JP2907150B2 - 冷陰極電子銃およびこれを用いた電子ビーム装置 - Google Patents
冷陰極電子銃およびこれを用いた電子ビーム装置Info
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- JP2907150B2 JP2907150B2 JP25642696A JP25642696A JP2907150B2 JP 2907150 B2 JP2907150 B2 JP 2907150B2 JP 25642696 A JP25642696 A JP 25642696A JP 25642696 A JP25642696 A JP 25642696A JP 2907150 B2 JP2907150 B2 JP 2907150B2
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J3/00—Details of electron-optical or ion-optical arrangements or of ion traps common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
- H01J3/02—Electron guns
- H01J3/021—Electron guns using a field emission, photo emission, or secondary emission electron source
- H01J3/022—Electron guns using a field emission, photo emission, or secondary emission electron source with microengineered cathode, e.g. Spindt-type
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- Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
- Microwave Tubes (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細構造を持ち、
薄膜技術等によって製作する電界放射陰極アレイ(FE
A)型の冷陰極を用いて電子ビームを形成する冷陰極電
子銃、ならびにこの冷陰極電子銃を用いたマイクロ波管
などの電子ビーム応用装置に関する。
薄膜技術等によって製作する電界放射陰極アレイ(FE
A)型の冷陰極を用いて電子ビームを形成する冷陰極電
子銃、ならびにこの冷陰極電子銃を用いたマイクロ波管
などの電子ビーム応用装置に関する。
【0002】
【従来の技術】微小な円錐状のエミッタ(電子放出電
極)と、エミッタのすぐ近くに形成され、エミッタから
の電流を引き出す機能ならびに電流制御機能を持つゲー
ト電極(制御電極)で構成された微小冷陰極をアレイ状
に並べた電界放射冷陰極がC.A.Spindt等によ
って提案されている(C.A.Spindt,A Th
in−Film Field−Emission Ca
thode,Jounalof Applied Ph
ysics,Vol.39,No.7,pp.350
4,1968)。図7(a)はこの電界放射冷陰極の構
造を示し、図7(b),(c)はこの冷陰極を構成する
一つの微小冷陰極107の断面図を示す。図7(a),
(b)において、101はシリコンの基板、102はシ
リコン酸化物の絶縁層で、絶縁層102の上にゲート電
極103が積層されている。絶縁層102とゲート電極
103の一部は除去されて、空洞109が形成され、空
洞109中の基板101の上に先端が尖ったエミッタ1
04が形成されている。エミッタ104,ゲート電極1
03と絶縁層102に形成された空洞109で微小冷陰
極107が形成され、この微小冷陰極107をアレイ状
に並べて平面状の電子放出領域を持つ冷陰極108が形
成される。図7(c)はゲート電極103の上に絶縁層
105を介して集束電極106を積層した微小冷陰極を
断面構造で、集束電極106によってエミッタ104か
ら放出された電子の軌道を集束させる。さらに、集束電
極106の上に絶縁層を介して第3の電極を形成する陰
極構造も開示されている。
極)と、エミッタのすぐ近くに形成され、エミッタから
の電流を引き出す機能ならびに電流制御機能を持つゲー
ト電極(制御電極)で構成された微小冷陰極をアレイ状
に並べた電界放射冷陰極がC.A.Spindt等によ
って提案されている(C.A.Spindt,A Th
in−Film Field−Emission Ca
thode,Jounalof Applied Ph
ysics,Vol.39,No.7,pp.350
4,1968)。図7(a)はこの電界放射冷陰極の構
造を示し、図7(b),(c)はこの冷陰極を構成する
一つの微小冷陰極107の断面図を示す。図7(a),
(b)において、101はシリコンの基板、102はシ
リコン酸化物の絶縁層で、絶縁層102の上にゲート電
極103が積層されている。絶縁層102とゲート電極
103の一部は除去されて、空洞109が形成され、空
洞109中の基板101の上に先端が尖ったエミッタ1
04が形成されている。エミッタ104,ゲート電極1
03と絶縁層102に形成された空洞109で微小冷陰
極107が形成され、この微小冷陰極107をアレイ状
に並べて平面状の電子放出領域を持つ冷陰極108が形
成される。図7(c)はゲート電極103の上に絶縁層
105を介して集束電極106を積層した微小冷陰極を
断面構造で、集束電極106によってエミッタ104か
ら放出された電子の軌道を集束させる。さらに、集束電
極106の上に絶縁層を介して第3の電極を形成する陰
極構造も開示されている。
【0003】基板101とエミッタ104とは電気的に
接続されており、エミッタ104とゲート電極103の
間には約50Vの電圧が印加される。絶縁層102の厚
さは約1μm、ゲート電極103の開口径も約1μmと
狭く、エミッタ104の先端は10nm程度と極めて尖
鋭に作られているので、エミッタ104の先端には強い
電界が加わる。この電界が2〜5×107 V/cm以上
になるとエミッタ104の先端から電子が放出される。
このような構造の微小冷陰極を基板101の上にアレイ
状に並べることにより大きな電流を放出する平面状の陰
極(FEA)が構成される。さらに、微細加工技術を利
用して微小冷陰極を高密度に並べれば従来の熱陰極の5
から10倍以上の陰極電流密度を実現できる。
接続されており、エミッタ104とゲート電極103の
間には約50Vの電圧が印加される。絶縁層102の厚
さは約1μm、ゲート電極103の開口径も約1μmと
狭く、エミッタ104の先端は10nm程度と極めて尖
鋭に作られているので、エミッタ104の先端には強い
電界が加わる。この電界が2〜5×107 V/cm以上
になるとエミッタ104の先端から電子が放出される。
このような構造の微小冷陰極を基板101の上にアレイ
状に並べることにより大きな電流を放出する平面状の陰
極(FEA)が構成される。さらに、微細加工技術を利
用して微小冷陰極を高密度に並べれば従来の熱陰極の5
から10倍以上の陰極電流密度を実現できる。
【0004】このスピント(Spindt)型冷陰極
は、熱陰極と比較して高い陰極電流密度が得られ、放出
電子の速度分散が小さい等の利点を持つ。また、単一の
電界放射エミッタと比較して電流雑音が小さく、約10
〜数10Vの低い電圧で動作し、比較的悪い真空度の環
境中でも動作する。
は、熱陰極と比較して高い陰極電流密度が得られ、放出
電子の速度分散が小さい等の利点を持つ。また、単一の
電界放射エミッタと比較して電流雑音が小さく、約10
〜数10Vの低い電圧で動作し、比較的悪い真空度の環
境中でも動作する。
【0005】この冷陰極を、進行波管(TWT)やクラ
イストロンなどのマイクロ波管に適用できれば、陰極の
加熱電力が不要であるので低消費電力で、陰極電流密度
が高いので高出力で、高周波の領域において効率の高い
増幅装置を実現できる可能性がある。さらに、陰極の加
熱が不要であるために、マイクロ波管、特にこの電子銃
部の構造を小型化できる可能性がある。さらに、高い陰
極電流密度が得られるので例えば自由電子レーザ用の電
子銃に使用すれば、その高出力化、高周波化を図ること
ができる。
イストロンなどのマイクロ波管に適用できれば、陰極の
加熱電力が不要であるので低消費電力で、陰極電流密度
が高いので高出力で、高周波の領域において効率の高い
増幅装置を実現できる可能性がある。さらに、陰極の加
熱が不要であるために、マイクロ波管、特にこの電子銃
部の構造を小型化できる可能性がある。さらに、高い陰
極電流密度が得られるので例えば自由電子レーザ用の電
子銃に使用すれば、その高出力化、高周波化を図ること
ができる。
【0006】しかし、マイクロ波管などの電子ビーム応
用装置にこの冷陰極を導入する場合、エミッション電流
の変動が大きな障害になる。エミッション電流の変動原
因としては、管内残留ガスのエミッタ先端への吸着、お
よび管内残留ガスのイオン化によって生じるエミッタの
先端へのイオン衝撃などが挙げられ、特に封じ切りの電
子管や実用レベルの真空度で使用される電子ビーム装置
の場合には影響が大きい。
用装置にこの冷陰極を導入する場合、エミッション電流
の変動が大きな障害になる。エミッション電流の変動原
因としては、管内残留ガスのエミッタ先端への吸着、お
よび管内残留ガスのイオン化によって生じるエミッタの
先端へのイオン衝撃などが挙げられ、特に封じ切りの電
子管や実用レベルの真空度で使用される電子ビーム装置
の場合には影響が大きい。
【0007】マイクロ波管の場合には、電子ビーム電流
の変動に伴い、利得や出力が変動するとともに、電子ビ
ームの集束状態が変化するため、らせん電流が変動し、
動作の安定性や信頼性に大きな影響を及ぼす。
の変動に伴い、利得や出力が変動するとともに、電子ビ
ームの集束状態が変化するため、らせん電流が変動し、
動作の安定性や信頼性に大きな影響を及ぼす。
【0008】このような状況に対し、安定な電子ビーム
電流を得るため、図8に示すような冷陰極の構成が、特
開平8−87957ほかに開示されている。図8におい
て、陰極からのエミッション電流は冷陰極基板上に集積
されるかあるいは個別部品で構成されたFETを中心と
した定電流源で制御され、エミッタ先端の表面状態が変
動しても全エミッション電流は常に一定に保たれる。な
お、各エミッタ毎に独立の定電流源が容易された場合に
は、全エミッション電流も個々のエミッタから放出され
る電流も一定に保たれる。
電流を得るため、図8に示すような冷陰極の構成が、特
開平8−87957ほかに開示されている。図8におい
て、陰極からのエミッション電流は冷陰極基板上に集積
されるかあるいは個別部品で構成されたFETを中心と
した定電流源で制御され、エミッタ先端の表面状態が変
動しても全エミッション電流は常に一定に保たれる。な
お、各エミッタ毎に独立の定電流源が容易された場合に
は、全エミッション電流も個々のエミッタから放出され
る電流も一定に保たれる。
【0009】また、本発明の構造と似た冷陰極あるいは
電子銃構造の公知例を図9から図11に示す。図9は米
国特許公報 第5,103,145号に開示されたCR
T用冷陰極とその駆動回路を示す。ここでは、冷陰極の
ゲート電極を分割し、入力ビデオ信号をデジタル変換し
た信号によって分割したゲート電極を駆動し、電子ビー
ム電流を変化させ、CRT画面の輝度を変えている。
電子銃構造の公知例を図9から図11に示す。図9は米
国特許公報 第5,103,145号に開示されたCR
T用冷陰極とその駆動回路を示す。ここでは、冷陰極の
ゲート電極を分割し、入力ビデオ信号をデジタル変換し
た信号によって分割したゲート電極を駆動し、電子ビー
ム電流を変化させ、CRT画面の輝度を変えている。
【0010】また、特開平7−235258にも、図1
0に示すように、FEA陰極を使用したCRTが開示さ
れている。ここでは、FEA陰極をマトリクス状に分解
し、入力ビデオ信号をデジタル変換した信号によってマ
トリクスの行および列を駆動し、電子ビーム電流を変化
させている。電子ビーム電流が小さいときには、電流は
陰極の中心から放出され、電子ビーム電流が大きくなる
に従い電子ビーム放出領域は陰極の周辺に向かって拡大
するようにデコーダを構成している。
0に示すように、FEA陰極を使用したCRTが開示さ
れている。ここでは、FEA陰極をマトリクス状に分解
し、入力ビデオ信号をデジタル変換した信号によってマ
トリクスの行および列を駆動し、電子ビーム電流を変化
させている。電子ビーム電流が小さいときには、電流は
陰極の中心から放出され、電子ビーム電流が大きくなる
に従い電子ビーム放出領域は陰極の周辺に向かって拡大
するようにデコーダを構成している。
【0011】また、特開平5−343000にも、図1
1に示すように、CRT用のFEA陰極が開示されてい
る。ここでは、FEA陰極を3分割し、それぞれをR.
G.Bビデオ信号で駆動して、カラーCRT用電子銃を
構成している。一つの円形の電子放出領域からR.G.
B信号で変調された3本の電子ビームを取り出すことを
目的としている。
1に示すように、CRT用のFEA陰極が開示されてい
る。ここでは、FEA陰極を3分割し、それぞれをR.
G.Bビデオ信号で駆動して、カラーCRT用電子銃を
構成している。一つの円形の電子放出領域からR.G.
B信号で変調された3本の電子ビームを取り出すことを
目的としている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図12は従来のエミッ
タに接続した定電流源の動作を模式的に示した図であ
る。複数のエミッタのエミッション電流を共通の、エミ
ッタと直列の定電流源で制御している場合、全エミッシ
ョン電流Iは一定であるにも関わらず、個々のエミッタ
からのエミッション電流i1,i2,i3は多くの場合
変動している。このため、陰極における電流密度分布が
経時的に変化し、安定な電子ビームが得られない。この
冷陰極電子銃を、例えば、マイクロ波管に使用した場
合、らせん電流が経時的に変動し信頼性が低下する恐れ
がある。
タに接続した定電流源の動作を模式的に示した図であ
る。複数のエミッタのエミッション電流を共通の、エミ
ッタと直列の定電流源で制御している場合、全エミッシ
ョン電流Iは一定であるにも関わらず、個々のエミッタ
からのエミッション電流i1,i2,i3は多くの場合
変動している。このため、陰極における電流密度分布が
経時的に変化し、安定な電子ビームが得られない。この
冷陰極電子銃を、例えば、マイクロ波管に使用した場
合、らせん電流が経時的に変動し信頼性が低下する恐れ
がある。
【0013】さらに、エミッション電流を一定に保つた
めに、定電流源111が動作すると、エミッタ先端の形
状の変化と表面状態の変化を補うようにエミッタ電位が
変動する。これに伴って放出電子の基準電位が変動し、
同じ加速電圧でも電子ビームの直流速度が経時的に変動
する。このため、例えばマイクロ波管においては、らせ
ん回路に伝わるRF信号と電子ビームの進行速度を同期
させて相互作用によって信号の増幅を実現しているの
で、電子ビームの直流速度が変動すると、相互作用の大
きさが変化し、この結果、利得や出力の変動につながる
恐れがある。
めに、定電流源111が動作すると、エミッタ先端の形
状の変化と表面状態の変化を補うようにエミッタ電位が
変動する。これに伴って放出電子の基準電位が変動し、
同じ加速電圧でも電子ビームの直流速度が経時的に変動
する。このため、例えばマイクロ波管においては、らせ
ん回路に伝わるRF信号と電子ビームの進行速度を同期
させて相互作用によって信号の増幅を実現しているの
で、電子ビームの直流速度が変動すると、相互作用の大
きさが変化し、この結果、利得や出力の変動につながる
恐れがある。
【0014】本発明の第1の目的は、冷陰極から放出さ
れた電子を集束して、電流の安定性が高く、陰極電流密
度分布の変動が小さく、直流速度変動が小さく、リップ
ルが小さい電子ビームを形成する電子銃を実現すること
である。本発明の第2の目的は、この電子銃を電子源と
して、小型で、利得が高く、動作が安定で、信頼性が高
く、寿命の長い電子ビーム装置を実現することである。
れた電子を集束して、電流の安定性が高く、陰極電流密
度分布の変動が小さく、直流速度変動が小さく、リップ
ルが小さい電子ビームを形成する電子銃を実現すること
である。本発明の第2の目的は、この電子銃を電子源と
して、小型で、利得が高く、動作が安定で、信頼性が高
く、寿命の長い電子ビーム装置を実現することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも一
つの表面が絶縁性を示す基板と、この基板の絶縁性を示
す表面の上に積層したカソード電極と、このカソード電
極の上に形成し、先端を先鋭化したエミッタと、このエ
ミッタとその付近を除いてカソード電極および基板の上
に積層した第1の絶縁層と、第1の絶縁層の上に積層
し、エミッタを取り囲む開口を持つゲート電極と、ゲー
ト電極の上に積層し、ゲート電極と共通の空洞を形成し
た第2の絶縁層と、この第2の絶縁層の上に積層し、ゲ
ート電極と共通の空洞を形成した集束電極で構成した冷
陰極電子銃において、カソード電極とゲート電極を対と
なるように複数に分割し、分割された各カソード電極に
流れる電流を検出して、この電流が一定となるようにカ
ソード電極と対をなすゲート電極の電位を制御するこを
特徴とする。
つの表面が絶縁性を示す基板と、この基板の絶縁性を示
す表面の上に積層したカソード電極と、このカソード電
極の上に形成し、先端を先鋭化したエミッタと、このエ
ミッタとその付近を除いてカソード電極および基板の上
に積層した第1の絶縁層と、第1の絶縁層の上に積層
し、エミッタを取り囲む開口を持つゲート電極と、ゲー
ト電極の上に積層し、ゲート電極と共通の空洞を形成し
た第2の絶縁層と、この第2の絶縁層の上に積層し、ゲ
ート電極と共通の空洞を形成した集束電極で構成した冷
陰極電子銃において、カソード電極とゲート電極を対と
なるように複数に分割し、分割された各カソード電極に
流れる電流を検出して、この電流が一定となるようにカ
ソード電極と対をなすゲート電極の電位を制御するこを
特徴とする。
【0016】また、本発明は、少なくとも一つの表面が
絶縁性を示す基板と、この基板の絶縁性を示す表面の上
に積層したカソード電極と、このカソード電極の上に形
成し、先端を先鋭化したエミッタと、このエミッタとそ
の付近を除いてカソード電極と基板の上に積層した第1
の絶縁層と、この第1の絶縁層の上に積層し、エミッタ
を取り囲む開口を持つゲート電極と、このゲート電極の
上に積層し、ゲート電極と共通の空洞を形成した第2の
絶縁層と、この第2の絶縁層の上に積層し、ゲート電極
と共通の空洞を形成した集束電極と、この集束電極の上
に積層し、ゲート電極と共通の空洞を形成した第3の絶
縁層と、この第3の絶縁層の上に積層し、ゲート電極と
共通の空洞を形成した第2の集束電極で構成した冷陰極
電子銃において、カソード電極とゲート電極と集束電極
を一組として複数に分割し、分割されたカソード電極に
流れる電流を検出して、この電流が一定となるように前
記カソード電極5と対をなすゲート電極の電位を制御す
ることを特徴とする。
絶縁性を示す基板と、この基板の絶縁性を示す表面の上
に積層したカソード電極と、このカソード電極の上に形
成し、先端を先鋭化したエミッタと、このエミッタとそ
の付近を除いてカソード電極と基板の上に積層した第1
の絶縁層と、この第1の絶縁層の上に積層し、エミッタ
を取り囲む開口を持つゲート電極と、このゲート電極の
上に積層し、ゲート電極と共通の空洞を形成した第2の
絶縁層と、この第2の絶縁層の上に積層し、ゲート電極
と共通の空洞を形成した集束電極と、この集束電極の上
に積層し、ゲート電極と共通の空洞を形成した第3の絶
縁層と、この第3の絶縁層の上に積層し、ゲート電極と
共通の空洞を形成した第2の集束電極で構成した冷陰極
電子銃において、カソード電極とゲート電極と集束電極
を一組として複数に分割し、分割されたカソード電極に
流れる電流を検出して、この電流が一定となるように前
記カソード電極5と対をなすゲート電極の電位を制御す
ることを特徴とする。
【0017】本発明の冷陰極電子銃においては、集束電
極には、ゲート電極に印加する電圧を分圧した電圧を印
加してもよい。また、本発明においては、カソード電極
に流れる電流を検出してゲート電極に加える電圧を発生
する複数のゲート制御回路を共通の制御電圧で制御する
こと、あるいはカソード電極に流れる電流を検出してゲ
ート電極に加える電圧を発生する複数のゲート制御回路
を共通の制御回路で制御することも可能である。さら
に、これら冷陰極電子銃を用いて電子ビーム応用装置を
構成することもできる。
極には、ゲート電極に印加する電圧を分圧した電圧を印
加してもよい。また、本発明においては、カソード電極
に流れる電流を検出してゲート電極に加える電圧を発生
する複数のゲート制御回路を共通の制御電圧で制御する
こと、あるいはカソード電極に流れる電流を検出してゲ
ート電極に加える電圧を発生する複数のゲート制御回路
を共通の制御回路で制御することも可能である。さら
に、これら冷陰極電子銃を用いて電子ビーム応用装置を
構成することもできる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施
の形態を示す冷陰極電子銃の模式的な構造断面図であ
る。図1において、1は真空中に自由電子を放出する冷
陰極で、2は電子ビーム11を集束するウエーネルト電
極、3は電子ビーム11を加速・形成する陽極で、全体
は真空外囲器12のなかに納められている。冷陰極1は
絶縁材料を用いた陰極基板4、カソード電極5,第1絶
縁層6,ゲート電極7,第2絶縁層8,集束電極9,エ
ミッタ10で構成されている。第1絶縁層6は陽極基板
4あるいはカソード電極5の上に積層され、その上に順
次、ゲート電極7,第2絶縁層8,集束電極9が形成さ
れている。
を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施
の形態を示す冷陰極電子銃の模式的な構造断面図であ
る。図1において、1は真空中に自由電子を放出する冷
陰極で、2は電子ビーム11を集束するウエーネルト電
極、3は電子ビーム11を加速・形成する陽極で、全体
は真空外囲器12のなかに納められている。冷陰極1は
絶縁材料を用いた陰極基板4、カソード電極5,第1絶
縁層6,ゲート電極7,第2絶縁層8,集束電極9,エ
ミッタ10で構成されている。第1絶縁層6は陽極基板
4あるいはカソード電極5の上に積層され、その上に順
次、ゲート電極7,第2絶縁層8,集束電極9が形成さ
れている。
【0019】第1絶縁層6,ゲート電極7,第2絶縁層
8,集束電極9には共通の多数の空洞が形成され、この
空洞の底でカソード電極5の上には電子放出電極である
エミッタ10が形成されている。カソード電極5とゲー
ト電極7は複数に分割され、分割されたカソード電極5
とゲート電極7とが対になって陰極セグメントを構成し
ている。
8,集束電極9には共通の多数の空洞が形成され、この
空洞の底でカソード電極5の上には電子放出電極である
エミッタ10が形成されている。カソード電極5とゲー
ト電極7は複数に分割され、分割されたカソード電極5
とゲート電極7とが対になって陰極セグメントを構成し
ている。
【0020】13〜15は、直流電源で、それぞれウエ
ーネルト電極2に0〜約100V、陽極3に1000〜
4000V、集束電極9に0〜約100Vの直流電圧を
供給する。17は抵抗でカソード電極5に接続されて、
陰極セグメントの電流を検出する。18はトランジス
タ、抵抗、基準電圧で構成されたゲート制御回路で、陰
極セグメント電流を一定に保つ。
ーネルト電極2に0〜約100V、陽極3に1000〜
4000V、集束電極9に0〜約100Vの直流電圧を
供給する。17は抵抗でカソード電極5に接続されて、
陰極セグメントの電流を検出する。18はトランジス
タ、抵抗、基準電圧で構成されたゲート制御回路で、陰
極セグメント電流を一定に保つ。
【0021】この冷陰極電子銃を動作させるには、ゲー
ト電極7にはゲート制御回路18を介して約50Vの電
圧を印加し、集束電極9には約10V、ウエーネルト電
極2には約3V、陽極3には約2000Vを印加する。
電子は各エミッタ10の先端から放出され、各エミッタ
10から放出された電子は各陰極セグメントに共通の集
束電極9で集束作用を受けながら集束電極9の開口を通
り抜ける。次に、各エミッタから放出された電子はウエ
ーネルト電極2と陽極3で形成された電位分布に従って
集束、加速され細い電子ビーム11に形成されていく。
ト電極7にはゲート制御回路18を介して約50Vの電
圧を印加し、集束電極9には約10V、ウエーネルト電
極2には約3V、陽極3には約2000Vを印加する。
電子は各エミッタ10の先端から放出され、各エミッタ
10から放出された電子は各陰極セグメントに共通の集
束電極9で集束作用を受けながら集束電極9の開口を通
り抜ける。次に、各エミッタから放出された電子はウエ
ーネルト電極2と陽極3で形成された電位分布に従って
集束、加速され細い電子ビーム11に形成されていく。
【0022】各陰極セグメントのエミッション電流は抵
抗17で検出され、ゲート制御回路18は抵抗17で検
出した電流をもとにゲート電極7を制御して、この電流
を一定に保つ。各陰極セグメント内では、エミッタ先端
の表面状態の変化を補償するようにゲート電極7の電圧
が変動する。
抗17で検出され、ゲート制御回路18は抵抗17で検
出した電流をもとにゲート電極7を制御して、この電流
を一定に保つ。各陰極セグメント内では、エミッタ先端
の表面状態の変化を補償するようにゲート電極7の電圧
が変動する。
【0023】このように、本実施の形態においては、冷
陰極1から放出される電流は陰極セグメント毎に制御さ
れて、一定に保持されるため、全放出電流および各陰極
セグメント毎の電流を一定に保つことができる。従っ
て、冷陰極1を適当な数の陰極セグメントに分割すれ
ば、冷陰極1における電流密度分布を実用上ほぼ一定に
保つことができる。さらに、各陰極セグメントは接地電
位から抵抗17における電圧降下分だけ高い電位になる
が、この電圧は各陰極セグメントの設定電流が変えられ
なければ、各陰極セグメントにわたって、常に一定で、
比較的低い電圧、たとえば3V程度以下に保たれる。従
って、電子ビームの基準電位が、陰極全面にわたって常
に一定に保持できるので、例えば、この冷陰極電子銃を
進行波管のようなマイクロ波管に使用したとき、低速波
回路における電流の直流速度が常に一定に保持される。
このため、不要な雑音発生や利得低下の恐れがなくな
る。
陰極1から放出される電流は陰極セグメント毎に制御さ
れて、一定に保持されるため、全放出電流および各陰極
セグメント毎の電流を一定に保つことができる。従っ
て、冷陰極1を適当な数の陰極セグメントに分割すれ
ば、冷陰極1における電流密度分布を実用上ほぼ一定に
保つことができる。さらに、各陰極セグメントは接地電
位から抵抗17における電圧降下分だけ高い電位になる
が、この電圧は各陰極セグメントの設定電流が変えられ
なければ、各陰極セグメントにわたって、常に一定で、
比較的低い電圧、たとえば3V程度以下に保たれる。従
って、電子ビームの基準電位が、陰極全面にわたって常
に一定に保持できるので、例えば、この冷陰極電子銃を
進行波管のようなマイクロ波管に使用したとき、低速波
回路における電流の直流速度が常に一定に保持される。
このため、不要な雑音発生や利得低下の恐れがなくな
る。
【0024】さらに、ゲート電極7の上に各陰極セグメ
ントに共通の集束電極9を設けているので、全ての陰極
セグメントから放出された電子の速度は、冷陰極1を離
れるときにはほぼ一定に保持され、主にウエーネルト電
極2、陽極3で構成された電子領域に入射する。このよ
うに、各陰極セグメントからの放出電流を制御するため
にゲート電圧が変化するにも関わらず、陰極全面にわた
って、常に同一の入射条件を保つことができるので、安
定な電子ビームが形成できる。
ントに共通の集束電極9を設けているので、全ての陰極
セグメントから放出された電子の速度は、冷陰極1を離
れるときにはほぼ一定に保持され、主にウエーネルト電
極2、陽極3で構成された電子領域に入射する。このよ
うに、各陰極セグメントからの放出電流を制御するため
にゲート電圧が変化するにも関わらず、陰極全面にわた
って、常に同一の入射条件を保つことができるので、安
定な電子ビームが形成できる。
【0025】具体的な実施例について述べると、エミッ
タ10はタングステンあるいはモリブデンのような耐熱
金属で作られ、ゲート電極7はタングステン、モリブデ
ン、ニオブ、タングステンシリサイド等の金属あるいは
金属化合物で作られ、絶縁層6,8には例えばシリコン
の酸化物、シリコンの窒化物等の単一あるいは複合層構
造を使用する。ゲート電極7の開口の直径は約1μm、
エミッタ10の高さは約0.5〜1μm、第1絶縁層6
の厚さは約0.4〜0.8μm、ゲート電極7の厚さは
約0.2μmである。
タ10はタングステンあるいはモリブデンのような耐熱
金属で作られ、ゲート電極7はタングステン、モリブデ
ン、ニオブ、タングステンシリサイド等の金属あるいは
金属化合物で作られ、絶縁層6,8には例えばシリコン
の酸化物、シリコンの窒化物等の単一あるいは複合層構
造を使用する。ゲート電極7の開口の直径は約1μm、
エミッタ10の高さは約0.5〜1μm、第1絶縁層6
の厚さは約0.4〜0.8μm、ゲート電極7の厚さは
約0.2μmである。
【0026】この陰極を製作するには、基本的には文献
(Journal of Applied Physi
cs,Vol.39,No.7,pp.3504,19
68)等に開示されているように、ゲート電極7と絶縁
層6に空洞を形成したのちウェハを回転させながら斜め
方向から犠牲層を堆積し、次にエミッタ材料をウェハの
真上から堆積すれば良い。
(Journal of Applied Physi
cs,Vol.39,No.7,pp.3504,19
68)等に開示されているように、ゲート電極7と絶縁
層6に空洞を形成したのちウェハを回転させながら斜め
方向から犠牲層を堆積し、次にエミッタ材料をウェハの
真上から堆積すれば良い。
【0027】図2は本発明の第2の実施の形態を示す冷
陰極1の模式的な構造図で、(a)に断面図、(b)に
ゲート電極7の平面図を示す。図1に示す第1の実施の
形態と異なるのは、ゲート制御回路18の構成で、本実
施の形態では差動増幅器や演算増幅器などの集積された
増幅器を使用した例を示しており、冷陰極1の構造は第
1の実施の形態と変わらない。
陰極1の模式的な構造図で、(a)に断面図、(b)に
ゲート電極7の平面図を示す。図1に示す第1の実施の
形態と異なるのは、ゲート制御回路18の構成で、本実
施の形態では差動増幅器や演算増幅器などの集積された
増幅器を使用した例を示しており、冷陰極1の構造は第
1の実施の形態と変わらない。
【0028】図2(a)において、抵抗17で電圧とし
て検出された陰極セグメントのエミッション電流は演算
増幅器で構成されたゲート制御回路18で基準電圧と比
較され、両者が等しくなるようにゲート電極7に印加す
る電圧が制御される。図2(b)は冷陰極1の集束電極
9と第2絶縁層8を仮想的に取り去ってゲート電極7を
見た平面図である。ゲート電極7は6等分され、図には
示していないが、カソード電極5もゲート電極7と同じ
パターンに分割されており、エミッション電流が独立に
制御される6個の陰極セグメントを形成している。
て検出された陰極セグメントのエミッション電流は演算
増幅器で構成されたゲート制御回路18で基準電圧と比
較され、両者が等しくなるようにゲート電極7に印加す
る電圧が制御される。図2(b)は冷陰極1の集束電極
9と第2絶縁層8を仮想的に取り去ってゲート電極7を
見た平面図である。ゲート電極7は6等分され、図には
示していないが、カソード電極5もゲート電極7と同じ
パターンに分割されており、エミッション電流が独立に
制御される6個の陰極セグメントを形成している。
【0029】図3は本発明の第3の実施の形態を示す冷
陰極の模式的断面構造図である。図1,図2に示す第
1,第2の実施の形態と異なるのは、集束電極9もゲー
ト電極7,カソード電極5と同じように分割し、集束電
極9の上にさらに第3絶縁層19,第2集束電極20を
形成していることである。第2集束電極20は全陰極セ
グメントに共通電位を与え、集束電極9にはゲート電極
7に比例する電圧を印加し、各エミッタから放出される
電子ビームの方向性を改善している。
陰極の模式的断面構造図である。図1,図2に示す第
1,第2の実施の形態と異なるのは、集束電極9もゲー
ト電極7,カソード電極5と同じように分割し、集束電
極9の上にさらに第3絶縁層19,第2集束電極20を
形成していることである。第2集束電極20は全陰極セ
グメントに共通電位を与え、集束電極9にはゲート電極
7に比例する電圧を印加し、各エミッタから放出される
電子ビームの方向性を改善している。
【0030】図3において、第2集束電極20には直流
電源16から約30Vの電圧が印加されている。また、
集束電極9には、ゲート電極7に印加する制御電圧を抵
抗21,22で構成した分圧器によって分圧した電圧が
印加されている。各陰極セグメントのゲート電極7の電
圧は、エミッション電流を一定に保つように、変化して
いるが、集束電極電圧を一定に保った場合、このゲート
電極電圧の変化に伴って、ゲート電極7と集束電極9で
構成された微小な電子光学系の集束条件も変化する。こ
の結果、エミッタ10から放出された電子の方向性がゲ
ート電極7の電圧変化とともに変化し、電子銃で形成し
た電子ビームのリップルの原因となる。集束電極9の電
圧をゲート電極電圧に比例させて変化させることによっ
て、微小な電子光学系の集束条件をゲート電極の変化に
係わらず常にほぼ一定に保つことができるので、エミッ
タ10から放出された電子の方向性を常にほぼ最良の状
態に保つことができる。
電源16から約30Vの電圧が印加されている。また、
集束電極9には、ゲート電極7に印加する制御電圧を抵
抗21,22で構成した分圧器によって分圧した電圧が
印加されている。各陰極セグメントのゲート電極7の電
圧は、エミッション電流を一定に保つように、変化して
いるが、集束電極電圧を一定に保った場合、このゲート
電極電圧の変化に伴って、ゲート電極7と集束電極9で
構成された微小な電子光学系の集束条件も変化する。こ
の結果、エミッタ10から放出された電子の方向性がゲ
ート電極7の電圧変化とともに変化し、電子銃で形成し
た電子ビームのリップルの原因となる。集束電極9の電
圧をゲート電極電圧に比例させて変化させることによっ
て、微小な電子光学系の集束条件をゲート電極の変化に
係わらず常にほぼ一定に保つことができるので、エミッ
タ10から放出された電子の方向性を常にほぼ最良の状
態に保つことができる。
【0031】図4は本発明の第4の実施の形態を示す冷
陰極電子銃の模式的構造図である。図1から図3に示す
第1から第3の実施の形態と異なるのは、複数のゲート
制御回路18を共通の基準電圧で制御し、ゲート制御回
路18および電流検出用の抵抗17を真空外囲器12の
中に収めていることである。このため、真空外囲器12
を介して外部に取り出す配線の数を少なく抑えることが
できる。また、ゲート制御回路18を真空外囲器12の
中に納めなくても、電子ビーム電流を制御するための調
整点を最小1個まで減じることができる。
陰極電子銃の模式的構造図である。図1から図3に示す
第1から第3の実施の形態と異なるのは、複数のゲート
制御回路18を共通の基準電圧で制御し、ゲート制御回
路18および電流検出用の抵抗17を真空外囲器12の
中に収めていることである。このため、真空外囲器12
を介して外部に取り出す配線の数を少なく抑えることが
できる。また、ゲート制御回路18を真空外囲器12の
中に納めなくても、電子ビーム電流を制御するための調
整点を最小1個まで減じることができる。
【0032】図4において、各陰極セグメントのゲート
制御回路18は共通の基準電圧源31に接続され、各陰
極セグメントの抵抗17で検出したエミッション電流と
比較され、これを一定にするように動作する。ゲート制
御回路18,抵抗17は冷陰極が形成されている陰極基
板4の上に集積化することも可能であるし、別の基板の
上に形成することも可能である。
制御回路18は共通の基準電圧源31に接続され、各陰
極セグメントの抵抗17で検出したエミッション電流と
比較され、これを一定にするように動作する。ゲート制
御回路18,抵抗17は冷陰極が形成されている陰極基
板4の上に集積化することも可能であるし、別の基板の
上に形成することも可能である。
【0033】図5は本発明の第5の実施の形態を示す冷
陰極電子銃の模式的構造図である。図1から図3に示す
第1から第3の実施の形態と異なるのは、複数のゲート
制御回路18を共通の制御回路32で制御し、ゲート制
御回路18および電流検出用の抵抗17を真空外囲器1
2の中に収めていることである。このため、真空外囲器
12を介して外部に取り出す配線の数を少なく抑えるこ
とができる。また、ゲート制御回路18を真空外囲器1
2の中に収めなくても、電子ビーム電流を制御するため
の調整点を最小1個まで減じることができる。
陰極電子銃の模式的構造図である。図1から図3に示す
第1から第3の実施の形態と異なるのは、複数のゲート
制御回路18を共通の制御回路32で制御し、ゲート制
御回路18および電流検出用の抵抗17を真空外囲器1
2の中に収めていることである。このため、真空外囲器
12を介して外部に取り出す配線の数を少なく抑えるこ
とができる。また、ゲート制御回路18を真空外囲器1
2の中に収めなくても、電子ビーム電流を制御するため
の調整点を最小1個まで減じることができる。
【0034】また、図4に示す第4の実施の形態と異な
るのは、共通の基準電圧減31と制御回路32も真空外
囲器12の中に収められ、各陰極セグメントのゲート制
御回路18は制御回路32を介して制御され、各陰極セ
グメントのエミッション電流、オン/オフが制御され
る。ゲート制御回路18,抵抗17,基準電圧源31,
制御回路32は冷陰極が形成されている陰極基板4の上
に集積化することも可能であるし、別の基板の上に形成
することも可能である。
るのは、共通の基準電圧減31と制御回路32も真空外
囲器12の中に収められ、各陰極セグメントのゲート制
御回路18は制御回路32を介して制御され、各陰極セ
グメントのエミッション電流、オン/オフが制御され
る。ゲート制御回路18,抵抗17,基準電圧源31,
制御回路32は冷陰極が形成されている陰極基板4の上
に集積化することも可能であるし、別の基板の上に形成
することも可能である。
【0035】図6は本発明の第6の実施の形態で、冷陰
極を使用した電子ビーム応用装置として代表的なマイク
ロ波管であるTWT(進行波管)の断面図を示す。図6
において、冷陰極81,ウエーネルト電極82,陽極8
3で電子銃86が構成される。冷陰極81から放出され
た電子は、電子銃86で作られた静電界と磁石88で作
られた磁界で集束され、所定形状の電子ビーム87に形
成される。電子ビーム87は内径が1mm程度あるいは
これ以下の低速波回路であるらせん90の中を通り抜
け、コレクタ89で捕捉される。らせん90に印加され
た入力RF信号は密度変調した電子ビーム87を作り、
この電子ビーム87はらせん90の中を通過する間にら
せん90との相互作用によりらせん90にRF信号を誘
起し、さらにこれを増幅して出力信号を作る。直流電源
91〜94はそれぞれウエーネルト電極82,陽極8
3,らせん90,コレクタ89に直流電圧を供給する。
なお、図6では冷陰極81のゲート電極や集束電極通に
電圧を印加するための配線と電源は省略している。
極を使用した電子ビーム応用装置として代表的なマイク
ロ波管であるTWT(進行波管)の断面図を示す。図6
において、冷陰極81,ウエーネルト電極82,陽極8
3で電子銃86が構成される。冷陰極81から放出され
た電子は、電子銃86で作られた静電界と磁石88で作
られた磁界で集束され、所定形状の電子ビーム87に形
成される。電子ビーム87は内径が1mm程度あるいは
これ以下の低速波回路であるらせん90の中を通り抜
け、コレクタ89で捕捉される。らせん90に印加され
た入力RF信号は密度変調した電子ビーム87を作り、
この電子ビーム87はらせん90の中を通過する間にら
せん90との相互作用によりらせん90にRF信号を誘
起し、さらにこれを増幅して出力信号を作る。直流電源
91〜94はそれぞれウエーネルト電極82,陽極8
3,らせん90,コレクタ89に直流電圧を供給する。
なお、図6では冷陰極81のゲート電極や集束電極通に
電圧を印加するための配線と電源は省略している。
【0036】冷陰極81を離れた電子ビーム87はウエ
ーネルト電極82,陽極83,らせん90,磁石88で
構成される集束電磁界によって集束され、細いらせんを
通り抜けてコレクタに達するが、この電子ビーム集束系
の入射条件となる電子ビームの全電流、陰極における電
流密度分布、電子ビーム初速度、電子ビーム入射方向が
すべて経時的にほぼ一定に保持される。このため、極め
て品質の良い電子ビームが形成され、電子ビーム87の
リップルおよびその時間変動が小さく保たれる。
ーネルト電極82,陽極83,らせん90,磁石88で
構成される集束電磁界によって集束され、細いらせんを
通り抜けてコレクタに達するが、この電子ビーム集束系
の入射条件となる電子ビームの全電流、陰極における電
流密度分布、電子ビーム初速度、電子ビーム入射方向が
すべて経時的にほぼ一定に保持される。このため、極め
て品質の良い電子ビームが形成され、電子ビーム87の
リップルおよびその時間変動が小さく保たれる。
【0037】電子ビームのリップルが小さいため、電子
ビームとらせんとの結合を強くできるので、らせん単位
長さ当たりの利得を高くでき、らせんの全長を大幅に短
縮でき、TWTを大幅に小型化できる。さらに、電流密
度の高い電子ビームが形成できるため、RF−DC変換
効率の高いTWTが実現できる。
ビームとらせんとの結合を強くできるので、らせん単位
長さ当たりの利得を高くでき、らせんの全長を大幅に短
縮でき、TWTを大幅に小型化できる。さらに、電流密
度の高い電子ビームが形成できるため、RF−DC変換
効率の高いTWTが実現できる。
【0038】さらに、らせん電流が低い値に保持できる
ので、信頼性を向上させられ、動作の安定性が増す。さ
らに、電子ビームの直流速度が陰極セグメント毎に変わ
ったり、経時的に変化することもないので、利得低下や
発振および雑音発生の恐れもない。
ので、信頼性を向上させられ、動作の安定性が増す。さ
らに、電子ビームの直流速度が陰極セグメント毎に変わ
ったり、経時的に変化することもないので、利得低下や
発振および雑音発生の恐れもない。
【0039】なお、冷陰極1の最上層の電極、すなわち
第1,第2の実施の形態では集束電極9、第3の実施の
形態では第2集束電極については分割しても同じあるい
はほぼ等しい直流電圧を印加すれば、冷陰極1を離れる
電子ビームの速度を揃えることができるので、本発明の
思想を適用したことになるのは明らかである。
第1,第2の実施の形態では集束電極9、第3の実施の
形態では第2集束電極については分割しても同じあるい
はほぼ等しい直流電圧を印加すれば、冷陰極1を離れる
電子ビームの速度を揃えることができるので、本発明の
思想を適用したことになるのは明らかである。
【0040】また、図6に示す第6の実施の形態では低
速波回路としてらせんを用いたTWTの例を示している
が、らせんに限らず、結合空胴やリングループ等のTW
Tにも適用できる。さらに、TWTに限らずクライスト
ロンやジャイロトロンのようなマイクロ波管に本発明の
冷陰極を適用しても、その利点を活用することができ
る。さらに、マイクロ波管の他に自由電子レーザ、電子
ビーム加工装置、電子ビーム加速装置のような電子ビー
ム応用装置に適用しても本発明の思想を有効に活用する
ことができる。
速波回路としてらせんを用いたTWTの例を示している
が、らせんに限らず、結合空胴やリングループ等のTW
Tにも適用できる。さらに、TWTに限らずクライスト
ロンやジャイロトロンのようなマイクロ波管に本発明の
冷陰極を適用しても、その利点を活用することができ
る。さらに、マイクロ波管の他に自由電子レーザ、電子
ビーム加工装置、電子ビーム加速装置のような電子ビー
ム応用装置に適用しても本発明の思想を有効に活用する
ことができる。
【0041】Spindtタイプの冷陰極のほかに、半
導体基板のエッチングによってエミッタを形成するGr
ayタイプや、微小な鋳型の中に電子放出層を堆積して
エミッタを形成するモールドタイプの冷陰極にも本発明
が適用できることは明らかである。
導体基板のエッチングによってエミッタを形成するGr
ayタイプや、微小な鋳型の中に電子放出層を堆積して
エミッタを形成するモールドタイプの冷陰極にも本発明
が適用できることは明らかである。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の冷陰極電
子銃においては、全エミッション電流が経時的に一定に
保たれ、陰極電流密度分布もほぼ一定に保たれる。さら
に、本発明の冷陰極電子銃においては全陰極部から離れ
る電子の速度、電子ビームの直流速度が経時的に変化せ
ず、その上、陰極全面から放出される電子にわたって同
一に保たれる。従って、常に同一の集束条件が保たれる
ので、良好は集束が実現でき、リップルが小さく、経時
的な変化のない高品質の電子ビームが形成できる。
子銃においては、全エミッション電流が経時的に一定に
保たれ、陰極電流密度分布もほぼ一定に保たれる。さら
に、本発明の冷陰極電子銃においては全陰極部から離れ
る電子の速度、電子ビームの直流速度が経時的に変化せ
ず、その上、陰極全面から放出される電子にわたって同
一に保たれる。従って、常に同一の集束条件が保たれる
ので、良好は集束が実現でき、リップルが小さく、経時
的な変化のない高品質の電子ビームが形成できる。
【0043】本発明の冷陰極電子銃を使用したマイクロ
波管装置では、高品質の電子ビームが形成できるので高
い装置性能が実現できる。特に、TWTなどのマイクロ
波管においては、高い信頼性と高いDC−RF変換効率
が実現できる。
波管装置では、高品質の電子ビームが形成できるので高
い装置性能が実現できる。特に、TWTなどのマイクロ
波管においては、高い信頼性と高いDC−RF変換効率
が実現できる。
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す冷陰極電子銃
の模式的構造断面図である。
の模式的構造断面図である。
【図2】(a)は本発明の第2の実施の形態を示す冷陰
極電子銃の冷陰極の模式的な断面図で、(b)はゲート
電極の平面図である。
極電子銃の冷陰極の模式的な断面図で、(b)はゲート
電極の平面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態を示す冷陰極の模式
的構造断面図である。
的構造断面図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態を示す冷陰極電子銃
の模式的構造図である。
の模式的構造図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態を示す冷陰極電子銃
の模式的構造図である。
の模式的構造図である。
【図6】本発明の第6の実施の形態を示すTWTの断面
構造図である。
構造図である。
【図7】従来技術のSpindtタイプ冷陰極を示し、
(a)は冷陰極の構造図、(b),(c)は微小冷陰極
の断面図である。
(a)は冷陰極の構造図、(b),(c)は微小冷陰極
の断面図である。
【図8】(a),(b)は特開平8−87957に開示
された従来技術の冷陰極構成図と回路図である。
された従来技術の冷陰極構成図と回路図である。
【図9】米国特許第5,103,145号に開示された
従来技術のCRT用冷陰極とその駆動回路図である。
従来技術のCRT用冷陰極とその駆動回路図である。
【図10】特開平7−235258に開示された従来技
術のCRT用FEA陰極構成図である。
術のCRT用FEA陰極構成図である。
【図11】特開平5−343000に開示された従来技
術のCRT用FEA陰極構成図である。
術のCRT用FEA陰極構成図である。
【図12】従来技術の冷陰極駆動回路の原理図である。
1,81 冷陰極 2,82 ウエーネルト電極 3,83 陽極 4 陰極基板 5 カソード電極 6 第1絶縁層 7,103 ゲート電極 8 第2絶縁層 9,106 集束電極 10,104 エミッタ 11,87 電子ビーム 12 真空外囲器 13〜16 直流電源 17,21,22 抵抗 18 ゲート制御回路 19 第3絶縁層 20 第2集束電極 31 基準電圧源 32 制御回路 86 電子銃 88 磁石 89 コレクタ 90 らせん 91〜94 直流電源 101 基板 102,105 絶縁層 107 微小冷陰極 108 陰極 109 空洞 111 定電流源
Claims (6)
- 【請求項1】 少なくとも一つの表面が絶縁性を示す基
板と、前記基板の絶縁性を示す表面の上に積層したカソ
ード電極と、前記カソード電極の上に形成し、先端を先
鋭化したエミッタと、前記エミッタとその付近を除いて
少なくとも前記カソード電極の上に積層した第1の絶縁
層と、前記第1の絶縁層の上に積層し、前記エミッタ1
0を取り囲む開口を持つゲート電極と、前記ゲート電極
の上に積層し、前記ゲート電極と共通の空洞を形成した
第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層の上に積層し、前記
ゲート電極と共通の空洞を形成した集束電極で構成さ
れ、前記カソード電極と前記ゲート電極を対となるよう
に複数に分割し、前記分割されたカソード電極に流れる
電流をそれぞれ検出して、この電流が一定となるように
前記カソード電極と対をなす前記ゲート電極の電位を制
御することを特徴とする冷陰極電子銃。 - 【請求項2】 少なくとも一つの表面が絶縁性を示す基
板と、前記基板の絶縁性を示す表面の上に積層したカソ
ード電極と、前記カソード電極の上に形成し、先端を先
鋭化したエミッタと、前記エミッタとその付近を除いて
少なくとも前記カソード電極の上に積層した第1の絶縁
層と、前記第1の絶縁層の上に積層し、前記エミッタを
取り囲む開口を持つゲート電極と、前記ゲート電極の上
に積層し、前記ゲート電極と共通の空洞を形成した第2
の絶縁層と、前記第2の絶縁層の上に積層し、前記ゲー
ト電極と共通の空洞を形成した集束電極と、前記集束電
極の上に積層し、前記ゲート電極と共通の空洞を形成し
た第3の絶縁層と、前記第3の絶縁層の上に積層し、前
記ゲート電極と共通の空洞を形成した第2の集束電極で
構成され、前記カソード電極と前記ゲート電極と前記集
束電極を一組として複数に分割し、前記分割されたカソ
ード電極に流れる電流をそれぞれ検出して、この電流が
一定となるように前記カソード電極と対をなす前記ゲー
ト電極の電位を制御することを特徴とする冷陰極電子
銃。 - 【請求項3】 前記集束電極には、前記ゲート電極に印
加する電圧を分圧した電圧を印加することを特徴とする
請求項2記載の冷陰極電子銃。 - 【請求項4】 前記カソード電極に流れる電流を検出し
て前記ゲート電極に加える制御電圧を発生する複数のゲ
ート制御回路を共通の基準電圧で制御することを特徴と
する請求項1または請求項2記載の冷陰極電子銃。 - 【請求項5】 前記カソード電極に流れる電流を検出し
て前記ゲート電極に加える制御電圧を発生する複数のゲ
ート制御回路を共通の制御回路で制御することを特徴と
する請求項1または請求項4記載の冷陰極電子銃。 - 【請求項6】 請求項1から請求項5記載の冷陰極電子
銃を備えた電子ビーム装置。
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- 1997-09-29 EP EP97116880A patent/EP0833359B1/en not_active Expired - Lifetime
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Legal Events
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