリウムの蒸発量が増大する。この結果制御電極
2に付着するバリウムの量が増大する。その一方で、逆
走電子によりカソード1が過熱状態となっていると、輻
射熱により制御電極2も高温状態となる。したがって、
逆走電子が多くなると、制御電極2におけるバリウムの
付着量が増大すると共に、制御電極2の温度が高くな
る。前述したようにバリウムは電子を放出しやすい物質
なので、付着したバリウムの量が多くしかも高温となっ
た制御電極2からは、電子が多く放出されることにな
る。
【0012】このようにカソード1だけでなく制御電極
2からも電子放出が起こった場合、カソード1から放出
された電子を目的とするビーム制御では安定した電子ビ
ームが生成できなくなるという問題がある。
【0013】この発明は、以上の問題を解決するために
なされたものであり、含浸型のカソードを用いた電子銃
において、逆走電子に起因する制御電極から電子放出を
低減し、安定した電子ビームを生成できるようにするこ
とを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明に係る電子銃は、多孔質の基台に高電子
放出性物質を含浸させて形成した含浸型のカソードと、
前記カソードの周囲に設けられ、ビーム形成のための電
界を生じさせる制御電極と、を有し、前記制御電極の形
状を、前記電界の等電位面に対して平行でない面からな
る複数段の階段状としたものである。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】また、発明に係る電子銃は、前記第1の
発明又は第2の発明に係る電子銃において、カソードの
中央部に、当該カソードに戻る逆走電子を通過させるた
めの電子通過孔を設けたものである。
【0019】また、発明に係る電子銃は、前記第1の
発明又は第2の発明に係る電子銃において、カソードの
中央部に前記高電子放出性物質を含まない逆走電子受容
部を設けたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面に基づいて説明する。
【0021】実施の形態1.図1は、この発明の実施の
形態1に係る電子銃の構成を模式的に示す図である。こ
の電子銃は、高密度の電子ビームを発生させるため、多
孔質の基台に対して電子を放出しやすい高電子放出性物
質を含浸させた含浸型のカソード1を用いている。この
実施の形態1では、多孔質の基台として多孔質タングス
テンを用い、高電子放出性物質として、仕事関数の小さ
いバリウムを用いる。すなわち、カソード1は多孔質タ
ングステンにバリウムを含浸して形成されている。な
お、実際には、バリウムは酸化バリウムの形で多孔質タ
ングステンに含浸されるが、以下では単にバリウムと書
く。また、多孔質の基台の材質は、タングステンに限ら
れるものではなく、電極の基台に要求される電気的、強
度的あるいは物性的性質を有する材質であればどのよう
なものを用いてもよい。また、基台に含浸する物質も、
バリウムに限られるものではなく、仕事関数が低く電子
を放出しやすい高電子放出性の物質であればどのような
ものでもよい。
【0022】カソード1の向かい側には、アノード4が
設けられる。電子銃の動作時には、アノード4をグラウ
ンドとし、カソード1に負電圧を印加することにより、
カソード1とアノード4との間に数十kV〜100kV
程度の高電圧が印加される。また、電子銃の動作時に
は、カソード1は、ヒータ3により所定の動作温度(約
摂氏1100度)まで加熱され、電子を放出しやすい状
態となっている。この結果、カソード1・アノード4間
の高電圧によりカソード1から電子が引き出される。
【0023】カソード1の周囲には、ウェーネルト電極
とも呼ばれる制御電極2aが設けられる。この実施の形
態1に特徴的なことは、図1に示すように、制御電極2
aを階段状の形状としたことである。なお、これらカソ
ード1、アノード4及び制御電極2aは、カソード1と
アノード4の中心同士を結ぶ軸に関して回転対称な形状
として形成されている。
【0024】制御電極2aには、電子銃内にカソード1
から放出された電子がアノード4に向かって集束される
ような電場が形成されるように、適切な負電圧が印加さ
れる。図中、破線5は、このようにして形成された電場
の等電位面の1つを示している。この電場により、カソ
ード1から引き出された電子は、例えば軌道6に示すよ
うにアノード4の中心に向かって集束されつつ加速さ
れ、方向性を持った電子ビームとなってアノード4の中
央孔4aから当該電子銃の外部へと出力される。
【0025】この実施の形態1では、制御電極2aの表
面を階段状の形状としたことにより、次のようなメカニ
ズムにより、制御電極2aから電子の放出が起こりにく
くなる。
【0026】すなわち、制御電極2aの表面を、カソー
ド1とアノード4の中心同士を結ぶ軸に対して垂直な面
及び平行な面からなる階段状の形状としたことにより、
制御電極2aの各面は等電位面5に対して平行でなくな
る。このため、制御電極2aの各面に対しては、電界の
力が垂直方向ではなく斜め方向から加わることになり、
制御電極2aの表面から電子を引き出す力が、従来の電
子銃における制御電極2の場合よりも弱くなる。すなわ
ち、前述の図9に示した従来の電子銃では、制御電極2
の表面が等電位面5と平行なので、電界の力は制御電極
2に対して垂直に加わることとなり、電子を引き出す力
が強いのに対し、この実施の形態1の階段状の制御電極
2aによれば、電界の力が斜めから加わるので、電子を
引き出す力が弱くなる。
【0027】したがって、このような階段状の表面を持
つ制御電極2aを採用したことにより、電子銃の後段に
設けた加速管からの逆走電子の影響によりカソード1か
ら蒸発したバリウムが制御電極2aに付着したとして
も、制御電極2aからの電子の放出は従来よりも少なく
なる。よって、この実施の形態1によれば、逆走電子の
影響による制御電極2aからの電子放出を低減すること
ができ、ひいては安定した電子ビームを生成することが
できる。
【0028】実施の形態2.図2は、この発明の実施の
形態2に係る電子銃の構成を模式的に示す図である。図
2において、図1の構成要素と同等の構成要素について
は、同一の符号を付してその説明を省略する。なお、ア
ノード及びヒータは図1の構成と同じでよいので、図2
ではそれらの表示を省略している。
【0029】この実施の形態2では、カソード1から放
出された電子をアノードの方向に集束させるための電場
を生成するための制御電極として、メッシュ構造の制御
電極2bを用いる。すなわち、制御電極2bは、表面部
20として導電体をメッシュ状に整形した部材を用いて
いる。
【0030】このように、制御電極2bは表面部20が
メッシュ状になっているので、バリウムが付着する面積
が従来の制御電極(図9参照)の表面よりも小さくな
る。したがって、カソード1から蒸発するバリウムの量
が増大したとしても、制御電極2bに付着するバリウム
の量は従来に比べて無視できるほど少なくなるので、制
御電極2bから放出される電子の量を低減することがで
きる。
【0031】このように、この実施の形態2の電子銃に
よれば、電子放出の源となるバリウムの制御電極2bへ
の付着量が低減されるので、制御電極2bからの電子の
放出量を低減することができ、安定した電子ビームを生
成することができる。
【0032】実施の形態3.図3は、この発明の実施の
形態3に係る電子銃の構成を模式的に示す図である。図
3において、図1の構成要素と同等の構成要素について
は、同一の符号を付してその説明を省略する。図3で
も、アノード及びヒータは、図1と全く同じなので、そ
の表示を省略している。
【0033】この実施の形態3では、中央部に電子通過
孔7が穿設されたカソード1aを用いる。すなわち、カ
ソード1aは、実施の形態1のカソード1と同様、多孔
質タングステンにバリウムを含浸させて形成したもので
あるが、その中央部には、カソード1aとアノードの中
心同士を結ぶ軸8(すなわち、出力される電子ビームの
ビーム軸)に沿って電子通過孔7が設けられている。な
お、この電子銃において用いられる制御電極2は、従来
一般に用いられていた形態の制御電極である。
【0034】電子銃の後段に接続された加速管からの逆
走電子は、前述の軸8に沿って電子銃内に戻ってくるの
で、そのほとんどはカソード1aの中央に設けられた電
子通過孔7を通過してカソード1aの後方に排出され
る。したがって、この構成によれば、カソード1aに対
する逆走電子の衝突を大幅に減らすことができる。これ
により、逆走電子が増えた場合でも、カソード1aの温
度上昇及びバリウムの蒸発量の増加の程度が極めて小さ
くなるので、制御電極2の温度上昇及びバリウム付着量
が共に低減され、制御電極2からの電子放出は相乗効果
的に低減される。
【0035】このように、この実施の形態3の構成によ
れば、制御電極2からの電子放出量を大幅に低減するこ
とができるので、安定した電子ビームを生成することが
できる。
【0036】なお、この実施の形態3の変形例として、
前述の実施の形態1や実施の形態2と組み合せることも
考えられる。
【0037】図4は、このような変形例の構成を模式的
に示す図である。図4において、図1または図3の構成
要素と同様の構成要素には同一の符号を付してその説明
を省略する。
【0038】この図4の変形例は、実施の形態3におけ
る電子通過孔7を有するカソード1aを実施の形態1の
階段状の制御電極2aと組み合わせたものである。この
ような組合せによれば、制御電極の温度上昇が低減され
かつ制御電極へのバリウム付着量が低減されるという実
施の形態3の作用と、制御電極2aから電子を引き出す
力が小さくなるという実施の形態1の作用との相乗効果
により、制御電極2aから放出される電子の量はさらに
少なくなり、より安定した電子ビームを生成することが
できる。
【0039】図5は、別の変形例の構成を模式的に示す
図である。図5において、図2または図3の構成要素と
同様の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略
する。
【0040】この図5の変形例は、実施の形態3におけ
る電子通過孔7を有するカソード1aを実施の形態2の
メッシュ状の表面部20を有する制御電極2bと組み合
わせたものである。このような組合せによれば、バリウ
ム蒸発量が低減されるという実施の形態3の作用と、制
御電極2bにおけるバリウムの付着面積が小さくなると
いう実施の形態2の作用との相乗効果により、制御電極
2bに付着するバリウムの量を極めて少なくすることが
できるとともに、制御電極の温度上昇が抑えられるとい
う実施の形態3の作用も得ることができる。この結果、
制御電極2bから放出される電子の量は極めて少なくな
り、より安定した電子ビームを生成することができる。
【0041】実施の形態4.図6は、この発明の実施の
形態4に係る電子銃の構成を模式的に示す図である。図
6において、図1の構成要素と同等の構成要素について
は、同一の符号を付してその説明を省略する。図6で
も、アノード及びヒータは、図1と全く同じなので、そ
の表示を省略している。
【0042】この実施の形態4では、中央部にバリウム
などの高電子放出性物質を含まない逆走電子受容部9を
有するカソード1bを用いる。カソード1bのうち、逆
走電子受容部9以外の部分は、実施の形態1と同様、多
孔質タングステンにバリウムを含浸させた構造となって
いる。逆走電子受容部9は、周囲から蒸発したバリウム
が付着しにくい構造が好ましいので、多孔質材料を用い
るのは避けた方がよい。例えば、カソード1bは、基台
の多孔質タングステンとは異種の稠密な金属部材(例え
ばステンレス製など)を、逆走電子受容部9として基台
に埋め込んで形成すればよい。なお、この電子銃におい
て用いられる制御電極2は、従来一般に用いられていた
形態の制御電極である。
【0043】電子銃の後段に接続された加速管からの逆
走電子は、カソード1bとアノードの中心同士を結ぶ軸
8に沿って電子銃内に戻ってくるので、そのほとんどが
カソード1bの中央部に設けられた逆走電子受容部9に
衝突する。逆走電子受容部9は、バリウムなどの高電子
放出性物質を含まないので、逆走電子が衝突してもそれ
ら高電子放出性物質の蒸発は起こりにくい。また、カソ
ード1bのうちバリウムが含浸された部分は、逆走電子
の直接的な衝突をほとんど受けないので、温度上昇の程
度が少ない。したがって、この実施の形態4におけるカ
ソード1b全体としてみた場合のバリウムの蒸発量は、
従来の電子銃に比べて著しく少なくなる。よって、これ
に応じて制御電極2に対するバリウムの付着量も少なく
なるので、制御電極2からの電子放出量を低減すること
ができる。
【0044】このように、この実施の形態4によれば、
制御電極2からの電子放出量を大幅に低減することがで
きるので、安定した電子ビームを生成することができ
る。
【0045】なお、この実施の形態4の変形例として、
前述の実施の形態1や実施の形態2と組み合せることも
考えられる。
【0046】図7は、このような変形例の構成を模式的
に示す図である。図7において、図1または図6の構成
要素と同様の構成要素には同一の符号を付してその説明
を省略する。
【0047】この図7の変形例は、実施の形態4におけ
る逆走電子受容部9を有するカソード1bを実施の形態
1の階段状の制御電極2aと組み合わせたものである。
このような組合せによれば、バリウム量が低減される
(すなわち制御電極へのバリウム付着量が低減される)
という実施の形態4の作用と、制御電極2aから電子を
引き出す力が小さくなるという実施の形態1の作用との
相乗効果により、制御電極2aから放出される電子の量
はさらに少なくなり、より安定した電子ビームを生成す
ることができる。
【0048】図8は、別の変形例の構成を模式的に示す
図である。図8において、図2または図6の構成要素と
同様の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略
する。
【0049】この図8の変形例は、実施の形態4におけ
る逆走電子受容部9を有するカソード1bを実施の形態
2のメッシュ状の表面部20を有する制御電極2bと組
み合わせたものである。このような組合せによれば、バ
リウム蒸発量が低減されるという実施の形態4の作用
と、制御電極2bにおけるバリウムの付着面積が小さく
なるという実施の形態2の作用との相乗効果により、制
御電極2bに付着するバリウムの量を極めて少なくする
ことができる。この結果、制御電極2bから放出される
電子の量は極めて少なくなり、より安定した電子ビーム
を生成することができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明に係る
電子銃によれば、制御電極の形状を、前記電界の等電位
面に対して平行でない面からなる複数段の階段状とした
ことにより、制御電極表面に作用する電界の力を小さく
することができ、この結果、制御電極表面からの電子の
放出を低減して安定した電子ビームを生成することがで
きる。
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】また、発明に係る電子銃によれば、階段
状の制御電極又はメッシュ構造の制御電極と電子通過孔
を有するカソードとを併用することにより、制御電極か
らの電子の放出量をさらに低減して安定した電子ビーム
を生成することができる。
【0055】また、発明に係る電子銃によれば、階段
状の制御電極又はメッシュ構造の制御電極と逆走電子受
容部を有するカソードとを併用することにより、制御電
極からの電子の放出量をさらに低減して安定した電子ビ
ームを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の電子銃の構成を模式的に示す
図である。
【図2】 実施の形態2の電子銃の構成を模式的に示す
図である。
【図3】 実施の形態3の電子銃の構成を模式的に示す
図である。
【図4】 実施の形態3の変形例の電子銃の構成を模式
的に示す図である。
【図5】 実施の形態3の別の変形例の電子銃の構成を
模式的に示す図である。
【図6】 実施の形態4の電子銃の構成を模式的に示す
図である。
【図7】 実施の形態4の変形例の電子銃の構成を模式
的に示す図である。
【図8】 実施の形態4の別の変形例の電子銃の構成を
模式的に示す図である。
【図9】 従来の電子銃の構成を模式的に示す図であ
る。
【符号の説明】
1,1a,1b カソード、2,2a,2b 制御電
極、3 ヒータ、4 アノード、5 等電位面、7 電
子通過孔、9 逆走電子受容部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 3/02 H01J 1/28 H01J 1/46 H01J 23/04 - 23/06 H01J 37/06 - 37/063 G21K 1/00 G21K 5/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質の基台に高電子放出性物質を含浸
    させて形成した含浸型のカソードと、 前記カソードの周囲に設けられ、ビーム形成のための電
    界を生じさせる制御電極と、 を有し、前記制御電極の形状を、前記電界の等電位面に
    対して平行でない面からなる複数段の階段状としたこと
    を特徴とする電子銃。
  2. 【請求項2】 前記カソードの中央部に、当該カソード
    に戻る逆走電子を通過させるための電子通過孔を設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子銃。
  3. 【請求項3】 前記カソードの中央部に前記高電子放出
    性物質を含まない逆走電子受容部を設けたことを特徴と
    する請求項1に記載の電子銃。
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