JPH10132666A - 高温測温用セラミック熱電対 - Google Patents

高温測温用セラミック熱電対

Info

Publication number
JPH10132666A
JPH10132666A JP8299820A JP29982096A JPH10132666A JP H10132666 A JPH10132666 A JP H10132666A JP 8299820 A JP8299820 A JP 8299820A JP 29982096 A JP29982096 A JP 29982096A JP H10132666 A JPH10132666 A JP H10132666A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermocouple
temperature
temperature measurement
protective tube
ceramic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8299820A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3550915B2 (ja
Inventor
Hidenori Kita
英紀 北
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
Original Assignee
Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd filed Critical Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
Priority to JP29982096A priority Critical patent/JP3550915B2/ja
Priority to EP97304858A priority patent/EP0818671A3/en
Priority to US08/890,427 priority patent/US6102565A/en
Publication of JPH10132666A publication Critical patent/JPH10132666A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3550915B2 publication Critical patent/JP3550915B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、測温応答性及び測温精度を向上さ
せ、反復使用可能な長寿命の高温測温用セラミック熱電
対を提供する。 【解決手段】 この高温測温用セラミック熱電対は、耐
熱性のセラミックスによって作製された保護管1の内部
に異なる組成の一対のW−Re素線6,7を配置し、W
−Re素線6,7の端部を互いに接合した結合部分9を
保護管1の先端部4から露出させて測温部を構成する。
また、保護管1から露出したW−Re素線6,7の結合
部分9と保護管1との表面には、耐熱性で耐腐食性に優
れている炭化ケイ素、窒化ケイ素又はそれらの複合材料
から成る皮膜8,17を設ける。保護管1の内部には焼
結時に寸法変化の小さい耐熱性充填材3を充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、セラミックスか
ら成る保護管を持つ高温測温用セラミック熱電対に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、約1500℃の鋳鉄溶湯を測温す
るための熱電対は、材料として比較的に融点が高く、大
気中で安定であるPt−Rhを素線とし、該Pt−Rh
素線をアルミナシリカファイバー製のパイプに固定して
作製したものが使用されている。このような熱電対は、
鋳鉄溶湯の測温を約2回程度行った後に、正確な温度の
測定が不能となり、廃棄しているのが現状であり、熱電
対を多回数利用できずに熱電対そのものが極めて高価な
ものになっている。また、一般的に、シース型熱電対
は、W−Reを素線とし、高温で使用されるSUSシー
ス型部品の保護管として使用され、SUS等の金属で作
製されたものが知られている。SUSシース型熱電対
は、1000℃以上の雰囲気で使用されるものがあり、
その場合には、インコネル等の特殊耐熱合金で作製され
ている。通常、熱電対は、300℃〜1400℃の温度
範囲の温度を計測するため、各種の測定材を適合させて
いる。
【0003】また、熱電対の素線は、酸化性又は還元性
の雰囲気に対して弱い場合が多いので、一般的には保護
パイプ内に入れて使用されている。また、従来の高温測
温用セラミック熱電対として、通気用の孔を側面に形成
した窒化珪素製保護管内に、W−Re素線を内包し、そ
れらの空間をTiNが分散した反応焼結窒化珪素を充填
した構造のものが知られている。
【0004】また、特開平6−160200号公報に
は、気密端子付シース型熱電対が開示されている。該熱
電対は、過渡的な温度変化等により、端子部に温度勾配
が生じても測定誤差を生じさせないものであり、アルメ
ル線とクロメル線の異種金属線からなる熱電対素線をス
テンレス製シース内に無機絶縁材と共に、相互に絶縁し
て収納し、シースの基端側を気密端子部により気密に封
止する。気密端子部のセラミック端板に取り付けられた
2本のコパール製の貫通パイプの内部に絶縁スリーブが
挿入され、各熱電対素線はその内部を通って貫通パイプ
と直接接触せずに外部に引き出されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、熱電対はそ
の種類に応じて、熱起電力は、次のようになっている。
PR(Pt−Rh)熱電対の熱起電力は、500℃で
1.241mVであり、1000℃で4.833mVで
ある。また、CA(クロメル−アルメル)熱電対の熱起
電力は、500℃で20.64mVであり、1000℃
で41.269mVである。更に、W−Re熱電対の熱
起電力は、500℃で8.655mVであり、1000
℃で18.257mVである。
【0006】また、これらの熱電対の使用可能温度及び
使用雰囲気は、図4に示すとおりである。Pt−Rh熱
電対は、不活性ガス雰囲気での使用はできず、大気中で
の使用可能温度は1500℃が限界温度である。CA熱
電対は、大気中及び不活性ガス雰囲気中での使用が可能
であり、両者での使用可能温度は800℃が限界温度で
ある。更に、W−Re熱電対は、大気中及び不活性ガス
雰囲気中での使用が可能であり、大気中での使用可能温
度は400℃が限界温度であり、不活性ガス雰囲気中で
の使用可能温度は2300℃が限界温度である。
【0007】Pt−Rh素線を用いたPR熱電対につい
て、上記のように、PR熱電対の熱起電力は、CA熱電
対の約1/15であり、W−Re熱電対の約1/7と小
さいため、それらの熱電対に比較して測温の精度が劣
り、応答性が悪いという問題を有している。そのため、
現場においては、溶鉱炉の溶湯を測温するため、溶解炉
の近傍で作業者が温度が安定するまでの約8秒間、その
測定場所に居ることを余儀なくされる。また、熱電対に
よる溶湯の測温に際して、熱電対のPt−Rh素線に鋳
鉄が付着し、それを除去するための工程は煩雑になり、
しかも現行品は寿命が2回程度の測温であり、熱電対の
交換作業も手間がかかるという問題がある。また、熱電
対におけるW−Re素線は、大気中では酸化し易く、鋳
鉄溶湯の温度測定には使用できないものである。
【0008】従来の保護管をSUSで作製した場合に
は、保護管は、その耐熱使用限界温度が900℃程度と
低い耐熱温度である上、硫黄ガス中での使用では保護管
の金属が硫黄ガスに侵されるので、硫黄ガス中での使用
が困難である。また、保護管をインコネル等の特殊耐熱
合金で作製した場合には、その保護管はSUSの保護管
に比較して耐熱温度が高くなるが、コストが約2倍とア
ップすることになる。
【0009】また、上記高温測温用セラミック熱電対
は、高温大気中で使用した場合に、保護管に形成した通
気孔から内部への酸素の侵入によってW−Re素線が劣
化するという問題がある。更に、W−Re素線の熱膨張
係数は4.8×10- 6 /℃であり、W線の熱膨張係数
より更に大きく、繰り返しの使用によって周囲を形成す
る材料との熱膨張係数差に起因する応力により劣化する
可能性がある。また、上記高温測温用セラミック熱電対
は、保護管内にW−Re素線を内包し、保護管の空間を
TiN分散反応焼結Si34 を充填した構造では、測
温の応答性が良好でなく、更に応答性を向上させる必要
があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、上記
の課題を解決することであり、W−Re線をその先端部
を保護管から露出させた状態で、露出したW−Re線の
表面にCVD法による緻密な炭化ケイ素や窒化ケイ素の
皮膜を形成し、保護管のうち注湯部分には炭化ケイ素フ
ァイバー製の着脱自在なソケットを装着し、保護管が直
接溶湯に触れない構造に構成し、耐熱性及び耐腐食性を
向上させると共に、測温応答性を向上させると共に、反
復使用を可能にして熱電対を長寿命に向上させた高温測
温用セラミック熱電対を提供することである。
【0011】この発明は、窒化珪素、サイアロン及び炭
化珪素から選択されるセラミックスによって作製された
保護管、前記保護管の内部に配置された異なる組成の一
対のW−Re素線、前記W−Re素線の端部が互いに接
合され且つ前記保護管から露出している測温部を構成す
る結合部分、前記保護管から露出した前記W−Re素線
の前記結合部分に形成された炭化ケイ素、及び窒化ケイ
素又はそれらの複合材料から成る皮膜、前記保護管の内
部に充填された焼結時に寸法変化の小さい耐熱性充填
材、から成る高温測温用セラミック熱電対に関する。
【0012】また、前記耐熱性充填材はTiを含む反応
焼結セラミックスであるので、前記保護管と前記耐熱性
充填材との間の境界には隙間が発生ぜず、ガタが発生す
ることなく、N2 ガスが良好に封入され、W−Re線の
酸化を防止でき、熱電対の耐久性を向上させると共に、
反応焼結セラミックスが遮熱機能を発揮し、先端部の結
合部分の測温領域の熱容量を確実に小さするように狭い
領域に限定することができ、溶湯等の被測温物体の温度
測定にあたって熱電対の測温領域のみの温度上昇で済
み、迅速に且つ正確に温度測定が可能になる。
【0013】この高温測温用セラミック熱電対は、上記
のように構成したので、W−Re線の熱起電力が比較的
に大きく、また、測温部となる先端部は露出した構造で
あって熱容量が最小限に構成でき、温度への応答性が良
好になり、しかもW−Re線の融点が3000℃であ
り、鋳鉄溶湯中で溶けることはない。また、W−Re線
の表面に対してW−Re線の熱膨張係数に近い材料の緻
密なCVD法による窒化ケイ素又は炭化ケイ素の皮膜を
形成することによって、W−Re線の測温部での酸化を
防止できる。また、反応焼結材の耐熱性充填材と保護管
とが密着し、両者間の境界部に隙間が形成されず、熱の
通過面積を大きくすることができ、また、前記測温部の
近傍が皮膜で覆われて熱容量が小さく構成されているの
で、測温雰囲気に対して熱伝導性が良好になって応答性
を向上できる。
【0014】また、前記保護管のうち測温部側の端部に
は炭化ケイ素製ファイバーから成るソケットが設けられ
ている。前記ソケットは耐酸化性に優れているので、前
記ソケットを熱電対に嵌装することによって、前記保護
管の注湯領域の熱衝撃による破損を防止することがで
き、前記保護管の寿命を向上させることができる。
【0015】また、前記皮膜はCVD法で合成して形成
されている。更に、前記皮膜は、前記保護管の全表面に
設けられている。CVD法による窒化ケイ素又は炭化ケ
イ素の皮膜は、結晶粒子が大きく、不純物をほとんど含
まないために、フォノン散乱が小さく、熱伝導率が大き
い。そのために、上記皮膜を備えた熱電対は、耐熱性、
耐衝撃性に対しても優れている。また、鋳鉄溶湯は、上
記皮膜には濡れ難いため、熱電対の表面にFe金属が付
着し難く、作業性が良好であり、また、測温精度も向上
する。
【0016】ここで、耐熱衝撃温度をTcとした場合
に、熱伝導率をλ、皮膜の厚さをd、熱伝達率をh、ポ
アソン比をν、強度をσt 、ヤング率E及び線膨張係数
をαとすると、次の式が成り立つ。 Tc=〔1.5+3.25λ/(d×h)〕×(1−
ν)×σt /E×α 皮膜が窒化ケイ素である場合には、各因子は次のとおり
である。 λ=40W/m・k d=0.1×10- 3 m h=100,000W/m2 ・K ν=0.29 σt =400MPa E=300×103 MPa α=3.2×10- 6 /℃ 従って、〔1.5+3.25λ/(d×h)〕をXとす
ると、 X=〔1.5+3.25×40/0.1×10- 3 ×100,000〕 =1.5+3.25×4=14.5 Tc=X(1−0.29)×400/(300×103 ×3.2×10- 6 ) =14.5×0.71×400/0.96 =4290 従って、この高温測温用セラミック熱電対は、窒化ケイ
素の皮膜を設けることによって、鋳鉄溶湯の測温時の1
500℃にも耐えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図1を参照して、この発明
による高温測温用セラミック熱電対の実施例を説明す
る。図1はこの高温測温用セラミック熱電対の実施例を
示す断面図、図2は図1の高温測温用セラミック熱電対
の先端部を示す拡大断面図、及び図3は図1の高温測温
用セラミック熱電対を注湯後の経過時間に対する熱電対
の温度上昇状態を示すグラフである。
【0018】図1に示すように、この高温測温用セラミ
ック熱電対は、保護管1の内部に充填する充填材料及び
保護管1の先端の測温部2の構造に特徴を有するもので
ある。測温部2を保護管1の先端部4から突出させ、測
温部2の熱容量を小さく構成し、測温の対象物の温度に
直ちに上昇できる構造に構成されている。更に、保護管
1の内部に内包されるW−Re素線6,7の酸化腐食に
よる断線を阻止するため、反応焼結セラミックスから成
る充填材3が保護管1の内部に充填され、ガラスから成
る封止部材12で保護管1内が密封されている。
【0019】この高温測温用セラミック熱電対は、窒化
ケイ素(Si34 )、サイアロン(sialon)及
び炭化ケイ素(SiC)から選択されるセラミックスに
よって作製された保護管1、保護管1の内部に配置され
た異なる組成の一対のW−Re素線6,7、W−Re素
線6,7の端部を互いに接合し且つ保護管1の先端部4
から露出している結合部分9、保護管1から露出した結
合部分9に設けられ且つ炭化ケイ素、窒化ケイ素又はそ
れらの複合材料から成る皮膜8、保護管1の内部に充填
された焼結時に寸法変化の小さい耐熱性充填材3から構
成されている。また、耐熱性充填材3は、Tiを含む反
応焼結セラミックスで作製されている。保護管1のうち
測温部側の端部には、炭化ケイ素製ファイバーから成る
ソケット5が設けられている。更に、皮膜8は、CVD
法で合成して形成されているものであり、保護管1の表
面にも全面に設けられ、それによって、熱電対の耐熱性
を向上させている。
【0020】この高温測温用セラミック熱電対におい
て、充填材3は、Tiを含有させたスラリーを保護管1
に充填して反応焼結した場合に、Tiを含有することで
焼結膨張し、充填材3が保護管1の内壁面に密着し、保
護管1と充填材3との境界に隙間等が形成されることが
ない。充填材3は、SiCウィスカー等のセラミック繊
維、或いはSi34 系反応焼結セラミックスから成る
材料で構成されている。保護管1の内部には、N2 やA
rの不活性ガスが封入されていると共に、保護管1の内
部に前記不活性ガスを封入するため、保護管1の開口端
部にはポリイミド樹脂や鉛ガラス等の封止部材12が嵌
合して密閉されている。充填材3を反応焼結セラミック
スから構成した場合には、保護管1に充填されたスラリ
ーをN2 雰囲気で反応焼結することによって必然的にN
2 が封入されることになる。
【0021】〔実施例1〕第1実施例の高温測温用セラ
ミック熱電対は、図1に示すように作製されているもの
である。W−Re線6,7は、異なる組成を有するW−
5Reと、W−26Reからそれぞれ構成され、それぞ
れ線径が0.5mmであり、長さが300mmであり、
先端部が互いに結合されている結合部分9を備えてい
る。また、保護管1を、外径がφ8mmの窒化ケイ素か
ら作製した。保護管1内にW−Re線6,7を配置し、
その時、結合部分9を保護管1の端部から露出させて配
置した。次いで、保護管1の空間部にW−Re線6,7
を包み込むようにTi,Siを含む原料粉末を充填し、
これを1400℃の窒素雰囲気中で反応焼結し、反応焼
結の熱電対を作製した。次いで、四塩化ケイ素とアンモ
ニアガスを原料ガスとし、また、水素ガスと窒素ガスを
キャリヤガスとして、反応焼結の熱電対を1500℃中
の炉内に導入し、それらを反応させ、それによって熱電
対の測温部となる先端部を含む熱電対の保護管1の全表
面に厚さ約100ミクロンの窒化ケイ素製の皮膜8,1
7を設けた。
【0022】また、上記と同様の工程によって、原料ガ
スをアンモニアガスに代えて、メタンガスを用い、反応
焼結の熱電対を1500℃中の炉内に導入し、それらを
反応させ、それによって熱電対の測温部となる先端部を
含む熱電対の保護管1の全表面に厚さ約100ミクロン
の炭化ケイ素製の皮膜8,17を設けた。
【0023】次いで、保護管1の開口端部をケイ素系の
ガラス12で封止し、W−Re線6,7の端部にニッケ
ル製の導線19をそれぞれ銀蝋20で結線した。また、
注湯領域18に位置する保護管1の先端部4には、炭化
ケイ素ファイバーを編んで作製したソケット5が取り付
けられている。更に、熱電対を用いて溶湯の測温を行う
場合の作業性を容易にするため、保護管1の端部には、
ねじ16を備えたSUS製連結具11を介して長さ約
1.5mの中空部15を備えたSUS製パイプ10が接
続されている。パイプ10の端部には端子封止部材13
が設けられ、端子封止部材13から導線19の端子14
が延び出している。
【0024】上記のように作製された高温測温用セラミ
ック熱電対(本発明品)を用いて、その注湯領域18を
1450℃の鋳鉄溶湯に注入し、その時の測温応答性を
試験した。また、この高温測温用セラミック熱電対の比
較のため、従来の熱電対(従来品)を用いて同様に測温
応答性を試験した。本発明品と従来品との測温応答性の
比較結果を図3に示す。図3のグラフから分かるよう
に、本発明品は鋳鉄溶湯の温度1450℃を2秒程度で
測温できるのに対し、従来品は鋳鉄溶湯の温度1450
℃を7秒程度で測温時間を必要とした。即ち、本発明品
は、従来品に比較して測温応答性が極めて良好であるこ
とが分かる。また、本発明品は、鋳鉄溶湯を1500回
以上の測温したが、損傷等が発生しなかった。これに対
して、従来品は、2回程度で測温部へのFeの付着或い
は測温部での化学変化が発生し、鋳鉄溶湯の測温の精度
が発揮できず、損傷したことが分かった。
【0025】
【発明の効果】この発明による高温測温用セラミック熱
電対は、上記のように、測温部を形成するW−Re線の
結合部分を保護管から露出させ、その露出したW−Re
線の表面に窒化ケイ素又は炭化ケイ素の皮膜を設けたの
で、測温部での熱容量が可及的に小さく構成され、熱電
対の測温部が被測温物体の温度にまで直ちに上昇し、測
温応答性が良好になり、鋳鉄溶湯等の被測温物体の温度
を短時間で高精度に測定できる。また、前記保護管は前
記皮膜で被覆され、しかも注湯領域に炭化ケイ素ファイ
バーから成るソケットが嵌装されているので、耐熱性及
び耐酸化性に優れ、しかも、窒化ケイ素や炭化ケイ素は
鋳鉄溶湯に対して濡れ難いので、熱電対の注湯領域に金
属が付着することがなく、熱電対を多数回にわたって反
復使用しても、溶湯等の被測温物体の温度を高精度に且
つ迅速に測定でき、その寿命を向上させることができ
る。また、測温領域の温度は、保護管内の充填材によっ
て遮熱され、保護管を通じて後方へ熱が逃げ難くなり、
測温領域の熱電対の熱容量が小さいこととの作用によっ
て、熱電対の測温応答性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この高温測温用セラミック熱電対の一実施例を
示す断面図である。
【図2】図1の高温測温用セラミック熱電対の先端部を
示す拡大断面図である。
【図3】図1の高温測温用セラミック熱電対を注湯後の
経過時間に対する熱電対の温度上昇状態を示すグラフで
ある。
【図4】熱電対を構成する材料による使用可能温度を示
すグラフである。
【符号の説明】
1 保護管 2 測温部 3 充填材 4 先端部 5 ソケット 6,7 W−Re素線 8 測温部の皮膜 9 結合部分 18 注湯領域

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化珪素、サイアロン及び炭化珪素から
    選択されるセラミックスによって作製された保護管、前
    記保護管の内部に配置された異なる組成の一対のW−R
    e素線、前記W−Re素線の端部が互いに接合され且つ
    前記保護管から露出している測温部を構成する結合部
    分、少なくとも前記保護管から露出した前記W−Re素
    線の前記結合部分に形成された炭化ケイ素、窒化ケイ素
    又はそれらの複合材料から成る皮膜、前記保護管の内部
    に充填された焼結時に寸法変化の小さい耐熱性充填材、
    から成る高温測温用セラミック熱電対。
  2. 【請求項2】 前記耐熱性充填材はTiを含む反応焼結
    セラミックスである請求項1に記載の高温測温用セラミ
    ック熱電対。
  3. 【請求項3】 前記保護管のうち前記測温部側の端部に
    は炭化ケイ素製ファイバーから成るソケットが設けられ
    ている請求項1又は2に記載の高温測温用セラミック熱
    電対。
  4. 【請求項4】 前記皮膜はCVD法で合成して形成され
    ている請求項1〜3のいずれか1項に記載の高温測温用
    セラミック熱電対。
  5. 【請求項5】 前記皮膜は前記保護管の全表面に設けら
    れている請求項1〜4のいずれか1項に記載の高温測温
    用セラミック熱電対。
JP29982096A 1996-07-12 1996-10-25 高温測温用セラミック熱電対 Expired - Fee Related JP3550915B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29982096A JP3550915B2 (ja) 1996-10-25 1996-10-25 高温測温用セラミック熱電対
EP97304858A EP0818671A3 (en) 1996-07-12 1997-07-03 A ceramic sheath type thermocouple
US08/890,427 US6102565A (en) 1996-07-12 1997-07-09 Ceramic sheath type thermocouple

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29982096A JP3550915B2 (ja) 1996-10-25 1996-10-25 高温測温用セラミック熱電対

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10132666A true JPH10132666A (ja) 1998-05-22
JP3550915B2 JP3550915B2 (ja) 2004-08-04

Family

ID=17877323

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29982096A Expired - Fee Related JP3550915B2 (ja) 1996-07-12 1996-10-25 高温測温用セラミック熱電対

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3550915B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000088668A (ja) * 1998-09-16 2000-03-31 Isuzu Ceramics Res Inst Co Ltd 熱電対
JP2001091365A (ja) * 1999-09-14 2001-04-06 General Electric Co <Ge> 熱電対アセンブリ
WO2014054213A1 (ja) * 2012-10-04 2014-04-10 ヤンマー株式会社 消耗型熱電対
CN109974879A (zh) * 2019-03-15 2019-07-05 上海电仪仪器仪表有限公司 一种热电偶温度计结构

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5997025A (ja) * 1982-11-25 1984-06-04 Toshiba Corp 熱電対構造体
JPS62170656U (ja) * 1986-04-17 1987-10-29
JPS6311574A (ja) * 1986-03-18 1988-01-19 日立金属株式会社 熱電対保護管及びその製造方法
JPH01202634A (ja) * 1988-02-08 1989-08-15 Paloma Ind Ltd 熱電対
JPH0238391A (ja) * 1988-07-29 1990-02-07 Hitachi Metals Ltd 溶湯浸漬部材及びその製造方法
JPH02217361A (ja) * 1988-12-21 1990-08-30 Bayer Ag 反応―焼結された窒化ケイ素セラミックの製造方法、このようにして得られた窒化ケイ素セラミック、およびそれらの使用
JPH0755586A (ja) * 1993-08-17 1995-03-03 Meidensha Corp シース熱電対
JPH09105677A (ja) * 1995-10-12 1997-04-22 Isuzu Ceramics Kenkyusho:Kk セラミックシース型部品及びその製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5997025A (ja) * 1982-11-25 1984-06-04 Toshiba Corp 熱電対構造体
JPS6311574A (ja) * 1986-03-18 1988-01-19 日立金属株式会社 熱電対保護管及びその製造方法
JPS62170656U (ja) * 1986-04-17 1987-10-29
JPH01202634A (ja) * 1988-02-08 1989-08-15 Paloma Ind Ltd 熱電対
JPH0238391A (ja) * 1988-07-29 1990-02-07 Hitachi Metals Ltd 溶湯浸漬部材及びその製造方法
JPH02217361A (ja) * 1988-12-21 1990-08-30 Bayer Ag 反応―焼結された窒化ケイ素セラミックの製造方法、このようにして得られた窒化ケイ素セラミック、およびそれらの使用
JPH0755586A (ja) * 1993-08-17 1995-03-03 Meidensha Corp シース熱電対
JPH09105677A (ja) * 1995-10-12 1997-04-22 Isuzu Ceramics Kenkyusho:Kk セラミックシース型部品及びその製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000088668A (ja) * 1998-09-16 2000-03-31 Isuzu Ceramics Res Inst Co Ltd 熱電対
JP2001091365A (ja) * 1999-09-14 2001-04-06 General Electric Co <Ge> 熱電対アセンブリ
WO2014054213A1 (ja) * 2012-10-04 2014-04-10 ヤンマー株式会社 消耗型熱電対
CN109974879A (zh) * 2019-03-15 2019-07-05 上海电仪仪器仪表有限公司 一种热电偶温度计结构

Also Published As

Publication number Publication date
JP3550915B2 (ja) 2004-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6102565A (en) Ceramic sheath type thermocouple
US20010002201A1 (en) Thermocouple lance with layered sheath for measuring temperature in molten metal
US5696348A (en) Thermocouple structure
EP0887632A1 (en) A ceramic thermocouple for measuring temperature of molten metal
JP4437592B2 (ja) 高速応答性熱電対
JP3306427B2 (ja) シース構造体
JP3572312B2 (ja) セラミックシース型熱電対
JP3550915B2 (ja) 高温測温用セラミック熱電対
JP2002013984A (ja) 熱電対
JP3306426B2 (ja) 金属溶湯測温用熱電対
JP3603557B2 (ja) 金属溶湯測温用セラミック熱電対
JP3603614B2 (ja) 熱電対
JP3306425B2 (ja) 高温測温用セラミック熱電対
JP3355166B2 (ja) 金属溶湯測温用熱電対
JP3627317B2 (ja) 熱電対の構造
JP3952132B2 (ja) 金属溶湯用熱電対
JP2000088667A (ja) 繊維補強型熱電対
JP3329189B2 (ja) セラミックシース型熱電対
JPH1114465A (ja) 熱電対の構造
JPH11201831A (ja) 金属溶湯測温用熱電対
JP3627316B2 (ja) 熱電対の構造
JPH11311574A (ja) 銅溶湯用セラミック熱電対
JP2002223009A (ja) 金属溶湯用熱電対
JP3550828B2 (ja) 熱電対の構造
JP3533944B2 (ja) 破壊検知機能付き熱電対用保護管の構造

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040304

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040330

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040412

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees