JPH10130502A - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

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JPH10130502A
JPH10130502A JP28808896A JP28808896A JPH10130502A JP H10130502 A JPH10130502 A JP H10130502A JP 28808896 A JP28808896 A JP 28808896A JP 28808896 A JP28808896 A JP 28808896A JP H10130502 A JPH10130502 A JP H10130502A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリフェニレンスルフィド樹脂の優れた耐
熱性、機械的性質、寸法安定性などを維持しながら、優
れた成形加工性と半田耐熱性を併せ持つポリフェニレン
スルフィド樹脂組成物を提供する。 【解決手段】(a)溶融粘度が10〜50000ポイズ
であるポリフェニレンスルフィド70〜95重量%、
(b)結晶性ポリアミド樹脂を30〜5重量%、(c)
成分aと成分bの合計100重量部に対して平均粒径が
4μm以下であり、1μm以下の粒子を80重量%未満
含有するタルク、シリカ、カオリンの群から選ばれた少
なくとも1種類の微細粒子を0.1〜5重量部、(d)
補強材として繊維状充填剤を25〜100重量部の割合
よりなることを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹
脂組成物を製造し用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なポリフェニレ
ンスルフィド樹脂組成物に関する。詳しくは、優れた半
田耐熱性を有すると共に、難燃性、成形性、機械的強
度、耐薬品性などの特性に優れるポリフェニレンスルフ
ィド樹脂組成物に関するものであり、特に表面実装部品
に好適に使用することが出来る。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンスルフィド樹脂は耐熱
性、難燃性、耐薬品性などに優れたエンジニアリングプ
ラスチックであり、射出成形、押出成形等により各種部
品への成形が可能で、これらの特徴を活かして電気・電
子機器部材、自動車機器部材、精密機械部材に応用され
ている。特に、ポリフェニレンスルフィド樹脂は、射出
成形における成形流動特性に優れ、収縮率も小さいた
め、薄肉成形、精密成形に適している。
【0003】しかしながら、最近の高機能化、軽量化、
低コスト化等の社会的ニーズを反映して、これらの分野
における成形部品は、従来以上の、薄肉化、小型化、複
数化が求められる傾向にある。
【0004】従って、材料としてのポリフェニレンスル
フィド樹脂は、成形に際し薄肉部における十分な流動性
と、金型のパーティング面へ樹脂の流出する現象、いわ
ゆるバリの発生が極めて少ないことが必要である。ポリ
フェニレンスルフィド樹脂により、薄肉成形を行うに
は、比較的低分子量で溶融粘度の低いポリマーを用いる
か、射出成形温度を通常の条件より高く設定し、ポリマ
ーの溶融粘度を下げて成形することが一般に行われてい
る。
【0005】しかしながら、これらの方法では、溶融粘
度の低下に伴い、発生するバリの量も多くなるという欠
点を有している。さらに、成形品の機械的性質や寸法精
度が低下するなどの問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ポリフ
ェニレンスルフィド樹脂の優れた特性を維持しながら、
成形性、特に高流動性と優れたバリ特性の共存した材料
の配合方法について鋭意検討した。
【0007】従来、ポリフェニレンスルフィド樹脂の成
形性を改善する方法として、特開昭55−135160
号公報に示されるポリフェニレンスルフィド樹脂にナイ
ロン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、又はポリフェニレン
オキサイド樹脂を配合してなる組成物や、特開平3−6
4358号公報に示されるポリアリーレンチオエーテル
樹脂にナイロン46樹脂を配合してなる組成物などが提
案されている。しかしながら、これらの組成物において
高い流動性と、優れたバリ特性を同時に満足させるため
には、ポリフェニレンスルフィド樹脂の優れた特性の一
つである耐熱性が犠牲になることが判明した。特に、表
面実装部品にポリフェニレンスルフィド樹脂にナイロン
を配合して成る組成物を使用した場合、ナイロン樹脂の
吸水が多いため、リフロー槽を用いた半田付けの際に、
ナイロン樹脂中の水分が気化し、製品表面に膨れ(ブリ
スター)が発生し、半田耐熱性が著しく低下するなどの
問題があった。
【0008】本発明の目的は、上記の問題点を踏まえ、
ポリフェニレンスルフィド樹脂の優れた耐熱性、機械的
性質、寸法安定性などを維持しながら、優れた成形加工
性と半田耐熱性を併せ持つポリフェニレンスルフィド樹
脂組成物を提供することである。
【0009】
【課題を解決する手段】上記のような現状に鑑み、本発
明者らは従来のポリフェニレンスルフィドとポリアミド
樹脂からなる組成物の問題点を解決するために、溶融粘
度が10〜50000ポイズであるポリフェニレンスル
フィド樹脂とポリアミド樹脂からなる組成物に、平均粒
径が4μm以下であり、1μm以下の粒子を80重量%
未満含有するタルク、シリカ、カオリンの群から選ばれ
た少なくとも1種類の微細粒子を配合することによりポ
リフェニレンスルフィド樹脂とポリアミド樹脂とからな
る組成物の半田耐熱性が著しく向上することを見いだ
し、優れた成形加工性と半田耐熱性を併せ持つきわめて
実用性の高いポリフェニレンスルフィド樹脂を提供しう
ることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、(a)溶融粘度が1
0〜50000ポイズであるポリフェニレンスルフィド
樹脂70〜95重量%、(b)結晶性ポリアミド樹脂を
30〜5重量%、(c)成分aと成分bの合計100重
量部に対して平均粒径が4μm以下であり、1μm以下
の粒子を80重量%未満含有するタルク、シリカ、カオ
リンの群から選ばれた少なくとも1種類の微細粒子を
0.1〜5重量部、(d)補強材として繊維状充填剤を
25〜100重量部の割合よりなることを特徴とするポ
リフェニレンスルフィド樹脂組成物である。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明に使用されるポリフェニレンスルフ
ィド樹脂は、その構成単位として、
【0013】
【化1】
【0014】を70モル%以上、より好ましくは90モ
ル%以上含有しているものが好ましい。
【0015】また、構成単位として30モル%未満、好
ましくは10モル%未満であれば、m−フェニレンスル
フィド単位、
【0016】
【化2】
【0017】o−フェニレンスルフィド単位、
【0018】
【化3】
【0019】フェニレンスルフィドスルホン単位、
【0020】
【化4】
【0021】フェニレンスルフィドケトン単位、
【0022】
【化5】
【0023】フェニレンスルフィドエーテル単位、
【0024】
【化6】
【0025】ジフェニレンスルフィド単位、
【0026】
【化7】
【0027】種々の官能基を有するフェニレンスルフィ
ド単位、
【0028】
【化8】
【0029】(ただし、式中Rは、アルキル基、フェニ
ル基、ニトロ基、カルボキシル基、ニトリル基、アミノ
基、アルコキシル基、ヒドロキシル基、またはスルホン
酸基等である。)等の共重合単位を含有していてもさし
つかえない。
【0030】さらに、本発明に使用されるポリフェニレ
ンスルフィド樹脂は、直鎖状のものであっても、酸素雰
囲気下での加熱処理、または過酸化物等を添加しての加
熱処理により硬化させ、重合度を上げたものであって
も、また、非酸化性の不活性ガス中で加熱処理を施した
ものであってもかまわないし、さらにこれらの構造の混
合物であってもかまわない。又、上記のポリフェニレン
スルフィド樹脂は、脱イオン処理(酸洗浄や熱水処理
等)を行うことによってイオンを低減させたものであっ
てもよい。
【0031】本発明に使用されるポリフェニレンスルフ
ィド樹脂の溶融粘度は、測定温度315℃、荷重10k
gの条件下、直径1mm、長さ2mmのダイスを用いて
高化式フローテスターで測定した溶融粘度が10〜50
000ポイズ、好ましくは100〜10000ポイズ、
さらに好ましくは250〜6000ポイズのものが好適
に使用できる。溶融粘度が50000ポイズを越えると
射出成形時の成形性が悪化し好ましくなく、また10ポ
イズ未満では機械的強度が低下し好ましくない。
【0032】本発明に使用されるポリフェニレンスルフ
ィド樹脂の配合量は70〜95重量%である。この範囲
であれば、優れた耐熱性および成形性を有する。配合量
が70重量%未満では耐熱性および吸水性が低下するた
め好ましくない。一方、95重量%を越えると成形性の
改良効果が乏しく好ましくない。
【0033】本発明で使用する結晶性ポリアミド樹脂
は、主鎖にアミド結合(−NH−CO−)を持つ重合体
であり、これらのうち通常はポリカプロアミド(ナイロ
ン6)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリ
ドデカンアミド(ナイロン12)、ポリテトラメチレン
アジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジ
パミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセパカミ
ド(ナイロン610)など公知のものが使用できる。
【0034】結晶性ポリアミド樹脂の重合方法は、通常
公知の方法を採用できる。具体的には、ε−カプロラク
タム、6−アミノカプロン酸、ω−ラウロラクタムなど
の開環重合、11−アミノウンデカン酸の重縮合、ヘキ
サメチレンジアミンとアジピン酸、セパシン酸、ドデカ
ジオン酸などのジカルボン酸との重縮合、ジアミノブタ
ンとアジピン酸との重縮合などにより得られる。
【0035】これらの結晶性ポリアミド樹脂のうち、ナ
イロン6、ナイロン66、ナイロン46は融点が220
℃以上であるため、本発明が課題とする優れた成形加工
性と半田耐熱性を併せ持つポリフェニレンスルフィド樹
脂組成物を得るためには、さらに好適に用いられる。
【0036】また、結晶性ポリアミド樹脂の重合度は特
に制限はなく、相対粘度(ポリマー1gを98%濃硫酸
100mlに溶解して、25℃で測定)が1.0〜5.
0の範囲にある結晶性ポリアミド樹脂を目的に応じて任
意に選択できる。
【0037】本組成物に対する結晶性ポリアミド樹脂の
配合量は、5〜30重量%が好ましい。結晶性ポリアミ
ド樹脂の配合量が5重量%未満では、流動性の改良効果
が乏しく、30重量%を越える場合は組成物の耐熱性が
著しく悪化する。
【0038】本発明で用いられる微細粒子は、平均粒径
が4μm以下であり、1μm以下の粒子を80重量%未
満含有するタルク、シリカ、カオリンである。これら微
細粒子を配合することにより組成物の半田耐熱性を著し
く向上させることが可能となった。
【0039】本発明で用いられる微細粒子は、平均粒径
が4μm以下であり、1μm以下の粒子を80重量%未
満含有することが重要である。平均粒径が4μmを越え
ると半田耐熱性を向上させるために微細粒子を多量に加
える必要があり、物性の低下を招くため好ましくない。
さらに好適に用いられる微細粒子の粒径は2μm以下で
ある。また平均粒径が4μm以下であっても、1μm以
下の粒子が上記値を超えて多いと、分散不良を起こし十
分な半田耐熱性を得ることが出来ず好ましくない。
【0040】これら微細粒子の前記ポリフェニレンスル
フィド/結晶性ポリアミド樹脂組成物に対する添加量
は、ポリフェニレンスルフィド/結晶性ポリアミド樹脂
組成物100重量部に対して0.1〜5重量部であり、
好ましくは0.2〜3重量部である。
【0041】添加量が0.1重量部未満の場合には、微
細粒子を添加した効果が十分ではなく、一方、5重量部
を越える場合には、半田耐熱性の向上は認められるが、
成形性の低下が起こるため好ましくない。添加量がこの
範囲で有れば、本組成物を表面実装部品に使用した場
合、リフロー槽を用いて半田付けを行っても、製品表面
に膨れ(ブリスター)が発生せず、半田耐熱性に優れる
組成物が得られる。
【0042】また本発明で用いられる微細粒子は、2種
類以上を併用しても何ら問題はない。
【0043】本発明で使用できる繊維状充填剤として
は、たとえばガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、チタン
酸カリウムウィスカーなどが挙げることができる。これ
らの中ではガラス繊維が好ましい。ガラス繊維としては
直径3〜20μの繊維径を有するロービング、チョップ
ドストランド、ミルドファイバーなどが使用される。ガ
ラス繊維は、通常樹脂との密着性を向上させるために、
バインダーで処理が施されるが、バインダーとしては、
ウレタン系、エポキシ系またはウレタン−エポキシ併用
系やシラン系のカップリング剤等が挙げられる。
【0044】本発明で使用される繊維状充填剤の配合量
はポリフェニレンスルフィド樹脂と結晶性ポリアミド樹
脂からなる組成物100重量部に対し、25〜100重
量部、好ましくは30〜70重量部である。添加量が2
5重量部未満の場合、成形品の機械的強度・耐熱性が十
分でない場合があり好もしくない。一方、100重量部
を越える場合、流動性の低下、靭性の低下が著しく十分
な特性が得られない。
【0045】本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組
成物は、本発明の目的を逸脱しない範囲で、各種熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂、例えば、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、シリコン樹脂、ポリアセタール、ポリアリレ
ート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリフェニレン
オキシド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエー
テルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエー
テルイミド、フッ素樹脂等の1種以上を混合して使用で
きる。また、本発明の目的を逸脱しない範囲で、炭酸カ
ルシウム、マイカ、硫酸カルシウム、クレー、ガラスビ
ーズ、ガラスパウダー等の無機充填剤、チタン酸カリウ
ム、ホウ酸アルミニウム、酸化亜鉛等のウィスカーの1
種以上を混合して使用できる。
【0046】さらに、本発明のポリフェニレンスルフィ
ド樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で少
量の熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、難燃助剤、離型
剤、滑剤、染料、顔料等の着色剤、紫外線吸収剤、帯電
防止剤、イオントラップ剤等を必要に応じて添加しても
良い。
【0047】本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂組
成物は、上記した各成分を用いて種々の方法で製造する
ことが出来る。例えば、単軸押出機、二軸押出機、ニー
ダー、ブラベンダー等による加熱溶融混練方法が挙げら
れるが、中でも二軸押出機を用いた溶融混練方法が最も
好ましい。この際の混練温度は特に限定されるものでは
ないが、通常280〜400℃の中から任意に選ぶこと
が出来る。
【0048】この様にして得られる本発明のポリフェニ
レンスルフィド樹脂組成物は、従来より公知の方法によ
り各種コネクター部品、各種スイッチ部品、薄肉成形
品、等種々の形状に成形することができ、射出成形、等
の加工方法が可能である。具体的な用途分野としては自
動車、電気、電子、機械等の工業材料分野で耐熱性、寸
法安定性、成形加工性等に優れた成形素材として広範囲
に使用することが出来る。
【0049】
【実施例】本発明を実施例によって更に詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例により限定されるものでは
ない。
【0050】なお、以下の参考例中で製造したポリフェ
ニレンスルフィドの溶融粘度の測定は、高化式フローテ
スター(ダイス;φ=1.0mm,L=2mm)によ
り、300℃、10kg荷重で測定した。
【0051】また実施例中の流動長とバリ長さは以下の
測定法によって得られた値である。
【0052】図1に示すように、A;10μmのクリア
ランスを持つバーフロー(10×0.5mmt)金型を
使用し、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を射出成
形機(住友重機,SYCAP S-165/75)を用いて、射出圧力
1200kg/cm2にて成形したときに、樹脂が充填
した距離を流動長、Aのクリアランス部分に発生したバ
リを万能投影機を用いて測定してバリ長とした。
【0053】参考例1 <ポリフェニレンスルフィド>15 lオートクレーブ
に、N−メチル−2−ピロリドンを5 l仕込み、12
0℃に昇温した後、Na2S・2.8H2O 1866g
を仕込み、約2時間かけて攪拌しながら徐々に205℃
まで昇温して、水を407g留出させた。この系を14
0℃まで冷却した後、p−ジクロルベンゼン 2150
gを加えて、225℃に昇温し、3時間重合させた後、
250℃に昇温し、さらに250℃にて3時間重合し
た。
【0054】重合終了後、残りのスラリーは、大量の水
中に投入して重合体を析出させ、濾別、純水による洗浄
を行った後、一晩加熱真空乾燥を行うことにより重合体
を単離した。得られたポリフェニレンスルフィドの溶融
粘度(高化式フローテスターで測定)は280ポイズで
あった。この様にして得られた重合体を、さらに空気雰
囲気下235℃で処理し、溶融粘度1540ポイズのポ
リフェニレンスルフィドを得た。この重合体をPPSと
する。
【0055】<ナイロン66>結晶性ポリアミド樹脂と
して、ナイロン66であるUBEナイロン2020H
(宇部興産製)を用いた。このポリマーをPA66とす
る。
【0056】実施例1〜実施例4、比較例1〜比較例3 参考例1で得たPPS,PA66及び微細粒子としてタ
ルク(ミクロンエースP−4;日本タルク製,平均粒径
1.5μm,1μm以下の粒度25重量%,タルク−I
と略す),シリカ(Nipsil E220A;日本シ
リカ工業製,平均粒径1.0μm,1μm以下の粒度5
0重量%,シリカと略す),カオリン(ASP−60
0;土屋カオリン工業製,平均粒径0.6μm,1μ以
下の粒度65重量%,カオリン−Iと略す)から選んだ
1種類を表1に示す配合比で、あらかじめタンブラーを
用いて均一に混合した。その後、スクリュー径37mm
φの二軸押出機を用い、表1に示す配合量でガラス繊維
(直径13μm,長さ3mmのチョップドストランド)
をサイドフィーダーから供給しながら、シリンダー温度
300℃で溶融混練してペレット化した。
【0057】得られたペレットを120℃で10時間乾
燥した後、図1に示した金型を取り付けた射出成形機
(住友重機,SYCAP S-165/75)を用いて、シリンダー温
度310℃,射出圧1200kg/cm2,金型温度1
35℃の条件で各10ショット射出成形した。得られた
成形品の流動長とバリ長を測定した。その結果を表1に
示した。
【0058】また、同じ射出成形機を用いて、シリンダ
ー温度310℃、金型温度135℃、射出圧力500〜
1200kg/cm2、射出速度中速でカードエッジ型
コネクタを成形した。得られたコネクタは、25℃の純
水に24時間浸漬処理をした後、耐ハンダ性(耐ブリス
ター性)を評価するため、ハンダリフロー装置(千住金
属工業製,SMIC SF-2506HB)を用いて、ピーク温度26
0℃、コンベアスピード300mm/minに設定し
て、リフロー装置通過後のコネクタに発生する膨れ
(ブリスター)を目視で観察した。その結果を表1に示
した。
【0059】表1から明らかなように、本願発明組成物
は流動性に優れ、バリの発生が少なく、耐ハンダ性(耐
ブリスター性)に優れていることが判る。
【0060】
【表1】
【0061】比較例4 微細粒子として平均粒径が4μm以上であるタルク(S
IMGON;日本タルク製,平均粒径9.0μm,1μ
m以下の粒度7.4重量%,タルク−IIと略す)を用
いたことを除いて実施例と同様に溶融混練した後、流動
長、バリ長、耐ブリスター性について評価した。その結
果を表1に示した。この様に平均粒径の大きなタルクで
は、ハンダリフロー装置を用いた耐ブリスター性試験で
は成形体に膨れ(ブリスター)が発生して耐ハンダ性に
優れた組成物を得ることが出来ない。
【0062】比較例5 微細粒子として平均粒径が4μm以下、1μm以下の粒
度が80重量%以上であるカオリン(ASP−072;
土屋カオリン工業製,平均粒径0.3μm,1μm以下
の粒度90重量%,カオリン−IIと略す)を用いたこ
とを除いて実施例と同様に溶融混練した後、流動長、バ
リ長、耐ブリスター性について評価した。その結果を表
1に示した。この様に平均粒径が4μm以下であって
も、1μm以下の粒度が80重量%以上であるカオリン
ではハンダリフロー装置を用いた耐ブリスター性試験で
は成形体に膨れ(ブリスター)が発生して耐ハンダ性に
優れた組成物を得ることが出来ない。
【0063】比較例6〜比較例9 微細粒子としてアルミナ(AL−45−A;昭和軽金属
(株),平均粒径1.0μm,1μm以下の粒度50重
量%,アルミナと略す)、酸化チタン(UF02;タイ
オキサイドジャパン製,平均粒径0.02μm,1μm
以下の粒度100重量%,酸化チタンと略す)、炭酸カ
ルシウム(ナノックス25;丸尾カルシウム製,平均粒
径1.3μm,1μm以下の粒度37重量%,炭酸カル
シウムと略す)、マイカ(A−11;山口雲母工業所,
平均粒径2.8μm,1μm以下の粒度14%,マイカ
と略す)を用いたことを除いて実施例と同様に溶融混練
した後、流動長、バリ長、耐ブリスター性について評価
した。その結果を表2に示した。この様に平均粒径が4
μm以下でも請求範囲以外の無機充填剤を使用したので
は、ハンダリフロー装置を用いた耐ブリスター性試験で
は成形体に膨れ(ブリスター)が発生して耐ハンダ性に
優れた組成物を得ることが出来ない。
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】本発明のポリフェニレンスルフィド樹脂
組成物は、耐熱性、寸法安定性、成形加工性等に優れた
樹脂組成物を与えるため、高流動性と低バリ性を要求さ
れる電気・電子部品に好適で、特に半田耐熱性に優れる
ことにより表面実装部品に好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組成物の流動長とバリ長を測定するた
めに用いたバーフロー金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 3:34 7:04)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)溶融粘度が10〜50000ポイズ
    であるポリフェニレンスルフィド70〜95重量%、
    (b)結晶性ポリアミド樹脂を30〜5重量%、(c)
    成分aと成分bの合計100重量部に対して平均粒径が
    4μm以下であり、1μm以下の粒子を80重量%未満
    含有するタルク、シリカ、カオリンの群から選ばれた少
    なくとも1種類の微細粒子を0.1〜5重量部、(d)
    補強材として繊維状充填剤を25〜100重量部の割合
    よりなることを特徴とするポリフェニレンスルフィド樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】結晶性ポリアミド樹脂がポリアミド6、ポ
    リアミド46、ポリアミド66の群から選ばれた少なく
    とも一種類であることを特徴とする請求項1記載のポリ
    フェニレンスルフィド樹脂組成物。
JP28808896A 1996-10-30 1996-10-30 ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3627403B2 (ja)

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