JPH10133389A - 感光性平版印刷版の処理方法 - Google Patents

感光性平版印刷版の処理方法

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JPH10133389A
JPH10133389A JP28512896A JP28512896A JPH10133389A JP H10133389 A JPH10133389 A JP H10133389A JP 28512896 A JP28512896 A JP 28512896A JP 28512896 A JP28512896 A JP 28512896A JP H10133389 A JPH10133389 A JP H10133389A
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JP
Japan
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developing
developer
lithographic printing
printing plate
photosensitive lithographic
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Application number
JP28512896A
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English (en)
Inventor
Yoko Hirai
葉子 平井
Yasuhisa Sugi
泰久 杉
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動現像機を用い、繰り返し使用する現像液
で多数枚の感光性平版印刷版を現像処理するときの現像
安定性を改良する。 【解決手段】 密閉手段をもつ自動現像機で感光性平
版印刷版を多数枚処理する方法において、該密閉手段が
充分機能してないときの時間を測定し、その時間に応じ
た補充を行って処理するか、密閉内部の湿度を測定し、
その測定値に応じて現像補充液を補充する補充方法。
自動現像機で繰り返し現像液を使用しながら感光性平版
印刷版を多数枚処理する方法において、現像液温及び/
又は該自動現像機周辺の気温を測定し、その測定値に応
じて現像補充液を補充する補充方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性平版印刷版
の処理方法に関し、更に詳しくは、自動現像機を用い繰
り返し使用する処理液で感光性平版印刷版を処理すると
きの該処理液に対する補充技術に関する。
【0002】
【従来の技術】感光性平版印刷版の現像液は、通常pH
が高いアルカリ水溶液であり、この種の現像液で感光性
平版印刷版の多数枚を処理するとき、処理によるアルカ
リ消費の他に、空気中の炭酸ガスの吸収が現像液の活性
度の低下の原因となっている。
【0003】従来、このような現像液の劣化に対する対
策技術として、特開昭55−115039号公報に記載
されているように、処理量に応じた補充(処理補充)と
現像液の放置時間に応じた補充(経時補充)を併用する
方法、特開昭61−61164号公報に記載されている
ように、現像液の電導度により液の劣化を推定し補充を
行う方法等が知られている。
【0004】これらのうち、現像液の電導度を測定する
方法は、高アルカリ溶液である現像液中での電極のメン
テナンスに問題、即ち電極の汚れを防ぐために補充量を
増やす必要が生じたり、電極の交換等でランニングコス
トが上昇する等の問題がある。一方、処理補充と経時補
充の併用による補充は、自動現像機の設置環境によって
経時劣化の速度が異なるため、自動現像機の設置環境ご
とに補充条件を求めることが必要である。
【0005】この問題を解決するために、現像液を外気
に接触させない手段を設け、経時補充量が自動現像機周
囲の環境に影響を受けないようにする方法が知られてい
る。即ち、特開平5−265225号公報には、現像槽
の回りを取り囲んで現像液が外気に晒されることを抑止
するケーシングにおいて、感光材料の排出時に開放され
る蓋を設けた感光性平版印刷版の自動現像機が提案され
ている。
【0006】また、特願平6−175652号明細書に
は、その図2に現像槽内の現像液をポンプでスプレーノ
ズルへ送りスプレー方式で水平状に搬送されている感光
性平版印刷版の上面に供給し、余剰の現像液を該現像槽
へ戻す自動現像機において、現像部と洗浄部との上部を
カバーで覆った構造の自動現像機が開示されている。
【0007】しかし、自動現像機の稼働中に機械の修理
や清掃などのため、密閉状態を崩すこともあり、また、
密閉用の蓋をずらして設置する等の操作上のミスなどで
密閉が不十分になることも予想される。このように密閉
状態を崩したり、密閉状態が不充分な場合、密閉状態の
補充量で補充すると経時補充が不足し、現像液の感度
(現像性)が正常の状態からずれるという問題を生じ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、自
動現像機を用い、繰り返し使用する現像液で多数枚の感
光性平版印刷版を現像処理するときの現像安定性を改良
する手段を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は下記(1)〜(3)である。
【0010】(1)密閉手段を有する自動現像機で感光
性平版印刷版を多数枚処理する処理方法において、該密
閉手段が充分機能してないときの時間を測定し、その時
間に応じた現像補充を行って処理することを特徴とする
感光性平版印刷版の処理方法。
【0011】(2)密閉手段を有する自動現像機で感光
性平版印刷版を多数枚処理する処理方法において、該密
閉手段で密閉された内部の湿度を測定し、この測定値に
応じて現像補充液を補充すること特徴とする感光性平版
印刷版の処理方法。
【0012】(3)自動現像機で繰り返し現像液を使用
しながら感光性平版印刷版を多数枚処理する処理方法に
おいて、現像液の温度及び/又は該自動現像機周辺の気
温を測定し、この測定値に応じて現像補充液を補充する
ことを特徴とする感光性平版印刷版の処理方法。
【0013】以下、本発明について詳述する。
【0014】請求項1又は2に係る発明において、自動
現像機が有する密閉手段とは、現像液が二酸化炭素を含
有する外気にふれるのを防止する構造をいう。例えば、
現像槽上部空間に機密性の高い蓋を設ける構造、現像液
面に設ける浮き蓋、自動現像機そのものをケーシングす
る構造等がある。
【0015】本発明において、密閉手段は現像液が完全
に外気と遮断された場合のみではない。実際には、感光
性平版印刷版の挿入口、排出口が必要であるため、完全
な密閉状態にはならない。本発明においては、密閉手段
を用いて自動現像機を放置した場合のCO2の吸収速度
が、密閉手段を用いない場合の1/2以下である場合に
特に効果的であり、更に効果的なのは1/4以下の場合
である。
【0016】請求項1に係る発明において、密閉手段が
充分機能しているか否か及び密閉手段が充分機能してい
ない時間を検知する手段としては、例えば、自動現像機
の稼働開始時に密閉手段である例えば現像槽上部を覆う
蓋の閉め忘れを視認する方法がある。請求項1に係る発
明において、密閉手段が充分機能しているか否かを自動
的に検知し、充分機能していない時間も自動的に測定す
る機能を自動現像機に付与することが好ましい。例え
ば、現像槽上部空間に密閉手段である蓋を有する自動現
像機の場合、この蓋が正常にセットされない場合に電流
が流れるようなセンサを設ける等の手段がある。また、
密閉手段で密閉された内部の相対湿度及び密閉部外部の
空気の相対湿度を測定し、両者の差異から密閉状態を判
断する方法を用いることもできる。
【0017】請求項1に係る発明において、密閉手段が
充分機能してないときの時間に応じた補充の補充条件
は、実験的に求めることができる。
【0018】請求項1に係る発明において、密閉手段が
機能しない非密閉状態の時は、密閉状態の時に比べて現
像液中の蒸発成分の蒸発速度が速い。従って、蒸発分を
補正する補充が好ましい。そのような補充として、例え
ば、通常用いる補充液より濃度が低い補充液を補充する
方法、補充液の他に蒸発分の水を補充する方法等があ
る。
【0019】請求項1に係る発明は、pHが12.5以
上の現像液及び現像補充液、及び感光性平版印刷版1m
2当たりの補充量が50ml以下の補充液を用いるとき
に特に有効である。
【0020】請求項2に係る発明において、密閉内部の
湿度は自動現像機の密閉手段による密閉度の指標として
用いる。ここで、密閉内部とは、密閉手段で密閉された
内部である。
【0021】密閉度が低い場合は、湿度が外気と変わら
なくなる。従って、湿度のデータを処理する場合には自
動現像機内部と外部の湿度を測定して、その違いを基に
補充量を制御する方法が好ましい。
【0022】密閉内部の湿度の測定手段は任意であり、
例えば、露点湿度計、電気抵抗式湿度計等公知の手段を
用いることができる。
【0023】湿度の測定値に応じて現像補充液の補充条
件は、実験的手段で求めることができる。
【0024】請求項3に係る発明における自動現像機
は、現像液を繰り返し使用して感光性平版印刷版を多数
枚現像処理する方式のものである。該自動現像機は密閉
手段を有して、また有してなくてもよい。
【0025】請求項3に係る発明において、現像液温
は、現像液の温度を測定してもよいし、温度計の耐久性
を求めるならば現像液の液面付近の気温を測定してもよ
い。即ち、請求項3に係る発明における現像液温は、現
像液の温度又は現像液の液面付近の気温である。現像液
温又は気温を検出する手段は任意であり、例えば、サー
ミスタ、熱電対、測温抵抗体等を用いることができる。
また、温度センサで検出された信号を積分して積分信号
とし、この積分信号によって補充条件を制御するように
してもよい。
【0026】現像液温及び/又は自動現像機周辺の気温
の測定値に応じて現像補充液を補充するには、現像温度
及び/又は自動現像機周辺の気温と現像補充液の補充条
件(現像補充液の組成及び補充量)との関係を実験的に
求めておき、その関係に従って補充すればよい。
【0027】請求項3に係る発明において、温度の他に
現像液液面周辺のCO2濃度を測定し、この測定値と合
わせて補充液量の制御を行うこともできる。
【0028】請求項1ないし3に係る発明において、前
記のように補正された現像補充液の補充の時期は稼働が
停止された後の自動現像機が再稼働する直前であること
が好ましい。
【0029】請求項1ないし3に係る発明を適用して効
果の顕著な現像液及び現像補充液は、空気との接触によ
って現像性能が変化する現像液である。具体的には、例
えば空気と接触し空気中の炭酸ガスを吸収してアルカリ
性が弱まるような現像液である。このような現像液とし
て、水を主たる溶媒とする(具体的には溶媒の少なくと
も50重量%が水である)アルカリ性の現像液、例えば、
ケイ酸アルカリ(ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、
メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、ケイ酸ア
ンモニウム等)を0.3〜10重量%、SiO2濃度で
0.1〜7.0重量%含有する現像液、更にケイ酸アル
カリ以外のアルカリ剤、例えば、水酸化カリウム、水酸
化ナトリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウ
ム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウム、第二
リン酸カリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸
アンモニウム、メタケイ酸ナトリウム、重炭酸ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム
などのような無機アルカリ剤、モノ,ジ又はトリエタノ
ールアミン及び水酸化テトラアルキルのような有機アル
カリ剤を含有させた現像液がある。
【0030】上記のような現像液は、目的に応じて種々
の添加剤を含有することができる。感光成分としてジア
ゾ化合物を用いたネガ型感光性平版印刷版及び感光成分
としてo−キノンジアジド化合物を用いたポジ型感光性
平版印刷版用の現像液の場合、添加剤としては、有機
酸、アニオン,ノニオン,カチオンの各界面活性剤、有
機溶剤、還元剤等がある。
【0031】請求項1ないし3に係る発明方法における
現像補充液は、補充液を補充して繰り返し使用される現
像液(現像母液)が現像処理及び空気との接触によって
現像性能が低下するのを補償する組成を有するものであ
ることが好ましい。現像補充液の好ましい実施態様とし
て、現像補充液のアルカリ活性度が現像液と同等或いは
それ以上である態様が挙げられる。具体的には現像液補
充液のpHが現像液のpHより0.0〜1.0高いこと
が好ましい。
【0032】請求項1ないし3に係る発明において、自
動現像機の稼働中の補充条件は、公知の処理補充及び経
時補充の技術を適用すればよい。即ち、処理補充は処理
する感光性平版印刷版の種類、処理面積、枚数、長手
(搬送方向)の長さ等によって調節することが好まし
い。また、希釈水以外の現像補充液を2液以上に構成
し、感光性平版印刷版の種類や処理による疲労と経時に
よる疲労とでそれらの混合比率を変えて補充するように
してもよい。
【0033】請求項1ないし3に係る発明で処理するの
に適する感光性平版印刷版は、前記のようなアルカリ性
現像液で処理されるものであり、感光性成分としてo−
キノンジアジド化合物を用いた感光層を有するポジ型感
光性平版印刷版、感光性成分としてジアゾ化合物を用い
た感光層を有するネガ型感光性平版印刷版、光重合性
や、光架橋性の感光層を有する感光性平版印刷版等が代
表的なものとして挙げられる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例でより具体的に説明す
る。
【0035】実施例1(請求項1に係る発明の実施例) 自動現像機として図1に示す自動現像機を使用した。図
1は請求項1ないし3に係る発明が適用される自動現像
機の例を示す概略断面図である。
【0036】画像露光された感光性平版印刷版10は、
挿入台1から挿入されて版検出手段2により検出される
と、それにより一対の送り込みローラ3を初めとして自
動現像機の運転が開始される。送り込みローラ3で現像
部4に送り込まれた感光性平版印刷版10は搬送路Aに
沿って搬送され、現像槽40内の現像液に浸漬されて現
像される。現像槽40はその上部が密閉手段である蓋5
で覆われている。蓋5は保守、点検等のため開閉が可能
な構造となっている。
【0037】現像部4で現像された感光性平版印刷版1
0は、次いで第1の後処理部である濯ぎ部6に送られて
水洗水で水洗され、次いで第2の後処理部であるガム処
理部7に送られてガム液を付与され、次いで乾燥室8に
送られて乾燥されて平版印刷版として送り出される。
【0038】この自動現像機において、稼働の開始に際
し、現像槽40に現像補充液槽41と希釈水槽42から
それぞれ現像補充液と希釈水が所定の割合で供給される
ことにより現像液が所定の液面高さを維持して入れられ
る。この現像液はヒータ43等の温度維持手段によって
所定温度に維持される。感光性平版印刷版10が現像部
4に送り込まれると、現像液は現像槽40の底部の開口
からフィルタ44とポンプ45を通って現像槽40に戻
る現像液循環経路によって循環される。感光性平版印刷
版10は搬送ローラ46によって現像液中を搬送され回
転ブラシ47で摺擦されて現像される。現像された感光
性平版印刷版10は感光性平版印刷版10と共に現像液
が通過するのを阻止する一対の絞りローラ49でスクイ
ーズされて濯ぎ部6に送られる。
【0039】現像槽40内の現像液は感光性平版印刷版
の処理及び空気中の炭酸ガスの吸収によって現像能力が
低下する。この現像能力の低下を補うため補充液槽41
と希釈水槽42からそれぞれ現像補充液と希釈水が所定
量供給されて補充が行われる。現像液の現像性能が補充
液を補充しても回復できなくなったら現像廃液槽48へ
排出する。
【0040】濯ぎ部6では、シャワーノズル52から水
洗水が濯ぎ槽50内の入り口側と出口側の搬送ローラ対
53と54の間を送られる感光性平版印刷版10に注ぎ
掛けられ付着している現像液や現像液に溶解した感光性
樹脂等を水洗水で洗い落とす。次いで感光性平版印刷版
10はガム処理部7に送り込まれ、ガム液を付与され
る。ガム処理部7のガム液槽60もガム液を不図示のガ
ム液供給手段から供給されて所定のレベルに貯え、その
ガム液がガム液槽60の底に開口した入り口からポンプ
61を通ってガム液槽60内に戻るガム液循環経路の端
末のシャワーノズル62からガム液槽60内の入り口側
と出口側の搬送ローラ対63と64の間を送られる感光
性平版印刷版10に注ぎ掛けられる。ガム液を付与され
た感光性平版印刷版10は、渡り部ローラ67を介して
乾燥室8に送り込まれ、搬送路Aを挟んで上下一対のエ
アーノズル71から温風を上下両面に吹き付けて搬送ロ
ーラ対72により送られ、更に一対のエアーノズル73
から温風を上下両面に吹き付けられて搬送ローラ対74
により機外に排出されて平版印刷版として用いられる。
【0041】上記自動現像機に、下記組成の現像母液
(1)を10l、水洗水を5l仕込み、現像液を30℃
に温度を調節して感光性平版印刷版の処理を開始した。
処理補充として下記組成の現像補充液(1)を画像露光
した感光性平版印刷版1m2当たり45ml添加した。
また、経時補充として、自動現像機の稼働時には1時間
当たり5ml、停止時には1時間当たり4mlの現像補
充液(1)を補充した。上記処理補充は感光性平版印刷
版を5m2処理する毎に、稼働時の経時補充は1時間毎
に、停止時の経時補充は次に自動現像機のスィッチをオ
ンした時にまとめて行った。この条件で1日に感光性平
版印刷版を100m2ずつ2日間処理した後、蓋5を開
けてローラを清掃し、実験的に蓋5を閉め忘れた状態即
ち開放状態で40時間放置した。その後、再び自動現像
機の稼働を開始した時、通常の経時補充に加えて開放状
態での経時1時間当たり50mlの現像補充液(1)と
蒸発補正分として8mlの水を補充した。その後、蓋5
を閉め、更に1日に100m 2の感光性平版印刷版を処
理して実験を終了した。
【0042】 現像母液(1) Aケイ酸カリウム(SiO2:26wt%、K2O:13wt%) 100重量部 水酸化カリウム 78重量部 エチレンジアミン4酢酸 17重量部 ポリエチレングリコール#1000(日本油脂(株)製) 2重量部 水 1521重量部 現像補充液(1) Aケイ酸カリウム(SiO2:26wt%、K2O:13wt%) 100重量部 水酸化カリウム 78重量部 水 564重量部 上記実験中、自動現像機を稼働している間は2時間おき
にコントロールストリップを焼き付けた感光性平版印刷
版を現像し、現像液の感度を下記の方法で測定した。
【0043】現像液の感度の測定方法 ポジ型感光性平版印刷版KM−3(コニカ(株)製)に
ステップタブレットをのせ、4kWメタルハライドラン
プで2分20秒間真空密着露光を行い現像した。現像後
5段目のステップの部分の280nmの吸光度を分光光
度計で測定した。その結果を表1に示す。
【0044】比較例1 経時補充量を、蓋5を閉め忘れない状態の場合の経時補
充量とした以外は実施例1と同様の実験を行ったとこ
ろ、表1に示す現像液の活性度のバラツキとなった。
【0045】実施例2(請求項2に係る発明の実施例) 図1に示す自動現像機の現像槽40に、前記現像母液
(1)を10l、水洗水を5l仕込み、現像液を30℃
に温度を調節して感光性平版印刷版の処理を開始した。
処理補充として、画像露光した感光性平版印刷版1m2
当たり45mlの割合で前記現像補充液(1)を添加し
た。また、1時間に1度、蓋5の内部と外部の湿度を測
定し、下記式に従って経時補充が行われるように調整し
た。
【0046】稼働時の補充量R1=55×{1−(Y1
2)/(100−Y2)} 停止時の補充量R2=50×{1−(Y1−Y2)/(1
00−Y2)} 上式中、Y1は内部湿度、Y2は外部湿度を示し、補充量
の単位はmlである。
【0047】上記処理補充は感光性平版印刷版を5m2
処理する毎に、稼働時の経時補充は1時間毎に、停止時
の経時補充は次に自動現像機のスィッチをオンした時に
まとめて行った。この条件で1日100m2ずつ2日間
処理した後、蓋5を開けてローラを清掃し、実験的に蓋
5を閉め忘れた状態にして開放状態で40時間放置し
た。40時間後、再び自動現像機の稼働を開始した時、
通常の経時補充に加えて1時間当たり50mlの現像補
充液(1)と蒸発補正分として8mlの水を補充した。
その後、蓋を閉め、更に1日に100m2の感光性平版
印刷版を処理して実験を終了した。実験中、自動現像機
を稼働している間は2時間おきにコントロールストリッ
プを焼き付けた感光性平版印刷版を現像し、現像液の感
度を実施例1と同様にして評価した。その結果を表1に
示す。
【0048】実施例3(請求項3に係る発明の実施例)
図2に概略断面を示す自動現像機を用いた。該自動現像
機において、送り込みローラ3で現像部100に送り込
まれた感光性平版印刷版10には、現像槽102内の現
像液がフィルタ103を通りポンプ104で送られてシ
ャワーノズル105から感光性平版印刷版10の感光層
面に供給され、回転ブラシ47で擦られ、絞りローラ4
9で表面の付着物が除去され、水洗処理部120へ送ら
れる。
【0049】現像部100において、シャワーノズル1
05で感光性平版印刷版10へ供給されて流下した現像
液は現像槽102へ戻り繰り返し現像に供される。現像
槽102には、現像補充液槽106と希釈水槽107か
らそれぞれ現像補充液と希釈水が所定量供給される。現
像槽102内の現像液は図示しない温度調節機構により
所定温度に維持されるようになっている。
【0050】現像槽102の上部には、外部と空気の流
通を遮断する密閉手段である蓋110が設けられてい
る。蓋110は金属、樹脂等で形成されたカバーで、そ
の周囲をゴムパッキン等の密閉部材111等で密閉し、
空気の流通の遮断効果を増す構造になっている。蓋11
0はその他に現像液の蒸発防止、シャワー現像時の液は
ね防止の機能も有している。現像処理部100で現像液
から蒸発した水分は蓋110の内面で結露し、その内面
を伝わって現像槽102内に戻り、現像液の蒸発による
濃縮を防止する。また、蓋110は保守、点検等のため
開閉可能な構造となっている。現像槽102には浮き蓋
112を設け、現像液の空気との接触を防いでいる。現
像部100より後の処理及び乾燥は図1におけると同じ
であり、図1と同じ符号を付した構成要素は図1におけ
るとほぼ同じである。
【0051】図2に示す自動現像機の現像槽102に、
前記現像母液(1)を10l、水洗水槽に水洗水を5l
仕込み、現像液を30℃に温度を調節して感光性平版印
刷版の処理を開始した。画像露光した感光性平版印刷版
を1m2につき45mlの前記組成の現像補充液(1)
を補充(処理補充)した。また、現像槽102の上部の
空間の気温を1時間毎に測定し、下記式に基づいて、1
時間に1度経時補充を行った。
【0052】経時補充量R3=50×et-300 上式中、tは絶対温度、補充量の単位はmlである。
【0053】上記補充において、処理補充は感光性平版
印刷版を5m2処理する毎に、経時補充は1時間毎に行
った。この条件で24時間稼働で1日に感光性平版印刷
版を100m2ずつ3日間処理した。この実験中、自動
現像機を稼働している間は2時間おきにコントロールス
トリップを焼き付けた感光性平版印刷版を現像し、現像
液の感度を実施例1と同様にして評価した。その結果を
表1に示す。
【0054】比較例2 経時補充の補充量を1時間当たり50mlに固定した以
外は実施例3と同様の実験を行ったところ、表1に示す
ように現像液の感度がばらついた。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、自動現像機を用い、繰
り返し使用する現像液で多数枚の感光性平版印刷版を現
像処理するときの現像安定性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1ないし3に係る発明が適用される自動
現像機の例を示す概略断面図である。
【図2】実施例3に使用した自動現像機の概略断面図で
ある。
【符号の説明】
4、100 現像部 5、110 蓋 6 濯ぎ部 7 ガム処理部 8 乾燥室 10 感光性平版印刷版 40、102 現像槽 41 補充液槽 42 希釈水槽 46 搬送ローラ 53,54,63,64,72,74 搬送ローラ対 47 回転ブラシ 48 現像廃液槽 49 絞りローラ 52,62 シャワーノズル 112 浮き蓋 A 搬送路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉手段を有する自動現像機で感光性平
    版印刷版を多数枚処理する処理方法において、該密閉手
    段が充分機能していないときの時間を測定し、その時間
    に応じた現像補充を行って処理することを特徴とする感
    光性平版印刷版の処理方法。
  2. 【請求項2】 密閉手段を有する自動現像機で感光性平
    版印刷版を多数枚処理する処理方法において、該密閉手
    段で密閉された内部の湿度を測定し、この測定値に応じ
    て現像補充液を補充すること特徴とする感光性平版印刷
    版の処理方法。
  3. 【請求項3】 自動現像機で繰り返し現像液を使用しな
    がら感光性平版印刷版を多数枚処理する処理方法におい
    て、現像液の温度及び/又は該自動現像機周辺の気温を
    測定し、この測定値に応じて現像補充液を補充すること
    を特徴とする感光性平版印刷版の処理方法。
JP28512896A 1996-10-28 1996-10-28 感光性平版印刷版の処理方法 Pending JPH10133389A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010197620A (ja) * 2009-02-24 2010-09-09 Fujifilm Corp 平版印刷版原版の自動現像装置及び処理方法
CN112631088A (zh) * 2020-12-23 2021-04-09 Tcl华星光电技术有限公司 显影装置及其应用方法、显示面板

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JP2010197620A (ja) * 2009-02-24 2010-09-09 Fujifilm Corp 平版印刷版原版の自動現像装置及び処理方法
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